今日はイスラエルとパレスチナ紛争の問題について、多くの人びとが誤解しているいくつかの点についてベン・シャピーロの言葉を借りて説明したい。はっきり言ってこれは誤解というよりパレスチナ支持者たちが長年広めて来た嘘と言った方が適切だろう。シャピーロが言う四つの神話とは、1)イスラエル領土は歴史的にイスラム教徒の土地だった、2)土地分割の失敗はイスラエルのせいである、3)イスラエルがアラブ人を追い出した、そして4)イスラエルはアパルトヘイト社会であるというもの。

神話その一イスラエル領土は歴史的にイスラム教徒の土地だった

これは全くの嘘である。イスラエルはもともとユダヤ人の領土だった。聖書にも記述があり考古学で裏付けされている。

  • 紀元前14世紀(1400BC):ジョシュアがイスラエルに入植。
  • 紀元前10世紀(1000BC):デイビッド王国が設立された
  • 紀元前957年:ソロモンの最初の寺院が設立されたの
  • 約紀元前515年:二つ目の寺院設立
  • 紀元前166年:ハスモニアン帝国創立
  • 西暦70年:エルサレムが破壊される
  • 西暦136年:ユダヤ人が追放される。

ユダヤ人が追放された後も、この土地にはバラバラになってはいたがユダヤ人は居住していた。しかしこの土地でアラブの国家があったことはない。ローマがバーコクバ(Bar Kokhba)の蜂起でユダヤ人を制圧した後、今のイスラエルのある土地をユダヤ人を侮辱する意味でユダヤ人の宿敵であるフィラスティンをもじって「Palestine (パレスチナ)」と呼んだのだ。つまりこの土地にパレスチナというアラブ国家が存在したことは歴史上一度もないのだ。

神話その二:土地の分割が失敗したのはイスラエルのせい

1917年にイギリスはユダヤ人にパレスチナ全土をユダヤ人に与えると約束した。これに怒ったアラブ人たちがユダヤ人への大量殺人を始めた。イギリス政府はその後、パレスチナのアラブ人に譲歩を繰り返した。1937年までに、アラブ人はネゲブ全域とユダヤとサマリアのほぼ全域を手に入れ、ユダヤ人はテルアビブやハイファを含む海岸沿いの小さな領土を手に入れることになり、1939年までに、イギリスはアラブの圧力に再び応じて、ユダヤ人の移民を制限した。

アラブリーグは1967年に三つの拒否(No)を公表した。すべてのイスラムの敵との平和拒否、(イスラエル国)肯定拒否、交渉拒否である。

これに答えてイスラエルはエジプトの空軍に先制攻撃をかけた。これが有名な1967年の六日戦争のはじまりである。これによってイスラエルはサイナイ砂漠、ゴラン高原、ガザ地区、ユダヤとサマリア(現在のヨルダン川西岸地区)、そしてエルサレム全域を奇跡的に獲得した。

だがその後イスラエルは何度も和平のために譲歩を繰り返した。2000年にはイスラエルのバラク首相がパレスチナオーソリティー(PA)のアラファトにウエストバンクの91%の統括を託し、イスラエルはヨルダン国境のある15%の警備的存在を保つと提案。アラファトは拒絶しすぐに二度目のインティファーダという大規模なテロ攻撃をはじめ何千というユダヤ人が殺された。

2005年、イスラエルは全面的にガザ地区から撤退した。ハマスは即座にガザを乗っ取りイスラエルへの攻撃を始める。その攻撃が今に続いているのである。2008年にはオルメート首相がさらに広い地域とテンプルマウントとエルサレムの古い市を差し出すと提案したが、PAのリーダー、アバスは交換条件を出さずに交渉のテーブルを去った。

神話その三:イスラエルがイギリスが定めたパレスチナ領域からアラブ人を追放した

イスラエルはアラブ人にとどまるように言った。イスラエルの独立宣言には、アラブ諸国との戦争が続いている最中に、『われわれは、イスラエル国家のアラブ系住民に対し、平和を維持し、完全かつ平等な市民権と、そのすべての暫定的および恒久的な制度における正当な代表権に基づいて、国家の建設に参加するよう、まさに今、数カ月にわたってわれわれに対して開始された猛攻撃のさなかに訴える』とある。

どれだけのアラブ人が自発的に去ったのか、どれだけがアラブ主導者たちによって命令されて去ったのかは定かではないが、25万から30万人のアラブ人が家を捨てて避難した。イスラエル人が追い出したわけではない。彼等はアラブ諸国がイスラエルを負かしたら帰って来れるとアラブ諸国のリーダーたちに約束されたのを信じて自発的に出て行ったのだ。これが1947年から48年の戦争中のことである。

戦後パレスチナの難民が安全に住めるところを確保したのはイスラエルである。アラブ諸国はパレスチナ難民の受け入れを拒んだ。今パレスチナ人が住んでいるのは当時イスラエルがアラブ人たちのために設置した難民キャンプの鳴れの果てだ。

神話その四:イスラエルはアパルトヘイト社会である。

これが嘘なのは一目瞭然。イスラエルにはアラブ人がイスラエル国民として他のユダヤ人と全く同じ権利を持っている。なんとイスラエルの人口の20%はアラブ人だ。イスラエルにはアラブ政党もあり最高裁の判事のひとりはアラブ人である。こんなアパルトヘイトがあるだろうか?

反対にパレスチナ領のなかにユダヤ人は一人も居ない。アパルトヘイトがあるとしたら、それはパレスチナ側である。

「これらの神話が問題なのは、ユダヤ人に対する殺人未遂や殺人の成功が免罪されるという、特異な道徳的相対主義へと人々を導くからだ」とシャピロは主張する。「その一方で、パレスチナ人の邪悪な人権侵害は最小化される。

「私たちは耳を傾けるべきであり、なぜ彼らの言うことが本心でないのか、くだらない言い訳をするべきではない」とシャピロは言う。「彼らの嘘ですらなく、あなた自身の嘘を信じた結果、ユダヤ人が死んだのだ。」


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