長年トランスジェンダー界隈は、トランスジェンダー(TG)のことを心と体の性別が一致しない人々のことを指すと言ってきた。TGの人の脳みその性は生殖器とは食い違いがあり、より異性的であると主張してきた。であるからもしTGの脳が正常な人とは違うということが科学的に証明されれば、性違和は単なる本人の妄想などではなく脳の失陥として認められることになる。もしそのような科学的調査結果を得ることが出来たならトランスジェンダー活動家(TRA)界隈はさぞうれしいであろう。長年彼らが主張してきたことが正しいということになるのだから。ところが現実はその反対。TRA界隈はこの調査は危険であり今すぐ中止されるべきだと主張している。

男女の脳の機能に関する研究は昔から行われており、男性脳と女性脳とでは機能の仕方が違うということは長年言われてきた。男女の考え方が違うのは科学の力を借りなくても一般的な観察で明白だ。男性は物資的なものに興味を持ち、女性は生物に興味を持つ。だから男性のエンジニアが多いのに対し、女性の小児科医や教師が多いといった傾向がある。

しかし男女能の違いに関する研究は何かと政治的問題が生じる。数年前脳の研究をしていた女性科学者が、フェミニスト達からの執拗な妨害に逢い研究を諦めたというインタビューを聞いたことがある。フェミニストにとって男女の脳に違いがあるという研究は女性差別に繋がり危険だからだという理屈からだった。何故違いを認めることが差別になるのか、おかしな話ではあるが、ともかく彼女達は男女差を認めたがらなかった。今となれば、彼女達のそういう姿勢が今のトランスジェンダーリズム概念に繋がったわけだが。

男女の体が違うのは誰にでも明白だ。体が違うのであれば体の一部である脳も違うと考えるのは当然のこと。しかし生殖器と脳の発達は胎児の発育では違う段階でおきるため生殖器が出来てから脳の発育が異性のものになる、もしくは十分に男子・女子として発達しないという状況が生じるという調査があるそしてTGの脳は異性の脳と近いことが多いという。この調査結果には反論もかなりあるが、ここではそれには言及しない。

私は以前から、もしもMRIなどの検査で男女の脳がはっきりと判別できるのであれば、性同一性障害(GID)の診断に大いに役立つはずで、この検査で異性脳を持つと判定された人のみGIDと診断されるべきだと言って来た。自分に性違和があると思っている人にとって、この科学的証明は大歓迎のはずなのだが、なぜかTRA界隈はこの調査を歓迎しないどころかTGへの差別に繋がるとして、研究そのものを辞めさせようとしている。こちら2021年にフェデラリストに掲載された記事。

彼らに言わせると、性違和が脳の失陥だということになると、拒食症やbody dysmorphic disorder,(自分の体を忌み嫌う失陥)など他の脳疾患と同じように精神治療が主になり、それは昔同性愛者を「治す」目的で行われた悪名高いコンバージョンセラピーに繋がりかねないというのである。彼らに言わせるとGIDを訴える人々に一番必要なのは彼らが感じるほうの性別を肯定することであり、彼らの判断を疑うのは危険であるというのである。

TRA界隈は最近、GIDを病気モデルから政治モデルへと変えようとしている。つまりGIDは精神病ではないので、精神治療は必要ない。GIDは治癒すべきものではないと主張しているのだ。

しかしこれには非常に大きな矛盾がある。もしGIDが病気ではないなら、なぜ彼らは異性ホルモンを摂取したり整形手術を受けたりする必要があるのだろうか?単に異性的脳みそを持って生まれた人というカテゴリーで暮らすことの何が問題なのだろうか?

GID当事者によると、性同一性障害の場合は多大なる精神的苦痛を伴うという。TRAによれば2歳児や3歳児くらいから、自分が異性として生きられないと自殺願望が強くなり、放っておけば思春期を迎えるころには自殺する可能性が高いという。だから極力早いうちに思春期ブロッカーを投与し、10代のうちに異性ホルモンに移行、そして未成年のうちに整形手術をするべきだというのだ。このような深刻な症状のある精神状態が健康であると言えるだろうか?そしてもしGIDが病気ではないのなら、なぜこのような極端な医療措置が必要なのか?

