共和党の大統領候補がだんだんと煮詰まって来ているが、現在残っているのは、元マサチューセッツ州知事のミット・ロムニー、テキサス州代表下院議員のロン・ポール、元ペンシルベニア州代表上院議員のリック・サントラム、そして元下院議長だったニュート・ギングリッチの四人だ。
サウスカロライナ州の予選ではギングリッチが圧勝したが、私個人としてはギングリッチに共和党候補にはなってほしくない。その理由はギングリッチの好感度率はオバマ王のそれに比べて遥かに劣るからである。
オバマ王の支持率が落ちているとはいうものの、リアルクリアポリティクス(RCPAverage 12/7 – 1/17)の平均だと、好感率と不快感の率はそれぞれ47.8%と47.0で好感率の方が+0.8とわずかながら上回っている。これが共和党候補と比べてみると、
オバマ対ロムニー  RCP Average 1/5 – 1/16 — 46.9:45.0 Obama +1.9
オバマ対サントラム RCP Average 1/5 – 1/18 — 50.1:40.3 Obama +9.8
オバマ対ポール   RCP Average 1/5 – 1/16 — 46.8:41.7 Obama +5.1
というふうになる。オバマは現役の大統領なので挑戦者より支持率が高いのは当然だが、こういう世論調査では往々にして実際より民主党が優勢と出るものなので、オバマとロムニーでは支持率はどっこいどっこいといったところ。
それがオバマ対にギングリッチとなると、、、
オバマ対ギングリッチ RCP Average 1/5 – 1/16 — 50.6:39.6 Obama +11.0
オバマが11%も優勢で、なんとトンデモ候補のロン・ポールより劣る! これじゃあ一般選挙でオバマを倒せる見通しはない。
共和党の間ではガチガチの保守派が人気を得るのは当然だ。しかしいくら保守派の間で人気があっても、一般選挙で勝てなければ意味がない。オバマとやり合って勝てる候補となると、ギングリッチは最悪の候補だ。
私個人としてはギングリッチという人物そのものは好きだが、大統領候補としては適していないと思う。ギングリッチは後先のことを考えずに思いたったことをすぐ口にする悪い癖がある。歯に衣を着せない物言いは、聞いていて気持ちいいこともあるが、をれは我々が彼に同意しているからであり、リベラルや無所属の有権者にとっては耳障りなことも多くある。
たとえばサウスカロライナ予選前に行われた討論会において、冒頭の質問でギングリッチの前妻が語ったセックススキャンダルの話が持ち出されたとき、ギングリッチは「破壊的で悪質で否定的なニュースの性質」こそが問題である、CNNともあろうものが、大統領候補討論会の冒頭でそのようなくだらない質問をもってくるとはあきれてものがいえない。と司会者に噛み付いた。(英語だから『呆れてものがいえない』なんて表現をするわけはないが、ま、そういった感じのことを言った。)
会場に集まったサウスカロライナの共和党支持者たちの間ではこれは大ヒットで、立って声援を送るひとたちまでいた。しかしながら、これには問題がある。
我々保守派は常に左翼リベラルメディアのダブルスタンダードや偽善や不公平な保守派バッシングの偏向報道にうんざりさせられている。だから我々はもともとメディアなんぞ信用していない。だからギングリッチが遊び人だということに眉をひそめても、それ以上に鬼の首をとったかのようにそれをつかってギングリッチを攻撃するメディアのほうに反感を持つ。
だが、普段から特に政治やニュースに注意を払っていない無所属や民主党の有権者にとって、主流メディアがそれほど偏向しているという意識はない。我々は常に差別されているから感じるが、差別の対象になっていない人や差別する側の人間が、差別があることに気がつかないのは当然のことだ。ニュートの司会者への噛み付きは、保守派の我々には気分がすかっとするような発言でも、そうでない視聴者には、ギングリッチは都合の悪い話が出て来るとメディアのせいにするせこい奴だ、と取られる可能性が多いにある。
保守派がガチガチ保守派を支持するのは当たり前と書いたが、実はギングリッチはそれほどガチガチ保守でもない。以前に民主党のペロシ元下院議長と一緒に地球温暖化の危機について唱えたこともあったし、国民皆保険を熱烈に奨励したこともある。社会主義の最たるフランクリン・D・ルーズベルト大統領のことを歴史上もっとも偉大な大統領だと言ってみたり、革新派のウッドロー・ウィルソン大統領を尊敬するような発言をしたこともある。極右翼のラジオパーソナリティーのグレン・ベックなどは、ギングリッチを大きな政府を好むプログレッシブ(革新派)だと批判している。
また、個人生活のなかでも結婚を三回もしているということ、過去二回の結婚中に今の奥さんを含め、数々の女性と浮気をしていたこと、前妻に公認の上で愛人を持ちたいとオープンマリッジを提案したらしいという話など、およそ宗教保守が支持出来るような生き方もしていない。
ギングリッチは討論会では高得点を得るので保守派の間では人気が出るかもしれないが、一般選挙になると、政治家の政策や信念よりも好感度が物を言うようになる。ギングリッチの攻撃的な態度は常にさわやかな笑顔を保つ(それがどれだけ偽のものであろうと)オバマと比べた場合、二人の背景を全く知らない人たちからするとオバマのほうが断然好感度が高い。
ギングリッチが共和党候補に選ばれればオバマが圧勝すること間違い無し。あと四年もオバマ王の独裁にアメリカが自由国として生き残る事ができるのか、私は非常に心配である。そんなことにならないためにも断じてニュートには勝ってもらいたくない。


3 responses to 米大統領共和党予選、どうしてニュートじゃ駄目なのか

mhgt10 years ago

あはは、
トンでも候補の、ロン・ポールかぁ~。
私は彼が一番マシだと思ってます。=彼以外だったら誰がなってもアメリカは同じだろうって…まあ、彼が大統領になっても、彼の思うようにならないなら、同じだしね。
私は、個人的には、いつもロン・ポール応援してるんです。

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Sachi10 years ago

マックさん、
ロン・ポールは理想はいいですし、筋の通った事をよく言ってるとは思うのですが、なにせ現実的じゃない。特に外交問題があまりにもナイーブなので、ちょっと無理じゃないかなと思います。
カカシ

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Sachi10 years ago

YSジャーナルさんからこちらのブログの紹介があったので、張っておこう。
表題のブログ主はカリフォルニア在住の女性なんだが、共和党各候補とオバマ大統領とで好感度・不快度を比べた調査を紹介。保守派の立場からオバマ大統領との一般選挙でニュート・ギングリッチ候補では勝てない、と分析しています。
『苺畑より』「米大統領共和党予選、どうしてニュートじゃ駄目なのか」
カカシ

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