10月7日のハマスによる1400人余りのイスラエル人虐殺事件があってから本来ならイスラエルに世界中から同情が集まるべきなのに、なぜか至上稀なる残虐なやり方で加害した方のパレスチナに同情が集まり、あたかもイスラエルがパレスチナ人を虐殺したかのように世界中で親パレスチナデモが起きている。ヨーロッパではイスラム移民が非常に多いので、そういうことが起きるのは予想が出来なかったわけではないが、私は未だにアメリカで起きていることにかなりのショックを受けている。特にアメリカの大学キャンパスで起きているあからさまなユダヤ人差別には本当に驚いている。

もう何年も前になるが、カナダの大学で学生委員会の委員の大半がイスラム教徒学生になった途端にユダヤ教徒サークルの予算を取り上げるという事件が起きたのを私は書いたことがある。アメリカでもUCLAでイスラエル製品ボイコット運動決議にベン・シャピーロが抗議に乗り込み、決議は通らなかったということもあった。私はこれらの出来事は大学自体の方針というより、昨今増えて来たイスラム教徒の学生のせいだと思っていた。しかし、それだけでは全く説明のできない状況になっている。

先日も書いた通り、何年も前からアメリカの大学キャンパスでは、DEI(多様性、平等、包括性)という教育が反イスラエル思想を生み出している。其れに関して私はリベラルとはいえユダヤ系の学生たちはどう考えているのか疑問をもっていた。ユダヤ系といっても誰もがユダヤ教徒ではないし、アメリカの世俗主義ユダヤ系は圧倒的に左翼リベラルだ。民族が同じだというだけで自動的にイスラエルを支持するとは限らない。だからイスラエルに関してはユダヤ系にも色々な考えがある。

ただ、今起きていることはイスラエル政府への批判というよりユダヤ民族への憎悪感情だ。パレスチナ解放とかイスラエルのアパルトヘイト反対とか言うのと、ハマスの口にするのも憚れる残虐な行為を擁護するのとでは全く違う。教授自らが先頭に立ってハマスを賛美し何のお咎めもない。今まで社会正義戦士として同胞として一緒に戦って来たはずの学生たちが、突然ユダヤ人は皆殺しにしろと騒ぎだし、同じ大学にいるユダヤ人学生を追い立てて暴力で威嚇したり、キャンパス内にあるコ―シャ―レストランを襲ったりとなってくると、ユダヤ人学生たちは命の危険すら感じていることだろう。

こうなると一体自分らが今まで信じて来た左翼リベラリズムや社会正義とは何だったんだと考えるユダヤ系学生が増えるのは当然のことだ。下記はフォックスニュースの記事より。

コーネル大学のユダヤ系学生の報告によると、イスラエル南部でのハマスによるテロ攻撃を 「爽快 」と呼んだ教授を擁護する意見が出たことで、学内の同級生の多くが左翼学生グループへの忠誠を疑問視しているという。

Fox News Digitalは、ユダヤ系学生の間で政治的な変化が起きていることを認識しているという “コーネリアン “たちに、裏話とオフレコで話を聞いた。彼らの中には、様々な進歩的グループとの絆に疑問を抱いている者もいるし、進歩主義運動そのものに疑問を抱いている者もいる。

「コーネル大学に来る学生の多くはリベラル派だが、このことは、自分たちをリベラル派だと思っているユダヤ人の多くに、そのことに疑問を抱かせていると思う」と、安全上の理由から匿名を希望した統計学とコンピューター科学を専攻する学生は語った。「彼らがしていることは、黙って反省し、将来誰に投票するかを変えることだ。共和党の予備選挙で、誰がイスラエルを最も支持しているのか、自分のこれまでの価値観と矛盾しているにもかかわらず、注目しているのです」。

民主党にはユダヤ系議員も多いが、ザ・スクワッドと呼ばれるイスラム教徒議員四人組がいる(AOCはイスラム教徒ではないが、反イスラエル)。特にパレスチナ出身のRashida Tlaibは自分のオフィスにパレスチナの旗を掲げるなどあからさまな態度だ。バイデン政権も一応は方針としてイスラエルを支持しているとはいうものの、ホワイトハウスの報道官への質疑応答では、激化する反ユダヤ思想に懸念はないかという質問に対して、なぜかイスラモフォビアでイスラム教徒が危険にさらされているという訳の分からない答えが返ってきた。これでは民主党支持のユダヤ系は考えざる負えないだろう。

参考記事:

Opinion: I thought I’d be safe from antisemitism at my college. I was wrong (msn.com)

NJ Jewish high school prohibits college reps from recruiting students unless university has safety plan (msn.com)


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