この間の北朝鮮によるミサイル発射実験で顕著になったことは、日米同盟で保証されているはずのアメリカによる日本の防衛は期待できないということだった。これについて産經新聞の古森さんが書いているのでちょっと引用させてもらう。

本来、この種の軍事威嚇を無効にすべき日米同盟の抑止力も、国際社会の連帯による「多国間外交」も、北朝鮮の無法行動を阻めなかった点に、日本の安全保障への重大な教訓がある。

 ゲーツ米国防長官は3月末のテレビとの会見で、北朝鮮のミサイルが米国本土に向かってこない限り「迎撃の計画はない」と断言した。同じミサイルが日本領土に照準を合わせて発射されても迎撃対象としないという意味となる。
 文字通りに解釈すれば、日米安保条約の米国の責務に反する重大発言だった。長官の姿勢は北朝鮮の発射宣言へのオバマ政権の対応の異様なソフトさだけでなく、日米同盟を発射の抑止手段として前面に出さない基本とも合致していた。
 ここ数年、日米共同のミサイル防衛はまさに同盟の協力強化の中核であり、今回こそ両国がミサイル迎撃でぴたりと歩調を合わせる共同防衛態勢を示して抑止とすることが自然な帰結のはずだった。だが、北朝鮮が発射を予告して以来、オバマ政権側では、同盟に基づく対応よりも、もっぱら多国間協力の効用が説かれた。

海上自衛隊は今年の後半に護衛艦による弾道ミサイル防衛の実験をすることになっている。これで「こんごう」「ちょうかい」に続いて三艦目の実験になるのだが、せっかく実験をやってみても実践で使う意志がないのであれば何の意味もない。オバマ王のアメリカが全く頼りにならないとなれば、日本は自力で自国を守る必要がある。今回の北朝鮮の実験はその日本の根性を試す良い機会だったはずなのに、日本はみすみすそれを見逃してしまったのである。
オバマ王は、そのナイーブな世界観から、自分たちが攻撃的な態度を取りさえしなければ、敵国も攻めて来ないと思っているらしい。そんな柔な態度が北朝鮮に通用するはずはないのに、それが全く解っていないようだ。今回の日米の消極的な態度は北朝鮮をより強気にしたことは確かであり、北朝鮮の核開発はより活発になるだろう。
アメリカを頼りに出来ない今、日本はどうするのだろうか?


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