昨日11月23日はアメリカの感謝祭だった。実はうちは家族の日程の都合で家族で集まるのは日曜日の予定。それで今日はこれまでの感謝祭の思い出をちょっと集めてみようと思う。

2006年:本日の感謝祭でメインコースとなるはずの七面鳥が、なんと食卓から逃げようというのか電車に乗ろうと大急ぎしているのをニュージャージーの駅員さんが発見。

電車を待つ七面鳥

お父さん、早く早く、乗り遅れますよ!

上記のエントリーは実父が大喜びして親戚中に見せて回った。平和だったなあ。

ところでこの年の感謝祭直前私はバージニアに居た。何度もお話しているように私は一年中しょっちゅう出張をしていたので、祭日だからといって家で過ごせるとは限らなかった。この年も感謝祭は出先で過ごすと覚悟していたのだが、突然予定が変わり土壇場で帰れることになった。しかし土壇場なので航空券をとるのに一苦労。しかも通常より割増料金。職場と10ドルの割り増し料で揉めた。そして当日の天候は最悪。

しっかしバージニアの朝は寒かった。気温はせいぜい10度程度で特に低いというほどでもなかったのだが、まあ風がひどい。風による冷却効果を入れると零下10度以下。(笑)厚手のセーターの上にノースフェイスのウィンドブレーカーを着ても寒い。しかもすごい風だからまっすぐに歩けない。
それでも空港についてしまえば、後は車をガレージに返してすべてビルの内部だからいいかと考えていたら、レンタルカーを返すところが空港のビル内部ではなくターミナルから数十メートルはなれた野外。大きなスーツケースに、ラップトップ、それに寝袋と折り畳みの椅子をかかえて号風のなかをジグザグに歩く姿は外からみたら滑稽だっただろう。 平たいラップトップを風があおり、私は何度も足をすくわれそうになった。かぶっていた帽子がで回って目を覆い途中で前が見えなくなったが手いっぱいの荷物なので帽子がなおせない。しかも空港についたら雨が降り出す始末。もう泣きっ面に蜂とはこのことだ。

2007年:この年は私はパールハーバーで勤務していた。しかし前年と同じでこの年もなんとかぎりぎりセーフでロサンゼルスに帰ってこれた。

「昨日の木曜日はアメリカでは感謝祭だった。(略)だから今週の月曜日から水曜日まであらゆる交通機関は大混雑。私も日曜日にホノルルからかえってきたが朝から空港はごったがえしで、出発一時間半前に空港についたのに搭乗は最後のほうで滑り込みセーフだったくらいだ。」

同エントリーには香港についた空母艦が突然中国の差し金で停泊できなくなったことも書かれている。家族と一緒に香港で感謝祭を過ごそうとしていた人々の休日が台無しになってしまった事件であった。

2008年:この年はサンディエゴに居た。この年だったかどうか記憶にないのだが、私は一度感謝祭をサンディエゴで過ごしたことがある。うちはサンディエゴからは車で3時間弱なので、帰って来ようと思えば帰ってこれない距離ではない。感謝祭は木曜日だが金曜日が休みになれば四日連中だから長期出張中でも一時帰宅は可能である。ところがある年、感謝祭の翌日の金曜日の朝から仕事ということがあった。それで木曜日一日のために帰るというのも大変なので感謝祭を出先で過ごすことになったのだ。しかしアメリカでは感謝祭の日はレストランがどこも開いていない。やはりサンディエゴに居残った同僚と一緒にホテル付近のレストランをいくつか当たってみたが結局あいていたのはデニーズだけだった。

デニーズは便利だがまずいという評判だったのでずっと行っていなかったのだが、背に腹は代えられない。それで仕方なくデニーズでターキーディナーを食べた。それが意外にもおいしくて、一緒にチェリーパイもデザートに注文。寂しい感謝際だったが、なんとかほっこりしたものである。

