米国ウィスコンシン州では、新知事が苦しい財政を立て直すべく、警察官及び消防官以外の州職員が所属する労働組合の団体交渉権を制限すべく法案を提案しているが、それに対して州労働組合員から予想以上に激しい抵抗が起きている。
昨日、組合は州の98000人に及ぶ教職組合員に違法ストライキを呼びかけ、法案議決審議がされている首都への集結を促した。これに応じて公立学校の40%にも及ぶ教職員は病気を言い訳に仕事を休んでデモ行進に参加した。おかげでマディスン学校区では学校閉鎖を余儀なくされることとなった。
どうやら労働組合は有権者が選んだ州知事や議員たちを差し置いて、違法なストライキやデモ行進を行って、自分らの主張を力づくで通そうという魂胆らしい。
国家経済の立て直しも全くめどが立たないオバマ王は、それでもウィスコンシン州の経済対策について注目していると言う。労働組合はオバマにとって大事な支持層だが、今回もオバマ王は州の経済を立て直そうとしているスコット・ウォーカー知事の側ではなく、州の経済状態などおかまい無しに州に無理難題をもちかけて交渉する労働組合の片を一方的に持ち、ウォーカー知事の法案は「組合への攻撃だ」と批判した。
オバマ王の組合支持は単なる言葉だけではない。全国民主党委員会の一部でオバマ選挙運動後援会でもあったオーガナイズフォーアメリカ(OfA)は、ウィスコンシンでのデモ行進参加者用のバス調達や電話バンクの設置などを請け負い、ここ数日続いているデモ大会の計画や段取りを仕切っている。
それに加えて、ウィスコンシン州の民主党州上院議員たちは数ではこの議決に勝てないので、そろって一斉にウィスコンシン州を脱出。決議投票が出来ないように議会そのものをボイコットすべく近隣のイリノイ州のリゾートに逃走し潜伏中。
はっきり言ってこのような行為は州憲法に触れるはずだが、違法行為だろうとなんだろうと、なんとしても民主党は労働組合の力を保ちたいらしい。そのためには民主主義や州民の意志など、どうなってもいいということだ。
ウォーカー知事は、州職員が健康保険や年金への払い込む料を増やしてほしいと言ってるにすぎない。このまま組合が要求するような州公務員への法外な優遇が続けば州は破産してしまう。州職員が犠牲を払わないというなら職員の数を減らすしかない。州職員たちがリストラの憂き目に合いたくないのであれば、組合による団体交渉権をなくすことが一番良案なのだと主張している。


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