最近カカシの職場ではシエストレーション(一律強制財政削減)の話でもちきり。それというのも、この削減のやり方が極端で、連邦政府公務員は一週間に一日、強制的に自宅待機を要請される。つまり、事実上連邦公務員は一律に20%の減俸となるのである。
しかし問題なのは、単なるオフィス業務の人はいいとして、カカシのようにしょっちょうあちこちの現場に出張しなければならない人間は、一週間に一日休むということはできない。特に私は船にのることが多く、いったん乗れば一週間は帰って来れないので、乗ってる間に一日休むというのは非現実的だ。なにしろ仕事をしていないからといって飲み屋にいけるわけでもなければ、子供をつれて遊園地に行けるというわけでもないのだから。船で缶詰になっているのに一日給料がもらえないなんてのは冗談ではない。
はっきり言って、週一の強制自宅待機を提案した人間は(オバマ王)は、防衛省の仕事に休みはないということを全く理解していない。
たとえばこんなシナリオを考えてみよう。
通常の月曜日に飛んで火曜日から木曜日まで仕事をし金曜日に帰る、という一週間の日程を考えた場合、金曜日が休みになったら、土日休んで月曜日に仕事を終わらせ火曜日に帰るという日程になり、出張手当や宿泊費が三日分余計にかかる。よしんば土曜日に仕事をして終わらせたとしても、土曜日の残業手当を払ったら、出張費が一日余分になり給料はいままでどおりということになり、出張費がかさむだけ経費削減どころか、かえって高くつくことになってしまう。
一日でも休めない仕事の場合は、これまでは一人でやっていた仕事を二人でやらなければならなくなる。ということは、月曜から木曜日まで一人、金曜日は別の人間が終わらせるというように。これもホームオフィスならいいが、出張の場合は旅費が二人分に増え、最初の例よりもさらに高くつく。
シクエストレーションが始まるという話が最初に出たとき、本社では必要最低限の出張しか許可しないという御触れが出た。これで出張費が削減できたかというと実はその反対。ひとつひとつの出張がいちいちうるさく吟味されるので、これまでなら短い出張を何度か繰り返していたのが、一旦許可の下りた出張は任務が終わるまでぶっつづけで行ってろということになった。
一旦帰ってきてしまうと、次の出張の許可が下りなくなる可能性があるからだ。おかげでカカシは二週間づつ二回に分けての出張のはずが用もないのに六週間行ったきりという結果となった。二週間の滞在費と出張手当を考えたら、二回に分けるよりずっと高くつくのに、これでは全く削減になっていない。
本当にお役所のやることというのは意味がわからない。
本気で削減する気があるなら、もっと別なやり方があるだろうに。たとえば役に立たない従業員をリストラするとか、、、
強制自宅待機は今のところ二週間の先送りとなった。だが、この先どういうことになるのか、我々は毎日不安である。


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