昨日、米大統領候補討論会が行われた。この内容に関してはNHKが結構詳細に日本語で報道しているので、そちらを読んでいただくとして、私は気になった部分の感想を書くことにする。討論会はフォックスニュースのクリス・ワラスが進行役を務めた。

私はミスター苺と一緒にディベートを生中継で観ていたが、トランプがバイデンの答えに逐一いちゃもんをつけ、それを止めようとした司会者の声とでぐちゃぐちゃになり、いったい何が話されているのか全くついていけなくなった。

はっきり言ってこの討論会は私がこれまで観た中でも最悪だったと言える。それはトランプとバイデンのどちらかに責任があるというよりも、司会のクリス・ワラスに全面的に責任があると思う。

読者諸氏はフォックスニュースと言えば右派のニュース局だという印象をお持ちかもしれないが、実は決してそうではなく、他の極左翼局に比べればまだましな方と言った程度の中庸派である。特にワラスは以前にトランプをインタビューした時も不公平な質問をした過去もあり、決して中庸とは言えない左派である。

バイデン前副大統領は最近耄碌しているのではないかという噂もあり、これまでにも色々と失言があったので、今回の討論できちんと機能している大人として映るだけで、特におかしなことを言わない限り成功といえるという非常にハードルの低い状態で始まった。

ところが、クリス・ワラスはトランプに不公平な質問ばかり浴びせ、バイデンの答えに矛盾があっても問い詰めずにやり過ごしたり、バイデンがトランプの質問に答えられないと話題を変えるなどしてバイデンを庇った。

なかでも非常に不公平だなと思ったのは今アメリカ中で起きている暴動の件についてだ。ワラスはANTIFA/BLMの左翼グループの暴力沙汰について、大統領としてどのように暴動を鎮圧するつもりかといった質問をするのではなく、大統領はANTIFA及び左翼のグループについて常々バイデン副大統領が糾弾しないと批判しているが、大統領は白人至上主義グループやケノーシャでのような民兵を糾弾するつもりはあるのかと質問。

トランプ大統領が「もちろんだよ。でも私の見る限り暴力は左翼の方からばかり起きており、右翼の方ではない。」と答えると、白人至上主義を糾弾しろと何度も迫り、それにバイデンまで加わって「しろ、しろ!」と迫った。それでトランプ大統領は「どのグループを糾弾しろというのだ?名前をだしてごらん」というとワラスかバイデンのどちらかが「プラウドボーイズ」と言った。

そこでトランプは”Proud Boys, stand back, and stand by.”と言い、「しかしアンティファや左翼について誰かが何かをしなければならない」と続けた。

さらにトランプはバイデンにアンティファを糾弾するかと迫ったが、バイデンはアンティファは組織ではなくただの考えに過ぎないと誤魔化した。トランプがさらに詰め寄ると「司会者」のワラスが割って入り次の話題に移ってしまった。

まず私が腹が立ったのは、トランプが言うようにここ数か月の暴力沙汰はすべてBLM/ANTIFAの左翼暴徒らによるものなのであるにも関わらず、あたかも暴力がプラウドボーイズやケノーシャの自警団が起こしているかのように扱い、しかも彼らが白人至上主義グループであると決めつけていることだ。

プラウドボーイズには黒人メンバーがいくらでもおり、男尊女卑的な要素はあるが、BLMのような人種差別を行っている組織とは違い、全く人種にはこだわらないグループだ。またケノーシャの自警団は民兵などというものではないし、ましてや白人至上主義などではない。(カイル君が自衛で撃った三人はすべて白人。)

さて、トランプが言った”stand back, stand by”とはどういう意味か?これは「後ろに引き下がって待機せよ」という意味。待機というからには、必要とあらば出動可能な準備をしておけという意味にとれるので、プラウドボーイズのメンバーはトランプに支持されたと勘違いして大喜びしている。

しかし多分これはトランプの言い間違いだろう。トランプはプラウドボーイズがどんなグループかも知らず、ワラスが白人至上グループだというから、それでワラスが先に言った解体するとか撤退するといった意味のstand downというつもりで、Stand byと言ってしまったのだろうと思う。

しかし一夜明けた本日、この言葉使いを巡って、トランプが白人至上グループを支持したとメディアは大騒ぎしている。

BLM/ANTIFAが三か月以上もアメリカ中で暴れまくっているというのに、ほんの数回数百人集まって平和的な集会を開いただけのプラウドボーイズにすべての暴力沙汰の責任を押し付けようというのである。特にCNNの記事は異次元の世界ではないかとおもわれるほどひどい

しかしどのメディアもバイデンがアンティファを糾弾しなかった事実は完全無視である。

今回の討論でどちらが勝ったかと言われても、トランプ対ワラスなら引き分けと言えるだろう。トランプ対バイデンなら、私には何がなんだかわっぱりわからなかったというのが本音である。


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