ハリウッドの脚本家と俳優たちが合同ストライクを始めてすでに100日を超えるそうだ。テレビなんぞ全く観ない私からすれば、だから何?と言ったところだが、実をいえばアメリカ市民のほとんどが私と同じように感じているようで、私が良く観てるユーチューバーが行ったアンケート調査ではストライキを辞めて早く戻ってこいと答えたのが何とたったの3.2%だったそうだ。ま、彼の視聴者はもともとハリウッドファンではないから当然の結果だが。

一回の出演料が何千万ドルとかいうような大型スターはともかく、脇役でちょこちょこ出ているような下っ端俳優などは一か月も二か月も収入が無かったら暮らしていけない。それに撮影がなければヘアやメイクさんや技術や大道具など、撮影関係でその他いろいろな仕事をしてる人たちの生活にも支障をきたすだろう。確かにお気の毒なことではある。しかしながら、、

2020年3月から始まった2年間のロックダウンにより、どれだけのビジネスが崩壊したかを考えると、その間ずっと仕事をし続けていた芸能界が三か月やちょっと休んだからといって同情心を持てと言われてもそれは難しいだろう。

私はロックダウン中にレストラン経営者が室内飲食を禁止されたため、野外テラスを設置したにもかかわらず、不衛生ということで営業を許可されないその真横で、映画撮影のためのケイタリング用野外食事場が設置されている前で泣きながら訴えていた動画を今も鮮明に覚えている。何故レストランの野外テーブルは駄目で、撮影現場のケイタリングは良いのか、何が違うんだと彼女は訴えていた。

だいたいロックダウンで生活に必要不可欠だからと営業を継続できたビジネスと、不必要だと言われて閉店を余儀なくされた商売との不公平さは今もって理解できない。

ステイプルと言う大型文房具店は開いているのに、その隣にあるキッチン用品専門店は休店。文房具店へ入るのは安全でも台所用品店に入るのは危険とはどういう意味だ?洋服も売っているウォールマートのような大型小売店は開いているのに、個人経営の洋品店は休店。同じように不可解な理由で美容院やエステなども休店。ロックダウンの影響で潰れたビジネスはうちの近所だけでも、先に話した台所用品店、50年以上やっていたコーヒーショップ、行きつけのカフェ、近所で唯一本物の味がしたラーメン屋、個人経営の中華店、苺畑夫婦が30年来通っていた運動ジム、などなど数えたらキリがない。

人びとがそうやって苦しんでいる間にも映画やテレビの仕事は続いていた。それでいて金持ち芸能人たちがテレビで「マスクしろ!」「ワクチン打て!」「ソーシャルディスタンスを守れ!」などと煩いお説教を人々にしていたことを我々は未だ忘れていない。

それはともかく、最近のハリウッド映画はすでに観客離れが始まっている。この夏は大型映画の不発ぶりが特に顕著で、ディズニーのリトルマーメイドやライトイヤー、インディアナジョーンズ、ミッションインポッシブルなどが不入りで次々にずっこけた。これまで必ず成功していたヒーローものもザ・フラッシ、シャザーン、ブルービートルなど全く駄目だった。テレビ界でもテレビドラマ至上最高の製作費を投入したロードオブザリングスシリーズが大失敗、黒人女性を起用したクレオパトラシリーズも大不評、とまあこんな具合だ。個人的には楽しみにしていたスタートレックのピカードやストレンジニューワールドの新シーズンが酷すぎて観られたものじゃなく、パラマウントのストリームはキャンセルした。(ただしネットフリックスのワンピース実写版は評判がいい)

この映画やテレビの観客離れが続いているのも、最近のハリウッド作品のポリコレお説教に人々が嫌気をさしてきたからだろう。それにロックダウン中に押し付けられたストリーミングサービスのおかげで我々は別に新作品を観なくても、昔の傑作品をいくらでも観ることが出来る。

何にしろインフレで大変は人々がハリウッドなんぞに同情する余裕はないのである。


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