2010年:この年は私は感謝祭の帰省で忙しい空港でセキュリティーがとみに厳しくなったことで起きた色々な混乱について書いている。面白かったのはインディアナ州兵100名を含む陸軍兵330名が、軍の特別チャーター機でアフガニスタンから帰還した際の出来事だ。帰還兵らは玉ははいっていないとはいえ、皆武器を持っていた。全員がM4カービンライフル、数名はM9ピストルを所持していた。人に寄ってはM−240Bマシンガンを持っていた。兵士たちはすでに航空機に乗り込む前から色々厳しい審査を受けていたのだが、アメリカのインディアナポリスで給油のため着地した際、アメリカのTSAから審査をうけることになった。列の前のほうにいた兵士のポケットナイフが没収された後、著者の前にいた兵士のポケットから爪切りが発見された。

TSA職員: これは飛行機に持ち込めません。
兵士: へ?国を出た時からずっと持ってたんだぜ。
TSA職員: 持ち込めない事になっています。
兵士: なんで?
TSA職員: 武器をとして使われる可能性があるからです。
兵士: (ライフルを触って)これは本当の武器だよ。そしてこれを持ち込むことは許可されてるんだぜ。
TSA職員: はい。でもそれで飛行機乗っ取りは出来ません。銃弾が入ってないんですから。
兵士: でも爪切りで乗っ取りは出来るって訳?
TSA職員: [困った顔で沈黙]
俺: おい、爪切りなんぞ渡しちまえよ。そうすれば早くこっから出て行けるんだからさ。欲しいなら俺が新しいのを買ってやるよ。
兵士: [爪切りを職員に渡し、無事審査を通過する。]

だいたい飛行機はチャーター便であり、兵士ばかりが乗っているのに誰がハイジャックなんかするんだ?バカバカしい。

2020年:うちでは七面鳥の料理はずっとミスター苺がしていたのだが、ミスター苺の健康状態の問題もあり、この頃から私が料理担当になっていた。そして今や悪名高い「カカシ10kgの大型七面鳥解凍に苦戦するの巻」である。主人は自分は料理担当を降りたくせに沢山の客を招いてやっていたパーティの時と同じように10キロという七面鳥を買ってきてしまい、しかもそれが冷凍だったため、解凍にものすごい時間がかかってしまったという話だ。

大きい鳥だが三日もあれば十分だろうと四日前の夕方にアイスチェストに氷水を張って鳥を入れ一晩おいた。一応確認のためと思ってネットで調べたら、このサイズの鳥の解凍は冷蔵庫のなかで5日かかると書かれていてびっくり!調理前24時間ブラインに漬けておく必要があり、それまでには完全に解凍出来てないとダメと書かれていた。ということは三日足りない!感謝祭に間に合わないよ~、とパニック。

しかしここで、冷水による解凍方法があったはずと思い出し再び検索。プラスチックの包装をそのままにして氷水ではなく冷水に浸せば、完全に凍っていても12時間かければ解かせるとのこと。だが30分毎に水を換えないとバクテリアが湧く可能性ありとあって絶望。しかしこの時点で鳥はすでに一日半氷水につかって4度Cを保っていたので、かなり解凍は進んでいるはず、12時間も冷水に漬けなくても大丈夫かもと思い、風呂桶に冷水をはって解凍に挑んだ。

案の定二時間もすると鳥は半分以上解凍状態になった。それで再び氷水に移して一晩置いたところ翌朝には完全に解凍完了。包装を解いて大き目のビニール袋に入れつけ汁に浸して一晩置く。この時も上から氷をどっさり被せてチェストに入れた。

アイスチェストに入れて時間をかけて解凍する場合は、摂氏4度に保つことが大事。ちなみにこれは普通に冷蔵庫の温度なので、冷蔵庫に場所が取れるならそれが一番安全。ただブラインに漬けるときにはアイスチェストが一番楽。たとえ漬け汁が漏れても他の食品が汚染される心配はないから。

2024年:2020年の教訓から私は七面鳥は余裕をもって解凍することにしている。しかし家族はさほど沢山七面鳥を食べるわけではないので、今年は5ポンドの半ターキーを購入。日曜日のためにすでに冷蔵庫で解凍中。


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