先日、学校において性や人種に関する過激な教育に抗議して生まれた草の根団体、マムスフォーリバティー(Moms for Liberty=自由のためのママさんたち)がフィラデルフィアで大会合を開いた。この団体は2021年に創設されたばかりだが、今や全国津々浦々に支部のある政治家たちも一目置く団体になりつつある。

ホテルの二つの階を貸し切って行われたこの大会の開場は多くの花で装飾され、ネットでしか話たことがなかったママさんたちが初めて会い、笑顔で抱擁する姿が観られた。初めて会った女性達は政治の話よりレシピ交換に忙しいような和やかな雰囲気だった。

しかし保守派団体が少しでも影響力を得てくると、決まって「ヘイトグループ」だの「極右翼ファシスト」だのという罵倒が左翼から聞こえてくるようになる。特に極左翼の自分らこそがヘイトグループのサザンポバティーローセンター(SPLC)が2022年にマムスフォーを「過激派集団」と決めつけ、PTA会議を乗っ取り教師や保護者たちがきちんと会議するのを阻止しているなどと嘘を報告してからは、左翼活動家たちから脅迫状も含めて多くの嫌がらせにあっている。

SPLCのスーザン・コーク局長はマムスフォーのゴールは「右翼のヒステリアを煽り、特定の生徒達の居心地を悪くし安全な場所を奪おうとしている。特に黒人やLGBTQやその家族たちに対して」などと言いがかりをつけている。

バイデン政権の司法省も教育の場で行き過ぎた人種差別や性教育に抗議する保護者団体のことを国内テロリストと呼ぶなどひどいものだ。

そして無論左翼リベラルメディア(つまりほとんどのメディア)もバイデン政権べったりで、何かとこれらの団体について嘘やデマの報道をしている。例えば7月のはじめに、マムスフォーのフロリダ地方支部の声明文にヒットラーの教訓を子供を洗脳することの危険性を示すために引用したところ、あたかもマムスフォーがナチスのモットーを信じているかのように報道した。今時まともな活動をしようという団体がヒットラーを崇拝するような声明文を出すはずがない。にもかかわらずメディアはそんなあからさまな嘘を平気でつくのである。左翼リベラルの姿勢は、特定の主題は話題に乗せることすらはばかられるというもの。それが人々の生活に多大なる影響を及ぼす政策であってもだ。だからおとなしく沈黙を守らずに口を開いたママさんたちのことは、何としてでも黙らせなければならないというわけである。

マムフォーリバティーはティナ・デスコビッチ(Tina Descovitch)とブリジット・ズィ―グラー(Bridget Zeigler)によって2年ほど前にコロナによる長期の学校閉鎖に抗議するために創設された。しかしそれが徐々に学校で子供たち教えられている授業の内容へと抗議の対象が変わっていった。

皮肉なことに二人のママさんが反対していたこの学校閉鎖には不思議な副作用があった。子供たちがリモート授業を受けることになり、親たちは今まで学校で子供たちにどんな教育がされていたのかを初めて知るところとなったのだ。例えば白人は生まれつき罪深い人種であるという黒人至上主義、白人蔑視の批判的人種理論や、性自認やトランスジェンダリズムといったような極端な授業が学校で行われていることを知り親たちは愕然としたのだ。

マムスフォーの大会に参加していた元教師というある女性は、教師の立場で内側からの改革は不可能だと悟ったと語る。問題は現場の教師ではなくもっと上部から命令が下っているからだ。そこでマムスフォーの多くのメンバーたちは地元の教育委員会役員に立候補した。地方支部はそれぞれ地元の小さい選挙に立候補し改革を始めているという。ママさんたちにとって2024年に誰が大統領の共和党候補になるかということよりも、もっと身近な場所での変化の方が大切なのである。

それで面白いことにマムスフォーよりも共和党候補者達の方がマムスフォーに興味を持ってきている。ほんの2年前に始まった草の根運動にしてはすこぶる成長ぶりである。

もちろん会場の外ではおなじみの左翼暴力団らが大声で三日間怒鳴り散らしていた。しかし常にそうであるように、こいつらはスローガンを繰り返してどなるだけで、マムスフォーのなにが気に入らないのかという質問には一切答えられない。

左翼メディアのメディア・マタースは覆面記者を参加者として潜入させたが、SPLCや司法省が言っていたような憎悪に満ちた危険なママさん達を見つけることが出来ず、記者のリポートは如何に彼女が大会に出された高級な料理に感心したかに終始してしまい、全然同団体を叩く記事になっていなかった。ABCニュースもマムスフォーを「愉快な戦士たち」とツイートし、超左翼俳優ジョージ・タケイに「ファシストをまともな人間扱いするとは何事だ!」と怒鳴られてツイートを削除する始末。

もし記者たちが正直にマススフォーのママさんたちが何を言っているのかを聞けば、左翼リベラルのやっていることは正当化できないはずである。何故小学校一年生がオーラルセックスのやり方などを学ぶ必要があるのか、左翼抗議者たちには説明などできない。だから彼等はきちんとした討論をするのではなく、反対派を黙らせることしかすべがないのである。だから彼等は常に「ノーディベイト(討論の必要はない)」と怒鳴り散らすのである。現に会場の外に居た抗議者の一人が「フィラデルフィアでそんな会話をする場所はない」と怒鳴っていたそうだ。まさにその通り、彼等に理屈に正当性はないのだから当然だ。

しかし大会の外側で反対派の抗議者が集まったとはいうものの、今ではおなじみになった反対派による暴動によって講演者たちが避難せざる負えないような状況にならなかったことは喜ばしい。イギリスの女性活動家たちのイベントのように野外で数十人集まってやるのとは違い、高級ホテルの二つの階を貸し切って何千人という参加者を集め、贅沢な料理まで出してニッキー・ヘイリーのような著名な政治家まで招いても危険にさらされないように警備体制もしっかりしていたというのはすごい。

草の根運動として始まったとはいうものの、経った二年でここまでの成果を上げるというのは凄いものだ。こう言っちゃなんだが左翼のフェミニストがやっていたら、とてもここまでは出来なかっただろう。

 参考:David Marcus | Fox News


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