日本は寒波だそうなので、真冬に起きた悪夢の出張の話をしよう。

これは2018年くらいの出来事だったように記憶している。その日私と同僚の三人はバージニアに出張するためロサンゼルス空港に来ていた。私は出張の際は何時もシャトルバスを雇い、他の数人の客との乗り合いで空港まで行っていた。

西海岸から東海岸に行く場合、東は西より3時間も早いため、こちらから5~6時間かけて飛んでいくと、向こうに着くのはかなり遅い時間になってしまう。それで我々は朝いちばんの7時の便を予約していた。子の便に乗ればノーフォーク空港に着くのは午後5時頃。そこからレンタルカーを借りて三人で車で二時間の最終目的地に着くと言う日程だった。

私は夜の運転は好まないので、できればノーフォークに一泊して翌朝一番で運転して行った方がいいと思ったのだが、ホテル一泊料金を惜しむ上部の命令でそれはならなかった。私はもうこの予約の段階から嫌な予感がしていたのだ。

それでも一人での運転ではなく、他の二人は若い男性だし私が一番先輩なので、後部座席で寝て行けばいいやと思っていた。

朝7時の便となると、乗り合いのシャトルバスは午前4時くらいに迎えに来る。なにしろ空港までにあちこちに寄るので時間がかかるのだ。それでも空港についたのは午前5時くらいだった。こんな時間だと自動チェックインすら開いてないので6時まで待機。しかしいざチェックインしようとすると私の予約番号が受け入れられない。機械ではどうしようもないのでカウンターで職員と話すと、予約は入っていたが、入金が締め切りに間に合わなかったため予約は取り消されたという。なんと!

それで職場の旅行部門に電話すると、入金が間に合わなかったので次の便に乗ってくれと言われた。次の便て何時?午前10時?じゃあノーフォークに着くのは?午後9時半!え~!

あいにく予約がキャンセルされていたのは私だけだったため、もうこの時点で同僚二人とは別行動になってしまった。真夜中に二時間も一人で運転する気はさらさらなかったので、空港近くのホテルを予約して、翌朝レンタルカーを借りて同僚に追いつけばいいと腹をくくった。

四時間遅れでついたノーフォークは雪。カリフォルニアとの温度差に震えた。タクシーに乗って予約したホテルに着いた頃には10時を裕に回っていた。しかしここでも問題発生。予約がはいってない!え?なんで?

仕方なくホテルのロビーから、またまた24時間サービスの旅行部に電話すると「予約入れましたよ。え?ノーフォーク?いや、予約はニューポートニュース空港の横の、、、」なんと予約は同じバージニアでも全然違う空港。そこまで行くには車で30分以上かかる。しかも私は車などないし、こんな時間にタクシーなんて無理。ホテルに空きの部屋がないか聞いてみたが満室。がっかりしている私を見て気の毒におもったのか、ホテルの受付嬢が近所のホテルを当たってくれた。そしてすぐ隣のホテルに空きがあると教えてくれた。しかも荷物が多い私が近くとはいえ雪道を歩いていくのは無理なので、ホテルのシャトルバスで送ってくれるという。なんとありがたい。

やっと隣のホテルに着いた時はもう真夜中。スーツケースをがらがら引いてチェックインカウンターまで行くと、なんとロサンゼルス空港で7時の便にのったはずの同僚二人が居るではないか!

「どうしたの?もうとっくに目的地に着いてる頃でしょ?」

なんと乗継便が雪のせいで3時間も遅れただけでなく、彼らの荷物がノーフォークではなく例のニューポートニュース空港に行ってしまったというのだ。それで二人はレンタルカーでそちらの空港へ荷物を取りに。ところが行ってみると荷物はノーフォークに配送されたと言われ、結局ノーフォークまでまた戻って荷物をやっと受け取ったと言う。

こういう場合、荷物は後でホテルまで届けてもらってもいいのだが、我々の最終目的地はここではないので、そんなことをしている余裕はない。

結局二人は、これから二時間以上も運転していくのは無理と考え空港近くで部屋の空いているこのホテルにたどり着いたというわけ。

だから言ったじゃないか、最初からノーフォークで一泊予定にしておけばよかったんだと。

ま、終わりよければすべてよし。我々三人は翌朝しっかり朝ごはんを食べてから目的地へ向かったのであった。


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