同性愛者のコンバージョンセラピーが非人道的であったのは、彼らは同性指向であるというだけで精神を患っていたわけではなく治療を必要としていなかったことにある。躁鬱症や分裂症などと違って、同性愛者は脳にダメージがあったわけではなく、放っておいても病的症状が悪化して入院しなければならなくなると言うわけでもなかった。カウンセリングも薬も必要なく、ごく普通の社会人として暮らすことができた。

GIDが同性愛と同じで心の病気ではないというのであれば、同性愛者が単に異性には性愛を感じないというだけの人間として生きているように、GIDもまた身体の性と性認識が一致しないというだけの人間として生きていけばいいのではないだろうか。本人もそういう属性で生まれた自分を受け入れられるように努力したほうが無理矢理異性の体に近づけようと危険なホルモン投与や整形手術をして一生薬漬けになるような治療を始めるよりよっぽども健康的ではないか?

さて、ではなぜトランスジェンダー活動家(TRA)らは脳が異性であるかどうかを判別する研究に反対しているのであろうか。それは彼らの目的は最初から性同一性障害という脳に異常のある人たちを救うことではなかったからだ。

だいたい身体と脳の性別が違うというのが本当だとして、なぜ脳の性別のほうが生殖器もついている身体の性別より正しいということになるのか。なぜ直すのは常に身体のほうで脳みそのほうではないのか。実際にGIDの人の脳には異常があるという調査結果がでれば、必ずやそうした疑問が生まれてくる。常に性転換を推して来たTRAにとってそれは非常に都合が悪い。

TRAの真の目的は女性と男性の境界線を失くすことにある。女性脳と男性脳の研究を阻止しようとしたフェミニストたち同様、TRAは男女の差がない社会を作り上げることを真の目的としている。社会的に男も女も同じになれば良い社会になるかといえばとんでもない。昨今のトランスジェンダリズムをみていても解る通り、人々が好き勝手に性別を選べる社会は実は身体的に弱い立場にある女性達に多大なる被害を与えるのである。

そして無論一番の被害者は子供たちだ。2歳や3歳といった自分の名前もはっきり言えないような子供たちまで性違和があるとして子供の戯言や親の妄想を信じて性転換を急がせるTRA。子供をトランスジェンダーにするのは界隈では大儲けになる。やたらな検査などされて、性自認が異性だなどというのが嘘であることがばれるのはTRA界隈にとって非常に不都合なことなのだ。

つまるところ、TRA界隈はトランスジェンダーを自認する人の数を増やしたいだけなのであり、実際にGIDに悩む人々のことなどどうでもいいのである。トランスジェンダー活動家たちは彼ら自身トランスジェンダーなどというものが存在しないことを十分に承知しているのである。


1 response to なぜトランス活動家たちは性同一性障害の科学的調査を阻止しようとするのか

苺畑カカシ1 year ago

鐚醫鵁懷淤ワ🦕🦖🥛🥐☕
@tatiwowasan
ジェンダーアイデンティティは視床下部の違いであり、トランス女性はその形が女性の、トランス男性はその形が男性のもの!つまりトランスジェンダーとは脳科学で説明できる!心の性別は存在する…!

と信じられる人凄いね。脳の一部が何?他の部分は関係しないのにその部分だけ関係するのか?
スタンスが意味わからない。『生物学が差別に利用されてきた歴史を知ってたら生物学的女性など言わない』と言われたかと思えば、『トランスジェンダーは遺伝子や脳で決まってるんだ』と言ったり。
有意な相関がある、というのは重要な情報だが、それでトランスジェンダーの性別はその脳で自認する性別であるとするのは論理の飛躍。その視床下部の違いも擬似相関で別の変数がある可能性もある。脳が重要なのは知っているが、脳の自認を特別視するのは科学的ではないだけの事
『ジェンダーと脳』によると、脳の一部を見て男女では有意な違いがあるとする論文は数多く出ているが、全体で見れば、男性に多い形と女性に多い形のモザイクなのだそうだ。どうして脳の一部だけを見て性別を議論する事ができようか
『君自身が自己を自認しなければ、君自身は君の脳内に存在しない。君の脳内に存在しないということは、君自身が存在しないということ、じゃ無いの?』
脳で認識できなくても、現実には存在する。脳は様々に錯覚や誤認をするので脳が認識している方が現実というのはおかしい
脳と認識が全てなのか。ならば私は性別とは身体に基づくもので、あなたの言うわかりづらい例とやら以外は身体で明確に分けて良いし、トランス女性は男性で、性転換できない以上特殊な処置をした男性(特殊な処置をしていなければ、明確に女性)と認識する。私にとっての現実だ

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