先日ヒラリーがペンシルベニア州の予選で勝ったことについて、私の尊敬する産経新聞の古森さんが詳しく説明しているので、本日はそこから主に引用してアメリカの代議員制度について読者の皆さんと一緒に復習したいと思う。

民主党の指名候補は8月末にコロラド州デンバーで開かれる同党の全国大会で正式に決められる。各州からの代議員の投票で決まるのが原則である。この代議員総数は4049だからその過半数となる2025以上を獲得した候補が指名を受けることとなる。この代議員の大多数、5分の4ほどはすでに各州の予備選や党員集会で一定候補への支持を表明した一般代議員たちである。そうした一定候補支持の一般代議員を選ぶのが予備選でもあるわけだ。しかし残りの代議員800人ほどは、スーパー・デリゲート(特別代議員)と呼ばれ、州レベルだけでなく、民主党政権の元閣僚など一定の政治業績を残した人物が任命されている。この特別代議員も一般代議員と同じく全国大会では指名候補に一票を投じる権利がある。

 さてこれまでに確実となった両候補の代議員数は、クリントン候補は1486人、オバマ候補は1629人だとされる。このうちもう絶対に揺るがない一般代議員の比だと、クリントン1243、オバマ1414となる。一般代議員は各州でどの候補を支持するかを宣言したうえで全国大会へと送られるから、全国大会での支持候補がだれかはもう決まっているし、変更はできない。一方、特別代議員はそうした拘束はない。全国大会の場にのぞんでからでも自分の自由意思で投票できるのだが、事前の段階で自分の支持候補がだれかを表明する特別代議員も多いのだという。この特別代議員ではクリントン候補は243、オバマ候補は215とされる。要するに大接戦なのである。

ペンシルベニア州の代議員の数は188人なので、ヒラリーとオバマの差がたった180以下という現状ではヒラリーのペンシルベニアでの勝利は大きい。しかし、ペンシルベニアは勝った方がすべての代議員を獲得するのではなく、勝利の割合で代議員数が分担されることになっている。

だからクリントン候補がペンシルベニア州で勝利を飾っても、オバマ候補が何十人かの代議員を獲得することは疑いない。クリントン候補がここで一気に逆転というわけにもいかないのである。

 そのうえに5月6日にはノースカロライナ、インディアナ両州での予備選挙が催される。
 このうちノースカロライナ州は代議員134人を選出する重要州だが、南部のこの州ではオバマ氏が断然、優位に立っている。要するに、クリントン候補にとって、こんご残された予備選で一般代議員の獲得レースでいまの劣勢を確実に逆転できるという見通しは非常に険しいのである。

とはいうものの、ヒラリーがまだまだ勝てる可能性のあるうちにあきらめるはずがない。しかしこのままオバマとヒラリーの泥試合が続くのは民主党にとって良いことではない。なにしろ二人の支持者の間で険悪がムードが増してきて、どちらかが勝った場合、それぞれの支持者はマケインを応援すると言い出す始末。
そこで焦った主流メディアはヒラリーにあきらめろと圧力をかけ始めた。ニューヨークタイムスなどヒラリーが圧倒的に優勢だった頃はヒラリーを公式に支持したくせに、いまになってヒラリーに撤退しろと呼びかけている。

おもにヒラリー・ロダム・クリントン上院議員によっておこなわれている否定的な選挙運動はクリントン議員だけでなく、競争相手や2008年の選挙で民主党にとっても害あって益なしであることをクリントン議員が認めるべき時期はとっくにすぎている。大事な予選の前夜、クリントン夫人は民主党候補として真っ先に911の血塗られたシャツを振りかざした。1929年の金融恐慌や真珠湾やキューバミサイル危機や冷戦や911攻撃をおもいおこさせるクリントンのテレビ広告はオサマ・ビンラデンのビデオも含めてまるで(共和党選挙運動アドバイザーの)カールローブの台本から抜き取ったかのようだった。

大統領になろうという人間が非常事態にどのように反応するか、それを競争相手の候補者が指摘することが否定的な選挙運動だという指摘はおかしくないか?ヒラリーが勝っている間は全く問題なかったニューヨークタイムスがオバマが優勢になってくると手のひらを返したようなこの仕打ち。
しかし、アメリカの有権者にとっては民主党候補指名が決着がつかないおかげでオバマの金メッキがはがれてきて非常に良い状況になってきていると思う。オバマはもともと英語でいうところの空の背広。つまり、外見だけで中身がないという人間だ。その化けの皮がはがれきたというだけの話だ。
ヒラリーの汚いやり方は主流メディアも充分に知っていたはず。それなのにヒラリーこれまで批判せず持ち上げてきた彼らがいまさらヒラリー批判に回っても白々しいとした言いようがない。


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