拙ブログご愛読の読者諸氏はおぼえておられるだろうか、ちょうど二年前の感謝祭の際に主人が買ってきた10kgという巨大な七面鳥との散々たる格闘を。今年は私も病み上がりということもあるし、主人はとっくの昔に料理から引退していることでもあり、家族と集まる感謝祭でも「七面鳥は焼きません」と早々に宣言した。

実は、苺畑家の七面鳥歴は非常に長く、かれこれ40年近い。ことの始まりはミスター苺の大学時代にさかのぼる。当時彼はカリフォルニア北部にある大学に行っていたが、父親が望むUCLAに行かなかったということで勘当状態にあった。そこで彼は自分と同じように多々の理由から感謝祭に実家に帰省できない同級生たちを集めて自分の借家に招待してホームメイド七面鳥をふるまったことにある。

大学卒業後、父親が亡くなり再び家族と感謝祭を過ごせるようになったミスター苺は、それまで義母が請け負っていたターキー作りを引き継いだ。面倒くさい料理をしなくて済むようになった義母は大喜びでミスター苺にバトンタッチ。私と結婚してからも、ミスター苺のターキー担当の伝統は守られていた。

しかし数年前から主人は病気がちになり、長時間台所に立って料理をすることが出来なくなった。それで、それまではスーシェフだった私が晴れてヘッドシェフへと昇格。その後ターキーづくりは私の担当になって今に至る。

しかし今年は私が大病をし夏に大手術で入院、その後も回復に時間がかかっているということもあり、今年は大がかりな料理は出来ないと家族に伝えた。無論家族は事情を良く知っているので、今年はターキーなしでもいい(誰もターキーを焼きたがらないので)ということになり、義母がコストコに注文してローストチキンを持ってくるということで話は決まっていた。そして私は何か簡単なオードブルでも持ってくればいいということになり、家族は肉料理には色々制限があったため、シーフード焼売を作ることになった。

感謝祭の前日、足りない材料を買いにスーパーに行くと、ターキー大セールが行われていた。それを見たら、せっかくの感謝祭にターキーを食べないのも寂しいよなあと思ってしまった。しかしだからといって、感謝祭まですでに24時間を切っており、今から気持ちをかえてターキーを作るなど無理。などと考えていたら、胸肉だけの2kgというターキーを発見。2年前の五分の一の大きさだし、これなら今からでも十分間に合うと考え2kgターキーを購入。

そうと決まればターキーの付け合わせも必要になる、スタッフィング、グレービー、ポテト、ヤム、ええい、面倒だ、せっかくだから全部作っちゃえ!

というわけで勝ったターキーは一晩漬け汁に浸して当日は6時起きして色々作った。もちろん焼売も。

なんだ結局いつもより大変になってしまったではないか!

とはいうものの、ターキーを期待していなかった家族は他に色々なものを持ち寄っていたため、この量はかえってちょうど良かった。今までターキーは丸ごと焼かなければいけないという使命感があり、自分に不必要な負担をかけていたような気がする。

「あれ、カカシ伯母さん、このターキーなんかスモーキーな味がするね」と言われて気付く。慌てて材料を集めたため、ターキー用ブラインを買い忘れてしまい、うちにあったスモーキーBBQ漬け汁ミックスを使ったのがばれてしまったようだ。


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