ミネアポリスの空港で覆面捜査官にわいせつ行為をしようとして逮捕されていたアイダホ代表のラリー・クレイグ上院議員は、自分は無実だと言い張っていたが、共和党上院議会から辞任を要請する声がかなりあがっていたこともあって、ついに9月いっぱいで辞任をすると発表した。

辞任の時期は9月30日の予定。同筋によると、共和党の全国委員会がクレイグ議員に退任を求める意向だったが、本人が自発的に辞任の意思を固めたため中止したという。同党内では来年の大統領選を踏まえ、党のイメージ低下を避けるため、クレイグ氏の辞職を促す声があった。

同氏は1990年に初当選。保守派で3期目となっている。
クレイグ議員は今年6月に逮捕され、8月8日にわいせつ行為の容疑に対して有罪を認めていた。しかし、その後の会見では、有罪を認めたのは「過剰反応だった。判断を誤ってしまった」と述べ、一転して無罪を主張していた。
30日には、逮捕時に警察官と交わしたとする会話の録音したテープが公開され、クレイグ氏が犯行を否認し、警察官のわなにかかったと主張していたことが明らかになった。トイレには本来の用を済ませるために入ったとし、「私は同性愛者ではない」などと話していた。そして、「あんなところで人をわなにかけるようなことはすべきではない」と警察官に抗議している。
一方、警察官はクレイグ氏がうそをついていると責め、「協力してくれる限りは」刑務所には連れて行かない、などと話し掛けている。クレイグ氏の報道担当はこのテープの内容で「事実が明らかになった」と主張している。

これでまあ一件落着といったところ。クレイグ議員は民主党議員ではないので、共和党議員としての政治生命はもう終わりだろう。彼が同性愛者かどうかということは別にどうでもいいことなのだが、公衆便所でわいせつ行為をするなんて人間はどう考えてもゲイでもストレートでも許されることではない。
さて2008年の選挙への影響だが、アイダホは非常に保守的な州なので、クレイグ議員でなくても共和党議員が議席をとることはまず間違いない。選挙まではあと一年以上もあることだし、クレイグ議員は責任をとって辞職した、共和党もわいせつ行為は擁護しないという姿勢をはっきりさせたので、アイダホ市民も納得したことだろう。
考えてみれば、クレイグ議員のわいせつ行為がこの時期に明かになったことは不幸中の幸いといえる。もし2008年の後半、クレイグ議員の名前が候補者名簿の載ってしまってから、このような事件が起きていたら、クレイグ氏が過去に未成年の男子インターンにセクハラしただの、男性の選挙委員とふしだらな行為をしただのといった話があることないこと次々と出てきて、氏の議席が失われるだけでなく、共和党全体にも影響があるところだった。


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