先日から話題のWPATHファイルだが、その242ページにわたるリポートを読み始めたので、少しづつご紹介していきたいと思う。しかしいかんせん長いリポートで中身も濃いのでどれだけ時間がかかるかは分からない。あらかじめその旨ご了承願いたい。

このファイルは学術論文なので、最初は論文の結論をまとめたExecutive Summary、この論文を書くにあたりどのような経過があったか、どのような人々の協力を得たかといったことが書かれている。そして簡単なWPATHの歴史。これについては先日マット・ウォルシの記事を紹介しているので繰り返さない。

カカシ注:3月16日現在。このExecutive Summary を邦訳してくれた人がいたので、そのリンクを貼っておく。WPATHファイル:子ども、思春期の若者、そして社会的弱者である成人に対する疑似科学的な外科手術とホルモン投与による実験 – ジェンダー医療研究会:JEGMA

さて、WPATH創設の歴史はおいといて、WPATHが辿ってきたトランスジェンダー医療の基準、スタンダードオブケア(SOC)の歴史について考えて行こう。このSOCこそが現在トランスジェンダー治療をする際のガイドラインとして医療機関が広く参考にしている基準だからである。

トランスジェンダー医療の基準SOCの歴史

最初のSOCが発表されたのは1979年、後にWPATHとなるザ・ハリー・ベンジャミン国際性違和協会(HBIGDA)によるものだ。そして第二SOC2, 第三SOC3が1980年、1981年と続き、第四版が1990年に発表された。

初期の段階ではHBIGDAのメンバーは多少なりとも科学的に精神疾患の分析の元にどのようなホルモン治療や整形手術が適切であるかを考えて行こうとしていた。しかし1990年代になるとその方針が変わってくる。

1998年SOC5が発表された。当時の会長スティーブン・B・レビーン博士は異性ホルモン治療を始める前に二人の医師からの診断書を必要とするというガイドラインを求めたが、代表のリチャード・グリーン博士はそれが気に入らず、三年後に発表されたSOC6では診断書は一人の医師のみでよいと改訂された。

HBIGDAはどんどん活動家によって乗っ取られていき、2002年レビーン博士は「組織の推薦が初期の科学に基づくものではなく政治やイデオロギーが支配するものになってしまった」として辞任した。

そして2007年、HBIGDAはthe World Professional Association for Transgender Health WPATHと改名し活動を始める。この時点で全く実歴がないにもかかわらず、過激な性癖概念を持つ藪医者の集まりであるWPATHは国際的威厳のあるトランスジェンダー医療専門組織として一目置かれるようになる。

2012年SOC7が発表される。ここで初めて思春期前児童への思春期ブロッカーが完全に可逆的なものだとして推薦される。まだこのブロッカーの効果も副作用も完全に理解されていなかったにも拘わらずである。そしてここで、それまでにあった医師の診断書という項目が無くなり、代わりに情報を正しく得たうえでの同意、いわゆる「インフォームドコンセント」という言葉が出て来るのである。これによってジェンダー専門家は患者及び保護者が十分に理解出来たうえで同意したとして、精神科医による充分な診察が行われないまま過激な治療を開始することが出来るようになったのだ。

この頃から性同一性障害を精神病ではなく単なる精神疾患とする動きが始まる。性違和は病気ではなく単なる健康な精神状態の一貫であり、性違和患者が体験する精神的ストレスは周りに理解されない偏見や差別への反応であるという考えが広められた。

SOC7発表後、アメリカ精神科医協会(APA)は第五改訂版の「診断と精神障害の診断と統計マニュアル」(DSM-5)を発表し、「性同一性障害」は「性同一性疾患 gender dysphoria」と改名された。

SOC7の後2022年にSOC8が発表されるまでには10年が経過する。SOC8発表わずか二日後、WPATHは未成年に関する必要条件を削除してしまう。またSOC8にはノンバイナリー治療についても述べられており、男性でも女性でもないことを自認する人のために中性的外見をつくるための処置やペニスと膣両方を望む患者のための膣形成手術なども含まれていた。

しかしさすがにこのSOC8は医療機関から非難を浴びた。それで2000人に渡る医療関係者がWPATHはよもやジェンダー関係の推薦を出来るような組織として信用できないという声明文を公表した。

WPATHファイルを発表したエンバイロメンタルプログレスは、米国小児科学会(AAP)、米国精神医学会(APA)、米国医師会(AMA)のような評判の高い医学団体に対し、WPATHとの関係を絶つように呼び掛けている。

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私は精神科医学会がDSM-5で性同一性障害は病気ではないと認定したと聞いた時に、これは医学的に新しい発見があっての改訂ではなく、政治的圧力による改訂であると信じて疑わなかった。私の勘はあたっていた。

HBIGDA及びWPATHによるSOCシリーズは何度改訂版が出ようと、それは精神医学やホルモン治療や整形手術に関する新しい発見による改訂ではなく、彼等の政治的イデオロギーや変態的性癖をより効率よく主流化させるための基準なのであって性違和を持つ患者を救うことにも治療することにも何の役にも立っていない。

いや、それどころか過度の精神病を持つ人々が正常な判断力のないのを良いことに出鱈目を吹き込んで洗脳し自分らの性的願望を満たすための人体実験に使ったのである。そしてさらに悪質なのは、その実験を年端も行かない思春期前の子供たちに行い、子供たちの一生を台無しにしてしまっているということだ。

我々は断じてこの詐欺師集団WPATHを破壊せねばならない。トランスジェンダリズムという似非科学を根絶せねばならない。


1 response to WPATHファイル徹底解説その1、トランスジェンダー医療の基準スタンダードオブケアの歴史

苺畑カカシ2 months ago

6ページから10ページ

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