先日、米民主党はそのあからさまな反ユダヤ主義を披露してくれた。先ずは下記の記事参照。

【3月9日 AFP】ドナルド・トランプ米大統領は8日、民主党が連邦下院で、ムスリム(イスラム教徒)の女性議員による反ユダヤ的と思われる発言を非難する代わりにヘイトスピーチ全般に反対する決議を可決させたとして、同党は「反イスラエル」「反ユダヤ」だと批判した。
 民主党のイルハン・オマル氏は、両親と共にソマリアの内戦を逃れてミネソタ州に移住し、昨年の中間選挙でイスラム教徒の女性初の連邦議員となった。同氏は、これまでにイスラエルをたびたび糾弾し、ワシントンの親イスラエル派の有力なロビー団体が米政治に影響力を振るっていると批判し、激しい論争を呼んでいた。


 オマル氏は民主党が強いミネソタ州ミネアポリスで、全米初のムスリム議員となった前任者キース・エリソン氏を引き継ぐ形で下院議席を獲得した。オマル氏は8歳の時に両親と共にソマリアの内戦を逃れて、ケニアの難民キャンプで4年間過ごした。一家は1997年、すでに多くのソマリア人が在住していたミネソタ州に移住した。


 同氏の発言については、多くの民主党議員も反ユダヤ主義的で不適切と見なしていた。しかし、それに対して革新派の人々から否定的な声が上がり、下院での決議は、イスラム教徒や他のマイノリティーの人々に対する差別全般を糾弾する内容に改められ、議会ではここ数日、他国に対する米国の忠誠心や、ユダヤ人に対する差別的発言というデリケートな問題について激しい討論が行われてきた。


 今回の論争から明らかになったのは、民主党議員の顔触れが民族的ルーツや宗教、ジェンダー、年齢、イデオロギーの面で多様化が進んだ分、党にとっては新たな課題が生まれたことだ。その一つに対イスラエル政策がある。


 トランプ氏は2020年の再選を目指し、共和党も昨年の中間選挙で失った下院多数の奪還を狙っている。そうした中での民主党のぶれをトランプ氏はすかさず新たな攻撃材料として活用。
「下院の昨日の決議は恥ずべきものだ」「民主党は反イスラエル党になってしまった。反ユダヤ党だ」と、ホワイトハウスで民主党を批判するコメントを発表した。

Omar議員のカタカナ表記がオマルってのは彼女にピッタリの名前だ。喜んで使わさせてもらおう。トランプ大統領の言う通り、この決議は全く無意味なだけでなく、米民主党がいかに反ユダヤ主義に権力を奪われてしまったかを如実に表すものだ。

ほんの先月まで、ナンシー・ペロシ下院議長は、オマル議員の反ユダヤ主義発言に断固たる制裁を加えると息巻いていた。下記は今年2月12日付けのブルームバーグの記事。

オマル議員は(2019年2月)10日夜のツイッターでのメッセージで、米国の対イスラエル政策は資金とAIPACの影響を受けているとの見方を示唆した。オマル氏は以前にもイスラエル政府を批判していた。

これを受けペロシ下院議長ら民主党下院指導部は11日の声明で、「オマル下院議員による反ユダヤ主義的発言と、イスラエルの支持者についての偏見を抱かせる批判はひどく侮辱的だ。こうした発言をわれわれは非難すると同時に、オマル議員にこうした中傷的発言について即刻謝罪を求める」と述べていた。

それが即刻謝罪を求めるどころか、今回の決議は当のオマル議員の名前がないどころか、反ユダヤ主義の糾弾ではなく、ヘイトスピーチ全体への批判という訳の解らないものとなってしまった。民主党の反ユダヤ勢力はそんなに強力なのか?ペロシ議長は自分のたかが議員一年生のオマルに謝罪すら強制できないのか?

聡明な読者諸氏はよくご存知のように、アメリカのユダヤ系は圧倒的に民主党支持だ。下院にも上院にもユダヤ系議員は多く居る。前回の大統領選で民主党の有力候補に挙がったバーニー・サンダースもユダヤ系だし、現上院議員民主党リーダーのチャック・シューマーもニューヨーク出身のユダヤ系だ。カリフォルニアの大御所上院議員のダイアン・ファインスタインもユダヤ系。

にもかかわらず、下院が明らかに反ユダヤ主義の決議を通すというのはどういう意味があるのだろうか?

ついこの間まで、アメリカにおいて「アンタイセメティズム」(反ユダヤ主義)で責められるのは最大の侮辱であった。これは単なるレイシズムやセクシズムより重たい響きがあったのである。しかしユダヤ人嫌いの人間はいくらでも居る。それでそういう差別意識を持っている人は、それを隠すために「私は反ユダヤなのではない、反イスラエルなだけだ。」と言い訳をする人が多い。だが、ユダヤ人の国であるイスラエルという独立国の存在を否定するということは、反ユダヤ主義以外の何物でもない。

しかし、オマル議員の反ユダヤ発言はナチスの言葉使いを思わせる悪質なもので、単なるイスラエル批判などという云い訳が通じるものではない。BTSのナチス制服事件で日本でも名前が知れ渡ったユダヤ人権団体のサイモン・ウンゼンサル・センター(SWC)もかんかんに怒っている

当然のことながら、ユダヤ系の民主党議員や民主党支持市民はどうするのかという疑問が生まれる。自分らがホロコースト体験者の子孫であることを無視して反ユダヤ主義のイスラム議員が仕切る民主党の方針に従うのだろうか?


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