最近アメリカのアニメ・マンガ・ゲームファン達の間で、日本の作品がアメリカで公開される際に字幕や吹き替えの内容が原作とは程遠いポリコレに変貌しているという話をよく聞くようになった。外国の作品をアメリカで公開する場合には翻訳者の他に地元の社会で受け入れやすく台詞や筋を多少変えることは良くある話だ。昔の作品でいうと「マッハゴーゴーゴー」とか「宇宙戦艦ヤマト」とか「セーラームーン」なんかはこちらでも人気だったが、登場人物の名前が英語名に換えられていたり、子供向けということで劇中で誰かが撃ち殺されるうシーンや女性の露出度が高すぎるシーンなどがカットされていたりするのは普通だった。

しかしここ20年くらい、アメリカで日本のアニメや漫画が爆発的なヒットを遂げ、なんとアニメファンたちは「オタク」という日本語を誇らしげに使うようにすらなった。うちの近所の大型書店では一階の半分が漫画コーナーになっているほどだ。

日本の作品がポピュラーになればなるほど、翻訳家やローカライザーたちの需要も高まった。しかし最近問題になっているのはこのローカライザーと言われるひとたちが、あまりにも勝手に台詞をポリコレに変えすぎているということだ。例えば、「小林さんちのメイドラゴン」(2017年)という作品のなかで、下記のような書き換えがあった。どちらも英語なので元の日本語は正確には解らないが字幕版のほうはオリジナルに忠実らしい。

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字幕版:

A:なにその恰好?

B:いつもみんなから色々言われるから、露出度抑えてみたの。

A:体系を変えた方がいいんじゃないの?

吹き替え版:

A:なんでそんな恰好してるの?

B:あいつらの家父長的な社会的要求がイラついたから着替えたのよ。

A:一週間も経てば、元に戻せって泣きついてくるわよ。

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このアニメで声を担当したジェイミー・マーチという声優は台本にも口出しする権限があったらしい。日本のアニメで声優がそんな権限を持っているというのは聞いたことがないが、アメリカの場合、多分人手が足りないので一人が色々な役目を背負っているのだろう。

しかしまあ酷い訳。いや、訳じゃなくて創作だ。酷すぎるだろ。

アメリカのアニメファンの間でも日本語が解る人も結構居る。そうでなくてもキャラクターが言いそうもないポリコレ台詞が突然飛び出せば、「おいおい、本当にそんなこと言ったのか?」となるのは当然。

プロの吹き替えが正確ではないという噂はファンの間ではもうだいぶ前からささやかれており、公式ではないがファンによる翻訳字幕付きのアニメなども出回っている。アニメファンのユーチューブチャンネルでは、アニメの吹き替えをやっている声優の殆どが他の俳優業で食べていけない役者たちで、アニメはシリーズものなら安定した仕事なので彼等は特にアニメファンではないのではないかと言われている。日本のアニメはアメリカのフェミニスト達からしてみれば気に入らない内容が結構多いはずだ。だから意図的に原作をサボタージュするようなことをやるのかもしれない。そしてそれをファン達が指摘すると、今度はファンたちを攻撃し始める。ジェイミー・マーチなどはここ何週間かXで苦情を言ったファン相手に狂乱状態である。

だからというのでもないだろうが、日本の制作側は、今後翻訳にもっとAIを使うことを考えているという。AIはまだまだ完璧ではないが、AIで出来たものを監督する人間が居れば済むことなので、翻訳者や台本や声優といった大人数を雇わずに、かなりの人件費を節約することが出来るかもしれない。私は声優による吹き替えが好きなので、AIはちょっとと言う気はするが、原作を冒涜して来たアメリカのローカライザーたちが失業したとしても同情は出来ない。

日本のユーチューバーでも取り上げてる人がいた。


1 response to ファン激怒、日本のアニメやゲームの吹き替えがローカライザーによって超ポリコレに変貌してる

苺畑カカシ4 months ago

このジェイミー・マーチという声優がフォロワー2百万人というユーチューバーに番組中で批判されたことで、自分には嫌がらせのメッセージが殺到していると被害者ぶっている。しかしこのユーチューバー、自分も嫌がらせや脅迫状なんぞいくらも貰っている。名前だして言いたいこと言ってるんだからそんなの当然だろ、嫌なら何も言うな、というようなことを言っていた。

無論脅迫状や嫌がらせメールを送り付けるのは絶対に良くない。だが、彼女の仕事ぶりや公の場での発言や文章について誰も批判をしてはいけないという法律はない。プロとして実名で仕事をしている以上、それに関してはどのような批判も覚悟のうえですべきである。

彼女がやってないことをやったと言われたのなら別だが、彼女は自分のしたことを誇りに思っているとさえ言ってるわけだから、それに関する批判は完全に正当だ。それなのに自分が被害者になったかのような発言はフェミニストとして情けない限り。

プロとして実名で仕事してる人が、その仕事ぶりや発言を名指しで批判されたからって、ヒステリー起こす姿は非常に見苦しいね。

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