ブローカーコンベンションを描いたゴア・ビダル原作の”The Best Man”(放題「最後の勝利者」1964)という映画があるが、民主党はこのままだと8月の党大会までに大統領候補指名が決まらず、党大会において代議員による投票で候補者を選ぶという本来の党大会の役割を久しぶりに見せてくれるかもしれない。
共和党の例でも分かるように、普通全国党大会での大統領指名発表は形だけのもので、すでに党大会に挑むまでの間に候補者は決まっているのがしきたりだ。しかし、土曜日に行われた三州での予備選の結果でもわかるように、民主党はヒラリーとオバマが接戦でどちらが候補になるのかさっぱり分からない状態にある。もし今年の8月にコロラド州はデンバーで行われる全国民主党大会までにヒラリーかオバマのどちらかに最低限の代議員の数が集まらない場合には、党大会において代議員が何度も投票してどちらかが過半数を超えるまで投票を繰り返さなければならない。ということは民主党は8月までヒラリー対オバマの壮絶な戦いが繰り広げられるわけだが、その間に肝心のマケイン候補への攻撃ができないことになる。
共和党の場合は、マケインが事実上の候補者であるから、8月までヒラリーとオバマが双方を攻撃しあうのを利用して双方があげ連ねる二人の欠点を繰り返して共和党の大統領候補として選挙運動をすることができる。これは共和党にとっては願ったりかなったりの状況である。
ただマケインにとっての目の上のたんこぶは福音書右翼のハッカビーである。勝てる可能性など全くないくせに自分の政治生命だけを考えてしつこく居座っているハッカビーをなんとか共和党大会までに撤退させないと、党大会までマケインは正式な候補としての活動ができなくなるからだ。マケインは、ここはロムニーと交渉してロムニーが獲得した代議員はすべてマケインに投票してもらうようにすることだろう。そうすればハッカビーは絶対に勝ち目がないので、今後の予備選でハッカビーに投票する愚か者を減らすことができるかもしれない。
苛立つのはマケイン大嫌いな極右翼がハッカビーのファンでもないのに、マケインに恥をかかせようと必死にハッカビー応援に回っていることである。ヒラリーが大統領になるかもしれないという時に保守派がそういうせこいことをやってる場合か、とカカシは問いたい!民主党がヒラリーとオバマに割れているのを利用して共和党は結託して民主党と戦うべき時に、くだらないプライドに負けて勝ち目のないハッカビーなど応援して何になるというのだ!これだから共和党は馬鹿党といわれるのだ!


2 responses to 米大統領選: 分裂する民主党を利用できないバカな共和党

rice_shower16 years ago

http://tbs954.cocolog-nifty.com/st/files/st20080212.mp3
これ聞くとマケインファンになってしまう。

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scarecrowstrawberryfield16 years ago

ライスシャワーさん、
興味深いラジオストリームありがとうございます。読者の方々にも是非お聞き願いたいと思います。マケインさんのベトナム戦争当時のお話は、彼が「不死鳥」と言われる所以などが日本語できけます。
こちらをクリックして下さい。
カカシ

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