本日、よもぎねこさんとこのコメント欄でよもぎねこさんが「カカシさんは軍隊に居たことがあります」とおっしゃっていて、え~いやいや、それは違いますよ誤解ですよ、と思った。でも私の書き方が悪くて、そういう印象を読者諸氏に与えていたのなら実際の退役軍人さんたちに失礼なのでここで正しておかなければならないと思った。

苺畑カカシは軍人だったことはありません!ここではっきり申し上げておきます。

ただそういう誤解を得るようなエントリーがいくつかあったことは否めないのでその説明が必要だろう。実は私は先週一杯で仕事から引退した。なので今まであまり詳細を語れなかった私の仕事についてちょっとお話してもいいかと思う。

私は軍人ではないが、アメリカ海軍に民間人として22年間勤めていた。皆さまもご存じとは思うが、軍隊というところは軍人だけで成り立っているわけではない。実際に戦場に行って戦闘をする軍人の他にも兵器開発をしたりその兵器の性能を確かめたり兵器の操作を軍人に教育したりするエンジニアリング関係の人も居れば、兵站(へいたん)といって「戦争において作戦を行う部隊の移動と支援を計画し、また、実施する活動戦争において作戦を行う部隊の移動と支援を計画し、また、実施する活動(ウィキより)」をする人たちもいる。大抵の民間人は内地で普通の事務職をしているが、極端な人はイラク戦争中に物資輸送をしていた軍隊の護衛をしていた民間人警備員などもいる。であるから軍隊所属の民間人の仕事というのは多種多様なのである。私の知り合いのお父さんは何と潜水艦に乗っていた!

というわけなので私も民間人従業員としてアメリカ各地にある海軍基地に派遣され色々仕事をしてきた。時には海軍の護衛艦に乗り込み何週間も水兵たちと一緒に仕事をしたこともある。「こともある」というより、ほんの数年前までは船に乗るのが私の仕事だったと言っても過言ではない。それで多分読者諸氏が体験したことのないような、日本の佐世保港から真珠湾まで護衛艦に乗って船の旅をしたり、フロリダからパナマ海峡を通ってカリフォルニアまで航海したり、ギリシャの軍事基地でイスラエルとの軍事訓練に参加したり、サンディエゴからパールハーバーを往復したりとか、まあ普通では出来ない仕事をやってきた。言うまでもないが護衛艦に乗っての旅は豪華客船の旅とは全然違う。

このブログを始めた当初はそんな話を時々していたので、もしかしてカカシさんて米海軍に居るの?とか思われたとしても不思議ではない。思わせぶりなことを書いてしまい申し訳ないと思っている。

私がこの仕事を始めたのは何と2001年9月11日の一週間前。というわけなので就職してすぐアフガニスタンやイラク戦争を体験した。もちろん戦地になど行ってないが、それでも戦争中の軍隊の仕事をしているというのは結構大変な話。それでヤフーの掲示板などで「そんなにイラク戦争に賛成ならお前が軍隊に入隊しろ!」とか言われる度に「お前らは何もしらない!」と思いながら沈黙を守ったのであった。

海軍でWWII戦争中から言われている注意事項に”Loose lips sink ships.”「軽い口が船を沈める」というのがある。やたらに軍事機密をぺらぺらしゃべると敵にこちらの動きを知られて危険だと言う意味。それで我々はフェイスブックなどのソーシャルメディアで仕事関係のことを話してはならないという決まりがあった。

数年前に人事異動があり長期間の出張や船に乗ることはなくなり、職場と自宅を往復するだけの普通のオフィスワーカーになった。その直後コロナ禍となり在宅勤務が普通になってからというもの、この仕事は全くつまらないものになった。ま、その話はいずれ引退の経緯をお話するときにでもするとしよう。


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