さてまたまた本日からネットアクセス不可能な場所に8日間ほど缶詰になり、帰港するのはなんと中間選挙前日の月曜日。 幸いなことに選挙がどうなるかはリアルタイムで知ることができるので、結果報告及び分析も実況できる予定。
金曜日に一時寄港した時、ミスター苺は電話口で、「君~すごい一週間だったよ。選挙状況がかなり変わってきた」と興奮した調子でまくし立てた。 アメリカの地方選挙などには疎い私でもそれぞれの話は面白いので今週は選挙運動逸話をいくつか紹介していきたいと思う。
先ずはメリーランド州、上院議員選。 共和党の候補者はマイケル・スティール氏、民主党候補者は現在下院議員のベン・カーディン氏。 支持率は5%くらいの差でカーディン氏が優勢。 だからこの話はなんともやぶへび。
映画俳優のマイケル・J・フォックスといえば、1980年代にテレビ俳優から映画俳優へと転向しバックトゥーザフューチャーの三作で一躍大スターになった人。その後ホワイトハウスを舞台にしたコメディドラマ「スピン・シティ」に出演していたが、1990年代後半に持病のパーキンソン病の症状が悪化したため俳優を引退した。
そのフォックスが最近アメリカ各地で、民主党のために選挙運動をしているのだが、そのテレビコマーシャルは共和党はパーキンソン病治療法の研究に必要なステム細胞使用に反対している、共和党に投票すればパーキンソン治療開発は絶望的であるといった内容だという。 民主党のやりかたは常に共和党は冷血漢で病人やお年寄りのことなど全く考えない、男女差別、人種差別、同性愛恐怖症、とレッテルを貼るというもの。 その点民主党は弱者の味方。皆さん民主党に清き一票を、、てなもんである。
このコマーシャルが流れたマイケル・スティール(共和)候補の地区では、このコマーシャルにスティール候補が真っ向から反撃。ターナーという女医が出演するコマーシャルでは次のようなメッセージが流れた。(スティールのコマーシャルとフォックスのコマーシャルはReal Clear Politicsで見ることが出来る)

ターナー医師: 私はドクター・モニカ・ターナーと申します。
ベン・カーディン議員(民主)によるマイケル・スティール候補への攻撃はわざと誤解を招くような悪趣味な広告です。カーディン議員は自分の政治力を強めるために恐ろしい病気の犠牲者を利用して人々を怖がらせようとしています。
カーディン氏は恥を知るべきです。
マイケル・スティールについて皆さんが知っておくべきことがあります。彼は幹細胞研究を支持しています。そして彼はこの病気で苦しむ人々にのことを深く慮ってます。
どうして私にそんなことが解るかですって? それは私がマイケル・スティールの妹だからです。
私はパーキンソン症候群を煩っています。マイケルは私のことを考えてくれてます。

あ~れ~、これはちょっとすごい反撃。 これをもち返すのはかなりたいへん。 スティール氏は胎児胚の生化幹細胞研究には反対しているが、胎児胚を破壊しない幹細胞研究は支持している。 ところがフォックスには気の毒なことになんと民主党候補のカーディン議員は肝細胞研究は全面的に反対しているのである!
スティール候補はカーディン議員は幹細胞研究を支持する機会があったにも拘わらず、ブッシュ大統領が提案した非破壊的な幹細胞研究法案に反対投票をした。 それは決してカーディン氏がこの法案に信念的な異議があったからではなくブッシュ大統領発案だったからという政治的な理由でのことだった。 カーディン議員はパーキンソン症候群の患者のことより自分の政治的地位を重んじたのであると攻撃した。
フォックスも場所を選んでコマーシャルを流すべきであった。 これではひいきの引き倒し。あり型迷惑もいいところだ。


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