保守派作家で映画プロデューサーでもあるディネシュ・デスーザ(Dinesh D’Souza)製作のドキュメンタリー映画、“Death of a Nation”(国家が死滅する時)を観て来た。デスーザ制作のドキュメンタリーはこれで確か四作目だが今までで一番良い出来になっていると思う。

デスーザは過去に「オバマのアメリカ」、「アメリカのない世界」、「ヒラリーのアメリカ」といった保守思想を全面的に押し出した映画製作で有名だ。オバマ前大統領はデスーザの映画にいたく腹を立て、普通なら罰金程度で終わる選挙法違反行為でデスーザを逮捕し禁固刑に処すという行為に出たほどだ。せんだってトランプ大統領はデスーザに恩赦を下し、晴れてデスーザは前科者の汚名を晴らすことが出来た。前作のヒラリーのアメリカはヒラリー・クリントンが大統領選で落選するのにかなりの影響を与えたと言われている。

さて今回の国家が死滅する時は、ファシズムとは何であるのか、そして如何に米民主党がその創設時からファシズムを崇拝してきたかを如実に語っている。デスーザの映画はドキュメンタリーとはいうものの、半分は俳優を使った再現シーンで回を重ねるごとにその質が高まっている。今回もドイツ人俳優を起用してヒットラーやその配下のブラウンシャツ愚連隊による悪行が赤裸々に描写されている。

映画は普段トランプ及び共和党をナチスだのファシストだの人種差別者だのと罵っている米民主党こそが、実はファシズム及び奴隷制度を信念としてきた党であり、彼らがことあるごとに持ち出してくるナチスの政策は実は米民主党の政策をお手本にしていたということを順序だてて証明していく。

読者諸氏のなかでアメリカの奴隷制度や黒人差別法や白人至上主義テロ軍団KKKを固持していた党が現在リベラルを気取る民主党だということをご存知の方がどれだけいるだろうか?ご存知ないとしても気を悪くすることはない。アメリカ国内で特に民主党支持派のなかでこの歴史的事実を知っている人の割合は限りなくゼロに近いのだ。

ヒットラー曰く「大きな嘘は繰り返し語れば信じてもらえるようになる」。民主党は絶対的なファシスト奴隷主義党の過去を隠すために1960年代の人権運動後、自分らこそが少数派の人権を守る正義の味方であり共和党こそが人種差別の党なのだという大嘘をつき続けてきた。そして主流メディアが一緒になってこの嘘を広めたため、多くの人がジム・クロー法のような人種差別法を施行したのが民主党で、白人至上主義テロ団体であるKKKが民主党の手先だったという事実を忘れてしまった。今や大半の黒人は共和党こそが人種差別の党であると信じている。敵ながらあっぱれなプロパガンダ政策である。

だが歴史的事実はこれとは全く正反対。後退派左翼はアメリカが奴隷制度によって設立された国だと言い張るが、アメリカの創設の父たちは奴隷制度を嫌っていた。独立宣言のなかで「すべての人々は平等に創られている」とあるのは文字通り白人も黒人も平等だという意味だった。ではなぜその場で奴隷制度を廃絶しなかったのかと言えば、南部の州(後の民主党)が奴隷制度廃絶をするなら独立運動に参加しないと断固拒否したからなのだ。奴隷貿易を廃止し黒人の価値をゼロと言い張っていた南部に対してその価値を白人の3/5まで引き上げたのも、奴隷制度を固持したい南部と廃止したい北部との妥協だったのだ。しかし、後になって奴隷制度を廃絶することが出来たのは、この「すべての人々は平等」という独立宣言があったからこそなのである。(「すべての白人」としていないことからもそれは明白なはず。)

民主党創設者のアンドリュー・ジャクソン大統領はファシストで奴隷制度主義だった。映画はヒットラーがいかにジャクソンを崇拝し彼の思想をお手本にしていたかを語る。興味深いのはユダヤ人種浄化を図ったナチスでさえ、誰をユダヤ人とみなすかについて、米民主党による『一滴でも黒人の血が混ざっていれば黒人とみなす』という基準はあまりにも人種差別過ぎると判断し、ユダヤ人とみなされるには少なくとも祖父母の三人までがユダヤ人である場合に限るとした点だ。

今や悪の代表として引き合いに出されるナチス党のファシズムだが、アメリカを第一次世界大戦に巻き込んだウッドロー・ウイルソン大統領も、リベラルの神様みたいに崇め奉られているフランクリン・D・ルーズベルト大統領も完全なるファシストだった。ヒットラーは同じファシストのルーズベルトが大統領に選ばれたことを歓迎していたくらいなのだ。(日本が真珠湾攻撃をしたり、ドイツがアメリカに宣戦布告をしたりなどしなかったら、世の中はどれほど変わっていたのか、考えただけでも恐ろしい。)

