共和党の大統領候補は事実上ミット・ロムニーに決定した。まだしつこく諦めてない候補者もいるが、支持率が全然足りないので意味がない。というわけでオバマ王は強敵ロムニーへの攻撃に必死だが、何故かそれがことごとく裏目に出ている。
先ずはオバマ陣営のヒラリー・ローゼンによる『子育ては仕事ではない』発言。ローゼンが五人の男の子を難病と闘いながら育てた専業主婦のロムニー夫人を「生まれてこのかた仕事をしたことがない」と攻撃したことは、保守派ならず中立やリベラルの女性達からも不謹慎だと顰蹙を買ってしまった。まずいと思ったオバマのホワイトハウスはローゼンから距離を置いているが、いまやオバマとローゼンは相談済みでアン・ロムニーを攻撃したことが明るみに出ている。
次にオバマ王がミット・ロムニーが愛犬を入れたクレートを車の上にくくりつけたまま走ったことを取り上げ、いかにロムニーが動物虐待をしたかという印象づけを狙った件だが、オバマ自身が自叙伝でインドネシアで母と継父と暮らしていた時、犬を食べたことがあるという話を書いていたことが発覚。かえってオバマの動物虐待が明るみに出てしまい、いまやロムニーが犬を車の上にくくりつけたなんて話とは比べ物にならないほどオバマが犬を食べたという話がコメディアンのネタになってしまった。
ミット・ロムニーはモルモン教徒で、モルモン教は昔一夫多妻制をしいており、ロムニーの祖父は一夫多妻制共同地域出身だという攻撃。確かにロムニーの祖父はそういう地域出身だが、彼自身は妻を一人しか娶らず、独立してからは出身地から出ている。だいたい祖父が一夫多妻制共同地域出身だったということがスキャンダルだというなら、実父がアフリカで多数の妻を持っていたことが明らかになっているオバマの父親はどうなるのだ? オバマのアフリカ人の実父はイスラム教徒でアフリカで一夫多妻制を実行していたのは自他ともに認める事実である。
オバマ王は自分はミット・ロムニーのように恵まれた環境では育たなかったという意味で、「私は銀のスプーンを加えて育たなかった」と語ったが、それに対してミット・ロムニーは恵まれない環境から大学も出ていないのに実力で成功した自分の父親の功績を謝るつもりはないと返答。しかも、ロムニーは父親の遺産をそのまま受け継がずほとんど全額慈善運動に寄付してしまったことが明るみにでた。それだけではない。オバマの出たコロンビア大学はアメリカでも指折りの金持ち大学。オバマの学費は裕福な祖母が全額だしたのだ。ロムニーは確かに裕福な家に育ったが、それをいうならオバマもそうなのである。他人のことを指差せるほどオバマは苦労人ではないのだ。だが、ロムニー家の裕福さを指摘することで、かえってオバマはいかにロムニーの父親が実力と努力で一代で富を築いたかというアメリカンドリームを紹介するはめになったのである。オバマの攻撃はロムニーに、オバマは何故アメリカで成功した人々を責めたてるのか、と質問する良い機会を与えてしまったのである。
どうもオバマによるロムニー攻撃は次から次へと裏目に出ている。


Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *