一般選挙に向けて中道を装うオバマ陣営、イラク撤退はどうなったのか?

民主党の候補指名がほぼ獲得できたオバマは、一般選挙に向けてこれまでのリベラルなイメージを振り払い、中道派を気取る作戦を取り始めた。そのために先ず第一に取り組まなければならないのはイラク戦争。
これまでは、自分が大統領になった暁には何が何でも16ヶ月以内のアメリカ軍を全軍撤退させると息巻いていたオバマだが、最近になって彼の姿勢はもう少し柔軟なものになってきた。
オバマは先週の木曜日ノースダコタ州のファーゴにて記者会見を行った際、近々行われるオバマのイラク訪問のことが話題に上った。

「私は(イラク)滞在中に完全な分析をしたいと思っています。」「もっと詳しい情報を得ることが出来ることと、私の政策を洗練させることが出来ると確信しています。」

政策を洗練させることが出来るとはどういう意味なのか、共和党側はオバマが選挙に勝つためならどんな不本意なことでも公約すると攻め立てた

「手のひらを返したようなもんですよ。」と共和党政治評論家のアンジェラ・マックグローワン女史はフォックスニュースに語った。「彼は全国にアピールするために声音を変えているのです。他のことでもいくつか気が変わるでしょう。」

オバマが民主党の候補指名確実となったのも、オバマが民主党の極左翼に迎合してイラク戦争絶対反対の姿勢を取ってきたからだ。ヒラリー・クリントンはイラク戦争当初、イラク戦争の予算割当を支持する投票をしていたことから、オバマはそれを利用してヒラリーは純粋な反戦派ではないとして主張してきたきたのである。
民主党の予選では、オバマは何度もイラク戦争は2009年をもって終わりを告げると宣言してきた。それなのに、今更現場の将軍らの意見を聞いて政策を考え直すなどと言い始めたら、いままでの公約はなんだったのだということになってしまう。
マケイン陣営にそれを指摘されたオバマは、慌てて木曜日の午後に別の記者会見を開き、自分の早朝の発言の意味を説明した。
彼が自分の政策が「洗練された」ものになるといったのは、イラク撤退を考え直すという意味ではなかったと強調。単に現場の将軍からの情報を参考にしたいという意味だったと説明した。

「私の今朝の発言は明確ではなかったようです。」とオバマ。彼はマケイン陣営がことを混乱させたとし、「我々が政策を変えていないのにあたかも変えたかのように」マケイン陣営が「記者団を煽った」と責め立てた。

「私はキャンペーンを通じて、ずっとこの戦争ははじめから間違っていた、戦略的な過ちだらけだった、終わらせなければならないと主張してきました。」とオバマ。「私はまた撤退するに関して充分に気をつけなければならないとも言ってきました。私の立場は変わっていません。私は抜け道を探そうなどとは考えてもいません。」

といいながらオバマは、もしも現場からもっとゆっくりしたペースで撤退したほうが懸命だという意見が出た場合にはそれも考慮しなければならないなどと、また調子のいいことを言っている。

「現場での事実を考慮にいれなければ総司令官としての資格はありません。」

そう思うなら、何だっていままで現場の意見がどうあれ、なにがなんでも16ヶ月で撤退すると息巻いていたわけ?どうして最初から現場の様子をふまえた上で序所に撤退を考えたいと言わなかったの?現場の事情を見極めての撤退というなら、共和党候補のマケインと全く変わりはないではないか。
民主党候補が常に面する問題は、民主党の基盤があまりにも左翼よりになっているため、候補指名を得るまではかなり左翼でリベラルな発言をしなければならないこと。ところが指名を受けて一般選挙で国民全体に支持を仰ぐ場合には、極端な左翼の意見を言い続けているわけにはいかない。
しかしオバマのように突然政策を変えれば、票を得るために口先だけで信念がないと共和党ライバルから責め立てられる。もっとも民主党に有利なのは、このようなあきらなか180度の方向転換をしてみても、リベラルなメディアが味方になってくれるからその事実を指摘しないでくれるということだ。共和党が民主党の矛盾を一般有権者に解ってもらうためには、選挙運動で徹底的に民主党候補の矛盾を叩くしかない。何しろメディアは共和党の味方など絶対にしてくれないのだから。
もっともオバマの場合、まだ頭痛の種はある。それはヒラリー支持者がオバマに入れるくらいなら、マケインに入れるとか、投票などしないとだだをこねていることである。

今年11月に実施する米大統領選の本選で、民主党候補指名争いで敗れたヒラリー・クリントン上院議員の支持者が指名を確定させたオバマ上院議員に投票するとした比率が減少していることが最新世論調査結果で4日分かった。
調査はCNNとオピニオン・リサーチ社が共同実施した。クリントン議員が選挙戦からの撤退を宣言した6月7日以前の世論調査では、同議員支持者の60%がオバマ氏に一票を入れると回答。しかし、最新調査ではこの割合が54%に減っていた。
また、本選投票を棄権するとした比率は6月初旬の22%から約三分の一まで上昇した。
さらに民主党支持の登録済み有権者では、43%が依然、クリントン氏の指名を望んでいることも分かった。6月調査の35%より増え、逆にオバマ氏の指名を求める比率は59%から54%に下がった。
民主党候補指名争いで両議員は異例の接戦を展開。この激戦が党内にしこりを残し、本選で勝利するためには組織の結束を早急に固めるのが肝要との見方が民主党内では強まっていた。クリントン議員は敗北を認めた後、オバマ氏支援を打ち出したが、今回の世論調査結果はクリントン氏支持者の後遺症がまだ癒えていないことを見せ付けた格好だ。
また、今回の調査結果は、オバマ氏がクリントン氏を副大統領候補に指名することを待つ同氏支持者の心理を反映したとの分析もある。ただ、オバマ氏は今回の選挙戦で、従来のワシントン政治との決別を宣言しているだけに、前大統領夫人でもあったクリントン氏を副大統領候補に選ぶ可能性は少ないともみられている。

やれやれ一般選挙に向けての選挙運動は予選よりも苦労しそうだ。


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オバマ陣営、マケインの軍歴強調を批判

この間、オバマの防衛長官候補のウェスリー・クラーク退役将軍がマケインの兵役体験について、「戦闘機に同乗していて撃ち落されたからといって、、、それが大統領としての資格があるというわけではない」と発言したことが問題になっているが、今度は元海軍庁長官で、現在はバージニア州代表の上院議員、ジム・ウェッブ(民主)は、共和党大統領候補のジョン・マケインに対して、自分の兵役体験を選挙運動に利用するなと 自制を促した
ウェッブ議員は、軍人への大学奨学金に関する議案の発案者なのだが、これに関してマケインが反対したことに対して、自分の兵役を盾にして軍隊の問題に政治を持ち込みすぎるとマケインを批判している。
ベトナム帰還兵だったことを強調して、かすり傷でパープルハートをもらって一年足らずで除隊し、立ててもいない手柄を口先八兆で報告して勲章もらって帰国し、さんざんアメリカ軍人を侮辱したような偽愛国者のジョン・ケリーを大統領候補にしたことのある民主党の議員が、いまさら軍歴を自慢するなだと? よく言うよとカカシはいいたい。
ブッシュ大統領が州兵に志願して徴兵を逃れたといって批判していたくせに、申し分ない軍歴を持ったマケインが候補になった途端に、軍歴を自慢するのはやめろと来た。さすがダブルスタンダードと偽善が得意な民主党だけのことはある。
危険を承知で戦闘機のパイロットとして志願して敵地に乗り込み撃ち落されて捕虜となったマケインと比べて、クラーク将軍ご推薦のバラク・オバマ候補はどんなにすばらしい人員なのかといえば、、

「国土安全保障政策については、何が危険かを理解することが問題です。」とCBSテレビの「フェイスザネイション(Face the Nation)でクラーク将軍は「自分の相手を判定し、責任を問うとういことです。ジョン・マケインは公民としてそのようなことをしたことがありません。」と語った。

無論オバマは自分の数ある大事な決断について何度も責任を負ってきたっけ?

「(マケイン)は上院議会の軍事委員会の声としてずっと勤め、世界中を飛び回ってきました。しかし氏は指導者としての責任を負ったことはありません。」とクラーク将軍。「海軍で飛行大隊の指揮官だったといっても、戦争中のことではありませんし、、、」

…それに比べてオバマの指導者としての豊かな体験といえば、、、ん、、なんだ?

彼(マケイン)は偉大な人間であり栄誉ある人間です。しかしながら、ベトナム時代に中退の指揮官だった私の体験から言わせてもらえば、戦闘機のパイロットだったということだけでは総指揮官として国家の政策に関する問題を取り扱う用意は出来ていないといえます。.

…もちろんバラク・オバマは国家の政策に関して膨大な経験があるわけだ。なんといっても上院議員として三年、、いやもう四年近くも勤めているのだから!
クラークのおっちゃん、こういうのを贔屓の引き倒れというのだ。アホ!


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