銃による正当防衛二件、18歳の子持ち未亡人と二人の少年

日本にいると、アメリカは銃が多いから銃犯罪ば多いと考え勝ちだ。アメリカの主流メディアは銃による犯罪は大々的に報道しても、銃によって見事に身を守った正当防衛についてはあまり注目しない。しかし、カカシが何度も書いているように、アメリカでは合法な一般市民が銃によって身を守るケースが結構あるのだ。最近は全国ネットのテレビニュースでは報道されなくても、ネットでローカルニュースを聞く事が出来るのは全くすばらしい。
最初の件はオクラホマ州に住む18歳の未亡人で三歳児の母、サラ・マッキンリーさん。マッキンリーさんは夫をクリスマスに肺がんで亡くしたばかり。強盗は亡くなったご主人が残した処方薬の痛み止めを狙っていたらしい。
犯人の男は仲間と連れ立って、マッキンリーサンの自宅に襲い込もうとしたが、マッキンリーさんは家の鍵を閉め、ショットガンを持って強盗を待ち構えた。その時マッキンリーさんは落ち着いて警察に連絡。もしも強盗が家に押し入ったら撃ってもいいかと聞いている。

係員:どうしましたか?
サラ:うちのドアのところに男がいます。犬が何匹が行方不明になっています。この男は悪い奴です。夫を亡くして私は赤ん坊とふたりきりです。誰かすぐによこしてくれませんか?
係員:ちょっとまってください。ドアの鍵はかけましたか?
サラ:はい。私は銃を二丁持っています。奴が入って来たら撃ってもいいですか?
係員:それは、あなたは自分を守るためにやれることをしなければいけません。私からどうしろとは言えません.でもあなたと赤ちゃんを守るために出来ることはしなければ。男はドアから入ってこようとしてるんですか?
サラ:ただドアを叩き続けています。

その直後、男はドアを破って侵入して来たところを、待ち構えていたマッキンリーさんはショットガンで撃ち殺した。もう一人の男はびっくりして逃げてしまった。マッキンリーさんは正当防衛ということで、罪には問われないことになった。これがアメリカでなくてイギリスだったら殺人罪に問われたかもしれない。アメリカは銃所持が合法でよかったなあ。
ちなみに119番で呼び出された警察官がマッキンリーさんの家に現れたのはその7分後だった。
さて、次の事件は14歳の少年と17歳の少女が二人で留守番していた家に4人組の男が押し入り、姉の方は押し入れに隠れたが、弟がショットガンで強盗の一人を射殺。その直後に警察に電話して、強盗の仲間が襲いかかったら殺してもいいかと聞いている。

少年:今男を撃ちました。角を回って入って来たんです。男を撃ちました。男は裏口のガラスを全部割りました。(家の中に)何人いるのか解りません。でも角を回って来たのは一人です。もう一発残っています。また撃ちます。」
係員:止めて。私と電話中は銃を撃たないで、いいわね?
少年:でも他の奴が家に入って来たらどうすればいいんですか?

少年は14歳というのに、非常に言葉使いが丁寧で、今強盗を撃ち殺した割には平静そのもの。警官が現れる間にも、少年は電話口の係員に「僕は全然大丈夫です。でも姉はだいぶ震えてますが」と語った。
当然のことながら、この少年も正当防衛ということで罪には問われない。あったり前だ!


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米共和党大統領候補予選開始、先ずはアイオワコーカス

共和党代表の大統領候補を決める予選がアイオワ州で始まった。前回にも立候補してジョン・マケインに破れたミット・ロムニーが今回は本名馬。しかし、土壇場でリック・サントラムの人気も出て来ている。また、アイオワでかなり根回しに努めたロン・ポールも有力だ。これについてはYSさんが詳しく書いてくれているので引用する。

…過去の実績では、アイオワでトップになっても結果的に共和党の候補者にならない可能性が高い。一方で、泡沫候補者にとって結果が悪ければ、寄付が集まらなくなり、即脱落と言う事になる。

