暑中お見舞い申し上げます。

今年の夏は北半球どこもかしこも酷暑のようである。カカシ在住の南カリフォルニアも連日45度を超える暑さ。ツイッターでも日本やヨーロッパなどからも「暑い、暑い」というツイートが連発されている。皆さまくれぐれも熱中症にはお気をつけあそばせ。

夏といえばカリフォルニアは山火事の季節。日本と違って砂漠気候のカリフォルニアは夏が乾燥期。今年もあっちこっちで大規模な山火事が発生している。フェイスブック友達のバリバリ左翼教師のDは毎日のように、山火事は人為的地球温暖化が原因だあ、という記事をアップし、EPAというアメリカの環境庁の権限を減少させようとしているトランプ大統領を批判しまくっている。しかし山火事の原因は本当に地球温暖化なのか?

無論、そうであるはずがない。

山火事の原因は実は1994年にクリントン(民主党)大統領が環境保全という名目で始めた伐木規制にあると語るのは森林専門の科学者ボブ・ザイバック(Bob Zybach)教授。ザイバック教授は1990年代から大学院学長を務める以前20年間森林再生専門の仕事をしていた。1994年、クリントン大統領は絶滅の危機というフクロウの生息地を守るという理由でカリフォルニア及び西部アメリカの森林伐木を極端に規制した。実は森林火事を予防するには適度な伐木が必要。常に生えすぎの木々を取り除き、時には人為的にちいさな火事を起こして大火事になった時の火の通り道を塞ぐ対策は山火事防止に必要不可欠なのである。

クリントン政権は森林を人の手をなるべくつけない自然状態にしておくべきという政策を取ったが、ザイバック教授はその頃から、それは大火事を誘発することになると強く警告していた。

1952年から1987年まで、西オレゴン州において一万エーカー以上を燃やすような大火事は一回しか起きていない。だがこの平和だった時期は1987年に起きた10万エーカーの大火事で終わりを告げた。その後もオレゴン州では大火事がいくつも発生。現在13の火事が18万5千エーカーを燃やしている。カリフォルニアでは9つの大火事が57万7千エーカーに渡って広がっている。しかも、火事の起きる場所のほとんどが政府の森林管理管轄内の地域ばかりなのである。

ザイバック教授によれば、これは起こるべくして起こった人災だという。長年に渡る自然対策という森林管理局の任務放置により、森林には枯れた木や倒木が放ったらかしにされ雑草も生え放題になっている。つまり火事に必要な燃料が貯まっており、爆弾が火種を待っている状態が何年も続いているということだ。

で、これが地球温暖化と関係があるのかという議論だが、カリフォルニアのばりばり自然主義過激派左翼のジェリー・ブラウン知事は、この状態は地球温暖化による新しい普通の状態だと言い張る。だが、温暖化は多少関係あるかもしれないとしながらも、本質的な理由は長年の森林無対策にあると言うのはワシントン大学の環境科学者のクリフ・マス教授。それに、マス教授によれば西海岸北部の気温は近年特に上がっていないと付け加える。

確かに今年の夏は暑いが、それは周期的に巡ってくるエル二ニョのせいであり、地球温暖化とは関係がない。こういう夏は歴史的に何度も来たが、その度に火事が増えるというわけでもない。政治家やメディアが火事が多いのは温暖化のせいだという間違った説を広めているが、それは正しくないとマス教授は言う。

ザイバック教授も歴史をたどって多々の資料を集めて研究した結果、山火事のパターンはここ何百年それほど変わっていないと語る。

では何が変わったのか。それは森林管理対策だ。連邦政府管轄地域における伐木の大幅減少により、活発だった伐木産業が衰退したばかりでなく、火事防止のための伐木も統括焼却などもされず、森林の拡大が野放し状態になってしまったのだ。

山火事や森林火事は自然の状態だから放っておけばいいというのは、文明社会を無視した無責任な考えである。最近の調査によれば、アメリカ西部で山火事の危険にさらされている住宅の数は1940年に比べて1000倍にもある6百70万戸にも及ぶ。火事のパターンは変わらずとも、危険にさらされる人々の数は大幅に増えているのだ。

ではこれに関してトランプ政権はどのような対策を取っているのだろうか。トランプ大統領は今年三月に火事防止のための予算を増やす法律に署名した。しかしザイバックに言わせれば、まだまだ足りないという。政府はもっと積極的に火事防止対策に取り組む必要がある。そのためには自然破壊という汚名を着せられて衰退した伐木産業の復活こそが理想だとザイバック教授は言う。

トランプ大統領はEPAの権限を見直すと言っているが、これに関して先に紹介した私のフェイスブックフレンドのような自称自然保護主義者(実は環境破壊主義左翼)どもは断固反対している。彼らはトランプがアメリカの自然を破壊すると喚き散らしている。だが、EPAこそが環境の敵だ。トランプ大統領にはぜひぜひ頑張ってEPAをつぶしてもらいたいものだ。

 


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