こと多様性に関しての政策は三百六十五歩のマーチのように三歩進んで二歩下がるといった感じだ。片方で社会が正気を取り戻しつつあると思うと、もう片方で狂った方へと進んでいく。しかしアメリカ社会は確実に正気な方向へ向かっていると私は確信する。

先ず正気に向かっている方の話をしよう。金曜日、フロリダ大学は多様性・平等、包括性の三つで知られるDEIに関係する従業員を全員解雇すると発表した。同大学の新聞ザ・アリゲーターによると、同大学は同大学の多様性部門を閉鎖することになり、その部門のすべての職種を廃止することになったという。

これは州政府の予算がDEI関係のプログラムにあてがわれてはならないという新しい法律にのっとったものであるとのことだ。

この発表は、カレッジ・フィックス紙が、フロリダ大学では学部生4人につき1人の管理職を雇用しており、10年前と比べて12%増加していると報じた約1週間後に行われた。

UFのDEIイニシアチブは24人のフルタイム職員に相当し、大学には5300万ドルの費用がかかっている

いかにDEIというのがビッグビジネスであるかがわかる。この新しい規制はロン・ディサンティス知事によって署名されたものだが、ディサンティス知事はDEIプログラムのことを「差別的な取り組みである」と言っている。

ところでディサンティスが知事を務めるフロリダ州に基盤を持つディズニー社も最近経営不振で無駄なDEI部門を廃止。どんどん関係者を解雇している。

空軍士官学校、リーダーシップ・サミットでトランスジェンダー将校に注目

さて次は狂ってるほうのニュース。これはデイリーワイヤーの記事から拾ったもの。最近のアメリカ軍隊のお目覚めぶりは酷い。トランプ大統領の時代は軍隊におけるトランスジェンダリズムは禁止されていたが、バイデンになったとたんに単に許容するだけでなく積極的に奨励するようになった。それで防衛省はなんと「トランスジェンダー可視化の日」を推進する一貫として、空軍士官学校にトランス自認の現役軍人を招いてリーダーシップと包括性についての講演を行った。

米国宇宙軍のエンジニアであり、軍におけるトランスジェンダーの活動家でもあるブリー・フラム大佐が、「文化を受け入れ人々に力を与える」をテーマとした全米人格リーダーシップシンポジウムで講演した。軍関係者によると、彼は空軍のLGBTQ+取り組みチームの共同リーダーであり、「空軍と宇宙軍におけるLGBTQ+の軍務に対する障壁をなくすことに専念している 」という。

フラム中佐はトランスジェンダーでは軍隊最高の地位に居る将校なんだそうだ。私はこの男性の演説の様子をビデオで観たが、非常に気持ちの悪い話方をする人だ。ちょっと前なら男が(特に軍人が)あんななよなよした話し方をして将来を担う士官学校の学生たちにリーダーシップについて演説するなど考えられなかったが、バイデン爺さんのアメリカ軍の女々しさには呆れる。

フラム中佐は実際には軍人と言うよりただのトランスジェンダー活動家である。しかも非常に熱心な活動家でアメリカ軍全体を虹色に変えようと頑張っているのだ。彼等の使う「多様性」だの「包括性」だのというのは、以上な性趣向を受け入れるということであり、それが軍隊を強化するのにどんな役に立つかなんてことは二の次なのである。

「包括性には行動が必要であり、包括性には問いかけが必要であり、包括性には理解が必要であり、それはより多くの仕事であり、リーダーにとってはより多くの仕事です。「将来、私たちは頭脳の力で戦い、戦争に勝利することになるでしょう。もしその頭脳がたまたまトランスの身体を持っていたとしても……あなたとともに働いてほしいのです。なぜなら、彼らが宇宙やサイバー、その他あらゆる戦争領域での戦い方に革命を起こすかもしれないからです」

なんだこの訳の分からないスピーチは。ま、それはともかく問題はこのくだらない取り組みにどれだけの軍事予算が注ぎ込まれているかということ。なんと防衛省は2024年だけで1億1千4百万ドルをDEIの「無意識偏見や多様性研修」や「多様性と包括性取り組みの研修」に割り当てたいというのである。

またフラン中佐が中心となって設立された空軍のLGBT取り組みチームは左翼思想を全面的に押し出しており、トランスジェンダー可視化の日などを祝っている。

軍隊というところは比較的右翼保守の集まりのような印象があるかもしれないが、それは個々の軍人には保守的な人が多いというだけであって、上部の将軍たちは政治家であり軍隊の性質はその時の政権によって右へも左へも傾くのだ。近年の軍隊がかなりポリコレになってきているのは、軍隊に居る人間なら誰もが気付いた現象である。

例えばバイデン政権が始まったばかりの2021年1月、海軍勤めの私は職場でオールハンズ(All hands)という従業員全員強制参加の緊急会議に召集された。その内容というのが「どのように過激思想と戦うか」というものだった。これは1月6日の議事堂乱入事件のあった直後であり、彼等のいう「過激思想」とは明らかに右翼保守思想のことだった。職業柄職場の30%以上は現役及び退役軍人であるうちの職場では、個人的には右翼保守の考えの人が非常に多く居たので、この会議(というよりお説教)は非常な反感を買った。とはいえ軍隊という場所は上からの命令は絶対だ。特に現役軍人はやたらな反論は出来ない。なにせこれは大統領命令だから。

魚は頭から腐るというが、まさにその通りなのだ。

このようにアメリカ軍がどんどん左翼化していくにつれ、軍隊への志願兵の数が激減、前代未聞の大危機を迎えている。空軍、陸軍、海軍のどれも2023年の志願兵目標数に達しなかった。特に白人志願者が激減しているという。そりゃあそうだろう。「多様性」というのは反白人男性という意味なのは、もう誰もが知っていることだから。

こういう状況であるにもかかわらず、フランはさらに左翼アジェンダを軍隊の指導者たちに押し付け、軍人は「社会から疎外されたコミュニティーに寄り添い、支援することでアライとなる」ことができると主張するのだ。

私は20年以上も海軍で仕事をしてきたが、軍隊ほど少数派に対して平等な場所はない。軍隊では白人も黒人も東洋人も男性も女性も能力次第で昇進が出来る。民間企業では差別のあった時代でも、軍隊では黒人でも将校になれたし、下の位の人は上官の人種や性別にかかわらず、上官としての敬意を示して来た。軍隊ほど多様性があり包括的な組織は他になかったのである。しかしフランの言う多様性や包括性はそういう意味ではない。

さてこれについて空軍広報担当者はデイリーワイヤーの取材に対し下記のように述べた

「フラム中佐の講演は、軍における多様性の価値と、軍務への不必要な障壁を取り除くことの重要性を強調するものだった。「フラム中佐は、米空軍と米宇宙軍の両方で卓越したキャリアを持ち、その経験とリーダーシップを活かして、我々の戦争遂行任務と軍内の包括性を支援してきた。

広報担当者はまた、男性が女性になることができるというのが空軍士官学校の公式見解であると述べ、「意図的な性別の間違い」は差別に当たる可能性があると付け加えた。

「国防総省と空軍士官学校の方針に従い、米空軍士官学校は、個人の内的または個人的な性別感覚が、出生時に割り当てられた性別と一致しない場合があることを認識しています」と、広報担当者はデイリー・ワイヤー紙に語った。さらに広報担当者は、「意図的な性別の間違いは、機会均等ポリシーのもとではハラスメントや差別とみなされる可能性があります」と述べた。

軍隊がこれでは志願兵が減るわけである。私は軍隊に同性愛者が勤めることに関しては全く問題がないと思っているが、トランスジェンダーはMtFでもFtMでも反対である。何故かと言うと、彼等は先ず精神的に不安定であるということ、肉体的にも異性ホルモンのせいで不健康であり常に医療を必要とすること、特に男性の場合は女性ホルモンによってその運動能力が著しく落ちる弊害がある。など軍人としてはふさわしくない要素を多分に持っているからである。そしてもし性転換手術などということになったら、長期の休暇を必要とし、しかもその後の維持も大変で、とても戦地に赴けるような身体ではない。

