うちにあった茶碗が古くなり、いろいろ欠けたりしていたこともあり新しい茶碗に買い替えることにした。本来ならば日系の陶器屋に行ってきちんとしたものを買うところだが、別の買い物で行ったスエーデン系家具及び雑貨屋のイケア・IKEA(アメリカではアイキアと発音する)で可愛いお茶碗を見つけたので一揃い買って来た。しかしいざ使ってみて自分の間違いに気づいた。ご飯を入れて持ち上げると熱くて持っていられないのだ。何故?と思ってよくよくみたらお茶碗の高台(こうだい)と腰が繋がっており腰の熱を高台がそのまま伝達してしまっていたからだった

こちらネットで検索した茶道具のおはなしのサイトから引用。

茶碗の部位名称

茶碗に限らず、茶道具は博物館や美術館で比較的よく展示される美術品です。たいてい解説が付いていますが、このなかで各部位の名称が使われることも少なくありません。しかし、普段よく使う用語ではないため、聞き馴染みのないものも多いと思います。これを知っていると鑑賞のときに便利ですから、簡単にまとめてみました。

茶碗の部位名称

茶碗の部位名称

上記の写真を観ていただくと解るが⑧の高台は⑥の胴とは分かれている。この部位は別に作られて後から胴の下の部分付けられてから焼かれたことがわかる。高台は単にお茶碗を立たせるための脚ではなく、お茶碗を持った時に腰の熱が伝わらないように出来ている。ところがIKEAで買った茶碗は高台の部分は違う色に塗ってはあったが、明らかに腰の部分を引き延ばして台の形に作ったもので腰と一体になっており、続いているから熱もそのまま伝達されてしまい熱くて持っていられなくなるのだ。形もデザインも可愛いし見た目は普通のお茶碗なのだが機能性が全く違っていた。

小さい器を手に持って食べるという習慣は日本独特のものらしい。中国では道端の屋台で大きな丼鉢を持ったまましゃがんでお蕎麦を描き込んでいる人の様子を動画で見たことはあるが、普通食卓について食べる場合は食器を持ち上げるということは先ずしない。

韓国の鉄のお茶碗には高台部分はなく、お茶碗の底が平になって卓に置けるようになっている。鉄なので絶対持って食べられない。学生時代に韓国人の友達に「韓国人はどうやってあんな熱いお茶碗を持って食べられるの?」と聞いて、韓国ではお茶碗を持って食べる習慣はないと笑われたことがある。

無論西洋では食器を持って食べるのは完全にノーノ―である。だからスエーデン発のIKEAでは食器を持つための機能など考えも及ばなかったのだろう。

faviconIKEA

高台と胴と繋がっている茶碗

というわけなので、結局日系のお店にちゃんとしたお茶碗を買いに行くしかないだろう。「下手な近道遠回り」(トールキン著指輪物語より)


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