ネットフリックスで「13th」というドキュメンタリーが制作され、期限限定でユーチューブで全編観ることが出来るという。リンクはあえて張らないが、日本語字幕がついてるバージョンもあるらしいので、興味のある方は検索してみることをお勧めする。しかしこんな左翼プロパガンダに二時間も無駄にする気になれないという方々のために、わたくし苺畑カカシが観てせんじたので説明しよう。一応白状しておくと実は私も全編は観ていない。しかし半分も観ればこのフィルムが過激派左翼BLMによる陰謀論説であることがはっきりする。

先ず13thというのはアメリカの憲法補正案13条のことで、南北戦争後にアメリカにおける奴隷制度を廃止するという憲法である。このフィルムでは、奴隷制度が廃止された後でも、犯罪者は拘束して強制労働を課してもよいという法の抜け道を使い、地方政府は黒人を些細な犯罪や冤罪で拘束して引き続き奴隷のように扱ったと語る。まあそういうことは確かにあっただろう。しかし犯罪者がチェーンギャングとして強制労働を強いられたのは黒人だけではない。南北戦争後に書かれた「風と共に去りぬ」でも白人のチェーンギャングが登場し、スカーレットの従弟メラニーが「犯罪者を使うなんてひどい。なんで黒人を使わないのよ」なんて場面が登場するくらいだ。

奴隷制度が廃止されたからといってすぐさま黒人差別がなくなったはずがないことくらいは誰でも想像がつくし、差別は引き続きあったことは誰もが知っていることだ。しかしこれは1860年代の話である。

ウッドロー・ウィルソン大統領の時代(1913-1921年)になっても、黒人差別は引き続きあった。特にウイルソン大統領の黒人差別は悪名高い。ウイルソンン大統領はホワイトハウスで「国家誕生」という黒人を猿に見立てたようなひどい黒人差別映画の試写会をやったほどのレイシストだった。無論彼はバリバリの民主党。ウイルソン政権が黒人は犯罪者の集まりだという印象を国民に広げたというのは全くの事実である。

13thは四期も大統領を務めた反ユダヤ人で反日本人のレイシストであるルーズベルト時代をすっとばし、民主党が施行していた黒人差別法のジム・クロー法の時代も無視し、人権運動後の共和党大統領ニクソン(1969-1974)の話を始める。ニクソンの公約は「法と秩序」だったが、人権運動で荒れていた国家をひとつにまとめようと言う彼の努力をフィルムは反黒人政策だったと決めつける。

ニクソンの「法と秩序」とは黒人差別の犬笛だとし、伝統的に民主党支持者だった南部の低所得白人を共和党に引き付けたとする。フィルムは無視しているが、黒人差別の悪法を取り除き黒人を白人と平等に扱おうという人権法を通したのは共和党である。そして黒人と白人が平等に公立学校に通えるようになるのを最後まで反対していたのは民主党なのだ。だから黒人への差別意識が強い白人が黒人の人権を守る法律を通した共和党になびくはずがない。この時点で民主党から共和党に移党した白人がいたとしたら、それは民主党の人種差別に嫌気がさした白人たちだろう。

それと、アメリカにはアファーマティブアクションというものがある。これは黒人学生が白人と同じように高度な勉学が出来るようにと、恵まれない黒人に手を差し伸べる法律だ。そしてこれを積極的に通したのが誰あろうニクソン大統領だったのだ。フィルムはこの新政策のおかげで黒人学生は未だに大学受験や就職で優遇されているという事実があることを都合よく忘れている。

さて、そのあとでフィルムはレーガン大統領時代(1981-1989)の話になる。レーガン大統領の減税は金持ちだけが得をし黒人層に大打撃を与えたという。1980年代のアメリカはものすごい好景気だった。資本主義社会では金持ちがもっと金持ちになることで貧乏人が余計に貧乏になるということはない。よく80年代の記憶がない人が、80年代は金持ちが余計に金持ちになって貧乏人が余計に貧乏になったというが、そんなことは起きていない。金持ちと貧乏人の格差が広がったというのはそうかもしれないが、それは必ずしも貧困層がより貧乏になったという意味ではない。国全体が豊かになれば低所得者の給料も上がるからだ。