フラン中佐はトランプ前大統領が次期大統領として返り咲いた場合は自分は軍隊から追い出される可能性があると示唆している。まったくそうあってほしいものだ。

もうひとつおまけで軍隊の話題。こんどは陸軍の話。Army quietly dropped 5-mile run from airborne school in 2018 (taskandpurpose.com)。実はこれ結構古いニュースで、2018年に陸軍空挺隊学校の卒業必須課目から5マイルランがこっそり取り除かれていたと言う話が、最近になって浮上した。

空挺隊というのは陸軍でもエリートのパラシュート隊のことである。これに関して陸軍の広報部はこのように説明している。

分析によると、身体的な訓練要件は、パラシュートの安全な装着、高性能機からの脱出、降下のコントロール、パラシュート降下の実行など、スタティックラインパラシュート操作に関連するコースの学習目標の達成とは相関していなかった

とのことだった。いや、空挺隊のエリート兵が5マイルくらい走れなくて大丈夫なのか?過去の卒業生の間からは5マイルランは弱い兵士を取り除くのに役に立ったとのことだ。

なんだか米軍の質がどんどん落ちているような気がする。


2 responses to フロリダ大学、多様性関係の従業員を全員解雇に, 一方空軍ではトランス自認男を称賛

よもぎねこ2 months ago

 軍隊にトランスジェンダーや同性愛を受け入れるって、兵士の人権を無視しているんじゃないですか?
 だって軍隊は究極の集団生活を強いられる所です。
 平時だって下級兵士の兵舎にはプライバシーなんかないし、シャワーやトイレも個人で使えません。 そこに同性愛者やトランスジェンダーが入れば、シャワーや着替え、休憩や就寝中も、他人から性的に見られ事になります。 これは大変な苦痛でしょう?
 そもそも兵舎を男女で分けてきたのは、他人から性的な目で見られる事を防ぐ為でしょう?

 公共のトイレやシャワー室にトランスジェンダーや同性愛者が入り込む事は、もはや防げないにしても、こういう場所を使う事を避ける事はできますし、避けられなくても使わなければならない時間はかぎられています。

 しかし軍隊では自分の意志で兵舎生活を避ける事はできないのです。

 これじゃトランスジェンダーや同性愛者が嫌いな人は、軍隊には入れないでしょう? トランスジェンダーや同性愛者が特に嫌いではなくても、彼等と寝室やシャワーやトイレを共用して、長期間暮らしたい人は稀でしょう?

ReplyEdit
    苺畑カカシ2 months ago

    よもぎねこさんもご存じですが、私はまさにそういう集団生活を現役海軍兵たちとやった経験があります。私の仕事柄米駆逐艦に乗船し、乗組員と一緒に何週間も航海したことが何度もあります。民間人は大抵下士官たちと一緒で部屋は大部屋、ベッドは三段ベッドの一番上で、プライバシーといったらカーテン一枚。20人以上は居ると思われるルームメイトにあるシャワーは二つでトイレは三つとかです。だから朝の支度がどれほどの混雑になるかご想像がつくと思います。

    おっしゃる通り、部屋中を若い女性たちが裸に近い恰好で歩き回っています。そんな中で男性体の人が一人でも居たら集団生活は絶対に成り立ちません。それでなくても、航海中の艦内ではセクハラや実際に性犯罪も起きるのです。軍隊でのセクハラは深刻な問題で、しょっちゅうセクハラ防止講習会などが行われています。

    同性愛者の場合はあまり問題にはなりません。それは本人が黙っていれば済むことですし、同僚に言い寄るようなことさえなければ誰も気にしません。セクハラは男女でも同性でも同じですから。ただトランスジェンダーは違います。

    ところで軍隊でトランスと言っても、女性から男性になりたがる人はいないようです。これは納得がいきます。軍隊は力仕事が多いですから、男だと思われたらそれなりの役目を言い渡されるし、女だと言うことにしといた方が楽だというのもあります。しかしこれではモラルが保てなくなるでしょう。

    ReplyEdit

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *