ミスター苺著
ここで俺は銃所持の自由について語るつもりはない。ただ頭の良い人間の義務として理屈、論理、及び道理性について語りたいと思う。
デイリーショー(テレビトーク番組)の司会者で、奇才的な論理者と自負するジョン・スチュワートは、基本的な自由否定に基づく銃規制支持派として、銃規制反対派の反銃砲保持禁止及び反銃砲没収論を完全に論破したと思っているらしい。 よし、では本当に奴の論破なるものが看板通りのものなのか、吟味してみようじゃないか。
下記に上げたのは不死身のスチュワートが論破したという五つの反銃規制論である。つまりこれが俺様によるスチュワートの論破を論破するという論破²ってとこだ。

銃規制反論 #1 – 酔っぱらい運転があるからといって運転を違法にしたりしない。

スチュワートの「論破」: 酔っぱらい運転を減らすために多くの法律が通された。「車は違法ではない。だが常識的な規制は通った。」
論破²: 通された法律は車の危険な誤った使用方である。 –たとえば、アルコールや麻薬の影響下での運転などがそれだ。銃所持権利支持者のなかで危険で誤った銃の使いかたを同様に規制にすることを反対する人はないだろう。(たとえば混み合った町中で祝いの際に空に銃を発砲する等がそれ。)
だが、スチュワートが支持する銃規制法はれっきとした正当な銃の使用を規制するだけでなく銃を所持する権利すら侵害するのである。カリフォルニア代表ダイアン・ファインスタイン(民主90%)上院議員が提案した法案では、銃及び銃弾所持の禁止が含まれている。スチュワート氏には酔っぱらい運転に関連したとして所持や販売が禁止された車種のひとつでもあるというなら見せてもらいたいものだ。それができるってんなら論点は認めてもいいけどね。
ま、がんばってよね、スチュワート君。

銃規制反論 #2 – どんな銃規制も完璧ではない

スチュワートの「論破」: 一歩づつでも継続して歩んで行くことが必要なのである。一歩づつでも続けて進んで行けば、いずれ状況は向上する。
論破²: これはまるで藁人形論。レイ・ボルジャー(映画オズの魔法使いで藁人形を演じた役者)にでも言わせるべき論理。
もっとも粗っぽい無政府主義者ですら法律のすべてが完璧ではないから法律など全く要らないなんてことは言わんだろう。(例え自身がすべての法律に反対だとしても、もうちっとましな議論をもちだすはず。)
ではスチュワートがおちょくってる本当の議論は何なのか? 本当の論点は「どんな銃規制法も完璧ではない」ではなく、ここで提案された銃規制がまったく道理にかなってないということにある。「軍隊風のアサルトウエポン」のリストにライフルやピストルが加えられたのは全く独断的で、きまぐれで、見かけだけの理由からだ。
銃所持権利支持者たちの言い分は、銃規制の根本的な前提が間違っているというもの。なぜなら傷害や強姦や殺人すらもいとわない犯罪者が銃規制法を犯すことだけには恐れおののくなんてことは有り得ないからだ。

銃規制反論 #3 – 解決法はもっと銃を増やす事

(これは銃を持った悪い奴を止めるのは銃を持った善人だという理論をさす)
スチュワートの「論破」: 多くの犯罪者は鎧を着てアサルトウエポンを持っている。(ここでもアサルトウエポンの定義は曖昧)
論破²: よし、だったら解決法は善人がもっと強力な銃を持てばいいってことじゃんか! 学校の警備員を.22口径ピストルなんかで武装するなよ。もっとましな銃を与えろよ。もっとも軍隊風のセミオートだってガードマン一人雇うより安いだろうが、だったら徹底的に武装させろよ。 学校に武器庫を設置するくらいしろよ。

銃規制反論 #4 – 憲法修正条項第2条が銃規制を禁じている。

スチュワートの「論破」: 「スチュワート異議あり。第二条は『充分に規律ある民兵』にのみ銃所持を認めている。」
論破² 1: この解釈は大昔にその間違いが正されている。修正条項第二条の文法的な構成では『充分に規律ある民兵』は主語ではなく副節に置かれている。この節の位地が何故この節が加えられたのかをはっきりさせている。つまりこの節は説明であって制限ではないのである。(修正条項第二条では「規律ある民兵は、自由な国家の安全にとって必要であるから、人民が武器を保有し、また携帯する権利は、これを侵してはならない。」とある。)
スチュワートの もうひとつの「論破」: 「多くの武器所持がすでに禁止されている」
論破² 2: だから武器所持を禁止するのが憲法に沿っているっていうのか?じゃあ俺の市がオキュパイヤーたちの演説を禁じたら、禁止した事実がオキュパイヤー達への言論規制が憲法 に従っているという証拠になるのか?
法廷はマーブリー対マディソンの裁判以来、違憲を理由に毎年無数の法律を撤廃している。それが最高裁及び下級裁判所の義務なのだ。たとえば先日D.C. 法廷はバラク(休廷中)オバマによる議会と議会の合間での労働省(the National Labor Relations Board)の局長任命は違憲だと裁断した。「すでに多くの武器が禁止されている」ことは正式に禁止されたという意味ではない。いずれその合法性は法廷が判断することになるのだ。

銃規制反論 #5 – どんな銃規制もすべての銃が取り上げられる独裁政権へとつながる。

スチュワートの「論破」: 表立って銃没収を唱える政治家なんかひとりもいない。 [そういう奴は結構いるぜ。ま、いいや、続けよう]; 銃の完全没収を恐れるのは被害妄想だ。
論破²: 一言。 英国.
弁護側、証拠提示終了


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