陳さんが取り上げていたジャパンビジネスプレスのこの記事(日本語)で、カリフォルニアが破産状態なのは、長年における労働組合と州政府の癒着により州公務員の給料や年金が信じられないほどの高値になっていることが大きな原因だという指摘があった。折しも本日カカシは仕事の帰りに地方ラジオ局の番組で、カリフォルニア州の公務員は他州に比べて最高の給料をもらっており、その年金の高さは全国最高だという話をしを聞いたばかりだった。

給付額を大幅に引き上げる州法が1999年に施行されてから、一部の職員は50代前半で退職して給与の90%相当の年金を受給できるようになっているという。

ああ、私は職種を間違ったなあ。大学は教育学部を専攻にして加州(カリフォルニア州)で学校の先生にでもなるんだった。いや、自動車やバイクの免許を扱うDMVの職員にでもなっているんだったな。そしたら今頃は回りの不景気を傍目に悠長に引退して左団扇(ひだりうちわ)だったかもしれないのに、(それには歳がちょおっと足りないかな?)
これに関しては超リベラルのロサンゼルスタイムスでさえもあきれかえってる

去年のクリスマスから我々はすでに、サンフランシスコ市の引退者の健康保険資金はすでに44億ドルの赤字であること、サンタクララ郡の消防長官はすでに高額の給料の上にさらに年間20万ドルの年金を受け取ることになること、そして最近の州立大学の授業料の値上げはほぼ全額が年金の赤字補正に当てらたこと、そんな時に州立大学のなかでも最高に給料の高い重役たちはもっと多くの扶養手当をを求めて訴訟まで起こしているなどを学んだ。天気予報のように普通に聞かれるようになった引退のスキャンダルに、有権者たちは激怒している。

カリフォルニアの長期的な健康をめざして、難しい決断を下すと約束したジェリー・ブラウン知事にとって、州公務員の年金制度改革は絶好の機会である。しかし知事が提案した予算案には肝腎な点における変革は含まれていない。

加州の年金負債は7千億を超えており、年金や扶養手当を減らさずに穴埋めをするめどは全くついていない。
加州の公務員に支払われる年金は過去十年間で維持不可能なほど増加しており、州立大学制度の経営費よりも多い50億ドル超の金額が毎年支払われているという。州公務員の引退パッケージの平均率はなんと120万ドル。それを払っている納税者の平均引退貯金はたったの6万ドル。
皮肉な事に、すでに定年退職した人々の年金を支払うために、地方都市は肝心な市役所の仕事が出来ない状態にあるという。上記のJBPが取り上げている完全破産したバレーホ市では道路修理担当の職員が大幅にリストラされたため、穴ぼこだらけの道路が放置されたままになっているという。

この街の道路の修復に31年間携わってきたフランク・カバレロ氏によれば、同市の道路課では3分の2の職員が削減された。道路のメンテナンス担当者は、今では3人を数えるのみだ。

また警察官の数も削減されたため、限られた人員では凶悪犯罪以外の事件にまで手が回らなくなっている。
ロサンゼルス市では、2002年、市税1億ドルが市役員の年金支払いに当てられ全額が支払われたが、今年は血税4億ドルを投じても23億ドルの赤字を埋め合わすことができない。
問題なのは、州公務員の年金制度は民間企業のそれに比べて恵まれすぎていることだ。例えば、民間企業では健康保険の保険金や年金の積み立ては、従業員と企業が半々で払っている。給料から何パーセント差し引かれるかは従業員が個々で選べることになっていることが多い。ところが加州の保険や年金は州が積み立てを全額保証している。つまり、我々納税者は州役員の年金を100%支払っているのである。
しかも定年退職した職員は死ぬまで健康保険に入っていられるので、若くして退職する不利益が全くない。もともと高給取りの重役などは引退したほうがそれまでより高い収入を得ることになる。これでは退職できる最低の55歳で引退する人が多いのは当たり前だろう。
だいたい引退した人間の年金支払いのせいで州が破産するからといって、道路工事職員がリストラされて道路は穴ぼこだらけ、警察官や消防官をリストラして犯罪も火事もほったらかしなんて冗談じゃない。
そういえば、私も3年くらい前に、足の指を折ったショックで失神してしまい、夫が救急車を呼んだら、そのくらいの怪我で救急車を呼ぶな、自分で救急病院へ行けと言われた事がある。あれは、今思えば、消防署の予算不足で救急隊員の数が足りていなかったからなのだろう。
近所に住む独身で独り住まいの友達が盲腸で七転八倒していた時、私とミスター苺が彼を担いで車に乗せて救急病院に行ったこともあった。あの時は何故、彼が消防署ではなくうちに電話をしてきたのか疑問だったのだが、もしかして彼は最初に911に電話して救急車に来てもらえなくて、仕方なく私たちに助けを求めたのかも。その時は慌てていたのでそんなことは考えずに彼の家まで飛んで行ったのだが。
シュワちゃんが任期切れで引退した後を引き継いだジェリー・ブラウン知事は30年くらい前にも加州知事をやったことがある。当時は任期制限がなかったので、今回再び知事就任が可能となったのだが、以前のブラウン知事は非常な社会主義者だった。もし現在の知事が過去と同じような政策をとって、民主党議会と一緒になって州民の血税を無駄遣いして私利私欲を肥やすようなことをすれば、加州は終わりである。それこそギリシャのような暴動がおこったとしても不思議ではない。
だが、もし、ブラウン知事が選挙運動中に公約したように、州の予算を立て直し、経済回復のために大改革を行うことが本気で出来たならば、少なくとも民主党議会に立ち向かう勇気があったならば、来期の選挙では加州でも共和党議員が選ばれる可能性は出てくる。
しかし加州住民としては州職員と組合が、長年に渡って州予算を奪略していたのだと知って非常な怒りを覚えるのであった。


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