ファシズムは右翼だと言う人がいるが、これは正しくない。ファシズムとは社会主義の変形であり根本は共産主義と同じだ。共産主義が世界的社会主義であるのに対し、ファシズムは国粋型社会主義である。ナチスという名前にしても原名はNationalsozialistische Deutsche Arbeiterparteiといって国粋社会主義ドイツ労働党という意味である。だからファシズムを右翼と結びつけて共和党は右翼だからファシストだという理屈はこじつけなのである。

同映画はヒットラーがキリスト教徒だったとか保守的だったという神話をことごとく崩していく。たとえばヒットラーがキリスト教会と手を結んでいたということに関しても、ヒットラーは政権を握るまで教会の協力が必要だったから教会を支持しているふりをしていただけで、政権を握ってからはキリスト教徒を弾圧した。またナチスが同性愛者を迫害したということに関しても、ナチス政権下で一般の同性愛者が拘束されたのは事実だが、ナチス党の幹部にはかなり多くの同性愛者が居たことは周知の事実であり、ヒットラーは仕事が出来る人間ならプライベートで何をしていようと関知しないという姿勢を取っていた。つまり社会的にもヒットラーは決して保守派ではなかったのである。

色々な面でナチス党と多くの共通点を持つのは共和党ではなく民主党の方なのだ。いまでも民主党は昔と全く変わっていない。彼らの目指すところはファシズムであり奴隷制度である。

次によく耳にする民主党の大嘘は、確かに民主党は奴隷制度支持で白人至上主義だったが、1960年代以降デキシークラットと呼ばれる人種差別主義の南部民主党員はこぞって共和党に移籍し民主党と共和党は完全に入れ替わったというもの。だが、1964年の人権法によって人種差別法が廃止された後に民主党から共和党に移籍した議員はストローム・サーモンとジェシー・ヘルムスのたった二人である(しかもヘルムスは人権法当時はまだ上院議員ではなかった)。KKKメンバーでビル・クリントン大統領の恩師と言われたロバート・バードは死ぬまで民主党員を貫き通した。クリントンは後にバードのKKK所属に関して、「当時はKKKに所属していなければ民主党員になれなかった」と言っているくらい、KKKと民主党のつながりは深かったののである。だいたい人種差別主義で白人至上主義の民主党員が黒人の人権を守る人権法を推し進めた共和党に移籍するということからして理屈に合わない。今の南部が共和党支持になったのは人権法が通ったずっと後のロナルド・レーガン大統領の頃である。つまり、南部の人種差別者が死に絶えて次の世代の反差別者の時代になってから南部は共和党に移ったのだ。

同映画はこのような歴史的な事実を再現映像で示しながら、現在の自称アンティファや左翼が言うアルトライトの実情にも言及する。自称アンティファ実はファシストどもの暴力的な手段はナチスドイツのブラウンシャツのやり方と全く同じ。アルトライトの象徴のように左翼からもてはやされている白人至上主義ナチス崇拝主義者のリチャード・スペンサーが実は左翼で社会主義者でファシストである事実も映画は暴露する。左翼はあたかもスペンサーがアルトライトを代表するかのように報道するが、スペンサーは左翼だ。決してアルトライトなどではない。同映画のなかで彼は自らその事実を認めている。

ドナルド・トランプ大統領は民主党から敵視されているが、こういうことは昔にもあったとデスーザは言う。奴隷制度廃止のために南北戦争を指揮したエイブラハム・リンカーン大統領の時がそうだった。ファシズムと奴隷制度を固持しようとした南部に勇敢に戦って勝ったリンカーンのように、当時と全く変わらず暴力で国民の自由を奪い奴隷化を目指す民主党に対抗してトランプ大統領は勝利を収めることが出来るであろうか。

拙ブログを長年お読みの諸氏はご存知の通り、カカシはトランプ大統領候補を全く支持していなかった。彼が本質的な共和党員であることを信じていなかったからである。普段から民主党やメディアは信じないと言っていたくせに、左翼連中の大嘘に騙され、トランプは本当の共和党大統領になどなれないと思っていたカカシ。だが、私は間違っていた。トランプは素晴らしい大統領だ。ヒラリーでなくトランプが大統領になってくれて本当に助かった。

今のアメリカは岐路に立たされている。アメリカがファシズムの波に押し流されるかどうかはトランプ政権にかかっているのだ。この戦いは南北戦争と同じぐらい大切な戦いだ。

トランプはリンカーンとなりえるだろうか?私は成り得ると信じる。私はアメリカ国民を信じる。この映画はアメリカ国民に勇気を与えてくれる素晴らしい映画だ。ぜひぜひ多くのアメリカ人に見てもらいたい。特に民主党支持者の方々にお勧めする。

アメリカに神のご加護あれ!God Bless America!


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