昨日、黒人の人権運動の象徴とも言うべきマーティン・ルーサー・キング牧師が「私には夢がある」と言った有名な演説をしたリンカーンメモリアルで、しかもその47年目の記念日に、かつて一度オバマ大統領を「人種差別者」と呼んだことのあるグレン・ベックが演説を行ったことにかんし、左翼から人種差別人間がキング牧師の演説を乗っ取ったと批判の声が上がった。
グレン・ベック自身も、大統領を人種差別者だと言ったのは失言だった。今はそうは思っていないと語っている(カカシはオバマは立派な人種差別者だと思うが)。が、同時にエイブラハム・リンカーンを白人が独占しないのと同じで、マーティン・ルーサー・キングは黒人だけにその思想を受け継ぐ独占権があるわけではない、とも語っている。
こと人種差別とか人権問題とかいうと、左翼連中は自分らだけにそれを語る特権があると主張する。左翼リベラルは右翼や保守派とは自他ともに認める人種差別の思想だと本気で信じてる。だから右翼や保守派が実際に人種差別を拒絶し、キング牧師の思想を尊敬し同調するなど、その可能性すら考えることが出来ない。
グレン・ベックのような宗教右翼がキング牧師を本気で敬うなどと言えば、それは他人をたぶらかすための汚い手段だとしか受け取らない。
だが、このような偏見がまかり通るのには、右翼保守連中にも責任はある。右翼保守の多くが左翼リベラルから差別者扱いされるのを恐れるあまり、極力差別者と取られまいと左翼リベラルに迎合し過ぎるからだ。黒人をブラックを呼ばずにアフリアンアメリカンと呼んだりするのがいい例だ。そうやって右翼や保守が何かと妥協するから、左翼リベラルは余計に右翼保守が差別者として後ろめたいからそうでない振りに忙しいのだと確信する。
差別は誰が誰に対して行っても差別である。それがオバマ王が黒人を優遇し白人を冷遇する事に関してオバマを人種差別者だと指摘することは人種差別でもなんでもない。オバマの行為はオバマが白人でも黒人でも同じように良くない事なのだ。
ところで、昨日の集会に集まった人の数は47年前の集会に集まった20万の三倍は居たのではないかという推定もある。少なく見積もっても50万人はくだらないという話だ。そして集会における話題も政治じみたものはほとんどなく、減政権や議会への批判はひとつもなかった。主に宗教を元にしたアメリカの道徳観や価値観を取り戻そうという主題だったという。
また、これだけの人々が集まったにも関わらず、集会の後にはゴミ一つ残されていなかったそうだ。よく環境保全とかいって地球の日に集まる左翼リベラル連中の後はゴミの山になるというから、皮肉なものだ。
それにしても、たかがトークショーホストの呼びかけに、これだけの人々が集まるということは、それだけ人々が現在のアメリカの向かっている方向に不満と危惧を持っているという証拠だろう。現役の議員たちは民主党も共和党も人々のこの声に耳を傾けるべきである。ティーパーティー運動を人工芝だのティーバッグだのといってあざ笑っていると、11月にはひどいことになるぞ。


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