本日(2022年4月14日)早朝、アメリカの首都ワシントンDCにテキサスから違法移民を乗せた二台目のバスが到着した。これはテキサスのグレッグ・アボット州知事がバイデン政権の悲劇的な移民政策に対しておこなった反撃のひとつである。

アボット知事は先週、連邦政府がテキサス州内部に解放した違法移民は連邦政府に引き取ってもらうと宣言し、緊急対策テキサス支部the Texas Division of Emergency Management (TDEM)に違法移民の移動を命令した。

バイデン政権になって以来、トランプ政権中に厳重に取り締まりが行われていた国境の防御が破壊状態になっており、2021年は97年間で移民の多さが第三位とまでになった。わずかに武漢ウイルス対策の一貫として病気を理由に追い返していた違法移民も、CDCの方針変更で追い出せなくなるという散々たる状況と化している。

CDCのタイトル42という規制は、感染病などの蔓延を防ぐために、難民申請の手続きを行わないまま国境から追い返してもよいというもので、この規制の元、170万人の移民が追い返されていた。しかし、武漢ウイルスはもう終息したということで、CDCはこの規制を解除する意図を発表したのだ。

ただでさえがばがばな国境は、このタイトル42解除でさらにがばがばになってしまう。それで国境沿いの州であるテキサスでは、知事が連邦政府のこの無責任な移民対策に反発して、テキサス州に放たれた違法移民たちを首都に送り込むという作戦にでたのである。

バイデン爺さん、あんたが招き入れたんだから、あんたがなんとかしてよね、と言う具合だ。

TDEMによれば、この政策はすでに効果を上げているという。アボット知事に助けを求めたリオグランデバレーからテレル郡の住民は連邦政府による違法移民の解放が止まったと報告している。TDEMは違法移民が解放された国境付近の地域にバスを送り込み違法移民と確認された人々がバスに乗せられた。これらのバスは一台40人を収容することができるという。

しかし移民問題は連邦政府の管轄であるため、国境州の知事といえども違法移民を買ってに輸送することは憲法違反である。2012年のオバマ政権の頃アリゾナ州でも同じことをやろうとして法廷で負けた例がある。

しかしアボット知事は、連邦政府が責任ある政策を取っていないことがこの現状を招いているのだと主張。

「テキサスは、バイデン大統領の無頓着なリーダーシップではなく、もっと国境警備に関する積極的で計画性のある政策を要求する。「連邦政府がかつて地元の安全を保っていた常識ある方針から後退するにつれ、我々の地元警察が乗り出して危険な犯罪者や麻薬密売人や違法麻薬などの流入から一つ星州(テキサス州の愛称)を守っているのだ。」

テキサス州が行っている国境警備はこれだけではない。連邦政府がメキシコから入ってくる違法移民や麻薬流入の検査を全く行っていないため、テキサス州は独自にメキシコから入国するトラック内部を事細かに検査し始めた。おかげで国境につづくメキシコの道路で何十キロにも及ぶ大渋滞が起きている。

これに関してホワイトハウスのジェン・サキ報道官はアボット知事を痛烈に批判し次のように語った。

テキサスとメキシコの国境でアボット知事が行っている不必要で重複した検査により、食品や自動車の部品などの供給が著しく滞っており、産業や仕事に多大なる悪影響を及ぼして、それがテキサスや国中の家計に大きな負担をかけている。

あ~、まるで効果ないワクチンパスポートをトラック運転手たちに課して、カナダとアメリカの流通を停滞させた政権が何を言ってんでしょうかねえ。

だいたいテキサスが厳しい検査をしなければならないのは、連邦政府がメキシコからの多々の違法薬物や密輸製品の規制を行っていないことが原因ではないか。連邦政府がやらないことを国境州のテキサスがやらざる負えない状況になっているのだ。自分らの職務怠慢を棚にあげてよくもまあテキサスを責めたりできるものだ。


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