候補者の多くが保守色が強い中で、州知事経験のある Mitt Romney(ロムニー) のバランスの良さが浮かび上がってきている様に思われる。2008年の予備選から引き続き大統領選をやっているので、知名度、組織力がある上、討論会を見ていても用意周到なのがよく分かる。
唯一の欠点は、Obamacare(オバマケア) の手本と揶揄される皆健康保険をマサチューセッツ州知事時代に実施した事であろう。但し、論理的に Obamacare を廃案にする事とは矛盾していないので、民主党は騒ぐだろうが、問題は無い。
Ron Paul(ポール) は高齢であるし、恒例の色物以外の何物でもないであろう。共和党候補にならなかった場合、リバタリアンの独立候補として出馬という噂もあるが(過去にそのような前科もある)が、非現実的である。縦しんばアイオワ州でトップになったとしても、比較的早い段階で脱落するだろう。
Rick Santorum (サントラム)もトップになる事で活動を続けられるというだけで、早晩、息切れするだろう。
予想としては、Mitt Romney が安定した得票数で上位に入り、保守的な票(それも非常に右寄りの)が割れて、Rick Santorum, Ron Paul, Michele Bachmann(ミッシェル・バックマン) はどんぐりの背比べとなるであろう。Rick Perry (リック・ペリー)や Jon Huntsman(ジョン・ハンツマン) は最初からアイオワ州は捨てている雰囲気である。

ま、YSさんの分析は一般的なものだと思う。一時人気が上がったニュート・ギングリッチは、昔下院議長だった頃から物を考えずに思い立ったことを口走り失言する癖があったのだが、今回の討論会やインタビューなどを見ていても、ヒヤヒヤすることばかり。先ずギングリッチが選ばれる可能性はない。
ロン・ポールもアイオワでは人気があるが、リバタリアン主義が行き過ぎで孤立主義者。外交は国境に軍隊を送るくらいのことしか考えてないから、全国的な人気を得るのは先ず無理。
私的には私はミッシェル・バックマンが好きなのだが、一般アメリカ人にはちょっと保守派過ぎる候補かもしれない。
投票の結果が出るのは今夜遅くになりそうだ。


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10年の苦労も水の泡、アフガニスタンをタリバンに売り渡すオバマ王

昨日、日本の実家の母と電話で話していたら、母が2009年から日本からアメリカ本土へ行く場合はビサが必要になったらしいと話していた。どうやらオバマ政権は外国人のアメリカ入国を厳しく取り締まろうと考えているようだ。オバマはまた、国内の警備保安省TSAの権限を拡大し、空港内だけでなく駅の構内やバス停留所やフェリー乗り場などでも空港並みのセキュリティーチェックが行われることになった。
国内におけるテロを防ぐためなのだから、多少の不自由はしょうがないじゃないか、と思うかもしれないが、もしオバマ王の目的がテロを防ぐことにあるというなら、オバマ王の他の政策が全く意味をなさない。
アフガニスタン戦争が始まッた頃、時の防衛省長官ラムスフェルドが、テロがアメリカに来ないように外に出て行ってテロ退治をするのだ、ということを言っていたが、そうやって始まったのがアフガニスタンとイラク戦争。最初は大分大変だったがブッシュ政権の後半になってやっと戦争勝利のめどがつき、なんとか二つの国々は現代社会に参加できそうになってきた。
ところが、オバマ王ときたらこの苦労の賜物をそのまま溝に捨てようとしている。まだまだ独り立ち出来ないイラクを見捨て、勝手に終戦宣言(勝利宣言ではない)をし軍隊の一斉撤退を命令。あたかもアメリカ軍が退散するかのような振る舞いをした。
そして、今度はアフガニスタンにおいて、なんと911事件の張本人アルカイダの温床となったタリバンとアフガニスタン統治参加を巡って内密に交渉中だという!オバマ王はアメリカ軍が圧倒的勝利を収めたアフガニスタンにおいて、宿敵タリバンに降参して米軍を撤退させようというのだ。いったい過去10年間にわたるアメリカ及び連合軍の苦労を何だとおもっているのだ?しかもオバマ王はタリバンとの交渉の仲介人にイスラム過激派でアメリカ及びイスラエルの撲滅を公言して怯まないテロリスト、シーク・ユーセフ・アルカラダウィを起用しているという。
ミスター苺が箇条書きしているオバマがタリバンとの交渉で煮詰めている内容はというと、

  • アメリカは無条件降伏をしアフガニスタンから全面的に撤退する。
  • アメリカはタリバンが権力に復活することに一切異議を唱えない。(カルザイ政権との連立党として)
  • アメリカはタリバン本拠地建設を行う。
  • アメリカはよもやタリバンの敵ではないと発表する。
  • アメリカはグァンタナモ湾収容所に拘留されているアフタにスタン人を解放してアフガニスタンに帰国させる。(アフガンに戻って拘留の原因となったテロ行動を再開させようってわけだ。)
  • アメリカはUSS ロナルド・レーガンのデックから謝罪声明を発表し、オバマは裸足で脱帽してカンダハーに出かけて行き、そこで土下座してジョージ・W・ブッシュの不届きぶりを深く謝罪する。

