今日の新聞の見出しにロシア戦闘機が米国偵察機に50フィートも近づいたというのを見て、え、またかよ、と思ってしまった。ほんの先週もロシア戦闘機が二日間にわたって公海域で米国の護衛艦の上を旋回し、時には70フィートという高度まで近づいたという事件があったばかり。

ワシントン(CNN) 米軍の欧州軍司令部は17日までに、バルト海上空の国際空域で通常任務を遂行中の米空軍偵察機RC135にロシア軍戦闘機が異常接近し、横転飛行など敵対的な意図をにじませる行動を示したと発表した。
CNNの取材に応じた同司令部の報道担当者によると、ロシア軍機との遭遇は14日に発生。戦闘機は単座式のスホイ27型機で偵察機の翼の先端部分には約15メートルの距離まで近づいた。RC135機の左側方向から横転飛行などして右側部分に移る飛行を見せたという。
同偵察機はロシア領空を侵犯していなかった。スホイ27の行動は安全飛行を損ねる軍事的に未熟なものと批判、両国関係の緊張を不必要に高めかねないとしてロシア政府に抗議した。

先週の事件はこちら。

米欧州軍は13日、バルト海の公海上で11日と12日にロシア軍機が米駆逐艦ドナルド・クックに10回以上繰り返し異常接近してきたと発表した。ロシア軍のSu-24戦闘機は武器を搭載している様子がなかったため、駆逐艦は特に対応しなかったという。
米軍関係者は連日の異常接近について「ここしばらくの間で最も攻撃的な行為」と批判。ドナルド・クックの艦長は相次ぐ異常接近を「攻撃の予行演習」と呼んだ。
米欧州軍は発表文書で、ロシア軍機による接近は「危険で、挑発行為になり得る」ものと批判。「ロシアの飛行行動が安全性を欠き、プロフェッショナルらしくないことに、深い懸念を抱いている」と欧州軍はコメントし、「一連の行動は両国の緊張関係を不要に悪化させ得るもので、深刻な負傷や死亡に至る計算違いや事故につながるかもしれない」と警告した。

これらの異常行動に関して、ロシア側は事実とそぐわないと米国への明らかな挑発行為を否定している。
はっきり言って、何でドナルド・クックは戦闘機を撃ち落さなかったのだ? 外国の船、しかも護衛艦を演習用の標的にするなど言語道断だ。戦闘機を撃ち落すようなことをして国際事件を起こしたくなかったという言い分もあるだろうが、それを言うならロシア機が戦闘態勢をとってドナルド・クックに近づいてきた時点で、すでに国際問題に発展したといえる。米国が同じことをロシアの護衛艦に行なったら、ロシア側が応戦しただろうことは間違いない。そしてそうされたとしてもこちらからは何の文句も言えないのだ。
事実、アメリカ側がロシア機を撃ち落せば、こちら側のデータからロシア機による攻撃態勢が明らかになり、かえって米国側がロシアに抗議が出来る立場が強まったはず。ドナルド・クックが何もしなかったのは戦闘機が「武器を搭載している」ことが確認できない場合は応戦してはならないというROE(Rule of Engagement = 交戦規定)を受けていたからだろう。以前にアメリカの小船二隻がイランに何の抵抗もなく拿捕された事件といい、今回の度重なる事件といい、いったいアメリカって国は防衛する気があるのかよ?
ロシア側の狙いはもちろん、アメリカの反応を試すことにある。アメリカ側のこの弱腰な反応からして、オバマのアメリカはブッシュ政権のように防衛に真剣な姿勢を持っていないことが明らかだ。だとしたら、ロシアが近隣諸国を侵略してもアメリカは手出ししないだろう。いや、この分だと自国を攻撃されても反撃できないほどオバマ政権は弱腰だと判断されたかもしれない。


2 responses to ロシア戦闘機による度重なる挑発、オバマのアメリカは応戦する気ゼロ

ちび・むぎ・みみ・はな3 years ago

(違った記事にコメントしてしまったので再コメント)
相手の立場になって考えるのも重要ではないか。
メキシコ湾の中でキューバとロシアが演習をやって
黙っていられるのか。むしろ、非常に良くコントロール
された牽制であるとは思わないか。 少なくとも、
米海軍の現場ではそう考えている筈だ。
Bush大統領がYaltaについて懺悔したのを覚えていると思う。
また、米国人なら、Hoover大統領の”Freedom betrayedを
読んでいると思う。それで米国が東欧諸国にとっては
救世主であると信じておられるのだろうか。
私は信じない。
ロシアのboarder諸国をNATOに引き入れるのがそれらの諸国に
とって幸せになる道だとも思わない。
そもそも、アメリカに手を出されて幸せになった国など「ない」。
ドイツの現在の不様な状況はドイツの identity が
「米国の民主主義」に消し去られた結果だとは思わない
のだろうか。
米国人の歴史に対する無知と自己中心主義には時として
苛立ちばかりを感じる。

ReplyEdit
苺畑カカシ3 years ago

ちび・むぎ・みみ・はなさん、
あなたのコメントは私が書いたことと関係がないように思えるが、一応答えておこう。
東欧諸国がヤルタによって犠牲になったことは非常な悲劇であった。しかしそれをアメリカの責任だと押し付けるのはおかしい。どちらかといえば、あれはアメリカの決断ではなく、ルーズベルトがもうすでに重病できちんとした議論が出来きずにスターリンに押されてしまったことにある。
それにしたってレーガン大統領のおかげで冷たい戦争は西側の勝利に終わり東欧もソ連の魔の手から逃れられた。
アメリカが手を出してよくなった国がないというあなたの断言には全く同意できない。
第二次世界大戦でアメリカがヨーロッパ戦に参戦しなかったらフランスやイギリスがどうなっていたかは想像に難くない。
日本は同盟軍に惨敗したが、ロシアに侵略されずにアメリカに侵略されたことで国を滅ぼされずに済んだ。アメリカは日本を植民地にせずに復興援助までしてくれた。本来ならアメリカは日本の資源をとことん奪い、日本市民を奴隷扱いしてもよかったんじゃないのか?いや、そうされて旧日本は文句を言える立場じゃなかったはず。日本ほどアメリカにお世話になった国もないではないか。その日本人がアメリカが手を出してよくなった国がないなんてことは言えないと思うね。
あなたは多分、アメリカに憲法を押し付けられた、と主張する側なんだろうけど、それが嫌だったら今までにいくらでも変える時間はあったのだから、何時までもアメリカを責めるのはどうかと思うね。
ドイツはアメリカ軍に防衛を任せっぱなしで、イスラム国からの侵略にまるで無力ではないか。
オバマのアメリカが軟弱だからイスラム国のようなテロリスト達が蔓延るのだ。ヨーロッパが比較的平和だったのはアメリカが、ブッシュ政権がアフガニスタン・イラク戦争をやってイスラムテロリストを隔離していてくれたからだ。
ところで、あなたの言う「米国人」というのは誰のことを指すのかな?私のことか?
だとしたら私もあなたに対して同じ印象を持つね。

ReplyEdit

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *