ここしばらく、メキシコとの国境を共有するテキサスのアボット知事が自州に入り込んだ違法移民たちを首都のワシントンDCやニューヨークやシカゴに搬送して、これらの都市の市長たちが悲鳴を上げているというニュースが連日流れている。昨日など、アボット知事は2台のバスをDCにあるカマラ・ハリス副大統領の自宅前に送りつけるというパフォーマンスをやってのけた。

そして同日、今度はフロリダ州のディサンティス知事が違法移民をオバマ元大統領の邸宅や民主党政治家たちが住む高級住宅マーサズビンヤードに搬送したことが大ニュースとなっている。同知事はマサチューセッツやニューヨークやカリフォルニアは違法移民の聖域だと公言してバイデン政権の違法移民受け入れ政策を支持している以上、違法移民の面倒をみるのは当然の義務だと主張。チャーター便二便をつかってフロリダからマーサズビンヤードに違法移民を送り付けた。

実はバイデン政権は国境を越えてやってきた違法移民を隠密のうちに共和党が権限を握る州へどんどん送り込んでいた。2021年の11月、何機もの航空機に乗せられた違法移民たちがフロリダに送られてきた。同知事はバイデンの移民政策に反対のフロリダ市民が違法移民の面倒をみる義理はないとして、違法移民をバイデン政権の政策に同意している民主党の州に送り届けるつもりだと宣言している。

マーサズビンヤードにつれていかれた違法移民たちは「話が違う」と文句を言ってるが、他人の国に密入国しておいて、いったいどんな待遇を期待していたのだろうか?

それはともかく、サンシャインステート(日照の州=フロリダ)とゴールデンステート(黄金の州=カリフォルニア)知事のちょっとし口論が起きている。私が住むカリフォルニアのニューサム知事はバリバリの左翼リベラル。自州が違法移民で大変なことになっているのに全く無頓着で、犯罪を全く取り締まらず、それでいてコロナ禍での一般州民への取り締まりは異常なまでに厳しかった。

この11月それぞれ再選挙を控えているディサントスとニューサム知事なのだが、先日ディサントス知事は記者会見でニューサム知事を州民を平民のように扱っていると厳しく批判した。それというのもニューサム知事は自分の選挙運動広告でフロリダ知事を批判し、フロリダ州民はカリフォルニアに移ってくるべきだと宣言したからである。

それでディサントス知事は、「フロリダでは最近カリフォルニアのライセンスプレートが増えてるが、カリフォルニアではフロリダプレートはそう見かけないねえ」といい、コロナ禍で州民に多大なる犠牲を強いておきながら、ニューサム知事は高級レストランで密な宴会を開いていたことを指摘。知事は州民をあたかも平民のように扱っていると批判したわけだ。

またディサントスはカリフォルニアはこれまで人口が減ったことがないのに、ニューサム知事になってからカリフォルニアを脱出しフロリダに移住する人が増えていることも指摘。そしてニューサム知事のつねにポマードできれいに塗りつけられている髪型をおちょくるなどした。

ニューサムはこれをうけて、いつでもディサンティスと討論してやる、その時はポマードを沢山持って行ってやるなどと反論している。

なぜ西海岸と東海岸の知事同士がこんな戦いをしているのかというと、ディサンティス2024年の大統領選挙に共和党から出馬を真剣に考えているのと同様、ニューサムも民主党代表として大統領選に出馬するのではないかという話があるからなのである。

私はトランプ前大統領の大ファンではあるが、彼の高齢や彼自身のパーソナリティーなども考慮にいれると、ディサンティスのほうが共和党候補としてふさわしいと思う。できればトランプには引退してもらって、ディサンティス候補で行ってほしい。彼のコロナ禍の対策や移民対策を見ていると、彼はあきらかに共和党を代表してしかるべき人だとおもえる。


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