先日拙ブログでリンクをつけているユーリさんから、自分が右翼保守系のブログとして枠付けされているのはおかしいという苦情をもらった。拙ブログのメインページで横帯についているカテゴリーは10年前の創設当時にカカシが適当につけたもので、多種多様な思想のあるなか、あまりにも単純な区分けであるため、多分この欄で紹介しているほとんどのブログがその枠組みに入らないのではないかと思う。自分は右翼保守ではないとお感じのブロガーさんたち、そういうわけなので気にしないで頂きたい。他人に勝手なアイデンティティーを与えることがいかにやっかいな代物であるかを考えさせられる。
さて、この間のトランプ勝利について左翼リベラルの間で「何故負けたんだろう?」と本気で考える傾向が現れはじめた。左翼リベラルでも比較的まっとうな人たちの間では、行き過ぎたポリコレ(政治的に正しいとされる思想)特にアイデンティティーポリティクスが問題だったのではないかと反省する声が聞かれるようになったのだ。しかし同時に、右翼保守及び反ポリコレ人なら誰でも体験済みの恐ろしい攻撃を、従来左翼リベラルと自負していた連中が浴び始めると、突然にして自称左翼リベラルがポリコレによる恐ろしいバックラッシュに気がつくという爆笑ものの状況が生じている。
元来左翼リベラルの人々は自分らが左翼リベラルという特別な政治見解を持っているという自覚がない。彼らは自分らの考えていることが普通なのであり、違う意見を持っている右翼保守などという人種は異星人であるかのような認識しかない。だから政治をもちだすべきではない観劇中や誰かの引退パーティやアメフトの国家斉唱の最中に不適切な政治論を持ち出して、周りの人々の不快感などまるで気がつかない。
ところがこういう人たちの間で意見の違いが生じた場合はどうなるのか?
黒人の命も大事だ!賛成!イスラム教移民も受け入れろ!賛成!同性愛結婚を認めろ!賛成!トランスジェンダー奨励! 賛成! 後期人工中絶合! 賛成! 男も女湯に受け入ろ!。。。。え?????それって違うんじゃないの?
ナチ~!
これまで99.9%同意していた人たちが、最後の0.1%で違う意見を表明すると即座にナチ扱いされるのだ。そして裏切り者に対するポリコレ連中たちの報復は迅速かつ猛烈である。
サタデーナイトライブという土曜の夜の長寿バラエティー番組で、コメディアンのコーリン・ジョストがニュースアンカーに扮して「デイトアップのティンダーは今週新しいフィーチャーを紹介しました。これは37種の性別を選べるというもので、『なぜ民主党は選挙に負けたのか』という名前です。」と多種性別をおちょくったところ、ツイッターでものすごい攻撃を受けて炎上してしまった。
自分をノンバイナリーラティンクスクイアー(なんじゃこりゃ?)とかいう男か女か混乱している人間が「なんだこのファ、、、は!」とツイートしたところ、あっという間に5400のいいねと1900のリツイートがあったという。ひとりのトラニーは、トランスやノンバイナリー(非二性別)の人々の存在を選挙に負けたせいだとするのはどういうことだ!と怒り狂っている。
コーリン・ジョストはばりばりの民主党支持なのだが、そんな人間でもちょっと道をはずすとこういうことになる。ミスター苺いわく、左翼はユーモアのセンスがない。
ジョストは後に、自分はトランスジェンダーのことを批判したのではなく、行き過ぎたアイデンティティーリベラリズムを批判したのだと説明した。
さて、それではアイデンティティーリベラリズムとは何か。私なりな解釈をすると、要するに自分を何か特別な少数派団体の一員とすることによって多数派から特別な優遇をしてもらおうとするものだ。この少数派の性質は変っていれば変っているだけいい。今アメリカで一番優遇されているのはトラニー(トランスジェンダー)たち。だから本来なら人口の0.03%にも満たないといわれているトラニーが、全国各地の大学で多数出没するようになったのだ。しかし単なるトラニーではもう古い。最近は性別流動体(ジェンダーフルーイッド)とか非二性別体(ノンバイナリー)とか言って、30以上ある性別を常に変化しまくっていると主張する輩が現れた。しかも日によって個人の気分で変る性別を他人はその都度、別な代名詞を使って敬意を示さなければならないなどという無理難題をふっかけてくる。
そうやって誰も彼もが特別待遇を必要とする少数派になったのに、ひとつだけ特権階級の多数派としてすべての悪の根源であるかのように扱われているのが白人男性たち。それでも実際に恵まれた境遇にあるエリートたちはまだしも、産業が外国に行ってしまってリストラされた中流の白人たちはどうなるのか。彼らは白人として生まれたというだけで特権階級だと少数民族から責め立てられる。白人としてさまざまな優遇を受けてきたのだから何一つ文句を言う資格はないと言われる。黒人の血をちょっと引いてるだけのエリート大学生が親の金や少数民族特別奨学金で一流大学に通わせてもらいながら、「白人の特権性」などを説くのを聞いて、これらの白人たちはどれほど嫌な思いをしたことだろう?
他人の気持ちをこれだけ傷つけておいて、自分らは自分らと違う意見を聞いただけでトラウマになるとかいって安全地帯に逃げ隠れる。
白人と黒人の混血として人種を超えた政治をすると約束したオバマだったが、蓋を開けてみたら、誰も彼もが自分らの狭い枠組みに閉じこもって、「俺達対あいつら」意識で対立するようになった。今や人種間の亀裂は個々何十年で最悪の状態にある。そしてアイデンティティーリベラリズムこそが根源にあるのだ。
実はもうすこしポリコレについて書こうと思っていたのだが、アイデンティティーポリティクスの話がながくなってしまったので、続きは次回にまわそう。


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