さてそれはともかく、レーガン大統領のファーストレデイであるナンシー夫人が始めた「Just Say No!」が黒人を標的にした政策だったとフィルムは主張する。その理由というのがクラックコケインの取り締まりが不当に黒人を標的にしているというものだ。クラックは黒人が好む傾向があり、同じコケインで白人が好むのはパウダーのほうだという理屈である。それでクラックの取り締まりを厳しくすることによって黒人が大量に拘束されたというのだ。

しかしこの理屈には無理があるだろう。アメリカでは麻薬所持は違法だ。クラックがパウダーより罪が重いのは量の問題だろう。白人がクラックを使っても罪にならないというのなら別だが、クラックを使ったものは黒人でも白人でも同じ罪に問われる。もし大量に拘束されたくなければクラックを止めればいい話だろ。つまりこれは、黒人には麻薬中毒患者が白人よりずっと多いと認めているようなものだ。

ニクソン大統領の法と秩序が反黒人だという理屈にしても同じことが言える。黒人というだけで無実の人間が冤罪をかけられて逮捕されるということがしょっちゅう起きているというのなら別だが、そんな事実は証明されていない。つまり逮捕されたということは犯罪を犯したということになる。大量拘束されたくないなら犯罪を犯さなければいいではないか?

レーガン大統領ほど民主党と共和党をまとめた大統領も珍しい。当時リベラルといわれる民主党支持者が大量にレーガン支持なり共和党に移行した。いわゆるネオコンサーバティブといわれる人々がそれだ。

ここから先のフィルムは観ていないが、まあここまで観れば、これがいかにくだらない陰謀論説フィルムであるかがお分かりいただけたと思う。

結局BLMの連中は共和党大統領はこぞって反黒人で、一見して正当に見える政策もすべて黒人弾圧のためのものだと言いたいらしい。

しかし喜ばしいことにアメリカのほとんどの黒人はBLMのような悪質なテロリストでもその従者みたいにバカでもない。この間の世論調査ではなんと黒人有権者の41%がトランプを支持していると答えている。大統領選で共和党は黒人票を15%集められれば楽勝だといわれている。ということは41%も支持率があったらトランプは雪崩勝利すること間違いなしである。

BLMやアンティファがどれほど騒ごうが、聡明なアメリカ市民は(黒人も含めて)トランプ大統領を信頼しているということなのだ。


2 responses to BLMのプロパガンダフィルム、13thを観て

Trushseekercomfortwomen4 years ago

こんにちは。私は加州在住の在米日本人です。本ブログがFacebookの保守系のグループで紹介されているのを見たのがひと月くらい前、それ以来ブログを拝見していますが、ブログで主張されていることに共感すること多々ありです。

13thの解説ありがとうございます。職場で13thをみることを勧められた矢先のことであったので、大いに助かります。時間を無駄にせずに済みました。

日本ではこの数ヶ月間に、アベノマスク配布が起こしたの功の部分、あるいは検察定年延長や種子法改正など、話題となった案件の本質も知らず、アベガーと反対を叫んでいたアホがウヨウヨでてきて、アホ左翼を判断する良いリトマス試験紙だと思ったりしたものです。もしかすると、このBLMは同じようなリトマス試験紙になるのかな、と思ったりするこの頃です。

これからブログをちょくちょく拝見させていただきます。楽しみが増えました。

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    苺畑カカシ4 years ago

    Truthseekerさん、コメントありがとうございます。たしかに民主党のBLMへの迎合は目に余りますね。いい年こいたご老人が8分も膝まづいて立ち上がれなくなったり、無様ったらないです。

    日本の政治については分からないのですが、ツイッターに上がってくる話題を見る限り、日本の芸能人もバカが多いみたいですね。アメリカのもかなりひどいけど。

    あんまりしょっちゅうは書けませんが、これからもよろしく。

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