(あ、最後のはミスター苺の想像。でもこれまでのオバマ王の行動からみて、そうなっても不思議ではない。)
なんで、圧倒的に勝った方が圧倒的に負けた奴らに無条件降伏しなくっちゃなんないんだよ。こんな馬鹿な話があってたまるか?
で、その「なんで」なのだが、政治ブログのパワーラインの分析によると、

アフガニスタン戦争は非常に不人気。(ミスター苺注:え?そうだっけ?アフガニスタンは良い戦争だったのでは?)オバマは来年の11月の再選挙を狙い「二つの戦争を終わらせた」として人気を得ようという魂胆。アフガニスタンにタリバンを復帰させることによる悪影響が現れるのは次の選挙運動が終わったずっと先の話で、選挙しか念頭にないオバマは全く興味がない。

パワーラインはこの作戦は成功すると見ている。戦争好きなブッシュと違いオバマは平和主義者として崇め奉られ、再選されるというわけ。しかし本当にそんなふうにいくのだろうか?
ミスター苺は違う見解を持っている。オバマの外交政策は腰抜けの共和党候補ですら突っ込みを入れられる隙があるとミスター苺。

バラク・オバマが「二つの戦争を終わらせた」と言って胸を叩き始めたら、下記のように答えるべきだ。

『オバマ大統領は非常に敏速に簡単に戦争を終わらせる方法を見いだしました。それは単に降参することです。アフガニスタンから時期尚早に撤退し、またイラクからも時期尚早に撤退します。それによってイランによる侵略の扉を大きく開けるというわけです。外交上なんという傑作でしょう! オバマ大統領は同時に二つの戦争に負けるというアメリカ史上初の快挙を成し遂げたのです!』

アフガン戦争を報復戦争だと考える人は多いが、実はそうではない。911の張本人はタリバンではない。ただ、アルカイダのテロリスト、オサマ・ビンラデンはタリバンによって匿われ、タリバンの組織力によってテロ活動を行っていた。だからタリバン政権の崩壊はテロ撲滅のために必要不可欠だったのである。
イラク戦争にしてもそうだ。サダム・フセインは直接911と関係があったわけではない。だが、ハマスなど反アメリカテロリストを援助していたことは確か。
つまり、アフガニスタンにしてもイラクにしても、国家ぐるみでテロを援助していたということに問題があった。ブッシュ前大統領の考えは、直接テロ行為に及ぶ末端の歩兵たちをいくら取り締まってみても、組織的資金的援助をしている背後の政権を倒さない限りテロを防ぐ事は出来ないと言うものだった。だからリベラル連中が何と言おうと、ブッシュ政権下における国内警備はそれほど911以前より厳しくなったわけではないのに、ブッシュ政権中はこれといったテロがアメリカ国内で起きなかったのである。
ていないのは、テロリスト達がアフガニスタンやイラクでアメリカ軍及び連合軍によってこてんぱんに叩かれていたからなのである。
オバマ王のやっていることは、もしそれが国家安全保障の目的であるとしたら、全く本末転倒である。ミスター苺いわく、1945年にドイツが降参した直後にルーズベルト大統領がドイツにナチス党を復興させるようなもので、全く意味をなさない。
刑務所に収容されている凶悪犯人をすべて釈放して、個人の家の鍵だけ頑丈にしても安全社会を作る事は出来ない。鍵を頑丈にするのはいいとしても、犯罪を犯す犯罪者たちを先ず取り締まらなければ、どんな頑丈な鍵でもいずれは破られる。
オバマの本来の目的はアメリカをテロリストから守ることにはない。テロを言い訳にアメリカ市民の行動を規制し、大統領の権力を大幅に拡大することにあるのだ。それこそリベラル左翼連中がブッシュの国土保障法がやっていると言いがかりをつけたことを、オバマはそのまま本当にやっているのである!
これ以上オバマ王にアメリカ崩壊をさせてはならない。オバマほどアメリカ破壊を心から望む大統領もいない。オバマは正真正銘非アメリカ国民である。我々愛国者は断じてオバマをホワイトハウスから追放せねばならない!


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