カカシが学生時代、物理の問題である小舟に何人の人間が乗れるかというものがあった。私の計算によると答えは500人と出た。ここで500人と解答に書いてしまうのは非常識というものだ。どう考えても小舟に500人も乗れるはずがない。どっかで桁を間違えたに違いないと考えるのが常識ある人間の判断。
ところがこと数字になるとこういう判断が全くできない人が多いのには驚く。先日もあるサイトで北アメリカではコロンブスの大陸発見後150年の間に一億人の先住民が殺されたと平気な顔をして書く人間にお目にかかった。現在のアメリカ合衆国の人口がたかだか三億なのに15世紀に一億人の原住民が住んでいたなんてことはあり得ない。ましてやそんな数の人間が虐殺されたなんてことがあるわけがない。こんなことはちょっと考えればすぐに気が付くはず。
民主党の大統領候補のなかでもひときわ人気のある新人バラク・オバマも数字は苦手な口らしい。パワーラインによるとオバマは先日アメリカの自動車産業が地球温暖化をとめるために努力していないと批判した際に次のようなとんちんかんなことを言ったそうだ。

燃費基準が1ガロンにつき27.5マイルというのがここ20年もかわっていないのに対して、中国でも日本でもこの基準はこえている。特に日本社は1ガロンで平均45マイルも走る。(注:45m.p.g=19km.p.l,1ガロン=3.8リットル、1マイル=1.6km)

恥かしいことにトヨタ自動車によるとどんな自動車メーカーでも45m.p.gで走る車は作ってないという。「我が社のものでもせいぜい30 m.p.gです」とトヨタの代表は言ってる。
もっともこの数字はオバマが突然考え出したものではない。左翼ブログの Media Mattersによるとピュー調査センターによる2004年の地球温暖化リポートにその数が載っているというのである。(the Pew Center on Global Climate Change’s December 2004)私はそれを詳しく読んだわけではないのだが、パワーラインが説明してくれているのでそれを読んでみると、これは現在の数値ではなくて2010年までに達成する予定の数値であり、しかも703-827キロ級の軽自動車に限定されていることがわかる。しかもピュー調査は独自の方程式で元の予定数値に1.3をかけている。
ま、ピュー調査の方程式がどのように導かれたのかはリポートをきちんと読んでいないから私にはよく分からないのだが、それでもこの数値が現在製造されている日本車の平均燃費でないことは確かである。
オバマは自分の政策を裏付ける証拠として都合のいい調査をみつけたのは分かるが、他人の調査を鵜呑みにして中身も理解せずに受け売りで演説してしまうのはどうかと思う。私はこういうことには詳しくないが、それでも1ガロンで45マイルも走る車なんてお目にかかったことがない。ミスター苺の本田アキュラでも高速でせいぜい30マイル。下の道なら22マイル程度だ。これだけ考えても、いくら日本車が性能がいいといっても平均が45マイルなんてのは行き過ぎだとピンとくるのが常識というものだろう。
そういう常識のない人間にアメリカの将来を任せるというのはかなり心配だと思うが、オバマ支持者の諸君はどう考えているのだろうか?


2 responses to 数が分からないと、、、バラク・オバマの恥かしい失言

Leo145217 years ago

二度目のコメントですが、確かに数字・数値は人により判断が異なりますね。
GDP の算出方法も今難問を抱えているそうです。数字化されたものはこれからは先ず疑ってかかったほうがいいのかもしれません。

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scarecrowstrawberryfield17 years ago

Leoさん、
コメントありがとうございます。数字というのは感覚がつかめないと間違えるものです。自分でよく分からない時は専門家に先ず聞いた方がいいですね。私は経済の方は全然だめなんで、GDPとかいわれてもさっぱり想像がつかない。引用する際はかなり気をつけないと恥をかくでしょう。
カカシ

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