一年でも一番旅行客が多いと言われる感謝祭前日に、TSAの全身ボディスキャナーを拒否してわざとパットダウンを受けセキュリティーチェックを遅らせようというオプトアウト抗議運動は、一部ビキニを着て通過したり裸の背中に抗議文を書いて通過した人が出たほかは、特にこれといった騒ぎもなく、ほぼ何の影響を及ぼさずにあっけなく終わってしまった。
これによってTSAは、一般乗客は一部の人が騒ぐほど警備審査に抵抗はないのだと結論づけるかもしれないが、今日になって空港を利用した乗客たちから全身スキャナーを通過しなくて済んだ、TSAは騒ぎを恐れてわざと機械を停止したのではないかと言う憶測があちこちのツイッターで囁かれるようになった。
実を言うと私はこの抗議運動の話を最初に聞いた時、TSAが利口なら、この日だけ全身スキャナーの使用を最小限に抑えて乗客に抗議の機会を与えなければいいのだと思った。最初から全身スキャナーは使いませんと宣言してしまうと警備の面で問題が起きるし、抗議者からの圧力に屈したことになるのでそれは出来ないが、黙って一番忙しい時間での機械作動を停止させてしまえば特に問題はない。
普段あまり空港を利用しない乗客なら機械が停止していることには気がつかないだろうし、何度か通過した体験のある人なら、不思議に思ってもスキャナーを使用していないことに抗議をする理由はないから黙ってそのまま通過したことだろう。一般乗客はこれまでと特に変化がない審査に、なあ〜んだ大騒ぎするほどのことはないではないかと思ったかもしれない。
だが、TSAの狙いはそこにあったのでは?
帰省客でごった返す空港でも特に遅れもなく騒ぎもなく収まったとなれば、今後TSAがこのやり方を改める必要はない。そしてこのやり方が「うまくいけば」空港のみならずバスや電車の駅や法廷や球場などでも取り入れられる可能性は非常に高い。
私が頭に来ていることの一つに、政府の高官やお役人やその家族はこうしたセキュリティーチェックから免除されていることがある。それでラッシュ・リンボーなどは大統領夫人とそのお嬢さんたち二人にパットダウンを受けさせてみろなどと大統領に挑戦しているくらいだ。
ところで、先日、パイロットや機内搭乗員らの抗議は認められ、職員の全身スキャナーは控除となった。政治家やお役人や機内職員が免除されるというなら、TSAは明らかに特定の人間は危険ではないという一部プロファイリングをしていることになる。
それが出来るのであれば、我々のように頻繁に飛行機を利用し今まで一度も飛行機をぶっ飛ばそうとした前科のない乗客も同じように免除してもらいたい。
ミスター苺は、飛行機を利用する乗客があらかじめ自分が危険人物でないことを登録できるシステムを作ってはどうかと提案する。つまり、利用客は飛行機に乗る前に、防衛省などで勤める秘密情報を扱う人が受けるようなバックグラウンドチェックを受けておき、セキュリティーチェック免除の証明書を発行してもらう。それで空港を通る時は免除されている本人であることを証明するための指紋検査程度で通過が可能というようにする訳だ。
普段はあまり飛行機を利用しない人でも、家族旅行を計画している人は家族登録しておくが懸命というもの。無論普段飛ばない人に対しても全身スキャナーやパットダウンは、職員の質問で挙動不審と見なされた人のみ行い、普通の家族連れなどに行う必要はないが、家族連れを装ったテロリストだと判断されれば審査は避けられないからだ。
今回の抵抗運動が尻つぼみになってしまったとは言うものの、だからといって我々は抵抗の手を緩めるべきではない。なぜならこれを認めてしまえば、ことは決して良い方向へは向わない。どんどんと政府の横暴がエスカレートし、一般市民の自由は完全に奪われてしまうからだ。
今のうちに宣言しておく、空港警備が普通にストリップサーチを始めたらその時こそ私は飛行機の旅はお断りさせていただく。


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