アップデート:コメンターの道草人さんから翻訳の間違いのご指摘があったので訂正した。もしかしてまだ間違いがあるかもしれないので、後部に原文を張っておく。英語に自信のあるかたはそちらを参照のこと。

パワーラインに掲載された「昔のリベラルはどうんなふうだったか」というエントリーが面白かったので紹介しよう。これはリベラルのカリスマ的存在だったバートランド・ラッセルが1951年に発表した“Ten Commandments of Liberal Inquiry” というもの(「リベラル研究の十戒」とでも訳すのかな?)今のリベラルにラッセルの爪の垢でも煎じて飲ましてやりたくなる内容。

1. 何に関しても完全なる確信を持たないこと。

2. 証拠を隠して考えを述べることに価値があると思わないこと。証拠はいずれ表に出てしまう。

3. 考えることを躊躇しないこと、そうすればかならず成功する。

4. 反対の意見にあったら、それが夫であれ子供であっても他人の権威を使って相手を説き伏せようとしないこと。権威による勝利は事実ではなく幻想だ。

5. 他人の権威に敬意など示すな。反対意見にも権威は存在するのだから。

6. 権力を使って自分が悪質と考える他人の意見を弾圧するな。そうすればその意見が自分を弾圧するようになる。

7. 風変りな意見を恐れるな。今受け入れられている意見も一度は風変りと思われていた。

8. 受動的な意見の同意より、知的な意見の違いに喜びを見いだせ。知性を重視すれば後者は前者よりも深い同意であることを意味する。

9. 厳正に真実を語れ。たとえその真実が不都合であったとしても。真実を隠そうとすれば、もっと不都合なことが起きる。

10. 愚か者の楽園に住む者を羨むな。愚か者のみがそれを幸福と思うからだ。

確かにこれがクラッシックリベラルの思想だったのだとしたら、今自分らをリベラルと言ってる後退派左翼には全く当てはまらない。今でも自分をリベラルと思っている人たちなら、自分が民主党や左翼を去ったのではなく、彼らがリベラルを去ったのだと思わざるおえないだろう。

Bertrand Russel’s 10 Commandments of Liberal Inquiry

  1. Do not feel absolutely certain of anything

  2. Do not think it worthwhile to produce belief by concealing evidence, for the evidence is sure to come to light.

  3. Never try to discourage thinking, for you are sure to succeed.

  4. When you meet with opposition, even if it should be from your husband or your children, endeavor to overcome it by argument and not by authority, for a victory dependent upon authority is unreal and illusory.

  5. Have no respect for the authority of others, for there are always contrary authorities to be found.

  6. Do not use power to suppress opinions you think pernicious, for if you do the opinions will suppress you.

  7. Do not fear to be eccentric in opinion, for every opinion now accepted was once eccentric.

  8. Find more pleasure in intelligent dissent than in passive agreement, for, if you value intelligence as you should, the former implies a deeper agreement than the latter.

  9. Be scrupulously truthful, even when truth is inconvenient, for it is more inconvenient when you try to conceal it.

  10. Do not feel envious of the happiness of those who live in a fool’s paradise, for only a fool will think that it is happiness.


4 responses to 180度変わってしまった昔のリベラルと今の後退派左翼

miqui1 year ago

若い頃、ラッセルの著書(もちろん翻訳書ですが)を読んだことは、私の心の中にしっかり根をはりました。世の中がどんなに変わっても、この思想的信条は変わりません。彼の思想を引き継ぐ後輩はいったいどこに行ったのでしょうか? 

ReplyEdit
    苺畑カカシ1 year ago

    民主党支持でも本当のリベラル派は党を見放しています。だからといって保守派ではないので共和党を支持するわけではありません。そういう人がラッセルの思想を引き継いで新しい党を設立するかもしれませんね。

    ReplyEdit
道草人1 year ago

よもぎねこさんが紹介されていることがあり、拝読しています。
リベラルを自称する人たちの欺瞞を鋭く指摘されている点、勉強になります。

細かい話というか、質問です。
「リベラル研究の十戒」という10項目の中で、「8. 受動的な意見の同意より、知的な意見の違いに喜びを見いだせ。知性を重視すれば前者は後者よりも深い同意であることを意味する」がありますが、
前者と後者が逆なのではないでしょうか?

前者(受動的な意見の同意)は後者(知的な意見の違い)よりも深い同意である…というのは少し違うような気がしますが。

ReplyEdit
    苺畑カカシ1 year ago

    道草人さん、ご指摘ありがとうございます。おっしゃる通りです。訂正しました。これからもよろしく。

    ReplyEdit

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *