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August 6, 2017

国を守るためには国民アイデンティティーは必須

宗教と文化 , 防衛

先日、ヨーロッパの若者たちが「ヨーロッパを守れ」とリビア沖に繰り出したニュースを紹介したが、彼らはジェネレーションアイデンティティーと名乗り、自分らのことをアイデンティタリアンと呼んでいる。

このIdentityという言葉は非常に訳しにくい。私は日本の高校の哲学の時間にこの言葉を最初に聞いたが、日本語の教科書にさえこの言葉は「アイデンティティー」とカタカナで書かれていた。そのくらい日本語にはしにくい単語だ。平たく言うならば、自分が何かという意識だ。自己意識とでもいうのだろうか。

このアイデンティティーというのは個人だけでなく国にもある。この「国のアイデンティティー」というものは非常に大切だ。これが薄れると外敵からの攻撃に無防備になってしまうからだ。今のヨーロッパを見ていればそれがよくわかる。

欧州にはカトリックという欧州全体をつなげる伝統的なアイデンティティーがあった。しかしそれ以上に個々の国々でそれぞれの伝統に沿った国民性というものがあった。それを根底から破壊しにかかったのが左翼思想の社会主義だ。

左翼主義が蝕む欧州はもう何十年も前から世俗主義を押して宗教をおざなりにしてきた。社会の基盤である結婚制度を破壊してきた。離婚が多いだけでなく、同性婚を早くから認め、それでいて未婚の母も普通という状態を作って結婚を意味のないものにしてしまった。男女同権という名目のもとに女性人権とは無関係なフェミニズム思想が横行してバイキングの伝統を持つ男たちが骨抜きにされた。挙句の果てが極端な少子化と自己文化の衰退。多様文化主義だの民族多様性だのばかりを強調して自分らの伝統や習慣とは相いれない異文化を不用意に歓迎した。外敵が侵略を講じるにはもってこいの状況が整っていた。

そしてここ2015年にはじまったアラブ・アフリカからのモスレム大移動。欧州が国民性を失うパーフェクトストームの到来だ。

自分たちの文化や伝統に自信を持てない欧州人は自己意識旺盛なモスレムに太刀打ちなどできるはずがない。外敵に脅威を示す人々を白人至上主義などといって毛嫌いする輩も、なぜかモスレム至上主義者らには何の脅威を示さない。自虐主義もここまでくると自殺願望としか思えない。

さて、ではアメリカはどうなのか。

何度も繰り返してきたが、欧米と一口に言ってもアメリカと欧州とではこのアイデンティーに関して雲泥の差がある。この間もイギリス人によるアメリカの印象で紹介したように、アメリカ人はやたらと愛国心を強調する。祝日でもないのに町中のあちこちに星条旗が掲げられている。一般の民家でさえ正面玄関や前庭に旗を掲げるのは珍しくない。苺畑家でも早起きのカカシが国旗掲揚の役目を背負っている。

大昔にカカシの父が「アメリカは移民の国だから、常にアメリカ、アメリカ、と言っていないと国としてのアイデンティティーを失ってしまうのだ。」と言っていた。確かにそれもあるが、アメリカはアメリカ人になりたい人たちの集まりだからと言った方が正解だと思う。

よく、アメリカは移民の国だからアメリカとしての伝統や文化がないと勘違いする人が居るが実はそうではない。オバマ前大統領が進め急速に大量に取り入れたモスレムナンミンや中南米からの違法移民は全く別だが、従来アメリカに合法に移住して来た人々のほとんどがアメリカの自由な文化に憧れてやってきた。彼らは自国で宗教や人種や政治の問題で迫害されてきた人々であり、アメリカに来て本当の自由を獲得しようとした人々だ。だからかえってアメリカで生まれ育った人々よりも、よりアメリカ人であることが多いのだ。

ここでいう自由とは、単に個人が他人の迷惑を考えずに好き勝手なことをするという意味でもなければ、効率だけを考えて他人との人間関係を無視してもいいという意味でもない。で以前に引用したこういう意見だが、

移民社会とは、個々人の歴史的なルーツの共通項がないので、生活の便宜ばかりが優先され、実力主義とばかりに、誰もが個人プレーでしのぎを削り、後先や周囲の状況をあまり考えずに、先を争って自己主張をする。従って、新米か古参かの区別さえなく、単純に右翼か左翼か等の表面的なレッテル付けで人を罵倒し合って、とにかく五月蝿い。

これは完全な誤解だ。移民社会は個人の出生地や家柄や人種に捕らわれずに個人の才能だけで判断されることが理想だ。よくアメリカンドリームと言われるのは、誰でも文無しの状態からドナルド・トランプみたいな実業家になる可能性があるという意味。階級制度や宗教差別で生まれた時から人生が決まっている社会との一番大きな差はここにある。

アメリカ人は個人主義だから周囲のことを考えないというのは全くの間違いである。アメリカはジュデオクリスチャンの伝統があり、特にプロテスタントの影響が強い。19世紀末や20世紀初期、移民がアメリカに早く馴染むようにと英語教室があちこちに設けられたが、これらは政府機関ではなくキリスト教会主催の慈善事業が主だった。チャリティーの面ではアメリカ人は非常に気前の良い国民だ。世界中のどこの天災でも国家としての支援金は他国から劣ることはあっても、個々のアメリカ人による寄付金は常に世界最高。アメリカは個人の権利を重んじる国。だからチャリティーも個人の判断でされるものであり、国から押し付けられてするものではないのだ。

アイデンティティーの面で日本は恵まれていた。もともとほぼ単一民族だから、これが日本だと常に考えてくる必要はなかった。いわゆる日本人になら解る暗黙の了解というものがあったからだ。しかし今の時代これでは通用しない。今までは特に何の努力をしなくても日本人としてのアイデンティティーは確立されていたかもしれないが、外国からの移民がどんどん入ってくる社会になったらそんな呑気なことは言っていられなくなる。

日本が好きで日本文化に融和したいと考える外国人なら毛色が違おうが言葉が多少苦手だろうが大した問題ではない。だが、まったく日本の文化を取り入れる気持ちがなく、自分らの文化を地元の日本人に押し付けようとする外国人が大量に入ってきたら、これは問題だ。日本人は根が優しいので、これを利用しようとする外敵が居ることに十分気を付けるべき。安易に移民を受け入れるのは非常に危険だ。

しつこいようだが、カカシは日本を離れて30余年。日本に帰国するのは一年置きぐらい。だから私の日本観は一コマづつのスナップショット。継続してみていないからその変化に気づきやすい。それで日本社会の西洋化はここ30余年目まぐるしいものがあると感じる。

欧米の良い面を真似するのは決して悪いことではないが、欧米左翼の変な男女同権主義だの多文化主義だのPCだのを取り入れすぎるのは問題だ。また、日本語が変な外来語に冒されているのを聞くとものすごく残念だ。私が居た頃からカタカナ英語は普通に使われていたとはいうものの、最近はやりすぎなのではないかと思う。

外敵から国を守るのは国民のアデンティティー。アメリカも日本をそれを忘れるとヨーロッパの二の舞を踏むことになる。

August 6, 2017, 現時間 8:45 AM | コメント (1) | トラックバック (0)

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July 29, 2017

どうしてトランスジェンダーは軍隊に属さないのか

フェミニズム , 防衛

先日トランプ大統領がトランスジェンダーによる米軍隊勤務禁止方針を発表したことによって世間は色々と騒いでいる(NHKー日本語)

アメリカのトランプ大統領は、心と体の性が一致しない「トランスジェンダー」の人たちについて、アメリカ軍で働くことは認めない方針を明らかにし、民主党や人権団体などから批判が相次いでいます。

これはトランプ大統領が26日、みずからのツイッターに書き込んで明らかにしたもので、「アメリカ政府はトランスジェンダーの人たちがいかなる形でも軍で働くことは認めない」としています。

その理由についてトランプ大統領は「われわれの軍は圧倒的な勝利を収めることに集中しなければならず、トランスジェンダーがもたらす多額の医療コストや混乱が負担になるべきではない」と主張しています。

オバマ前政権は去年、トランスジェンダーの人たちのアメリカ軍への入隊を禁じる規則を撤廃すると発表していて、アメリカのメディアによりますと、アメリカ軍で兵士などとして働いているトランスジェンダーの人は2000人以上いると見られるということです。

トランプがこの方針をツイッターで発表したことには問題があるが、方針そのものは妥当だ。トランスジェンダリズムというのは精神病であるから、そういう精神病患者は軍人には適さないからである。

それについて、トランスジェンダーがどれほど精神的に不安定であるかという話をダン・マクラフリンがUSTSという2015年のトランスジェンダー調査を用いて指摘している。18歳から25歳を対象に行われたこの調査によると、


  • 53%が現在深刻な精神的問題を抱えている(一般人は10%)、
  • 40%が自殺未遂の体験がある(一般人4.6%)、
  • 48%が過去一年以内に自殺を考えたことがある(一般人4%)、
  • 82% がこれまでの人生で自殺を考えたことがある、
  • 29%が過去一か月以内にに大麻などの違法麻薬摂取をした(一般人10%)、
  • HIVやエイズ感染度が一般人より多い。

トランスジェンダーをどのように軍隊に配属させるかという便宜上の問題以前に、トランスジェンダーの精神問題は非常に深刻だ。自身および同胞の命に係わる決断を究極な状況で常に要求される軍人がしょっちゅう自殺を考えているようではお話にならない。こういう問題を抱えた人間は極力避けるのが軍隊の責任だ。

さて、仮に全く精神異常のないトランスジェンダーを入隊させたとしても、トランスの配属には多々の問題が生じる。どちらの更衣室やシャワー室を使うかということもだが、医療費や治療をどうするのかも問題だ。冒頭で添付したNHKの記事では医療コストは誤差の範囲などと書かれている。

米医師会「医療コストは国防予算の誤差の範囲」

トランプ大統領の方針を受け、アメリカ医師会は26日、会長名で声明を発表しました。声明では、「トランスジェンダーの人たちを軍から除外する医学的な根拠はない。トランスジェンダーの人たちがもたらす医療コストは国防予算の誤差の範囲で、愛国心のあるアメリカ人が国に奉仕する機会を拒否する口実に使われるべきではない」と指摘して、多額の医療コストがかかることを理由として挙げたトランプ大統領を批判しています。

国防費が大幅に削られて必要な節約している軍隊に対して、誤差の範囲とかよく言うよと言いたい。軍隊の人間がどれだけ犠牲を払っているかお前らに何が解る。軍事病院で人手が足りずにどれだけの退役軍人が必要な治療を受けられないか、それを考えたらトランスジェンダーの性転換手術まで国防費で払えとか平気な顔して言えないはずだ。第一軍隊が治療費を負担するとなったら、それだけの目的で軍隊に入ろうとするけしからん奴も出てくるはず。

ま、それはともかくだ、軍隊ではトランスジェンダーでなくても持病のある人間は入隊させない。例えば喘息持ちとか極度のアレルギー体質とか常に常備薬を必要とする糖尿病患者とか、最初から特別な治療を必要とする人間をわざわざ入隊させないのは当然の配慮だ。これは単なる経費の問題ではない。戦場で常備薬が切れて任務を果たせなくなったら、本人だけでなく周りにも大迷惑だ。人の命に係わるのだから。

トランスは常に異性ホルモンの投与が必要だし、もしトランス経過中なら整形手術など色々な治療が必要になる。健康に必要がない整形手術のために長期にわたって隊から抜ければ隊のモラルにも関わる。

つまり、最初から多くの問題を抱えているトランスジェンダーを無理に入隊させることに何の意義があるのかということが問題なのだ。軍隊には入りたい人間が誰でもはいれるわけではない。先ほども述べた持病のある人間の他にも、年齢が行きすぎていたり身長が足りなかったり肥満だったり過去に麻薬を使った体験があったり、と色々な理由で不合格になる人がいる。単にトランスもその部類に入るのだとして何が悪いだろう?これは同性愛者の場合とは全く違う。

ところで話はすこしずれるが、カカシが常にMTF(男性から女性への)トランスジェンダーによる女性スポーツ参加を反対している理由として、いくら男性が女性ホルモンを打って去勢手術をしてみても、男は男、女との競争は不公平であり、女性にとって危険だということをあげてきた。しかし最近読んだ記事で、男女の体の違いは私が思っていた以上に大きいということに気が付いた。この記事によると、、

テスタストロンという男性ホルモンは強く頑丈な骨格を作り出す。特に男性の骨盤の発達には大事なホルモンだ。加えて重たいものを持つ力と効率のいい動力も与える。テスタストロンは心臓の大きさやその機能にも貢献するため、平均男性は平均女性より40%も有酸素運動能力が高く持久力も長い。女性は男性よりも心臓が小さいので、同じ量の血液を心臓に送り込むためには高い心拍数を必要とする。

とするならば、例えトランスジェンダーが大人になってから女性ホルモンを摂取しはじめたとしても、もともとある男性ホルモン分泌が減るわけではないし、大人になるまでにすでに作られた骨格や心臓の大きさを変えることは出来ないので、女性よりもずっと有利な肉体を保持していることに変わりはない。こういう人間が生物学的な女性と対等に競争するなど女性にとってどれだけ不公平であるかが解るはずだ。

さて、実はこの記事はデイビッド・フレンチが何故女性が戦闘員として適さないかという議論で書いたものなのだが、私はこれには賛成できない。なぜかというと、これはあくまでも平均的男性と平均的女性を比べたものなので、男性にも女性にも例外はいくらでもいるからである。

例えばアメリカン忍者ウォーリアーの参加者は圧倒的に男性が多いが、それでも最近は各地域で数人の女性たちが男性顔負けの活躍をしている。女性特別枠を作らなくても、30人の予選通過者のなかに2~3人の女性が入っていることは珍しくない。予選挑戦者の9割が男性だとしたら、彼女たちは70%以上の男性を打ち負かしたことになるのだ。こういう人になら戦闘員をやってもらってもいいはずだ。

以前から言っているが、女性でも軍隊の基準(女性用の低い基準ではなく)にかなっている人ならどんな任務にも就けるべきだ。無論その数は男性のそれよりは少ないだろう。だが少ないから無視していいということにはならない。女性だろうと男性だろうと仕事のできる人にやってもらえばそれでいいのだ。軍隊にとって大事なのは戦時に一番役に立つ適任者を職務に付けることだからである。

July 29, 2017, 現時間 2:27 PM | コメント (2) | トラックバック (0)

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June 30, 2017

護衛艦フィッツジェラルドについてAISの利益と弊害

防衛

護衛艦フィッツジェラルド(FTZ)とACXクリスタルとの衝突事故については事故直後にもちょっと書いたがよもぎねこさんが事故はイージス艦の方に責任があると書いていて、ぶつけられた方に責任があるというのも酷な言い方だなと思ってしまった。無論よもぎねこさんがおっしゃることももっともで、最終的にクリスタルを避ける責任はフィッツジェラルドの方にあったのだから、それをしなかったことは言い訳のしようがない。

しかし、あれだけ高性能のレーダーを備えているイージス艦が、どうしてオープンオーシャンで追突事故を防げなかったのか。コンテナ船のほうも、どうして前を横切るイージス艦に手遅れになるまで気が付かなかったのかという疑問は残る。

実はFIZ にもACXの方にも衝突を避けるためのAISという設備が整っていた。

AIS(Automatic Identification System船舶自動識別装置)とは、一般にエーアイエスと呼ばれており、洋上を航行する船舶同士が安全に航行するよう、航行情報を相互に交換するための装置です。衝突予防と人命安全という観点から、船舶への搭載が義務化されました。運用の目的は、(1)船舶を識別すること、(2)目標物の追跡を支援すること、(3)航海情報の交換を容易にすること、(4)衝突防止に役立つ情報を提供すること、(5)無線電話による船舶通報を減らすことです。

このため、AIS装置は常に電源をオンにしておく必要があり、停船中であっても、自船の船舶情報を発信し続けることで、どこから眺めても当該船の居場所がクリアにわかるシステムになっています

問題なのはFTZのAISはオフになっていた。FTZは軍事艦なので、自分の位置を世界中に公表したりはしない。護衛艦が何時どこで何をしているかは機密情報だからである。だから軍事艦は地元湾岸警備の管轄内を出た時点でAISをオフにするのは普通らしい。

ということは、AISにだけ頼っていると見えない船が結構いるということになる。また、AISをオフにしておくと、AIS上において自分が他人から見えないだけでなく、自分も他人が見えなくなってしまう。お互いのAISがオンになっていれば、衝突警報が鳴るのだが、どちらかのAISがオフだと警報がならないのだ。

以下arsTechinica掲載のショーン・ギャラガー氏の記事から引用

時事プレスによると、クリスタルの船長はクリスタルとFIZは同じ方向に平行線で走行していたが、クリスタルが進行方向を調節した時点で左に行きすぎFIZとの衝突コースに進んでしまったと証言している。通常、左側の船が右側の船に道を譲ることになっているので、この場合はFTZに道を譲る義務があった。しかし、FTZの操縦士はクリスタルの方角変更に気が付かなかったか、もしくは速度を見誤りFTZはクリスタルの前を十分に通り過ぎる時間があると勘違いして、衝突を予期できなかったものと思われる。この場合にAISがオンになっていればFTZの見落としや計算違いが是正されていたはず。

ただAISが普及したのは1990年代のことなので、それ以前にはAISなしで操縦は普通だったし、軍事艦は今でも湾外でのAIS使用は禁止されているのだから、これは全く言い訳にならない。

ギャラガーによると、事故のあった相模湾のあのあたりはものすごく混雑するんだそうだ。彼も含め、イージス艦や他の軍艦の操縦経験のある人たちの話をいくつか読んだが、みな口をそろえて、あそこは運転が大変な場所だという。色々なライトが点滅しているし、レーダーがあってもそうそう簡単に自船に向かってくる船を識別することはできない。無論、それが出来なければ操縦士としての資格はないわけだが。

ブリッジの見張りは「何時間もの退屈が時々恐怖による瞬間で区切られている。」と言われるそうだ。確かにね、何もないと本当に退屈だが、ちょっと目を離した隙に起きる恐ろしい出来事。つくづく操縦士たちの仕事は大変だなと思う。

June 30, 2017, 現時間 3:17 PM | コメント (2) | トラックバック (0)

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June 21, 2017

米護衛艦フィッツジェラルドに貨物船激突、テロの疑いも

対テロ戦争 , 防衛

先週の日本時間日曜日午前二時半ごろ、横須賀から南西に56海里ほど離れた沖合でフィリピン籍の貨物船がアメリカの護衛艦USSフィッツジェラルドに激突。米水兵7人が死亡、館長を含む三人が軽傷を負うという惨事が発生した。

何故イージス艦のような高性能な船が大型タンカーが全速力で突っ込んでくるのに気が付かなかったのか非常に不思議ではあるが、これが実際に「事故」として片づけられるのかどうか、かなり怪しい点が浮き彫りになってきている

添付したサイトに地図が載っているが、激突したACSクリスタル号は追突の25分ほど前にいったんは通り越していたフィッツジェラルドめがけてUターンをした記録がある。しかもクリスタルがつっこんだ場所はちょうど艦長の部屋があるところで、その下のデッキには水兵100人以上が寝ている部屋があった。もし、艦に最大限のダメージを与えようというのであれば格好の位置である。

追突によってフィッツジェラルドの壁が破壊され水面下の部屋に多大なる海水が流入。船の損傷により閉じ込められた水兵たちは7人は皆溺死した。

米海軍当局はこの追突は故意である可能性もあるとして、テロ事件との見方も強めている。

米兵7人のご冥福お祈りする。

June 21, 2017, 現時間 4:52 PM | コメント (5) | トラックバック (0)

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October 29, 2016

恥知らずオバマの防衛庁、10年経った今イラク戦争に志願したカリフォルニア州兵再入隊ボーナスの返還を求める

独裁者オバマ王の陰謀 , 防衛

もし、アメリカ人であることを恥かしいと思う時があるとしたら、命を懸けて戦場へ行った兵士たちを政府が足蹴にするこんな時だろう。先日ロサンゼルスタイムスが報道したのだが、カリフォルニア州の一万人を越える州兵たちが2003年に始まったイラク戦争に参加すべく志願した際に、不当に報酬を受け取ったとして、10年以上も経った今になってその返還を求められている。

アメリカがイラク戦争で窮地を迎えていた2007年ごろ、防衛庁は経験ある戦闘員不足に悩んでいた。それで各州の州兵勧誘員たちが年期を積んだベテラン兵士たちの再入隊を勧めるべく多額のボーナスを約束して人員を募った。ところが今になって防衛庁はこれらのボーナスが不当に支払われたとしてボーナスを受け取った兵士らにその返還を強制しだした。しかもそのやり方が汚く、まだ現役の兵士でこれから戦場へ向かう州兵の給料を全額差し押さえるなどして厳しい取立てを始めたのだ。自分たちが間違えたことは棚に上げて、知らずに受け取った軍人に対して何たる仕打ちであろうか。

イラク戦争で負傷しパープルハート勲章までもらった元特別部隊のカリフォルニア州軍ビル・マクレーン曹長の話を聞いていると、お役所仕事の不手際とその非情さに腸(はらわた)が煮えくり返る思いだ。

カリフォルニア州軍ビル・マクレーン曹長(退役)はイラクやアフガニスタンで四回も戦闘ツアーに出動したベテラン戦士。だがマクレーン曹長は過去三年に渡って今度は防衛庁と戦っている。防衛庁によるとマクレーン曹長は庁に3万ドルの借金があるという。マクレーン夫人は毎月100ドルごとの「血税」を封筒に入れて庁に送っている。

防衛庁には現役20年以上の兵士には再入隊の報酬は払わない規則がある。マクレーン曹長は陸軍を引退したあと州軍に入隊するまで三年間のギャップがあったので、再入隊時通算で計算すると17年で20年ではなかったという。それで再入隊時に支給された3万ドルを受け取る権利があったはずで返還要求は不当だと抗議した。

すると2013年、マクレーン曹長が10年間で四回目出動を受けアフガニスタンに出動する二週間前、州軍はなんと彼の月収3496ドル全額を借金返済として差し押さえた。これから戦闘へ向かう兵士が家族に必要な生活費をすべて差し押さえられてしまったのだ!マクレーンはなんとか差し押さえだけは交渉して免れた。だがそれ以降も防衛庁からの催促は執拗に行なわれた。マクレーンが戦闘で負傷して90%身体障害と診断され帰国した後も催促は続いた。

防衛庁が、自らが誤って支給した再入隊時の報酬を10年も経ってから退役軍人から強硬手段で取り立てているという話しが先日ロサンゼルスタイムスで報道されると、地方議会に怒った市民の間から猛烈な非難の声が殺到した。それで議会からも防衛庁に取り立てをすぐさま見直すようにと要請があり、それに応えて防衛庁は一時的に取り立てを停止すると発表した。しかし全ての報酬取り立てを完全にさし止めるというわけではなく、一件々吟味した上で取り立てを停止するかどうかを決めるというもの。

マクレーン曹長のようにイラクやアフガニスタンで負傷した多くの兵士らは、防衛庁の取り立て差し止めの対象には入らない例外として報酬返還を求められる可能性はまだまだある。

国民の怒りの声を聞いてから、あたかも正義感のように防衛庁に抗議をしはじめた議会だが、議会自身そのことを知らなかったわけではない。カーター防衛庁長官によると、退役軍人へのボーナス返還取立てについて議会は少なくとも二年前から知っていたという。

連邦政府法によると防衛庁は負傷兵に対して借金を免除することが出来るが、何故か未だにマクレーンを始め他の負傷兵への免除は許可されていない。

だいたいだ、戦争中に兵隊が足りなくて高額の報酬を約束して志願兵を募っておきながら、兵士らが命がけで戦った後で契約を破棄して、すでに払った報酬を返せとはどういう理屈なんだ!特にマクレーンのように再入隊して20年以上も軍隊勤務をし戦場に4回も出動して負傷までして帰ってきた軍人にたいしてあまりにもひどい仕打ちではないか。

別の記事によると防衛庁から報酬返還を要求されているカリフォルニア州の一万人は氷山の一角だという。

先週の土曜日、ロサンゼルスタイムスはカリフォルニア州兵1万人が報酬返還請求を受けていると報道した。水曜日んあってアシュ・カーター防衛庁長官は返還請求を一時停止すると発表した。

しかし防衛庁による同じような手違いがあったのはカリフォルニア州だけではない。他の49州でも金額の違いこそあれ、誤って報酬を支給され知らないうちに「借金」をしてしまった州兵たちがごちゃまんといるようだ。

それというのも、2005年イラク戦争真っ最中の頃、全国で再入隊を志願した州兵は53120人と目標の5万人を6%も上回る快挙だった。それというのも再入隊に支給された前例を見ない高額な報酬が理由だったといわれている。だとしたら、カリフォルニアの1万人以外にも全国から43120人の再入隊者が誤って報酬を受け取った可能性がある計算だ。

無論オバマ大統領がその気になれば、これらの返済要求を一切免除することは可能である。もとも間違えたのは防衛庁のほうなのだから、損は兵士から取り立てるのではなく国が負担すべきだろう。イランに何兆ドルもくれてやる金があるのなら、国を守ってくれた兵士らにそのくらいしてもいいだろう。

だが、オバマは軍隊大嫌い人間。軍人の手助けなどする気はさらさらない。ヒラリーが大統領になったら状況はもっと悪化するだろう。これだけ考えてもヒラリーには絶対に大統領になってもらいたくない。

October 29, 2016, 現時間 3:35 PM | コメント (0) | トラックバック (0)

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June 18, 2016

過激派イスラム教徒のテロ攻撃から国を守れないくせに、国民の銃を取り上げることしか興味がないオバマ王と左翼リベラル

アメリカの銃規制/銃砲取り締まり法 , 同性婚 , 対テロ戦争 , 独裁者オバマ王の陰謀 , 移民問題 , 防衛

一週間前にフロリダ州のオーランドで起きた大量射殺事件。犯人はアメリカ生まれのアフガニスタン二世。明らかにイスラム国のテロ思想に感化された過激派イスラム教徒。犯人についての情報は色々明らかになってきているが、これに対する民主党のオバマ王やヒラリー・クリントン候補の反応と共和党ドナルド・トランプ候補とは雲泥の差がある。その話をする前に事件の概要を朝日オンラインから抜粋。

米フロリダ州オーランドのナイトクラブで12日未明(日本時間同日午後)に発生し、100人以上が死傷した銃乱射事件で、米捜査当局は動機や背後関係の解明を急いでいる。死亡した容疑者の男は過激派組織「イスラム国」(IS)に忠誠を誓っていたとされ、ISが運営するラジオ局は事実上の犯行声明を出した。ただ、具体的な接点は明らかになっておらず、当局は慎重に捜査を進めている。(略)

米連邦捜査局(FBI)などによると、実行犯は米国生まれで、現場から200キロほど離れた同州フォートピアスに住むオマル・マティーン容疑者(29)。12日午前2時ごろに同性愛者向けのナイトクラブ「パルス」内で乱射を始めたという。警察が午前5時ごろにナイトクラブ内に突入してマティーン容疑者を殺害したが、49人が死亡、53人が負傷して病院に運ばれた。13日朝までに、死者48人の身元が確認されたという。

マティーン容疑者は犯行の際、日本の110番にあたる911番に電話をし、自分がISに忠誠を誓っていることを明らかにしたほか、米メディアによると、3年前に米ボストンで起きた爆弾テロ事件についても言及したという。(略)

(イスラム国)ラジオ局は昨年12月、米カリフォルニア州サンバーナディノで14人が殺害された銃乱射事件で、容疑者2人を「ISの支持者」と称賛する声明を出した。今回は「戦士」としている。(略)

FBIなどによると、警備会社に勤務していたマティーン容疑者は2013年、同僚に過激な発言をしたとしてFBIが聴取し、14年にはシリアで自爆テロを行った米国人の男と接点がある疑いで、再び捜査対象になった。しかし、どちらのケースでも「問題がない」として捜査が終了し、現在は監視の対象になっていなかったという。

サンバナディーノで起きた乱射事件のときも書いたが、このような恐ろしい事件が起きたことはショックではあるが驚きではない。オバマの対テロ無対策をずっと見ていればアメリカ国内でのテロ行為が頻発するのは火を見るよりも明らかだったはず。

だが、オバマ王も元国務長官のヒラリー・クリントンも自分らのテロ無対策を棚にあげて、国内でのテロを防止するためにはアメリカ国民から銃を取り上げることにあると主張する。

今オバマ及び左翼リベラルが押している銃砲取締り法は、テロリスト捜査対象になった人物への銃砲販売を禁止するというもの。テロ捜査対象になるような人物が銃砲を容易に買うことが出来るのは危険だという理由からである。それだけ聞いていると良い規制のように聞こえるが実は問題はそう簡単なものではないのである。

例えばマティーンは事件当時捜査対象になっていなかった。マティーンはフロリダ州の銃砲販売時に行なわれる身元調査でも問題ないとされ銃砲を合意に取得している。つまり既存の銃規制法は全く効果がなかっただけでなく、新しく提案されている法律をもってしてもマティーンの犯罪を未然に防ぐことは不可能だったのである。

しかしこの法案がテロ阻止には全く無効果であるだけでなく、この法案が一般の合法市民の人権を侵害する可能性は非常に大である。FBIの捜査対象になる人物というのは別にこれといった犯罪を犯した人物とは限らない。FBIが怪しいと思った人間なら誰でもリストに載ってしまう。単にテロ容疑者と同性同名であったとか、偶然何かの事件に巻き込まれたといった無罪の人々でも名前が載ってしまうのである。特に飛行禁止名簿に載ってしまうと何故自分の名前が載ったのか、どうすればそのリストから外してもらえるのかも全くはっきりした規則がない。私の知り合いである犯罪者と同性同名で生年月日まで一緒だったせいでこのリストに載ってしまい出張すら出来なくなった女性がいる。このリストには有名な民主党の政治家や政治評論家やジャーナリストまでも載ってしまった過去があるのだ。

このようにFBIの捜査対象となる人々の多くが裁判によってテロ行為有罪となった人々ではない以上、彼らの憲法で認められた権利を奪いとることは出来ないのだ。第一、ヒラリー・クリントンが大統領となって自分の政治ライバルや批判者をすべてFBI捜査対象名簿に載せてしまったらどうなる?国民の半数以上の人々の憲法が保証する権利を完全に略奪することになるのである。

オバマ政権は実際にテロを犯すもしくは犯す可能性のある団体への監視をとっくの昔にやめてしまった。911直後にジョージ・W・ブッシュが国土安全保障のため各諜報機関がそれぞれの諜報を交換できるようにしたシステムも崩壊してしまった。制限のない違法移民の流入。身元調査のないイスラム圏からの百万を越す移民の受け入れなど、テロ防止のための対策など全く取らないどころか、かえってテロ頻発を促進するような対策を取ってきた。

それでいて今回のような乱射事件が起きるとテロリストではなく合法なる一般市民から正当防衛の武器を憲法違反によって取り上げようというのである。まったくやっていることがさかさまである。

オバマ王はアメリカをイスラム教の占領下に起きたいらしい。オバマ自身のミドルネームがフセインなのは偶然ではない。オバマほどアメリカの自由を憎む大統領は居ない。

今度の事件で、アメリカの同性愛社会において銃砲を買い求める動きが盛んになっているという。いつまでもPC(政治的に正しい)左翼リベラルの道具にされて虐殺されていてはたまらないと、やっと悟ったのかもしれない。

June 18, 2016, 現時間 3:34 PM | コメント (2) | トラックバック (0)

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May 30, 2016

自分の威光を残すために広島訪問を利用したオバマ王のせこい演説

どうでもいいニュース , 独裁者オバマ王の陰謀 , 防衛

慰安婦問題などで日本の立場から取材を続けているフリーランスのジャーナリスト、マイケル・ヨンのオバマ王の広島訪問に関する記事がブレイトバートで掲載されている。

歴史を陳腐なものにしてしまうオバマ大統領
President Obama is snatching banality from the jaws of the historic
著者:マイケル・ヨン、ジェイソン・マイケル・モーガン博士

著者らは歴代大統領初めての広島訪問はたとえそれが公式謝罪という形ではなくても、訪問そのものは二つの国の間にある癒えきれていない深い傷を癒す意味があったとしながら、にも関わらずオバマ王はその機会を自分の威光を残すことに捕らわれて台無しにしてしまったという。

さすがイラク戦争時代に従軍記者をやってたヨンだけあって、オバマ王による防衛政策への批判は手厳しい。著者らはオバマ王が何もしないうちからノーベル平和賞をもらっておきながら、以後8年間にわたって防衛政策完全失態について、就任初期に行なった全世界謝罪ツアーのことや、同盟国を遠ざけ平和に欠かせない強力な機会である軍隊を弱小化させ、オバマのほぼ存在しないリーダーシップのせいで、アメリカがシリアやイランへの影響力を失ったことなどを鋭く批判している。これらの散々たる外交政策の汚名を挽回するため、オバマは広島訪問においてひとつ歴史に残るような花を咲かせようとしたのだ。

この独りよがりな演説に比べて日本の安部総理大臣が去年アメリカ議会で行なった演説は外交的な傑作だったとヨンらはいう。安部総理は第二次世界大戦における国民の多大なる苦しみと被害を認めた上で、アメリカによる日本復興への援助、そして戦後つちかわれたアメリカとの友情に心から感謝の気持ちを表明した。

安部の日本は中国の強硬姿勢や北朝鮮の脅威そして韓国が執拗に迫る戦時の賠償についてなど多々の挑戦に面している。日本は幾度にもわたり謝罪をし賠償金を支払ってきた。こうした挑戦にも関わらず、安部総理はアメリカに友情の心を持って訪れアメリカと日本の同盟についてその将来を語った。

それがオバマはどうだ?中国が東及び南シナ海において外国の領域を次々と侵していることに対し、「後方から指揮する」ことに甘んじている。オバマはベトナムへの武器輸出を認めた。表向きはベトナムを中国の攻撃から守るためというものだが、アメリカが強化する中国との戦いに自ら手をつけたくないという弱腰の本心がまるみえだ。オバマの応援団はこれこそ東南アジアにおけるアメリカ帝国主義の終結を意味するものだと讃え、オバマはそれを鵜呑みにする。

著者らによるオバマの核兵器拡散政策の偽善への批判は、カカシや先に紹介したベン・シャピーロの指摘と同じだ。核兵器拡散とかいっておきながら、完成後にはイスラエルの民族浄化を断言しているイランに核兵器開発の道を保証してしまったオバマ。

オバマのやっていることは単に自分の名前を歴史上の出来事に付け加えているにすぎないと著者らは語る。自分は何の犠牲も払わずに他人の犠牲のうえ達成した歴史的出来ごとに自分の名前をのっけてあたかも自分が何かを達成したかのように振舞うのだ。

広島では、オバマは単に用意された演説がテレプロンプターで表示されるのを読んだだけだが、ベトナム交渉とは違って広島訪問にはもっと重大な悪影響を及ぼす危険性があるとヨンらは指摘する。演説の内容は謝罪とはいえないが、日本近隣諸国ではオバマの広島演説はアメリカによる太平洋戦争への関わりを後悔していると受け取られるはずだ。そして今後アメリカはアジアにおける紛争に口出しするつもりはないと宣言したようにも取られるだろう。つまりオバマの広島演説はアメリカの弱腰を暴露したことになるというのだ。怖いのはここだ。

オバマの広島演説は安部総理の議会演説のように、アメリカと日本の強い同盟の絆を確認する演説になれるはずだった。だが反対にオバマは、アメリカにはアジア紛争には興味がないという宣言をしてしまったのだ。オバマの演説は日本だけでなく台湾にしろフィリピンにしろタイランドにしろ、地域のアメリカ同盟国を見捨て、非常な危機に招くひどい演説となったのである。

May 30, 2016, 現時間 9:43 AM | コメント (0) | トラックバック (0)

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May 29, 2016

オバマ王の広島原爆演説は恥さらしの謝罪演説だ!

独裁者オバマ王の陰謀 , 防衛

日本の広島長崎に投下された原爆。日本人としては納得いかないだろうが、原爆投下は太平洋戦争を早期に終結させるために必要な作戦だった。少なくとも当時のアメリカ政権はそう判断した。これについて歴代のアメリカ大統領が異存を唱えたことはない。しかしオバマ王はアメリカ大統領として始めて広島を訪れ、アメリカ大統領としてあるまじき謝罪演説を行なったと批判する声がある。

オンラインニュースのデイリーワイヤーの編集長ベン・シャピーロなどがその代表だ。

President Obama Gives One Of The Most Repulsive Speeches In American History In Hiroshima
By:
Ben Shapiro
May 27, 2016

カカシも昨日オバマは核兵器拡散を唱えながらイランの核兵器開発を援助していると指摘したが、シャピーロはさらに、オバマが広島訪問をした数日前、オバマはアメリカの元敵国で今も共産主義国のベトナム訪問の際、ベトナムへの武器輸出を約束した事実を示し、一方で非武装外交主義で世界平和を守ろうと唱えながらもう一方でアメリカの宿敵の武装を援助するという矛盾を指摘する。オバマの謝罪演説の内容を読むにあたり、我々はオバマの度重なる背信行為を念頭に入れておかなければならない。

「オバマは完全な恥さらしだ」とシャピーロは言う。

『71年前、晴天の朝、空から死が降ってきて世界が変わりました。閃光(せんこう)と炎の壁がこの街を破壊し、人類が自分自身を破壊する手段を手に入れたことを示しました。』とオバマは言う。これは人類がそれ以前に二つの世界大戦において三十年に渡って自らを滅ぼそうとした事実や、ソビエト連盟と中国が核兵器以外の武器で1億人の人口を殺害した事実を無視するものだ。しかしオバマ演説の要点は核兵器という技術そのものが独特な悪であるすることだ。

オバマは続ける。

『私たちはなぜここ広島に来るのでしょうか。それほど遠くない過去に恐ろしい力が解き放たれたことを考えるために来ます。また、10万人を超える日本の男性、女性、子ども、多数の朝鮮半島出身者、12人の米国人捕虜の死者を悼むために来ます。その魂がもっと心の内を見て私たちは何者なのか、私たちはどのようになれるのか、振り返るよう語りかけてきます。』

不思議なことに、オバマはどの時点においても真珠湾攻撃とその戦没者について語らない。また太平洋戦場でなくなった10万人を超すアメリカ人についても、また既存の兵器によって日本列島を侵略した場合に犠牲になったと思われる50万を越す犠牲者が出た可能性についても述べていない。ノア・ロスマンが今朝のツイートで書いているように、軍人たちは原爆投下に歓喜した。なぜならそれによって戦争が終わり国に帰って自分たちの子供たちの顔がみられると知ったからだ。

オバマは戦争はどっちもどっちだという主張をし、誰が悪くて誰が善かという区別をしていない。特に演説批判者が一番怒るのはこの部分だ。

『広島と長崎で残虐的な終わりを迎えた世界大戦は、最も豊かで強い国々の間で戦われました。その文明は世界にすばらしい都市や美術を生み出してきました。そして、思想家は正義や調和、真実という進んだ考えを見いだしてきました。しかし、最も単純な部族同士の紛争の原因のように、支配、征服を欲する本能という同じ根本から戦争は起きてきました。つまり、古いパターンが制約が働くことなく、新しい能力により増幅されてきました。ほんの数年間で6000万人が亡くなりました。男性、女性、子ども、私たちと全く変わらない人たちです。銃で撃たれ、殴られ、行進させられ、爆撃され、拘束され、飢餓に苦しみ、毒ガスにより、亡くなりました。』

これではアメリカが単なる部族同士の紛争や支配や制服を欲して日本に原爆を落としたかのように取れる。シャピーロも指摘しているように、アメリカの大東亜戦争参加は諸外国侵略が目的ではなく、自国及び欧州の防衛だった。アメリカは日本から攻められるまで参戦には非常に消極的だった。誰が侵略者だったのか、誰が防衛者だったのか、そのことを明確にすることができなければ将来の戦争も避けられない。

シャピーロいわく。

日本は間違っていた。アメリカは正しかった。ドイツは間違っていた。アメリカは正しかった。それだけのことだ。

オバマは続ける。

『物質的な進歩や社会の革新が、どのくらいこうした真実を隠してしまっているでしょうか。私たちはどれだけ簡単に、暴力を崇高な理由によって正当化してしまっているでしょうか。すべての偉大な宗教は、愛や平和、公正さにいたる道を説いていますが、どの宗教も信仰の名のもとに人を殺す信者を抱えることを避けられません。』

とここで、オバマは異教徒を容赦なく大量殺害するイスラム教徒と平和的な他宗教とを道徳的に同率に並べている。オバマによれば誰もが同じように良くもあり悪くもあるというのである。

シャピーロはオバマ王が本気で世界平和を望むのであれば、悪徳な独裁政権が強力にならないよう先手を打って牽制し、相手が攻めて来た場合には敵国の最後の一人まで皆殺しにすると誓うべきだという。だが、オバマはそういうやり方は全面的に拒否する。

『私たちは悪を行う人類の能力をなくすことはできないかもしれません。だから、私たちが築いた国家や同盟は、私たち自身を守る手段を持たなければなりません。しかし、我が国のように核兵器を持っている国は恐怖の論理から脱し、核兵器のない世界を目指す勇気を持たなくてはいけません。私が生きているうちに、この目標を達成することはできないかもしれませんが、たゆまない努力で破滅の可能性を少なくすることはできます。』

カカシも指摘したように、オバマは「核兵器のない世界を目指す」などということは全くしていない。なぜならば、シャピーロいわく、アメリカが核兵器を持っているのにイランや北朝鮮のような悪質な独裁国家の核武装を阻止することはオバマの規則に反するからだという。

オバマは現実を求めない。オバマは自分が個人的に作り上げたイメージ通りの世界を作りたいのだ。オバマは人類そのものを変えたいのである。

『私たちは戦争自体に対する考え方を変えなければいけません。外交を通じて紛争を防ぎ、始まってしまった紛争を終わらせる努力をする。相互依存が深まっていることを、暴力的な競争ではなく、平和的な協力の名分にする。国家を、破壊する能力ではなく、何を築けるかで定義する。そして何よりまして、私たちは人類の一員としてお互いのつながりを再び想起しなければなりません。このつながりこそが我々を人類たるものにしているからです。

 私たちは過去の失敗を繰り返すよう遺伝子で決められているわけではありません。私たちは学ぶことができます。選ぶことができます。子どもたちに違う方法を伝えることができます。共通する人間性を説明し、戦争が起こりにくく、残虐性が簡単には受け入れられないようにする物語です。』

イラク戦争真っ最中の頃、カカシはヤフーの掲示板で戦争について多くの反戦派と議論し合ったが、その時私が主張したのは、「戦争がないことと、平和であることは違う」「平和であることと自由であることは違う」ということだ。特に左翼リベラルが「戦争は解決策じゃない」と言うとき、私は常に「それは問題がなんであるかによるだろう。」と答えていた。

オバマによる「外交を通じて紛争を防ぎ、始まってしまった紛争を終わらせる努力をする。」という理想主義は大失敗に終わったことは昨日のエントリーでも書いたが、シャピーロもイラク、北朝鮮、ロシアによるウクライナ侵略などの例をあげ、アメリカが勢力を誇示しないことによって、アメリカが戦争の意思を全くみせないことによって、世界は平和になるどころかどんどんと紛争激化の道を歩んでいるという。

世界唯一の被爆国としては、日本が広島・長崎における原爆投下が歴史的に長い目でみれば良い教訓となったという言われ方は気分が悪いだろう。だが、新型爆弾と言われた原爆が落とされたのは広島・長崎が最後である。その後71年間も世界のどの国も原爆投下をしていない。オバマがいうような「核戦争の夜明け」にはならなかった。それは何故なのか。

あれだけ効果のある武器ならば、その後も度々使ってもよさそうなものだ。また、イラク戦争の時にも思ったのだが、ひとつの戦闘における戦死者の数も、アメリカの南北戦争や第一次及び第二次世界大戦以後の戦争において激減した。それは戦争がエスカレートすれば、誰かが核爆弾発射ボタンを押すことが出来るという考え誰の念頭にもあるからだ。

ソ連代表の東圏対アメリカ代表西圏の冷戦が、冷たいままで熱くならなかったのも、お互いが核兵器を所持していたことが最大の原因だ。冷戦で平和的結末を呼んだのも、左翼リベラルが求めた核拡散ではなくレーガンが行なった核武装強化競争で経済力のあるアメリカがソ連に勝ったことが理由だ。

だがオバマはそんな歴史的事実は認めないとシャピーロは言う。オバマにとって平和はアメリカの愛国心を全面的に諦め、国境のない国のない価値のない世界をつくることでしか取得できないのである。

広島が起きたのは世界がファシズム台頭中に眠っていたからだ。オバマは悪の台頭にまた眠りたいのである。

最近アメリカの世論でも、アメリカは日本に原爆投下をするべきではなかったという意見のほうが増えている。だが、なぜアメリカがあの時原爆投下をしたのか、それをきちんと把握することが出来なければ、70年以上も続いた平和を破って再び広島は起きてしまうとシャピーロは警告する。

最後にミスター苺が好きな1990年代のテレビシリーズ、ズィーナからの言葉を付け加えよう。

おそらく、一番の悪は、全く戦わないことにある。

オバマ広島演説の全文(毎日新聞より)

71年前、晴天の朝、空から死が降ってきて世界が変わりました。閃光(せんこう)と炎の壁がこの街を破壊し、人類が自分自身を破壊する手段を手に入れたことを示しました。

 私たちはなぜここ広島に来るのでしょうか。それほど遠くない過去に恐ろしい力が解き放たれたことを考えるために来ます。また、10万人を超える日本の男性、女性、子ども、多数の朝鮮半島出身者、12人の米国人捕虜の死者を悼むために来ます。その魂がもっと心の内を見て私たちは何者なのか、私たちはどのようになれるのか、振り返るよう語りかけてきます。

 広島を際立たせているのは戦争という事実ではありません。人間が作った道具は暴力的な紛争が古くから行われてきたことを教えてくれます。私たちの先祖は石から刃物を、木から槍(やり)を作ってきました。これらの道具はただ単に狩りをするためでなく、人間に対しても使われてきました。どの大陸においても文明の歴史は戦争に満ちています。食料不足や黄金への渇望、民族主義的、宗教的な熱狂から戦争が起こり、帝国が台頭し、衰退してきました。そして、人々は支配され、解放されてきました。その時々で数えきれない犠牲者が出て罪のない人々が苦しみ、犠牲者の名前は時とともに忘れ去られました。

 広島と長崎で残虐的な終わりを迎えた世界大戦は、最も豊かで強い国々の間で戦われました。その文明は世界にすばらしい都市や美術を生み出してきました。そして、思想家は正義や調和、真実という進んだ考えを見いだしてきました。しかし、最も単純な部族同士の紛争の原因のように、支配、征服を欲する本能という同じ根本から戦争は起きてきました。つまり、古いパターンが制約が働くことなく、新しい能力により増幅されてきました。ほんの数年間で6000万人が亡くなりました。男性、女性、子ども、私たちと全く変わらない人たちです。銃で撃たれ、殴られ、行進させられ、爆撃され、拘束され、飢餓に苦しみ、毒ガスにより、亡くなりました。

 世界にはこの戦争を記録している施設がたくさんあります。記念碑は勇ましさや英雄的な物語を伝え、墓地や収容所の跡は言い表せないほどの恐ろしい行為がなされたことを示しています。しかし、この空に上がったキノコ雲の姿は、最も明確に人類が抱える矛盾を想起させます。思想、想像、言語、道具作りなど、人類が自然界から離れ、自然を従わせることができると示す能力は、同時に、比類のない破壊力も生み出したのです。

 物質的な進歩や社会の革新が、どのくらいこうした真実を隠してしまっているでしょうか。私たちはどれだけ簡単に、暴力を崇高な理由によって正当化してしまっているでしょうか。すべての偉大な宗教は、愛や平和、公正さにいたる道を説いていますが、どの宗教も信仰の名のもとに人を殺す信者を抱えることを避けられません。

 国は犠牲や協力によって人々が団結するという物語を語り、台頭して偉大な成果を生みました。その同じ物語は、自分とは違う他者を虐げたり、非人間的に扱ったりすることに使われてきました。

 私たちは科学によって海を越えてコミュニケーションできますし、雲の上を飛ぶこともできます。病気の治療や宇宙の解明もできます。しかし、そうした発見が、効率的に人を殺す機械になり得るのです。

 近年の戦争は私たちにこうした真実を伝えています。広島も同じ真実を伝えています。技術のみの発展だけでなく、同様に人間社会が進歩しなければ、我々を破滅させる可能性があります。原子を分裂させた科学の革命は私たちに道徳的な進歩も要求しています。

 これが私たちが広島を訪れる理由です。

 この広島の中心に立つと、爆弾が投下された瞬間を想像させられます。混乱した子供たちが抱いた恐怖感を感じ、声にならない叫びを聞きます。むごたらしい戦争、これまで起きた戦争、そしてこれから起こるかもしれない戦争による、罪のない犠牲者に思いをはせます。言葉だけでは、このような苦しみを表すことはできません。しかし、私たちは正面からこの歴史に向き合い、このような苦しみを再び繰り返さないためにできることを問う責任を共有してきました。

 いつの日か、証言をする被爆者の声を聞くことができなくなります。しかし、1945年8月6日朝の記憶は決して消してはいけません。その記憶があるからこそ、我々は現状に満足せず、道義的な想像力の向上が促され、変われるのです。

 あの運命の日以来、私たちは希望をもたらす選択を行ってきました。米国と日本は同盟を築いただけでなく、友情をはぐくんできました。それは戦争よりもはるかに人々にとって有益でした。

 欧州の国々は貿易と民主主義の結びつきによって戦場に代わって連合を作りました。抑圧された人々や国家は自由を勝ち取ってきました。国際社会は戦争を避け、そして核兵器を規制、削減し、最終的には廃絶することを求めた機構や条約を設けてきました。

 しかし、私たちが世界で目にする、すべての国家間の侵略行為やテロ行為、腐敗、残虐行為、そして抑圧は、私たちの仕事がまだ終わっていないことを示しています。

 私たちは悪を行う人類の能力をなくすことはできないかもしれません。だから、私たちが築いた国家や同盟は、私たち自身を守る手段を持たなければなりません。しかし、我が国のように核兵器を持っている国は恐怖の論理から脱し、核兵器のない世界を目指す勇気を持たなくてはいけません。私が生きているうちに、この目標を達成することはできないかもしれませんが、たゆまない努力で破滅の可能性を少なくすることはできます。

 私たちはこれらの核兵器をなくす道のりを描くことができます。私たちは新たな(核兵器の)拡散を止め、狂信者から核物質を守ることができます。これだけでは十分ではありません。なぜならば、原始的なライフルや「たる爆弾」ですら、非常に大きな規模での暴力をもたらせるからです。

 私たちは戦争自体に対する考え方を変えなければいけません。外交を通じて紛争を防ぎ、始まってしまった紛争を終わらせる努力をする。相互依存が深まっていることを、暴力的な競争ではなく、平和的な協力の名分にする。国家を、破壊する能力ではなく、何を築けるかで定義する。そして何よりまして、私たちは人類の一員としてお互いのつながりを再び想起しなければなりません。このつながりこそが我々を人類たるものにしているからです。

 私たちは過去の失敗を繰り返すよう遺伝子で決められているわけではありません。私たちは学ぶことができます。選ぶことができます。子どもたちに違う方法を伝えることができます。共通する人間性を説明し、戦争が起こりにくく、残虐性が簡単には受け入れられないようにする物語です。被爆者の方たちの話から、それらが分かります。原爆を落とした爆撃機を操縦したパイロットを許した女性がいました。それは彼女が、自分が本当に嫌悪しているのは戦争そのものだと気付いたからです。広島で殺された米国人の家族を捜し出した男性がいました。なぜなら彼は、その米国人たちの喪失感は彼自身のものと同じだと確信していたからです。

 私の国の物語は(独立宣言の)簡単な言葉で始まります。「すべての人類は平等に創造され、創造主によって奪うことのできない権利を与えられている。それは生命、自由、幸福追求の権利である」。しかしその理想を実現することは、米国内や米国民の間であっても、決して簡単ではありません。しかし、その物語にあくまでも忠実であろうとすることに価値があります。それは努力しなくてはならない理想であり、大陸と海をまたぐ理想です。

 全ての人のかけがえのない価値です。全ての人命は貴重であるということです。私たちは一つの家族の一部であるという根源的で不可欠な考え方です。それが私たちが伝えていかなくてはならない物語です。

 だからこそ私たちは広島に来るのです。それによって、私たちは、愛する人たちに思いをはせます。朝一番の子供たちの笑顔。食卓での配偶者との優しい触れ合い。親の心地よい抱擁。そうしたことを思い、そうしたかけがえのない瞬間が71年前のここにもあったのだと考えることができます。亡くなった方々は私たちと全く変わらない人たちでした。

 普通の方々はこうしたことを理解できると思います。彼らの誰もがこれ以上、戦争を望んでいません。むしろ科学の驚異を、命を奪うのではなく、もっと人生を豊かにすることに役立ててほしいと考えています。

 国家が選択をするとき、国家の指導者がこのシンプルな英知をかえりみて選択すれば、広島から教訓を得られたと言えるでしょう。

 世界はここで永遠に変わってしまいました。しかし、広島の子供たちは平和に日々を送っていくでしょう。なんと価値のあることでしょうか。それこそが守り、そして全ての子供たちに広げていく価値があることなのです。

 これこそが、私たちが選択できる未来です。広島と長崎は、核戦争の夜明けではなく、私たちの道義的な目覚めの始まりであるべきです。

May 29, 2016, 現時間 10:43 AM | コメント (9) | トラックバック (0)

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April 17, 2016

ロシア戦闘機による度重なる挑発、オバマのアメリカは応戦する気ゼロ

防衛

今日の新聞の見出しにロシア戦闘機が米国偵察機に50フィートも近づいたというのを見て、え、またかよ、と思ってしまった。ほんの先週もロシア戦闘機が二日間にわたって公海域で米国の護衛艦の上を旋回し、時には70フィートという高度まで近づいたという事件があったばかり。

ワシントン(CNN) 米軍の欧州軍司令部は17日までに、バルト海上空の国際空域で通常任務を遂行中の米空軍偵察機RC135にロシア軍戦闘機が異常接近し、横転飛行など敵対的な意図をにじませる行動を示したと発表した。

CNNの取材に応じた同司令部の報道担当者によると、ロシア軍機との遭遇は14日に発生。戦闘機は単座式のスホイ27型機で偵察機の翼の先端部分には約15メートルの距離まで近づいた。RC135機の左側方向から横転飛行などして右側部分に移る飛行を見せたという。

同偵察機はロシア領空を侵犯していなかった。スホイ27の行動は安全飛行を損ねる軍事的に未熟なものと批判、両国関係の緊張を不必要に高めかねないとしてロシア政府に抗議した。

先週の事件はこちら。

米欧州軍は13日、バルト海の公海上で11日と12日にロシア軍機が米駆逐艦ドナルド・クックに10回以上繰り返し異常接近してきたと発表した。ロシア軍のSu-24戦闘機は武器を搭載している様子がなかったため、駆逐艦は特に対応しなかったという。

米軍関係者は連日の異常接近について「ここしばらくの間で最も攻撃的な行為」と批判。ドナルド・クックの艦長は相次ぐ異常接近を「攻撃の予行演習」と呼んだ。

米欧州軍は発表文書で、ロシア軍機による接近は「危険で、挑発行為になり得る」ものと批判。「ロシアの飛行行動が安全性を欠き、プロフェッショナルらしくないことに、深い懸念を抱いている」と欧州軍はコメントし、「一連の行動は両国の緊張関係を不要に悪化させ得るもので、深刻な負傷や死亡に至る計算違いや事故につながるかもしれない」と警告した。

これらの異常行動に関して、ロシア側は事実とそぐわないと米国への明らかな挑発行為を否定している。

はっきり言って、何でドナルド・クックは戦闘機を撃ち落さなかったのだ? 外国の船、しかも護衛艦を演習用の標的にするなど言語道断だ。戦闘機を撃ち落すようなことをして国際事件を起こしたくなかったという言い分もあるだろうが、それを言うならロシア機が戦闘態勢をとってドナルド・クックに近づいてきた時点で、すでに国際問題に発展したといえる。米国が同じことをロシアの護衛艦に行なったら、ロシア側が応戦しただろうことは間違いない。そしてそうされたとしてもこちらからは何の文句も言えないのだ。

事実、アメリカ側がロシア機を撃ち落せば、こちら側のデータからロシア機による攻撃態勢が明らかになり、かえって米国側がロシアに抗議が出来る立場が強まったはず。ドナルド・クックが何もしなかったのは戦闘機が「武器を搭載している」ことが確認できない場合は応戦してはならないというROE(Rule of Engagement = 交戦規定)を受けていたからだろう。以前にアメリカの小船二隻がイランに何の抵抗もなく拿捕された事件といい、今回の度重なる事件といい、いったいアメリカって国は防衛する気があるのかよ?

ロシア側の狙いはもちろん、アメリカの反応を試すことにある。アメリカ側のこの弱腰な反応からして、オバマのアメリカはブッシュ政権のように防衛に真剣な姿勢を持っていないことが明らかだ。だとしたら、ロシアが近隣諸国を侵略してもアメリカは手出ししないだろう。いや、この分だと自国を攻撃されても反撃できないほどオバマ政権は弱腰だと判断されたかもしれない。

April 17, 2016, 現時間 9:21 AM | コメント (2) | トラックバック (0)

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November 8, 2015

ドイツで内乱が起きる日は近い、、かも?

ヨーロッパ , 移民問題 , 防衛

戦争というのはどういうふうにおきるのだろうか?侵略戦争なら侵略側の政府がきちんと準備を進めてから始めるというのも可能かもしれないが、革命とか内乱というのは案外突発的に起きることが多い。アメリカの独立戦争もイギリス側もアメリカ側も戦争をしようと思って始めたわけではなく、あっちで小競り合い、こっちでデモといったことが続いて、遂にイギリスが軍隊を送ってくることになった。だがそれにしたってイギリスとしては単なる暴動鎮圧程度の気持ちの進軍だった。それがあっと言う間に大々的な独立戦争へとひろがってしまったのだから双方驚いたことだろう。

今ドイツで起きているのがそのシナリオだという気がする。もう数年前からドイツには反移民感情を持った右翼団体(Patriotic Europeans against the Islamization of the West, or PEGIDA) が運動をしていたが、人種差別者のニオナチまがいの極右翼という扱いで、デモ行進などやっても数百人集まればいいといった程度の運動だった。ところが増える移民の波に嫌気がさしたドイツ人が増え、去年あたりからこの運動は非常な勢いを増し今年の一月にドレスデンで行なわれたデモには18000から25000人が集まったとされる。特に今年夏から秋にかけてさらに急増した大量移民流入でこの運動には拍車がかかり、毎週のように何千何万という参加者が集まる抗議デモへと変わっていった。

無論、この運動に対する国境開放運動の抗議デモも同時に起きており、この二つのグループが暴力的に衝突するのは時間の問題だろうと私は思っていた。お互い感情で昂ぶっているとき、国境解放運動参加者が反移民運動参加者に石を投げるなどの暴行をおこなって一人でも怪我をしたり殺されたりすれば手の付けられない暴動がおきかねない。また、二つのグループを分けていたドイツ警察の機動隊が反移民運動家を多く逮捕したり怪我させたりした場合や国境付近で起きている反移民運動が移民の入国を暴力で阻止しようとしてドイツの国境警備員に殺されるといった事件が起きた場合、すでにドイツ政権に不満を持っている反移民家たちの単なる抗議運動が反政府の内乱へと一挙に変化する可能性がある。また、親移民運動に多くのモスレムが参加し、反移民運動参加者に暴力を奮うような状態が起きれば、その小競り合いがそのまま内乱へと投入してしまうという可能性も考えられる。

先日ベルリンで起きた反移民運動デモが左翼団体と国境開放団体と衝突したこの事件など、その兆候ではないかと思われる。

今のところ、衝突しているのは反移民と親移民のドイツ人同士である。だが、難民はかわいそうだとか反移民運動は人種差別だとか言っていたドイツ国民も、最近のドイツ政府の強硬な政策には少なからず反感を抱いている。たとえば、難民住宅の設置が追いつかないため、ドイツ政府が強制的にドイツ国民を住宅から追い出したり、高級ホテルを難民センターに変えるためホテル経営者からホテルを乗っ取り、その従業員たちを全員解雇したり、リゾート地が難民であふれて地元ドイツ人の商売があがったりになったり、人口百人たらずの村に1500人の難民を送り込んだりと、マルケル政権の横暴は目に余るものがあるのだ。また、難民センターのあるドイツ各地で、若いドイツ人女性が毎日のように「難民」たちに暴力的な輪姦の被害を受けている。こうした出来事が他人事でなく身につまされるようになれば、ドイツ市民も国境開放などと悠長なことは言ってられなくなるはずである。

正直な話、私はブルカをかぶった女性を多く含むモスレム移民が「アラーアックバー」「ドイツはモスレムの国だ!」「ドイツはアラーに屈服せよ!」などと叫びながら大々的なデモ行進をドイツ各地でやってほしいとおもう。そうすれば一般ドイツ市民にもモスレム侵略者たちの正直な意図が理解でき、内乱が起きた場合どちらの側につけばいいかはっきりするであろうから。

ドイツ人がこれだけモスレムに虐げられても立ち上がる勇気がないのであれば、偉大なるドイツはもう終わりである。あと一世代待ったらドイツはイスラム国へと変わってしまうのだ。それでいいのかドイツ人は?

November 8, 2015, 現時間 10:22 AM | コメント (4) | トラックバック (0)

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June 21, 2015

史上最悪のハッキング、米連邦政府職員全員の個人情報管理を中国に外注していたって?

防衛

大統領が不能だとこうもひどいことになるのかという例だが、アメリカ史上最悪のサイバーハッキングが先週明らかになった。先ずは6/5付けのニュースから。

米連邦政府職員の人事を管理する米・人事管理局が4日(現地時間)、連邦政府職員の個人情報がハッキングされた可能性があると発表した。最大で400万人分の個人情報が流出した可能性があるという。

人事管理局では、ハッキングの痕跡を4月に把握。現在は国土安全保障省の専門家チームおよびFBIと連携して事実の確認と機密情報を保護するための追加のセキュリティ対策を実施しているという。同局は個人情報が盗難された可能性のある職員と元職員400万人に向けて、8日から通知を行うとしている。

また同局では昨年からセキュリティの見直しを行っており、ハッキングはその過程で見つかったという。

サイバーセキュリティの契約会社のデモの最中に、もう過去2~3年に渡って人事管理局(OPM)の情報がハッキングrされているということが解ったのだという。笑い事じゃないが笑っちゃうね全く。で、この被害の規模は当初考えられていたよりずっと大規模で長期に渡ってされていたらしいことが序々に解ってきている。

もっとも呆れるのは、OPMはサイバーセキュリティー管理を契約会社に外注していたのだが、その外注先に中国の会社が含まれていたって言うんだから冗談じゃない。

責任者出て来い!

OPMの情報管理コンサルタントだったという人の話によると、ある企画では、ユニックスシステムの管理人はアルゼンチン人で、彼の同僚は何と中国在住の中国人。そしてこの二人はデータベースに直接アクセスがあったというのだ。彼らがシステム管理人なのだからパスワードも何もあったもんじゃない。全ての生データが彼らに筒抜けだったのだ。またこのコンサルタントが携わったデータベース管理の仕事で、主任二人が中国籍のパスポートを持っていたのを発見。中国人二人のクリアランスはすぐに剥奪されたが、それまでにどれだけのデータがアクセスされていたのか、またアクセス出来るようなプログラムを仕掛けていったのかわからない。

今回の中国ハッカーの親玉は中国の諜報機関が関与しているらしく、中国政府の安定性や反乱分子などの調査を専門にしている機関らしい。そしてアクセスしたデータも、アメリカの連邦政府職員の身元調査に関する情報が主だという。

連邦政府の職員は機密情報を扱う人が多いので、就職前に身元調査が行なわれる。この身元調査はけっこう綿密で、出生の場所、家族や親戚の住所、住んだことのある場所、近所付き合い、学校の成績や交際関係など色々調べられる。

中国系の移民やその子孫の場合、まだ中国に親戚が居る人も多いだろうから、中国政府がその情報を使って中国系米職員を脅迫する可能性もある。またダブルエージェントとして中国で潜伏しているアメリカスパイの身元もばれてしまった可能性がある。

はっきり言ってこのハッキング、アメリカ政府には大打撃である。

これに関してオバマ大統領はまだほとんど何の声明も出していない。ハッキングが中国政府によるものだとはっきりしているにも関わらず、オバマは中国に対して強い態度を示していない。

いったいオバマにはアメリカを守る意志があるのか?

あ、愚問だったね、、、

June 21, 2015, 現時間 1:10 PM | コメント (0) | トラックバック (0)

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February 15, 2015

イスラムテロリストの暴虐が続く中、セルフィーを撮っておどける馬鹿殿オバマ王

オバマケアの問題点 , 対テロ戦争 , 防衛

全く不人気なオバマケアの加入を推進するため、オバマ王は志村ケンの馬鹿殿さながらにホワイトハウスでおどけているビデオをオバマケア宣伝ビデオとして発表。偶然と言うかその日はイスラム国を名乗るテロリストISISが人質に取っていたアメリカ人女性ケイラ・ミューラーさんがヨルダンの空爆によって死んだと発表した日だった。

オバマ政権はイスラム過激派をテロリストと呼ばず、単なる犯罪者だと主張する。フランスでユダヤ系マーケットが襲われてユダヤ人の人質が殺されたのも、偶然不運にもそこにいた客が殺されただけで、特に狙われたわけではないなどとほざいている。アメリカで黒人不良が警察官に正当防衛で殺されてもヘイトクライムだと大騒ぎする人間が、被害者がユダヤ人となると完全無視。注意を払う必要もないという無頓着さ。

オバマがホワイトハウスでセルフィーを撮ったり、鏡の前でクールなポーズを取ったりしている間にも、、イスラム過激派の西洋諸国への攻撃は続いている。

昨日のバレンタインズデイでもイスラム過激派がデンマークのコペンハーゲンで乱射事件を起し、別々の場所であわせて二人の市民が殺されるという事件がおきた。ひとつはモハメッド風刺漫画を描いた漫画家主催の言論の自由の会合が開かれているカフェに何者かが銃を乱射し参加していた映画監督Finn Norgaard氏を殺した。もうひとつはユダヤ寺院で80人が参加するバミツパのお祝いを警護していた警備員Dan Uzan氏が射殺された。地元デンマーク警察はその後すぐに、容疑者の一人と見られる男を追い詰め、一時立ち往生の末容疑者を射殺した。また警察はインターネットカフェに居た二人の人間も容疑者として逮捕した。

カナダでもバレンタインズデイを狙ったテロが未遂に終わるという事件が発生している。関係者による非公式な話しによると、容疑者はカナダのショッピングモールで爆破テロを実行する計画だったが、事前に警察への通報があり、事件は未然に防がれた。

カナダの王室騎馬警察によるとアメリカ人のLindsay Kantha Souvannarath(女性 23歳)とランドル・スティーブン・シェパード(男性20歳)は殺人陰謀の疑いで逮捕された。もうひとりの容疑者(19歳)は警察にカナダの自宅を取り囲まれた際に銃による自殺をした。

もしもこのテロが実行されていたら大量の犠牲者が出ただろうと司法大臣のピーター・マッケイ氏は語っている。しかし氏は同時に、この犯罪は地元のおちこぼれ不良による大量殺人計画で文化的な動機はない、テロとは無関係である、とも語っている。どうして事件が起きたばっかりの翌日に取り調べも十分にされないうちから「テロとは無関係」と結論づける必要があるのか?アメリカにしてもヨーロッパにしても、やたらイスラム過激派のテロ行為をなるべく過小評価しようという傾向があるのは歯がゆい。もっとも上記の二人は名前だけから判断するとイスラム系とは言い難いので本当に無関係なのかもしれない。しかし最近はISISはインターネットを使ってアラビア人でない外国人の勧誘を積極的に行なっているので、民族がアラブ系でないからといってイスラムテロリストとは無関係と簡単に結論付けてしまうのは危ない。

一方ISISはシリアの基盤からイラクやアフガニスタン、アルジェリア、エジプトやリビアまで手を伸ばしつつある。オバマがホワイトハウスでおどけている間にもテロ軍団の間の手は世界中に伸びているのである。セルフィーなんか撮ってる場合か、この馬鹿!

注:私のブログ紙面をオバマ王のような馬鹿殿の姿で汚したくないので、オバマのビデオはあえて掲載しないがリンク先へ行けば見ることが出来るのでご参照のこと。これが大統領たるもののすることか?

レーガン大統領だったら考えられない。

アップデート、ネット友達のマイクさんがISISがエジプトのキリスト教徒21人を斬首したという記事を紹介している。日本語の記事はこちら

【2月16日 AFP】イスラム過激派組織「イスラム国(Islamic State、IS)」は15日、リビアで拘束したエジプトのキリスト教の一派であるコプト教の信者らを斬首する場面を写したとする映像を、インターネット上で公開した。

 映像では、浜辺で黒装束の男らがオレンジ色の服を着て手錠をかけられた人質を斬首する場面が写っている。撮影場所は、リビアのトリポリ(Tripoli)県内とされている。

 ネット上の機関誌ダビク(Dabiq)最新号でイスラム国は、リビアでエジプト人21人を人質に取っていると述べていた。複数のアングルから撮影された15日の映像には、少なくとも10人が斬首される様子が写されている。

 この映像は「血で署名された十字架の民へのメッセージ」と題され、最初の数秒間にスクロール表示される文章は、人質を「十字架の民、敵のエジプト教会の信者」と紹介している。

February 15, 2015, 現時間 12:33 PM | コメント (0) | トラックバック (0)

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December 30, 2014

相次ぐ警官を狙った攻撃の裏に居るものは誰か?

人権擁護法 , 独裁者オバマ王の陰謀 , 防衛

ニューヨーク市で暗殺されたラファエル・ラモスとウェンジャン・リウの事件に誘発されてか、全国各地で警察官が狙われる事件が続発している。フロリダでは二人の副保安官がすれ違う車の中から撃たれた、ノースカロライナでは二人の黒人が一人の警官に六発も発砲したり、ロサンゼルスではパトカーに乗っていた二人の警官が撃たれるという事件が相次いで起きている。反警察デモでは、あからさまに警官を殺せというスローガンが掲げられているので、こういう事件はこの先も続くと思われる。

しかし反警察運動を進める動きの背後に潜むものはいったい何者なのだろうか?

パワーラインによると、実はそれは共産主義者だという。

実はイラク戦争当時も反戦運動のデモ行進を扇動していた共産主義団体国際アンサーなるグループがいたが、その同じグループが反警察運動も扇動している。だがもうひとつ、デモ行進で掲げられたプラカードにはrevcom.usと書かれたものが多くあり、これはレボリューショナリーコミュニストパーティUSA(合衆国革命共産党)という、はやり共産主義のグループのウェッブサイトである。

皮肉なことにこれらのグループが目指すのは警察が圧倒的権力を持つ警察政権なのである。

今、警察官を殺せ、黒人の命も大事だ、とかいって騒いでる奴らの背後に居るグループの目的が実際に達成された場合、一番最初に殺されるのが今デモを行なっている奴らである。もし奴らが望む世界が実際に成功したならば、黒人社会は今よりもひどく圧迫された状況に陥るのだ。今彼らが架空の状況として警官に歯向かわなくても黒人だというだけで殺される社会が実現するのである。そんな奴らの口車に乗せられて騒ぎ立てているとは、「便利な愚か者」とは奴らのようなことをいうのである。

ところで、元ニューヨーク市長のルドルフ・ジュリアーニ氏は、先日CBSテレビの「フェイスザネイション」に出演した際、ビル・デブラジオ現市長はNY警察に謝罪すべきだと語り、同時にオバマ王が数ヶ月に渡り反警察プロパガンダを進めていると批判した。オバマ王の言動に注目してきているという司会者のメイジャー・ギャレットは、オバマがそんなプロパガンダを広めているなどという事実はないと挑戦すると、ジュリアーニは、反警察の代表のようなアル・シャープトンを大統領が常に傍に置いて大事なアドバイザーとして起用していることがオバマの反警察政策を明白に語っているという。

氏は自分が司法局長としてマフィアと戦っているときにジョー・コロンボを側近に置いていたら偽善者といわれただろう、という。

氏はまた、オバマは犯罪を犯している最中に殺された黒人の葬式には政府から代表者を送ったにも関わらず、NY警察に取り押さえられた際に死亡したエリック・ガーナーの復讐をする目的で男に殺された二人の警察官ラファエル・ラモスとウェンジェン・リウに関してはなんら強い発言をしていないと指摘した。

アル・シャープトンは存在しない人種問題をでっちあげ、いたるところで黒人による対白人暴力を煽る寄生虫である。先の共産主義団体同様、自由社会の敵である。

December 30, 2014, 現時間 12:41 AM | コメント (0) | トラックバック (0)

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September 4, 2014

イスラムテロリスト軍団にあらたな息吹を吹き込んだオバマ王

イラク関係 , 独裁者オバマ王の陰謀 , 防衛

最近私はイスラム過激派の暴行について何も書いてこなかった。突然のようにシリアで現れ、イラクを旋風のように襲っている恐ろしいテロ軍団ISISについてもずっと書いてこなかった。それは何故かというと、事態があまりにもひどいため、字にするのもおぞましく、考えをまとめて書くとなると色々な記事を読まなければならないし、8年もがんばってやっと成果を上げてきた勝ち戦をオバマが台無しにしてしまったことを書くのは気がめいるだけだったからである。

なんでこんなひどいことになってしまったのか。答えは簡単。オバマが対テロ戦争を完全無視したからである。オバマには大統領という自覚がない。オバマは大統領という仕事にっ興味がない。奴は単に大統領という名前のついた地位のみに興味があり、それによってついてくる特典を楽しんでいるだけだ。

ISISによってアメリカ人記者が二人も斬首されたビデオを世界中にばらまかれているのに、オバマはテロリストは断固許さん、最後の一人まで追い詰めて皆殺しにしてやる、くらいのことも言えない。それどころか、最初の記者が殺されたとき、「まことに遺憾であります、、」てなことを言った直後にまた何百回目かのゴルフに出かけた。 これには国内外から非難ごうごうだった。フランスの首相からは「人が死んでる時は休暇はとりやめてかえってくるべき」と批判されたほど。

オバマがイラクやアフガニスタンンでの勝ち戦を、きちんと地元軍隊がテロ制圧を出来るようになるまで見届けずにさっさと撤退してしまったことが、イスラム教テロリストたちの奮起をたたき起こした。

オバマは、ゴンタナモに収容されていたテロリストを解放したり、アメリカの脱走兵と交換にISISのリーダーを含むテロリスト数人を釈放したり、レーガン大統領時代からアメリカがモットーとしてきたテロリストとは交渉しないという方針を完全に崩してしまった。奴のやることはめちゃくちゃだ。

そしてリビア領事館の襲撃で見せたオバマのへっぴり腰。リビアではトリポリ空港を占拠したテロリストたちによって何十機という旅客機が行方不明になったいるという話だ。911記念日をマジかにひかえ、これは由々しき事態である。

にもかかわらず、オバマは先日の記者会見でISISに対する対策は何もないと発表。なんでそんなことをわざわざ発表するのだ?

これでイスラム教過激派がやる気にならなかったら、それこそおかしい。今こそ偉大なる悪魔を倒すとき、とばかりに中東で大暴れ。人々の首を切りまくっているのだ。

アメリカ国内にすでには、アメリカで生まれ育ったアメリカ国籍のテロリストが、わかっているだけでも百人を超えるという。オバマが開けっ放しにしている国境からもメキシコ経由でいくらもイスラムテロリストが入ってきている。また、移民局の話だと学生ビサで入国して、そのまま行方不明になる外国人が毎年5000人近くもいるという。

こんなことは言いたくないが、アメリカ国内でテロが頻発する日は近いといえる。先にも書いたとおり、9月11日の同時多発テロ記念日には、きっと何かがおきるだろう。リビアの領事館襲撃が9月11日だったのは、けっして偶然ではないのだ。

オバマ政権はそのことを少しでも考えているのだろうか?それともオバマは次のゴルフのことしか念頭にないのであろうか?

September 4, 2014, 現時間 9:41 AM | コメント (0) | トラックバック (0)

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July 19, 2014

オバマ政権防衛費大幅削減、出動中の兵士にもリストラ通告

防衛

オバマの非国民ぶりは本当に腹立たしい。特にオバマの軍隊嫌いは異常である。防衛省は軍事費の大幅削減の一貫として、軍人の数を52万兵から45万兵に減らすことにしたと発表した。削減されるのは2600人の左官や尉官を含む陸軍将校たちで、アフガニスタンからの帰還兵や、現在戦地に出動中の兵士も含まれるという。

ロバート・スケール少将(退役)は、戦地の軍人にリストラ通告をするのは戦意を落とすだけでなく危険だと批判する。まったくその通りだ。命がけで戦争をしている最中に、帰還したら失業するなどと言われたら、戦闘に集中できなくなる。それでなくてもストレスの貯まる仕事をしている時に、それ異常ストレスを増加させることなど愚かとしかいいようがない。これが命をかけて国を守ってくれている人々にする仕打ちか?

上院軍事委員会の共和党トップ、オクラホマ州代表ジェイムス・インホフ上院議員は、「またしても、オバマ大統領は国家の安全より国内政策を優先させている」とし、 戦地の少佐や大尉らにピンクスリップ(解雇通知)を送るのは、その典型的な例であると批判した。

「すでに命がけで多大なる犠牲をはらっている男女が、さらにまた帰還し家族のもとに戻っても除隊され仕事がなくなるなど、全くお気の毒なことだ。」

出動中にそんな通知をもらったら、軍人達はその場で「や〜めた」といって帰って来れるのだろうか?そうでないとしたら、戦争などやる気になれないだろう。なるべく危険な場所にいかないようにしてさっさと帰って来たいと思うだろう。こんなんで戦争なんかやれるわけがない。

もっともオバマ王の狙いはそこにある。オバマ王は強いアメリカが大嫌いなのだ。だから軍隊をずたずたにして国のを弱体化させたいのである。

なんでこんな非国民が軍隊の総司令官などやっているのだ?信じられない!

July 19, 2014, 現時間 2:14 PM | コメント (1) | トラックバック (0)

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May 23, 2014

日本人はモンスターなのか? 何故日本だけが集団的自衛権を認められないのか

防衛

個人レベルでも国レベルでも、自己防衛強化に反対する人の理論は、そういう行為は他者を警戒させ、かえって自己を危険に陥れるからだという卓上の空論に収まる。確かに日本が武装強化することを声高に抗議する近隣諸国は存在する。だが、これらの国々が何故そう日本を弱いままにしておきたいのか、その動機を考えた場合、彼らの理屈を日本人が素直に受け入れるというのは不思議でしょうがない。

日本には軍事独裁政権とか富国強兵の帝国主義の歴史があることは確かである。だが、それをいうならどこの国も皆似たようなものだ。イギリス、ドイツ、フランス、スペイン、ロシア、など、当時は皆同じことをやっていた。何も日本だけが特に悪徳非道な帝国主義国家だったわけではない。では、何故日本だけが軍事強化をしてはいけないということになるのか?それについて古森さんのブログで面白いことが書かれていた。

日本は国際社会のモンスターなのか。いつまでも鎖につないでおかねばならない危険な犬なのか」――。

 米国の学者が日本の憲法上の自国防衛への制約について述べた言葉だった。この言葉はいま現在、日本で展開されている集団的自衛権の行使容認をめぐる議論への考察にも当てはまる。日本の防衛や憲法への日本自身の姿勢が外部の目にどう映るかという指針である。

 集団的自衛権は、自国の防衛や安全のため、あるいは国際的な平和維持や侵略阻止のために、他の国家と連帯して軍事行動を取る、という権利である。現在、日本以外のすべての主権国家が保有し、行使できることになっている(略)

  しかし日本だけはこの集団的自衛権を「保有はしているが行使はできない」と見なしている。その理由は、憲法第9条だとされる。 (略)

日本国内における集団的自衛権容認を巡る議論を見ると、反対派からの「暴走を防ぐ」「歯止めをかける」「危険を防止する」「前のめりを阻止する」というような表現が目立つ。

 では、それら「危険」「暴走」「阻止」「前のめり」といった言葉の対象は誰なのか。それは日本自身なのである。(略) 

 これは、日本が日本自身を信用していないことを意味する。日本は、集団的自衛権の行使を解禁すると、外部に対しての危険な侵略や攻撃をすぐに始める、という認識である。

 国際的見地からすれば、主権国家が自国の防衛を考えるときに、まず最初に自国を潜在脅威、潜在危険と見なし、その自国の防衛能力をがんじがらめに縛ろうとする、というのは、なんとも異常な行動と言うしかない。

以前にも拙ブログのコメンターさんが、日本が武装強化したら必ずや軍国主義になると断言した人がいたが、昔そうだったからといって現代の日本が必ずしもそうなると考えるのはそれこそ時代遅れというものではないだろうか?

確かに軍事独裁主義を求める輩は日本にも居るだろう。自分の政治的権力を強化するために、軍隊を悪用しようとする政治家が現れる可能性がないとは言わない。だがその歯止めとなるのは、憲法9条ではなく、現役軍人による政治介入の禁止をしている憲法の項目であるはず。

いい加減に日本人は憲法9条だけに拘るのはやめて、もっと現実を見直すべきだろう。

May 23, 2014, 現時間 11:51 AM | コメント (0) | トラックバック (0)

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April 15, 2014

若い平和主義者のナイーブな見解に思う

イラク関係 , 狂ったメディア , 独裁者オバマ王の陰謀 , 防衛

アップデート(4/15/2014):このエントリーを書いた直後にNさんから非常に失礼な返答があった。私はこれまで彼は私がこれまで議論らしきものを交わした左翼リベラルよりはましな人物だと思っていたのだが、私が彼の意見にどうしても同意しないと解った途端、カカシのことを『だから、在米日本人女子は悪い情報源だと言っているんですよ。」と人種差別と女性差別の言葉で罵った。自分と意見を違える女性に対して、こんな下品で低俗な言葉使いをする人物とは今後一切会話をすることはあり得ないし、コメント欄からもメールからも追放する。Nさんの下品で低俗なコメントはコメント欄に全文掲載したのでご参照のこと。これじゃ日本女性からも白人女性からも相手にされないのは当然。

では本文。

ーーーーーーーー

人間を何十年もやっていると若いひとより有利なことがいくつかある。そのひとつに歴史を実際に肌で体験することが出来るというものがある。若い頃に、こうではないか、ああではないか、と疑問に思った事や模索したことが実際に起き、人々がああすればこうなると言っていたことが実証されたりその反対が証明されたりするのを目のあたりにすることが出来るからだ。最近長文のメールを幾通か送ってくれたコメンターのNさんのメールを読んでいて、若いとこんなにナイーブなことを平気で言えるんだなと感心してしまった。ま、Nさんが若いんだろうというのはカカシの勝手な憶測であるが、Nさんが自分と戦争体験者との会話を自慢気に情報源として語っていることからして、戦争体験者の親からなにかあるごとに戦争中の話を聞かされて育だったカカシのような中高年世代とのギャップを感じざる負えない。(私の実父の実家は米軍の空襲で焼けてしまった。)

それはともかく、Nさんの見解はいみじくもアメリカの大統領と名乗るオバマ王と酷似しているところがあるので、これは取り上げる価値のあるものだと思う。

Nさんは日本やアメリカの軍事強化に反対で、特に日本の憲法9条改正とか核武装といったことには大反対の見解を示している。私は以前から日本は富国強兵に励むべきという見解である。もっともこれは日本が軍事独裁政権になるべきだという意味ではなく、中国・北朝鮮・韓国・ロシアといった国々が日本を攻めて来ないように守りを固めるべきだという意味で言っている。下記はカカシからNさんへのメール。

誰が言ったのか知りませんが、「*平和を守りたいなら戦争する覚悟をしろ」という格言があります。外交の成功は強い武力という後ろ盾があるからこそ成り立つのであり、何があっても絶対に戦争などしない、いや、出来ないと侮られたら、こちらがいくら戦争を望まなくても攻められる可能性は大です。ロシアに侵略されつつあるウクライナがいい例です。

アメリカもNATOもだらしないから、ロシアに舐められてるのです。

何故戦後のアメリカが日本に米軍基地を置き、いざとなったら日本を守るために闘うつもりでいたのか、それは決してアメリカが日本を良い友達だと思っているからでも、アメリカが日本を贔屓にしているからでもありません。日本はアメリカにとって東洋における最後の砦なのです。ロシアにしろ中国にしろ、アメリカに戦争を仕掛けるまえに先ず日本に攻め入るでしょう。だからアメリカが日本を守るのはアメリカを守るために必要なのです。

しかし、ご指摘にようにオバマは米軍の総司令官という自覚がまるでない。ヘーグル防衛庁長官など個人的に下級レベルの兵士だったことはあっても司令官などやったことのない無資格な人間なんです。彼らには戦争のやり方なんかわからない、戦争を避けるための外交知識もありません。全くの度素人なんですからね。ヘーグルの口車になど乗っては行けません。言葉ではなく態度を見るべきです。オバマ政権がどれだけ日本国家を足蹴にしてきたかに注目すべきです。オバマ政権は自国の外交官の命を守るために指一つあげなかった政権ですよ。日本など守るものですか!

だから日本はそんなアメリカに頼っていてはいけないのです。日本は日本が守らなければいけない。

竹島も尖閣諸島も日本にとっては大した領土ではないから放っておいていいということじゃない。小さく取る足らないようなものであっても、自分のものは自分の物だと守り通さなければいずれはすべてを取られてしまいます。

日本は断じて第9条を撤回し武装国家となるべきです。

富国強兵イコール軍事独裁政権である必要はありません。

*英語では"If You Want Peace, Prepare for War" もとのラテン語では "Igitur qui desiderat pacem, praeparet bellum."という。

それにするNさんの反応はというと、

現時点、私は核武装、及び戦備を日本が整える事には反対です。これは、カカシさんの言及された、弱腰とは全く異なります。短期戦の戦い方、戦術においては、戦備を放棄するというのは弱腰を意味する事が多いです。しかし、戦略つまり長期戦の場合には、戦備をあえて整えない事も、戦略の一部なのです

何故か?

戦備を整えなければ、イザという時に戦えません。しかし、実は逆の手法で、これが戦備が無い事があえて敵に弱さを見せる罠と見せる事が可能となります。敵も、弱さが罠なのか、それとも事実なのか、判断に困ります。もし、罠ならば、飛んで火に入る夏の虫同様に大怪我してしまいます。その心理戦を最後までやるのが、情報戦と言えます。

実はこれは完全にオバマ王の(無)外交政策に他ならない。ブッシュ大統領が敵の脅威が切羽詰まったものになってからでは遅いという考えから先制攻撃を実行したのとは反対に、オバマ王は自国が軍備強化しないことによって相手にこちらの平和的な誠意を解らせ相手の戦意をなくさせる「賢い外交」を唱えて大統領になった。

ところが、オバマ王になってからアメリカが戦争する気がない(する勇気がない)という印象が世界に広がり、世界中の独裁者たちが勝手気ままなことをやるようになってしまった。

イランや北朝鮮の核兵器開発の再開、シリアの反乱分子弾圧、そして今回のロシアによるウクライナ侵攻などがそのいい例である。

また、ブッシュ政権中は米国内で一切起きなかったイスラム過激派によるテロ事件がオバマ王の代になって続発している。ボストンマラソンで起きた爆破テロは本日がその一周忌。

こうなることはオバマが大統領になった時から解り切っていた結果だが、思っていたよりもひどいことになっている。Nさんのような一市民が信じる分には無害だが、一国のしかも世界最強のアメリカの大統領がこのようなナイーブな政策を取っているということは非常に嘆かわしい。

どんなきれいごとを言おうとも弱腰作戦は戦争を避けられるどころかかえって戦争を誘発するのみである。

これまで日本が中国や韓国に対してやってきた弱腰政策が、日本にどれだけの有益を与えたというのだ?竹島は誰が占拠しているのだ?尖閣諸島をあたかもわが領土にように振る舞っているのはどこの国だ?

日本の平和主義の有益は何だと言うのだ?

Nさんをはじめ、平和主義の人々は、カカシのような鷹派があやまった情報に騙されていると決めつける前に、自分の信じている政策がいかに大失敗しているかという歴史的な事実を見つめるべきである。

April 15, 2014, 現時間 8:06 PM | コメント (10) | トラックバック (0)

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March 1, 2014

ロシアのウクライナ侵攻に無関心なオバマ王

ヨーロッパ , 独裁者オバマ王の陰謀 , 防衛

ソチオリンピックでお祭り騒ぎをやっている最中に、ウクライナではロシアの傀儡政権に抵抗する市民と政府軍の間での紛争が勃発。政府軍が非武装の抗議デモ隊に発砲したことがきっかけとなり、数日間で抗議者と警察双方で何百人という死傷者を出す大紛争に展開。ヤヌコビッチ大統領は早々に首都のキエフを脱出。ウクライナは西欧よりのキエフとロシアよりのクレムリンと二分化するかに見える。そしてクレムリンにはいよいよロシア軍隊が侵攻!

シンフェロポリ(ウクライナ南部)=遠藤良介】軍事的緊張が高まっているウクライナ南部クリミア自治共和国で1日、ロシア軍がウクライナの対空ミサイル部隊を制圧しようと試みた。ウクライナの通信社が報じた。親ロシア派政権が崩壊したウクライナの政変は1日で1週間が過ぎ、ロシアによる軍事介入の可能性もはらむクリミアの情勢が焦点となってきた。

ウクライナの南東はロシア語を話すロシア系市民が多く居住しており、これらの人々を西側の反政府過激派から守るためという名目でプーチンはロシア軍二千兵をクレムリンに送り込んだ。

こんな非常事に、アメリカ軍総司令官はなにをやっているのかというと、、

ジョー・バイデン副大統領と背広姿でホワイトハウスをジョギング!

二人のジョギング姿はミッシェル夫人が率先している「レッツムーブ」という青少年肥満児対策を応援するものとして夫人のツイッターで紹介された。

ジョージ・W・ブッシュ前大統領の運動好きは有名で、朝のジョギングは通例だったため特にニュースにもならなかった。それを運動といえばゴルフばかりのオバマが71歳の副大統領をけしかけて背広姿でジョギングなんてしゃれにもならない。特にフィットネスでは超人みたいなプーチン大統領率いるロシア軍がクレムリンに侵攻したという大事な日に、なにをふざけたことやってんだ、と言いたくなる。

ホワイトハウス一週ジョギングを終えた後、オバマ王は「合衆国は国際社会と供にウクライナにおける軍事行使にはそれなりの代償があることを確認する。」と信じられないような控えめ発言。

政治評論家のチャールズ・クラウトハンマー氏は「ウクライナ人も含め皆オバマの弱腰発言にはショックを受けている。私としては愕然としている。」

氏によると、オバマの発言は行動にかかるまで二つの段階を踏まなければならないという。
つまり、1)「国際社会と供に」とは、十数カ国と相談してさらに弱めた提言の言葉使いを決定し、2)「代償があることを確認」とは軍事行使に置ける代償があるかもしれないよ〜という提言をするという意味で、軍事行使に対する代償を課すという意味ではないというのだ。

「つまり大統領は(この件に関しては)何にもしないと世界に発表したわけですよ。」

ああ、情けなや、、、

それではいったいウクライナでは何が起きているのか、次ページにまとめたのでご参照のこと。

では先ずは背景から

そもそも、ロシアに隣接するウクライナでは、2010年から続く親ロシア色の強いヤヌコヴィッチ政権に対する野党陣営の不満が高まっており、ウクライナの将来的な欧州連合への加盟を希望する多くの市民も政権に対するフラストレーションを抱えていた。

 そして昨年11月21日、ヤヌコヴィッチ大統領はすでに仮調印を済ませていた欧州連合との貿易協定を見送る決定を下した。これが引き金になった。

これまでのいきさつ

2013年
11月21日:ビクター・ヤヌコビッチ政権がヨーロッパ連合との関係を強化するという約束を破棄し、代わりにモスクワとの関係を深めたいと発表。怒った市民が抗議のため街頭に繰り出す。

11月30日:機動隊が抗議デモ参加者に暴力的に35人を逮捕。警官によって血みどろに殴られた市民の姿が国内に広がると抗議者たちを支持する動きが高まった。

12月1日:30万人の市民が抗議デモに参加。キエフでは2004年のオレンジ革命始まって以来の大規模な集会となった。ついに武装した抗議者たちがキエフ市議会場を占拠するに至った。

12月17日:ロシアのブラディミア・プーチンはモスクワはウクライナの$15 billion あたりの国債を購入し、ウクライナのロシアからの自然ガス購入値段を大幅に減らすると発表。プーチンは特に見返りを期待していないと主張。

2004年
1月22日:抗議者二人が実弾に打たれて死亡。三人目も警察とデモ隊の争い中に死亡。抗議者からの最初の死亡者となる。

1月28日:総理大臣辞任、議会は抗議者を厳しく取り締まる新法を撤去。危機を乗り越えようとした。

1月31日:1/22から行方不明になっていた抵抗軍の活動家デミートロ・ブラトブがみつかる。体中傷だらけで右耳を切り取られていた。ブラトブは親ロシア系グループに誘拐され拷問されたと見られる。反政府派の間ではロシア系非公式グループが反対派を威嚇しようと活躍しているという恐怖が蔓延した。

2月16日:反政府派活動家は拘留されている234人の抗議者の釈放と交換にキエフ市議会場の占拠を終了した。抵抗運動が平和的に解決されたかに見えた。

2月18日:市街地での衝突で26人の抗議者と10人の警察官が死亡。何百人という負傷者が出た。 これは抗議者が警察の列に火炎瓶を投げ、議会の外で放火したことがきっかけだった。抗議者たちは議会において大統領の権限を規制する話合いが進まないことや、ヤヌコビッチ大統領とロシアとの歩み寄りに猜疑心を持ったことへの不満から暴力に出たのだが、これに対抗して機動隊が出動。紛争は激化してしまう。

2月20日:休戦合意長後、抗議者と警察との激しい闘争が起きる。双方で何百人という犠牲者が出る。

2月22日:ヤヌコヴィッチ政権が崩壊し、治安部隊も撤退した。「国会は22日、大統領の解任と15年3月に予定した大統領選を前倒しして5月25日に実施する決議を採択した。ただ、決議の合法性には疑問が残り、大統領選では現政権の支持基盤である東・南部が投票をボイコットする可能性がある。大統領選が実施された場合、ヤヌコビッチ大統領と新たに選出される大統領の二人が並立。国内は東西地域が完全に分裂した形となり、「二重権力」の状態になる。(日本経済新聞)

3月1日:ロシア軍、ウクライナのクレムリンに侵攻

March 1, 2014, 現時間 11:29 AM | コメント (0) | トラックバック (0)

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February 21, 2014

尖閣奪取想定の訓練をやる中国が米主催国際海軍合同演習に参加する意味

東洋危機 , 防衛

最近中国が尖閣奪取を想定した大規模な軍事訓練をしているという記事を読んだ。近隣諸国を想定敵国とするということには非常な危惧を覚えるが、責められて来たらどう防御するかではなく、実際に敵国の領土を占領しようという作戦というのは、嫌がらせの域を出ている。

ワシントン時事】米太平洋艦隊の情報戦部門を統括するジェームズ・ファネル大佐は、中国人民解放軍が東シナ海で電撃的に日本の自衛隊を打ち破り、沖縄県・尖閣諸島や琉球諸島南部の島しょ群を奪取する作戦を想定し、訓練を行っているとの見方を示した。米カリフォルニア州で2月13日に開かれたシンポジウムで明らかにした。

 大佐はこの中で、昨年秋に人民解放軍が4万人以上を投入して東シナ海で実施した大規模演習「使命行動」に言及。「人民解放軍は、東シナ海で日本の部隊をせん滅する短期集中戦を遂行できるよう、新たな任務を与えられた。作戦後に予想されるのは尖閣諸島、さらには琉球諸島南部の奪取だ」と警告した。(後略) 

さて、その中国が何故か今年の6月か7月頃に行われるアメリカ海軍主催のリムパック(RIMPACーRim of the Pacific Exercise)という諸外国の海軍を招待した大規模合同演習に参加するという話だ。去年防衛省のパネタ長官が訪中した際に直々に招待したというのだから呆れる。なんでアメリカが中国を同盟国みたいに扱うのだ?

アメリカのこうした歩み寄りに対して、中国が感謝の意を表しているかというと全くそうではない。アメリカの姿勢を弱腰と見下した中国は、東シナ海上空域に防空識別圏なるものを勝手に設定したり、去年の暮れバイデン副大統領が東洋訪問中には中国揚陸艦が米軍巡洋艦に突撃してきたという事件まで起こしている。

 

バイデン副大統領は安部首相との会談をはじめとする日本訪問を終えて中国で習近平国家主席と会談したあと、12月5日に韓国に到着した。ちょうどその日、南シナ海で事件が発生した。

 南シナ海で訓練中の中国海軍空母「遼寧」を、アメリカ海軍ミサイル巡洋艦が公海上で監視していたところ、中国海軍軍艦が停船要求信号を発しながら衝突危険距離まで急接近した。そのためアメリカ海軍巡洋艦は緊急回避行動を取り、衝突を回避した。

 この事件は、バイデン副大統領の中国訪問中は、必要以上に米中間緊張を煽らないために公表されなかった。バイデン氏がアメリカに戻り、日本で日本-ASEAN特別会議が開催されている時期に合わせた形で発表された。今度はアメリカ政府が、中国の脅威を受けている日本そしてASEAN諸国に対中非難声明を発することを期待したようである。

「必要以上に米中間緊張を煽っている」のは中国の行動ではないか?そういう行為は即座に糾弾すべきではないのか?それをしないからアメリカは甘く見られるのだ。

今現在世界各地で起きている紛争、シリアやエジプトにしろ、最近ではベネズエラやウクライナでの紛争にしろ、すべて弱いアメリカが作り出した現象である。世界各国の独裁者たちは自分らが何をやってもオバマのアメリカが仲介する可能性はゼロと判断した。それは先代のブッシュ大統領が必死に闘ってやっと勝ち取った勝利をあっさりと投げ出してしまったイラク・アフガニスタンでの戦争にしろ、化学兵器を自国民に使ったシリアのアサド大統領に、兵器を処分しなきゃ承知しないぞと口だけで何もしなかったことや、核兵器開発を続行しているイランに対し無条件で経済制裁を辞めてしまったことなど、世界はオバマの弱腰外交をはっきり感じ取っているのだ。

こんな大事な時にオバマ王はなにをしているのかといえば、おふらんすのフランコ・ホランデ大統領を招いて豪勢な晩餐会を開いていた。しかもミッシェル夫人は宝石を着飾らせ、豪勢なテーブルセットの前に座らせた二匹の犬の写真をツイッターで公開。景気が悪くオバマケアで保険を失ったり失業したりしている国民が何百万といるのに、こういう無神経な写真を平気で公開できるというミッシェルの神経は、「パンが無ければケーキを食べれば、、、」とかいう誰かさんそのもの。

February 21, 2014, 現時間 10:03 AM | コメント (2) | トラックバック (0)

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November 3, 2013

オバマ、自分に批判的な軍上層部を次々と排斥、有能な人材を失う米軍隊の幸先は危うい

独裁者オバマ王の陰謀 , 防衛

オバマ王がアメリカの軍隊が嫌いなのは周知の事実だが、オバマ王は自分の方針に批判的な大将階級の軍幹部を次々に排斥しているという記事を読んだ。

米軍最高の勲章メダルオブオーナーを含め、数々の栄誉ある功績を残したパトリック・ブレイディ陸軍少将(退役)は、オバマ大統領は自分の方針に批判的な軍幹部を次々に排斥し、軍の士気は散々な状態にあり、次の戦争に勝てるという自信、というより勝ちたいという意欲がなくなっていると語る。

「オバマが軍隊を軟弱化させようとしていることは疑いありません。自分に反対する者はすべて首にするのです。」

ブレイディ少将はWNDオンラインニュースのインタビューで語った。この記事によると、オバマの政策に嫌気をさして辞める人も増えているという。

デルタフォース隊に所属した後、ジョージ・W・ブッシュ前大統領の下で軍隊諜報部の副長官だったこともあるウィリアム・G・ジェリー・ボイキン中将(退役陸軍)は、四つ星の大将たちがオバマ政権下で次々と早期引退させられている事実を憂いている。

「過去三年の間に、史上最高の数の四つ星大将が引退させられました。特に落ち度があったわけでもないのにです。」「軍の排斥が起きていると思います。問題は今まで我々が見た以上に悪くなっています。」

アメリカの軍隊の総指揮官は民間人の大統領であることがアメリカの憲法で定められている。よって現役の軍人は公共の場で大統領に批判的なことを言うことは法律で禁じられている。だからオバマのアフガニスタン政策を雑誌のインタビューで公に批判したスタンリー・マッククリスタル将軍が2010年にアフガニスタン米軍総指揮官の座を失い、引退を余儀なくされた。

また浮気をしているとか軍人としてあるまじき態度をとったとされた場合も引退を迫られる。それはそれで仕方ないことではあるが、それにしても引退に追い込まれる将軍の数が多すぎるとボイキン中将は言う。

オバマ政権下で首になった将官の数はなんと197人に登る。これらの人々はオバマ政権に批判的な意見を持つと思われていたという以外には、特に理由もなく引退させられた。オバマにやめさせられなくても、オバマの軍に対する政策に嫌気をさして自分からやめた人も多い。

ところで興味深いことに最近やめさせられた9人のうち3人が2012年のリビアのベンガズィでおきたアメリカ領事館襲撃事件に関わっていた。

当時アフリカ圏の指揮をとっていたカーター・ハム(陸軍)将軍は、援軍の出動は不可能だったという国務庁の発表とは裏腹に、援軍は可能だったと主張し、国務庁を強く批判したため、指揮をとかれ引退させられた。

当時空母艦船団の指揮をとっていたチャールズ・Gaouette 少将(海軍)も領事館のアメリカ人たちを救助することは可能だったと語ったのがあだとなり、「人種的に無神経な発言をした」といういい加減な罪を擦り付けられて引退させられた。

こうした高階級の将校たちがいい加減な理由で辞めさせられているというのも、オバマは軍全体にオバマ政権に歯向かうとこういうことになるぞという見せしめの意味があるのだろう。オバマは「強いアメリカ」が嫌いなのである。オバマの最終的なゴールはアメリカの自由社会破壊にある。だからアメリカの自由を守っているアメリカ軍はオバマにとっては宿敵なのだ。

シクエストレーションで一番の打撃を受けたのが軍隊なのも偶然ではない。オバマがアメリカとは長年の同盟国であるイギリスや日本やイスラエルを足蹴にするのも、オバマは軍事同盟を結ぶこれらの国々は宿敵に加担するものとして敵意を抱いているからなのだ。特にオバマ政権のイスラエル政策は信じられないほどひどい。

オバマ政権はイスラエルの軍事秘密を平気で記者団に発表。イスラエルの防衛に多大なる損害を与えている。

先日もオバマ政権の高官がAPの記者にイスラエルによるシリアの港町ラカキア軍事基地の空爆は、ロシア産のSA-125ミサイルを含む多数の武器がヘズボラの手に渡るのを防ぐためだったと発表。イスラエル政府は何もいっていないが、イスラエルのメディアや高官たちは、オバマ政権がイスラエルの秘密の防衛政策を発表してしまったとかんかんに怒っている。

オバマは防衛を真剣に考えていない。軍隊が弱まり国が弱まることは決してよいことではないのだ。守りが甘くなれば再び911事件のような恐ろしいことが起きるだろう。すでにボストンマラソンの悲劇や、あちこちで起きている乱射事件など、オバマ政権の弱体ぶりが混乱を起こしているのである。

アメリカは世界から好かれる必要はない。世界から軍事で守られた敬意を表してもらえればそれでいいのだ。オバマにはそれが我慢ならないらしい。

November 3, 2013, 現時間 10:28 AM | コメント (0) | トラックバック (0)

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January 24, 2013

米軍、女性戦闘員を認める!

フェミニズム , 防衛

オバマ王政権の政策にはほぼ全て反対なカカシだが、軍隊への同性愛者入隊の公認は、そのなかでは稀なケースだった。そして今回は女性戦闘員を公式に認めることが発表され、同性愛者同様、軍隊での男女平等を唱えて来たカカシとしては非常に喜ばしいことである。壊れた時計も一日に二回は正しいというからな。

(CNN) 米軍は女性兵士を戦闘任務に就かせないと定めた方針を撤回し、戦闘任務や戦闘部隊にも女性を配属する方針を決めた。複数の当局者が23日にCNNに明らかにした。パネッタ国防長官が24日に正式発表する。

ただし24日から全面解禁に踏み切るわけではなく、まず評価段階として、各支部に現在女性が配属されていない任務や部隊の現状を調べた上で、配属のスケジュールを作成する。

特に陸軍と海兵隊は、身体基準や性別を特定しない宿舎の状況について調べ、90日ごとに進捗状況を報告する。

国防高官は「年内に開放できる任務もあるだろうし、特殊部隊や歩兵部隊などはもっと時間がかかるかもしれない」と説明する。パネッタ長官は、2016年1月までに調査を完了し、女性兵の配属をできるだけ進める方針。

しかし調査の結果、女性に開放すべきでないと判断した任務や部隊については、例外扱いを求める可能性もあるという。

女性の配属をめぐっては、人権団体の米自由人権協会が国防総省を相手取って訴訟を起こし、女性が戦闘任務から除外されているのは公平を欠き、時代遅れだと主張していた。原告団には名誉戦傷章を受章した女性も加わり、戦闘任務からの除外は昇進にとって不利になると訴えていた。

守派を自負しているカカシではあるが、同性愛者の軍隊公式入隊や女性戦闘員に関してはリベラル派と言えるのかもしれない。というより私は個人主義者なので個人をその個人が所属する団体によって判断されるのが嫌いなだけである。

同性愛者でも女性でも個人的に才能のある人であれば軍隊で生かされないというはおかしい。せっかくの人材をそういう意味のないことで差別するのはもったいないことだ。

女性はすでに危ない前線で働いていることでもあるし、この際公式にその存在を認めるのは当然。オバマ政権にしては珍しく良い政策をとったと思う。

January 24, 2013, 現時間 5:28 PM | コメント (0) | トラックバック (0)

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September 22, 2012

野蛮なイスラム社会にアメリカの言論と宗教の自由を謝るな!アメリカの価値観を忘れた日にアメリカは滅びる

宗教と文化 , 対テロ戦争 , 独裁者オバマ王の陰謀 , 防衛

新エジプト大統領として初渡米前夜のムハムード・モーズィ大統領は『イスラム教を敬え、さもないと、、』とアメリカを脅迫した。

オバマ王が本当のアメリカ大統領であるならば、『アメリカは人々がどのような宗教を信じることも尊重する。同時にアメリカは人々が他宗教を批判する言論の自由も尊重する。エジプトはそのアメリカの価値観を理解し尊重すべきである。』と応えるべきだが、無論弱腰オバマにそんなことが言えるはずはない。

モーズィ氏はアルカイダの党首だったビンラデンやアイマン・ザワヒリがメンバーだった超過激派イスラムテロ軍団のモスレム同胞団の元リーダー。そのテロリストがアメリカに向ってアメリカはアラブ社会に対してもっと尊敬心を見せるべきであるとし、アラブ社会の貯まった怒りを克服したいのであれば、パレスチナ独立など、もっとアラブ社会の価値観に理解をしめすべきだと語った。

これが脅迫でなくて何なんだ、と聞きたいね。

モーズィ氏は、アメリカはアラブ社会の歴史をもっと理解すべきだというが、それはまさにその通りだ。アラブ及びイスラム社会の歴史ではっきりしていることは、常に強い馬にへいつくばるということ。オバマ王が強気に出て、エジプト大使館の攻撃に対してエジプト警察の出動が遅れたことや、警備の甘さなどを強く追求し、必要とあらばモスレム同胞団のアジトでも空爆するくらいの態度に出ていれば、モーズィ大統領もオバマ王にやたらなことは言えなかったはずなのである。それがアラブ人特有の脂ぎった嫌らしい笑みを浮かべてまたオバマ政権からの抗議を一笑に付すというでかい態度に出られて、オバマ王は腹が立たんのか?

少なくとも、現在アメリカがイスラエルとの和平を条件にずっとエジプトに送っている支援金を一切打ち切るべきだ。

イスラム社会は強い馬に従う。弱いと思われたらどんどん責められる。イスラム社会との妥協があるとしたら、それは向こうがこちらに従うことのみ。それ以外の和平は考えられないのだ。こちらの好意は弱みだと思われる。謝罪はイスラム教が他のどの宗教よりも優れていると認めることになり、他宗教を信じることやイスラム教への批判的な発言の弾圧を正当化することになるのである。

いくらオバマ王がアメリカが嫌いでも、そこまでするか?

だとしたら、アメリカは11月の総選挙で何としてでもこの非国民をホワイトハウスから追い出す必要がある。こんなやつにあと4年もアメリカ外交を任せてみろ、911攻撃のような同時多発テロが再びアメリカの地に起きないとは断言できなくなる。

September 22, 2012, 現時間 8:56 PM | コメント (0) | トラックバック (0)

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September 21, 2012

尖閣防衛は日本が率先しなければ何もはじまらない

東洋危機 , 独裁者オバマ王の陰謀 , 防衛

古森義久さんが尖閣に関するアメリカの姿勢について米国連邦議会の下院外交委員会が開いた南シナ海などでの中国威力拡張についての公聴会の模様をリポートしている。

古森さんによると、アメリカは中国が日本を攻めてきた場合、和平条約に乗っ取って日本を援助する用意はあるらしいが、とにかく先ず万が一の場合は日本が率先して主導権をとらなければならないと強調する。

 米国側はこの種の領有権紛争にはもちろん超党派で平和的な解決を求めるが、この公聴会は尖閣を含む中国がらみの海洋紛争をすでに軍事課題に近い位置づけ をしていることが明白だった。ロスレイティネン委員長も冒頭の声明で「中国の西太平洋までもの覇権の追求のために海洋での軍事衝突の可能性が確実に高まっ てきました」と述べていたのだ。だから南シナ海、東シナ海での米軍の戦力強化もしきりに論じられた。

(略) 証人として発言したトシ・ヨシハラ米海軍大学教授は「尖閣防衛の主責任は当然、日本にあり、万が一の中国の尖閣攻撃には日本が最初に自力で対処して、反 撃しなければ、日米共同防衛も機能しないでしょう」と述べた。こうして最悪の事態の軍事衝突を想定して、その対処への能力の強化を語るのは、軍事の強固な 備えがあれば、軍事攻撃が防げるという抑止の思考からだろう。

私はオバマ政権が日本を守ろうために指一本もあげるとは思えないので、アメリカからの援助に関してはかなり悲観的な見解を持っている。だが、もしアメリカがその気でも、日本が全く自国を守ろうという気がないとしたら、アメリカががんばっても意味ないだろう。

で肝心の日本はどういう態度をしめしているのかというと、演出された中国での反日でもの激しさに恐れをなして低姿勢外交を貫くらしい。

 野田佳彦首相も19日「さまざまなルートを通じ、中国と対話する必要がある」として、特使の派遣を検討する意向を表明した。野田首相は中国の反発について「尖閣諸島を国有化したことで、ある程度の摩擦は予想していたが、(反日デモや報復措置が)規模などの面で予想を上回った」と語った。日本政府は、尖閣諸島問題をめぐって最近行われた関係閣僚会議に防衛相を出席させなかった。防衛相が会議に出席した場合、中国を刺激しかねないとの理由からだ。

朝鮮日報の記事なので、日本の竹島問題をめぐる韓国への強気な姿勢とは対照的に中国に対しての低姿勢には不満気なのがうかがわれる。

しかし日本の領土をめぐって中国が理不尽な要求をしてきているのに、「中国を刺激しかねない」という懸念はどういうことなのだ?刺激をしているのは中国のほうではないか。日本が上海は日本の港だと言い出したら、中国はやたらに否定すると日本を刺激するかもしれない、などと考慮などするか?なんで被害者が加害者の気持ちを考慮にいれなきゃならんのだ?

ま、とにかくだ、日本がこんなふうではアメリカは応援したくても出来ないだろう。

September 21, 2012, 現時間 12:15 PM | コメント (0) | トラックバック (0)

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September 16, 2012

最後の一滴の勇気、お説教じみた完全な右翼プロパガンダだけど、こんな映画もあっていいさ

映画 , 防衛

本日の映画は"Last Ounce of Courage ラストオンスオブカレッジ"。あえて訳すならば「最後の一滴の勇気」という意味。ラジオで聞いた広告では、戦争で英雄として勲章までもらったことがある男が、息子が戦死し、その嘆きのあまり愛国心を見失って失望しているところへ、ずっと離れ離れに暮らしていた亡き息子の未亡人と10代の若者に育った孫息子が帰ってくる。孫との交流を通じて男は新たな戦いに挑む。戦いはもっと身の回りに近いところにあった。というものだった。

しかしこれが、最初は頑固だったおじいちゃんの気持ちが孫の真心が通じて温まるというような映画だと思ったら大間違い。実際はアメリカ人が忘れかけているキリスト教を基本とするアメリカの価値観を見直し、自由の国アメリカへの愛国心を奮い立たせようという宗教保守のプロパガンダ映画なのである!

以前に自分の言いたいことを頭ごなしに説教するような映画は、映画の作り方のなかでも最低のやり方だと聞いたことがあるが、まさにこれがそれ。プロパガンダは熟練している左翼リベラルの映画つくりみたいに、ロマンスとかアクションとかおもしろいストーリーの裏に隠して何気なく知らないうちにプロパガンダを説くなんて器用な真似は出来ない。

この「ラスト、、」ときたら、あまりにも不器用で、最初から最後まで宗教保守の価値観をかなづちを振り下ろすごとく、これでもかあ、あれでもかあ、と説教するのだ。最後のほうでは、なんと主人公のボブが孫のクリスチャンと一緒に重たい十字架をミッションの建物の上に引き上げ、逮捕寸前にビルの屋上で演説をぶったりする。ちょっと、あんた、そこまでやる?

であるから、映画の出来としてはかなりの素人芸だし、特撮は低レベルだし、ストリー展開もぎこちない。 役者の演技ときたら、見てらんないのから名演技まであって、かなりまちまちだ。だから、芸術としての映画を考えた場合、かなりひどい点数を取りそうな映画である。

し、か、し、プロパガンダもここまであからさまにやられると、かえって気持ちよかったりする。特に右翼や宗教保守のプロパガンダ映画は珍しいので、それなりの価値はあるだろう。

それに、悪者として出てくる左翼リベラルたちの描写が、あまりにも大げさで突拍子もなくてステレオタイプで、これじゃあまるでパロディじゃないの、と思わせるほどおかしいのだが、実はそれが的を射ていて笑えないのだ。

ボブの孫息子クリスチャン(名前からしてキリスト教徒!)が、転入したばかりの中学に父の遺品である聖書を持ち込み罰せられるシーンからして実際にありそうなことだし、市役所の敷地内に大きなクリスマスツリーを建てることが禁止されたり、市スポンサーのミッションから十字架が取り除かれたり、市主催のクリスマス祭りが冬祭りと改名されたりなど、すべて実際のアメリカ全国各地で起きている現状なのである。

映画の中で私がもっとも気に入ったのは、主人公ボブのクリスマスを取り戻そうキャンペーンよりも、中学で冬の学芸会にキリスト誕生のお芝居を復活させようと学校のドラマコーチの目を盗んで子供たちが陰謀を企む筋。題して「クリスマス大作戦」。この作戦の名前を考えるシーンでの子供たちの素朴な演技がほほえましい。

ドラマコーチの書いた冬のお芝居は宗教に関する言葉がすべて削除され、天使の変わりに宇宙人が出てきたりする。「清しこの夜」から宗教取り除いて何が残るんだ、と聞きたくなるが、この替え歌が笑える。また、このお芝居で歌ったり踊ったりする子供たちの演技は子供らしくてかわいい。実際に私はキリスト生誕劇中劇を全編みたいなとおもってしまったくらい。

クリスマスの映画を何でこの暑い9月に公開するのかといえば、もちろん11月の選挙を前に公開しておきたかったということだろう。そりゃそうだ、プロパガンダは世論に影響を及ぼすのが目的だからね。選挙前にやんなきゃ意味が無い。

ただ、選挙云々に限らず、亡き父をしのんで、孫息子のクリスチャンが祖父のボブに向かって尋ねるシーン、脚本を読んだわけではないので覚えている限り再現すると、、

「おじいちゃん、お父さんは何のために死んだの?」

「そりゃお前、お国のためだよ。」

「そうじゃなくて、何を守るために死んだの?」

と言う会話があった。

これはアメリカ人一人一人が尋ねる価値のある重大な質問だと思う。

September 16, 2012, 現時間 9:11 PM | コメント (0) | トラックバック (0)

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September 15, 2012

元秘密警察官、オバマ政権の大使館警備体制を大批判、一方オバマはべガスでゴルフ!

対テロ戦争 , 独裁者オバマ王の陰謀 , 防衛

先週火曜日に始まった911同時多発テロ11年記念を祝してアルカイダの残党たちが世界中でアメリカ大使館を狙って攻撃している。何と昨日はイギリスのアメリカ大使館が襲われ星条旗が降ろされるという不祥事まで起きている。こんな大危機の情勢の中、国家の首相たるオバマ王は何をしているのかというと、、もちろんお決まりのゴルフ!

リビアで大使と外交官3人が殺された翌日の水曜日には、オバマ王はラスベガスに出かけてビヨンセなど芸能人を集めて献金集めのどんちゃん騒ぎをやったというのだから呆れる。(カカシ注:この献金集めパーティは数日後だった。この日ではなかったので訂正しておく。)

そして翌日は100何回目かのゴルフ。おまえ、国家の警備と献金集めとどっちが大切なんだよ、なんて聴くだけ無駄だ。それにしても、国民にはラスベガスに行って無駄使いするなとかいってたくせに、自分はいいわけ? さすが貴族気取りのオバマ王である。

ま、それはともかく、元秘密警察官で現在共和党上院議員に出馬しているダン・ボンジーノ氏は、グレンベック経営のブレーズテレビのインタビューにおいてオバマ政権の大使館警備体制について強く批判した。

ボンジーノ氏によると、リビア大使館の警備の怠りには二つの理由しか考えられないと言う。可能性としては、最悪の状態に関する情勢分析が全く不能な人材によってなされていた、もしくは、きちんとした情報分析がされていたにも関わらず上部によって無視されたということ。どちらにしても、国務庁が固く口を閉ざしているので真実は闇の中である。

ボンジーノ氏は、オバマ政権による秘密保持は完全に不能であると手厳しく批判。

我々は過去にもこの政権が警備より政治を優先させたのを見てきました。

ユートゥーブに掲載された零細映画がリビアの国営テレビででかでかと放映された事実を考えると、最悪の場合に備えて警備を強化するのが常識というもの。それをベンガーズィの領事館は臨時施設だったという理由で海兵隊員すら備えていなかったというお粗末さには、あきれ果てて物が言えない。

実は、カカシは仕事柄、バハレーン、クエート、サウジアラビア、イエメン、といったイスラム圏に行く可能性が非常に大きい。この間も私と同じ仕事をしている同僚がバハレーンに一ヶ月滞在したばかり。オバマ王が大統領をやっている限り、私は絶対にイスラム圏への出張は拒絶する。それによって解雇などということになったら訴訟を起こす。アメリカ国籍を持つ女性として、ユダヤ系男性の妻として、そんなところにのこのこ行かれない。アメリカ大使の命すらろくろく守れないオバマ政権が、一階の民間人の安全性など、どうやって保証出来ると言うのだ?お断りだね!

アップデート: YSさんが同じようなことをコメントしているので一部抜粋。

ユーチューブで流れたマイナーな映画の予告編で、大使と領事館職員3人が死ぬような事態になるわけがない。今日、非公開の諜報ブリーフィングが連邦議員に行われたが、ブリーフィング後リビアの領事館襲撃は計画的なテロの可能性が高いとのコメントが続出していた。

オバマの中東政策は完全に失敗したのだ。それをこんなくだらない大嘘の言い訳で誤魔化そうとしている。4つの棺桶を前に、国務長官として同じことを繰り返すヒラリーの(もし、2016年の大統領選を考えているのなら)将来も暗い。

まったくね、国民を馬鹿にするのもほどがあるよ。

September 15, 2012, 現時間 10:29 AM | コメント (0) | トラックバック (0)

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July 15, 2012

シリアの大量破壊兵器は何処から来たのか?

中東問題 , 対テロ戦争 , 防衛
母さん、僕のあのWMD、どうしたんでせうね? ええ、2003年、イラクからシリアへゆくみちで、 砂漠で消えたあの大量破壊兵器ですよ。

金曜日、メディアは一斉にシリアが蓄積していた大量破壊兵器のひとつである化学兵器を大量に保管施設から移動させていると報道している。下記は毎日新聞の記事より、太字はカカシ。

【エルサレム花岡洋二】シリア10件のアサド政権が、保有を確実視されている化学兵器の一部を従来の保管施設から移動しはじめた。ウォールストリート・ジャーナル紙など米メディアが米政府筋の話として13日に相次いで報じた。移動目的は不明だが、反体制派との衝突からの防護との説や鎮圧の準備を疑う声も出ている。米当局者は、警備が手薄になる移送時にテロ組織に流出する懸念を示している。

 (前略)米シンクタンク「核脅威イニシアチブ」などによると、シリアは猛毒のマスタードガスやサリンを保有。首都ダマスカス、ハマ、ホムスなど計約50カ所に研究・開発、製造、保管施設を分散させている。政権中枢を占めるイスラム教アラウィ派の精鋭部隊が施設を防護しているという。

シリアに存在する大量破壊兵器の備蓄というのは、いったいどこから来たのだ? 

2003年の初春、イラク戦争が始まる直前、時の米防衛省長官ドナルド・ラムスフェルド氏は、国連の会議でイラクには大量の大量破壊兵器の備蓄があると報告した。それまでに得たイギリス諜報部や他からの諜報により、イラクに大量破壊兵器があることは誰もが確信していた。

ところが一旦戦争が始まって蓋を開けてみると、WMD備蓄が保管されていた形跡はあちこちで発見されたが、肝心のWMDは期待したほどの大量では発見されなかった。これによって反戦リベラルの連中は、もともと大量破壊兵器などイラクにはなかったのだ、「ブッシュの嘘で人が死んだ」などと騒ぎ立てたが、イラク戦争前夜、イラクから大量の輸送トラック行列がシリアに向っていたのを当時の衛星写真がしっかり写していた

[2004年10月28日ワシントンタイムス] 米諜報部は米軍攻撃の数週間前にイラクの兵器彫像施設数カ所において輸送トラックの行列を写した衛星写真を取得したと、昨日防衛省当局は発表した。

これらの写真は、イラクが武器や機械を既存の場所から移動させたことを示すものだと匿名の関係者は語っている。

関係者の一人によると、 the National Geospatial-Intelligence Agency(NGA) 「バグダッドとシリアの国境付近でかずかずの輸送トラック行列が見られたことは記録されている」という。

また、2010年に撮られた衛星写真にはシリアに大量破壊兵器の備蓄貯蔵施設があることがはっきりと写っている。

[2010年5月30日、ハーレッツ紙] シリアの北西部にある小さな地区において、すくなくとも16回に亜渡り衛星写真が撮られている。これはザ・ウエスタンカンパニー社が雇ったDigitalGlobeという衛星写真サービスが撮ったものである。(略)

200平方キロメートルに渡る問題の場所は、シリアとレバノンの最北の国境から30キロメートル離れたところに位地する。一番近い町はマスヤフ(Masyaf)人口3500のハマス地区の一部である。シリア政府の公式サイトによると、この町の産業は農業と観光が主だということになっている。

写真には使用目的不明の警備厳重な五つ施設が写っている。そしてその施設のまんなかには新しい居住用建物があり、すくなくとも40に渡る数階建てのビルが建てられており、その形や建築は町にあるその他の建物とはっきり区別できるという。

2004年当時から、イラクの大量破壊兵器はシリアへ運び込まれたのだという報道はあちこちでされていたが、アメリカの主流メディアはほぼ無視していたし、反戦の左翼リベラル民主党なども全くその話を取り合わず、イラクには大量破壊兵器はなかったと主張し続けた。

ところが、今になって、オバマ政権も主流メディアもシリアに大量破壊兵器の備蓄があるという話を「事実」として扱い、これらの武器が貯蔵施設から移動させられたことの危険性を警告するに至っている。

にもかかわらず、ではいったいシリアの大量破壊兵器はどこから来たのかという話を全く言及していない。イラクとシリアとの関係は完全無視なのである。

イラクには大量破壊兵器があるという諜報が入った
 → イラク戦争直前にイラクの武器貯施設各地から輸送トラックの長蛇の列がシリアへと向った
  →イラクで期待したような大量破壊兵器は見つからなかった
    →シリアで開発したとも製造したとも言われていない大量破壊兵器の備蓄が確認された。

はてさて、この点と線を結ぶとどうなるのか、解った人は手をあげて。

July 15, 2012, 現時間 12:30 PM | コメント (0) | トラックバック (0)

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May 13, 2012

ビンラデン退治なんて過去の栄光よりロシアの先制攻撃宣言をどうする?

独裁者オバマ王の陰謀 , 防衛

アルカイダの親玉オサマビンラデンがシール隊によって退治されてから一年になるが、オバマ王は未だに過去の栄光に浸っている。ビンラデン退治はオバマがブッシュ政策を継続していたから実現しただけの話であって、オバマが率先して実行した作戦ではない。もしこれが失敗していたら何もかもブッシュの悪政のせいだと言っていたに違いないオバマ王。だが、奴はことあるごとに共和党大統領指名候補のミット・ロムニーに関して、もしロムニーが大統領だったらビンラデン退治は不可能だっただろうなどと自分の選挙運動サイトに書いている。

実際にロムニーがいざという時にどのような行動にでるのかそれはまだわからない。だが、オバマ王が国家の主君として外国からの脅威に対し、いざという時にどのような態度に出るのか、それを試される時がすでに訪れた。そしてオバマ王は見事に失敗したのである。

先日(5/3/12)ロシア軍上層部は、北大西洋連盟(NATOがこのまま)東ヨーロッパにおける弾道ミサイル防衛基地設置を継続するのであれば、アメリカ合衆国の建設を待たずに攻撃する覚悟があると公式に発表した。

「これ以上自体が悪化する前に、先制攻撃として破壊的武力を使う決断をした」とロシア総指揮官のニコライ・マカノブ将軍は、NATO及びアメリカ代表が出席したモスクワで行われた弾道防衛ミサイル審議会において発表した。

他国が自国の軍事基地への攻撃を公言したのである。これはあきらかな戦闘行為である。ロシアはアメリカがロシアの条件を飲まないならば、戦争は止む負えないと公に宣言したのである。アメリカの大統領はそれに対して迅速に断固たる声明を発表する必要がある。

ではこの、ロシアの理不尽な要求に対して、オバマ王はどのような対応をしたのかといえば、、、

りーん、りーん、とこうろぎの声。

まるで沈黙なのだ! あれから何日も経っているのに、ロムニーがいじめっ子だとか、同性愛結婚がどうのこうのってな話をする暇はあっても、ロシアがアメリカの軍事基地を責めるぞと威嚇している事実なんか完全無視なのである!

どういうことだこれは?

オバマは国家防衛並びに同盟国の安全などということなど全く興味がない。以前にヒラリー・クリントンとオバマがまだ大統領選候補を競っていた時、ヒラリーのテレビ宣伝で、「午前3時、非常電話がかかって来た、、、」というのがあった。

そういう時、ヒラリーなら断固たる決断が出来るというものだった。だが、オバマではそれは無理だと、、、

ヒラリーだったらどう対処していたかは無論わからない。だが、オバマでは無理だというヒラリーの予測は当たっていた。

こんな男にアメリカは任せられない!


May 13, 2012, 現時間 7:11 AM | コメント (0) | トラックバック (0)

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April 13, 2012

世界地図が読めない部下

日常の出来事 , 東洋危機 , 防衛

北朝鮮のミサイル発射はどうやら失敗に終わったらしい。日本領海や公海に域に入った場合には撃ち落とすと日本やアメリカがいきり立っていた割にはあっけなかった。

北朝鮮が13日午前7時39分に発射した長距離ロケットは発射後1、2分ほど飛行して空中で爆発したと、国防部が公式発表した。

国防部のシン・ウォンシク政策企画官は「北朝鮮のロケットは発射後に飛行し、ペクリョン島上空151キロ地点で落下を始め、本体と推進体は20余りの破片に分離して、平沢(ピョンテク)と群山(クンサン)西側100-150キロ地点の公海上に墜落した」と明らかにした。続いて「北朝鮮ロケットが私たちの領海を侵犯することはなかった」と説明した。

、、、米国とカナダが共同運営する統合防衛組織NORAD(北米航空宇宙防衛司令部)はこの日の声明で、「北朝鮮が13日に発射したロケットはテポドン2号弾道ミサイル」とし「北朝鮮のテポドン2号発射を探知した後、追跡を続けていたが、1段階で海に墜落した」と明らかにした。

まあね、かなりの専門家が成功は危ういと予測していたから、驚くべき結果ではないが。第三段階までいくはずだったのに一段階目で墜落では、まだまだ研究が必要ということかな。ま、もっともロケットが海に落ちても、ランチングシステムが悪いのかロケットそのもに問題があるのか解らないから、データ分析しないうちには何がどう失敗だったのか断定は出来ない。

こういうことがあると、我が職場では我が軍の艦船はどのあたりに出動してるのか、また別のストライクグループがどのあたりに待機しているのかといったことが話題になる。

昨日、私は会議の時に上司から「○○艦はどのへんに居るのかね」と聞かれたので、部下のRが用意したリポートを読みながら「ハワイです」と答えると、「え〜そうかあ?」と正されてしまった。よくよく地図を見てみると○○艦がいるのは日本海。

おい、どうなってんだよR君。「R君、これが太平洋に見えるか、ここがハワイか?」と問いつめると彼は単に肩をすくめるだけ。

実を言うとRは地理の知識ゼロ。私も高校時代地理は大の苦手だったので他人に自慢できるほうではないが、太平洋と日本海の区別くらいつく。

以前にもRとは、ホルムズ海峡の話をしていて、Rがホルムズ海峡というものがあることも知らなかっただけでなく、中近東がどのへんかということも全然しらなかったことに驚いたことがある。ましてやどうして、アメリカにとってあのあたりが重大な場所なのかなんてことはRはまるで理解出来ていない。

というわけなので今回も、彼は地図をみても○○艦がどこにいるのか解らなかったのだ。だからRは地図を無視して単に○○艦の普段の任務区域はハワイだからハワイに居るんだと報告したわけ。こういう仕事していて世界地図も読めないんじゃ話にならんだろうが。これだから本社勤務は嫌なのよ。

カカシ注:アメリカの○○艦は仮名で現在位地は架空のものです。○○艦が日本海にいるという事実はありませんのであしからず。

あ〜海に帰りたい!

April 13, 2012, 現時間 11:35 AM | コメント (0) | トラックバック (0)

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January 15, 2012

タリバンに撃たれたことも無い奴らがぐちゃぐちゃ言うな!

対テロ戦争 , 防衛

ここ数日、アフガニスタンで米海兵隊員数人がタリバンの死骸に放尿しているビデオが出回って、メディアは大騒ぎしているが、これに関するオバマ王政権の反応はあまりに過剰で見苦しい。確かに敵とはいえ死骸を冒涜する行為はけしからんことではあるが、アメリカ人とみたらまず首刎ねて、死体を八つ裂きにして真っ黒けになるまで焼いて、その亡骸を橋の上から吊るすような敵に対して、たかが放尿くらいで騒ぐな、というのが私の感想だ。

イラク戦争が始まったばかりの頃、アルグレーブ収容所で看守が収容者を裸にしてポーズをとらせて写真を撮るという事件が大々的に報道されたことがあるが、私はあの時主流メディアが看守の行為を「拷問」と言って大騒ぎするのをみて過剰反応もはなはだしいと思った。

当時私は参加していた掲示板で、『拷問拷問というが、米看守は単に収容者を裸にひんむいただけじゃないか、殴ったり蹴ったりしたわけでもないのに、そんなに大騒ぎするな。』というような投稿をしたことがある。

特に今回は死体に放尿という取るに足らない行為である。隊員らは死骸を八つ裂きにしたわけでもなければ、そこいらじゅうを引きずり回した訳でもない。この程度のことをメディアは「残虐行為」と呼び、パネタ防衛長官やクリントン国務長官は口を揃えて「嘆かわしい行為だ」などと批判している。

こうした過剰反応に対して、共和党大統領候補のひとりであるテキサス州のリック・ペリー知事はテレビのインタビューで、18〜9の若いもんが、馬鹿なことをしただけの話だと語り、こういう行為は戦争の歴史にはつきもので、パットン将軍やチャーチル首相も過去に同じようなことをしていると指摘した。ペリーが腹立たしいと思うのは、こんな小さな間違いに対して、国務長官が戦争犯罪だなんだと騒ぎ立てている過剰反応である。

また、元陸軍中佐フロリダ州代表アレン・ウエスト下院議員は、ウィークリースタンダードにメールで、タリバンに撃たれたことも無い奴らがぐちゃぐちゃいうな、といった内容の投書をした。

ウエスト議員は、デルタ狙撃兵二人の遺体がモガディシュの市街を引きずり回された時に今回のように独善的な憤りの声は聞いた覚えがない、ブラックウォーターの警備員が殺され遺体が焼かれファルージャの橋の上から吊るされたときも、メディアが怒り憤りを見せたという記憶もない。...イラクで101空挺隊の兵士二人が捕らえられ斬首された上に八つ裂きにされた事件をメディアに覚えている奴はいるのか。

無論ウエスト議員は海兵隊員らは罰せられるべきだと書いているが、それは違反に適した軍規制に従った罰であるべきだと語り、

その他のやつらは、タリバンから撃たれた経験でもない限り黙ってろ。戦争は地獄だ。

と締めくくっている。

ウエスト議員はイラクはパパブッシュの第一湾岸戦争の時も前回のイラク戦争にも出動しているので、確かにこういうことを言う資格はあるだろう。軍人と元軍人だけが戦争を語れるという考えには賛成できないが、敵の野蛮なそれこそ残虐行為に対しては無言のアメリカメディアが、自国の軍人の間違いとなると些細なことでも大騒ぎするのに腹が立つのはウエスト議員だけではない。

この件に関する新聞記事のなかで、この事件によってアフガニスタン和平が遅れる恐れがある、と書いているものがあった。

アフガニスタン平和を遅らせるのは、時期尚早にして撤退するオバマ王の腰抜けぶりだ。アフガニスタンの平和を乱しているのは、圧倒的な勝利を得た戦争で負けたテロリスト集団のタリバンと和平交渉などを続けている馬鹿大統領だ!

非戦闘員をひっつかまえて首を切った映像をビデオに撮って世界中に流すような野蛮人の死体にしょんべんかけるくらい何が悪いんだ!

ちなみにビデオの海兵隊員らの隊は6ヶ月の出動中にタリバンとの戦闘で7人の隊員を失っている。安全な自国で身の安全など全く心配しなくていい政治家やメディアの連中なんぞに批判される筋合いはない。

January 15, 2012, 現時間 11:15 AM | コメント (0) | トラックバック (0)

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December 26, 2011

米防衛省、陸軍士官候補生のヒジャブ着用を許可を決定

宗教と文化 , 対テロ戦争 , 独裁者オバマ王の陰謀 , 防衛

今年の十月にカカシはイスラム教女子、ヒジャブ着用を主張して陸軍行進から除かれた話をしたが、その時私は、

ヒジャブを巡って陸軍ROTCに抗議しているのはデミン・ザウィティ(Demin Zawity)というテネシー州にあるラヴェンウッド高校の二年生で、ジュニアROTC 隊員。行進の際にスカーフを脱ぐように言われ、それを拒絶したため行進から除外されたことに腹を立て、こういうことがあると何かと口を出して来るイスラム教の国内テロ人権団体のケア(CAIRーCouncil on American-Islamic Relations)に訴えた。

と書いたが、オバマの防衛省レオン・パネタ長官はケアの圧力に負け、今後JROTCのイスラムやシークの候補生はヒジャブという頭巾やターバンなどの着用を許可することにした。

制服はみんなが同じ服を着るから制服なんじゃないのか?軍隊における帽子着用の厳しい規則はどうなるんだ?

ケアは今エジプトで猛威を振るっているモスレム同胞軍という過激テロ軍団のアメリカ支部だ。そのことを防衛省が知らないわけないだろう?なんでそんな奴らの要求を軍隊が飲む必要があるのだ?なぜイスラム教ばかりが特別扱いされるのだ?

無宗教者たちの間から、公共の軍隊と宗教を混ぜるな!という抗議が聞かれるのも間近であろうか? 息を止めないで待ってるよ。

December 26, 2011, 現時間 6:18 PM | コメント (0) | トラックバック (0)

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October 17, 2011

オバマ王、議会の承諾なしにアフリカに出兵、裏に左翼実業家の陰謀あり?

独裁者オバマ王の陰謀 , 防衛

予算削減というと必ず防衛費から始めるオバマ王政権。ところがこの間のリビア出兵にしてもアメリカの利益に直接つながらない場所への遠征は議会の承諾なしに勝手に始める。しかも遠征した軍隊が現場で何をやるのか、オバマがブッシュ前政権に要求していた「出口方針」(それを言うなら入り口方針もない)など全くない盲滅法なやり方だ。

オバマ王はブッシュ前政権がイラク戦争を始めた時、アフガニスタンの戦争のカタがまだ付いていないのにイラクに手を延ばしてアフガニスタンから目をそらせたと散々ブッシュを叩いていた。ところがいざ自分が大統領になってみると、イラク戦争にもアフガン戦争にも全く注意を払わずに、きちんとした理由も述べずにリビアに遠征し、そして今回はなんとアフリカ遠征と来たもんだ。以下テレビ朝日の記事より:

アメリカのオバマ大統領は14日、アフリカで住民殺害などを繰り返している反政府勢力、LRA=神の抵抗軍の掃討作戦を支援するため、約100人の部隊の派遣を決めました。

 1980年代に組織されたLRAは、中央アフリカの各国で住民の殺害や女性や子どもの誘拐を繰り返しているとされ、周辺各国が掃討作戦を行っていますが、制圧できていません。このため、オバマ大統領は約100人の部隊をウガンダ、中央アフリカ、南スーダンなどへ来月中に派遣し、掃討作戦の実施部隊に情報を提供するなどの「手助け」を行うことを決めました。国防総省によりますと、派遣部隊は武器を持っていきますが、あくまで「自衛のため」としていて、直接の交戦が目的ではないとしています。

確かにアフリカ市民には気の毒なことではあるが、世界で起こる全ての非道にいちいちアメリカが関わっている余裕はないはずだ。そんなところにアメリカ軍を送り込む正当な理由が何処にあるのだ? いや、正当な理由があるのなら何故それを議会にかけて議会の承諾を得てから出兵しない? LRAの悪逆非道は何も今に始まったことじゃないだろう。議会を無視して早急に行わなければならないことではないはずだ。

こういうアメリカにとってはどうでもいいところでは身勝手な戦争を始めるくせに、アメリカの土地でレストランを爆破しサウジアラビアの外交官を暗殺しようとしていた、明らかなイランの戦争行為に対しては、のらりくらりと遠回しな言い方で経済制裁がどうの国際意見がどうのとやんわり批判するだけに終わっている。

では何故アフリカなのか?

実はアフリカ遠征の裏には左翼の実業家ジョージ・ソロスが絡んでいるらしいという説がある。

ジョージ・ソロスが重役を勤めるインターナショナルクライシスグループ(ICG)という団体があるが、この団体は2008年からオバマ政権に対してウガンダ援助を強く促して来た。今回の出兵はこの団体による熱心なロビーの賜物だった。

ソロスは人道的な慈善事業になど全く興味がない実業家である。そんな奴が何故アメリカになんの利益ももたらさないウガンダなんぞにアメリカの関与を推薦するのか。実はソロ自身がウガンダの原油田や他の産業に多くの投資をしており、ウガンダの平穏はソロの金儲けにとって非常に大事なものなのである。まさにこれこそ「石油のための戦争」なわけ。しかも、その石油はアメリカのためではなく、ジョージ・ソロスという人間の私腹を肥やし、その献金や援助を頼っているオバマ王の権力拡大のために使われるのだ。

こんな自分勝手な戦争なのに、自称平和主義者の間からは何の批判も聞かれない。ウォールストリートで大手銀行相手に座り込みなんかやってる暇があったら、こういうことを批判すべきなんじゃないのかね、左翼の市民団体は、、、

October 17, 2011, 現時間 5:53 PM | コメント (0) | トラックバック (0)

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August 7, 2011

パネッタ新国防長官の正念場。アフガンで散った30人の恨みはどう晴らすのか?

対テロ戦争 , 防衛

アフガニスタンで米海軍のヘリコプターが墜落したという話は読者諸君もご存知のことだろう。当初は米軍関係者31人が死亡したとされていたが、30人に訂正されたようだ。犠牲者の中に多くの海軍特殊部隊シールズの隊員が含まれていたことは確かなようだが、そのなかにビンラデン邸を襲撃したメンバーが含まれていたかどうかは明らかにされていない。だいたいシールチーム6なんぞという隊があることすら軍は認めていないのに、そのメンバーの消息など公開されるわけはない。

アフガンでヘリ墜落 精鋭の米海軍特殊部隊員も多数犠牲 米国に衝撃 2011.8.7 18:20 (1/2ページ)

アフガニスタン中部ワルダク州で墜落したものと同型とみられるヘリコプター=6月9日、同国南部ヘルマンド州(AP)

 【ワシントン=佐々木類】アフガニスタン中部ワルダク州で起きた北大西洋条約機構(NATO)軍のヘリコプター墜落で、38人の犠牲者の中に、国際テロ組織アルカーイダの指導者、ウサマ・ビンラーディン容疑者を殺害したことで知られる米海軍特殊部隊シールズ(SEALS)隊員が含まれていたことが分かった。米メディアが伝えた。米軍の撤退が進む中、治安安定化の成否を握るとされる精鋭部隊の犠牲に米政府は衝撃を受けている。

 米メディアによると、ヘリはイスラム原理主義勢力タリバンとの交戦中に墜落したとみられ、タリバンはヘリを撃墜したと主張。AP通信は米政府高官もヘリが撃墜されたとの見方を示したと報じた。(後略)

実際にヘリ墜落の原因が本当にタリバンの撃墜によるものなのだとしたら、アメリカ軍は迅速且つ決定的な対処をしなければならない。これは一刻を争う。

アメリカは以前にもレーガン大統領の時(レバノン)とクリントン大統領の時(サマリア)に、敵に背を向けて退散したことがある。無論それにはそれなりの理由があり、一概に悪い決断だったとは言えないのだが、それが我々の防衛に非常な悪影響を及ぼしたことは否定できない。

もし、今回の事件を口実にアフガニスタンからの撤退を早めるようなことになれば、アメリカの対テロ戦争は非常な痛手を被ることになり、これまで10年間での成果が非常な後退をすることとなる。そのようなことは断じて避けなければならない。

現代社会は平和的で何も強い武力のみが敬われるわけではないと信じたいのは山々だが、残念なことに我々の対する敵は今は亡きビンラデンが言ったように「強い馬」に従う。だから相手が弱い馬と悟ったら相手に対する遠慮などまるでなくなり、敵側の戦意を高め攻撃が激化すること間違い無しである。

この間ラジオで、アフガニスタンに2年間民間企業で働いていたというアメリカ人の話を聴いたが、彼はアフガニスタンにおけるアメリカ及び連合軍の戦略は非常な効果を示しており、タリバン勢力は完全な衰えをみせており、タリバン勢力挽回はまず考えられないと語っていた。しかし、治安はまだまだ安定しておらず、今後もアメリカの存在は必要だとも語っていた。

いま、たかがヘリ墜落程度のことで怖じ気づいて撤退を早めたりしたら、それこそタリバンのみならずイランを含めたイスラム過激派諸国からアメリカは弱い馬だ、今こそ攻撃の機会だと言わんばかりにあちこちでテロ攻撃が起きること間違いない。攻撃がすぐさま起きなくても至る所で馬鹿にされ甘く見られる。アメリカはどんなことがあっても、ここで弱腰を見せてはいけないのである。

ところで、7月1日に新しく長官に就任したリオン・パネッタ長官には軍事体験がない。1960年代に二年間軍役を果たしたことがあるだけで、それも軍弁護士という事務的な役割だったから実際の戦略などに関わったことは一度もない。そういう民間人の役人が国防庁の長官になるということ自体おかしい。本来ならイラクやアフガニスタンで采配を振るったデイビッド・ペトラエウス将軍にでも任せるのが適任というものなのに、何故パネッタみたいな軍事度素人役人なのか。

ミスター苺に言わせると、オバマ王は軍隊が大嫌いなので、政府予算削減というと他は絶対に削れないと頑張るくせに、先ず軍隊から削りたがる、そのためにオバマ王の言いなりになりそうなパネッタを国防長官に抜擢することで、軍事費を大幅に削れると計ったのではないかととところが7月1日から就任したパネッタ長官は、オバマ王の期待に背き、これ以上の軍事予算削減は好ましくないと警告している。

リオン・パネタ国防長官は水曜日、負債減少のための第二段階として全面的な軍事費削減は国家安全保障に「大幅な打撃を」与えると警告している。

パネッタがアメリカ軍縮小に協力しないとはオバマ王にとっては誤算だったはず。意外とパネッタは国防長官とい立場を真剣に受け止めるつもりなのかもしれない。とすれば、今回の問題も軍関係の専門家のアドバイスを素直に聞いて迅速な報復作戦に出るかもしれない。是非ともそうなることを願う。

パネッタ長官の正念場である。

August 7, 2011, 現時間 6:14 PM | コメント (0) | トラックバック (0)

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July 30, 2011

フォートフッド陸軍基地第二のテロ未遂事件の犯人はイスラム教平和主義者?

宗教と文化 , 対テロ戦争 , 防衛

先日7月29日、二年前に乱射事件があった同じフォートフッドで第二のテロの企みが未然に防がれ容疑者の兵士が即逮捕されるというテロ未遂事件があった。

逮捕されたのはケンタッキー州内の基地に所属するナセル・ジェイソン・アブド容疑者(21)で、27日に容疑者が宿泊していたキリーンのモーテルから、爆弾の材料が発見されたという。陸軍によると、同容疑者はイラクやアフガニスタンへの派兵命令を受けたが、良心的兵役拒否者として認められ、今月4日から許可なく任務を離れていたという。

 警察は会見で「軍職員が標的だった」と明らかにし、同容疑者が基地への攻撃を狙った「テロ計画」を企てていたと語った。

 キリーンにある銃販売店の店員はロイターの取材に、アブド容疑者が今週、弾丸などを購入しに来た際、様子が不審だったために警察に通報したと説明。警察はその後、連邦捜査局(FBI)などと共同で調べを進め、同容疑者を拘束したという。

「良心的兵役拒否者」というのは、宗教などの理由から自分は平和主義だから戦闘には参加できないという意味。事実聡明な読者諸君ならすぐに気がついたことと思うが、犯人の ナセル・ジェイソン・アブド(Naser Jason Abd)という名前は明らかにイスラム系。アブドがアフガニスタンへの出動を拒んだ理由も自分がイスラム教徒だからだいうものだった。

アブドが陸軍に入隊したのは2009年。基礎訓練が終わった直後、アフガニスタンへの出動を命じられると、すぐさま自分のイスラム教徒としての教えがイスラム教徒相手の戦争参加を禁じると言って出動を拒否した。

「イスラム教徒はイスラム教相手の不当な戦争に参加することは禁じられている。イスラム教徒を熟知している教徒ならば誰でも明らかにアメリカ軍隊に参加出来ない事が解るはずだ」

じゃあなんでアメリカ軍陸軍への入隊を志願したんだよ? はっきり言って兵役のないアメリカで何で平和主義者が戦争中の軍隊ににわざわざ志願して入隊するんだと私は聞きたい。平和時に入隊して途中で戦争が始まったというのならまだしもだ。アメリカがアフガニスタンで戦争始めたのは2001年、アブド容疑者がまだ11歳の時だ!アメリカが過去10年間誰と戦争しているかも知らないで志願したのか? ばっかじゃないの?

だが実際にはアブド容疑者が兵役を拒んだのはそんな綺麗ごとが理由ではなかったらしい。陸軍は今年に入って、アブドの除隊申し込み審議中にアブドのコンピューターに幼児ポルノの映像があることを発見した。よって陸軍はアブドを単なる除隊にするのではなく、軍法会議にかけるよう推薦していた。その直後アブドは無許可で職務を離れ行方不明になっていた。つまり脱走していたのである。

そのアブドが昨日フォートフッドから目と鼻の先のモーテルで捕まった時、数々の武器弾薬の他に、バックパックのなかにはイスラム過激派のパンフレットが入っていたという。またアブドは爆弾作りの材料も集めていたらしい。

アブドが海外のテログループと関連があったのかはまだ定かではないが、アブドを逮捕したのが単なる陸軍警察ではなく、連邦警察と陸軍犯罪捜査部だったことから、彼が単なるチンピラではなく、深刻なテロ陰謀を企んでいたテロリストと見られていることは確かだ。

July 30, 2011, 現時間 11:19 PM | コメント (0) | トラックバック (0)

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December 23, 2010

米軍隊、遂に同性愛者の勤務を公に認める!

フェミニズム , 同性婚 , 独裁者オバマ王の陰謀 , 防衛

クリントン大統領がパパブッシュに対抗して大統領選に出馬した時、大々的に公約しておきながら、いざ大統領になった途端に回りの圧力に負けてポイッと放り出してしまったのが、この同性愛者の軍隊勤務合法化だった。クリントンは根性がなかったので、合法でも非合法でもないどっちつかずの「聞かない、言わない」という黙認法で妥協してしまった。以来この話は誰も触ることの出来ないタブーとなっていた。

それが今回共和党の反対を押し切って、レイムダック期間を利用し、オバマと民主党は強攻に既存法を撤回し、同性愛者たちは晴れて公に軍隊に勤務することが可能となった。以下毎日新聞より。

米国:同性愛公言者、軍隊に門戸 「黙認政策」を廃止 大統領公約、法案成立へ

 【ワシントン古本陽荘】米上院(定数100)は18日、オバマ米大統領が公約として掲げてきた同性愛者と公言する人の軍への入隊を認める法案を採決し、賛成65、反対31で可決した。下院でもすでに可決されており、大統領の署名を経て成立する。

 93年に導入された、同性愛に関し「ドント・アスク、ドント・テル」(聞くな、言うな)を原則とする「黙認政策」を廃止するもので、17年ぶりの改革となる。黙認政策の下、約1万3000人の同性愛者が除隊を余儀なくされており、オバマ大統領は就任前から、同性愛者の軍入隊制限の撤廃を公約に掲げてきた。

 大統領は法案可決後、「米国の国家安全保障をむしばむ政策を終わらせるための歴史的な一歩だ」とした声明を発表した。今後は、国防総省が関連規則の変更に関する計画を策定するが、同省は新規則の周知徹底や教育に時間を要するとの姿勢を示しており、実際の実施時期がいつになるかは不透明だ。

 海兵隊トップのエイモス司令官は、同性愛者の受け入れに反対する姿勢を明確にしており、実施までには紆余(うよ)曲折が予想される。

ここではっきり言わせてもらおう。私はオバマ王は大嫌いである。彼のファシスト風行政には全く賛同できない。レイムダックセッションで、野党の反対を押し切っての強攻な手段も感心しない。とはいえ、風見鶏のクリントンがいとも簡単に投げ出した法律を、後でかなりの仕返しが期待できるというのに強攻に押し通したオバマの勇気は讃える価値があると思う。

特に、私は以前から同性愛者が合法に軍隊に勤務することには賛成だった。実を言うとクリントンが大統領候補だった時、もしカカシに投票権があったならそれだけでクリントンに投票するつもりだったくらいなのだ。

この件についてはカカシも過去にいくつかエントリーを書いている。

どうして左翼は同性結婚には熱いのに、ゲイ軍人には冷たいのか?
民主党議員、同性愛者の軍隊勤務禁止法撤回を拒む
『ゲイを軍隊に入隊させろだ? 冗談じゃねえよ』

黒人を軍隊で白人の兵士と混合させた時も、女性兵士を男性と一緒に軍艦に乗せたりした時にも色々と反対はあった。だが、いざ隣り合わせで一緒に仕事をしていると、黒人だろうと女性だろうと大した差はない、ごく普通の軍人同士だということが解って来た。

特に同性愛者は、公にされていなかっただけで、これまでにもずっと勤務してきたのだから、公になったからといって何が変わるというものでもない。ゲイ男性と一緒にシャワーを浴びるのは嫌だとかいうくだらない言い訳は、仕事が忙しくなってくればどうでもいいことだ。

だいたいだ、二人並んでシャワーが浴びられるほど広いシャワー室があるような贅沢なところで仕事をしてる人間が文句言うな!私なんざ誰も居ない変な時間を見計らって20人部屋にひとつしかないシャワーを浴びてるんだぞ!

とにかく、私は公平な人間なので、評価すべきことはきちんと評価したい。

オバマ大統領、あなたの勇気に敬意を表する。公約を守ってくれてありがとう!

December 23, 2010, 現時間 12:14 PM | コメント (0) | トラックバック (0)

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December 4, 2010

ウィキリークスで明らかになったオバマ王政権の無能ぶり

アメリカ内政 , 対テロ戦争 , 防衛

先日ウィキリークにオバマ政権の外交に関する秘密情報が流された事件がもとで、政府機関では政府の秘密情報を扱う政府ネットワークからのダウンロードが全面的に禁止になった。この御ふれは数日前に突然出されたもので、政府ネットを日常的に使っている職員らから言わせれば非常な迷惑である。こういうふうに日常の仕事に支障を来すような決断をするなら、その影響を考えた上で除所に対策を考えるべきなのに、オバマ政権は何もかもが事件が起きてしまってからの事後対策ばかり。今度のウィキリークに対する政策にしても、その遅さもさることながら、その無能さにはあきれかえって物が言えないというのが現実。

これについて、サラ・ペイリンが自分のフェイスブックでオバマ政権に対して数々の疑問を投げかけている。

まず第一に、ウィキリークスの責任者であるジュリアン・アサンジがこの非常に危険で高度な秘密情報を流さないようどのような対策が取られたのだろうか? 特に彼はここ数ヶ月の間にすでに一度ならず二度までもそういった情報を流しているのである。アサンジは「ジャーナリスト」などではない。それはアルカイダの英語版マガジン「インスパイアー」の「編集者」が「ジャーナリスト」などではないのと同じだ。彼は反アメリカ工作員であり彼の手は血で汚れている。彼が公表した秘密書類のよって100人以上のタリバンに関するアフガニスタン情報源の身元が暴露されてしまった。なぜそのような人間をアルカイダやタリバンのリーダー達を追跡するような緊急性をもって追跡しないのだ?
ペイリンはさらに、オバマ政権はNATOやヨーロッパ連盟や他の同盟国に協力を求めてウィキリーク組織破壊を計ったのか、一時的もしくは永久的にウィキリークの作動停止をするために出来る限りのサイバー技術を駆使したのか、ウィキリークで働く職員らや公表された書類や情報に関する捜査は充分にされているのか、少なくとも彼らの資産を凍結するくらいのことはするべきなのではと言った質問を立て続けにしている。そして、特に米国諜報部に対して、何故若干22歳のたかが一等兵にこのような重要機密情報に関する無制限にアクセスの権限が与えられていたのか、そしていかにして誰にも気づかれずに彼がそれをコピーして配布するなどということが可能だったのかと疑問を投げかけている。

オバマ政権は遅まきながら先に述べたように慌てふためいて政府ネットからのダウンロードを禁止し今後漏洩が起きないように動き始めたが、ペイリンは何故最初に漏洩が起きた時点でその対策を取らなかったのだと問う。

確かに全くその通りだ。私も2〜3ヶ月前に軍事秘密が漏れた時点で、なぜアメリカ政府はウィキリークスのサイトを即座に閉鎖し、その責任者を逮捕しないのかと不思議だった。責任者がオーストラリア市民であるから直接は逮捕できないとしても、オーストラリアに協力を求めることは出来たはずだ。それが当時の報道ではアサンジにこれ以上秘密情報を流さないようにと促しているといった程度の甘さだった。

私が思うにオバマ政権は防衛に関する感覚が鈍いので、軍事機密が漏洩したことの重要さに気がつかなかったのではないだろうか。ペイリンも指摘しているようにこの情報の漏洩によって何百人というアフガン人がタリバンに殺害される危機にさらされたが、もともと戦争が嫌いなオバマ王やその取り巻き連中はそれが我が軍の戦況に悪影響を及ぼすことなど特に興味がなかったのだろう。それが今回突然にして慌てふためいたように、その影響も考えずに政府ネットからのダウンロード禁止などという思慮の足りない対策をとりはじめたのも、今回の漏洩は外交に関するもので、それによってオバマ王やその政権の連中が個人的に恥をかかされたからに他ならない。

国家防衛を脅かす漏洩には無頓着でも自分らに恥じをかかす漏洩には敏感という、なんともしょうもない奴らなのである。それにしても軍事秘密が流されるなら、次は外交秘密情報だくらいの予測はたたなかったのか?アメリカの諜報部はいったいなにをやってるんだ?

こういうふうだから一般市民のプライバシーを侵害するような捜査をしてTSAが航空機をテロの危険から守るためだとか言っても、アメリカ国民が納得しないのは当たり前だ。自分らがすべきことをしないで、一般市民の犠牲ばかりを求めるオバマ王政権。

しかもどうすれば秘密情報が守れるのか少しも解っていないオバマ政権なので、その対策もやりかたが思いつきのいきあたりばったりなものばかり。おかげでそんな政策に振り回される軍隊や連邦政府の一般職員達は大迷惑である。



December 4, 2010, 現時間 10:19 PM | コメント (0) | トラックバック (0)

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August 31, 2010

護衛艦「あたご」裁判で感じた、日本人と謝罪の文化

防衛

先日、日本の情勢に詳しい先輩に「そういえば、『あたご』の件はどうなったんでしょうねえ。」と聞いたら、今裁判が起きているという話で、それに関する記事を送ってくれた。先輩は「あたご」の乗組員とは顔見知りで、幹部の人たちとは少なからぬ関わりを持っていた人である。

先輩によると「あたご」の事故が起きた千葉県房総半島のあのあたりは、常に漁船の交通が激しく、漁船は自衛隊を好ましく思っておらず、時にわざと航路を邪魔するような行為を取るということだった。そういう話は他でも海上自衛隊の人から聞いた事があるので、まんざら嘘でもないのだろう。

もちろん、漁船と護衛艦ではぶつかった場合比べ物にならないから、漁船がわざと護衛艦にぶつかるなどということは考えられないが、護衛艦がよける、もしくは止まることを見越して、多少の嫌がらせぐらいはするかもしれない。

ま、日頃からそういう場所なので、自衛隊の方も細心の注意が必要であった。注意不行き届きだった、というのは事実かもしれないが、私の印象では、どうもこういうことが起きると、何でもかんでも全面的に自衛隊が悪いという扱い受けるような気がする。

軍事評論家で作家の佐藤守氏のブログを読んでいて、彼が紹介している「今になって漁船がわるいなんて」という記事に興味を魅かれた。

イージス艦「あたご」と漁船「清徳丸」の衝突事故から2年半。23日にようやく始まった刑事裁判で海上自衛官2人は「亡くなった2人のご冥福をお祈りする」と頭を下げ、無罪を主張した。一方、清徳丸に乗り組み、帰らぬ人となった千葉県勝浦市川津の吉清(きちせい)治夫さん=当時(58)、長男の哲大さん=同(23)=の遺族や地元漁協関係者は「今になって漁船が悪いなんて」と複雑な思いで初公判を迎えた。

軍隊が相手だと、先ず軍隊の非を責めるのはアメリカでも日本と同じだ。イラク戦争中にも何度無実の米軍兵が市民を虐殺したといって裁判にかけられたか知れない。確かにアルグレーブ収容所みたいな例あるにはあるが、ああいうことは先ず稀だ。2005年に海兵隊員が市民を虐殺したとして、あれだけ騒がれたハディーサ事件も、実際にそのような虐殺事件は起きなかったことが2年以上に渡る裁判の結果はっきりし、ほぼ全員が不起訴もしくは無罪になった。

米軍の場合は、最初から兵士らが自分らに非はなかったと主張していたのとは対照的に、「あたご」の場合、艦長さんがわざわざ遺族の家に謝りに行ったりしている。だから謝っておいて今更こっち(漁船側)が悪いというのはおかしいじゃないかという遺族の気持ちは解らないではない。

ただ、日本の文化ではたとえ自分が悪くないと思っていていも、一応謝っておいて、ことを無難に済ませようという風習がある。だから日本では謝るということと非を認めるということは必ずしも同じことではない。

私はアメリカにホームステイで来たばかりの頃、奥さんから何か責められる度に「すいません」と頭を下げていて、「あの子は素直でいい子だ」と思われるどころか、「あの子はドジばかりやっている」と思われてホームステイの家を放り出された経験がある。

アメリカでは交通事故でも、ぶつけて来た相手から訴えられるなんてのは日常茶飯事だ。(カカシも自分が一時停止を無視して突っ込んで来た若い女から慰謝料を請求されぶんどられたことがある。)自分に非がある場合でさえそうなのだから、ましてや自分に非はないと確信出来る場合や、事情がはっきりしていない場合には絶対に謝らないのが常識。

とはいうものの、もしあそこで艦長さんが謝罪をしなかったら、ぶつけておいて挨拶にも来ないといって、遺族のみならず、世論やメディアからどれだけ叩かれたか知れた物じゃない。どっちが悪いにしても、やはり護衛艦の方が大きいのだし、遺族は家族を失ったのだし、とにかく一応謝っておくというのが日本人の道徳というものだ。それは決して自衛隊の方に完全な非があるという承認ではないはず。

だが、日本人同士でもこうなのだから、相手が外国人だった場合には、やたらな謝罪は非常な問題を招く。

先日も古森氏義久氏のブログでが、菅総理による日韓併合の謝罪に関して、拓殖大学学長の渡辺利夫氏著の批判記事を読んだが、まったく同感できる。(強調はカカシ)

韓国併合(日韓併合)条約は1910年8月22日に調印され、同29日に発効した。併合100年を機に菅直人氏の首相談話が、過日発表された。往時の日韓関係についての事情を顧みることなく、謝罪自体を自己目的としているがごとき談話であった。(略)
「私は、歴史に対して誠実に向き合いたいと思います。歴史の事実を直視する勇気とそれを受け止める謙虚さを持ち、自らの過ちを省みることに率直でありたいと思います」

 現在の価値観をもって往時の日韓関係を眺め、“そういうことはあるべきではなかった”と考えることが、どうして謙虚で率直で勇気のあることなのだろうか。併合条約を有効だとする日本が、条約自体を無効だと言い張る韓国に謝罪の言葉をいくら積み上げたところで、相手を満足させることなどできはしない。道義において自国がいかに劣っていたかを強調すればするほど、姑息(こそく)と卑屈にみずからを深く貶(おとし)めるだけである。現在の価値観で過去を論じることのいかがわしさに、もうこのあたりで気づかねばならない。

まさしくその通りなのだが、現在の価値観のみならず、自分らの価値観と外国文化の価値観の違いにも注意すべきだ。

オバマ王がイスラム圏諸国でやたらとアメリカの過去の『非』を謝っているが、この謝罪ツアーがアメリカ国民をどれだけ怒らせているかは、この間のグレン・ベック主催の集会に、集まった人の数だけみても、オバマ王が何かとアメリカの価値観を諸外国で謝罪しまくる行為を、アメリカ文化の否定と侮辱と取って怒っている人がいかに多いかを表している。

そして謝られた当の国々がアメリカの潔さを買って「その方の態度はなはだ神妙である。」よって今後はアメリカを攻撃するなどということはしないでおこう、などと感心してくれたかといえば、無論そうではない。彼らはオバマの謝罪行為により、アメリカは自らも認める悪徳非道な国であり、オバマのアメリカはブッシュ時代とちがって腰抜けで弱体なので、こっちが何をしても反撃しないだろう。いまこそアメリカを攻めるチャンス。と思った事間違い無し。イランや北朝鮮の態度を観ていれば、これは一目瞭然だ。

さて、話を元にもどすが、私は事故の詳細を知っている訳ではないので、被告の二人が無罪なのか有罪なのかという判断をすることは出来ない。ただ、後潟(うしろがた)桂太郎さんと、長岩友久さんが、政治的な思惑で犠牲にならないよう、公正な裁判において無罪になってほしいと思う。

過去の関連記事:

護衛艦「あたご」半年ぶりに舞鶴に帰港
護衛艦「あたご」乗り組み員一か月ぶりに休暇許可おりる
気の毒な護衛艦「あたご」の乗組

August 31, 2010, 現時間 10:15 AM | コメント (0) | トラックバック (0)

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June 24, 2010

アフガニスタン戦争司令官マッククリスタル将軍、オバマ批判を巡ってペトラエウス将軍と交替

対テロ戦争 , 防衛

オバマ王が直々にアフガニスタン戦争の司令官として任命したマッククリスタル将軍が、先日こともあろうにリベラルなローリングストーンズマガジンで、オバマ批判のインタビューを受たことが発覚。ツラの皮が薄いオバマ王は激怒し、戦争中のマッククリスタル将軍をわざわざ戦場のアフガニスタンから呼び戻して釈明を求めるという異例な行為にでた。以下毎日新聞より。
 

問題となった記事は、アフガン駐留米軍に同行取材したフリーランスのヘイスティング記者が25日に発売予定のローリングストーン誌に寄稿したもの。

 米CNNテレビが公表した記事の抜粋によると、09年1月の大統領就任約1週間後に国防総省で米軍幹部と会ったオバマ大統領の印象について、マクリスタル氏側近は、「(大統領は)不快でおびえたように見えたとマクリスタル氏は感じた」と証言。さらに側近は、その4カ月後にホワイトハウス執務室で大統領と会談したマクリスタル氏について、「大統領が(アフガン戦争に)あまり関心があるようには見えず、とてもがっかりしていた」と暴露した。

 また、増派に反対したバイデン副大統領については、マクリスタル氏自身が「バイデン副大統領のことを聞くのかい? バイデンって誰だっけ」と笑いながら不快感を示した発言を引用している。

 記事の掲載が分かり、マクリスタル氏は「心からのおわびを申し上げる。浅はかな判断による誤りで二度と起きない。オバマ大統領と安全保障スタッフには敬服している」との声明を発表した。

ローリングストーンズみたいな人気雑誌にインタビューを載せておきながら、今更詫びを入れても遅いと思うが、マッククリスタルほどのキャリア軍人にしてはその「浅はかな判断」があまりにも行き過ぎだ。

朝鮮戦争の時に、太平洋戦争で大手柄を立てたマッカーサー将軍が時のトゥルーマン大統領に批判的な発言をして首になった例でも解るように、たとえどれだけ過去に英雄として讃えられた将軍であろうとも、現役の軍人が軍隊の総司令官である大統領の政策と矛盾する発言をすることは断固禁じられている。これは解雇されても文句の言えない違反行為である。

しかしだ、マッククリスタル将軍はオバマの政策に矛盾するような発言をしたわけではない。多少大統領に対して侮辱的な発言をしたくらいで戦争中に指揮官を首にするというのは賢いやり方ではない、、、と書いているうちにニュースサイクルが変わって、オバマはマッククリスタルを解雇してマッククリスタルの上官でイラクで対抵抗軍戦略COINを実行して成功したペトラエウス将軍を替わりに任命した。(議会の承認が必要がだが、先ず承認は間違いない。)

いやあ、皮肉なもんだな。オバマは候補者時代はさんざんブッシュのイラク政策を批判し、イラク戦争の司令官だったペトラエウス将軍などはリベラルからさんざん悪者扱いされて叩かれたものだ。

アフガニスタン戦争はブッシュ前大統領の元に比較的安易に勝利を得、その後もイラクの混乱に比べて安泰だったため、一時期は「忘れられた戦争」と言われるまでになっていた。

それがオバマ政権に交替した途端に戦況は急激に悪化し、オバマ王が任命したマッククリスタル将軍はイラクで成功したCOIN作戦をアフガニスタンでも実施すべきだとしてオバマ王にアフガニスタンへの増兵を要請した。オバマ王が将軍の要請を部分的に受け入れるまでに何ヶ月もかかった事実はカカシが以前にも書いた通り

その直々に任命したマッククリスタルから戦況を理解していないと批判されて怒ったのはいいが、その後がまに自分がさんざん批判したペトラエウス将軍を任命せざる負えなくなったというのも、いかにオバマ王が不能かを証明することになってしまった。

私はマッククリスタルが辞任することを恐れていたが、その替わりが大御所のペトラエウス将軍なら安心だろう。

ペトラエウス将軍がこれでアフガニスタンでも勝利を収めた場合、軍隊引退後は大統領選挙に出馬してオバマ王を負かすなんてことがおきるかも。がんばれペトラエウス将軍!

June 24, 2010, 現時間 10:39 PM | コメント (2) | トラックバック (0)

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April 8, 2010

「核兵器は使いません!」アメリカを守る気がないオバマ王

防衛

このニューヨークタイムスの記事によると、オバマ王はアメリカの核兵器使用について、これまでどの大統領も宣言しなかった核兵器不使用の意志を明らかにしたとある。

オバマ王は月曜日、アメリカの新しい核兵器作戦として、今後、合衆国が核兵器を使う条件を、これまでよりずっと厳しくする意志を表明した。この新しい作戦には、今後アメリカは新しい核兵器の開発をしないなどという、自国の防衛長官の推薦すら否定するものも含まれている。

アメリカが核兵器をどんな場合において使わないかなどという方針を公表したのは前代未聞。これによると合衆国は非核開発協定に従っている核兵器未所持の国に対して核兵器を使用しない。たとえ生物、化学、及びサイバー攻撃による攻撃を受けたとしてもだ。

敵国にアメリカの核兵器使用作戦を堂々と発表してしまうとは、いったいオバマ王にはアメリカを守る気があるのか、と聞きたいね。だいたいこちらがしたでに出て攻撃を遠慮する相手と戦争してるのか?911同時多発テロはどうしておきたと思ってるんだ?アメリカが核兵器は開発しない、攻撃されても核兵器で迎撃しないとなったら、よーっしゃ、この隙にがんばろう、とここぞとばかりに核兵器開発に努めるテロ国家がかえって増えるだろう。これでアメリカが攻撃される可能性がより一層高まったといえる。

だが、オバマ王の左翼ぶりを知っていた我々保守派からすれば、今回のオバマ王の発表は奴の左翼精神に乗っ取ったものであり、決して驚くべきことではない。
.
パワーラインが紹介しているオバマ王の皇太子時代のビデオのなかで、オバマ王は防衛に関する方針を明らかにしているが、これを観ていると背筋がぞっとする。そのいわゆるオバマ王の防衛マニフェストとは、、

  • 性能が証明されていない弾道ミサイルシステムへの投資を差し止める。
  • 宇宙を武器化しない。
  • 将来の戦闘組織の発展をおくらせる。
  • 独立した 「防衛優先委員会」を設立し、四年ごとに防衛費の無駄つかいがされていないか見直す。
  • 核兵器のない世界のゴールを決める。
  • そしてそのゴールのために、核兵器開発は行わない。
  • 核分裂性物質の製造を世界的に禁止するよう勤める。
  • ロシアと交渉して我々の大陸横断弾道ミサイルに対する警告を敏感な引き金からはずす。
  • そして、我々の核兵器への防衛費を大幅にけずる。

オバマはアメリカを敵国から守りたいと思っていない。いや、それどころか敵国によって今ある形を破壊され、新しく社会主義国家として生まれ変わって欲しいとでも思っているのだろう。そのためには、アメリカが強靭な自由国でいるよりも、弱体化したほうが都合がいいと考えるのだろう。なんにしても、オバマにアメリカを守る意志はないのだ。

April 8, 2010, 現時間 5:38 PM | コメント (1) | トラックバック (0)

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January 31, 2010

普天間基地移転問題に持つ疑問

防衛

今日のドラッジリポートの見出しで東京で行われた普天間基地移転問題のデモ行進の模様が紹介されていた。(APやNYTではオバマの手前遠慮があるのか報道されていない。)

この件については、日本に住んでいないカカシにはちょっと理解しにくいことなので、どなたかご教授願えるとうれしいのだが、なぜ普天間から米軍基地を移転しなければならないのだろうか?

アメリカの場合、基地が閉鎖されるというのは良いことではなくて悪いことだというのが常識だ。防衛費節約のために国内における基地閉鎖の予定が発表されるたびに、基地のある地元は「今度は自分らの基地かもしれない」と思ってびくびくするものなのだ。

その理由は言わずと知れた経済問題だ。例えば基地が閉まらなくてもキャリアー一隻来なくなるだけで、その海軍港はすたれる。なにしろ何千人というキャリアーの乗り組み員のみならず、その家族、修理や維持関係の技術者とその家族、といった人口が一遍にその場所から立ち去るのだから、そうなれば、住宅や商店街や飲食店やそのた諸々のサービス業が大幅に痛手をこうむる。

基地が雇う民間人の人員の数も馬鹿にならない。

基地のある地元の経済は基地で成り立っているところも少なくないので、基地閉鎖というのは地元民にとっては死活問題なのだ。

長年米軍基地があり、国民の反対運動で撤去されたフィリピンでも、基地閉鎖派が圧倒的多数だったわけではないという。特に地元の人々は意外と基地を支持していたらしい。それが反対派が政治勢力に者を言わせて地元民の意志を無視してアメリカを追い出してしまった、と感じている地元民も少なくない。閉鎖後は仕事にあぶれたフィリピン人がアメリカへのビサを申請し、アメリカ国内の基地で働いている人も多い。

ちなみに、フィリピンは長年アメリカの植民地だったので、フィリピン人は米軍に正規兵として簡単に入隊できる。今でも特に海軍にはフィリピン兵が多い。

ただ、基地と一口にいっても色々ある。海軍基地で飛行場がなく、単に軍艦が出入りするだけならば特に騒音に悩まされるということはないが、戦闘機の離着陸や実弾を使った訓練の音がしょっちゅうする基地はまた別だろう。

米兵らによる犯罪も無視できない。

それに、自国の軍隊基地であるならまだしも、外国の、しかも戦争に破れたことが直接の原因となってそのまま残った基地とあっては、やはり感情的なものが違うだろう。外国の兵士らが我が物顔で歩き回るのは忌々しいという気持ちはわかるし、基地がある限り敗戦は終わらないと感じる人がいるのも解る。

ただ、現実の防衛を考えた場合、日本には軍隊基地が必要だ。それが米軍のものでは嫌だというのであれば、日本はそれなりの防衛費を使って自分らの軍隊を強化するしかない。平和どうの、憲法第9条がどうのといってみても実際に存在する敵が消えてなくなる訳ではないのだから。

この問題について、各国の思惑を述べているこのブログのエントリーは面白い。

今は表面的に鳩山首相が窮地に立たされているが、追いつめられたのは、アメリカの方なのだ。

米軍再編の構想を立てて日本に「応分の」という名目で、なるべく多くを負担させようとしていたのだが、自民党が負けてしまった。現内閣の支持率から見て、自民党の復権は当分望めそうもない。来年の参院選では、小沢氏の献金疑惑がクリーンになって国民に分かるように説明すれば自民党の再逆転どころか民主党の地盤がかえって強化されそうだ。前政権との了解事項を早く実行せよと迫る以外に方法がない。

唯一の希望は、「アメリカの信頼を失うと日本は大変なことになる」という恐怖心を日本国民の間に流布することで、マスコミもそれに協力しているのだが、現政府を倒すほどの力は出てこない。

そこで現実的にとることのできる対策は、「普天間をなるべく高く日本に買い取らせる」事に集約される。

日本の負担で辺野古に新基地ができるのは、今でもやはり魅力だろう。口に入りかけたご馳走を吐き出したくはない。

だが戦略的に見たら、海兵隊はグァムに集めておくのが自然だ。政権交代が視野に入った時点で、普天間からの撤退を考える他筈がない。日本側の要望で、日本側の負担で辺野古に前進基地ができるのなら、解決したと考えたから甘い。

だから落としどころはグァム移転でいいのだが、すんなり認めたのでは、鳩山政権の手柄になってしまう。アメリカに従順な政権の復活が絶望的になる。

ま、オバマ王が相手ではどうなるか解らんね。なにしろオバマ王は外交は素人だし(何もかも素人だが)特に防衛には全然興味のない人だから、金さえかからなければいいと思ってるんじゃないかな。

極端な言い方をするならば、日本がアメリカ軍のグゥアム移転に金をだしてくれて、しかも極東防備の最前線として日本が独自の防衛をしてくれたら、それこそオバマ王にはもってこいのシナリオなのではないだろうか? ま、日本でそんなことが可能かどうかは別だが。

ただ、話せば解る式外交でブッシュ時代の強攻政策で得た諸外国からの反感を緩和していきたいと言っていたオバマ王だが、日本になど特に注目してこなかったアメリカ人からみたら、なんで、これまで友好関係にあった日本で、こんなことが起きるんだ、と不思議でしょうがないだろう。

こと防衛や外交にはブッシュ大統領のような強硬姿勢も必要なのではないか、少なくともブッシュ時代にはこんなに大仰なデモが日本で起きた記憶がない、と考えるアメリカ人も多いのではないかな。

January 31, 2010, 現時間 10:23 AM | コメント (6) | トラックバック (0)

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January 22, 2010

だから、なんで同性結婚がそんなに大切なんだよ?

フェミニズム , 同性婚 , 宗教と文化 , 防衛

今週は同性愛者の公な軍隊勤務と同性結婚について左翼の矛盾をミスター苺が書いたMartial Arts and Marital Dartsを元に考えている。

本日はその第五話。

さて、同性結婚はプライバシーの問題なのではないか、という議論を考えてみよう。

この議論はドウ考えてもおかしい。社会に同性結婚を認めよという要請がなんでプライバシーってことになるんだ?

まったく。

これに比べてソドミー法は、典型的なプライバシー侵害だった。同意した大人同士が閉ざされた扉の向こうでなにをしようと誰に迷惑がかかるというのだ?

だからなんで同性結婚なんだよ?

さて、いい加減に俺が最初に答えがあるといった「何故」という質問に答えよう。

どうして同性愛活動家たちは、簡単に国民を説得できるゲイの軍隊勤務合法化よりも、国民の多数派が反対している同性結婚に力を入れるのか?

敵の支配こそ権力の増強となる

俺が思うに、ゲイ活動家はオープンに軍隊に勤務したいなんて思っちゃいない。何故ならゲイが本当の意味でアメリカ社会に溶け込むことなんて望んじゃいないからだ。同性愛共同体のthe Gay and Lesbian Alliance Against Discrimination (GLAAD)とか、エイズ活動の the AIDS Coalition to Unleash Power (ACT-UP)だの、the Lamda Legal Defense やEducation Fund、そしてEquality Californiaなんていう市民団体の権力は、個人で闘う力を得た主流なゲイなんかから来るのではないく、臆病で依存症で孤立した弱い人々の唯一つの希望として頼られることによって力を得るのだ。

「革新的」と言われるthe ACLU, People for the American Way, Democracy Alliance, そしてムーブオン(MoveOn.org)なんていう市民団体はリベラルを力づけるなんてことは絶対にしたくないのだ。何故なら力ある個人はこんな市民団体なんか必要としないからだ。左翼の市民団体のスローガンは常に「君たちは弱者であり無力だ。だから我々に頼るしかないのだ。我々に金を払え、君らのために闘って上げよう」組合が弱く無力な労働者の代表を気取るのと全く同なのだ。

ゲイ活動家も全く同じだ。彼らは常にことを個人の力と全体とのゼロサムゲームだと考える。活動家が個人と全体のどちらの味方かは明らかだろう。

主流な同性愛者に左翼は興味がない。フェミニスト各団体や環境団体と同じように、ゲイ活動家も左翼が最優先、ゲイであることなど二の次なのである。

January 22, 2010, 現時間 4:12 PM | コメント (0) | トラックバック (0)

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January 21, 2010

結婚の定義における性別対人種の違い

フェミニズム , 同性婚 , 宗教と文化 , 対テロ戦争 , 防衛

今週は同性愛者の公な軍隊勤務と同性結婚について左翼の矛盾をミスター苺が書いたMartial Arts and Marital Dartsを元に考えている。

本日はその第四話。

結婚の定義における、性別対人種の違い

同性結婚と異人種間結婚における比較には問題がある。それというのも異人種間結婚については、カリフォルニア最高裁の1948年のペレズ対シャープ裁判(Perez v. Sharp, 32 Cal.2d 711, 198 P.2d 17)で人種が結婚の定義に用いられることが違憲であると判断された頃から、市民の間ですでにほぼ合意が得られており、法廷が市民の意見を率先したわけではなかった。

1948年の判例に始まって1967年 (Loving v. Virginia, 388 U.S. 1 (1967)) で連邦最高裁において、最終的にアメリカにおける異人種間結婚禁止は違憲であるという判定が出た時には、1865年から1870年に起きた南北戦争も含み1964年の人権法も経て、すでに国民の間では人種差別は不法であるという認識が広く受け入れられていた。

だいたい科学的に人種の差別など証明できないし、黒人や白人や黄色人種などの間に決定的な差など存在しないことは科学者の誰もが認めることだ。

だが同性結婚にはこのどれもあてはまらない。

国民全体どころか州民の間ですら同性結婚が普通の結婚と同じように扱われるべきだなどという合意は存在しない。州によっては同性結婚支持派がかろうじて多数派を占めるというところがあるかもしれないが、(それにしたってかなり疑問だが)同性結婚の合法化が州民全体の意見として受け入れられている州など存在しない。

ここ数年における同性愛活動家による訴訟が起きるまでは、同性結婚を認める州など存在しなかった。同性結婚の前例などまるで存在しなかったのである。

それにくらべて、1776年、合衆国の最初の13州のうち多数派の7州までもが異人種間の結婚を認めていた。同性結婚はあきらかに法廷が率先しており、法廷の判決は市民の間から出た同性結婚をみとめないことが違憲だといった社会的合意への反応ではない。同性結婚憲法改正法だの憲法の見直しだのといった連邦政府の決議など全くされていない。

憲法に関する議論と言えば、1996年の the Defense of Marriage Act of 1996で、結婚は一夫一婦制であるべきという反対の議論はあっても、民主党が与党を占めている2007年から2009年にわたる議会ですらも、一夫一婦制を違憲とするという法案など提案されたこともない。それどころか、あちこちの州で同性結婚を禁止する法律が通されているくらいだ。

つまり、アメリカにおいて全国的にも地方的にも同性結婚を支持するという考えは市民の合意を得ていないのである。これはバーモント州議会のように甘やかされた左翼エリートのペットプロジェクトとして残っているだけなのだ。

そしてもちろん、人の性別(ジェンダー)は人種とは違って、特別な場合を除いて、生物学的にその違いが決定的に証明される。

結論として、結婚に関して語る時、人種と性別では全く比べ物にならないのである。

January 21, 2010, 現時間 11:27 AM | コメント (0) | トラックバック (0)

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January 20, 2010

同性結婚でステータスを求めるゲイ達

同性婚 , 宗教と文化 , 対テロ戦争 , 防衛

今週は同性愛者の公な軍隊勤務と同性結婚について左翼の矛盾をミスター苺が書いたMartial Arts and Marital Dartsを元に考えている。

本日はその第三話。

同性結婚でステータスを求めるゲイ達

同性結婚は自由の問題じゃない。これはステータスの問題だ。アメリカにおいてゲイであることは違法じゃない。同性行為をすることも、同性同士の同棲も、法律とは関係なく宗教上の結婚式を協会やお寺や聖廟で、友達や親戚を集めてやる分には何の問題もない。ほとんどの州ですでにドメスティックパートナーシップという結婚していない同棲カップルを守る法律が存在しており、不動産の相続や病院での面会などといった権利は保証されている。

法廷の独裁に抵抗している州が主張しているのは、単に州政府が同棲結婚を認めないということだけなのだ。この法律は同性結婚式に警察が手入れに入ってカップルを逮捕したりとかするわけじゃない。ただ、州政府による公式な認定はしないというだけの話である。

にもかかわらず、わずかな少数派である同性結婚活動家たちは社会の根本的な価値観である結婚を変えたいというのである。アメリカだけでなく西洋文明を何千年とつちかってきた価値観を「我々市民」の意志に背いて強制的に押し付けようというのだ。 彼らはアメリカに同性愛結婚に伝統的な結婚というステータスを市民が好むと好まざるとに関わらず授けろと強要するのである。ステータスは自由の権利ではない。同性カップルが夫婦のように振る舞うことを禁止する法律はない。だが、活動家たちは政府がその行動を許容するだけでなく奨励すべきだと言うのである。

これに比べて、同性愛者がオープンに軍隊勤務することを許可することには、アメリカの根本的価値観に違反しない。社会に特別に別の行き方をする人々への奨励も要求しない。国家防衛に必要な人材網を増やすというだけで、むやみに有能な兵士をゆすりの対象にしないということも含め、国家にとってマイナスになるようなことは何もないのである。浮気をしただけで除隊を強制される人がいないように、この悪法さえ取り除かれれば同性愛者であることなど問題ではなくなる。

だが、同性結婚も、好きな相手と結婚する権利という、自由の権利の問題ではないのか、という疑問はどうすればいいのか?

次回は異人種間の結婚と比べて考えてみたい。

January 20, 2010, 現時間 2:10 PM | コメント (0) | トラックバック (0)

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January 19, 2010

『ゲイを軍隊に入隊させろだ? 冗談じゃねえよ』

フェミニズム , 宗教と文化 , 対テロ戦争 , 防衛

今週は同性愛者の公な軍隊勤務と同性結婚について左翼の矛盾をミスター苺が書いたMartial Arts and Marital Dartsを元に考えている。

本日はその第二話。

『ゲイを軍隊に入隊させろだ? 冗談じゃねえよ』

同性愛者の公な軍隊勤務を反対するに関しては非常に多くの問題点がある。

俺(ミスター苺)はこれまでゲイが秘密裏に勤務する方がオープンに勤務するよりも望ましいという納得のいく意見を聞いたことがない。

今日において、ゲイ男性がストレート男性より劣っているなどという議論がまともだなんて考える奴はいないだろう。ゲイ男性がひ弱だとか女々しすぎてストレートな男性と並んで闘えないなんて馬鹿げたことを言う奴はいない。ただひとつ聞かれるのは、反対意見としてはかなり弱いが、オープンなゲイがいると(内密にしているのとは違って)回りのストレートな人間が居心地がわるいからといったくだらない理由だけだ。

同性愛行為をする傾向のある人物が軍隊の規律や士気に悪影響を与えるというのは、全く証明されていない偏見にしかすぎない。これは「女はPMSがあるから戦闘パイロットにはなれない」と言ってるのと同じで全く根拠がない。

こんなのは、単にホモに見つめられるのが嫌だという、以前に「黒人と一緒に仕事なんかできるか」といっていた人種差別者たちと同じで、性嗜好の違いへの偏見に過ぎない。どちらの場合も同性愛者とか黒人といった当人に問題があるのではなく、偏見を持った人間の過敏な神経が問題なのだ。

今日、誰かがゲイだということが解ったからと言って、隊の士気が乱れるなどという根拠はない。それどころか、ほんの一部の差別者を除けば、ほとんどの兵士らは同性愛が明らかになって辞任させられる仲間を懸命にかばうくらいだ。

同性愛者が隊の士気を乱すなどという理屈は1950年代かそれ以前なら信じられたかもしれない。黒人と白人兵を混ぜた軍隊への反対論が、社会がヒットラーによる人種差別を見せつけられる以前になら成り立ったように。しかし、いまや、「ゲイは気持ち悪い」などという反論は偏見への執拗な執着以外の何者でもない。

ゲイにその嗜好を隠すことを強要するのは、彼らをゆすりの犠牲者にする可能性が高い。暴露されることを怖れて敵に手助けをする者も出るかもしれない。

ゲイは人口のほんの2〜3%にしか及ばないが、その道徳心は一般人口と変わらないだろう。とすれば、ほとんどのゲイたちは国に危険を及ぼすくらいなら除隊を選ぶだろう。だが、なかにはキャリアの方が何よりも大事だと思う兵士もいるはずだ。ストレートな将校のなかに浮気をする人間がいるように。

単に浮気願望があっても実行に移さない人間を除隊させることが出来ないのとは違って、ゲイ男性やレズ女性は同性愛の傾向があるというだけで除隊されることが合法なのである。現在の法律ではゲイ男性が実際に同性行為を行わなかったとしても、そういう嗜好があるというだけでキャリアを失うという罰を受けるのだ。

同性愛者または両性愛者は、自分の性的嗜好を明らかにした、もしくは同性の人間と結婚しようとした、ということが明かになれば除隊をやむなくされる。たとえ同性結婚が合法な州での結婚であり、入隊前のことで、今は離婚して同性愛主義は止めたと言う人であっても、そいうい過去があったことが暴露されれば強制的に除隊なのである。

他に何の欠点もなく、何の悪行も犯してない人に、多くの人々が生まれつき持っていると信じる性嗜好のみによって、アメリカ市民が軍隊で勤務できないというのである。

我々が我々であることを理由に我々の文明を破壊しようという敵との闘いにおいて、どの市民も武器を持って社会を守る権利があるというのはリバティに関する問題だ。にもかかわらずこの法律は憲法は市民が軍隊において勤務する権利を認めていないと主張するのだ。

法律上はそうなのだろう。だがすべて合憲であることが道徳的に正しいということにはならない。

もし対テロ戦争が西洋文明にとって岐路となるものであると信じるなら、我々は気持ち悪いとかいうくだらない理由で良い兵士を拒絶する余裕はない。

軍隊か結婚か、それが問題だ

このように議論すれば、大抵のアメリカ人はこの「聞かない、言わない」政策は非常に不公平でアメリカ的でないと考えるはずだ。しかもアメリカの防衛に危険を与えるとなればなおさらだ。つまり、ゲイ活動家がその気にさえなれば、簡単に勝利を得られる問題なのである。にもかかわらず、彼らはほとんどこの問題には興味を示さない。

国民の大半が反対している同性結婚にこれだけ熱を入れるのは何故なのだろうか?俺からみたら、ゲイ活動家は現在の結婚制度を変えたいというより、破壊したいという雰囲気すら感じられる。一部の過激派なんて人々の意志を踏みにじって結婚制度を破壊することにオルガズムを感じるんじゃないかと思わせる。

これは決して数の問題ではないだろう。同性同士で結婚したがってるゲイの数が軍隊に入りたい人間より多いってことはないはずだ。いや、それどころか、同性結婚が合法な州での傾向をみていると、ゲイのなかで結婚したいと思う人の割合はストレートな人口より遥かに低い。

じゃあ、何故なんだ? 何故反対が多い困難な問題を、沈黙の多数派から自分らを浮き立たせ切り離すような戦いを、有権者が機会を与えられる度に拒絶してきた問題を選ぶのだ? 何故多数派がほぼ同意できる、保守派ですら味方にできる、アメリカ人の道徳や良心に訴えることが可能な問題を選ばないのだ?

テキサスのソドミー法(同性愛を含む多々の性行為を禁止する法律)を違憲とする最高裁の審判を考えてみてほしい。国民のほとんどがこの決断に異存を示さなかった。一部の保守派が騒いではいたが、ほとんどのアメリカ人は「今更そんなの当たり前だろ」と思った。これは自由なアメリカ人が自由に愛情を表現する権利の問題だったからだ。

これと同じように自由の権利として、「聞かない、言わない」政策の廃止も可能なはずである。

January 19, 2010, 現時間 6:18 PM | コメント (0) | トラックバック (0)

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January 17, 2010

民主党議員、同性愛者の軍隊勤務禁止法撤回を拒む

フェミニズム , 同性婚 , 宗教と文化 , 対テロ戦争 , 防衛

同性結婚についてはずいぶん熱弁を振るうリベラルたちが、同性愛者の軍隊勤務合法化についてはあまり興味がないのは何故なのだろう? はっきり言って、こっちのほうがよっぽども違憲だと思う。

国のために闘うというのは市民の基本的な権利のはず。それを同性愛嗜好だというだけで拒否されるのは同性結婚などという特権が与えられないというのとは全く度合いの違う問題がある。

17年前に、民主党のビル・クリントンは大統領になるまえに、同性愛者の軍隊勤務の合法化を公約して当選したが、与党の民主党からの抵抗に怯んで大した運動もせずあっさりと諦めてしまった。私はそれまでクリントンのファンだったが、一気に彼への信頼感を失った。

その時、妥協案として軍隊方針の指導者的立場にあるアイク・スケルトン民主党下院議員(Rep. Ike Skelton (D-Mo.) )が提案し定着したのが「聞かない、言わない」法だ。これは同性愛者が内密に軍隊に勤めている分にはかまわないというもの。つまり同性愛者でもそれがばれなければいいというかなり害ある法律。

大事な職種についている軍人が何かの拍子で同性愛者であることが公になったらこの人のキャリアは終わりなのである。それが勲章をいくつも貰って戦場で勇敢な活躍をした人であってもだ。こんな不公平な法律ってあるだろうか?

同性愛がばれなければいいということは、ばれたらおしまいということであるから、これはゆすりの原因にもなる。

軍隊に居る間恋愛関係も肉体関係も全くない人などいないだろう。同性愛者は恋人の存在を隠さなければならない。もしも関係が破綻して恨みを持った元恋人に裏切られたらどうなるだろうか?

極秘情報を持つ軍の上層部の人間が同性愛者であることを他国のスパイに知られたらどうなる?

こういう悪法は国家防衛にも悪影響及ぼす。

バラク・オバマも同性愛者軍隊勤務合法化を公約して大統領になったが、クリントンの時と同じスケルトン議員が断固として引かない姿勢をしめしている。オバマにはクリントン異常の根性があるだろうか?

私にはかなり疑わしいのだが。

January 17, 2010, 現時間 8:17 PM | コメント (0) | トラックバック (0)

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November 11, 2009

ジョージ・ケーシー、イスラム過激派の脅威を認める勇気がない腰抜け陸軍参謀総長

人権擁護法 , 宗教と文化 , 対テロ戦争 , 狂ったメディア , 移民問題 , 防衛

このあいだもプロファイリングは必要だで書いたように、アメリカ軍隊ではPC(ポリティカルコレクトネス)が行き過ぎで、イスラム過激派による脅威による適切な対処がされていないという話をしたばかりだが、先日数局のテレビインタビューにおける陸軍参謀総長のジョージ・ケーシー将軍の供述は聞いてて腹が立つというより呆れてしまった。この将軍は2006年までイラク戦争の総司令官として働いていたが、対反乱分子政策(いわゆるイラク増派)に反対し、昇進という形でペトラエウス将軍に総司令官の座を追われたあのケーシー将軍である。

詳しいことはミスター苺が書いているが、ここでいくつか引用させてもらう。

陸軍参謀総長ジョージ・ケーシーJr将軍は、日曜日、フォート・フッドにおいて12人の同胞兵と何十人のけが人を出す大量射殺事件を起こしたマジ・マリキ・ハサンの宗教についての憶測が「我が軍の他のモスレム兵士らへのバックラッシュ(反感)につながる」ことを心配していると語った。

「私はその件について我が陸軍の司令官たちに注意するよう告げた」とケーシー将軍はCNNのテレビ番組「ステートオブザユニオン」でのインタビューで語った。「これが非常な悲劇であるとはいえ、このことによって多様化が犠牲になってしまっては恥というものです。」

ケーシー将軍は日曜日に三つのニュース番組に出演し、ほとんど同じ言葉使いをし、ABC局の「ディスウィークウィズ ジョージ・ステファノポロス」でも陸軍の各ランクに所属する3000人を超すモスラム兵に対する偏見を防ぐ努力をしていることを語った。

「多様性のある陸軍は我が軍の強さです、、、」と金曜日にフォート・フッドを訪れたケーシー将軍は「ディスウィーク、、、」で続けた。。

「憶測はバックラッシュを促進します。」「フォート・フッドで起きた事は悲劇ではありますが、多様化が犠牲になることはそれ以上にひどい悲劇です。」

陸軍の多様性を守る事の方が、アメリカ兵の命を守る事より大事だというのか?いったいあんたはどこの国の陸軍将軍なのだ?いい加減にしろ!

今日フォート・フッドでは13人の犠牲者を弔う追悼式が行われ、オバマ王も妃と一緒に参加した。 偶然だが、今日アメリカは軍人の日で、現役退役軍人に敬意を表する祝日である。

オバマ王も連日「結論を急いでは行けない」といい続け、今度の事件がテロ事件であったことを認めようとしない。だが、その後犯人のハサン少佐が911事件の犯人達が通っていた聖廟に事件当時通っていた事実や、イエメンなどアルカエダの支部に積極的に連絡を取ろうとしていた事実が明らかにされている。はっきり言って、この人間がキリスト教徒でも、彼の普段の言動から怪しげな人物として捜査されているべきだった。

学校の同級生や同じ隊の上官など、前々からハサン少佐の異様な行動を心配していたというが、やたらな通報をして人種差別者だと判断されるのが怖くて公式な苦情を提出できなかったという。陸軍の参謀総長が人命より多様性を尊重するような風潮があっては、下の者が自分の肩書きに傷をつけるのを恐れて明らかな危険人物を通報できなかったとしても理解はできるというもの。

私が何度となくマキシムなる似非保守ブロガーにこだわる理由は、彼のやり方があまりにもアメリカの国防を脅かすリベラルのやり方にそっくりだからである。マキシムはカカシがイスラム過激派という一部のイスラム教徒を批判することが、イスラム教徒全体を差別する行為であると主張する。

例えば、日本人の学生がイギリス人の英語教師を惨殺した事件で、もしイギリス人がそれだけを見て「日本人は野蛮だ」と言ったら人種偏見だといえるが、「イギリス人女性を殺害したのは日本人だった」と指摘すること自体は差別でもなんでもない。日本にしろイギリスにしろ殺人を犯す悪い奴が存在するというだけの話だからだ。

それと同じでテロリストの多くがイスラム過激派であると指摘する事自体はイスラム教への侮辱でも何でもない。むしろテロリストへの批判をイスラム全体への批判と取ることこそイスラム教への冒涜と言える。

マキシムがリベラルでないとしても、一部を全体と混同する全体主義者であることに変わりはない。残念なことに、マキシムのような考えを持った人間がアメリカのリベラルには多くいる。その全体主義の思想がアメリカをどれだけ蝕んでいるか、今回のフォート・フッドの事件で明らかになったといえる。

November 11, 2009, 現時間 8:16 PM | コメント (0) | トラックバック (0)

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November 5, 2009

テキサス陸軍基地での大量殺人がテロだったらどうする?

対テロ戦争 , 防衛

本日テキサス州のフォート・フッド陸軍基地で乱射事件が発生。12人が死亡31人が怪我を負うという大事件が発生した。当初射殺されたと報道された犯人はどうやら生き残ったようで、その犯人像がはっきりしてくるにつれ、非常に戸惑う事件展開となっている。

11月6日10時12分配信 CNN.co.jp 捜査当局がCNNに語ったところによると、容疑者は精神科医の資格を持つニダル・マリク・ハサン少佐(39)と特定された。

軍報道官らによると、ハサン少佐は同日午後1時半(日本時間6日午前4時半)ごろ、イラク派遣兵士らの手続き、訓練センターとなっているスポーツ施設で、けん銃2丁を乱射した。施設内では、派遣予定の兵士らが書類記入などを行っていた。警察は共犯の疑いで兵士2人を拘束したが、その後釈放。さらに別の1人を拘束して事情を聴いているという。

ハサン少佐は同基地内の軍病院で精神科医を務めていた。地元CNN系列局が同州選出のハチソン上院議員の話として伝えたところによると、同少佐は近くイラクへ派遣されることが決まり、動揺していたとされる。

フォート・フッド基地は兵士4万人を擁する国内最大の陸軍基地。オバマ大統領は事件の知らせを受け、「恐ろしい悲劇だ」との声明を発表。犠牲者らに哀悼の意を表した。

少佐のハサンという名前からも察しがつくように、この兵士はイスラム教徒。しかもAPニュースによると、6ヶ月くらい前からインターネットのサイトに自爆テロ行為は自らを犠牲にして手榴弾の前に身を投げて同胞を救う兵士と同等だというような内容も含め、親イスラム反米的な意見を書き連ねていたらしく、捜査当局の注意を引いていたという。だが、まだ正式な捜査対象にはなっていなかったようだ。

ハサン少佐と一緒に働いたことのある退役軍人テリー・リー氏がフォックスニュースで語ったところに寄ると、ハサンはオバマ大統領がアフガニスタンとイラクから撤退することを望んでおり、よく戦争を支持する他の兵士達と口争いをしていたという。そして自分のアフガニスタンへの出動をなんとか阻止しようとしていたそうだ。

ハサンはまた陸軍制服のままで聖廟によく通っていたという。メリーランド州のシルバースプリングの聖廟のファイズル・カーン師によると、ハサンは昔からの敬虔なイスラム教徒だったが、兵士としての責務にも忠実だったという。

同聖廟において妻を求める書類には、ハサンは生まれはバージニア州アーリントン市としながらも、国籍はパレスチナと記入したという。

「なぜパレスチナ人と書いたのか解りません。彼はパレスチナ生まれではありません。」カーン師はハサンが過激派イスラム教という印象はなかったとし、聖廟でも問題になるような話はしなかったという。ハサンは2008年の4月に少佐に昇進する前、8年間下士官として陸軍で努めている。またバージニアテック大学時代にはROTCという陸軍学生予備軍にも所属しており、1997年に生物化学の学士を取得している。

この背景を聞いているだけでも、このハサンという男、かなり問題がある兵士だと言える。今現在アメリカはイスラム過激派と戦争状態にある。そういう時にイスラム国家に派遣される兵士のなかに敵に新派的な同情心を持っている人間を放置しておいていいはずがない。何故陸軍はもっと積極的にこの男の身元を調べなかったのだろう?

もっともアメリカではプロファイリングといって怪しげな人間の捜査などやたらに行うと、人権迫害だのなんだのといってイスラム市民団体や人権団体と称する左翼過激派から訴訟を起こされかねない。軍隊は結構保守的な場所だという印象があるかもしれないが、軍隊ほど回りからの批判に敏感に反応する組織もないのではないかと思う。だから軍ではハサン少佐の行動はおかしいと気がついていても何も出来なかったのかもしれない。

この事件の詳細がまだはっきりしていないなか、オバマ政権の高官はこれはテロ行為ではないと発表した。はっきり言ってこれがテロか単なる気違いの犯罪行為なのか今の段階で判断することなど出来ないはずだ。それをいちはやくテロではないと断言するところをみると、オバマ王はなんとしてもこの事件を国内に置けるテロ行為であるとは認めたくないとみえる。

それもそのはず、911以後、ブッシュ時代にアメリカ国内でテロ行為は一度も起きなかった。計画が途中で暴露され未遂に終わった事件はいくつもあったが、実際にアメリカ人の殺害に成功したこと事件は一度もなかったのである。それがオバマの代になったらテロ行為が起きたとなればこれは大問題。

だが、もし本当にこれがテロ行為だったとしたら、そしてこれが単にハサン単独の行為ではなく、アメリカ各地の基地で次々に計画されている大掛かりな陰謀だったとしたら、オバマ王はいったいどうするつもりなのだろうか?

カカシはちょっと前にアメリカの公共施設での警備が薄くなったように思えると書いた。今回の事件とあの施設での警備の薄さは、偶然ではないと感じるのはカカシの被害妄想だろうか?

November 5, 2009, 現時間 11:33 PM | コメント (0) | トラックバック (0)

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October 25, 2009

オバマ対鳩山、日米対立の危機?

東洋危機 , 独裁者オバマ王の陰謀 , 防衛

朝鮮日報は沖縄の米軍基地移転問題、深まる日米対立なる、ただならぬ見出しで長文の特集をしている。

この件については日本の読者の皆様のほうがカカシよりもよくご存知のことと思う。

ゲーツ米国防長官は21日、日本を離れる直前の記者会見で、日本政府に対し、普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設問題で退路を断つ圧力をかけた。飛行場を沖縄県内の他地域に移す、という過去の合意事項を日本が守らない場合、米国も沖縄駐留の海兵隊兵力8000人のグアム移転、普天間飛行場の土地返還という当初合意に応じない、と表明した。その上で、11月12日に予定されるオバマ米大統領訪日までに決断するよう迫った。ゲーツ国防長官は訪日期間中、自衛隊による栄誉礼も拒否した。

日本の外務省関係者は、「公の場で脅迫したにほかならない」「民主党政権を手なずけようとしている」と述べるなど、当惑した表情を隠し切れなかった。読売新聞は「日米同盟が一挙に緊迫している」と報じ、朝日新聞は「鳩山政権に対するゼロ回答だった」と評した。米国側の姿勢を、交渉の余地を全く残さない圧迫ととらえたものだ。

カカシは日本とアメリカとの軍事協力は好ましいものと考えている。だが、現在のオバマ政権の同盟国をないがしろにした態度を見ていると、鳩山首相の対応が必ずしも悪いものだとは思えない。オバマ王がポーランドやチェコ共和国に対してしたようなことが、日本に対しても起きないという保証は全くないからだ。

オバマ王の中共贔屓はあまりにも明らかだし、オバマ王の社会主義が講じれば、日本は犠牲にして北朝鮮の方を持ちかねない。そんなアメリカに対して、日本が「はい恐れ入りました」と服従する義理もない。

だいたいアメリカの敵国のイランや北朝鮮に対して強気なことが言えないアメリカが、大事な同盟国に脅迫めいた要求をするとはどういうことなのだ?それが友達に対してする態度か?

私は鳩山首相のファンではないし、終局的にはアメリカと日本の軍事協力は大事だと思う。ゲーツ長官の意見にも特に反対ではない。だが、長年アメリカと親好的な関係にあった日本という大事な同盟国に対して、アメリカの態度はあまりにも高慢すぎないだろうか?

また、インド洋での日本の海上自衛隊の役割にしてもだ、オバマ王自体がアフガニスタンをどうするのか決断が出来ない以上、同盟国としてもはっきりした態度が見せられないとしても仕方ないだろう。カカシ個人としては日本はインド洋の警護を続けるべきだと思う。これはアメリカがどうのこうのではなく、海洋警備は世界的な責任のはずだからである。

アメリカが日本を大切な同盟国と考えているのであれば、脅迫よりも親好を深めるべきではないのか? ブッシュ大統領を傲慢だとか高慢だとかいって批判してきたオバマ王。自分は「離せば解る」式外交で諸外国の好意を得たいといっていたのに、これはいったいどいういことなのさ。え、オバマさんよ!

October 25, 2009, 現時間 5:45 PM | コメント (0) | トラックバック (0)

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October 9, 2009

悩むオバマ王、何故オバマ王は決断できないのか?

ネット戦争 , 狂ったメディア , 独裁者オバマ王の陰謀 , 防衛

アフガニスタンに増兵すべきという現場の軍人、マッククリスタル将軍の推薦があってからすでに数週間が経つにも関わらず、オバマ王は未だにその案を吟味中だという。その間に米軍はアフガニスタンにおいてゲリラからの攻撃に圧倒されて8人の戦死者を出すという悲劇を生んでいる。オバマの決断が長引けば長引くほど、アメリカ兵の犠牲は高まるばかりであろう。

こんなことを書くと、ブッシュ政権時代にはたかが数千人の戦死者でつべこべ言うな、とか言っていたくせに、オバマ王の代になったら急に8人でも戦死者の数が多過ぎると言うのは偽善ではないかと言われそうだが、戦死者の数が多過ぎるか少な過ぎるかというのは、その犠牲を払う事に寄る見返りがどれだけのものなかに関わってくる。千円という値段が高いか安いか、それは、その千円で何を買うかによって違ってくる。タバコ一箱が千円なら高いが、それがハンドバッグなら安いということになるのと同じだ。

ブッシュ時代に始まったアフガニスタン戦争もイラク戦争もテロ退治をしアメリカの国土を守るという目的があった。私がこのくらいの戦死者は少ない方だと主張していたのは、アメリカの国土保証、ひいては世界の平和を守るためならば、多少の犠牲は止む負えない、仕方ないという立場からの発言であった。

しかし、オバマ王がアフガニスタン対策をどうするかと優柔不断な態度を取ってる間に出る戦死者の数は一人でも多過ぎる。何故ならこれらの犠牲によってアメリカが得るものは何もないからである。

何故オバマ王は自分が特別に任命したアフガニスタン戦争総司令官のマッククリスタル将軍の意見を素直に受け入れることができないのであろうか? イラク戦争には反対でもアフガニスタン戦争はやる価値があると考えている人は少なくない。911同時多発テロに直接関与したテロリストはアフガニスタンのタリバンが擁護していたアルカエダのメンバーであり、そのタリバン退治の戦争は当然の成り行きだ。それを途中で見捨てるのは、多くのアメリカ人が承知しないだろう。

ブッシュ時代にはアフガニスタン情勢は安定しているようにみえた。時々小競り合いがあったりはしたが、特にこれといった悪いニュースは聞こえてこなかった。それがオバマ政権になった途端に戦況は悪化の一途をたどっている。これはオバマにとっても都合が悪いはず。それが勝利へと戦況を好転させる方法があるというのに何を迷う必要があるのだ? 国内ではまだまだ不況はひどくなるばかりだし、オバマが始めたはずの健康保険改正案も完全に民主党議会に乗っ取られてしまい国民を怒らせるばかりだし、オリンピックの件ではわざわざコペンハーゲンまでいって赤恥をかいたし、このへんで何か成果を上げなければノーベル平和賞なんてもらっても、単に世界の笑い者になるのがオチだ。

だが、オバマには簡単にアフガニスタン勝利を選べない理由がある。それは、オバマが大統領になるために支持を仰いだ反米極左翼支持者たちとの約束である。

オバマ王が選挙運動をしていた時は、まだイラク戦争の好転は明らかではなかった。それでオバマは自分が大統領になったらイラクから即撤退しアメリカ軍によるイラク戦争大敗を保証すると約束して、反アメリカ軍主義の極左翼たちの支持を仰いだ。ところが、選挙運動中にイラク状況は急激に好転し、ずっと反戦だった主流メディアですらブッシュの新政策の成果を報道しないわけにはいかなくなった。今の状況では米軍の即刻撤退など意味がない。第一やたらなことをして、うまく行ってる戦争を台無しにするような行為は、いくらオバマ王でもまずいと考えたに違いない。

イラク戦争に負けることが出来ないとなると、反米軍主義極左翼へのご機嫌取りに何か別の戦争に負けなければならない。となればブッシュが始めたアフガニスタン戦争に負けること以外オバマには道がない。

もっともアフガニスタン戦争がオバマの新作戦によって好転すれば、それによって得られる国民からの支持は、一部の極左翼からの支持よりも大きいのではないかとも考えられる。この際極左翼など裏切って国のためになることをした方がオバマ王の大統領としての権威を高めることになるのではないか?

問題なのはオバマにはそんな悠長なことを言っている時間がないのだ。オバマが今すぐマッククリスタル将軍の推薦通り、増兵と新作戦を始めたとして、必要な人員や軍事用品などの準備には数ヶ月かかる。そして作戦を実行しその成果が出始めるのは少なく見積もっても一年半後くらいになるだろう。一年半もかかっていたら2010年の中間選挙に間に合わないのだ。

今オバマがアフガニスタン増兵を実行すれば、極左翼は次の選挙でオバマを見捨てるだろう。そうなれば、オバマは民主党議員の議席を大幅に失い、共和党に与党の座を奪われる可能性がある。そんなことになったら一年後にアフガニスタン戦争に勝ってみてもオバマとしては意味がないのだ。

となればオバマの決断は簡単だ。反戦派の極左翼に迎合してクリスタル将軍の推薦は却下するしかない。だが、あまりにもおおっぴらに却下すれば、一般のアメリカ市民からの支持を大幅に失う可能性がある。そうならないためには、オバマ王は表向きは将軍の推薦を受け入れたと発表し、実際には増兵に必要な対策について長々と討論をして時間稼ぎをし、人々の関心が薄れた頃を見計らって、徐々にアフガニスタンから撤退することになるだろう。

反米極左翼の連中には「心配するな、表向きは増兵、実際は撤退、お前達を裏切りはしない」と得意のジェスチャーで応えればいいのだ。

October 9, 2009, 現時間 10:20 PM | コメント (0) | トラックバック (0)

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September 29, 2009

仏大統領にまで呆れられたオバマ王の夢物語

イランが危ない , ヨーロッパ , 独裁者オバマ王の陰謀 , 防衛

先日行われた国連の安保理協議会においてオバマ王が放った「世界から核兵器が無くなることを望む」という演説を、現実の世界に生きていない、と強く批判したのは誰あろうフランスのサルコージ大統領。通常は優柔不断で悪名高いフランスだが、現場のジャーナリストが、フランス大統領がアメリカ大統領より確固たる姿勢を示す日が来ようとは誰も予想しなかったとおちょくるほどオバマ王の国連でのパフォーマンスは恥さらしそのものだった。

当ブログをご愛読くださっている読者の方々なら、カカシがいかにこれまでフランスの無行動ぶりを批判してきたかはご存知の通り。もっともサルコージ大統領はこれまでの事なかれ主義仏大統領とは違って、行動力のある人であることは確か。はっきり言ってサルコージ氏にアメリカ大統領をやってもらったほうが、世界はもっと平和になるだろう。カカシに仏大統領のほうが米大統領より頼りになると言わせてしまうオバマ王の情けなさったらない。

リアルクリアポリティクスでジャック・ケリーがSarkozy's Contempt for Obamaにおいてサルコージ仏大統領がいかにオバマ王の優柔不断に苛立ちを感じているかという記事を書いている。

ニコラス・サルコージは去る9月24日、国連安全保障理事会における核兵器のない世界というバラク・オバマの子供じみた戯れ言に激怒した。

「我々は地球上から核兵器が無くなる日まで決して決してあきらめてはいけません。」とオバマ大統領は語った。

サルコージ大統領が怒っているのはオバマ氏がこの言葉を放った時、オバマ氏はすでにイランのムラーたちが秘密の武器開発施設を持っていることを知っていたにも関わらず、それについて一言も言及しなかったことにある。

「オバマ大統領は核兵器のない世界を夢見ています。でも我々の目の前で二つの国がその正反対のことをしているのです。」とサルコージ大統領。

「イランは2005年から安保理条例をいつつも違反しています。」とサルコージ氏。「北朝鮮は1993年から違反しつづけています。」

「さらなるウラニウム濃縮や国連加盟国を地上から抹消するというイラン指導者の宣言を前にして、...国際社会での話合い提案など何の意味があるというのでしょうか?」

イランのウラン濃縮施設について、オバマ王は大統領就任前からその事実を知っていながらイランとは交渉可能だというふりをして国民を欺いていた。それにういてはこの間も書いた通り。

ジャック・ケリーもカカシと同じ意見で、オバマはイランを牽制したなどとあほらしいことを言っているが、その牽制に対してイランは月曜日ミサイル発射実験で応対した。このミサイルに核兵器弾道が付けられていたたら、ヨーロッパはどうなるのか? オバマが突然キャンセルした弾道ミサイル防衛対策はまさしくこのようなミサイルへの防衛対策だったのに。

オバマ政権は、イランへの制裁にはロシアと中国の協力が必要であり、そのためには東ヨーロッパのBMD政策によっていたずらにロシアを刺激すべきではないと判断したようなことを言っている。だがそれならそれで、ロシアから確固たる保証をもらってからすべきだったはず。オバマはそんな単純な交渉もしていない。

オバマが本気でイランを牽制する気があるのなら、この間の安保理議会は格好の機会だったはずである。核兵器が地球から無くなる努力を止めるべきではないなどとくだらない絵空事を言う暇があったら、何故イランや北朝鮮の国連条例違反について言及しなかったのだ? 何故イランのウラン濃縮施設について強行手段を取ろうと提案しなかったのだ?

オバマ王はそんな努力もせず、シカゴでのオリンピック開催を嘆願すべくコペンハーゲンに向かった。サルコージ大統領が怒るわけである。

September 29, 2009, 現時間 8:40 PM | コメント (1) | トラックバック (0)

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September 19, 2009

オバマ王は何故敵に迎合するのか?

独裁者オバマ王の陰謀 , 防衛

昨日、カリフォルニアに居るミスター苺と電話で話していて(カカシはまだバージニアに出張中)、オバマ王がポーランドとチェコのBMD政策の打ち切りをしたのは何故なのかという話になった。カカシはロシアのプーチン首相との会談に先がけて、プーチンへの持ち土産なのではないかというと、ミスター苺はこんなことを言った。

「普通、対等な関係にある二カ国間の交渉で、こちらが交渉相手の出した条件を飲む場合、相手にもなんらかの条件を飲んでもらうのが常識。にも関わらず、アメリカはこれによって何を得たというのだ?なにもない、全くゼロなんだよ!」

北朝鮮との交渉についてもそうだ。ブッシュ前大統領時代、北朝鮮はアメリカと二ヶ国語協議をしたいとずっと要求していた。だが、ブッシュ政権は6各国語協議に出てこないなら話にならないという態度を強く押し通してきた。ところがオバマ時代になったら、北はこちらに全く歩み寄りの姿勢を示していないにもかかわらず、いや、それどころか核兵器開発についての交渉には一切応じないとさえ言っているにもかかわらず、アメリカは「お願いです、二カ国協議でも何でもしますから、交渉に応じてください」と媚へつらいの姿勢を示している。

イランについても全く同じことが言える。イラン政府に頼まれてもいないのに新年の挨拶などしていたオバマ王なのに、不正な選挙で首相の座を固守しているアクメディネジャドに対して何の批判もしなかった。怒る若者たちの抗議運動が暴力で弾圧されているにも関わらず、オバマは自由国の代表として彼らの運動を励ます言葉すらかけず、イラン政府が平和的に解決するのを望むだなどと、あたかも暴力沙汰を起こしているのが抗議者のほうであるかのような発言までしてイラン現政権のご機嫌伺いをした。それをイラン現政権が感謝したかといえばその反対で、イランの高官は抗議運動はアメリカの差し金だなどと批判する始末。

こういうオバマ王の態度を敵国や諸外国はどう受け取っているだろうか?

オバマ王は皇太子時代、ブッシュ前大統領の強硬外交を強く批判していた。ブッシュ前大統領の、悪の枢軸国とは無条件の会談はしない、という政策がアメリカを諸外国から孤立させているのだと主張した。だが、これには同じ民主党のライバルだったヒラリーですら、敵国との無条件の会談は敵の政権を正当化するプロパガンダに使われるからすべきではないと批判していた。

だが、オバマはナイーブにも、どんな相手とでも話せば解るという姿勢を押し通している。だが、オバマのやり方は一向に効果をあげていない。サウジアラビアだのエジプトだので、前政権の「悪行」の謝罪ツアーをしていみたりしたわけだが、一向にアメリカの人気は上がらない。かえって馬鹿にされただけだ。それにだんだん気が付いてきたオバマは非常に焦っているのである。

常識的に考えて、相手の条件をこちらからの条件も出さずに一方的に飲むのは、自分の立場が弱いからであり、強い相手に何とか破壊されるのを見逃してもらおうとするときにするものだ。オバマ王は、無条件で敵国に歩み寄りの姿勢を見せている。このような態度をしめせば、敵国の首相たちも馬鹿ではない。オバマが公約を守れずに支持率を失って焦っていることを充分に承知している。オバマは完全に足元をみられているのである。

ブッシュ前政権の時代にロシアのプーチン首相が何かとブッシュとの会談を望んだのも、イランや北朝鮮が二カ国協議を何度も申し込んできたのも、これらの国々がブッシュ大統領を恐れていたからである。ブッシュ政権時代は、アメリカは諸外国から嫌われていたかもしれないが、少なくとも軽蔑されたり見下されたりはしていなかった。いや、それどころか恐れられていた。

恐れられて嫌われていたほうが、軽蔑されたり見下されたりするよりはずっとましである。いや、国の安全を考えたら、適度な恐怖心をもたれるのは健康だとさえいえる。今のように世界中の笑いものになることが一番危険な状態なのだ。

ブッシュ時代には、ブッシュが何時戦争を始めるかわからなかったので、敵側もやたらな行動には出られなかった。しかし、オバマは違う。オバマ王は敵があからさまな戦闘行為に出ても腕まくりして演説するだけで、実際に敵国を制裁するようなことは一切できない。嫌われることを恐れて強い批判の言葉すらいえない、臆病者の愚か者だ。となれば、相手はどんどん付け上がってアメリカに危険な行為をふっかけてくると踏むのが懸命だろう。

今後アフガニスタンやパキスタンでのアルカイダの活動は激化するだろうし、イランもアメリカ軍の撤退に向けてイラクに工作員を送り込み、イラクを再び騒乱に巻き込もうとするだろう。

オバマはイスラエルに全く好意を持っていないので、シリアやパレスチナはイスラエルへの攻撃をなんんの遠慮もなく出来るというものだ。

オバマのような愚か者を大統領にしてしまったアメリカ市民。2012年で何とか政権をアメリカ人の手に取り戻し、それまでにこの愚か者が国を崩壊してないように、オバマ王の陰謀はことごとく破壊していかなければならない。それが自由を愛するアメリカ市民の使命である。

September 19, 2009, 現時間 5:55 AM | コメント (0) | トラックバック (0)

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September 17, 2009

オバマ、ロシアに怯えてヨーロッパの弾道ミサイル防衛案を中止

独裁者オバマ王の陰謀 , 防衛

オバマほど大事な同盟国を足蹴にする大統領もない。イギリスの首相や女王に散々たる失礼を働き、日本の首相をコケにしたオバマだが、今回は東ヨーロッパでブッシュ時代にもその親米ぶりを見せ、イラクやアフガニスタンの戦争にも積極的に協力してくれたチェコとポーランドにおける弾道ミサイル防衛政策を打ち切る意図を明らかにした。弾道ミサイル防衛に真っ向から反対していたロシアのプーチン書記長首相との会談前夜に突然発表されたことからして、これがソ連時代のロシアの栄光を取り戻したいと考えているプーチンへの持ち土産であることは明らかだ。

この突然の政策変更を喜んでいるのはロシアだけではない。イランの国土保証並びに外交政策委員会のKazem Jalali議員はこの政策変更は良い方に向かっているとしながら、「オバマ大統領がブッシュ前政権のイラン政策に基づいた政策を完全に廃止してくれればもっとよいのだが」とオバマを催促することも忘れない。

アメリカの宿敵イランがブッシュ政権の政策を批判し、オバマにその政策を即刻廃止するよう促すというのはどういう意味を持つのか、聡明な読者にはよくお分かりのことだろう。

オバマの外交をみていると、イラン政策にしろ、北朝鮮政策にしろ、そして今回のロシア政策にしろ、およそアメリカの国土保証を優先しているとは思えないものばかりだ。私にはオバマ王がアメリカの大統領だとは信じられない。オバマのやっていることはアメリカの経済を破滅させ、自由市場を壊滅し、国土を危険にさらし、アメリカという国を内部からも外部からも滅ぼそうとしているとしか思えない。

September 17, 2009, 現時間 5:44 PM | コメント (0) | トラックバック (0)

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September 13, 2009

北朝鮮と一対一で話合いたいオバマ王

イランが危ない , 東洋危機 , 独裁者オバマ王の陰謀 , 防衛

下記はミスター苺のエントリーです。

まるでビル・クリントンの90年代と同じだね!

ジェイク・ペーパー(Jake Tapper)によると911同時多発テロの8年記念日にオバマ王が打ち出した外交方針とは:

合衆国は本日(9・11・2009)方針を変え、ピョンヤングを核兵器交渉に戻すことに役立つのであれば、北朝鮮と一対一で話合う意志があると発表した。....

アメリカの高官は背景について「六カ国の国々と相談した結果、我々の見解では(米・北朝)二カ国交渉は北朝鮮が六カ国会議に戻るために効果あると考える。…北朝鮮に断固たる行為をとらせるために、彼らにどういう責任があるのかをもう一度確認する意味でも、役に立つ一歩であると考える。」

北朝鮮は最近核交渉には今後断じて応じないと宣言した。…なのに交渉に応じると期待できるのか?

「まあ、待って見ましょう」と高官は語った。

オバマ王の交渉団が北朝鮮に核兵器開発をあきらめさせるために何をするつもりなのだ? 北朝鮮に賄賂でも払うのか?北朝鮮の要求をすべて呑むのか?這いつくばって金正日の足に口付けでもするのか?

オバマに任せときゃ、間違いねえよ!

September 13, 2009, 現時間 5:22 PM | コメント (0) | トラックバック (0)

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August 22, 2009

ブッシュ政権後、沈黙の反戦運動

対テロ戦争 , 独裁者オバマ王の陰謀 , 防衛

先日イラクで95人もの死者を出した自爆テロや、選挙直前に暴力事件が相次いで起きたアフガニスタンなど、ブッシュ前政権時代に始まって、なんとか収集がついてきていたイラク・アフガニスタンの状況はオバマ政権になって急速に悪化してきている。イラクにはいだに13万のアメリカ兵が駐留しており、即撤退の動きはない。アフガニスタンの駐留兵の数はオバマ政権になって以来減るどころか増え、いまや6万人を超した。そして、戦況も悪化の一途をたどり、その戦死者の数も急増。先月のアフガニスタンは、アメリカ軍がアフガンに進出して以来、一番アメリカ兵の戦死者を出した月となった。

にも関わらずオバマ王政権に戦争政策があるのかどうかは全く不明だ。特になにか建設的なことをしているとも思えない。こと対テロリスト政策は、積極的に常に取り組んでいないと、すぐに悪化してしまう性質がある。少し状況が良くなってきたからといって油断して手を緩めると、敵はその隙をすぐについてくる。だが、オバマ王のやり方はブッシュ政権時代の方針を特に気もいれずに惰性でつづけているように思える。

オバマが積極的に戦争に取り組んでいないとは言え、積極的に戦争終結の努力をしているというわけでもない。イラク駐留の米軍は最前線からは引いたとはいえ、まだ完全撤退とまでは行っていないし、アフガニスタンの兵数はオバマ時代に増えているし、アフガンでの戦闘は激化の傾向がある。

ここで不思議なのは、ブッシュ時代にあれだけ大騒ぎしていた反戦運動家たちは、最近何をしているのだろうかということだ。彼らがあれだけ反対していた戦争は終わっていないし、当分終わる気配もない。同じ戦争がまだ継続している以上、彼らの反戦運動も継続されるべきではないのか?

このことについて、バイロン・ヨーク記者がワシントンイグザミナーに面白い記事を書いている。

ブッシュ政権時代に、特に目立って反戦運動をしていたグループのひとつに、デイリーコス(DailyKos)というウエッブサイトを中心に集まったグループがある。デイリーコスのファンや参加者は積極的に反戦候補に献金し選挙運動に協力した。

2006年、デイリーコスはラスベガスで華々しく最初の集会を開き、リビエラホテルで何日にもわたってアンチブッシュ大会を繰り広げ、どのように共和党を打ち負かすか、そして民主党議員にも反戦の圧力をかけるため討論をつづけた。デイリーコスはインターネットから発生したネットルーツといわれる政治運動の草分けと言える。

二週間ほど前(2009年8・13-8・16)、毎年恒例となったイヤリーコスの三回目は、名前もネットルーツネイションと改名され、ペンシルベニア州のピッツバーグで行われた。だが今回は主流メディアからは特に注目を浴びず、カカシもバイロン記者の記事を読むまでそんな大会があったことさえ知らなかったほどだ。しかし、バイロン記者は大会に集まったひとたちの意見は、民主党支持者の意見を反映するものとして注目の価値があるという。

この集会で明らかになったことは、左翼リベラルの間では、今やイラクやアフガニスタン戦争の話は、ほとんどそのレーダーにひっかからなくなったということだ。ブッシュ政権時には、自分らをコサックスと呼び、反戦運動に熱中していた彼らだが、今はほとんどその熱が冷めているようで、オバマ王によるアフガニスタンの激化状況にもほとんど興味が無いようだ。

民主党の世論調査家、スタンリー・グリーンバーグ氏が、参加者対象に医療保険や環境など最優先されるべき政策についてさまざまな質問をした。「改革運動家が最も焦点を当て努力を注ぎ込むべき二つの政策は何か」という質問に対して、なんといっても圧倒的に多かったのは「議会において医療保険改革案を通すこと」だった。次いで二番目に多かったのは、「環境保険を考慮した清潔なエネルギー政策」だった。

で、肝心の「イラクとアフガニスタンにおける軍事活動を終結させる」という質問はというと、なんとリストの下のほうの8番目だった。

参加者の心情をもっとも顕著にしたのは、グリーンスバーグが「あなたが個人的に現在一番時間を対やしている動きは何ですか?」との質問に対し、やはり医療保険改革が一番にあがったことで、その次は「2010年の選挙で改革的な候補者を選ぶこと」だった。ここでいう「改革的(progressive)」とは左翼が「リベラル」の代わりに使うコードワード。参加者のたった1パーセントの回答者が選び、一番最後の項目となったのが、イラク・アフガンでの軍事行使の終結だった。

第一回目のイヤリーコス大会からずっと取材してきたバイロン記者は、ブッシュ時代の参加者は反戦運動に熱を上げており、彼らは戦争を嫌い、その戦争をはじめたブッシュを憎んでいたという。「いや、もしかすると、彼らはジョージ・W・ブッシュが始めた戦争だから嫌っていたのかもしれない。」当時の大会の主題は初めから終わりまで「戦争、戦争、また戦争」だった。

ところが今は全くそうではない。

イラク戦争で息子を失った傷心の母親として反戦家の間で囃し立てられ、ブッシュ大統領のテキサス敷地の前で座り込み運動などをしていたシンディ・シーハンも、左翼リベラルの心変わりをひしひしと感じているうちの一人だ。シーハンは今でも反戦運動をつづけており、この間もオバマ大統領が休暇を取っているマーサズヴァインヤードでの反戦運動計画を発表したが、左翼リベラルからは完全に無視された。民主党がホワイトハウスに居ようとどうしようと反戦運動は続けるべきだというシーハンの信念には感心するが、彼女を支持していた人々の関心は他に移ってしまった。彼女の時代は終わったのである。

数ヶ月前までは、オバマ大統領が左翼リベラルの圧力に負けてイラクやアフガニスタンから早期撤退をしてしまうのではないかと心配する声もあったが、どうやらそんな心配は必要なかったようだ。リベラル活動家が反対していたのは戦争ではなく、ジョージ・W・ブッシュだったのだ。ブッシュ政権が終わった以上、反戦への熱気も失われたというわけである。

リベラルに一貫性が欠けるのは信念がないからだ。彼らには左翼リベラル政策を前進させるものだけが大事なのであり、戦争もそれが左翼リベラル派のものなら支持するし、保守派のものなら反対する。彼らには平和も反戦も左翼リベラル活動の単なる道具に過ぎないのだ。

August 22, 2009, 現時間 12:54 PM | コメント (1) | トラックバック (0)

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June 20, 2009

オバマさんよ、北朝鮮が撃ったらどうする?

東洋危機 , 独裁者オバマ王の陰謀 , 防衛

「おいカカシ、お前来月ハワイに行くか?」と出張日程を決める同僚のMが聞いて来た。長期でいくはずだった東海岸への出張が急遽とりやめになって本社でだらだらしているように見えたカカシに、Mは東の方よりハワイ方面が忙しくなっているので行きたけりゃ行かしてやるという。「ハワイが嫌なら日本に行ってもいいぞ」と笑うM。真夏の日本とワイキキビーチではちょっと比べ物にならないんだけどね。

しかし、「晴れた空、そよぐ風、あ〜、あこがれ〜のハワイ航路〜!」などと歌いながら荷造りを始めている場合ではない。最近北朝鮮はアメリカの独立記念日にハワイに向けて長距離ミサイルを発射するかもしれないという話がある。これが本当なら由々しきことであるはずなのだが、オバマ政権からの反応は今ひとつ鈍いものだ。

当初、ゲーツ国防長官は、どうせ北朝鮮のミサイルなんてハワイ本島にまで届きゃしないんだから心配することはないと言っていたが、それではあまりにも無責任だと感じたのか、19日になると、迎撃する用意はあると発表した。

北朝鮮、ハワイ方面へミサイル発射でも迎撃可能 国防長官

ワシントン(CNN) ゲーツ米国防長官は18日、北朝鮮がハワイ方面へ長距離弾道ミサイルを発射してもこれを迎撃出来るとの考えを示した。北朝鮮は現在、弾道ミサイルの発射を準備中との情報があり、米軍が状況を注意深く監視し、対策を進めていることを示す発言ともなっている。

長官は、ハワイ州周辺に迎撃ミサイルや警戒レーダーを配置したことを明らかにし、「米領土防衛に必要な措置に迫られた場合、これに対処出来る態勢にある」と述べた。

北朝鮮は今年5月25日に2度目の核実験を実施、同時に短距離ミサイルを数日間発射するなど国際社会への挑発行為を繰り返した。国連安保理が制裁決議を採択したことにも反発、再度の核実験と大陸間弾道ミサイルの発射もちらつかせている。

どうせミサイルは届きっこない、たとえ届いたとしても、最悪の場合には迎撃できる、だからご心配なく、などと言われても、はっきり言ってハワイに居るもんにとっちゃとんでもないことだ。だいたい北がそこまでするのを何で指を加えて待っている必要があるのだと聞きたい。北がミサイル燃料を注入した時点でこっちからミサイルを撃ってやればいいではないか。少なくとも、「ミサイルをこっちに向けたと感じた時は、容赦なくぶっとばす。我々の攻撃の後には貴国は焼け野原になると覚悟せよ。」くらいのことを言ってもいいはず。

こと防衛に関しては対イランにしろ対北朝鮮にしろ完全にへっぴり腰のオバマ王。ブッシュ時代に、こちらがあまりにも強気に出たから世界中に敵をつくってしまったのだ、などというナイーブなことを言ってた馬鹿左翼連中を尻目に、オバマ王の弱腰にイランも北朝鮮も完全にアメリカを舐めきった行動に出ている。こいつらは「話せば解る」なんて連中ではないのだ。ブッシュがフセインイラクとイランと、そして北朝鮮を「悪の枢軸」と呼んだ時、左翼連中はブッシュは単純だといってあざ笑った。だが悪の枢軸国と外交交渉をしようとしたオバマ政権は少しでもアメリカ及び世界をイランや北朝鮮の核脅威から守ることに成功しているというのか?

とんでもない。それどころか、イランも北も核兵器開発にこれまで以上のフル回転にいそしんでいるではないか。両国の核兵器開発を「はななだ遺憾であります。」なんて記者会見で言ってるだけじゃ何の解決にもならない。

アメリカのジャーナリスト二人が北朝鮮に拉致された件に関しても、「即二人を釈放しなければお前らの国なんぞぶっつぶす!」などと言うどころか、オバマ王は北に対して軍事行使はあり得ないと最初から宣言して、元副大統領の地球温暖化迷信論者のアル・ゴアを命乞いの使者として北朝鮮に送るというのだから呆れてしまう。

バラク・オバマ大統領の北朝鮮への特別使者は、アメリカが共産国に侵略し、政権を武力で倒す意志はないことを明らかにした。…

北朝鮮は火曜日、挑発されれば核兵器を使った「容赦ない攻撃に出ると発表した。これは先日大なわれた核兵器実験に対する国際的な制裁へのあきらかな警告と見られる。

相手は核兵器攻撃も辞さないと豪語しているのに、なんでこっちは最初から武力行使をする意志はないなどと下手(したで)に出なければならないのだ? そんな態度はこちらの善意を表すどころか、単なる弱さとして受け取られるだけだ。

1979年にアクマディネジャドを含むイランの過激派学生がテヘランのアメリカ大使館を襲った時、当時のリベラル大統領、ジミー・カーターがアメリカ側は武力でイランを制裁しないと発表し、勇気づけられた過激派学生たちは、数日で解放するつもりだった人質を一年以上も拘束する結果となった。カーターの弱腰がイラン側の姿勢を強攻にさせてしまったのと同じで、こんなやり方では人質は帰ってこない。核攻撃も避けられない。

アメリカが今まだ危険な状態になっていないのは、イランも北朝鮮もそこまでのレベルに達していないというだけのことだ。奴らにその能力があったら、いますぐにでもアメリカや日本やイスラエルに攻撃を仕掛けるだろうことは誰もが確信できる。

だが、敵が弱い時に攻める勇気もない男が、敵が手強い相手になった時に攻めることができるのか?

アメリカの将来を思うと、オバマ王の存在は恐ろしい。

June 20, 2009, 現時間 8:16 AM | コメント (0) | トラックバック (0)

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April 23, 2009

オバマ王の独裁化は進む。今度はCIAテロリスト取り調べ方法を暴露

アメリカ内政 , 対テロ戦争 , 防衛

いったい独裁者オバマ王は世界に何を証明しようとしているのだろうか?我が国の敵に媚びへつらい、世界に謝罪旅行に出かけたかと思えば、今度はアメリカの国土保証に欠かせないCIAによるテロリストの取り調べ方法を世界中に暴露してしまった。アメリカが拘束したテロリストをどのように取り調べ、どのように情報を得たか、これは国土保証にとっては極秘の情報のはずである。それをブッシュ政権の元に行われた情報徴収の方法に異存があるからと言って世界中に広める意味がどこにあるのだ?

これによってテロリスト達は、アメリカ政府にとらわれた場合には、どのように抵抗すれば良いか確実に学ぶことが出来るようになってしまったではないか。

しかも、オバマ王はブッシュ政権下で取り調べ方法として使われた水攻めが拷問だったことを強調したいあまり、その方法が情報徴収にどれだけ効果があったかという部分はわざと隠している。どうせ極秘情報を公開するなら、その方法によって国土の安全がどれだけ保たれたのか、その効果についても公表すべきだと前副大統領のディック・チェイニー氏は強く批判している

だが、独裁者オバマ王がやったことはそれだけではない。ブッシュ政権時代に使われた水攻め方法が、拷問であるかどうか疑問だとし、テロリストにこの方法を使って取り調べしたCIA役員、ブッシュ政権の要員、アドバイザーや弁護士らに、刑事責任を問う可能性を明らかにしたのである。

読者の諸君にはこのオバマの行為がどれほど恐ろしいものであるかお分かりだろうか?

自由社会が平和な社会を維持出来る第一の理由として、法律の普遍性がある。つまりだ、法律が王様にでも乞食にでも同じようにあてはまり、今日と明日で180度変化したり、今日変わった法律で昨日まで合法だった行為が時間を溯って罰せられたりはしない、と市民が信じることの出来る社会、また、本日取り交わした契約が10年後も有効である、契約上のいざこざは法廷が公平に裁いてくれる、と市民が信頼できる社会であればこそ平和は保たれるのだ。

何故アメリカ社会がクーデターや革命なくして、平和に政権交替できるのかといえば、新しい政権が旧政権の要員を政治犯として逮捕したり処刑したりしないという保証があるからである。ところが、オバマ政権がいまやろうとしていることは、このアメリカの社会的安定を根本から覆すものなのである。もしオバマ政権の暴挙が成功するならば、アメリカ合衆国はこれまでの自由国として存在することは出来なくなる。アメリカは内側から崩壊する。

ブッシュ前大統領をしょっちゅうヒットラーになぞらえていたリベラルだが、オバマ王のこうした暴挙を見ていると、オバマ政権とその支持者こそ初期のナチス党を思い出させる。気に入らない少数派への住居やビジネスの建物破壊、保守派の演説や集会を暴力をつかって阻止する言論弾圧や人権迫害。すべてナチス党の暴徒達がつかった手段だ。

ナチスとオバマ政権を比べるのは乱暴だと思われるかもしれない。だが、彼らの権力の乱用を目の当たりにするにつけ、奴らが究極のファシストとならない理由が見つからない。先日のミスUSAコンテストでも明らかになったように、反リベラル的思想は徹底的に弾圧される。リベラルが乱用できる力を持った以上、それをフルに活用すると考えなければならない。だとしたら奴らがナチス党の極端なやり方にたどり着くのは時間の問題だ。誰かがそれを途中で阻止しない限り、彼らは最後まで独裁政権確立のために進み続けるだろう。

我々市民は、それを指をくわえて見ているのか?

アメリカがファシスト社会へと変わって行くのを、、、

April 23, 2009, 現時間 10:25 PM | コメント (2) | トラックバック (0)

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April 12, 2009

ソマリア沖海賊対処で試されるオバマ王

アメリカ内政 , 対テロ戦争 , 防衛

今朝、水曜日にソマリア沖で海賊にさらわれマークス・アラバマ号というアメリカ貨物船の船長が、海軍の特別部隊によって無事救出されるという喜ばしいニュースが入った。さらわれた状況は下記の通り。

マークス・アラバマ号は、ケニアのモンバサ港に陸揚げされる国連食糧計画(WFP)、米政府などの援助物資を積んで航行中だった。同船には連れ去られたリチャード・フィリップス船長ら約20人の米国人船員が乗り組んでいた。

 AK47自動小銃で武装した海賊は、現地時間の7日朝、小型船で接近して同船を制圧した。襲われた船員は非武装だったとされるが、4人組の海賊のうち3人を排除し、1人を身柄拘束したという。これまで負傷者はいないもようだが、対応に当たったフィリップス船長が逃亡する3人の海賊に連行された。

この事件が起きたのは先週の水曜日だが、土曜日になってアメリカ海軍は駆逐艦を使って船長が拘束されている船に接近したが発砲されたため退いた

ロサンゼルスタイムスの記事から読んでみると、どうやら海軍は特別部隊のシールを送り込んで船長を救出したもよう。当局は詳細は発表できないとしているが、船長に怪我はなく、救出の際に三人の海賊が殺されたとある。交渉に携わっていた四人目の海賊は船に乗っていなかったという。

ただ、面白いのは記事の最後のほうにアメリカ連邦警察(FBI)はソマリアの海賊を刑事事件の犯人として逮捕するために、貨物船の乗組員などの証人から事情聴取をしていると書かれている。ソマリアの海賊は、海賊だ。犯罪者であることは明らかだろう。なにを今更刑事事件として扱うなどと馬鹿げたことを言ってるんだ?

私が三月の終わりに日本に数日滞在した時、悪化するソマリア沖の治安に対応して、日本からもさらに二艦の駆逐艦がソマリア沖警備にあたるため出動された。今や事態は急を要する。海賊を単なる犯罪者として扱う状態ではなくなっているはずだ。

今回はアメリカの船が襲われ、アメリカ人が誘拐されたから大騒ぎになったが、これまでにも外国籍の貨物船が何隻も襲われ、貨物が船もろとも奪われたり、船員が殺されたりさらわれたりしてきた。その度に、貨物や船や人質を取り戻すために各国が身代金をはらったりしてきている。現に11日にはフランスの個人のヨットがシージャックされ、家族5人が海賊の人質となり、救出の際に人質一人が殺されるという事件があったばかりだ。(殺された男性の妻子を含む残りの4人はフランス海軍によって救出された。)

さて、ここでオバマ王はどうするのか? ソマリアの海賊の暴行は急速に悪化している。このまま放っておくわけにはいかない。それにソマリア国内ではイスラム過激派の反政府勢力がアルカイダと協力して政権を奪回する機会を狙っている。これらの勢力と海賊やテロリストとの直接的な関連は明らかではないが、お互い現政府を嫌い、西側諸国に暴力行為をはたらいているという点では共通している。それぞれの思惑は違っても、このようなグループが協力関係に陥ることは自然の成り行きだ。

ということはだ、オバマ王は、ソマリア海賊はただの犯罪者だからFBIに任せておけばいいなんて暢気なことを言ってる場合ではないのである。そういう柔な態度がアメリカへのテロ行為を促進してしまうのだ。テロリストを犯罪者扱いして断固たる処置を取らなかったクリントン政権下にイエメン湾岸で起きた護衛艦USSコール爆破事件を思い出してもらいたい。(2000年10月、イエメンのアデン海に停泊していた米駆逐艦がアルカーイダに襲撃・爆破され17名の兵士が死亡39名が負傷した事件)

クリントン大統領があの事件を真剣に受け止めず、コールを爆破したテロリストに対して厳しい制裁を下さなかったことが、911事件へとつながっていったのである。

オバマ王はブッシュ前大統領との違いを強調するあまり、ブッシュ大統領がおこなった強攻な対テロ政策も台無しにしてしまうつもりだろうか?そして1970年代に腰抜けカーター大統領がやったように、イランやイスラム圏諸国から見下されあざ笑われ、アメリカ国家を危険にさらすような行為をとるのだろうか?

今やオバマ政権最初の試練である。


April 12, 2009, 現時間 1:15 PM | コメント (0) | トラックバック (0)

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April 9, 2009

オバマアメリカには期待できない日本の防衛

防衛

この間の北朝鮮によるミサイル発射実験で顕著になったことは、日米同盟で保証されているはずのアメリカによる日本の防衛は期待できないということだった。これについて産經新聞の古森さんが書いているのでちょっと引用させてもらう。

本来、この種の軍事威嚇を無効にすべき日米同盟の抑止力も、国際社会の連帯による「多国間外交」も、北朝鮮の無法行動を阻めなかった点に、日本の安全保障への重大な教訓がある。

 ゲーツ米国防長官は3月末のテレビとの会見で、北朝鮮のミサイルが米国本土に向かってこない限り「迎撃の計画はない」と断言した。同じミサイルが日本領土に照準を合わせて発射されても迎撃対象としないという意味となる。

 文字通りに解釈すれば、日米安保条約の米国の責務に反する重大発言だった。長官の姿勢は北朝鮮の発射宣言へのオバマ政権の対応の異様なソフトさだけでなく、日米同盟を発射の抑止手段として前面に出さない基本とも合致していた。

 ここ数年、日米共同のミサイル防衛はまさに同盟の協力強化の中核であり、今回こそ両国がミサイル迎撃でぴたりと歩調を合わせる共同防衛態勢を示して抑止とすることが自然な帰結のはずだった。だが、北朝鮮が発射を予告して以来、オバマ政権側では、同盟に基づく対応よりも、もっぱら多国間協力の効用が説かれた。

海上自衛隊は今年の後半に護衛艦による弾道ミサイル防衛の実験をすることになっている。これで「こんごう」「ちょうかい」に続いて三艦目の実験になるのだが、せっかく実験をやってみても実践で使う意志がないのであれば何の意味もない。オバマ王のアメリカが全く頼りにならないとなれば、日本は自力で自国を守る必要がある。今回の北朝鮮の実験はその日本の根性を試す良い機会だったはずなのに、日本はみすみすそれを見逃してしまったのである。

オバマ王は、そのナイーブな世界観から、自分たちが攻撃的な態度を取りさえしなければ、敵国も攻めて来ないと思っているらしい。そんな柔な態度が北朝鮮に通用するはずはないのに、それが全く解っていないようだ。今回の日米の消極的な態度は北朝鮮をより強気にしたことは確かであり、北朝鮮の核開発はより活発になるだろう。

アメリカを頼りに出来ない今、日本はどうするのだろうか?

April 9, 2009, 現時間 11:32 PM | コメント (0) | トラックバック (0)

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March 18, 2009

とんだ茶番劇、オバマ王と民主党議会のAIG幹部ボーナス批判は偽善の固まり!

アメリカ内政 , イラク関係 , 対テロ戦争 , 防衛

ここ連日、オバマ王はじめ議会の連中は倒産を目前に政府から救済された保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)幹部が、庶民の税金で多額のボーナスをもらっていたことで、重役たちに日本を見習って切腹しろなどと迫るほど大騒ぎをしている。

以下は朝日新聞の記事より

高額のボーナス支給が明らかになった米保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)に対して米議会は17日、ボーナスのほぼ全額を課税で回収する法案の採決を検討し始めた。巨額の公的資金投入で救済された同社のボーナス支払いに批判が噴き出しており、同社首脳陣は命をかけて引責すべきだとの声も一部議員から出ている。

 ボーナスは08年分の一部で、13日に幹部ら400人に1億6500万ドル(約160億円)が支払われた。この問題を調べているニューヨーク州のクオモ司法長官は17日、結果を公表。計73人が各100万ドル(約9800万円)超を支給され、うち11人はすでに退社。200万ドル(約1億9600万円)超が22人おり、最高額は640万ドル(約6億2700万円)という。

 議会では同社のボーナスのほぼ全額を課税する複数の法案が既に提出されている。オバマ政権も議会と連携して課税強化を検討。課税率が100%の法案もあり、AIGが支給を見直さない限り、議会指導部は法案を一本化して採決に踏み切る姿勢だ。金融危機対策を決める幹部議員は、支給を無効にする訴訟の可能性も示唆している。

AIG幹部へのボーナス自体は腹が立つが、議会のこの「怒り」は単なる茶番劇だ。オバマ王も民主党議会も政府の救済案が出た今年の1月の時点でAIG幹部へのボーナスは契約上避けられないという事実を充分に承知していた。幹部らのボーナスの金額だけを見ていると、彼らが多額のボーナスを不当に受け取ったかのように見えるが、オバマ王並びに民主党議会のポーク(贅肉)だらけの税金無駄遣い国家予算案にくらべたら1パーセントにも満たない額なのだ。民主党議員たちが匿名で組み込んだイヤーマークと言われる地方選挙区の企画をひとつでも削れば充分に補える額なのである。

それを今更議会があたかも驚き怒り狂っているかのような演技をしているのは、自分らの税金無駄使いから国民の目をそらそうとする目的もそうだが、それ以上にオバマ王の社会主義政策を押し進めるために企業に対する国民の感情を煽ることが第一の目的なのだとカカシは考える。

最近カントリーウエスタンのヒットチャートを急速に登っている流行歌があるが、このShutting Down Detroit「デトロイトの閉鎖」という歌ではジョン・リッチという人気歌手がデトロイトの自動車産業が倒産していくなか、ワシントンの政治家達がAIGのような金融企業を救済していることを批判している。しかし、デトロイトの低迷の直接の原因はアメリ金融企業の倒産ではなく労働組合が幅を効かせ過ぎる自動車業界の実態にある。ただ、一般庶民はまだまだ労働組合が労働者の味方であり、自分らの敵は企業の重役達なのだという偏見を持ち続けている。

オバマ王並びに民主党議会はこの一般庶民の金持ちへの妬み意識を増長することで、階級意識を一層高め、自由企業への政府による介入を強めようという魂胆なのである。つまり、自由市場を社会主義化しようという目的なのだ。

一般市民が日々の暮らしにも困り、給料引き下げや残業手当の廃止などで犠牲を強いられている時に、国民の血税で救済された金融企業の重役達が何百万ドルものボーナスをもらったという話を聞けば、一般市民が腹を立てるのは当然だ。しかし、その感情を利用して、今後このようなことが起きないように政府が大手企業の経営に介入するというような政策がまかり通ったならば、アメリカの自由市場はおしまいである。自由企業が腐敗しているとはいえ、お役人が経営する企業ほど腐敗するものではないからだ。これは共産主義国家の旧ソ連や中共や北朝鮮やベネズエラやキューバを見れば明らかである。

アメリカ市民は、オバマ王や民主党議会の猿芝居に騙されてはいけない。議会が本当に税金の無駄遣いを慮っているのであれば、議会が通した無駄遣いづくめの予算案を撤回せよ!オバマ王の経済非救済案を撤回せよ!イヤーマークをすべて削除せよ!

それまでは、他人のボーナスがどうのこうのと批判する権利はお前らにはない!

March 18, 2009, 現時間 6:48 PM | コメント (0) | トラックバック (0)

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August 12, 2008

ロシアのグルジア侵略拡大する

ヨーロッパ , 防衛

The English version of this post can be read here.

世界中がオリンピックで浮かれている隙に、なんとロシアはお隣のグルジアに侵略。(英語ではグルジアはアメリカの州と同じでジョージアと発音する。)これについてミスター苺がBig Lizardsで詳細に渡って書いているのでそこから紹介しよう。

Georgia On My Mind(ジョージアを想う)

ミスター苺著

俺はソ連帝国の時代からロシアにはあまりいい感情を持っていない。ソビエト連盟が崩壊した時も高見の見物っていう姿勢をとっていた。もちろんあの酔っぱらいのヤルツェン親父が戦車の上に乗っかってソ連共産党をくずした時は歓声を上げたし、当初はプーチンに騙されさえした。もっともブッシュ大統領も最初は奴に騙されたようだが。しかしここ最近プーチンのロシア像はイラン/アルカエダ枢軸の次に中国や北朝鮮よりも、アメリカにとって暗雲の陰を落としつつある。

そいうい背景があるので、俺はロシアが民主主義で自由市場を持つ国家であるグルジアに攻め入ったと聴いた時、すぐに悪いのはロシアだと判断した。即座にジョン・マケインが天使の方に味方したことでも安心した。社会主義のバラク・オバマがどっちの味方をするもはっきりしないままロシアのほうに傾いてるというのも全く不思議じゃない。このロシアの野心丸出しの侵略に対して、アメリカが何も出来そうもないことに、多くのアメリカ人が苛立ちを感じるているのも俺にはよく理解できる。

だが大事なのは誰が戦争を最初に始めたかということじゃない。俺たちはロシアが昔みたいに誰からも阻止されずに近隣諸国に侵略するなんて行為を放っておくわけにはいかないのだ。プーチンが今後こんな野心を持たないように奴には手痛く高い代償を払ってもらう必要がある。俺たちはまた、双方引き分けで終わらして単に侵略前の状態に戻すなんて結果も許してはならない。イスラエルとヘズボラ戦の時でも学んだように引き分けなら結果的に攻め入った方が勝ちだ。ロシアは何の損もしない。

KGB の支配

グルジアがロシア親派で独立を求める南オセチアにちょっかいを出したタイミングはどうも変だ。ロシアは2003年の無血のバラ革命の時からグルジアを取り戻そうとオセチアを焚き付けてきた。(この革命で腐敗した元ソビエト外相だったEduard Shevardnadzeが失脚し、現在のMikheil Saakashvili大統領が権力を握った。)

ロシアの反応は大げさ過ぎるだけでなく、気違い沙汰とすら言える。それに突発的に起きた反応にしては敏速で効果的過ぎる。ということは理屈から言って ロシアはグルジア侵略をずっと前から企てていたと考えることが出来る。 世界の目がオリンピックに集中している隙を狙ってちょっとしたグルジアの行動を口実に攻め入る機会を狙っていたのだ。

ロシア軍は南オセチアとアブハジアに居座っている。ここは1994年にグルジアの一部となったロシア民族の自治区である。ロシアはずっとこの地区の独立派をそそのかしてグルジア市民に対してテロ行為をやらせて来た。チェッチェンがロシアを攻撃しているように、ロシアはグルジアに攻撃を射かけていたのである。そう考えると「誰が最初に挑発したのか」という質問の答えはブラジミール・プーチン、ロシア帝王にあることは誰が観ても明白なはずである。

ロシアの現大統領がドミトリ・メドベージェフだってことくらい俺は知っている。だがプーチンが大統領を引退して首相となったのは、大統領任期切れをごまかす手段であり、メドベージェフ大統領はプーチンの手先にすぎない。

プーチンは未だにKGBの哲学で生きている。プーチンはかつてのソビエト連盟でKGBの輝ける新星だったのだから当たり前だ。奴らのやり方は常に:

  1. 狙いをつけた自治区で、もめ事を挑発する。
  2. そこで外地のロシア民族を救うという口実で軍隊を送り込み選挙を乗っ取る。
  3. 自分たちの手先を占領地の指導者におっ立てて誰か文句あっかと居直る。

だから俺にはロシアがグルジアを再支配しようとしていることは明白だ。 嫌がるグルジアを無理矢理ロシアの衛星国にし、奴隷国家として傀儡政権を通じて支配するつもりなのだ。(いや、直接ロシアの支配下におくつもりなのかもしれない。)

プーチンは戦火を南オセチアとアブハジアの国境をずっと超えた地域まで拡大し、グルジアの首都Tbilisiまで空爆している。成功しなかったとはいえ、ロシアは先週末Baku-Tbilisi-Ceyhan 石油パイプラインを破壊しようとした。このパイプラインはアブハジアからグルジアを通じてトルコまで続き、地中海のカスピアン現油田とつながっている。つまり国際石油市場へのパイプラインである。

ロシアの企みは明白だが、それでは我々はどうすべきなのか。実をいうと俺にはちょっとした考えがある。元ソビエト連盟の奴隷国で、現在は民主主義国家として生まれ変わった北ヨーロッパ諸国のNATO(北大西洋同盟)参加を促進することだ。(グルジアは戦争が終わるまではメンバーには加えられない。今メンバーにすると我々は同盟国としてすぐさ援軍を送らなければならなくなる。)現在のNATO諸国がそれを否決するなら、アメリカも強気で出て、今後 NATOの議案はことごとく否決すると脅迫くらいしてもいい。
**********

ミスター苺は特にNATO参加を促進すべき国としてウクレーン、モルドバ、アジャバジャーン、そしてアルメニアを上げている。何故これらの国々が重要なのかという詳細については次回に述べることにする。

August 12, 2008, 現時間 6:00 AM | コメント (0) | トラックバック (0)

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April 23, 2008

護衛艦「あたご」半年ぶりに舞鶴に帰港

防衛

日本時間の22日、横須賀に二ヶ月近くも釘付けになっていた海上自衛隊の護衛艦「あたご」が去年の10月ハワイへ発ってから半年ぶり母港の舞鶴に帰港した。

数日前、「あたご」が横須賀を出た時、横須賀の友人からやっと「あたご」が舞鶴に帰れることになったというメールをもらっていたのだが、本日舞鶴の友人から先日「あたご」が無事帰港したと連絡があったので、読者の皆さんはニュースなどでご覧になったかもしれないが、一応ご報告という形で書いておこう。

下記は西日本新聞より。

千葉県・野島崎沖で2月に漁船と衝突した海上自衛隊のイージス艦「あたご」が22日、母港の舞鶴基地(京都府)へ半年ぶりに帰港した。

 今後、事故で生じた艦首の傷の修理や、船体などの定期検査を受ける予定という。

 あたごは昨年10月下旬、舞鶴基地を出て、米・ハワイでの派遣訓練を終えて海自横須賀基地(神奈川県)へ向かう途中、漁船「清徳丸」と衝突した。

 その後、横須賀基地に停泊し、第3管区海上保安本部(横浜)の捜査を受けていたが、洋上検証が終わり、今月18日に同基地を出港した。

乗組員はもちろんのこと、ご家族の方々もほっとしておられることだろう。なにはともあれ一応よかった。

April 23, 2008, 現時間 7:04 PM | コメント (0) | トラックバック (0)

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March 27, 2008

護衛艦「あたご」乗り組み員一か月ぶりに休暇許可おりる

防衛

事件後ずっと艦内で缶詰になっていた護衛艦「あたご」の乗り組員には一か月ぶりに上陸許可がおりたようだ。以下3月25日付け朝日新聞の記事より。

 海上自衛隊は25日、衝突事故を起こしたイージス艦「あたご」の乗組員に上陸や休暇を認めることを決めた。上陸は同日夕方から許可し、休暇も2泊3日程度をめどに認めるという。2月19日の事故発生以来、乗組員は一部を除いて海自横須賀基地(横須賀市)に停泊している艦内にとどまり、海上保安庁の捜査や防衛省の調査を受けていた。

 あたご乗組員をめぐっては、衝突時の当直で見張り員だった海士長が24日に手首を切って自殺を図ったことから、防衛省もカウンセラーらの派遣を決めるなど、乗組員のケアに乗り出していた。

海士長が自殺を図るほどひどい状態になっていたとはなんとも情けない。どうして皆自衛隊ばかりを責めるのだ?なくなった方々には申し訳ないが、当時の状況から考えて漁船のほうにも責任があったと考えてもおかしくない。だいたいいくら捜査中とはいえ、乗組員を一か月以上も上陸もさせずに艦内に缶詰状態などにするからこういうことが起きるのだ。

事件後に乗り組員が長く別れ別れになっていた家族に慰められていればこのような事件はおきなかっただろう。

前回も書いたように、私は乗組員のみなさんとは直接面識はないし個人的なお友達が乗っていたわけでもない。ただ「あたご」のみなさんがパールハーバーで何か月も厳しい訓練と実験にいそしんでおられたのを目の当たりにしていたので、もう少しで帰宅という土壇場でこのような不幸な事故にあってしまったことがお気の毒でならない。しかし気の毒なのを通り越して、海自や日本政府の対応には腹が立ってならないのである。

世が世ならば日本の平和を守ってもらわなければならない海軍の兵士らをたかが交通事故の責任を問うためにここまで迫害してもいいのか?

以前にパールハーバーを訪れていた横須賀からの海自の曹長さんとその部下の方々数名とオアフ島観光に出かけたことがあった。その時一緒に記念写真を撮ろうということになったのだが、曹長さんが「髪の毛に花をつけているカカシさんと並んで写真をとったりしたら、また海自の人間は税金を無駄使いしてハワイでネイティブの女性と遊んでいると批判されかねない。」と半分まじめにおっしゃった。私が驚いて「海上自衛隊のひとたちってそんなにしいたげられてるんですか?」と聞くと、話を聞いていた他の隊員たちも口々に「そ〜なんです〜!」とうなづいた。

私はその時、曹長さんの話を冗談だと思って聞いていたのだが、いま考えてみると冗談ではなかったのだろう。

早く事故の捜査が終了してみなさんがホームーポートの舞鶴に一日も早く帰れる日を祈るものである。

March 27, 2008, 現時間 6:26 PM | コメント (0) | トラックバック (0)

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March 10, 2008

気の毒な護衛艦「あたご」の乗組員

日常の出来事 , 防衛

先日から護衛艦「あたご」と漁船の衝突事故のことで、自衛隊のほうばかりが責められているような印象を受ける。なかには自衛隊など何の役にも立たないのに税金の無駄使いをして不祥事ばかりを起こしていると、この時とばかりに自衛隊バッシングに専念する人たちもいるようだ。

きのうぼやきくっきりさんのところで、「あたご」の乗組員300余名はいまだに艦内で幽閉状態にあるという話を読んで非常に腹が立つと同時に、クルーのみなさんやその家族の心情を考えるとお気の毒でしょうがない思いでいっぱいになった。

事故の詳細については、すでにメディアでもブログ界でも色々と書かれているので、本日、カカシはちょっと個人的な話をしようと思う。

カカシが一年の半分以上は海の上で過ごしているという話はこのブログの常連の方々はご存じだが、去年は8か月以上船の上で、後半はずっとハワイの沖合で船に乗っていた。

よってカカシの一時的な職場となったのは、ハワイのパールハーバー。ちょうどその時、パールハーバーではBMD実験を行う護衛艦「こんごう」とイージスシステム実験を行う「あたご」が停泊しており、隣通しで仲良く綱でつながれて泊まっていた。この二隻の前にこの間の人工衛星撃ち落としに成功したアメリカのイージス艦クルーザー、レイク・イーリーが停泊していた。朝の国旗掲揚時には、「星条旗よ永遠に」と「君が代」が続けて演奏され、それが「あたご」が帰国するために真珠湾を去った今年の2月まで続いていた。

何か月も同じ港で顔を合わせていたので、私も「あたご」の乗組員とは多少顔見知りになった。「あたご」船上では私の知り合いが数人試験中のみ一時勤務していたことなどもあり、私にとって「あたご」の事件は他人事とは思えないのである。

「あたご」がホームポートの舞鶴を後にしてハワイの真珠湾へ向かったのは去年の10月後半のことである。それ以来、「あたご」の乗組員はハワイへつくまでの二週間半、毎日何時間もハワイで行われる実験に備えて訓練を行った。

11月にパールハーバーに着いてからの「あたご」のスケジュールは非常に厳しいもので、土日は港に帰ってくるが、週日はほぼずっと海上だ。港内で停泊中も訓練は続けられる。これが2月の本番のミサイル実発射実験まで、三か月も続いたのである。その厳しいスケジュールのなかで、「あたご」の乗り組員150名が11月に行われたホノルルマラソンに参加して全員完走という快挙をとげた。(「こんごう」からも50余名が参加、全員完走)しかも「あたご」はその翌日すぐに出航。

実際の実験がどんなものであるかという細い話は省くとして、実験そのものは大成功だった。何か月も家族から離れて厳しい訓練を続け、やっと実験も大成功を遂げた「あたご」の乗組み員たちはやっとうちへ帰れるとホッとしたに違いない。館長さんも肩の荷がおりたことだろう。

パールハーバーから舞鶴までは約二週間半の航海である。行きと違って帰りは特に訓練の必要はないので、(でも日本の船だから何かはやってただろうけど)結構のんびりした帰路が想像できる。実を言うと乗員の立場からすると、なにもやることがないほど退屈なことはない。なにしろ船からおりて飲みにいけるというわけではないし、(艦内はいっさい禁酒)ゲームセンターや映画館があるわけでもない。ま、艦内図書館で映画のDVDを借りてみたり、持参の本を読んでみたり、仲間とだべったり、トランプしたり、午後には甲板でジョギングするくらいしかやることはない。私の仕事と「あたご」の方々とでは質が全然違うとはいえ、このへんは日本の船でもアメリカの船でも大した差はないだろう。一週間くらいならまだ我慢できるが、これが二週間以上となると最後の方では髪の毛をむしりたくなる。だからホームポートにつくことを乗組員がどれほど楽しみにしていたか、私にはよく分かる。

「あたご」が事故にあったのは、こんなふうにして帰ってきた途中で、しかも舞鶴までは多分あと一日、というくらい近場まで戻ってきた時のことだった。乗組員もその家族も、どれだけこの日を楽しみにしていたことだろう。それがあと一歩という時にあんな事故。本当に心が痛む。(カカシも数年前に艦内で伝染病が発生し、湾内に入ってきたのに寄港できない状態で艦内に缶詰状態になったことがあるので、乗員の気持ちはいたいほどわかる。)

確かに亡くなった漁師親子はお気の毒である。決して彼等の死を軽々しく扱う気はない。早急な事故の原因究明は大切である。しかし、直接の事故とはほとんど無関係な乗り組み員まで艦内に二週間以上も幽閉しておく必要がいったいどこにあるのだろうか?帰宅してもメディアはもちろんのこと、家族とも事故の話はいっさいしてはいけないと命令してかえさせればいいだけのことではないか?そんなに自衛隊は自分達の隊員を信用していないのか?そんなことも信用できない隊員にイージスシステムを任せていて大丈夫なのか?

日本の自衛隊には危機感というものがないという批判はよく聞く。実を言えばカカシもそれは多少感じている。だがそれは自衛隊に問題があるというより、日本の軍事に対する姿勢そのものに問題があると思う。自衛隊をいつまでも「自衛隊」と呼んで、正規軍として扱わないから隊員の心にも油断がうまれるのではないか?

とにかく早急に調査を終了させ、すくなくとも乗組員のみなさんが家族の元へ数日中に帰宅できることを祈っている。

March 10, 2008, 現時間 11:31 AM | コメント (0) | トラックバック (0)

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February 22, 2008

米イージス艦迎撃ミサイル、制御不能の人工衛星に直撃!

防衛

一週間くらい前にブッシュ大統領が制御不能となった人工衛星が落下する恐れがあるとして,弾道ミサイル迎撃システムを使ってこの人工衛星を撃ち落とす計画だと発表して以来、もしもこれが失敗したらBMDプログラムの将来が心配だとかなんと平和主義の批評家たちがやいのやいの言っていたが、昨晩見事に撃墜に成功。

スパイ衛星をミサイルで撃墜、有毒燃料タンクを破壊か

ワシントン(CNN) 米国防総省は20日、制御不可能となり、地球に落下、衝突する恐れがあった米軍事用スパイ衛星を同日の東部時間午後10時半(日本時間21日午後12時半)ごろ、海上配備型迎撃ミサイルSM3で約247キロ上空で撃墜したと発表した。

ハワイ西方の太平洋上でイージス艦「レイクエリー」からミサイルを同10時26分ごろ発射、衛星が大気圏に突入寸前の軌道で撃墜に成功したとしている。発射は1発だった。ミサイル防衛システムを用いた衛星破壊は初めて。撃墜費用は最大6000万ドル(約65億円)。

米国防総省は地球に向かっていたスペースシャトル「アトランティス」に衛星の破片が激突しないよう、フロリダ州のケネディ宇宙センターにシャトルが着陸した後に迎撃ミサイルを発射した。

破壊した偵察衛星の重量は約2.3トンで、毒性が強く発がん性も指摘されるヒドラジンを搭載。米国防総省は、衛星落下で有毒ガスが人口密集地域に拡散する恐れが出たことから撃墜に踏み切ったと説明していた。

ミサイルがヒドラジンが積まれる燃料タンクを直撃したのかは不明。タンクに命中したのかの精査には24時間掛かるとしているが、国防総省高官はタンクを明らかに破壊したと述べた。

破壊によって生まれた衛星のゴミはほとんどが大気圏突入で燃え尽きると分析、周回する他の衛星などに悪影響はほとんどないとの見方を示した。

このスパイ衛星は2006年末に打ち上げられた直後、交信不能となった。撃墜しない場合、3月初旬に地球に落下する見通しだった。

一方、昨年1月に弾道ミサイルを使った衛星破壊実験を実施した中国の国営・新華社通信は、米国によるミサイル撃墜について「懸念している」と伝えた。米国は昨年、中国の実験を強く非難していた。

ミサイルによる破壊を受け、中国外務省報道官は米国が国際社会に必要な情報を迅速に提供することを求めると指摘。また、米国の今回の行動で宇宙で予想される被害を綿密に警戒しているとも語った。中国は昨年1月の衛星破壊実験で関連情報を国際社会に流さず、批判を受けている。

なんでアメリカが自国の防衛システムをわざわざ中国に説明しなきゃならないのか不思議だ。どうして中国はそんなことを知りたがるのだろうか?

とにかく、失敗したらアメリカの迎撃システムは全く役立たずで将来のBMDプログラムの行方が危ぶまれると言っていた批評家たちは、この大成功をどのように評価するのだろう、興味深いところだ。

とにかくBMD万歳!

以下イージス艦の写真:

護衛艦「こんごう」
高波たてるイージス艦
イージス艦の写真

BMD関連エントリー:

日本にテポドンは撃ち落とせるか?
アメリカにテポドンは撃ち落とせるか?
ミサイル迎撃システム日米合同実験大成功!
で、イージスは何をしてたの?
ミサイル迎撃システムは効果あるのか?
日本発のBMD実験成功!
海自のBMD装備は税金の無駄使いなのか?

February 22, 2008, 現時間 12:45 AM | コメント (0) | トラックバック (0)

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February 3, 2008

三沢基地、弾道ミサイル情報処理システム「JTAGS」運用はじまる

防衛

アンポンタンによると米陸軍は日本の三沢基地に配備した弾道ミサイル情報処理システム「JTAGS」の運用をはじめたという。海上のBMDと並行しても陸でも本格的なミサイル防衛体制にはいたようで非常に歓迎すべきことだろう。

下記はデイリー東北の記事より。

米陸軍が米軍三沢基地に配備した弾道ミサイル情報処理システム「JTAGS」の部隊編成式が二十二日、同基地将校クラブで開かれ、JTAGSの本格運用が始まった。また、システムの中核に当たる装備を搭載したシェルターの内部が式典招待者や報道陣に初めて公開され、隊員による機器操作の実演も披露された。

 式典には米軍三沢基地関係者のほか、日本側から基地周辺の九市町村で構成する三沢基地周辺連絡協議会の市町村長と議員や外務省幹部、航空自衛隊三沢基地司令らが招かれた。

 米陸軍宇宙およびミサイル防衛コマンド作戦担当副司令官で、JTAGS運用の総責任者のジョン・スワード陸軍准将が、JTAGS開発の目的や任務を説明。「部隊の活動開始とともに、日本とのパートナーシップを強固にしたい。この部隊は米軍がこの地域に平和をもたらす意思を示すものでもある」と述べた。

 また、スワード准将は報道陣との質疑応答で、JTAGSを日本に配備した理由を、太平洋全体を監視できるためと強調。その中で三沢基地を選んだことについては「地理的にいい位置にある。既に基地があり、生活に必要なインフラが整っている。地元住民との友好な関係があるから」と述べた。部隊は既に二十四時間体制で運用できる状態にあることも明らかにした。

JTAGの詳しい情報はこちら(英語)で読むことが出来るが、簡単に言うと、『JTAGSは早期警戒衛星から弾道ミサイルの発射データを受信・処理・配信する情報処理システムで、処理装置を搭載した車両と3基のアンテナで構成される。』ものである。このシステムはペイトリアットPAC3とは別物で、ミサイルのための探知、進路追跡(tracking)、通知(notification)システムである。



JTAGS

弾道ミサイル情報処理システム「JTAGS」

JTAGSは戦域の司令官が状況を把握するために必要不可欠な情報リンクである。任務上の利点として次のことが含まれる。

  • ミサイル迎撃のため地域防衛ミサイルシステム始動の合図をする。

  • 敵の発射機能を探知し破壊する攻撃作戦開始の合図をする

  • 同盟軍や市民の防衛のため早期警報を発令する。

JTAGSは三つDSP(Defense Support Program)と呼ばれる人工衛星を使ったミサイル探知システムと宇宙基盤の探知機から直接情報をダウンリンクすることができる。機能として下記が含まれる。

  • 戦域弾道ミサイル(TBM)の赤外線データ。

  • 複数のセンサーからのダウンリンクによる立体(3-D)ステレオ 情報処理。

  • リアルタイム通報。

  • 臨機応変な複数ネットワーク能力

  • 戦域内の音声データ。

JTAGSの高度の解像度画面には次のものが含まれる。


  • 予測発射地点と時間。

  • 予測衝撃地点と時間。

  • 軌道範囲。

  • 複数軌道追跡能力

JTAGSは移動可能な車両で、装備したシェルターを牽引するしくみになっている。これは陸軍と海軍の合同システムなので、作業員は陸軍海軍双方から15人での操業で、三つの組に別れてシフトを交換し365日24時間運営となる。

February 3, 2008, 現時間 3:01 AM | コメント (0) | トラックバック (0)

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January 17, 2008

日本を守る愛国者、ペイトリアット3

防衛

この間のBMD迎撃実験が成功した時、もしも迎撃に失敗した場合には地上の迎撃ミサイルPAC3がバックアップとして迎撃することになっていた。そのPAC3は今年の3月までに自衛隊基地16部隊に配備されることになっているが、基地の外にも配置するという計画があるらしい。その話を日本がアブナイのmewrun7さんが紹介しているので、こちらでも掲載。

新宿御苑に装備を運び、自衛隊が「基地外PAC3発射」候補地の調査を実施!

PAC3の展開候補地、新宿御苑で実地調査 防衛省

2008年01月15日11時29分

 航空自衛隊入間基地(埼玉県)などに配備された地上配備型迎撃ミサイルPAC3の都心部での展開地を決めるため、防衛省は14日夜から15日朝にかけて、東京都新宿区の新宿御苑に車両を運び込み、隊員約50人が無線の通信状況などを確認する実地調査を行った。今後、代々木公園など都内のほかの候補地でも調査を進める。

 日本の弾道ミサイル防衛(BMD)システムは、まず海上配備型迎撃ミサイルSM3で大気圏外で迎撃し、撃ち漏らした場合はPAC3が高度十数キロでねらい撃つ。SM3は昨年12月、米ハワイ沖で日本として初めて迎撃実験に成功した。

 PAC3は▽ミサイル発射装置▽レーダー装置▽射撃管制装置などを積んだ車両で構成される。最大射程は半径約20キロとされ、首相官邸や国会、中央省庁などの首都中枢を守るため、都心部で周囲に障害物などがなく、十分な広さがある場所に部隊を移動・展開させる。現在は入間基地など2カ所の配備だが、2010年度までに首都圏や中京、京阪神地区など16の空自高射隊に配備される。

 14日午後8時すぎ、閉園後の新宿御苑にアンテナと無線中継装置を積んだ車両が運び込まれ、空自施設との無線の通信状況や、部隊を展開する広さがあるかなどの確認作業が15日朝まで続けられた。 ...

これに関するmewrun7さんの感想は興味深い。

昨年末のミサイル実験もそうだけど。たとえ、防衛行為とはいえ、日本は、こんな風に堂々と軍事的な準備を行なったりするような国になっちゃったんだな~と。また国民も、それを平気で見ているような国になりつつあるんだな~という感じもしてしまった。

...このブログで何度も書いているように、米国と日本の間には、米軍再編に絡んで、2010~11年までに、日本の自衛隊が米国のいわば一部隊として、十分に戦えるような軍事力を備えて行く計画があって。

 そのためにも、安倍前首相が、わざわざマニフェストに書いて公言していたように...「2010年には、憲法改正を実現する」「アメリカと組んで、戦えるように、もっと早い段階で集団的自衛権の行使を認める」という計画が立てられている...

 私自身は、憲法改正そのものには、絶対反対の立場ではないけど。 それは国民主体で行なわれるべきものであって。そんな日本の政府や政治家の一部と、米国側で、「2010年までに、このような内容に改正することにする」なんてお約束して、改正すべきものではないと
思うのだ。(**)

 もしあなたが、平和で平穏な国であることを望むなら<米国と一緒になって、軍事力&軍事活動拡大をするような形での(彼らのいう)平和構築なんて望まないなら>、衆院選で何とか日本の未来を救って欲しいと、切に願うmewなのだった。(@@。

"Igitur qui desiderat pacem, praeparet bellum." 「平和を望むなら戦に備えよ」とはVegetiusという人の言葉。国を外敵から守れてこそ国の平和を保つことができるのだ。

無論私は憲法改正派であるが、mewさんの言う意味も分からないではない。というか、日本政府が既成事実をいくつも作ってしまうことによって、日本人の軍隊アレルギーを麻痺させていずれ憲法改正がやりやすくなるように持っていこうという陰謀がる、、という意見には同意する。私は決してそういうやり方が好ましいと思うわけではないが、現在の日本の状況を考えた場合、そういうやり方もやむ終えないだろうと思う。

平和主義者は自分達が戦争を拒絶しさえすれば敵がせめてこないと思い込んでいるところが私には全く理解できない。防衛装備などしたら近隣諸国を刺激して余計にせめてこられる可能性があると本気で信じているらしい。PAC3を備えたらよけいに敵に狙われると考えるひともいるようだが、もし私が北朝鮮なら撃ち落とされる可能性のある場所よりも守りの弱い場所を狙うだろう。だとしたらPAC3が備わる近所に住んでいたらかえって装備には歓迎するのが筋かと思う。

日本の平和は戦争をする覚悟なくしては守れない。いまや日本人はその事実に気付く時だと考える。

January 17, 2008, 現時間 9:55 PM | コメント (0) | トラックバック (0)

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January 12, 2008

新テロ対策特別阻止法に見る憲法の限界

防衛

日本の衆院が参院で否決された法案を再可決するという57年ぶりのまれにみる動きにより、新テロ対策特別措置法が再可決されたというニュースを読み、非常に喜んでいるカカシである。

海上自衛隊によるインド洋での給油活動を再開させるための新テロ対策特別措置法(給油新法)は十一日午後の衆院本会議で、憲法五九条に基づいて自民、公明両党など三分の二以上の賛成多数で再可決、成立した。これにより焦点は、十八日召集の通常国会での二〇〇八年度予算案と関連法案審議をめぐる与野党攻防に移る。政府・与党は政権運営にかかわる重要法案成立のためには、衆院での再可決を辞さない構え。民主党は福田康夫首相問責決議案の参院提出の時期を探っており、衆院解散含みの展開となるのは必至だ。...

 給油新法成立を受け、石破茂防衛相は斎藤隆統合幕僚長、吉川栄治海上幕僚長らに給油活動再開に向けた準備を指示した。

 政府は十六日にも派遣実施計画を閣議決定。今月中に補給艦などを出航させ、二月中旬にも活動を再開する。

日本の給油活動はいずれ再開されるであろうと考えていたので、この結果は特に驚くべきことではないが、三か月という間をあけてしまったのは日本の国際的立場を考えるとあまり好ましい出来事ではなかった。この問題に関して産經新聞の「主張」が興味深いのでちょっと拝借。

...石破茂防衛相が「(給油活動中断で)パキスタン艦船は活動時間が4割減った。監視活動が密から疎になっている」と語ったように、海自の撤収は多国籍海軍の海上パトロールなどにダメージを与えた。喜んだのは、麻薬を積んで武器を買って戻るテロリストたちなのである。

 ペルシャ湾からインド洋にいたる多国籍海軍が守る海域は、中東に原油の9割を依存する日本にとって海上交通路(シーレーン)と重なる。

 ところが反テロ国際行動から脱落したことで、海自は海上テロなどの情報を共有できなくなってしまった。日本のタンカーは危うさの中に放置されていたといえる。多国籍海軍への給油支援は日本の死活問題でもある。

 国際社会は給油再開を歓迎しているが、それにとどまってはならない。日本は反テロ国際共同行動を担う能力と責務を担っている。日本が信頼できる国かどうかが試されてもいよう。

これは私の主観だが、どうも日本の方々は海上交通路の重要さを十分に理解していないのではないかという気がしてならない。直接輸出入に関与していない市民は海を使ってどれだけの物資が我々のもとに届けられているか実感が湧かないのかもしれない。空路や道路がいくら発達しているとはいっても、輸送の主体はいまでも海路なのである。

海路を使って輸送されているのは原油だけでなく、食料、科学薬品の原料、乗用車など数え上げたらきりがない。海路の安全が保たれなければ日本のような海に囲まれた国はお陀仏である。

ここでも何度か書いているように、私は仕事柄一年のうち半年以上は船に乗っている身であり、アメリカの海域を出ることも多々あるので、海上保全は他人事ではない。天候の関係で補給が切れて三日三晩コーンドッグ(ホットドッグに衣をつけて揚げたもの)とチキンナゲットを食べさせられた経験もあるので補給の大事さは身にしみているつもり。(ちょっとせこいかしら?)

ただ心配なのはこ特別阻止法は一年ごとに見直しが必要だという点。

 新テロ法の問題点は期限を1年間にしたことだ。海自の活動を給油・給水に限定してもいる。これでは国際社会の期待に応える活動はできない。期限切れが近づけば、また政争を繰り返そうというのだろうか。

 恒久法制定は待ったなしだ。海外で新たな事態が起きるたびに特別措置法を定めて自衛隊を派遣する現状を改め、国際平和協力をより迅速に行わねばならない。

やはり問題の根源には日本の憲法に限界があるという点ではないだろうか。産経新聞が指摘しているように、何かある毎に特別措置法などを定めていては時間的に間に合わないし、その時の政治状況で日本が迅速な反応を示せるかどうか解らない。いつまでも臨時に憲法を回り道するようなやり方をやっていては日本は本当に国際社会で信用を失うし、第一日本の国防のためにも良くない。

日本ではそろそろ憲法改正をするという前提で真剣な討論がされるべき時ではないかと思う。もっともイラクへの自衛隊派遣やインド洋への補給活動などは、自衛隊が正規軍として活動するという既成事実を作ってしまうという意味では良いことなのかもしれない。私は法治国家の日本が憲法をわい曲した形でバンドエイド型の措置法をとるやり方は好まない。だが、日本の現状を考えると、こういうふうにじょじょに既成事実を作ってしまって、憲法では違法だが事実自衛隊はすでに正規軍的な活動をしているのだから、という理由で改正がやりやすくなるという考えもあるのかもしれない。

January 12, 2008, 現時間 5:48 PM | コメント (2) | トラックバック (0)

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December 27, 2007

護衛艦「こんごう」の写真

防衛

海上自衛隊のお友達から護衛艦「こんごう」の先の実験成功の時の写真をもらったので掲載しておく。



SM3-Reduced

「こんごう」から発射されるスタンダードミサイル3



USSLakeErie-Reduced

アメリカのイージス艦USSレイク・エーリー(手前)と「こんごう」(後ろ)



JSKongo-Reduced

空から見た護衛艦「こんごう」


浮雲日記さんとこでも、真珠湾の港にとまっている「こんごう」の写真が見られる。

また実験成功のビデオはこちらどうぞ。

December 27, 2007, 現時間 12:58 AM | コメント (0) | トラックバック (0)

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December 23, 2007

ニューヨークフィルは北朝鮮でコンサートなどするな!

東洋危機 , 防衛 , 音楽芸能関係

先日来年の2月にニューヨークフィルハーモニックが北朝鮮でコンサートを開くことになったというニュースを読んだばかりだが、それについて、ウォールストリートジャーナルのコラムを書いている演劇評論家のテリー・ティーチアウト(Terry Teachout)の批判が的を射ていると思う。

ニューヨークフィルといえば、アメリカでもっとも古い由緒ある交響楽団である。そのNYフィルの会長が北朝鮮の国連大使パク・ギル・ヨンと肩を並べてピョンヤンでの公演の予定を発表したのを聞いてティーチアウトは恐ろしくて背筋がぞっとしたという。150万人という市民が奴隷労働を強いられている国の金正日という独裁者の前で、自由の国アメリカの交響楽団が公演するなど言語道断だ。しかもこの公演はブッシュ政権の国務庁がNYフィルにかなりの圧力をかけて実現したというのだから信じられない。いったいブッシュ大統領の「悪の枢軸」云々はどうなったのだ?

ティーチアウトは、このような公演は北朝鮮の政府を正当化する猿芝居だという。私はブッシュ大統領が北朝鮮に迎合しているとは思いたくないが、何故米国国務庁が北朝鮮のご機嫌取りをしなければならないのかさっぱり理解できない。

先日私は北朝鮮が日本へミサイル攻撃する可能性について書いたが、北朝鮮が直接日本を攻めてこないまでも、北朝鮮の核技術がイランやシリアに渡り、それがヒズボラなどのテロリストの手に渡れば、世界がどういう状態になるか想像がつくというもの。イスラエルがたたいたシリアの核兵器開発施設は北朝鮮の技術を使ったものだったという噂もあるし、この間もレバノンのヒズボラを北朝鮮が武装しているかもしれないという話がでたばかり。

マコーマック米国務省報道官は13日の記者会見で、北朝鮮がレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラなどに武器支援を行っていたとの情報を米議会調査局が指摘したことについて、「情報を確認する立場にはない」としたうえで、北朝鮮に対するテロ支援国家指定解除にあたっては、「すべての入手可能な情報が考慮に入れられる」と述べ、この疑惑が解除の際の検討項目となる可能性も示唆した。

北朝鮮はテロリストに武器を売る条件として日本をせめて欲しいとほのめかすかもしれないし、テロリストも手っ取り早いところで東洋で一番経済力のある日本を叩いておこうと考えるかもしれない。

そういう危険な国にたいして、アメリカが北朝鮮のテロ支援国家指定解除をするかもしれないという話は非常に困惑する。

私は日本にはアメリカとの安保があるから日本が武装しなくてもいいという人に常々いうのだが、アメリカが日本を守るのはアメリカの都合でやっているだけであって、アメリカの国益に直接結びつかなければ日本など簡単に見捨てられる。アメリカがいまのところ北朝鮮のご機嫌取りをすることでアメリカは安泰だと考えれば、アメリカは日本の拉致問題になど親身になってくれないだろうし、それが日本を危険に及ぼすことになったからといって積極的にアメリカが守ってくれるという保証など全くない。安全保障条約なんて紙に方餅同様意味のないものだ。

だから私は日本は自国の防衛をアメリカに頼っていてはいけないと口を酸っぱくして言っているのである。

何にしてもNYフィルが国務庁のプロパガンダに加担する必要はないはず。それが北朝鮮の独裁政権を正当化するというならなおさらだ。

December 23, 2007, 現時間 5:48 PM | コメント (0) | トラックバック (0)

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December 22, 2007

海自のBMD装備は税金の無駄使いなのか?

防衛

このあいだの海上自衛隊護衛艦「こんごう」による日本の防衛にとって岐路ともなりうるBMD迎撃実験の成功で、またぞろ海自のBMD装備が一発20億円で金がかかり過ぎるとか、北朝鮮には600発ものノドンミサイルがあるのに、たかが八発くらいしかミサイル装備できない護衛艦など装備しても無駄だとかいう議論がまたぞろ頭をあげてきた。

しかし私にいわせてみれば、ノドン一発が日本本土に撃ちこまれた場合の被害を考えたら、SM3ミサイル一発くらい安いもんだろうと思う。それに相手の武力がこちらより勝っているから無駄な抵抗はするなという考えには全く賛同できない。相手が強すぎたらそれに見合う防衛を装備すべきだと考えるのが常識ではないのか? 護衛艦が二隻で足りないのなら、もっと多く備えればいいではないか。相手が手強ければ守りをさらに固めるのが理屈だろう、それを相手が手強いから戦わずしてあきらめろとは大和魂は何処へ行ったのだとききたい!

ところでBMDは実社会では全く役に立たないという人がいるが、いったい彼等はなにを根拠にそんなことをいうのだろう。下記などはその典型的な意見だ。

これは、予めイージス艦「こんごう」が飛んで来る標的ミサイルに届く位置で待ち構え、標的ミサイルが何時頃どの辺に飛んで来るか知っていたから出来たことだ。

しかも、実験用の標的ミサイルは北朝鮮や支那の弾道ミサイルよりも大きくてスピードが遅い。

こういうことをいう人は科学的実験というものを全くしらないとしか考えられない。中距離ミサイルが撃ち落とせるかどうかを調べる実験で標的ミサイルに届かない位置で待ち構えて何の実験になるというのだ?実際に飛んできたミサイルを察知し最後までトラックして撃墜することができるかどうかという実験をしているのだから、ミサイルの届く位置で待機しているのは当たり前だ。

これがうまくいったのだから、北朝鮮のノドンが飛んできそうな場所に一隻、二隻などといってないで、もっと多くの護衛艦を配置すればいいではないか。護衛艦一隻では守りきれないから全く守らないというのは本末転倒だ。

それにテスト用の標的が実際のミサイルよりも遅いというのはいったい何を根拠にしているのだろう?標的は北朝鮮のノドンを模擬したミサイルのはずでスピードも本物と同じはずだ。そうでなければこんな実験は意味がない。

北朝鮮がもしも本気で日本を攻めた場合、北朝鮮の経済力と日本の生産力を考えれば長丁場の戦いでは敵に勝ち目はない。ということは、日本がアメリカの真珠湾攻撃で狙ったように、最初の攻撃で相手に圧倒的な打撃を加えて相手の戦意を落として早急に占領してしまう以外に手はない。それが日本のBMD迎撃によって当初のミサイル攻撃の出鼻をくじかれれば、北朝鮮はそれ以上の攻撃を日本に仕掛けてくることは不可能になる。

戦略的に考えても北朝鮮が自分らの持っているミサイルを最初の段階で全てほとんど同時に日本に撃ち込むなどということは不可能である。経済力のない北朝鮮にとってミサイル一発撃つのも慎重なはず。それがやたらに撃っても撃ち落とされるとなっては、そう簡単に日本を攻めようなどという気もなくなるだろう。

もともと軍隊というものは保険のようなもので、使わないですむならそれに越したことはない。だが、以前にも書いたように戦争というものは敵側が勝てると思うから攻めてくることが多いのだ。北朝鮮が日本相手の戦争に勝つためには当初の攻撃で圧倒的な勝利をおさめる必要がある。それができなければ日本からだけでなく、アメリカからも報復攻撃が即座に行われるからだ。しかし当初の攻撃がBMDによって迎撃されるかもしれないとなれば、北が日本を攻める可能性は極端に減るのである。

BMDは税金の無駄使いだという輩はそうしたことを先ず考えるべきだろう。

アップデートミサイル防衛、本格稼働へ 対処要領改正を閣議決定(12/24 10:57)

 政府は24日の閣議で、イージス艦に搭載する海上配備型迎撃ミサイル(SM3)が先の実験成功で配備可能になったのを受け、他国が弾道ミサイルを発射した場合の対応を定めたミサイル防衛(MD)計画の緊急対処要領改正を決定した。

 主な改正は(1)弾道ミサイルの破壊方法にSM3を追加(2)MD関係部隊の行動範囲を首都圏に限定しない(3)原子力発電所の被害に備え、弾道ミサイル発射時などに連絡を取る省庁に経済産業省を追加−の3点。これで陸上配備の地対空誘導弾パトリオット(PAC3)に加え、SM3も法的に迅速な運用が可能となり、MD計画は本格稼働する。

 これまでの緊急対処要領は、首都圏をカバーする航空自衛隊の第1高射群・入間基地(埼玉県)などのPAC3に対応していた。

 政府は2005年の自衛隊法改正でMDの法的枠組みを整備。首相の承認を得る余裕がない緊急時は、緊急対処要領に従い防衛相があらかじめ迎撃を命じ、発射されれば現場指揮官の判断で迎撃できるようにした。

December 22, 2007, 現時間 2:27 AM | コメント (1) | トラックバック (1)

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December 18, 2007

日本発のBMD実験成功!

防衛

まずは18日付けの朝日新聞のニュースから。

海上配備型ミサイル、初実験成功 宇宙空間で標的を迎撃

 弾道ミサイル防衛(BMD)の海上配備型迎撃ミサイル(SM3)を搭載した海上自衛隊のイージス艦「こんごう」は17日正午すぎ(日本時間18日早朝)、米ハワイ沖で初の実射訓練を実施し、標的のミサイルを大気圏外で迎撃するのに成功した。ハワイ・カウアイ島の米軍施設で防衛省が発表した。米国以外の国が、SM3の実射実験をしたのは初めて。

 こんごうは来年1月上旬、海自佐世保基地(長崎県佐世保市)に実戦配備される。地対空ミサイルとイージス艦による日本のBMDは、新たな段階に入った。

 米軍が現地時間の17日午後0時5分、標的となる模擬弾道ミサイルを発射。その4分後、カウアイ島沖のこんごうがSM3を発射し、0時12分、上空100キロ以上の大気圏外で命中させた。

 日本のBMDは、まず、SM3を搭載したイージス艦で敵のミサイル迎撃を目指し、撃ち漏らした場合は、地上に配備した地対空誘導弾パトリオット3(PAC3)で再び狙う仕組み。防衛省は10年度末までに、SM3搭載のイージス艦計4隻を配備する一方、首都圏や中京・京阪神地区など計16カ所でPAC3の配備を進める。

 実験に立ち会った海上幕僚監部の河野克俊防衛部長は「これで、上層と下層という多層で弾道ミサイルに対処する態勢ができた。日本の防衛の結節点だ」と実験の意義を強調した。

 実験後に米軍施設内で会見した江渡聡徳防衛副大臣は「この成功は、日米両国が今後も継続する技術・運用面の協力の成果だ」と述べた。同席した米ミサイル防衛局のオベリング局長は「日米の協力のうえでとても重要なできごとだ。日本は大きな一歩を踏み出した」とした。

 こうした整備には1兆円を超す費用がかかる見通しだ。実験は初期段階に入ったばかりで今後も続く。米軍は新装備の開発で日本にも負担を求めており、出費はさらにかさむ。このため、巨額な負担を伴うBMD整備をどこまで続けるのか、疑問視する声もある。

さすが朝日新聞、おめでたいニュースでも「巨額な負担を伴うBMD整備を何処まで続けるのか、疑問視する声もある。」とまとめるところがなんともいえない。

本当は色々言いたいことはあるのだが、今回は一応「こんごう」の乗組員並びにテストチームの皆さんに「おめでとう!」とだけ言わせていただく。

皆さんご苦労様でした! SM3, 第一回発射成功おめでとうございます!

December 18, 2007, 現時間 7:24 PM | コメント (0) | トラックバック (0)

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December 14, 2007

国防を他人任せにする危険

防衛

The Englsih version of this entry can be read here.

先日私はずっと以前からのネット知り合いで東南アジアでNGO活動をしてらっしゃるアセアンさんと日本の護衛艦が日本の商船を守るべきなのではないかという話をしていた。その時彼が言ったことがきになったので、アセアンさんのご了承を得てここにそのやり取りの一部を掲載する。しかしその前にちょっと寄り道をさせてもらう。関係ないようだが後でちゃんとつじつまを合わせるのでご心配なく。

私の好きな小説のひとつにJ.R.R.トールキンの「指輪物語」がある。ピータージャクソンが映画化したロードオブザリングス三部作は、小説の映画化としては稀にみる良い出来だった。しかしただひとつ私が失望したのは、ジャクソン監督が「ホビット庄の掃蕩」という章を完全に省いてしまったことだ。原作ではサウロン相手の戦争が終わって、英雄たちがそれぞれの故郷に帰ったところで話がめでたしめでたしと終わるかというと実はそうではない。

物語のはじめに描かれているホビット庄は非常に平和で、もう何世代も戦争をいうものを体験したことがない。ずっと昔にはひどい戦争があって、何人もの村人が戦って死んだという歴史はあるにはあるのだが、あまりにも遠い昔のことなので、村人たちの記憶にかすかに残っているに過ぎない。なんにしても今の平和主義のホビットたちには全く無関係な話である。外部から戦争が近づきつつあるという噂を聞いても、それはどこか遠いところで起きていることで、自分達には関係ないと思っているホビットたち。たまに外部からの怪しげな男達を境界線の村の宿で見かけることがあるが、ホビットたちは汚れた服を着て厳しい顔つきのこの男たちには気味悪がって近づかない。

しかし実はこのレンジャーと呼ばれる怪しげな男達こそが、ホビット庄を守るべく村に迫ってくる悪の軍隊たちと日夜命がけで戦っているのだ。ホビットたちはレンジャーに感謝するどころか、彼らの存在にすらほとんど気が付かない。ホビット庄が平和ならそれでいいのだと考えている。

さてここで話をアセアンさんとの会話に戻そう。

アセアン: 「米国が(この際ですから、ハッキリ言いますが)米国一国だけが「世界平和(爆笑:此処が嘘で、米国本土の安全保障のため”だけ”)の為に汗をかいている時に、責任も果たさす金儲けに走るのか?」式の”難癖”もハッキリ言って難癖以外の何物でもない。

何せ、日本はその金儲けで得た世界第二位のGDPの中から、膨大な金額を米国に対して米軍とか言う傭兵組織のレンタル料金として支払っている(あははは)..... 世界中の海域で海上警備行動なんて馬鹿げた活動が出来るのは米国しかないんだからその費用を出して上げるから頑張ってね!でいいんじゃないですかね?(笑) 早い話が金をしっかり払ってんだから、キッチリ警備してよねっ!ってことですかね。。。。。。

カカシ:言っちゃ悪いですが、こういう言い分がアメリカでは非常に悪評を買いますよ。つまりですね、自分らは金だけ出して危ないことはアメリカ任せっていう姿勢はアメリカ人には徹底的に軽蔑されます。

軍事強化して極東守って自分らのタンカー守って、対テロ戦争にも直接参加してれば、アメリカがどうのこうのいってきたからって一銭も払う義理なくなるんですよ。...はっきり言って、アメリカ人からしてみたらそういう態度のほうがよっぽども尊敬できます。

アセアン:日本の大多数の国民はですね(多分)、米国から(国際社会からかな?)尊敬されなくなって戦争するよりはヨッポドまし!・・・って思ってるんですよ。。。多分ね。憲法9条とか言う話は、まぁ”言い訳”ですよ、言い訳。

いいじゃないですか!米軍を派遣する、駐留する、移転する、戦争する経費を払ってくれる奇特な国家(?)なんて世界中探しても日本くらいなもんですよ...

日本の安全保障に関する基本概念はどんなに世界中から蔑まされようが、日本本土が攻撃を受けさえしなければ良い!っと言うのは、太平洋戦争の苦い経験があるからですよ!

もしもアセアンさんのような考え方が日本人の一般的な考え方なのだとしたら、私は非常に残念だ。これが侍魂を持って降参するくらいなら戦って死ぬと言っていた誇り高い日本人の成れの果てだとしたら、これは本当に情けない限りである。現代人はいったいご先祖さまにどうやって顔向けできるのか不思議でしょうがない。

しかし金だけ払って傭兵に国を守ってもらおうという考え方は、単に情けないだけでなく非常に危険な考えで、決してうまくはいかない方法なのである。この傭兵政策にはいくつか問題がある。

  • 先ず第一に、自分らが防衛の戦いさえも拒絶するという態度は戦争を避けるどころか かえって戦争を招いてしまう

    イランのアメリカ大使館が占拠されたとき、当初過激派学生たちは人質を4~5日拘束する計画だった。ところが当時のカーター大統領がイランへの報復はしないと公言してしまったため、過激派たちは人質を444日も拘束するに至った。

    サダム・フセインが湾岸戦争後国連の停戦条約をやたら破って傲慢な態度をとっていたのも、クリントン大統領が本格的な戦争をやるつもりがないことをフセインは充分に心得ていたからだ。

    オサマ・ビンラデも1998年のインタビューで、「アメリカは弱い、アメリカは戦わない」と言っていた。そのアメリカの逃げ腰な態度が2001年の911事件を招いたのである。

    弱いと見られれば攻められる。強いと見られれば敬遠される。

  • 第二に傭兵の忠誠心は雇い主の日本にあるわけではない。彼らには彼らの都合がある。.

    アセアンさん自身が指摘しているように、アメリカは世界平和のためなどと奇麗事をいってはいるが、実は自国の国益を最優先に考えている。私個人としてはアメリカの平和は世界平和につながると考えているため、この考え方には全く矛盾を感じない。ただ、もし日本を守ることがアメリカの国益と矛盾した場合に、アメリカは日本などためらいもなく見捨てるだろう。そうでなくても、アメリカは全治万能の神ではない。アメリカだけで全世界の警備ができるわけでもなし、アメリカの手の届かないところで日本が攻められたらこれはどうしようもない。

  • 第三に、この作戦が失敗する最大の原因は「壁の上の男達」現象だ。

    「壁の上の男達」とは、ロブ・ライナー監督の1992年製作映画"A Few Good Men"での、ジャック・ニコルソン扮するジョセップ大佐のことばだ。 (実はジョセップ大佐は映画では悪役だが、彼のこの演説は軍人には非常に気に入られており、映画自体はあまり覚えられていないが、この台詞だけがよく軍事基地のオフィスなどに張られているのを私は目にする。)

    自分達が戦争をせずに傭兵に頼って戦争をしてもらっていると、だんだんと一般市民は戦争の必要性を忘れてしまう。なぜ傭兵を雇ったのか、なぜ傭兵に家を提供し必要経費を払い給料まではらっているのか、その根本的な原因を忘れてしまうものだ。それでいつの間にか、傭兵なんか必要ないんじゃないだろうかと考え出す。あの壁の上で行ったりきたりしている番兵はいったい何の役にたっているのだ、邪魔だからとっととグアムあたりに引っ越してもらおう。国民の血税でアメリカの経済支える義理はないよってなことになる。

    それじゃあアメリカがいい加減に頭にきて、「さよでござますか、じゃあ、どうぞご勝手に」と言って何もしてくれなくなったら日本はどうするのか?日本にはアメリカの加護を受けずに自分らだけで国を守る能力など持ち合わせていないではないか?


いま日本人が米軍基地にかかる費用とか、日本が言い出したグアム島移転の引越し代を払うのを渋っているのも、みなどうしてアメリカ軍が日本に駐留しているのかを忘れてしまったからだ。

日本の血税無駄使いして家賃も払わねえでいすわってるこいつらは誰なんだ? と日本市民は問いただす。しかしこれは「ただ」ではない。アメリカ軍は日本にいることで日本を守っているのである。日本は自分らが戦わない代わりにその経費を払うんじゃなかったのか?戦わないで済むならそのぐらい安いもんだと思ったのではなかったのか?一時は価値があると思った人々が、いまやこの値段は高すぎると文句をいっているのである。(ところで米軍基地は家賃を払っていないわけではない。米軍側は日本にかなり高額な土地代を払っている。日本の方々はそのことをご存じないようだが。)

日本人が日本駐留のアメリカ軍に対してこのような感情を持つのは当たり前だ。なぜなら現代の日本人は全く戦争というものをみたことがないからだ。彼らにとって戦争など存在しないのだ。どうして壁の上に男達が立つようになったのか完全に忘れてしまったのである。(アメリカの古いことわざに、最初に壁が建てられた理由を確かめずに壁を壊してはいけない、というのがある。)

私が指輪物語の「ホビット庄の掃蕩」が大事だといっているのはこの点だ。戦争はついにホビット庄に訪れる。故郷のホビット庄を出て冒険の旅を終えてもどったホビットたちを待っていたのは、よそ者によってすっかり乗っ取られて見る影もなくなっていた故郷ホビット庄だった。

すでにこれまでずっと頼りにしていたレンジャーたちも、魔法使いも、エルフ達もそれぞれ故郷へ帰ってしまい頼れるものは自分達だけになったホビットたちは、これまでの平和主義を捨てて自分達だけで侵略者たちと戦わねばならない。

ここでホビット庄を悪者からとりかえすべく、ピピンとメリーという二人のホビットたちが中心になってホビット庄を侵略者から取り戻す。二人は外地で戦争を見て体験してきた。彼らはどうやって戦えばいいかを知っていた。この掃蕩こそが、指輪物語をまとめるうえで非常に大事な要となっているのである。

日本人が非戦闘員としてでも平和維持作戦に参加して、アメリカ軍や他国の戦士たちの戦いぶりをみれば、彼らも戦争という日本人が失った人間の伝統を思い出すかもしれない。こうして本当の戦争を体験した日本人が国に帰って日本人に戦争の何たるかを思い出させることができるかもしれない。そうして日本人に再び名誉、義務、規律といった、概念を思い出させてくれるだろう。なにしろ日本にはもともと武士道というものがあったのだ。日本の若者がそれをきいたことがないのは非常に残念だが。

テロリストはこれまでにもバリ島での爆破事件でオーストラリア人及び日本人を大量に殺している。エジプトでも日本人を含む観光客がテロリストの乱射によって殺された事件があった。ソマリアはイスラム系の国であり、アルカエダのようなイスラム系テロリストがソマリアの海賊を使って海賊行為で金儲けと同時に世界に脅威感を与えようとする可能性は大いにある。彼らにとて旗がアメリカであろうが日本であろうがおなじことだ。日本だけがテロの標的から見逃してもらえるなんて考えているなら甘いとしかいいようがない。

無論これは決して日本だけの現象ではない。ヨーロッパなどもっとひどい。いったい何度テロ攻撃にあったり、過激派による暴動を経験すれば彼らは目覚めるのだ?

日本もヨーロッパもそろそろ自分らの庄を掃蕩する時期が来ているのではないか?

下記にジョセップ大佐のスピーチを掲載しておく。難しいので翻訳できないが、英語に自身のあるかたは是非読んでみていただきたい。

We live in a world that has walls, and those walls have to be guarded by men with guns. Whose gonna do it? You? You, Lt. Weinburg?

I have a greater responsibility than you could possibly fathom. You weep for Santiago, and you curse the Marines. You have that luxury. You have the luxury of not knowing what I know: That Santiago's death, while tragic, probably saved lives.

And my existence, while grotesque and incomprehensible to you, saves lives. You don't want the truth because deep down, in places you don't talk about at parties, you want me on that wall, you need me on that wall.

We use words like honor, code, loyalty; we use these words as the backbone of a life spent defending something. You use them as a punchline.

I have neither the time nor the inclination to explain myself to a man who rises and sleeps under the blanket of the very freedom that I provide, and then questions the manner in which I provide it. I would rather you just said "thank you," and went on your way. Otherwise, I suggest you pick up a weapon and stand a post.

Either way, I don't give a damn what you think you are "entitled" to.


December 14, 2007, 現時間 10:51 AM | コメント (2) | トラックバック (0)

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December 2, 2007

海上自衛隊は原油航路をパトロールすべき

防衛

先日、10月の終わりに日本のタンカーがソマリア沖で海賊船にシージャックされ、アメリカの護衛艦が海賊船を撃墜していたという話を兎に風さんのところで読んで驚いた。しかも3年前の2004年にもペルシャ湾で同じような事件がおき、その時はアメリカの海兵隊員二人と湾岸警備隊員の一人がテロリストの撃ち合いで命を落としていたということまで知ってもっと驚いてしまった。

実は最近、海上自衛隊の幹部の人と話をする機会があり、その人の話だと海上自衛隊は日本の商船を守りたくてもペルシャ湾まで出かけていって警備をする権限がないのだと嘆いていた。それで日本の商船が海賊やテロリストに襲われた場合、頼りになるのはアメリカの船だけというていたらく。

日本は原油の9割を中東に依存している。しかもその警備を全面的に米海軍に頼っているにも関わらず、日本政府は日本が世界の対テロ戦争にかかわれる最低の任務であるテロ対策特別阻止法を期限切れにしたままインド洋から補給艦をひきあげてしまった。このような恩を仇で返すような行為が今後の日本の防衛に役にたつとは思えない。

先の自衛隊幹部の方もおっしゃていたが、日本人には日本が世界で危険にさらされているという自覚がほとんどない。テロとの戦いはアメリカが勝手にやっていることで、日本とは関係ないと考えている人が多すぎるのだ。これは最近海上自衛隊の人に見せてもらった2〜3年前の日本のニュースで、アメリカと合同演習をしている海上自衛隊に対して、海上自衛隊はアメリカ軍の一部に成り果てたなどと批判的ないい方をしていたのと重複する。

しかし現実に日本の石油タンカーなど重要な商船がテロリストや海賊たちに脅かされているのだ。それを海上自衛隊が十分な武力を備えていながら憲法上の理由で自国の商船を外敵から守れない状況がはたして日本にとって好ましいことなのだろうか?これが独立国たるものの姿であろうか?

ところで10月の末に起きたソマリア沖合でのシージャック事件だが、去年の3月にもアメリカの護衛艦二隻がソマリア沖合で海賊たちと撃ち合い になっている。実はこの戦いに巻き込まれた二隻、ケープセントジョージ(USS Cape St. George)とゴンザレス(USS Gonzalez)のうち、ゴンザレスのほうに私の同僚が乗っていて、この時の話をしてくれたので私はよく覚えている。

12月1日付けのAPニュースによれば、ソマリアでは今年だけですでに31件の海賊による攻撃がおきており、10月に日本のタンカーを攻撃した小型ボートはどこかの母船から派遣されたものではないかという疑いが強まっている。

この記事によれば、当初日本のタンカーは化学物質を輸送する船だったことから、テロリストがテロ行為に利用するのではないかと懸念されたが、乗っ取り犯人から身代金要求があったことからただの海賊による乗っ取りだったことが分かって、関係者はほっとしたという。

しかし、今後海賊を利用してテロリストが科学製品や原油を自分らのテロ行為に悪用しないという保証は全くない。ソマリアはイスラム圏国であることを我々は忘れてはならない。

それにしても、このような重要な問題がソマリア沖合で起きているにも関わらず、ほとんどの日本人がその事実を知らないのはどういうわけだろうか? これは一重に平和ぼけした日本メディアがこうした重大事件を過小評価してほとんど報道しないことに問題がある。日本メディアは日本がどれほど危険な状態にあるのかを日本人が本気で悟ったら、日本の軍事強化は避けられない事実を十分に承知しているのだろう。だからそれを阻止するためになら本当の危険からすら目をそらそうというのだ。

アメリカがイラク戦争に負けることで国内での勢力を取り戻そうとしている米民主党のやり方となんらかわりのない非国民的背信行為だ。

しかし今はネットの時代。いつまでもメジャーなメディアの新聞やテレビが事実を隠しとおせるものではない。実際に私はこれらの事件をネットブロガーたちのおかげで知ることができた。日本にも自衛隊幹部の人々だけでなく、実際に日本の将来を憂う愛国者たちが大勢いる。テロ対策特別阻止法も、もう一度見直され、インド洋での補給活動もいずれは再開されるだろう。

ソマリア沖合では海賊に対抗すべく、すでにアメリカが率先して諸外国の有志同盟が結成されつつある。日本は自分らのタンカーを守るという直接的国益がかかっているのだ。この際アメリカに協力して自国の原油航路くらい自国で警護してはどうだろうか? 日本がアメリカのポチだのなんだのと批判するやからでも、日本が自国の商船を守るのであれば文句あるまい。

日本は先進国として日本の安全を国内でも国外でも守る責任をとるべきである。それには主流メディアの平和ぼけにいつまでもつきあっている余裕はないのだ。

December 2, 2007, 現時間 2:36 AM | コメント (1) | トラックバック (0)

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October 24, 2007

どうして日本がアメリカに協力すべきなのか

対テロ戦争 , 防衛

久しぶりにブログ村の政治カテゴリーを見ていたら、「アメリカの敵は日本の敵なのか」というエントリーを見つけたので読んでみたのだが、これは掲示板などでも同じような話を何度も聞いているので、常に日本とアメリカの関係を考えているカカシとしてはちょっとお答えせざるおえない。(注:段落だけ推敲させてもらった。)

まずは著者のアナベルさん(なぜか男性)のご意見から抜粋。

そもそも、日本は「テロとの戦い」というアメリカ発のスローガンを大義名分として自衛隊中東に派遣しましたが、本来アメリカが捉えている「テロ」というのは、アメリカの石油利権を邪魔立てする一部のイスラム原理主義過激派勢力のことを指していました。

石破防衛大臣をはじめ、政権与党の閣僚連中は、「世界平和のために、テロを封じ込めなければならない」と口を揃えていますが、ここで言われている「世界」とは、つまり‘アメリカ一国’のことを言っているに他なりません。

アメリカが‘悪’だと同定したから、テロリストたちは撲滅すべき対象と看做されているのです。しかし、一体「テロリスト」というのはどういう存在なのでしょうか?辞書には、「テロリズムとは、一般に恐怖心をひき起こすことにより、 特定の政治的目的を達成しようとする組織的暴力行為、またはその手段を指す」
とあります。

意義だけ捉えると、「テロリスト」というのは、ある‘行為’のことを指す言葉に過ぎません。すでにこの世界のうちに、「テロリスト」という存在が到来していたわけではないのです。「テロを撲滅する」という大義名分自体、「アメリカ一国の、 アメリカ一国主義による、 アメリカ一国利益のためのプロパガンダ」
だと肝に銘じておくべきでしょう。

世界をアメリカにとって「敵」か「味方」かで二分するそのような活動に日本がコミットすることが、どれだけの害悪をこの国に齎すことになるのかを想像しないわけにはいきません。

私はアメリカを攻撃したテロリストが日本にとっては敵ではないと考えるひとがいるということ自体に驚くが、アナベルさんはイスラム過激派テロリストによって過去から現在にかけて日本人が多く殺されてきたことをご存じないようだ。(エジプトやバリ島などがそのいい例) 

アメリカがアメリカの国益を最優先にして戦争をしたという見解には全く異論はないが、それに日本が無関係だという考えには全く賛成できない。イスラム系過激派によって石油利権が独占されて困るのは自国の未発掘の油田がいくらでもあるアメリカより石油資源をすべて輸入に頼っている日本のほうである。私はよく「石油のための流血反対!」などと唱えるひとに「石油のために戦争をやって何が悪い?」と反対に問いかけている。現代社会において石油は水や空気のようなものではないか?石油なくして一日でも生き残れる先進国が存在するのか?もしも川の上流にいる地主が自分たちのところで水をせき止めて下流の住宅街に水を流さなくなったら、争いが起きないかどうか考えてみて欲しい。

フセインイラクがクエートに侵略し、アメリカが率先した連合軍が阻止しなければサウジアラビアまでも侵略しようとしていた理由も、後にイランに攻め入った理由も、原因はただひとつ。中東の石油を独占することだった。フセインイラクが中東の石油を独占したらどうなっていたか?今年の夏、日本は稀に見る猛暑だったというのに、冷房を控えめにして省エネに励んでいたが、フセインイラクが石油を独占していたらこんなものではすまなかったはず。フセイン亡き後、イランが核兵器開発に必死になっているのも、本当はイスラエルなんかよりも中東の石油利権独占がめあてなのは明白。

今イスラム系テロリストの最大のスポンサーはイランだ。アメリカの軍事活動はこうした国々が石油利権を独占するのを防ぐためのものなのである。ところがアナベルさんは「原油の安定供給を乱す最大の要因がアメリカの軍事活動」にあると語る。こんな逆さまな議論があるだろうか?ま、彼のいう「罪のないアラブ人が何十万も殺された」なんて話はばかばかしすぎて答える価値もないので無視するとしても、

我々が確かな事実として知っておかなければならないのは、イラクのバグラム基地やアブグレイブ基地、そして、キューバのグアンタナモ基地の収容所に拘束されている8万3000人ものテロ容疑者たちの99%は、実はアメリカが「テロ」と同定している反米行動とは何の関係もない無実の一般人だという事実です。

これらの収容所では日常的にジュネーブ条約で禁止されている非人道的な拷問・虐待が行われていて、分かっているだけでも、すでに40人を超える無実のアラブ人が、施設の米取締官による拷問が原因で命を落としました。

でその証拠はどこにあるのかな?アナベルさんはアメリカを責める極端なことを言う割りにはその証拠を全く提示していない。それにアナベルさんは自分の知らないことをあまりにも知ったように言い過ぎる。ジュネーブ条約は正規軍で捕虜になった人間にだけあてはまるのであり、テロリストのような不正規戦闘員には全く適用されないのだということを全くご存じないらしい。だいたいそれをいうなら民間人を人質にして首をはねる行為はジュネーブ条約ではなんといっているのか是非アナベルさんにお聞きしたい。

世界を「親米」か「反米」かで二分するアメリカの世界戦略に日本がコミットするということは、「反米」主義者からすれば、日本もアメリカが推進している世界植民地化計画の加担者だと看做されることを意味します。日本にとって敵ではなかった人々が、アメリカに統制されながら「日本の敵」となっていくのです。

これは全く理屈が逆さまだ。イスラム系テロリスト達が911でアメリカを攻めたのはアメリカを憎んでいたからというよりも、アメリカは弱いと踏んだからである。ビンラデンが1998年のインタビューでアメリカは弱い、アメリカは戦わないとして、アメリカへの宣戦布告をしていた。私も含みアメリカ人は皆、アフガニスタンの山奥に潜む老人に何が出来るものかと鷹をくくっていた。その油断が911の悲劇を生んだのだ。

私はイスラム社会の文化について多々の書籍を読んだが、どれもこれも書かれていることに共通しているのは、イスラム社会は勝ち馬を応援するということである。アメリカが世界最強の国で、やたらに戦ったらひどい目にあうと思ったら戦争など仕掛けてこない。だから日本がテロリストから狙われたくないのであれば勝ち馬に賭けるほうが利巧というのものだ。

我々日本国民は、「アメリカの対テロ戦争に加担すればするほど、日本自身もアメリカによって虐待されている人々から敵と看做されるようになる」と胸に刻んでおくべきでしょう。イスラムの「テロリスト」たちは世界の敵ではありません。

こういう考えはナイーブとしか言いようがない。イスラムテロリストは先進国はすべて敵とみなしている。西洋風の価値観を受け入れた国はアメリカであろうと日本であろうと区別などつけていないのだ。イラク戦争に大反対をして一切協力しなかったフランスやカナダでもイスラム系テロリストによるテロ行為未遂事件がいくつも起きていることをアナベルさんはご存じないのだろうか?日本人だって肌が黄色いというだけ見逃してもらえるとおもったら大間違いである。すでに韓国軍の撤退は決まっていたのに、罪のない無関係な韓国の宣教師たちがタリバンのテロリストに拉致された事件は記憶に新しい。

それでもこれが、「テロリストという発想自体が、アメリカによって捏造された恣意的なフィクションに過ぎない」とアナベルさんは本気で言うのだろうか?アナベルさんの最後の一言は完全に意味不明なのでノーコメント。

日本人でありながら「親米保守」を語る連中は、論理的理的にいって、その存在そのものがアンビヴァレンスなプロットなのです。恥を知りなさい。

親米がどうのこうのという前に、日本の防衛に目を瞑れというアナベルさんこそ恥をしりなさい、とカカシはいいたいね。

October 24, 2007, 現時間 10:23 PM | コメント (1) | トラックバック (0)

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October 12, 2007

マーサ米下院議員よ、海兵隊員侮辱を釈明せよ!

アメリカ内政 , イラク関係 , 対テロ戦争 , 狂ったメディア , 防衛

米下院議員のジョン・マーサ氏は法廷において、ハディーサ事件で議員がまだ調査も行われていなかった時点で米海兵隊員たちがイラク市民を虐殺したとメディアに発表したことについて、釈明しなければならない可能性が高まっている。

それというのも、ハディーサ事件の容疑者として逮捕され、最近になって証拠不十分で起訴取り消しになった海兵隊曹長Marine Sgt. Frank Wuterich氏がマーサ議員を名誉毀損で訴えたからである。

マーサ議員が当時どのような発言をしていたか、2006年の6月にカカシが書いたハディーサ事件:それぞれの思惑
を振り返ってみよう。

****米軍の捜査経過の詳細を研究したとして民主党の下院で反ブッシュのマーサ議員があちこちのテレビ局で海兵隊員が一般市民を虐殺した証拠があると発表した。下記はABCがおこなったマーサ議員のインタビューの記事を訳したもの。(翻訳:妹之山商店街さん)

マーサ議員:IEDが爆発したんです...毎日外に出る度にIEDが爆発するんです...ですから毎回プレッシャーが高まっていく訳です。この場合はIEDが爆発し、海兵隊員一人が死亡。そこにタクシーがやって来て、中には四、五人が乗っていました。武装していなかったのですが、この人達を射殺しました。その後、民家を襲撃して人々が殺害したんです。女性の一人は、海兵隊の人から話を聞いた所、子供をかばって命を助けてくれと懇願したにも関わらず射殺したということです。更に気になるのはイラクの人達はこのことを知っていたということなんです。家族に補償金を支払ったからです。それに加え、隠蔽工作が行われたんです。間違いありません。最初この人達はIEDで死亡したと言ったんです。翌日調査の為に要員が派遣されました。ところがそれについて何の報告も行われず、三月になってタイム誌がこれを伝える時誰も何が起こったのかを知らなかったのです...

質問:写真や画像証拠があるとのことですが、本当ですか

マーサ議員:その通りです。捜査を担当した人とイラク側の証拠を入手しました。何が起こったかについては、疑いようがないんです。問題は、誰が、何故、隠蔽工作をしたかということなんです。何故明らかになるのに半年も掛かったんでしょうか翌日調査を行い、ニ、三日後にはこの人達が殺害されたことが分かっていたんです。

まだ米軍による調査がすんでもいないのに、何が起きたかは間違いないとか、隠ぺいが行われたとか適当なことを良く言えたものだと思う。問題なのはマーサ議員があらゆるニュース番組にはしご出演してこのような発言をしていた時、マーサ議員はまだ軍当局から捜査結果の報告を受けていなかったということだ。マーサ議員はタイムスの記事を書いたイラク記者の報道をそのまま鵜呑みにして事実確認もせずに米海兵隊を有罪と決めつけ軍当局が隠ぺいしたと言い切っているのである。******

無論、その語の捜査で、ハディーサ事件は海兵隊員が戦闘規約に従って正しく行動していたことが明らかになり、ウーテリック曹長ならびに他の容疑者の審査過程で、ハディーサにおいて犯罪は起きていなかった。この事件の容疑は最初から最後まで捏造だったという結論が出ているのである。

しかしマーサ議員は下院のなかでも有力な政治家であり、現職の議員は裁判で証言する義務を免除されるという法律があるため、それを使って証言を避けるのではないかという見方もある。だが、もしもマーサ議員がその特権を使って証言を避ければ、かえって証言をした場合よりもマーサ議員のみならず、民主党にも悪い結果になるのではないかという意見もある。

民主党はブッシュ大統領を忌み嫌うばかりに、ブッシュに都合の悪いことならアメリカにとって悪い結果になるような行為でも積極的にやってきた。特にアメリカ軍隊への攻撃にはひどいものがある。アメリカ市民は戦争に反対している人たちでも反軍隊とは限らない。南部の民主党支持者は戦争自体には反対でも家族に軍人がいたり、今現在イラクやアフガニスタンに出動している人も少なくない。そうしたアメリカ社会でことあるごとにアメリカ軍隊を侮辱する民主党のやり方は一般のアメリカ市民からかなり反感を買っているのである。

そんな中で、自分も元海兵隊員という肩書きをことアルごとにひけらかしているジャック・マーサ議員は証拠もないのに無実の海兵隊員の名誉を汚し、その発言を法廷で釈明せよとの法廷命令を議員の特権を使って拒否するとなったなら、国民は民主党のことをどう考えるだろうか?

ジョン・ケリーは「勉強しないとイラクへ行く羽目になる」といってアメリカ軍人を馬鹿にする失言をしたばっかりに大統領立候補から降りなければならないという失態を起こした。一般のアメリカ人はアメリカ軍を馬鹿にする政治家を許さない。このことに関して他の民主党員がどう反応を示すかによっては、アメリカ市民はついに民主党の本性を見ることになるかもしれない。

少なくとも共和党の大統領候補諸君には今後の選挙運動で、どんどんこの件を話題にして、民主党はアメリカ軍の敵だと投票者に印象付けさせて欲しいものだ。


October 12, 2007, 現時間 6:02 AM | コメント (0) | トラックバック (0)

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September 11, 2007

なぜ戦を学ぶのか? その3

イラク関係 , 防衛

さて今日はビクター・デイビス・ハンソン教授の、なぜ戦を学ぶのか、の最終回。今日の話題は軍事技術と戦法の発展について、、

軍事技術は進歩しても人のおつむは変わらない

軍事技術の進歩はすさまじい今日、新兵器や世界中にあっという間に伝達される情報などを考えると、戦争の仕方は昔と全く違うものになったと思い勝ちである。しかし軍事歴史はたとえ3万フィートの上空からGPS爆弾を使って一人の人間を殺すことが出来たとしても、ネットでジハーディストが世界中に一度にプロパガンダを流すことができたとしても、それが必ずしも戦争における勝者と敗者を決める決め手となるとは限らないとハンソン教授はいう。

改良路肩爆弾対装甲ハンビーは、射出機(大石を敵陣に打ち込んだ古代の武器)対石の壁や火縄銃対鎧をきた騎士の現代版に過ぎないのだ。長い戦争の歴史では防衛にしろ攻撃にしろ武器が一定の技術でとまっているということはない。かわらないのは単に一時的にどちらかが有利になるといったことだけなのだ。

ということは、どれだけ新しい武器が発明されようとも、人間のおつむが変化しない限り、戦争の性質そのもはかわることはない。1991年の湾岸戦争では最新型のコンピューター起動の武器が使われた。しかしどれだけの最新兵器も戦争にたいする政治目的がはっきりしていなかったことから戦争は決定的な集結を得ることができなかった。 時として戦争の終わりに、なぜかアメリカは軍人も政治家もフセインを敗者として扱わなかった。アメリカはフセインが石油でもうけた金で平和を乱すようなことがないような対策を全くとらなかった。だから敗者であるはずのフセインがアメリカおよび連合軍の見てる前でクルド人を虐殺し、航空禁止区間で再び戦い、そして三度目の正直でフセイン政権を倒さねばならなくなったのである。

軍事歴史は異常事態や矛盾に満ちている。スパルタがペロポネシア戦争でアティカを侵略した最初の春、スパルタ軍はアテネ人は数カ月で降参すると考えていた。しかしアテネ人は降参しなかった。ところが疫病が流行り、スパルタ侵略よりも多くのアテネ人が死亡してしまった。 27年後、強靭は海軍で知られていたアテネはおざなりな海軍しか持っていなかったスパルタに海戦で負けてしまった。 2003年、何万という犠牲が出るだろうと予想されたフセイン政権崩壊にはほとんど犠牲者を出さないままあっけなく終わってしまった。ところがその後比較的スムーズにいくだろうと思われていたイラク復興は思いの他手間どっている。

軍隊の大きさも戦場での成功は保証できない。サラミス、イソス、メキシコシティ、そしてレパントの勝者たちは皆、数の勝る敵を相手にして勝った。また戦争における一番残虐な殺しあいは得てして戦争終焉を目の前にして起きる。同盟軍の1918年の一斉攻撃、1945年春のロシアによるベルリンへの攻勢、バルジの戦い、広島、などすべて終戦直前に起きている。そして民主主義社会の指導者たちは戦争中に国民の不信任を得て辞任を余儀なくされる場合が多々ある。ウィンストン・チャーチル、ハリー・トルーマン、リチャード・ニクソンなどがそのいい例だ。

勝ち戦には父親が何人もいるが、負け戦は孤児だ

アフガニスタン戦争で、イギリスもソ連も勝てなかったアフガニスタンの遊牧民軍団であるタリバンをアメリカ軍が比較的少数の軍隊で数週間で崩壊させた時は、アメリカ市民は皆一丸となってブッシュ大統領を支持した。2003年初期、イラク戦争が始まる直前には多くのアメリカ市民が戦争を今か今かと待ち遠しく待ったものだ。エリートといわれたのフセインの衛兵軍によって何万というアメリカ兵が殺されると思っていた戦闘は、たった数週間でわずか500名の戦死者を出しただけでフセイン政権はあっというまに倒れてしまった。この時のブッシュ大統領の支持率は90%近かった。

ところが、2003年の後半から2004年にかけて戦況が厳しくなると、こちらの犠牲者の数はそれほど多くなっているわけでもないのに、戦争への支持は急激に減り、戦場から次から次へと悪いニュースばかりが入ってくる2006年になるとブッシュ大統領の支持率は40%以下となってしまった。

しかしハンソン教授にいわせると、これは戦争ではごく普通に起きる現象だという。軍事歴史では市民は勝ち戦は支持するが、戦争に負けてきたという印象をもったら即座に支持を撤回してしまうなどということは非常に多く見られるという。戦争の道徳的な動機や、勇敢な軍隊や、誇り高い犠牲などは市民の戦争への支持を保つことはできない。「市民の支持がすべてだ、、、それがあれば何も失敗しない。だがそれがなければ何も成功しない」と言ったのは偉大なるエブラハム・リンカーン。ゲティスバーグで大勝利を得た北側は支持の落ちかけていたリンカーンの人気をあげたが、その年の後の方で数回に渡って味方軍を大量に失った。コールドハーバーの戦闘ではなんと20分で7000人の北側兵士が戦死した。こうなってくるとリンカーンの政策には全く変化がなかったにも関わらず市民はリンカーンを憎んだ。

ジョージ・S・パットン将軍はかつて「アメリカは勝者は愛するが、敗者は許さない」と語ったが、今も全くそれは変わっていない。

戦争の歴史から何を学ぶべきか?

戦争の歴史が我々に教えてくれるものは、過去の英雄たちが道徳的な目的をもって現在の我々の自由と安全のために払ってくれた犠牲の尊さだ。もし我々がシャイロ、ベルーウッド、タラワ、そしてチョースンのことを何も知らなかったら、軍事墓地に並ぶこれらの十字架は鮮やかな緑の芝生を飾る美しい石でしかない。

現代のアメリカ人が自由にiPodsを聴けるのも、デパートで安心して買い物ができるのも、すべて過去の何千という過去の犠牲と苦労があってのことだ、とハンソン教授は強調する。だがそれと同時に過去の英雄たちは現代の市民にも将来の子孫のために必要とあらば同じように犠牲を払うことを期待していた。アメリカ合衆国は戦争によって生まれた国であり、戦争によって統一された国であり、戦争によって破壊から救われた。未来の市民がどれほど豊かで優雅な生活をしようとも、この恐ろしい歴史の記憶を失ってはならない。

さて、それではどうすれば、現代人は過去の軍事歴史をきちんと学ぶようになるのだろうか?ハンソン教授はこれは教育界だけの問題ではなく、問題はもっと深いところにあるという。現代人は軍事歴史の価値を過小評価することで戦争そのもの価値を見落としているのだと。

ハンソン教授はどれだけ国が豊かになろうとも教養が高まろうとも善良な市民が増えようとも、それだけで人間の根本的な性質が変わって紛争の起きる社会が過去のものになるというわけではないという。過去の戦を学ぶことによって我々は神のように何の落ち度も無い存在になどなれないことを知るのであり、世の中には常に平和よりも戦争を好む人間がいるということを知るのだ。しかしそれと同時に過去にもそして現在にも道徳的な理由によってそうした悪いやつを阻止しようとする英雄が存在するのもまた変えられない事実なのだ。

September 11, 2007, 現時間 10:04 AM | コメント (8) | トラックバック (0)

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September 10, 2007

なぜ戦を学ぶのか、 その2

教育と政治 , 防衛

今日も引き続きビクター・デイビス・ハンソン教授の「なぜ戦を学ぶのか」を考えてみよう。

歴史への無知がもたらす弊害

イラク戦争が「失敗している」とか「泥沼だ」と語る人々は、かならず「四年間も続けて3000人以上の莫大な犠牲者をだして、、、」と続ける。しかしこれが別の時代なら、四年も戦って味方の戦死者がたかが3000人ですんでいるなら、たいした紛争ではないと判断されていたことだろう。19世紀の中東に植民地をもっていたイギリス帝国の軍隊は、中東各地で頻繁におきていた紛争の鎮圧でもっと多い割合でイギリス兵を失っていたに違いない。だが当時のイギリス国民はイギリス兵の犠牲が多すぎるとか泥沼だから即撤退すべきだなどとは言わなかった。この程度の犠牲は帝国が植民地を守り通すためにはやむ終えない犠牲だと考えていたからだ。

こうした歴史的事実を国民が全く知らないと、国が実際に戦争状態になったとき、いったいどうしていいのか分からなくなって麻痺状態になる可能性があるとハンソン教授はいう。歴史的な基準による比較が出来ないと、現在の状況を正しく把握することができない。

わが国の政治家も国民も1777年12月や1941年12月、そして1950年の11月に下された不能でひどい決断によって大規模な犠牲を出し、一時市民が絶望状態になった事実を覚えていないようだ。これでは今日これほど多くの人々が、イラクにおける暴力沙汰が歴史上初めてのことだとだ考えるのも無理もない。

イラク戦争で3000余名の犠牲者を出しているという事実は無論軽々しく扱われるべきではない。しかし前世代のアメリカ人はたった二か月ちょっとの戦闘でイラクでの戦死者の四倍もの戦死者を出した沖縄戦線を大勝利だと考えていた。そうしてそのまま日本での本土決戦を続けるつもりだったのである。

前例がどんな場合でも同じようにあてはまると考えるべきではない。ドイツは第一次世界大戦でロシアに3年で勝ったのに、フランスは4年かかっても落とせなかった。2001年にタリバンを数週間で崩壊させ一年以内に新政権を設立することができたからといって、フセイン打倒後のイラクも同じようにスムーズに運ぶということにはならない。それぞれのお国柄や文化、政治、地理、経済といったものがあまりにも違い過ぎるからだ。

それよりも過去の戦争に関する知識があれば、新しい状況をより広い視野で見ることができるようになる。戦争におけるテーマや感情や建前は何世紀も特に変わりはない。紀元前415年に、当時ギリシャ世界のなかでも最大の民主主義を誇っていたシシリーを攻め入ったアテネの悲劇はイラク戦争の前例としては全く役に立たないかもしれない。だがこの戦争はどのように戦争前には熱狂的に戦争を支持していた市民が戦場から受ける悪い印象に失望して戦争を見放すようになるのかを教えてくれる。

カカシは戦争をすると犠牲者が出るといって戦争を反対する人に出会うと、では戦争をしなけば絶対に犠牲者が出ないと断言できるのか、と聞き返すことにしている。ハンソン教授も歴史的にみて、将来の被害を避けるために今戦うべきなのだという考えは頻繁に拒絶されてきたという。アレキサンダー大王や、シーザー、ナポレオン、そしてヒットラーなどの遠征も、もし初期に無数にいた敵が団結して彼等に立ち向かっていれば早期に集結させることが可能だったはずだという。そうやって敵の脅威が増大する前に戦争をしなかったばっかりに後々に起きた損害の膨大さは測り知れない。

現在においても同じことがいえる。ソロボダン・モロソビッチの独裁はNATO軍の空軍によって比較的簡単に制圧することができたが、それは十年近くに渡ってモロソビッチが地域を弾圧し何千何万という市民を虐殺した後のことだった。先進国が当面の被害を恐れて戦闘に躊躇したために、多くの犠牲者が見殺しにされたのである。「戦争とは醜いものだ。しかし最も醜いものではない」とイギリスの哲学者ジョン・スチュワート・ミルは言う。「腐敗し士気の落ちた愛国的心境から戦争はどんな場合でも価値がないと考えるほうがよっぽど悪い」

歴史を無視すると、現代社会は戦争をコミュニケーションや外交の失敗だと解釈するようになる。あたかも攻撃者が自分達が何をしているのか解っていないかのように。米下院議会のナンシー・ペロシ議長はブッシュ政権の対テロ戦争に不満を抱き、シリアへ飛びアサド大統領に中東のテロリストに資金援助をするのをやめてもらうよう説得に行った。女史はアサド大統領の闘争性はアサドの独裁政権がレバノンやイラクの民主主義が感染してシリアを破壊する前に破壊しなければならないという考えからくるものではなく、我々のよそよそしくごう慢な態度がもたらしたものであると信じ切っていた。

ウィリアム・テカセム・シャーマン元帥の手紙やウィリアム・シャイアーズのベルリン日記に現れる国家同士の問題を参考にせず、テレビの人気カウンセラーが語る個人のライバル意識を参考にするから何でも話せば分かるという甘い考えが生まれるのだとハンソン教授は言う。

しかし歴史的にみて、誤解から生じた戦争というのはほとんど見つからないのである。悪意に満ちた意志とそれを阻止する勢力がないことから始まる戦争のほうがよっぽども多いという。マーガレット・アトウッドが詩に詠んでいるいるように、「戦争は戦争をはじめるものが勝てると思うから始まるのである。」ヒットラーしかり、ムッソリーニや東条しかり、当時の西洋諸国の非武装状況を考慮に入れれば彼等が勝てると考えたのも無理はない。ビン・ラデンが911でアメリカを攻撃したのも、外交の失敗ではなく、20年間に渡るアメリカへの攻撃に対してアメリカからはなんの反撃もみられなかったことが原因だ。この無行動がビンラデンにアメリカは戦わないという印象を与えてしまったのだ。

歴史を知らないとはじめるべき戦争をはじめずにかえって被害を増大させてしまうという間違いを起こす。歴史を知らないと交渉が不可能な場合でも意味のない外交を継続させ相手の勢力増加を許してしまう。歴史を知らないとこちらの躊躇を敵から弱みとみられてしまう。

戦争の歴史をしらないことで起きる弊害は大きい。

September 10, 2007, 現時間 9:48 AM | コメント (1) | トラックバック (1)

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September 9, 2007

なぜ戦を学ぶのか?  その1

イラク関係 , 対テロ戦争 , 教育と政治 , 防衛

今月からネットアクセス不能になる日が度々あるので、例によって興味深い話題をいくつか特集してみたいと思う。

今回は歴史学者のビクター・デイビス・ハンソン(Victor Davis Hanson)教授の「なぜ戦を学ぶのか?」(Why Study War?)という論文を数回に分けて紹介しながら私の意見なども混ぜて皆様と一緒に考えてみたい。

戦争の歴史に興味がない歴史学者たち

ハンソン教授はアメリカの大学生にテット攻勢(注1)はアメリカ軍の大勝利だったなどという話をすると、激しい反論にあうのではなく、皆ポカーンとした顔をしていると言う。「テット攻勢?何それ?」てなもんである。またつい最近に公開された「300」という映画の元となったテルモピュライの戦いになってくると、この300人の話など聞いたことがないだけでなく、ペルシャ戦争そのものに関してすら全く知識がない人がいかに多いかを知ってがっかりしたと書いている。

ま、テット攻勢は当たり前だが、カカシはスパルタの軍隊やペルシャ戦争については多少の知識はあったとはいうものの、正直な話テルモピュライの戦いについてはスティーブン・プレスフィールドの炎の門を読むまではほとんど何も知らなかった。

しかしハンソン教授はアメリカの教育システムを考えれば、一般のアメリカ市民が軍事的な知識に欠ているのも無理のない話だという。

私が大学院に通っていた30年前ですらも、どうして一方が勝ち他方が負けるのか、長官や愚かな指揮官、技術の停滞や発展、そして教育や勇気や国民の意志や文化といったものが戦争の勝ち負けにどういう影響をもたらすのかといったことを調べる学問であると一般的に理解されている軍事歴史というものはすでに大学では時代遅れとみなされていた。今日の大学ではこの主題はもっと人気がない。

この状態は非常に嘆かわしいことである。民主主義社会の市民は戦争知識を持つことが必要だ。特にこの大量破壊兵器の時代ではなおさらである。

教授はもともと軍事歴史の専門家ではなく、スタンフォード大学で博士号を取る主題に古代ギリシャにおいてペロポネシア戦争中にスパルタ軍が行ったアテネ攻撃のもたらした農業への悪影響を選んだのがきっかけだったという。

しかし農業と戦争が古代ギリシャの特徴であるにも関わらず、大学側の態度は冷たかった。古代ギリシャの哲学者や作家や政治家に興味のある歴史家はもうほとんどいなかった。19世紀に書かれたスパルタ兵の構成やギリシャ兵法などの古代戦争に関する数々の歴史書など誰も読んでいない。『まるでアメリカの大学は歴史そのものの始まりが古代ギリシャの歴史家であるHerodotus と Thucydidesが書いた戦記だったということを忘れてしまったかのようだった。』と教授は語る。

どうしてアメリカのアカデミックは戦争に対する興味を失ってしまったのであろうか?この背景には何があるのだろうか? まず明かな理由はベトナム戦争だ。カーター大統領の時代のアメリカではベトナム戦争は最初からやるべきではない戦争でアメリカの大敗に終わった二度と繰り返してはならない悲劇だったという考えが一般的だ。 本来ならば、どうしてこのような戦争が始まったのか、どうして負けたのかということを研究すべきなのだが、教育界の姿勢はそういう不愉快な歴史は最初から勉強すべきではないというものだったのだ。

二つの世界大戦後に発明された核兵器も軍事歴史への興味を失わせた原因のひとつだ。ボタン一つで世界が滅びるような時代に過去の軍事歴史など学んでもあまり役に立ちそうもないという議論が平気でされた。

また1960年代に生まれた理想的で非現実的な世界観の影響も忘れてはならない。これは戦争が起きるのはお互いの誤解から生じるものであり、片方の恐怖やプライド物欲によって始まるとか、ましてや単に世の中には意味もなく戦争をはじめる悪いやつがいて、善人が何もしないことで戦争は激化するなどといった考えは人間性を理解していない証拠だという世界観である。

現在の教育界における軍事歴史への無関心はもっとひどい。今や軍事歴史を専門に研究したり教えたりしている教授の数は数えるほどしかいない。2004年に退役軍人から教授となったウィスコンシン大学のエドワード・コフマン教授によれば、同大学で歴史を教えている1000人の教授のうち軍事歴史を専門にしていたのはたった21人だったという。さらに戦争を専門にしている学者は同僚から疑いの目でみられているという。

歴史を教える立場の大学がこれでは学生がきちんとした歴史を学べるはずがない。日本の若い人たちの第二次世界大戦に関する知識を考えると、日本の大学も多分同じようなものなのだろう。戦前の日本が民主主義だったなどと平気で言う人が多いのも明治維新から始まった日本の軍国主義の歴史を全く知らないことからくるものだ。日本はヨーロッパ諸国の帝国主義が弱まってきた頃、自分達も帝国主義に遅蒔きながら参加しようと富国強兵に励んだ。日本の近代歴史は軍国主義の台頭を無視しては語れないはずなのである。

にも関わらず、民主主義で平和に暮らしていた日本にアメリカが突然攻めてきたとでもいうようなことを言い出す日本の若者をみると、日本もアメリカも軍事歴史を正しく教える必要性を切に感じる。

注1:テット攻勢とは (1968年、1月30日 - 1969年6月8日)ベトナム戦争中におきた連続攻撃作戦のことで、南ベトナム解放戦線(ベトコン)の強力な数部隊と北ベトナム軍(PAVN)の部隊が南ベトナム軍とアメリカ軍に対して計画的一斉に行った攻撃だった。(略)攻勢は旧正月の祝いのなかで輝かしくはじまり、1969年の6月まであちこちで分散的に続いた。

September 9, 2007, 現時間 9:30 AM | コメント (0) | トラックバック (0)

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July 17, 2007

米無人戦闘機「リーパー(死神)」登場!

イラク関係 , 防衛

アメリカはついに無人戦闘機の開発に成功。その名もザ・リーパー(死神)。

MQ -9リーパー戦闘機は現在イラク戦争、アフガン戦争で使われているRQ-1プレデター無人偵察機をベースにして作られた中高高度=長距離無人偵察機兼戦闘機である。外見はプレデターとほぼ同じだが、全長は11m、翼幅は20mとプレデターよりも一回り以上大きく、積載重量もプレデターの1.02トンに対して 4.5トンと4倍以上もあり、1.4トンミサイルや爆弾を積むことができる。機動力はターボエンジンを使い、最高速度時速482.8km、最高は標高15,240mまで飛べる。どちらもプレデターの二倍の性能で、レーザーと標的レーダーも装備している。

しかしプレデターとの最大の違いは複数の武器を大量に詰め込めることである。プレデターはヘルファイヤーミサイルを二個つめるだけだが、リーパーは14の空から地面への武器、もしくはヘルファイヤー4個と227kgの爆弾を二個積める。偵察機ではなく戦闘機ならではの破壊力を持つ。



MQ-9

死神、無人戦闘機リーパー

リーパーの最初の任務はアフガニスタンの予定で、この秋か遅くても来春までにはイラクでの起用も予定されており、米空軍はイラクのバラードにある空軍基地において現在プレデターの離着陸に使われている滑走路をリーパー用に40万平方フィート拡大工事をしている最中だ。

現在少なくとも9機のMQー9が製造されているが、空軍はいずれは60機のリーパーと160機のプレデターを起用する予定だが、イラクとアフガニスタンにそれぞれ何機起用されるかは明かにされていない。

無人戦闘機の利点はいうまでもなくパイロットが必要ないことである。今後イラク駐留のアメリカ軍の規模は縮小の一途をたどるわかだから、パイロットを送り込まなくてすむのはたすかる。だが、それだけでなく、戦闘機のデザインの限界は生身の人間が生き延びられるかどうかという限界に左右されることがないので、もっと自由自在な動きをすることができるし、長時間の飛行も可能だ。

参照文献:Oval Office, APニュース

July 17, 2007, 現時間 11:59 PM | コメント (0) | トラックバック (0)

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July 9, 2007

久間防衛相辞任を巡る波紋:世界の覚書への返答

防衛

アップデートあり、下記参照

先日の私が書いた久間防衛相辞任が国際社会に及ぼす波紋について私も尊敬している世界の覚書さんが、私のエントリーを読んで「読んでがっくりきた。何やらだいぶ誤解があるようだ。アメリカから見るとそんなんだろうか。」とかなり落胆なさっている。しかも私の認識は「極左も同然」とまでおっしゃる。私が先のエントリーを書いた時に私はきっと日本の左翼からも右翼からもかなりの批判を浴びるであろうと予想していたので、覚書さんの感想はある意味で予想どおりの反応である。

しかしこのまま何も答えないでいると覚書きさんも、彼の読者の方々もカカシが無知で馬鹿なことを言っていると思われかねないので氏のご指摘にお答えしようと思う。

カカシ; このままではアメリカ軍は日本人との本土決戦に加えてソ連とまで戦争をしなければならなくなる。ソ連を牽制しながら日本が無条件降伏を飲まざる終えないほどの圧倒的打撃を加えなければならないと判断した。

覚書氏:ソ連と戦争(冷戦)が始まるのは、後のこと。そもそもソ連の対日参戦は、首脳会談でずっと前から話しあっていた、というかアメリカの要請であった。ソ連は、律儀にドイツ降伏の3ヵ月後に対日参戦した。日本が降伏した直接の理由は、和平仲介を期待していたソ連が裏切ったからだ(これは日本が甘すぎただけだが)。

先ずソ連が日本侵略に至るまでの経過を振り返ってみよう。ソ連の対日参戦はアメリカからの要請であったが、その取り決めが行われたのは1945年2月に行われたヤルタ会談でのことである。この時のアメリカ大統領は死まじかの親ソ連のルーズベルト大統領であった。この時西側とソ連はソ連がドイツ降伏の90日後に参戦することを取り決めた。当時のアメリカではソ連とは第二次世界大戦で同盟関係にあったとはいえ共産主義社会のソ連に脅威を覚える政治家(主に共和党)や軍人は少なくなかった。ヨーロッパ戦線を率いたパットン将軍などはこのままドイツからロシアへ攻め込みソ連を滅ぼすべきだなどと言っていたほどだ。

ヤルタ会談の2か月後にルーズベルト大統領は死去、跡を継いだのは反共産主義のトゥルーマン大統領だった。ヤルタ会談での取り決めではアメリカ軍が日本を占領する前にソ連は北海道の侵略まで許可されており、反ソ連のトゥルーマンはソ連の日本侵略を善しとしなかったのである。ここで覚えておかなければならないのは、アメリカでは大統領が変わると政権もがらっと変わり前の政権の方針とは正反対になることはよくあることなので、「元はいえばアメリカが、、」という議論をする場合はどの政権の方針だったのかということを考慮に入れておく必要がある。ルーズベルトとソ連が友好関係にあったからといってトゥルーマンもそうだったと考えると事を見誤る。

アメリカの原爆投下がソ連を牽制することが目的だったことを示唆するのは、広島と長崎の原爆投下がロシアの満州上陸とほぼ時を同じくしていることにある。特に長崎は満州上陸の一日後だったことは興味深い。トゥルーマン大統領はソ連が何時対日戦に参戦するかを知っていたわけだから、原爆を落とすことによってソ連に対して、対日参戦はそこまでにしておけと警告している意志が見えるのだ。ソ連と西側の冷戦はヨーロッパ終戦と同時に始まったとも言える。

カカシ:原爆投下の数日前にポツダム宣言を日本は黙殺(拒絶)している。降伏の意志があったのならこの時に表明すべきだった。

覚書氏:日本が呑みにくいように、わざわざ文言を調整し、他にも策を弄していた。尋常に日本に納得させるつもりは、無かった。
#日本の真意は、「黙ったままで反応しない」という程度の意味だった。もっと文言を選べばよかったが、アメリカの発表の仕方も妙だったから、反応に窮したのだ。「拒絶」は誤訳と言ってよい(意訳であるw)。

アメリカはわざと日本を特定の方向に追い込んだという理屈は真珠湾攻撃の話をする際にも日本の右翼の方々がよくおっしゃることなのだが、私に言わせればそんなアメリカの思惑に乗せられたとしたらそれこそ日本に責任がある。西側同盟軍は日本に無条件降伏を求めており、それ以外の交渉をする気など毛頭なかった。日本は条件を呑めるとか呑めないとかいっている立場にはなかったはずである。

黙殺の意味が「黙ったままで反応しない」というのは日本語の意味だが、西側連合軍の解釈は「無視」であり、無条件降伏を一定期間に受け入れなければそれは「拒絶」を意味する。私が括弧内に「拒絶」と書いたのは私の意訳ではなく西側の解釈の意味である。日本は降伏を迫られている厳しい立場におかれていたのだ。その条件次第では降伏の意志があったのであれば、黙殺などという消極的な態度をとらず積極的にその意志を示すべきだったのである。何もせずに黙ったまま反応をしないでおいて、攻撃されてから数日後には降伏するつもりだったのだなどと言っても遅い。アメリカの意図がどうであれ日本政府がアメリカに原爆投下の口実を与えてしまったことの日本政府の責任は重い。

3番目の硫黄島の戦いについてはこれが1945年の2月から3月の出来事であったので、8月の降伏云々の理由にするのは少し乱暴だったのかもしれない。ここは覚書さんのいうように本土への爆撃を防ぐという意味で硫黄島は大事な場所であったことは確かだろう。ただこの時点で日本軍が本土決戦の用意をしていたことは否定できない。

カカシ:単に日本を降伏させることが目的であったのなら、広島は分かるとしても長崎にまで原爆を落とす必要はなかったのではないかという疑問は誰にでも生まれる。これは日本にとっては非常に不幸なことだが、二発目の原爆は日本へというよりソ連への牽制だったのである。

覚書氏:原爆使用は、マンハッタン計画を始めた必然であり、使用はずっと前から決まっていた。ドイツが降伏したから、(うまく間に合った)日本に落としただけである。...一発目も同様だと思う。2発というのは、ウラン型とプルトニウム型の両方を作ったから、テストしておくことになっただけだ。

原爆は第二次世界大戦中にドイツか日本のどちらかに使うつもりだったことは当たり前だ。そうでなければそう慌てて作る必要はない。むろんドイツも日本も核兵器開発は同時に行っており、戦争中に完成にしたのがアメリカだったというだけの話である。だが、もし覚書さんがアメリカが日本に原爆を落としたのが生身の人間を使った実験だったのだと主張しているなら、これはあまりにもひどい言い掛かりである。原爆はすでに実験済みでありわざわざ日本へ落として実験をする必要などない。いくら敵国とはいえアメリカはそこまで悪徳な国ではない。アメリカ人の友人から日本の学校ではアメリカによる原爆投下は日本人を実験台にするのが目的だと教えられているそうだが本当かとこの間聞かれたばかりだったのだが、私はその時「まさか、いくらなんでもそんなことを信じる日本人はいないでしょう。」と笑ってすましたばかりだった。覚書さんのような良識ある方がこのような反米デマを信じてしまうとはとても残念である。

カカシ: 二発投下したら、二発あるもの百発あるかもしれないということになり、ソ連としてはアメリカの軍事力を正確に把握できないことになる。それでソ連は日本への侵略を途中であきらめたのである。

覚書氏:日本への侵略を途中であきらめたというが、米ソは、当時は一種の同盟関係だったのであり、アメリカの意向を慎重に見極めていた。アメリカの許容するぎりぎりの線まで進出しただけである。(後略)

ヤルタ会見でルーズベルトがソ連の対日参戦を要請した時北海道を侵略することも容認していた。だから米露の友好的な関係が続いていたのであればソ連は日本進出をあきらめる理由は特になかったはずである。にもかかわらず原爆投下後にソ連は日本侵略をあきらめてしまった。アメリカがソ連を牽制する目的で原爆投下をしたのであればその効果はあったと判断できる。日露の友好関係が続いていたならソ連がアメリカとの地上戦を懸念して進出をやめる必要などなかったはずである。

覚書氏:当時のアメリカでは、軍事目標をターゲットにしていたという言い訳をしていたのだ。東京の下町には、家内制手工業のような零細企業が軍需工場のネットワークを形成していたから、そこの住民は軍事目標であるという理論があったのだ。広島も軍都という説明ができた。結論から言えば、第二次大戦は人種差別の露わな、仁義無き戦いでもあったのだ。日本人は「サブヒューマン」だから、殺しても構わないという考え方が実在した。

第二次世界大戦は敵も味方も戦闘員と民間人の区別はつけていなかった。ドイツによるロンドン空襲にしろ、その復讐としてされた英米連合軍によるドレスデン空襲でも、多くの民間人が犠牲になった。アメリカ軍が日本人にたいして人種偏見をもっていたことも民間人の犠牲に無関心であったことも事実だが、アメリカ軍の空襲が主要都市にある軍事施設を標的にしていたというのは言い訳ではない。現に日本の主要都市には軍需工場などが民家の中に入り組んで建っており、アメリカの執拗な空襲によってその生産率は大幅に低下したのである。

だが、覚書さん自身も指摘しているようにドイツが降伏する以前に原爆開発が成功していれば、アメリカはドイツの主要都市に原爆を落とした可能性は大きい。日本人が黄色人種で「サブヒューマン」だったからという理由で空襲が行われたというなら、白人のドイツ人がすむドレスデンでの空襲は意味をなさない。

私はルーズベルト大統領の人種偏見を否定しない。それどころか日系人というだけで米国市民から資産を没収し市民を強制収容所にいれたルーズベルト大統領の日本人嫌いは悪名高い。しかしだからといって必要以上にアメリカの当時の行為を悪意で判断するのは今後の日米関係を考えても決して益あることとは思えない。

戦後、日本は民主主義国家となり凄まじい経済発展をし東洋一の経済大国となることができた。一度は敵として戦ったアメリカとも長い友好関係を保つことができている。今後もこの友好関係は日本にとってもアメリカにとっても有益である。

私はアメリカ下院議会による日本バッシングの慰安婦決議案には大反対だし、日本によるアメリカへの原爆の責任追及にも賛成できない。戦争は60年以上も前に終わったのである。たった数年間の戦争の傷で60年以上もの友好関係に亀裂を入れるのはお互いに止めようではないか。

アップデート (17:32:00PDT July 9): コメンターのアラメイン伯が紹介してくれた大石英司さんのエントリーに面白いところがあったので抜粋して引用する。

われわれは韓国人でも中国人でも無い。半世紀以上も昔のことをいつまでもぐだぐだ言っても何の利益も無い。われわれ日本人は、中韓の人々と違って多少忘れっぽい所はあるけれども、「許すべきでない」という感情と「あれは仕方なかったんだ」という割り切りが両立できる美徳を持っている。それは文明人として素晴らしいことです。この件で久間発言を非難している連中のメンタリティは、中韓で慰安婦がどうの南京大虐殺がどうのと喚いている連中と、全くの同レベルです。とても文明人と呼ぶに値しない。

July 9, 2007, 現時間 12:31 AM | コメント (8) | トラックバック (0)

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July 8, 2007

空想歴史:もし原爆が落ちなかったら、、、

防衛

昨晩友達のリー・ポーターが彼が1998年に書いたエッセーをもってきてくれた。このエッセーは空想科学小説のなかでもアルタネートヒストリーというジャンルに属する架空の歴史を背景にしたフィクションだ。アルタネートヒストリーの例としては、カカシの友人ブラッド・ライナウィーバー著の「もしナチスドイツが第二次世界大戦に勝っていたら、世界はどうなっていたか」というテーマのムーンオブアイスなどがある。

リーのエッセーはアメリカが広島・長崎に原爆を落とさなかったならどんな世界になっていたかという話を、すでに原爆が落ちなかった世界に生きた歴史家が何年か後に歴史を振り返るという形で書かれている。

******

第二次世界大戦の数々のシナリオを模擬するコンピューターモデルの結果はちょっとした話題を呼んでいる。盛んに議論されている模擬シナリオのひとつに、ハリー・S・トゥルーマンが日本にたいして原爆を使う決断を下すというものがある。このシナリオでは戦争に疲れきっていた世界はこれによって日本の降伏が早まったことに胸をなで下ろした。しかし安堵の気持ちはすぐにそのような恐ろしい武器を使ったことが正しかったのだろうか、アメリカの核兵器独占の時代が終わった時、アメリカは自ら作り出した道具に滅ぼされるのではないかというような疑心と恐れに変ぼうした。しかしシュミレーションは驚くべき結果を描いている。多々の都市が破壊される暗いイメージと共に核兵器の備蓄が戦争阻止の戦略となり、核兵器を持つ国々の指導者たちは未来の世界危機の際に最後の線は絶対に超えないことを保証した。

まず1945年を覚えておられるだろう。ルーズベルト大統領は重病だったがまだ死んでいなかった。ヤルタ会見で衰弱したルーズベルトはとてもスターリンの比ではなく病状は悪化の一途をたどった。トゥルーマン大統領は種々の難かしい決断に迫られたが、原爆を使うかどうかという選択は含まれていなかった。ルーズベルトの病状は大統領のスタッフによって隠されていたため、軍隊はトゥルーマンに原爆開発成功のニュースを伝えていなかったからだ。その結果、日本への原爆投下は承認されなかった。

日本侵略によって失われた250万人以上のアメリカ、ロシア、そして日本人の命が、失われなくても済んだのだという議論が最近歴史家たちの間で交わされている。歴史専門家たちの架空歴史シナリオでは没落作戦(日本侵略計画)は単なる備考にすぎない。

歴史的事実と架空シナリオの溝は深まる。(実際の歴史では)日本は連合軍の勝利によって分割された。ソビエトは千島列島、樺太、北海道、そして本州の北部三分の一を占領し、残りはアメリカが占領することを要求した。ルーズベルトの死直前の1946年、重病の大統領はロシアと中国の圧力に負けヒロヒトを戦犯として裁判にかけることに同意した。天皇の絞首刑が言い渡されると、マッカーサーは戦争裁判の決断を公に批判したため、新任のトゥルーマン大統領はマッカーサーを任務から外した。

ここにどの歴史家の脳裏にも焼き付いている一つの写真がある。裁判が行われていた建物の前に怒り狂った群衆が集まった。そのなかに政治パンフレットをふりかざしていた一人の若者がいた。多くの人々がそのパンフレットに手をのばしていた。若者の顔は間違いなく三島由紀夫のそれであった。

しかし架空シナリオでは三島は20世紀の文学の世界では顕著な存在だが国粋主義ではない経済の発展した戦後の日本では政治的にはたいした存在ではない。実際の歴史では三島の天皇崇拝、過激なロシア憎悪、そして失われた領土への核攻撃もいとわないという思想は南日本の政治を独占した。永久に悪魔化された三島のイメージは全てが変わってしまった30年前のあの日と深くつながっている。あの日北海道で起きた危機は日本、ロシア、中国、アメリカ、イギリスそしてフランスを巻き込む核兵器戦争へと発展し、20億人の死者を出すにいたった。専門家の論説者たちが唱えるシナリオでは二つの都市が破壊されることで全世界は救われたはずだというものである。

人々が架空歴史に執着するのはそれが現実の歴史の恐ろしさには到底およばないからである。

July 8, 2007, 現時間 1:47 PM | コメント (0) | トラックバック (0)

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July 7, 2007

久間防衛相辞任が国際社会に及ぼす波紋

防衛

防衛省の久間さんの原爆投下に関する失言で氏が辞職にまで追い込まれたという事件はアメリカでも大々的に報道された。この問題は日本の内政のみならず外交上の問題に発展する可能性が大きいからである。ミスター苺がこちらの新聞に載った久間氏の発言内容を読んで、「辞任するほどの発言とは思えない。日本語ではもっと過激なことを言ったのか?」と聞くので日本語で読んでみた。みなさんはもうご存じのことと思うが、一応掲載しておこう。下記は朝日新聞に載った演説内容。

久間氏の発言要旨

 日本が戦後、ドイツのように東西が壁で仕切られずに済んだのは、ソ連の侵略がなかったからだ。米国は戦争に勝つと分かっていた。ところが日本がなかなかしぶとい。しぶといとソ連も出てくる可能性がある。ソ連とベルリンを分けたみたいになりかねない、ということから、日本が負けると分かっているのに、あえて原爆を広島と長崎に落とした。8月9日に長崎に落とした。長崎に落とせば日本も降参するだろう、そうしたらソ連の参戦を止められるということだった。

 幸いに(戦争が)8月15日に終わったから、北海道は占領されずに済んだが、間違えば北海道までソ連に取られてしまう。その当時の日本は取られても何もする方法もないわけですから、私はその点は、原爆が落とされて長崎は本当に無数の人が悲惨な目にあったが、あれで戦争が終わったんだ、という頭の整理で今、しょうがないな、という風に思っている。

 米国を恨むつもりはないが、勝ち戦ということが分かっていながら、原爆まで使う必要があったのか、という思いは今でもしている。国際情勢とか戦後の占領状態などからいくと、そういうことも選択肢としてはありうるのかな。そういうことも我々は十分、頭に入れながら考えなくてはいけないと思った。

この文章を読む限り、カカシにも何が問題なのかよく分からない。日本語はニュアンスが色々あるのでやたらなことを言うと弊害があるかもしれないが、久間氏はアメリカの原爆投下には疑問も投げかけたうえで、原爆投下が戦争を終わらせるということになったのだから、ま、しょうがないか、、という意味でいったと思うのだがそれがそんなに無神経な発言だったのだろうか?

なぜ原爆だけが特別なのか

私は子供の頃8月になるとテレビなどで特集される原爆の話などを見るにつけ二つの疑問を持った。日本は敗戦国としての犠牲者的立場を主張するが真珠湾攻撃で最初に戦争をしかけた加害者としての責任が全く問われないのは何故かということ。そして二番目の疑問は「なぜ原爆だけが特別なのか」ということだ。確かに原爆の被害は多大であり、その破壊力もさることながら後遺症なども含めて標的に与える精神的打撃なども計り知れない。

だが、それをいうなら何年にも渡って執拗に行われた日本各都市への空襲や、東京、大阪、などでされた大空襲とて都市全体が焼け野原になるような悲劇的な損害を受けている。東京や大阪など他の大都市の空襲後の状況は広島や長崎と大差ない。以前にもお話したかもしれないがうちは父方の故郷が空襲で完全破壊され家族は皆焼け出された。

死傷者の数にしても東京大空襲の犠牲者は広島に次いで2番目に多く、原爆のおちた長崎よりも3万人も多いのである。下記はこのホームページが引用した『太平洋戦争がよく分かる本』P176 PHP文庫、太平洋戦争研究会の資料より。 

●広島市 約14万人(原爆による。1945年末までの死亡者数)
●東京都区部 約10万人
●長崎市 約7万人(原爆による。1945年末までの死亡者数)
●大阪市 約1万人
●名古屋市 約7800人
●神戸市 約6200人
●横浜市約4600人

日本全体での民間人の死者数は約51万人といわれている。ということは犠牲者の3/5は原爆以外の空襲で殺されたということになる。原爆で殺されたら悲劇だが空襲では悲劇ではないという考え方は私には理解できない。逆にいうならば同等の被害が出るにも関わらず焼夷弾による空襲は容認されるが原爆投下は特別否認されるという考え方にも納得がいかない。どちらも武器ではないか、その状況に従って有利な武器を使うのは戦略として当然のことではないだろうか?

本土決戦を防いだ原爆投下

私は久間さんの発言にはほぼ全面的に同意すると言っていい。こんなことをいうと私は日本の左翼右翼中庸の誰からも嫌われるのかもしれないが彼の言っていることには一理もニ理もあるのである。

先ず今の日本の人々が理解すべき点は、第二次世界大戦はアメリカおよび連合軍が圧倒的勝利を得た戦争ではないということだ。アメリカが原爆を使わなくても簡単に日本に勝てたと思うならそれは完全な思い違いである。アメリカが広島に原爆を落とした1945年にはアメリカ軍はすでに4年間も戦争をしており多大な犠牲を払ってきていた。しかもアメリカは太平洋だけでなくヨーロッパ戦線にも参加してドイツ軍と熾烈な戦いを続けていたのである。

アメリカ軍はこの時沖縄を激しい戦線で制覇した直後であり、民間人を平気で巻き込む日本軍との地上戦がどれほど残虐で困難なものであるかを嫌というほど体験させられたばかりであった。ちなみに沖縄戦線での戦死者は、アメリカ兵1万2千名、日本兵10万7千名、日本人民間人10万名だった。広島・長崎の原爆の犠牲者を合計した数とほぼ同等である。(私の資料は別にあるのだがリンクはできないので、ウィキペディアでもほぼ同じ情報を得ることができるので参照されたし。)

これ以上戦争が長引き本土決戦などということになったら沖縄の何十倍、何百倍の犠牲者が双方で出ることは確実だった。しかもドサクサにまぎれてソ連が日本を侵略しようと企んでいる。このままではアメリカ軍は日本人との本土決戦に加えてソ連とまで戦争をしなければならなくなる。アメリカが戦争が長引くのを防ぐにはソ連を牽制しながら日本が無条件降伏を飲まざる終えないほどの圧倒的打撃を加えなければならないと判断したとしても戦略としても道徳的にも間違っていたと思えない。

よく日本に原爆など落とさなくても日本は数日中には降参していたはずだという人がある。だが私はそれには同意できない。連合軍側は日本の無条件降伏以外は受け入れる姿勢になかった。無条件降伏をすれば政権は完全破壊され日本はアメリカの植民地となるのである。軍事独裁政権がそんな状況を簡単に受け入れる用意ができていたとは思えない。現に原爆投下の数日前にポツダム宣言を日本は黙殺(拒絶)している。降伏の意志があったのならこの時に表明すべきだった。連合軍に日本の心のうちが読めるわけではなし、数日後には降伏の意図があったなどといってみても後の祭りである。

しかし私はこのような議論はただのいいわけだと思う。なぜなら日本が本土決戦を決意していたことを示唆する出来事が起きているからだ。その最たるものが硫黄島の戦いである。もし日本が近日中に降伏するつもりだったのなら、硫黄島であれだけ激しく日本軍が抵抗する意味がない。硫黄島の戦いは本土決戦への時間稼ぎであったことは日米双方が認める事実である。

日本国民も本土決戦一億玉砕を覚悟していた。私の祖父の世代の人で天皇の降伏宣言をラジオで聴いた知人からこんな話をきいたことがある。田舎に住んでいたその人の自宅にはラジオがなかったので天皇陛下からの重大発表があるときいて知人は役場までラジオを聴きにいった。当時のラジオは受信が悪く雑音も多かったし、天皇陛下の話かたは凡人とは違うので陛下のおっしゃていることがよく理解できない。そこで知人はついに「本土決戦だ、陛下は一億玉砕を覚悟で戦えとおっしゃっているのだ!」と勘違いして興奮していたら、周りの人たちが泣き出したのでやっと「堪え難きを耐え、、」の意味が分かったと言っていた。

父や伯父などの話では小学生でさえ戦闘訓練を受けていたというし、竹槍おばさんと今でも知られているように一介の主婦ですらいざとなったら戦闘におもむけといわれていたのである。RPGやIEDを使ったテロリストですら勝ち目がないのに、女子供が竹槍などでマシンガンを持った米兵に立ち向かう図など想像しただけでも悪寒が走る。原爆投下がされず本土決戦になっていれば、広島・長崎とは比べ物にならない膨大な数の日本人が殺されていただろう。

なぜ二発投下する必要があったのか?

単に日本を降伏させることが目的であったのなら、広島は分かるとしても長崎にまで原爆を落とす必要はなかったのではないかという疑問は誰にでも生まれる。これは日本にとっては非常に不幸なことだが、二発目の原爆は日本へというよりソ連への牽制だったのである。

当時は日本も含め先進国はすべて原子力爆弾開発を行っていた。だがどの国がどこまで開発に成功していたのかは誰も知らなかった。アメリカが一発だけ投下させたら、持っていたただ一つの爆弾を使いきっただけかもしれない。だが二発投下したら、二発あるもの百発あるかもしれないということになり、ソ連としてはアメリカの軍事力を正確に把握できないことになる。それでソ連は日本への侵略を途中であきらめたのである。ソ連が日本を侵略していれば日本も久間さんのいうとおり朝鮮のように二つに分断されてしまっていただろう。

日本は犠牲者精神を捨てよ

日本は唯一核兵器爆弾の犠牲者となった国という特別意識がある。だが私は日本のこの犠牲者精神は害あって益なしだと考える。なぜならこのような被害者意識は諸外国から日本は旧日本軍の加害者としての責任から逃れようとしていると解釈されるからである。

真珠湾攻撃にしろ、東南アジアへの侵略行為にしろ、日本人が過去の歴史を書き換えて旧日本軍の加害者としての責任を何一つ認めず、今回のように日本だけが特別に犠牲者だったのだという態度をとり続ければ、日本は諸外国からの信用を失う。それでなくても慰安婦問題ですでに日本が誤解されている時でもある。このような状況で今後日本が軍事力を強化し北朝鮮や中国の脅威から国を守ろうという姿勢をとれば、再び大日本帝国のように近隣諸国の平和を脅かすのではないかと諸外国から懸念されてしまう。

私は何度も主張してきたように旧日本政府と現在の日本政府は全く別の政権である。第二次世界大戦で旧日本軍がどんなことをしたにせよ、現代の日本人が反省したり謝罪したりする義理は全くない。

だが、現代の日本が旧日本政府の延長でいまだに日本は機会されあれば近隣諸国を侵略する意志があるなどと勘ぐっている諸国がある以上、日本人が現代の道徳観と矛盾するからといって犠牲者としての立場ばかりを強調して、先代の過ちを否定したり過小評価したりすれば、諸外国のこうした懸念は深まるばかりであり、日本が国際社会の一員として文明国として尊敬される立場に立つことの弊害となってしまう。

日本は早く自分らだけが特別な被害者だったという意識を捨て、歴史的事実は事実と認め、旧日本と現代日本は別物であり、現代日本は旧日本とは違って平和を求める文明国であるという意志を世界中に表明すべきである。

久間氏の辞任は国内問題ではおさまらない。このことがアメリカ及び諸外国へ与えた影響は意外と大きいかもしれない。

July 7, 2007, 現時間 2:31 PM | コメント (6) | トラックバック (1)

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June 27, 2007

米軍隊志願兵が減っているという嘘

イラク関係 , 狂ったメディア , 防衛

先日アメリカ軍に志願する黒人の若者の数が減っているという記事を読んだ。(下記は24日付けのAPより)

WASHINGTON (AP) - 黒人のなかで軍隊に志願する人の数が最近極端にへり、アフガニスタン・イラク戦争が始まって以来三割以上の減少となった。他の仕事への可能性が急増しまた親戚などから志願を止められることが多いのが原因だ。

APが取得した統計によると志願者は四つすべての正規軍で減っており、州兵、予備軍になるとその数は劇的な落下をみせている。

この調査結果は(二つの)戦争への不人気が増えていることを反映しており、特に家族やほかの大人たちが軍隊志願を考えている高校生や大学生に(軍隊よりも)教養を高めるかキャリアを目指すべきという意見が影響を与えていると思われる。
...

ペンタゴンの統計によると2001年には51,500人が正規軍に志願したとある。しかしその数は2006年には32,000人と38%の減少となった。

この記事を読んでいて先ず最初にわき起こる疑問は「黒人の志願兵が減っているというが、白人やその他の人種の志願兵も減っているのだろうか?」というものだろう。で、この記事には書かれていないが、いやこの記事には書かれていないからこそ、他の人種の志願数は減っていないとほぼ確信できる。反戦偏向丸出しのAPが米軍の志願兵の数が全体的に減っていたらその事実を記載しないはずがないからである。

イラク戦争が始まって以来、アメリカの主流メディアが何度も何度も繰り返してきた嘘に、アメリカ軍人の間で戦争は不人気であり士気が落ちているというものがある。だが実際に現役軍人たちに直接「イラク戦争について士気は高いか?」などというアンケートをとれば「高い」という答えが圧倒的にかえってくることが分かり切っているため、志願兵が減っているという二次的な現象を報道することで軍人の間で戦争は不人気という世論操作に余念がないのである。

さてそうなってくると実際にアメリカ軍の志願兵はどうなっているのかという話をせねば片手落ちだろう。 The Countervailing Force6月12日付けワシントンポストに載ったこの記事を紹介している。

陸軍五月の志願兵目標数に満たず。二年ぶりに最初の大幅減少。

昨日公開された統計によると海軍、海兵隊、空軍は五月の志願兵ゴールを超えたが、陸軍と空軍の州兵隊はゴールに満たなかったことが明らかになった。

陸軍は5,101 の志願兵を得た。これは目標数の5,500に満たない数であるが、2006年10月1日に始まり2007年9月30日に終わる今年度中の目標である8万人は満たせそうだとある。

「五月は歴史的にいって志願には難かしい月なんです。」と陸軍報道官のアン・エッジコム少佐は説明する。高校の卒業式や他の春のイベントが多いため志願兵の注意を引くのが難かしいという。

陸軍州兵隊は目標の88%を、空軍州兵隊はその77%を達成した。

海兵隊は五月2,225の志願兵が入隊しており、目標の1,665人を大幅に上回った。また海軍は目標ぴったりの2,709人、空軍は目標の 2,451人を獲得した。

ワシントンポストの記事によれば、正規軍の目標は陸軍が400人ほど満たなかったことを除けば、後は目標を達したか超えたかしている。ということは黒人志願兵が減った分、他の人種がその穴を埋めたことになる。軍隊には一般人口に比べると多少黒人の割合が多い。その原因は色々あるだろうが、経済的な理由がよく取り上げられている。APの記事にもあるように、最近のアメリカは経済状態が良いため、若者がつける職業も選択の余地が高い。ということは軍隊への人気が下がっているのは経済面の影響が大きく、戦争が不人気であるためだと断言することはできない。

APほどではないが、ワシントンポストの記事でも印象操作が行われていることに気付かれた読者は多いだろう。この記事で一番注目されるべきなのは陸軍の志願者が減ったことではなく、海兵隊への志願者が大幅に目標を超えたことにある。陸軍報道官のアン・エッジコム少佐も指摘しているように、5月と6月に軍隊志願兵の数が減るのは普通の状態である。それというのもアメリカの学校は6月に卒業式があるので、学校を卒業した高校生や大学生は若者として最後の自由な夏を楽しむため夏休みが終わる9月になってから志願しようと考えるからである。

また、陸軍への志願兵は多少減ったとはいえ、他の正規軍のほうは目標に達しており、減っているのは州兵である。もし上記にあげた二つの記事がいうように、イラク戦争が不人気なため志願者の数が減っているというのが本当だったとしたら、戦場へかり出される可能性が一番高い隊が一番不人気になるはずであるが、実際はその逆である。

戦争において一番危ない戦場へ送り込まれるのは誰かといえば、それは圧倒的に海兵隊だろう。その次が陸軍でむろん空軍は常に危険な空を飛ぶことになる。海軍は比較的安全だが、それでも中東で戦争が起きていれば長期にわたる出動が期待される。また正規軍と比べて予備軍や州兵隊は後方の援護が主な任務であり最前線にいく可能性は低い。それを考えると現在軍隊に志願した若者の傾向は実際に戦場へいく可能性の高い部署ほど人気があるということになる。

結論からいうならば、不人気な戦争とか不人気な軍隊というのはアメリカメディアが作り出した幻想であり、実際にはアメリカの若者はメディアが考えるほど腰抜けではないということだ。

私は仕事柄、軍人さんたちと会う機会が多いが、このあいだ何気なく女性の下士官らとテレビ番組の話をしていた。その時1980年代後半に人気のあったアニメの話が出て、ひとりの子が「あ、それ私が生まれる前」というので「え〜?何年生まれ?」と聞いたら「1989年」といわれて愕然となった(笑)。現在18歳の彼女は911当時まだ12歳。明らかにイラク戦争が始まってから志願したわけだが、そう思って回りを見ていたら一緒にいた軍人さんたちはみんなほとんどが18〜9歳。

頼もしいなあ、と改めて感じてしまったのであった。

June 27, 2007, 現時間 9:31 AM | コメント (0) | トラックバック (0)

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June 21, 2007

高波たてるイージス艦

防衛

先日棺桶ベッドから私が落ちそうになった時、私の乗ってた船はこんなふうに全速力ではしっていたのかなあ〜なんて思ったりして、、

イージス艦の格好いい写真を添付しよう。これは平行して走っていた別の船から撮ったもの。同僚の乗組員は船乗りのくせにすぐに船酔いするので、この写真をみただけで気分が悪くなっただろうとほかの同僚たちに冷やかされていた。(笑)



イージス艦

米イージス艦、デストロイヤー、正面から



イージス艦

米イージス艦、デストロイヤー、横から

甲板に出てなくて良かった。(ホッ)

June 21, 2007, 現時間 10:35 PM | コメント (0) | トラックバック (0)

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June 9, 2007

JFK空港テロ未遂事件容疑者の数拡大

対テロ戦争 , 防衛

先日未遂事件で解決し四人の容疑者が逮捕されたJFK空港パイプライン爆破テロ事件は、捜査が続くにつ陰謀に関わった容疑者の数がどんどん増えている。FBIの関係者の話によると捕まった四人は氷山の一角であり、犯人グループはもっと大きいということだ。

さらに以前に事前に暴露されて未遂で終わったニュージャージーの陸軍基地フォート・ディグス攻撃陰謀に関わったとされる Adnan Shukrijumahなるテロリストの行方をFBIは未だに捜索中だ。この男、アルカエダにとって第二の(二回に渡る貿易センター攻撃を計画した)ラムジー・ユーセフなのかもしれない。容疑者は皆外国に逃げた模様。

一方アメリカの主流メディアはこのように重要な事件を大々的に報道せず、なぜかヒルトンホテル財閥のどら娘、、おっと令嬢が免停中に三回目の酔っ払い運転をして監獄行きになった話でもちきり。もっとも今回はいつものように両親が金を使って娘を釈放させるというやり方はうまくいかなかったらしく、一旦は刑務所の所長の一存で仮釈放になったものの裁判官が激怒してパリス嬢は刑務所へ逆戻り。車のなかで大騒ぎして「ママ!ママ!」と叫び出す始末。いい大人が何やってんだ!ま、親が甘やかし過ぎた結果がこれだわな。

なんてことはどうでもいい!テロリストが国内テロを企てているというのに金持ち令嬢のスキャンダルにばかりかまけているバヤイか!まったくアメリカ主流メディアはしょうがない。

June 9, 2007, 現時間 10:25 AM | コメント (0) | トラックバック (0)

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June 3, 2007

JFK空港テロ未遂事件さらに詳細

防衛

昨日ご紹介したJFK空港へつながる燃料パイプライン爆破テロ未遂事件について、CNNジャパンに日本語の記事が載ったので、掲載しておこう。

JFK空港狙ったテロ計画摘発、4人起訴

ニューヨーク(6・3・07)──米国土安全当局と連邦捜査局(FBI)、司法省は2日、ニューヨークのジョン・F・ケネディ(JFK)空港の燃料タンクとパイプラインを爆破するテロ計画を摘発し、4人を起訴したと発表した。

JFK空港には現在、テロの脅威はない。犯行計画は技術的に実行不可能とみられ、旅客機は標的ではなかった。

主犯格は南米ガイアナ出身で、以前JFK空港で貨物処理スタッフとして働いていたラッセル・デフレイタス容疑者(63)。FBIの電話盗聴記録によると、同容疑者は「米国人が好きなケネディを攻撃すれば、米国は最大の打撃を受ける」などと語っていた。2日には同容疑者の罪状認否が行われた。

共犯はガイアナの元議員アブドゥル・カディル容疑者と、同じくガイアナ出身のアブデル・ヌール容疑者、トリニダード・トバゴ出身のカレーム・イブラヒム容疑者の3人。ヌール容疑者は現在も逃亡中。

容疑者らは、1990年にトリニダード・トバゴのクーデター未遂に関与したイスラム武装勢力JAMなど、南米やカリブ海地域の過激派とのつながりが指摘されている。...

この記事だけでは詳細ははっきりしないが、この記事が計画の段階で暴露された理由というのも、どうやら内部通告があったかららしい。

この通報者の話では、彼は2006年の8月、主犯のガヤナ出身のデフレイタスとニューヨークのブルックリンで落ち合った。その当時起きていたレバノン戦争の話題が持ち上がったとき、デフレイタスはこういう時に犠牲になるのはいつもイスラム教徒でユダヤ人は罰せられないという話になった。その時デフレイタスは911など足元にも及ばないテロを企てていると通報者に打ち明けたのである。その時はそれ以上詳しい話にはならなかったが、その後デフレイタスはアラブのイスラム教徒だけが戦っているような印象を受けるが諸国のイスラム教徒が戦う意志をもっていると語ったと言う。

デフレイタスはJFK空港で働いていたことがあり、空港のどの部分の守りが甘いかを知っていると自慢げに通報者に語った。そしてニューヨークで信用できる共謀者を探しているとも語った。また損害の規模についても空港全体が崩壊し中にいる人間のほとんどは逃げられいだろうとし、クイーンの一部も破壊されると予測した。ケネディ空港を狙う理由は故ケネディ大統領はいまだに国民から慕われており、その名前をつけた空港を破壊することはケネディ大統領を二度暗殺するほどの意味があるからだと説明したという。

FBIの調べによると、このグループはJFK空港のあちこちで偵察用撮影を詳細に行っており、その計画は綿密だったようだ。しかし空港警備に当たっているニューヨーク警察やパイプラインのバックアイパイプライン社の話によると、デフレイタスが空港で勤めていた時に比べ空港の警備はずっと厳しくなっており、またパイプラインの爆破はこのグループが考えるほど簡単なものではないという話だ。パイプの一部を爆破しただけでは連鎖反応で全体に爆発や火が回るということはないようだ。

こういう計画で一番の要となる爆発物調達だが、これが一番肝心で一番困難な過程である。空港全体を崩壊しクイーン市の一部を焼け野原にしようとなれば、莫大な量の爆発物が必要となる。それだけの爆発物をFBIなどから疑われずに調達するというのは容易なことではない。誰もが簡単に手に入れられる代物ではないので、必然的に部外者の強力を求めなければならなくなる。こういうところでFBIの覆面捜査官が爆発物の仲買人として現れることが多いようだ。

無論、FBIや国土安全保障局はどういういきさつで事件が暴露されたのかということについては、今後の捜査もあることなので詳細は明らかにしていない。

JFK国際空港はアメリカでも一番交通量のある空港だ。

JFK空港はアメリカの海外旅行者の17%が使用しており、毎日5万人の利用者がある。JFKとロンドンのヒースロー空港へは2000年には2百9十万の乗客が利用した。当空港からはそのほかにもパリ、、東京、フランクフルトなど50カ国に渡り100の空港へと空路がつながっている。

またJFK空港は国内線の乗り継ぎ用ハブ空港としても有名で、2005年には4千百万人の国内旅行者が利用している。

また当空港は人間だけでなく貨物などの輸送にも大いに利用されている。この空港が長期にわたって機能不能になったときのことを考えるとまったく背筋が寒くなる思いだ。この恐ろしいテロが未然に防がれて本当に良かった。今後も国土安全保障局やFBIには多いに頑張ってもらいたいものだ。

June 3, 2007, 現時間 6:11 PM | コメント (2) | トラックバック (1)

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May 12, 2007

日米で暗躍する中国人スパイ

東洋危機 , 防衛

数週間前に日本で中国人妻を持つ海上自衛隊の海曹が秘密データを持ち出していた事件が取りざたされた。

海自秘密持ち出し 2曹聴取、妻は中国人

(2007年3月30日掲載)

 海上自衛隊第一護衛隊群(神奈川県横須賀市)の護衛艦「しらね」乗組員の男性二等海曹が、防衛省が秘密に指定している護衛艦のレーダーのデータなどを記録したフロッピーディスク(FD)を自宅に持ち出していたことが29日、分かった。

 二曹の妻は中国人で、神奈川県警が今年1月に入管難民法違反の疑いで妻を逮捕し、二曹の自宅を家宅捜索した際、FDなどを発見、押収したという。

 捜査当局は情報が外部に漏えいした可能性もあるとみて、自衛隊法違反(秘密漏えい)などを視野に入手経路や目的などを慎重に調べている。海自も二曹らから事情を聴いている。二曹は、海自の内部調査に対し、外部への情報提供などは否定しているという。

 関係者によると、二曹はしらねの乗組員で機関を担当。FDに記録されていたのは、護衛艦のレーダーのデータや、通信関係の周波数などで、二曹は職務上接する立場にはないという。

ジャパンタイムスの記事では去年8月にも別の海上自衛隊員が外国の潜水艦に関するデータをコピーして自宅へ持ち帰っていたと報道している。この水兵はカラオケバーで働いていた中国人ホステスにあうため上海にしょっちゅう訪れていたという。どうも日本人は中国版マタハリに狙われているようだ。

日本はアメリカから軍事技術を多く購入しているため、これらの自衛隊員が持ち出した情報は結局はアメリカの軍事技術情報ということになる。いくらアメリカが日本へは旧型のものを売っているとはいえ、最新鋭の武器とそれほど変わりがあるわけではない。中国がその情報を元に新兵器の情報を得ることくらいさほど難かしいことではないはずだ。

しかもアメリカには中国系のエンジニアがわんさかおり、彼等の多くがアメリカの防衛関係の産業につとめている。

つい先日もアメリカはカリフォルニアでそんな中国系アメリカ人がスパイ容疑で有罪になった。いや正確には輸出法に触れるという罪だが、やったことはスパイ行為である。以下CNNの記事より

中国系エンジニアに有罪評決 軍事技術情報を持ち出し

米カリフォルニア州サンタアナ(2007.05.11AP) 勤務先の軍事関連企業から米海軍の潜水艦技術などに関するデータを持ち出し、中国に提供しようとしたとして、当地の連邦地裁に起訴されていた中国系米国人、チー・マック被告(66)に10日、有罪の評決が下された。

マック被告は中国生まれで、米国に帰化している。エンジニアとしてパワーパラゴン社に勤務しながら、数年間にわたって同社の機密書類数千ページのコピーを取り、弟を通して中国当局に流していたとして、スパイ罪などに問われていた。05年、データの入ったCDや書類を持って香港行きの飛行機に乗ろうとした弟らが連邦捜査局(FBI)で逮捕され、被告自身もロサンゼルス市内で逮捕された。

捜査当局によると、マック被告は逮捕直後の取調べに対してスパイであることを認め、中国当局側の窓口となっている人物を明かしたとされるが、同被告は「自白していない」と主張してきた。被告はさらに、「弟に渡したのはすでに国際会議で発表されていた論文。コピーを取ったり国外へ持ち出したりすることが違法だとは思わなかった」と述べた。

どうも家族ぐるみのスパイ行為らしい。弟に続いて兄のマックも裁判にかけられる予定である。兄のマックは1960年代に中国からイギリス圏の香港へ渡り後にアメリカに移住していた潜入スパイだったとアメリカ当局は語っている。

アメリカでは以前にもロスアラモスにある核兵器研究所に勤める中国系エンジニアによる秘密漏えいが問題になったことがある。容疑者のウェン・ホー・リーは秘密情報をよそからアクセスできる秘密指定のないコンピューターにコピーしたことは認めたが、スパイ容疑については否認。捜査の失態で確たる証拠を得ることが出来ずに無罪になっていた。

戦後60年以上もたって平和ぼけした日本では、自衛隊組織そのものの警備への姿勢がいい加減なのかもしれないが、911以後のアメリカでそのようなスパイ行為が簡単にされてしまう言い訳とは何なのだと聞きたい。

問題のひとつにアメリカはオープンソサエティーであるということがある。この間コメンターの方が「アメリカは差別意識の強い国という印象がある」とおっしゃっていたが、現実はその反対。差別をしな過ぎだと私は思う。

実はアメリカの大学で工学などの理数系を専攻する多くが外国生まれの学生であるいう現実がある。これらの学生には留学生も多いが移民も多い。言葉がよく分からない外国人は英語が堪能でなくても取得できる技術部門を専攻することが多いという理由もあるが、こうした学生のなかにはベトナム系、中国系の生徒が圧倒的多数を占める。留学生のなかにかなり多くのアラブ系学生がいることも無視できない。私の大学でも同級生のほとんどが外国生まれでアメリカ生まれのアメリカ市民は人クラス40人中でも一人か二人しかいなかった。

防衛関係の産業につとめる技術者はアメリカ市民でなければならないという法律はあるにはあるが、移民の国アメリカでは外国人が市民権を取ることはよくあることで、特に高度な技術を持ったエンジニアや科学者などは優遇される。国家秘密レベルの情報を扱う人間はシークレットクリアランスといって国防庁による身元調査を受けて認可を得なければならない。だがこの身元調査がどこまでちゃんとされているのか私はかなり疑わしいという気がする。

明らかに、調査対象が共産圏の中国系であるとか北ベトナム系だとかいう理由ではクリアランスを拒絶することはできない。そんなことをしたら人種差別だのなんだのと市民団体がうるさく騒ぐのは目に見えているし、第一それは違法だろう。かといってこれらの人々の母国とのつながりも無視できない。外国生まれの従業員がクリアランスを求める時、いったい国はどういう基準で彼等に認可を与えているのだろうか?

どうもアメリカにしろ日本にしろ警備に対する姿勢が甘すぎる。私は専門家ではないが私のようなものでもこれでいいのかな? と思うことがしばしばある。毎日扱っている情報や製品なのでそれが企業秘密であるとか国家秘密であるという意識が薄れてしまうのは分かるのだが、やはり今の世の中誰が狙っているか分からない以上、警戒に警戒を重ねて欲しいと思う。

May 12, 2007, 現時間 4:26 PM | コメント (0) | トラックバック (0)

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February 25, 2007

アメリカ軍は撤退すべき、、ヨーロッパからだけど、、、

防衛

今日保守派が行き過ぎて完全な孤立主義になってるパット・ブキャナンのコラムを読んでふむふむなるほどという気がした。私はブキャナンは最近右翼が講じてファシズムに走る傾向があるのであまり好きではないのだが、それでもたまにはいいことをいう。イラクからイギリス軍が撤退するというニュースもだが、アフガニスタンへの長期出兵も乗り気でないNATOに対して、ブキャナンはいざという時に便りにならないNATOなんか見捨て、アメリカはヨーロッパから撤退せよと言う。

NATOは世界の勢力が集まっているなどというが、実際にはヨーロッパが危機にさらされた時にアメリカから助けてもらうための保険に過ぎない。ボスニアやコソボが示すようにNATOには一人稼ぎ人に25人の扶養家族がいるようなもんだ。

冷戦の後、国際家のインディアナ代表リチャード・ルーガー議員などは「NATOは遠征しないなら店じまいすべきだ」と言ったほどだ。ルーガー議員の発言はソビエトの脅威が消えた今、NATOはいい加減、世界平和維持の重荷を担ぐべきだという意味だった。

しかし1990年代のボルカン危機でヨーロッパは自分たちの遊び場すら警備できないことをあらわにした。アメリカが出ていってやさしく彼等を押し避けて事の始末にあたった。今日ヨーロッパがアメリカに向けて送っているメッセージはイラクから撤退し、イタリア、ドイツ、フランスなどはアフガニスタンでも戦いたくないというものだ。

「我々は家から出る気はありません。もしアメリカが帝国遊びをしたいならどうぞご勝手に。でも私たちは半世紀も前に撤退した場所へ我々の息子たちを送り出して戦わせるつもりなどありません。ご自分でおやんなさい。」

NATOは何のためにあるのだろうか?NATOなど常にアメリカの外交を批判しながらヨーロッパが危機に陥った時にアメリカをたよりにする脛かじりに過ぎないではないか。

NATOは経費がかかり過ぎる。我々はノルウェーからボルカン、スペインからバルティック、黒海からアイリッシュ海にかけて何十とある基地に何千という兵士を維持している。

それで我々は何を得たというのだ?なぜ我々の税金が自分達を防衛しようとしない金持ちの国々のために使われなければならないのだ?ヨーロッパの警備はわが国の警備よりも大事なのか?

世界大戦の時は一次も二次もヨーロッパはドイツから守ってくれと我々に助けを求めた。そして我々は彼等を救った。冷戦の初期の頃、ヨーロッパは東西ドイツの間にはいって防衛にあたったアメリカ軍を歓迎した。

だが現在、その脅威と共に感謝の意も消えた。今、福祉機構が国の富を食い尽くし、国民は老齢化し、町々が凶暴な移民に満たされている時、彼等はアメリカにこれまで通り彼等を守ってくれというのである、我々のそのやり方を常に批判しながら。

こんなもの同盟とは言えない。こんなものパートナーシップでもない。毛布を切り裂く時が来た。彼等が自分達の国を守る気がないのなら放っておけ。歴代の国々がしてきたように強い国が弱い国を制覇すればいいのである。

第二次世界大戦から60年もたち、冷戦から15年もたった今、ヨーロッパの防衛はヨーロッパの責任だ。

さすが生粋の孤立主義だけのことはある。

しかしアメリカがヨーロッパから完全に撤退する必要はない。ドイツの基地は閉めてポーランドあたりに移してはどうなのだろう。元ソビエト圏の新しいヨーロッパはかなり親米だし、ロシアの脅威はまだまだ存在するので彼等はアメリカを歓迎してくれると思うが。

またヨーロッパだけでなく、韓国や日本からもアメリカは撤退し、アジアの防衛はアジアに任せるというふうになるべきだろう。最近日本はその気になってきてるみたいだし、韓国などはアメリカに出ていけ、出ていけ、と騒いでいるのだからちょうどいい機会だ。

この際だから金のかかる海外基地はなるべく閉めて1990年代にがたがたになったアメリカ軍の再建にお金を使うべきだ。

February 25, 2007, 現時間 4:53 PM | コメント (1) | トラックバック (0)

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January 2, 2007

北の国粋主義にあこがれる韓国

東洋危機 , 防衛

どうして民主主義と資本主義を取り入れた韓国が宿敵であるはずの北朝鮮を何かと支持し援助するのか。その理由は韓国人の北朝鮮の国粋主義と朝鮮民族至上主義へのあこがれと同調にあると語る学者がいる。韓国の大学で北朝鮮研究をしているブライアン・マイヤー教授がその人だ。(Hat tip North Korea Zone)

ウォールストリートジャーナルに載ったマイヤー教授のエッセイーから紹介しよう。

(韓国の)この支持は南北再統一を早めようという理由からではない。それは韓国はなるべく延期したいと思っているくらいだ。また餓えている子供たちへの思いやりからでもない、今や救援物資がどこへ行くのか誰でも知っている。 いや、北朝鮮を援助したいと思う気持ちはイデオロギーの共通点からくるものが大きいのだ。韓国人は北のパーソナリティカルトに苦笑いをしながらも、朝鮮人が純粋な血族でその善良な気質からどん欲な外国勢力の犠牲になってきたという平壌の見解に同意しているのである。韓国人北朝鮮と同じように朝鮮民族は世界の無垢な子供たちであり、悪いのはすべて外国人だという考え方をする傾向がある。北朝鮮はこの考えをもっと力強く表現するが、北朝鮮と韓国の間には西と東ドイツとを分けていたような明かなイデオロギーの違いは存在しない。 ボンはOstpolitikをする時に鼻をつまみながらやっていたが、ソウルはサンシャイン方針を平壌への敬意からおこなっているのである。

マイヤー教授は韓国が国の経済の発展のために国粋主義を犠牲にしてきたが、それに関して後ろめたさを感じている。だから北朝鮮の純粋な国粋主義に少なからず劣等感をもっているのだという。

無論、韓国も金正日の乱暴な言動を好ましいと思っているわけではない。だがそれでさえも外国からの圧力が北朝鮮を追いつめかえって煽っているのだと考えている。数カ月前の北朝鮮の核実験を批判する韓国人は多かったが、アメリカなどが経済制裁の話をはじめた途端、批判は北への同情へとかわってしまっった。だがこの同情は常に韓国から北朝鮮への一方通行であり、韓国の好意が北から返されることは絶対にない、とマイヤー教授は語る。

さもあらん。北朝鮮が自分らが至上最高の民族だと考えている以上、韓国が北に迎合し仕えるのは当たり前だと考えるだろう。北朝鮮は韓国人が異人種結婚を認めていることをかなり軽蔑している。特権階級である北朝鮮が奴隷階級の韓国に同情など示す必要があるはずがない。どうしてそんな簡単なことが韓国人にはわからないのだろう。

さらにマイヤー教授は、北朝鮮のイデオロギーを理解せずに、北朝鮮をスターリニストの共産主義と思い込んで、ロシアや中国を含めた6か国会議でことの進展が望めると考えるのは勘違いもはなはだしいという。

北朝鮮は中国やロシアのいい分に耳を傾けるようなイデオロギーを持った共産主義国家などではない。北朝鮮は生粋の国粋主義者であり、同席の出席者を全く信用していない。であるから「統一した前線」などといってみてもそれはただの言葉でしかない。この会議は単に韓国の北朝鮮への同胞感を高めただけである。今後も韓国からは金正日への資金援助は十分におこなわれるであろうし、その資金は武器生産に使われるであろう。 アメリカがいくら北京にもっと北朝鮮に圧力をかけるようにと要請してみても、同盟国である韓国に対してなにもできないアメリカが中国に何を期待してみても無駄だろう。

韓国は北朝鮮とは同じ国とはいえない。たとえ血族でも北朝鮮は韓国を攻めた敵であり、停戦中とはいえ朝鮮戦争は完全に集結したとはいえないのである。それに比べて韓国が現在目の敵にしている日本は確かに過去に朝鮮半島を侵略したが、それは北朝鮮が韓国を攻めたのよりも前のことだ。しかもその戦争は日本の敗戦という形で終わっているし、今の日本の政府は軍事独裁主義から民主主義へと生まれ変わったまったく別の政府である。だが北朝鮮の政府は韓国を攻めた時と全く同じ政権だ。それを同民族というだけで支持する韓国のやりかたはあまりにも原始的である。

北朝鮮は韓国からも何百人という人間を拉致している。北朝鮮は韓国人を同族だなどとは考えていない。ノムヒョン大統領が本気で北朝鮮からミサイルが飛んでこないと思っているのだとしたら気違い沙汰としか思えない。ノムヒョン大統領の支持率はたったの10%というから、一般の韓国人は大統領ほど愚かではないのだろうが、それでも血にまどわされて本当の味方である日本やアメリカを敵にまわす行為はすぐさま改めて欲しい。

January 2, 2007, 現時間 3:09 PM | コメント (0) | トラックバック (0)

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December 27, 2006

中山首相補佐が拉致問題記事で米紙に抗議投稿

東洋危機 , 狂ったメディア , 防衛

先日カカシが日本右翼は拉致問題を政治利用しているか?で紹介したニューヨークタイムスに載った拉致問題の記事だが、中山首相補佐がニューヨークタイムスと提携しているインターナショナル・ヘラルド・トリビューン紙に抗議の手紙を投稿したようだ。(Hat tip 阿比留瑠比さん)

 

第一に、北朝鮮による日本人拉致問題が(政府によって)政治的な思惑のために利用されているという事実はない。この問題は、自国民の救出の問題である。

 日本人拉致被害者の多くは北朝鮮に30年近くも監禁され、全ての自由を奪われている。拉致被害者が自由と尊厳を取り戻すためにあらゆる支援を受けるのは当然である。拉致被害者の救出は日本政府の使命である。

 第二、拉致問題はまさに現在進行中の問題である。たった5名の拉致被害者が2002年に帰国しているだけであり、北朝鮮は、それ以外の拉致被害者が死亡あるいは入国していないとする自らの主張を裏付ける説得力ある証拠を示していない。

 最近、国連総会で北朝鮮の人権状況決議が採択されたことも、拉致問題を解決する必要性が国際的に認識されつつあることの表れである。   

内閣総理大臣補佐官(拉致問題担当)中山恭子

阿比留瑠比さんによれば、拉致問題対策本部は拉致被害者家族の要望と、中山氏の考えで北朝鮮からのプロパガンダにもきちんと答えていくことにしたとある。ニューヨークタイムスが北朝鮮のプロパガンダを掲載したとはいわないが、それに近い報道であったことは確かだ。

私のアメリカ人の友達の間でも日本が戦後どれだけ中国、韓国、北朝鮮に対して戦時中の旧日本政府の所行について謝罪を繰り返し経済援助をしてきたか全く知らない人が多い。ましてや拉致問題などほとんどの人が知らない。であるからニューヨークタイムスが拉致問題はすでに決着がついているなどと書けば、読者はみな「へえそうなのか」と簡単に信じてしまう。

しかしどうせなら編集者への手紙などという読者の投書欄などではなく、反論としてコメント欄に載せてもらうくらいはしてほしかった。日本政府ならそのくらいの幅をきかせてもよかったような気がする。

December 27, 2006, 現時間 6:24 AM | コメント (0) | トラックバック (0)

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December 11, 2006

民主党イラクへ二万人増兵へ方針転換か?

アメリカ内政 , イラク関係 , 対テロ戦争 , 防衛

昨日ラムスフェルドの後任として大統領に任命されていたゲーツ氏が議会の承認を受け、正式に次期国防長官となることが決定した。 

ワシントン──米上院本会議は6日、ブッシュ米大統領から次期国防長官に指名されたゲーツ元中央情報局(CIA)長官を、95対2の圧倒的賛成多数で正式承認した。

反対票を投じた2人はともに共和党議員だった。民主党議員らは、米国がイラク戦争に勝利しているとは言えないと語ったゲーツ氏が、今後のイラク政策についてブッシュ米大統領に率直に助言することを期待し、同氏の指名を好感したもよう。ただ、米国民は国防総省のトップの交代以上に、イラク政策の包括的な転換を求めているとの指摘もある。

ゲーツ氏の指名は、前日の上院軍事委員会で全会一致で承認されていた。同氏は18日に宣誓就任する。

ゲーツ氏任命の際の公聴会でゲーツ氏が「米国がイラク戦争に勝利しているとは言えない」と発言したことがアメリカメディアでは大きく取り上げられているが、だからといって必ずしもゲーツ氏はいますぐアメリカ軍はイラクから撤退すべきであるとは言っていない。以下はAPの記事より

ゲーツ氏はアメリカ軍の撤退をいつ始めるかという質問に対してはっきりした返事をせず、「現地での事情による」とだけ答えた。また氏は確認でき次第イラクへ行って米指揮官たちと相談するつもりだと語った。

後に軍撤退の時期を特定して発表するかという聞かれたことに関して、そのような日程はアメリカの弱さを象徴するものであり「(敵に)どのくらい待てば我々が去るかを伝えるようなものだ」と語った。

これなら今までブッシュ大統領がいい続けてきたこととなんら変わりはない。民主党議員たちはゲーツ氏がイラクでアメリカが勝っているとはいえないといったことだけに喜んで、では実際にイラクでアメリカはどうすべきなのかという話には注目しなかったのだろうか? いや、いくら民主党といえどそこまで間抜けではない。

以前に私は民主党勝利=イラク撤退ではない!と書いた。むしろイラクで決定的な勝利をおさめるためには増兵すらあり得ると書いた。この予測をばかばかしいと一笑に伏した輩もいるが、実は新しく民主党ペロシ下院議長から下院諜報委員会の委員長に任命されたテキサス州下院議員(民主党)のシルベスター・レヤズ氏がイラクへ二万人の増兵を考えていることを公表した。レヤズ議員はイラクのスンニとシーアの民兵は崩されなければならないと語った。

イラク増兵を訴えているのは政治家だけではない。現地の将軍たちもその必要性を訴えている

前回の民主党の勝利と、ラムスフェルド長官の辞職によって、アメリカのイラク政策はイラクより軍隊撤退だと考えていた人たちは、かなり的外れな期待をしていたのかもしれない。

December 11, 2006, 現時間 6:13 AM | コメント (3) | トラックバック (1)

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October 21, 2006

日本の核武装とアメリカの思惑

東洋危機 , 防衛

北朝鮮の核実験の文脈で日本の核武装が話題になっている。 私もこのことについては北朝鮮核兵器実験と日本の核開発ええ~? 日本の核がアジアを救うって?でちょっと触れてきた。

実は私は日本が核武装をすべきなのかどうか、という問題に関してはまだはっきりとした結論を出していない。双方の意見を聞くたびに、「なるほど~、そうか~」と考えがあっちへいったりこっちへいったりするので、まだまだなんともいえないのである。そこで今回は賛成意見も反対意見も両方紹介して読者の皆さんと一緒にこの問題を考えてみたい。多分この問題は今後も何度も訪れることになるだろう。

先ずアメリカのブッシュ政権は日本の核武装には大反対である。このあいだアメリカのコンデリーザ・ライス国務長官がわざわざ日本へ訪れて、日本は安保条約でアメリカの傘下にあるから核兵器開発の必要はないと暗に日本核武装への釘をさした話は昨日もしたとおり。 どうしてブッシュはこうも日本の核武装を嫌がるのかねえ、とミスター苺と話していたら、「それは君、ブッシュはなんだかんだいっても外交面ではかなり凡人なんだね。昔堅気の気性だから核武装はよくないという先入観から抜けきれないんだろう。」という答え。

これまでにも日本が核兵器を持つべきかという話題が上ったことは何度もある。だが、それは常にアメリカが中国に北朝鮮の核開発をやめさせる圧力のひとつとして使ってきた脅しであった。つまり、もし中国が北朝鮮への財布の紐を締めないなら、日本が核武装して大変なことになるぞ、といういわゆるハッタリ核カードであった。 アメリカも日本も本気で日本を核武装しようなどとは毛頭考えていなかったのである。

しかし北朝鮮が実際に核実験を行ったことで、(いくら失敗とはいえ)この事情は大きく変わってしまった。アメリカでも昨日紹介したチャールズ・クラウトハンマー氏だけでなく、極わずかではあるが、他にも日本の核武装は実際に中国に圧力をかける実態のあるものとして考えるべきときが来ていると語る人たちがいる。

古森 義久氏は10月13日のコラムのなかでそんな意見を紹介している。(カツラギさん紹介)

ブッシュ政権で大統領補佐官を務めたデービッド・フラム氏がニューヨーク・タイムズ10月10日付に発表した寄稿論文での主張である。フラム氏はこの論文で北朝鮮とその背後にいる中国を厳しく非難していた。北朝鮮が米国をはじめ国際社会をだまして、核実験に踏み切り、しかも中国はその冒険を阻止できる立場にあるのに止めなかった、と糾弾している。だから米国は北朝鮮と中国にそんな危険な挑発行動への代償を払わせるために一連の断固とした措置をとるべきだ、と主張している。

フラム氏はそのなかで日本について次のように述べていた。

「米国は日本に対しNPTを脱退し、独自の核抑止力を築くことを奨励せよ。第二次世界大戦はもうずっと昔に終わったのだ。現在の民主主義の日本が、台頭する中国に対してなお罪の負担を抱えているとするバカげた、見せかけはもうやめるときだ。核武装した日本は中国と北朝鮮が最も恐れる存在である」。

「日本の核武装は中国と北朝鮮への懲罰となるだけでなく、イランに核武装を思いとどまらせるという米国の目標にも合致する。日本の核武装の奨励は、他の無法国家がその地域の核の均衡を崩そうとする場合、米国とその友好諸国がその試みを積極果敢に正そうとすることをイランに知らしめることになる。米国はイスラエルの核攻撃能力を高めることもできるのだ」
...

日本に関する同氏の主張で注目されるのは、米国にとって日本は核兵器開発を促せるほど信頼できる同盟国だとみなしている点であろう。米国からみて日本が敵に回りかねない不確定、不透明の国家であれば、そんな国の核武装を奨励するはずがない。

無論日本が核武装などとんでもないという意見の方がアメリカでも日本でもまだ大半を占めているようだから、今後これがどういうふうに発展していくのかは定かではない。このトピにもよくコメントを下さるアセアンさんはアメリカが日本の核武装「ブラフ(はったり)」を応援しようなど「ナンセンス以外のなにものでもない」とし、日本とアメリカの双方の国益にも全くプラスにならないと言い切っておられる。

五百歩以上譲って(・・・)日本が核武装したとして(その前段階をすっ飛ばしてますが)その核の目標は何処に向けられているのか?ですね

中国?韓国?ロシア?それとも米国?・・・日本の核武装には米国にとって大きなパラドックスを含んでいるんです。

つまり日本が核武装を行えば、当然現在の日米安保による「核の傘」は外されることになる・・・乱暴な言い方をすると米国はハワイ以西に米軍を駐留させる意味が消失する。

日米同盟が日本の核武装後も堅持される保障がそもそもなくなるんですよ。(米英同盟・・・ってのはその意味合いが違いますからね)。 現在の米国の国是でもある「核拡散を防止する」どころの話じゃなくなるのです。

当然、核武装の開発維持には膨大な費用を必要としますから、日本はGDP1%枠なんてことは言ってられなくなる。
(米国の国防予算4,236 億ドル:約42兆円:に対抗する?それとも現行約5兆円の防衛予算をDGP10%枠に拡大して約50兆円にでもする?)

だとするなら、当然、国民負担を軽減しよう、という話になって、日本は武器輸出三原則と非核三原則も廃止して、武器輸出国になる決意をしなくてはならない(日本のお家芸でもある、軽薄短小技術を最大限生かして低価格高性能な核兵器を輸出でもしないことにはね、MHIを筆頭に本音では武器輸出したい企業は五万とある:多分、儲けもあるだろうけど、自社製の戦闘機でもMBTでもが活躍する姿を見たい!ってな技術者の能天気な願望だけかも知れないですけどね)

つまり”世界の超大国であり続け、世界最先端の軍事技術大国であり続ける”という米国の基本が日本の核武装を容認することで崩壊する可能性が高くなるんです・・・許せますか?そんなこと米国が?

実はラムスフェルド国防長官はアメリカ軍の構成をかなり変革しようと努力してきた。これまでのような歩兵重視の物量作戦ではなく、小さな独立した部隊が臨機応変に対応できる軍隊つくりを目指してきた。そしてその一部として、地元同盟軍の大幅な起用がある。ラムスフェルド長官は世界で危機が起きるたびにアメリカ軍が大量に繰り出す昔風の戦争を嫌い、なるべく地元の軍隊を駆使しアメリカ軍は指導及び後方援助に回るというやり方を好んでいるのだ。イラクで圧倒的多数のアメリカ軍を動員してイラクを完全制圧してしまわず、わざわざ面倒くさいイラク軍養成などという回りくどいことをやっているのも、将来中東の安全は中東の国々に任せたいという思惑があるからである。

これは大げさには取りざたされてはいないものの、フィリピンや中南米などでも行われていることなのだ。そして東洋では韓国がいい例だろう。何故、最近アメリカは勧告に軍の総指令権を移譲しようとしているのかといえば、韓国の防衛はいい加減韓国にやってもらおうという考えからである。 

ではその延長として、極東の防衛はそろそろ日本に肩代わりしてもらってもいいのではないか、と考える人がでてもこれは一言でナンセンスとは言い切れないと思う。

アセアンさんがいみじくもおっしゃっているが、「日本が核武装を行えば、当然現在の日米安保による「核の傘」は外されることになる・・・乱暴な言い方をすると米国はハワイ以西に米軍を駐留させる意味が消失する。」というのは果たしてアメリカにとって悪いことなのだろうか?

アメリカが超大国で軍事最強国であるという事実が日本が核兵器を持ったくらいでそう変化するとは思えない。だが、たとえ日本が今よりもずっと経済的にも軍事的にも強国となることが実際に悪いことなのかどうかは、日本がどれだけ世界平和への熱意を真剣に保持しているかにかかっている。日本が昭和初期のような軍事独裁政権をいまだに奨励するような国だというなら話は別だし、共産主義に傾きつつあるというならこれも問題だ。

だが、クラウトハンマー氏やフラム氏が言うように、日本は過去60年にわたってもっとも安定した民主主義を保ち、太平洋戦争の壊滅状態から世界にほこる経済大国へと発展した。(その間諸外国を占領しようなどとは微塵も考えず。) アメリカが日本の核武装を容認するかどうか、それはアメリカがどれほど日本を信頼しているかにかかってくるだろう。

ただ、ひとつ心配なのは核武装が与える中国以外のアジア諸国への影響である。

アセアンさんは日本が核武装した場合の東南アジアへの悪影響は多大だとおっしゃる。中国を威嚇するどころかかえって彼らの危機意識を激化させる。またベトナムやタイなどのアジア諸国は太平洋戦争時代の日本への不信感と脅威がよみがえり、東南アジアに進出している日系企業を対象にテロ行為にでないとも限らない。そうなった場合、日本は海外の日本人や企業を守るために自衛隊を海外派遣するなどという軍事力などない。核兵器では正体のわからないテロリストを威嚇などできないのだと。

日本が核武装をするとなると、核兵器開発だけではことは収まらない。それに付随する政治的軍事的な影響も考えて、日本は日本の軍事を根底から覆して考え直さなければならなくなる。 もし日本が本気で核開発に挑むなら、日本もアメリカもその影響を充分に覚悟の上で始めなければならない。

October 21, 2006, 現時間 11:13 AM | コメント (6) | トラックバック (0)

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October 20, 2006

ええ~? 日本の核がアジアを救うって?

東洋危機 , 防衛

龍之介さんがまたまた面白い訳で、ミスター苺がサワークラウトと呼んでいるチャールズ・クラウトハンマー氏のコラムを紹介してくれているので、こちらでもお借りしてしまおう。

この間米国のコンデリーザ・ライス長官が北の核実験後の訪日で、日本は核兵器を持つなどという大それたことは考えないようにと釘を刺して帰ったのに対して、クラウトハンマー氏は何故日本ほど頼りになるアメリカの同盟国で経済大国である日本が、おふらんすやインドは愚か、すぐテロ国家になりそうなパキスタン、「そしてそれから『親愛なる首領様』が生まれて初めてゴルフをお楽しみ遊ばしたのに5回もホールインワンをお決めになられ、6つもオペラをお作りにもなられた、なんぞと伝えられる、宇宙一キチガイ国家、北朝鮮」までが核を持ついま、日本が核兵器を持って何が悪いのかと問いかける。

日本は模範的な国際的市民、ってだけじゃねーんだよ。ダイナミックな経済。安定した民主主義。目立たず騒がずの外交政策。しかもアメリカにとって最も重要で最も信頼出来る、同盟国だろうが。その上ってのはイギリスしかないんだよ。わかってるか?最近のアメリカ外交政策の、もちょっと地味な成功の一つ。それは米日同盟の強化だ。日本政府はミサイル防衛システムの開発と配備に参加した。神経痛みたいな台湾問題において、アメリカと手を握り合って、万が一にも紛争が起こっても団結するぞ、と誓ったんだぞ。

日本の核保有検討は、中国が北朝鮮非核化に集中、という効果を即座にもたらすだろう。 中国は計算している。 自分とアメリカ軍によって補強されたダイナミックで資本主義の南朝鮮の間にはさまった、北朝鮮は便利バッファーね、と。 中国は、我々にとっちゃ悩みの種の手下国家に、結構満足してる。 アジアの余白で野望を広げないように、我々を抑え込んでいるからだ。 結局の所だね、金王国の核兵器なんてのは、東じゃなくて西向きに狙いを定めているんだよ。

けど、日本が「おらおら、核保有するぞ」と脅せば、この計算は狂ってくるだろう。それどころか、中国に金正日を絞り上げさせる事すら出来ちゃうかも知れないよ。だって奴等は日本に核兵器を持って欲しくないんだから。この日本カードってのは、金正日の核兵器開発を逆戻りさせる、なんて超ウルトラCすら可能に成っちゃうかも知れない、唯一無二のカードであり続ける。

日本のさ、北朝鮮の脅しへの対応ってのもさ、結構強力だし、厳しい制裁だって結構断固としてやるって言ってるし。これは勿論、自己利益の為ね。利他的なもんじゃないよ。でもそこが味噌なんじゃん。 日本の当然の国益ってのは、アメリカの太平洋環の国益と一緒な訳。 軍事的安定性を維持して、政治的安定性を維持して、遠慮なくブクブクでかくなる中国を平和的に封じ込めて、平壌のヤクザ国家に対抗して、んでもってアジア中に自由民主主義モデルを拡大する、と。

この世間にはタダ乗りしようとする同盟国が山ほどいるじゃないか(一番とんでもないのは、あの宥和常習犯の南朝鮮だろ)。その中でだよ、この安定した信頼も出来る民主主義的な同盟国は、我々が重荷を担ぐのを手伝おうとしてるんじゃないか。

なんだって我々はそう必死こいて、手伝う方法に「反対反対」って言ってるんだよ?

私はずっと日本は核アレルギーがあるから核所持国にはなれないのではないかと考えていた。しかし最近になって安部総理が日本の憲法を改正する必要があるとか、麻生外相が核の話もすべきだと言い出したことは、日本もそろそろやる気が出てきたのかなという気はする。

この間の日曜日、飛行機で隣に座った男性は海軍で空母艦の仕事をしている人だった。横須賀では今停泊しているキティホークと入れ替わりに新しい空母艦が行くことにいなったのだが、この後継船は原子力軍艦である。「あれ、日本は原子力船の乗り入れは禁止しているのでは?」と聞いたら、その人は肩をすくめていた。 どうやら米軍と神奈川県との話し合いで、安全訓練を定期的に行うということで新しい船の乗り入れを日本は認めたらしい。 ま、いくら反対してもアメリカではもう原子力軍船以外の空母艦を製造していないから仕方ないのだが。

こんなことを書くとまた神奈川県民を不必要に怖がらせることになってしまうが、この艦には核兵器を積む機能が配備されている。無論港に停留中の船には武器を積まないことになっているから日本に停泊中に核兵器がこの船に積まれているということはないだろうが、私は日本政府のこの譲歩の姿勢は今後日本が核所有国になるためのベイビーステップなのではないかという気がしないでもない。

はっきりいって、アメリカはあまり日本にきついことはいえないはずだ。クラウスハンマー氏もいっているように、日本はアメリカにかなり恩を売ってるし、日本が極東を守ってくれることはアメリカにとっても都合のいいことのはずだ。 その守りに核が必要だというなら、アメリカが日本にとやかくいう筋合いではない、、と私はおもうけどね。

October 20, 2006, 現時間 6:22 PM | コメント (0) | トラックバック (0)

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October 13, 2006

すばやい日本の北朝鮮経済制裁

東洋危機 , 防衛

どこの国も差し置いて、日本がいち早く北朝鮮に経済制裁を強行したという記事を読んで、これまでずいぶん優柔不断だった日本もついに決断したかと安心した。経済制裁がどれだけ北朝鮮に効き目があるのかはまだ分からないが、少なくとも日本が音頭を取って北朝鮮制裁に踏み切ったことは歓迎すべきだろう。

国連も安保理で制裁決議がでたようだ。

北制裁決議最終案で合意、安保理で採択へ

ニューヨーク=白川義和】米国は13日午前(日本時間同日夜)の国連安全保障理事会非公式協議で、北朝鮮の核実験実施発表に対する制裁決議案を提出、安保理は14日午前(日本時間同日夜)に決議案を採決に付すことで合意した。

各理事国は基本的に決議案支持を表明し、北朝鮮に対する初の制裁決議が採択されることになった...

ボルトン米国連大使は、記者団に対し、決議案に船舶検査が盛り込まれたことについて、米国が主導する大量破壊兵器拡散阻止構想(PSI)が「(安保理決議で)成文化された」との認識を表明。北朝鮮への圧力強化で大きな進展になると強調した。これに対し、中国の王光亜国連大使は、中国としては米国が主張する「国際版PSI」との概念は支持できず、参加できないとの考えを明言した。
(2006年10月14日1時59分 読売新聞)

ブッシュ大統領もカカシのアドバイスは完全無視して北朝鮮に武力行使はあり得ないと言い切ってしまったし、国連は日本を見習って経済制裁で北朝鮮に対処しようという意図らしい。ま、いまのところは仕方ないだろう。

ところで、アメリカ大使館にコネのある木走日記のまさみずさんが、面白いインタビューを掲載しているのでちょっと紹介。

木走さんのコネのアメリカ大使館のスティーブさんは、北朝鮮の今回の実験は失敗かもしれないが、偽装ではないだろうと語る。そして近日中に北朝鮮は核実験を繰り返すだろうと語っている。

木「つまり、ここまでリスクの高い賭けに出ている北朝鮮からすれば、核実験を偽装する必然性は何もないということだね。」

ス「そういうことだ。あともう一つの理由は、アメリカ大使館側では、北朝鮮がかなりの高い確率で近日中に2回目、もしかしたらそれ以上の回数の実験まで行うであろうと危惧していること。続けて行うのだとしたら偽装する意味はないでしょ」

木「え? 高い確率で近日中に核実験を繰り返すと予測しているの? その予測の根拠は?」

ス「根拠というよりも常識だよ。パキスタンやインドの核実験の例を持ち出すまでもなく、1回の核実験だけで技術的に成功を収めることはあり得ないからだ。通常は複数回繰り返すことにより精度の高いデータも蓄積できるし、技術的課題も改良したりしながらはじめてクリアできる。あと、衛星写真からのやつらの動きや中国政府筋の北朝鮮情報などを総合して分析して、核実験を再度彼らが行うことはほぼ間違いないだろうとふんでいるんだ」

ふむ、北朝鮮がまた実験をやった場合は国連はどう対処するつもりなのだろう。ここ数日中に決めなければならないことだ。

ところで、スティーブさんは中国の反応について今後中国は北朝鮮への方針を大幅にかえる用意があるかもしれないと語る。

ス「我々の入手している情報によれば、正式な決定ではないが、現在、中国政府内で極秘裏に大きな外交政策の転換が図られている可能性があるとのことだ。詳細は不明だがそれは北朝鮮の将来に関わる重大な内容を含んでいるはずで、もしその政策転換が決定すれば、もしかしたら中国政府として金正日体制との決別を意味する明示的な行動が近いウチに示される可能性ですら、ゼロではないようだ」

木「中国政府として金正日体制との決別を意味する明示的な行動とは具体的には何を指すの?」

ス「もちろん軍事的行動では絶対ないと思うし、その真意とは裏腹に、外交的配慮がなされたゆるやかな表現に加工されるだろう。が、私たちの現在得ている情報はそこまで。今後の中国と北朝鮮の関係は極めて流動的だが、アメリカ政府としては、現在中国政府との北朝鮮に関する情報交換はかつてない良好な関係で推移している。大使館としても冷静に情報収集しながらその関係の推移を見守っているところだ」

さてコメンターのsouさんがいくつか面白い記事を紹介してくれているが、そのなかでもワシントンポストに載ったチャールズ・クラウスハンマー氏の論文は面白い。(What Will Stop North Korea、By Charles Krauthammer The Washington Post、訳:喜多龍之介さん)

『我が国の政策は、西半球のあらゆる国に対してキューバから発射されたあらゆる核ミサイルを、アメリカ合衆国に対するソビエト連邦による攻撃だとみなし、ソ連に対する全面報復を要請するものである。ー ジョン・F・ケネディ大統領、1962年10月22日』

おお、これこそ抑止力。

キューバからどんな核が発射されようが、アメリカはキューバなんぞ目もくれず、さっさと報復に突っ込んで、大規模な核攻撃でロシアをアポカリプスに突き落とす。ケネディはそう誓っていた。

これを見習ってブッシュ大統領は北朝鮮へも同じような警告をすべきだとクラウスハンマー氏は言う。

これほど無鉄砲に核の義務に違反する核保有国家は他に一切存在しない、という事実を考慮し、アメリカ合衆国、もしくはその同盟国における核爆発物のあらゆる起爆は、北朝鮮によるアメリカ合衆国への攻撃としてみなし、北朝鮮に対する全面報復を要請する事を、我が国家の方針とする。

これこそ金正日が拡散しちゃうのを留める方法じゃん?
自分のサバイバルは、自分が兵器を売ったテロ・グループの行動の人質だ、って奴に理解させるんだよ...

とはいえ、この政策も問題はあるんだな。これはね、一個しか、核保有ならず者国家がない世界でだけ、機能するんだよね。一旦クラブが2個に膨張しちゃえば、この政策はおしまい。だって、核テロ攻撃専用自動お返事先がなくなっちゃうんだから。

これなんだよ、イランが核保有国にならないようにする事が凄く重要な理由ってんは。北朝鮮が後戻りなんざしない。でもイランは未だそこに辿り着いちゃいないんだ。ならず者国家が1個ならなんとかなる。責任はこいつにある、って言えるんだから。でもならず者国家が2個だと、抑止不可は保証付き。
従って、核テロも不可避って事。

経済制裁にしろ、こうした警告にしろ、うまくいかなかった場合にはどうするかという覚悟は必要。本当に北朝鮮んが近日中に実験を繰り返すのだとしたら、アメリカを初め、中国、韓国、日本、ロシアはかなり真剣に対応策を練っておく必要がある。

October 13, 2006, 現時間 8:03 PM | コメント (1) | トラックバック (0)

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October 10, 2006

北朝鮮を攻める方法、題して斬首作戦

東洋危機 , 防衛

実は私は北朝鮮の核兵器実験の話が持ち上がる前まで、イランをどう攻めるかというなが〜いシリーズものを書いていたところだった。来週から長期出張に出るのでネットアクセスのできない間、書きためたイランシリーズで埋めていこうという魂胆だったのだが(笑)、北朝鮮問題がおきてしまったのでイランを攻めるに当たり、考えた作戦のひとつ斬首作戦をここで北朝鮮にあてはめて考えてみたい。

ところで、私が二回にわたり、北朝鮮をいますぐ攻めるべきだという内容の記事を書いたため、長年ネットでお世話になってるアセアンさんからかなり手厳しいコメントをいただいた。アセアンさんは北朝鮮は今すぐ戦争を仕掛けなければならないほどの脅威ではないとお考えのようだが、私はその考えには全く同意できない。

しかしむやみやたらに市民の犠牲が大量にでるような攻撃は私も望んでいない。そのことを先ず最初にご説明しよう。

私はアメリカは北朝鮮に核を落とすべきか?と書いたが、私は決して今すぐ北朝鮮に核兵器を落として北朝鮮を人民諸共地球上から抹殺してしまえと言ってるわけではない。だがもし北朝鮮が核兵器を使った攻撃を日本やアメリカに仕掛けた場合にはこちらが核兵器を使う覚悟をしておかなければならないと言っているのだ。

ではいますぐ北朝鮮を攻撃するとしたら、どのような作戦が可能であろうか。

まずアメリカがイラクやアフガニスタンでしたような侵略占領作戦はバツである。実際アメリカにそのような軍隊を北朝鮮にまわす余裕はない。だから攻撃するとしたら空爆が主体となるだろう。だがやたらめったらに空爆をしても意味はない。やるなら標的をしぼった限定空爆となる。

普通は核兵器施設への限定的な攻撃を思い付くが、これは口でいうほど簡単なんことではない。北朝鮮の場合、かなりの秘密社会であるからいったいどこにこれらの施設があるのかアメリカや日本には確たる情報がないのではないだろうか? 少なくともイランの場合はあちこちに散漫して隠されている。我々は北にいくつの核兵器があるのかさえつかめていない。(実際にあればの話だが)下手に攻撃していくつかでも核兵器が残ってしまえば、報復としてそれを日本や韓国の米軍基地に撃ち込まないとも限らない。だから核兵器施設だけを限定して攻撃するというやりかたは十分とはいえない。

ではどうするのか。北朝鮮のような共産主義の国はトップダウンの社会であるから、上から命令が出なければ下は全く動きがとれない。軍隊でも個別の隊で指揮官が個々の判断をくだすようなことは許されていない。ということは頭さえたたいてしまえば胴体は身動きとれなくなるのである。これを利用して、社会の指導層、大統領から政府の官僚、軍の上層部の人間を集中的に攻撃することがまず第一だ。知られている軍基地、政府関係の建物、将軍様や閣僚の自宅などがまず最初の標的。同時に北朝鮮の発電所、テレビ・ラジオ局、といった国の中枢となる施設を全て破壊する。

こうすれば北朝鮮政権は崩壊する。北の脅威は消滅する。

さて、ここで話をもどして北朝鮮の脅威についてお話しよう。まずはアセアンさんのコメントより一部抜粋。

世の中、戦争をしたい人達がホント多いんだなぁ~

人間の進歩の可能性・・・という欧米文化を支える根本を捨て去ってでさえも
それ以上に、多くの国民を貧困や飢餓に晒して迄軍備に走る妙な国・・っと言うことは
核兵器は持っているかもしれないがマトモナ戦争等出来ないことを承知の上で尚且つ
精度も技術も不確かな可能性があることも承知の上で、世界最貧国の一つであることも承知の上で
寄って集って一国を潰してしまおう!っということですか?

アセアンさんはヒュマニタリアンなので、やたらに戦争で人民が苦しむことを憂いておられるのだろう。これは皮肉抜きで立派な感情だと思う。だがアセアンさんほどの人が、北の脅威を十分に理解していないということはちょっと驚く。

北朝鮮の妄想発言はなにも今にはじまったことではない。北朝鮮はクリントン時代から15年以上核兵器開発を豪語し、国際社会の説得も空しく、日本、中国、韓国、そしてアメリカをもうまく丸め込んで経済援助をさせ、その間に着々と核開発を進めてきた。その結果が今回の核兵器実験である。

北朝鮮が気違い沙汰の妄想だけをとなえて自分達の国だけで大人しくしていてくれるという保証があるなら、諸外国が神経を尖らす必要はない。だが、北朝鮮は韓国を占領し朝鮮を一つにするという野心を全く捨てておらず、いまでもDMZを越境して韓国へちょくちょく偵察員をおくっている。また日本海へも潜水艦をおくり日本の領海を何度も侵し、日本人市民を拉致するなどの暴虐をおかしてきている。

アセアンさんはアメリカが北朝鮮の脅威の直接な標的にならないとおっしゃるが、東洋にはアメリカ軍が何万人と駐留している。東洋の米軍基地を北朝鮮が攻撃すれば、アメリカ兵は直接被害をうけるだけでなく、基地のある韓国や日本も被害を被ることになる。北朝鮮には全面的な戦争をするだけの機能はないかもしれないが、近隣諸国にミサイルを打ち込むくらいの技術は所持している。

また、北朝鮮が国境をこえて韓国に侵攻してくるのは時間の問題である。彼等がそれをするとしたら、先ずDMZに駐留するアメリカ軍への空からの攻撃から始まるだろう。

北朝鮮が全面戦争をするだけの力がないからといって、彼等の脅威を過小評価するのは非常に危険である。それに、今は彼等が脅威でないからといって放っておいたら将来どうなるのか? 彼等がこれ以上の脅威にならないように国際社会が何か歯止めをすることができるというならいい。だがこれまでの歴史を振り返っても国際社会は北朝鮮の武器開発軍事強化をとめることに全く成功していない。

第一このまま北朝鮮を放っておくということは、北朝鮮内部で飢えている市民の苦労を半永久的に保つということになるのではないか? それこそヒュマニタリアンなアセアンさんなら彼等の悲劇を一時的な戦闘に耐えることで解放してあげようという気にならないだろうか?

ここでイギリスの元首相、ウィンストンチャーチルの言葉を引用して絞めとしたい。私のつたない訳で、申し訳ないのだが、一応意味は伝わるかと思う。

Still, if you will not fight for the right when you can easily win without bloodshed; if you will not fight when your victory will be sure and not too costly; you may come to the moment when you have to fight with all the odds against you and only a precarious chance of survival. There may even be a worse case. You may have to fight when there is no hope of victory, because it is better to perish than live as slaves.

敵を血を流さずに容易に倒せる時に戦わなければ、勝利を得ることが確実で損失が大きくない時に戦わなければ、いずれ、勝てる可能性がほとんどなく生きてかえれるわずかな希望しかない戦いをしなければならない時がくるだろう。もっとひどい場合には勝つ望みが全くない戦いをしなければならないときが来るかもしれない。なぜなら奴隷となって生きるくらいなら、果てるほうがましだだからである。

Sir Winston Churchill, the Gathering Storm, 1948

関連記事:グローバル・アメリカ政論、北朝鮮核実験と米国極東外交:イランも視野に!

October 10, 2006, 現時間 12:28 PM | コメント (10) | トラックバック (0)

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October 9, 2006

アメリカは北朝鮮に核を落とすべきか?

中東問題 , 防衛

北朝鮮の核実験成功発表が本当だったとしたら、近隣諸国の日本、韓国、中国はかなり深刻な立場におかれることになる。日本がどうすべきかということについては多分今日明日中にも多くの日本のブロガーさんたちの意見を聞くことができるとおもうので、在米のカカシとしてはアメリカの立場からこの事件を考えてみたい。

もし、北朝鮮の発表が本当だったとしたら、我々は現在北朝鮮について下記の事実を確認したことになる。

1. 北朝鮮は核兵器技術を所持している。

2. 北朝鮮は長距離ミサイルを持っている。

3. 金正日の非公式な報道員であるキム·ミョング·チョイ(Kim Myong Chol)は北朝鮮が核兵器開発をするのはアメリカの都市を火柱で覆うのが目的だと語ったばかり。

では我々アメリカはどうすればいいのか? アメリカ軍が北朝鮮の核カードを使ったゆすりを受け入れて東洋から撤退するなどあり得ない。かといってなにもせずただじっと座っているわけにもいかない。東洋には何千何万というアメリカ兵が駐在しているのだ。弾道ミサイル防衛システム(BMD)がいくら効果的だといっても守りにばかり頼っている作戦は懸命とはいえない。

北朝鮮から核兵器による威嚇を直接受けている以上、我々の現実的な作戦は今すぐ北朝鮮に攻撃を仕掛けることである。イランと違って北朝鮮国民は決して親米とはいえない。北朝鮮を攻撃することで北朝鮮国民の気分を多少害したとしても我々が気にとめる必要は全くない。

今の段階では攻撃をせずBMDに頼って北朝鮮の出方を待っていたとしても、北朝鮮が実際に核兵器でアメリカ軍を攻撃してくれば、核兵器使用のタブーはそこで終わる。

自国が核兵器によって攻撃された場合、核兵器によって反撃できるということをアメリカは国際社会に見せなければならない。それをしなければ、アメリカは核兵器は持っているが使うだけの根性がないと他の敵から見下される可能性があり、非常に危険である。たとえ核兵器使用がどれほど「残念、無念、遺憾」な行為であろうとも、アメリカはアメリカ国防に最適の対策をとらねばならない。

だが、もし、この実験が核兵器実験でなかったとしたら、、、

アメリカは不思議な立場に立たされることになる。国際社会が北朝鮮を信じたとして、アメリカだけがあれは核兵器ではなかったと主張したならば、世界はアメリカをなんと判断するだろう?

たとえ、国際社会が今回の実験は偽物だったと納得したとして、世界中から糾弾され、諸外国から攻撃の危機にさらされるとわかっていながら、偽の核兵器実験をするような気違い国を世界は放っておくわけにはいかない。やはりこのような気違い国には攻撃をしかけるしかない。

北朝鮮が偽の核兵器実験をするほどの気違いで、しかも核兵器を所持する技術を持ち合わせていないのだとしたら、今こそ北朝鮮を攻める絶好のチャンスではないか。確かチャーチルだったと思うが、もし敵が弱いうにち攻撃する意志がなければ、敵が強くなってから攻めることなどできない。 

北朝鮮が核兵器をもっていようといまいと、アメリカは北朝鮮を今すぐ攻めるべし! ぐずぐずしている暇はない。

アップデート:

北朝鮮の核実験、国際社会への挑発的行為=ホワイトハウス

 [ワシントン 9日 ロイター] 米ホワイトハウスは9日、北朝鮮の核実験は挑発的行為であり、国連安全保障理事会が早急な行動をとることが予想される、との見解を示した。
 スノー報道官は「米国と韓国の情報機関は9日、北朝鮮の核実験場所とみられる地点で地震性の動きを観測した」との声明を発表。「北朝鮮は地下核実験の実施を発表した。北朝鮮の核実験は、国際社会の意志と、北東アジアの緊張を増大させる行為の自制の呼びかけを無視した挑発的行為である」とし、「国連安保理は、この行為に対して速やかな行動をとるだろう」と述べた。
 北朝鮮はこの日、地下核実験が成功したと発表した。
 さらに同報道官は「米国は状況を注視しており、周辺地域の同盟国の防衛に対するコミットメントを再確認する」と述べた。(ロイター) - 10月9日15時43分更新

October 9, 2006, 現時間 1:31 AM | コメント (3) | トラックバック (2)

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ついにやった? 北朝鮮核実験成功を発表!

中東問題 , 防衛


私はこの間、北朝鮮よりイランのほうが心配だとかいたばかりだったのだが、北朝鮮は本当にイランの先をこしたのだろうか? 私は口で何をいっても、まさか本当にやれるとは思っていなかった。いまでも実際にやったのあどうか私はかなり半信半疑である。もうすでに読者のみなさまは色々なところで読んでおられると思うが一応朝鮮日報の記事より:

北「核実験成功」発表

2006/10/09 12:17
北朝鮮は9日、朝鮮中央通信社の報道を通じ、核実験が成功したと発表した。

中央通信は「わが国の科学研究部門では2006年10月9日に地下核実験を安全に成功させた。科学的計画と綿密な計算により行われた今回の核実験は、放射能流出などの危険は全くなかったことが確認された」と報じた。

これにともない、韓国政府は盧武鉉大統領主宰の緊急安保長官会議を開き、対策を協議しているという。この日の会議には、潘基文(バン・ギムン)外交、イ・ジョンソク統一、尹光雄(ユン・グァンウン)国防長官、ソン・ミンスン大統領府安保政策室長などが出席したと伝えられた。

国家情報院はこれと関連、「咸鏡北道奥地で3.58規模の地震波が探知された」とした。政府の高位当局者は「北朝鮮が9日午前、核実験をしたという情報があり、現在探知している」と述べた。

韓国大統領府「咸鏡北道ファデで地震波感知」

北朝鮮が核実験をしたという情報と関連し、(韓国)大統領府は「韓国地質資源研究院が9日午前10時35分、北朝鮮の咸鏡北道ファデで震度3.57から3.7の地震波を感知した」と確認した。

ユン・テヨン報道官は「この内容はすぐに盧武鉱大統領に報告され、現在緊急関係長官会議が開かれている」と説明した。

ユン報道官はさらに「今回の内容が核実験であると確認された場合、会議は国家安全保障会議に変わることになり、現在関連局と緊急に情報交換している」と付け加えた。

しかし震度で核爆発が本当に起きたのかどうかを分析するのはそう簡単にはいかないようだ。毎日新聞のほうがもう少し詳しい情報を報道している。

<北朝鮮>核実験を実施 中央通信報道 地震波も探知 [ 10月09日 12時52分 ]

北朝鮮外務省は今月3日、「科学研究部門が今後、安全性が徹底的に保証された核実験を実施することになる」と宣言していた。80年代から浮上した北朝鮮の核開発疑惑は核実験によって現実のものとなった。核保有国としては、米英仏中露、インド、パキスタンに続いて8カ国目になる。国際社会は北朝鮮への制裁に踏み切るとみられ、北朝鮮の核問題は緊迫した局面を迎えた...

北朝鮮が実験で使用した核爆弾は、平安北道寧辺(ピョンアンプクドニョンビョン)の実験用黒鉛減速炉(5メガワット)で生成したプルトニウムを原料にしたものと見られる。

北朝鮮は86年1月に黒鉛炉の運転を開始、核兵器開発に着手した。89年春以後に燃料棒を再処理し、核兵器1〜2発分に当たる6〜12キロのプルトニウムを抽出したとみられている。94年10月の米朝枠組み合意を受け、北朝鮮は同炉の運転を停止したが、03年1月に核拡散防止条約(NPT)脱退を宣言したのを機に再稼働させ、同年10月、05年5月の2回、8000本の燃料棒を抜き出して再処理、プルトニウム抽出作業を実施している。

米民間研究機関の分析によると、北朝鮮は核兵器4〜13個分に当たる「20〜53キロ」のプルトニウムを保有していると見られ、今回の実験では、これらのプルトニウムが使用された可能性が高い。

北朝鮮は核兵器の開発、改良に不可欠な核実験に踏み切ることで「核保有国」になり、米国など超大国と交渉する際の「核カード」を持ったことになる。

ミスター苺は、こうなった以上アメリカによる北朝鮮への核兵器攻撃も考慮に入れる必要があるといっている。まさか本当にそんな時期がきたのだろうか?


関連記事:北朝鮮核兵器実験と日本の核開発

October 9, 2006, 現時間 12:10 AM | コメント (0) | トラックバック (0)

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October 5, 2006

北朝鮮核兵器実験と日本の核開発

東洋危機 , 防衛

北朝鮮がいよいよ核兵器実験を宣言した。

韓国の通信社、聯合ニュースによると、北朝鮮外務省は三日、朝鮮中央通信など北朝鮮の全メディアを通じ「科学研究部門で今後、安全性が徹底的に保証された核実験をすることになる」との声明を発表した。実験の具体的な日時、場所などには言及していない。北朝鮮が二○○五年二月の核保有宣言後、核実験の実施を公式に表明したのは初めて。これを受け、国連安全保障理事会は同日、北朝鮮の声明について非公式協議を行った。同国に自制を求める議長声明や報道機関向けの声明などを検討しているとみられ、四日午前(日本時間同日深夜)に協議を再開する。

実験に踏み切れば、昨年十一月以降中断している六カ国協議の崩壊は必至。国際社会は反発を強めており、韓国政府は四日に安全保障政策調整会議を緊急招集し、対応を協議する。ただ、今回の声明は米国から譲歩を引き出すためのカードとの見方もあり、実際に実験を強行するかどうかは明らかでない。

声明は「米国の反共和国(北朝鮮)孤立圧殺政策が極限を超え、最悪の状況をもたらし、これ以上、事態が進むことを傍観できない」とした上で、「自衛的戦争抑止力を強化する新たな措置をとる」として核実験実施を宣言した。

北朝鮮は米国の金融制裁を理由に核開発問題をめぐる六カ国協議への参加を拒み、孤立を深めている。今回の声明は国際社会の関心を引くとともに、十一月の米国の中間選挙をにらみ、ブッシュ政権の対北朝鮮政策の失敗をアピールすることも狙いとみられるが、真意は不明だ。

確かにいくら核兵器を持っていると豪語してみても、実際に実験を一度も行っていない以上、国際社会はかなり猜疑心を持ってしまう。この間のテポドン打ち上げも失敗したし、この実験も本当に成功する確率が低いのに実行に移すのはかなり危険な動きだといえる。それだけに実験を行うと宣言したことについて隣接国の日本は黙っているわけにはいかないだろう。

しかし北朝鮮のこうした動きはアメリカや日本を牽制するというより、韓国へ向けた行為だと脱・熱湯欲奮戦記さんは「核実験宣言の意図は?」で語る。

北朝鮮の核実験声明とあまりにもタイミングが良過ぎる事務総長当確の報。北朝鮮が韓国の外交権益拡大を誰よりも望んでいないのは明白なので、核実験も韓国へのけん制が狙いなのだろう。また、前述の日本が中韓への歩み寄りを見せ始めた事やロシアの北方領土返還が前進したことが北朝鮮が外交的孤立を更に深める事に繋がるので、経済制裁も含めそれに関連して核実験を持ち出したとも考えられる。それに加え、近い内に紛争当事者国になる危険性の高い国である事を知りつつも支持をした常任理事国も暗に北朝鮮を煽っている。

のぼせ上がった尊大な韓国人に北朝鮮による正義の鉄槌(笑)が下ることはまず間違いない。実験日時は恐らく日中or日韓首脳会談か事務総長選挙の前後。選挙前に起きた場合はもちろん事務総長の椅子はオジャンである。

北海道新聞の記事によると、挑戦の核実験は中国も面白くないようだ。以下北海道新聞の記事より、

北朝鮮「核実験」宣言 中国は全力阻止 

【北京3日佐々木学】中国政府は、北朝鮮が三日に宣言した核実験の実施を全力で阻止する意向だ。北朝鮮が核実験に踏み切れば、中国が議長を務める六カ国協議の枠組みが崩壊し、自らの経済発展に悪影響を与える北東アジア情勢の不安定化を招くとの考えからだ。

 北朝鮮が七月にミサイルを発射して以来、中国は北朝鮮が核実験を実施することを危惧(きぐ)し、高官の派遣などを通じて説得してきた。北朝鮮を六カ国協議に復帰させ、北朝鮮が最も交渉相手として重視する米国との集中的な協議に持ち込み、核問題を平和的に解決したいと考えている。

 日米など国際社会は、北朝鮮に食糧やエネルギーを支援する中国に対し、核実験阻止に向けた北朝鮮の説得をこれまで以上に期待するのは間違いない。中国は北朝鮮に友好関係の見直しも視野に入れた警告を発しながら働き掛けていく構えだ。

北朝鮮が本気で外交を考えるなら、この核兵器実験は愚かな考えであるが、彼等がアジア諸国にその勢力を誇示したいのであればこれなりの効果はあるかもしれない。だが、下手に実験をするとかえって日本のような国が核兵器開発に走る恐れがある。

保守派ブロガーの間ではこのような意見も見られる。

『日本も核武装やむなし!』Empire of the Sun太陽の帝国

日本の自称・平和主義者はあくまでも外交交渉で!あくまでも9条の平和主義で!などと言ってきたが、平和外交も憲法9条もついに北朝鮮の核開発を止めさせることができなかった!ではないか?

 

しかし日本が核兵器を持つとなると、アメリカがいい気がしないのではないかという意見もある。

安倍新政権、核兵器開発に着手?? グローバル・アメリカン政論

日本が核保有に踏み切ろうものならアメリカにとって歓迎されざる事態である。そうなると日米同盟にひびが入り、スエズからパールハーバーに至るアメリカの戦略に支障をきたす。オーソドックスな理解からすれば、日本が核兵器開発に踏み切る可能性は低い。それではマーキュリー・ニュースはなぜそのような記事を載せたのか?

その記事によると中曽根康弘元首相が日本は核保有を検討する必要があると述べたという。日本は近隣諸国、特に北朝鮮の核ミサイルと中国の軍事的圧力という脅威に直面している。また日本は戦後の平和主義を脱して「普通の国」になろうとしている。

新任の安倍晋三首相は日本の伝統的価値観の復活と平和憲法の改正を唱えている。これによって中国、韓国との関係で緊張が深まる可能性がある。さらに安倍新首相は北朝鮮の核ミサイル発射に対する先制攻撃を主張している。

これは以前にこのブログにもよく投稿してくれるアセアンさんがおっしゃていたのだが、どうも世界には核兵器をもってこそ一人前の国と考える風潮がある。いまや核以外の兵器でも広島/長崎におちた原爆よりも意欲のある爆弾が存在している以上、なにも核兵器を持つだけが能ではなかろう。日本が北朝鮮の核兵器に脅威を感じて軍備強化したいのであれば、もっと弾道ミサイル防衛システム(BMD)の開発に励むべきだろう。

しかし、韓国、北朝鮮、中国への牽制という意味では核開発も悪い考えではない。私は特にアメリカがどうのこうのいうとは思わない。日本が核兵器をもったからといってまさかアメリカに宣戦布告などするわけないし、かえってアメリカの核兵器を積んだ空母艦を受け入れやすくなってアメリカには都合がいいかもしれない。

ともかく、北朝鮮の脅威が刺激になって日本が軍事に力を入れるというなら、それは歓迎すべきことだろう。

October 5, 2006, 現時間 11:01 PM | コメント (5) | トラックバック (2)

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August 15, 2006

ロシア警備艇日本漁船に発砲、ひとり死亡

防衛

朝日新聞より、

16日午前7時40分ごろ、北海道根室市の根室湾中部漁協から根室海上保安部に入った連絡によると、同漁協所属のカニかご漁船「第31吉進(きっしん)丸」(4.9トン、4人乗り組み)が、北方四島海域の貝殻島付近でロシア・サハリン州国境警備庁に拿捕(だほ)された。その際、ロシア側から銃撃を受け、漁船の乗組員4人のうち1人が死亡した。第1管区海上保安本部(北海道小樽市)によると、死亡したとみられるのは甲板員の根室市千島町1丁目、盛田光広さん(35)...

1管本部がサハリン沿岸国境警備局に電話で確認したところ、(1)日本漁船を拿捕した(2)乗組員1人が死亡、他の3人は無事(3)漁船は取り調べのため北方四島・国後島の古釜布(ふるかまっぷ)に連行している、との回答があった。

根室海保所属の巡視船「さろま」と巡視艇「かわぎり」が現場海域に急行して情報収集にあたっている。

水産庁によると、貝殻島周辺はロシア側の主張する領海の境界線に近い。日ロの漁業協定では、ロシアの主張する領海内で日本漁船によるタコやスケトウダラなどの漁が認められているが、カニ漁は全面的に禁止されている。第31吉進丸は、ロシア側主張の領海の外で操業する許可を北海道知事から受けているという。

根室測候所によると、事件当時の現場海域は濃い霧が立ちこめ、視界は300メートルほどでかなり見通しが悪かったという。

戦争中でもないのに、濃い霧に迷って境界線を誤っただけかもしれない非武装の民間漁船に突然発砲するとは、なんて野蛮な国なんだロシアってのは。

そこいくと、わざと日本の領海に侵入してきた韓国偵察船にただ勧告するだけで終わった日本も甘い。せめて警報砲くらいはうってほしかったなあ。

日本政府はすぐさまロシアと交渉してだ捕された漁師のすみやかな帰還に努めて欲しいものだ。お亡くなりになった漁師の方のご冥福を祈りたい。

August 15, 2006, 現時間 10:38 PM | コメント (0) | トラックバック (0)

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July 15, 2006

ミサイル迎撃システムは効果あるのか?

防衛

日本のブログを読んでいて面白いなあと思うのは、右翼で日本は武力強化をすべきだと語る人たちも、左翼で軍事強化に反対するひとたちも、同じように意見が一致するのが、アメリカが開発したミサイル迎撃システム(MD)は効果がないという点である。

私は今年初め数カ月ハワイに出張していたのだが、そのとき米海軍がハワイ近海でミサイル迎撃システム(MD)の実験を成功させたという話をきいた。ちょうど私が真珠湾を訪れた時、日米合同訓練が成功し乗組員が真珠湾にかえってきたところで、日米の記者団が船から降りてくる乗組員にインタビューをしているところに行き渡ったことがある。

アメリカではMD実験大成功ということで、軍関係の新聞などでは結構騒がれていたので、私はMDはかなり信用のおけるシステムだと考えている。具体的にMDを使うのは能率的なのかどうか、某ニュースグループで私がお世話になっている桂木さんの説明をここで引用させていただこう。

撃墜率のほうはソフトハードとも湾岸戦争の時の比ではなく、インテリジェント能力の劣る北朝鮮のスカッドに関してはかなり効果的なようですね。これも国力の問題になってきますが、盾と矛の開発競争にどこまで対応できるかと言うことが核心になってきます。この点で、北朝鮮にロシア中国並みの開発能力を求めるのは現実的ではないでしょう。

よって、現状のMDは北朝鮮の弾道ミサイルに関しては効果的だと思われます。もちろんいつの時代でも戦術的奇襲と言うのは可能で、能力はあっても危機対応がされていなければ古い兵器でも効果を挙げてしまうわけですが。

さて、対ミサイル迎撃手段はソフト的なものとハード的なものがあり、インテリジェントなミサイル(トマホーク等の巡航ミサイル)はソフト的な(チャフ、ジャミン等々・・・)迎撃が有効ですが、頭の悪い北朝鮮の弾道ミサイルのようなものは直接的にハードな手段(迎撃ミサイル等)で打ち落とすしかありません。

これに関しては現状北朝鮮レベルの弾道ミサイルに対する備えはかなりのものがあるようですが、迎撃兵器が有効であることと国としてのミサイル防衛が有効かどうかはまた次元の異なる話になります。それは国としてのインテリジェントの問題であり、ロジステックの問題であるからです。

つまり、
・ミサイル発射の兆候を事前につかんで危機管理レベルを即応体制に上げられるか。
・米国との情報共有体制の効率が発射探知から迎撃ミサイルの発射までの時間が着弾までの短い時間で出来るか。

また、
・現実問題として、発射されるミサイルに対応するだけの迎撃ミサイルを予算的な面で配備可能なのか。
・配備が決定されたとして、その生産は高度なシステム製品であるため調達は長期にわたる。
と言う問題があって組織的で政治的な話になってしまいまうわけです。

物理的能力においてはこと北朝鮮のミサイルに対する防衛はかなりの程度可能であるにもかかわらず、費用対効果と言う政治を巻き込んだドラスティックで生臭い話によって実際の防衛力は穴だらけという事態になってしまいます。もちろんやらないよりはやったほうが良い訳なんですが。

MDのミッドコースでの迎撃は基本的に成層圏外の宇宙空間なので極至近距離でない限り火薬等の衝撃波や高温ガスの効果は望めません。で、考え方としては物理的にぶつけて破壊すると言う考えが主流です。

散弾銃のようにある加害範囲に包み込むわけですが、弾道ミサイルのノーズコーンは再突入の関係もあって頑丈で、生半可なタイミングでの爆散は効果がないケースが多いのです。前方からその微妙なタイミングで爆発させる困難さと破片による加害効果の不十分さから、「弾頭を持ったミサイルでなくともよい」と言う考えのようですね。
弾道ミサイルも迎撃ミサイルもミッドコース迎撃の場合はかなりの残速を持っていますので、ぶつけたほうが確実で、もちろん当てるのは非常に難しいわけですが、それでも爆散効果の微妙なタイミングをとるよりはましみたいです。イージス艦のSM‐3の弾頭は赤外線追尾機能を持った運動弾頭のようですね。

パトリオットのPAC2までは近接信管方式でしたが、PAC3は直接衝突する方式に改められています。

北朝鮮からミサイルがアメリカに飛んでくるまでには、比喩的にも現実的にも時間がかかるが、日本は近すぎるから時間がない。今の状態では先制攻撃は無理だし、ブーストフェーズで撃ち落とすことが憲法上許されるのかどうかも分からない。とにかくこのシステム開発には真剣に取り組む必要がありそうだ。

July 15, 2006, 現時間 6:15 AM | コメント (0) | トラックバック (0)

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July 14, 2006

北朝鮮ミサイル実験の意外な恩恵

防衛

私はもともと日本の防衛は弱体すぎると考えてきたほうなので、日本が軍事力を強めるべしとか、北朝鮮に経済制裁を加えるべしという意見にはそのやり方云々は別として、ほとんど賛同できる。極右評論の瀬戸さんのご意見などはただ単に軍事強化を唱えるだけでなく、なぜミサイル迎撃システムを日米共同で開発する必要があるのか分かりやすく説明してくださっている。

現在、核兵器は確かに安価な最終兵器とされてきたが、この核兵器を保有するだけではテロリスト国家には対抗できない。勿論、核兵器も必要だが、核弾頭の迎撃システムの開発もまた不可欠なのである

現在、この迎撃システムの完成を目指して共同開発しているのは、米国、日本、台湾などである。日本の科学技術がなければ米国一国だけでも開発は不可能とされている。

核を持って威嚇をするような国に対して、これを撥ね退けるには、同じような核の保有だけでは抑止にはならない。核兵器と迎撃システムを完成させてこそ、真の国防体制が構築されるのである。

だが、北朝鮮のような脅威を目の前にして、日本が国防強化をすべきではないと語る人々の意見にも意外と、なるほど〜と思う部分があるのは面白い。

まずは日本がアブナイ!から、、

安部官房長官、額賀防衛大臣、麻生外務大臣をはじめとする政府の一部の者が、声高に北朝鮮に対してでだけでなく、中国や韓国への批判を行なったり、制裁を強めたり、日本の軍事力を強化したりしようとしている...

ここは「千載一遇のチャンス!」とばかりに、今まで言いたかったりやりたかったりしたのに、野党や国民や他国の反応を気にして控えていたことを、ここぞとばかりに表に出しているように思える。今なら国民やメディアもあまり文句は言わないだろう。逆にメディアの一部は、ミサイルや核の脅威をあおってくれている...

私には、一部の者が今回のミサイル実験を「待ってました」とばかりにとらえて、ある意味では、喜々として対応しているようにさえ見える時があるほどだ...

また防衛庁は、8日には来年3月に予定していた地対空誘導弾パトリオット(PAC3)の配備を年内に開始するほか、海上配備型迎撃ミサイル(SM3)も含めた全体計画の本格稼働を、予定の2011年度から早めることを発表した。

日本は、米軍再編成に合わせて、できれば2010年ぐらいまでに憲法改正を行ない米軍と自衛軍が協力して日本やその周辺地域を共同して防衛を行なう計画を立てている。私は軍事や安保については詳しくないのであるが、その方面に詳しい人によれば、もうその後の青写真もすっかり作られており、今後は共同で軍事演習を行ないながら、その時が来るのを待っているだけなのだという。

だから、今度の北朝鮮のミサイル実験で、武器調達の計画を早めることができるかも知れないのは、ある意味で、願ったりもかなったりの面があるのだ。

私はこのブログの著者mew-run7さんのこの分析は全く的を射たものだと思う。もっともmew-run7さんは、与党のこのような動きは北朝鮮のミサイルなんかよりも日本にとっては脅威なのではないか、というご意見で、そこが私とは全く意見が異なる点である。

私は北朝鮮の脅威を言い訳にすることで日本が憲法を改憲し軍事強化ができるのであれば、これは歓迎すべき出来事だと考える。

2年ほど前だったろうか、私は日本人の集まる某掲示板にて日本の国防強化を唱えたことがある。その時そのトピックに集まっていた人々のほとんどが、北朝鮮や中国の脅威を唱える私や他の保守派の人々を被害妄想だとののしった。もしあのような考えが日本では普通だったのだとしたら、いくら政府がミサイル迎撃システムだの北朝鮮経済制裁だのを唱えても国民の支持をえられたかどうか疑わしい。

だからもし今回の北朝鮮のミサイル発射実験が日本に正しい危機感を与えて国防強化の踏み台になるというなら、これはよいことだと思う。本当をいえば、何十人という日本国民を拉致して涼しい顔をしている北朝鮮にいままで経済制裁もできなかったということ自体おかしいといえばおかしいのだが、、、

北朝鮮のミサイル実験そのものは北朝鮮にとってはあまり良い結果を生んだとは思えない。だが、このミサイル実験によって日本や欧州が自分らの国防の不十分さに気が付き、軍事強化につとめる役にたったということで、おもわぬ恩恵があったといえる。

July 14, 2006, 現時間 5:30 PM | コメント (0) | トラックバック (0)

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July 9, 2006

イスラエルから学ぶ北朝鮮問題

中東問題 , 東洋危機 , 防衛

日本の右翼系の政治ブログを読んでいて気が付くことは、この間の北朝鮮のミサイル実験や竹島を巡る韓国とのいざこざなどに対して日本は北朝鮮に先制攻撃をすべきであるとか、韓国に武力でも立ち向かうべきだとかいうひとたちが、なぜかパレスチナに対するイスラエルの応戦となると、行き過ぎだと批判する傾向があるということだ。

左翼の自称平和主義の人々がイスラエルの強行手段を批難するならまだなっとくもいくのだが、普段自国の防衛に敏感な右翼の人々がなぜイスラエルの応戦に批判的なのか私には理解に苦しむ。

イスラエルとパレスチナの紛争は一見日本には無関係のようであるが、防衛問題ということで考えるなら、日本もこの紛争から学ぶことは多々あると思う。

ここで私はあえてイスラエルがあの土地にイスラエル国を建国するにあたった経過が正当であったとか不当であったとかいう話を避ける。何故ならばもともとあの土地は誰のものであったなどという議論をはじめれば、世界中のどこを探しても決着のつく国など存在しないからである。ヨーロッパなど何世紀にもわたって国境がいくらも書き換えられ、元ソ連傘下にあった東ヨーロッパなどはいまだにそれが続いている。

私は最初に領土を手に入れた過程が侵略であったにしろ、買収であったにしろ、単に空き地で陣取りした結果だったにしろ、最終的に住民を統治し、外敵から国を守ることができる政府こそ主権国家といえるのだと考える。

イスラエルは1948年の建国当日からその主権を試されてきた。そしてその後の外敵による度重なる攻撃にたいしてことごとく勝利をおさめ、イスラエル国を死守してきた。外敵から国をまもることこそが主権国家たるものの第一条件である以上、世界中においてイスラエルほど何度もその主権国家の権利を証明した国はない。

だからイスラエル建国の経過がどうあれ、イスラエルには国を持つ権利があるのであり、その国をどんなやり方をしてでも守り通す権利と責任があるのである。

それにひきかえパレスチナは歴史上一度もパレスチナ国という主権国家をもったこともなければ、主権国家設立のために努力したこともない。それどころか主権国家を持つ機会を何度も与えられながらそれをすべて拒絶してきた。1967年の6日戦争でイスラエルがパレスチナ領を占領したので、それ以後彼等にできることは抵抗はテロだけだったのだという人もいる。だが、圧倒的武力を有するイスラエルに対して長年に渡るテロ行為はパレスチナを独立の道に導くどころか、貧困と崩壊へと導いているだけだ。

一年前にイスラエルがガザから撤去した時、パレスチナには主権政府を設立し独立国家への道を歩み始める絶好のチャンスがおとずれた。にもかかわらずパレスチナ市民はイスラエル憎しが先走りして、ハマスなどというテロリストを政権に選び、停戦を宣言しながら、ひたすらイスラエルの民間人をめがけてカッサムミサイルを打込み、ついにはイスラエル領内に潜入してイスラエル兵2名を殺害し一名を拉致するにいたった。

昔テレビの動物番組をみていて、馬場で走っている馬の後ろを追いかけている犬をみたことがある。最初はこの犬、馬を追いかけてうるさく吠えていただけだったのだが、そのうち犬は興奮して馬の足首に噛み付いたりしてじゃれていた。馬は足並みを早めることでうるさい犬から逃れようとしたが、あまりに犬がしつこいので、ついに後ろ足で犬を蹴っ飛ばした。犬はキャーンと悲鳴をあげて数メートルふっとんでしまった。

ここで犬はただじゃれていただけなのに、蹴るなんて馬はやり過ぎだといってみても意味がない。自分よりもずっと図体のでかい動物にちょっかいを出してなにも起きない思っているほうが悪いのである。

さてここでイスラエルの行為が行き過ぎであるとお考えの皆様にイスラエルを日本、パレスチナを北朝鮮と置き換えて考えてみていただきたい。北朝鮮が日本の学校、レストラン、遊園地などといった民間施設を標的に毎日数発のノドンを打ってきたとしよう。ミサイルが当たって被害があることもあれば、空き地に落ちて無害なこともある。それが一年以上も続いたとする。そして何週間に一度の割で北朝鮮の工作員による自動車爆弾や自爆テロ未遂が東京だの大阪だのの都市でおき、時々警備員や民間人が巻き添えになって一回に数十人の死傷者がでたとしよう。また、浜辺をあるいている女学生が拉致されるなどの事件が続出したとしよう。(あ、これはもう起きてたんだっけ?)

それに対して日本が北朝鮮に抗議をすれば、北朝鮮は日本は過去に朝鮮民族にたいしてひどいことをしたのだから、この程度のことは当たり前だ。拉致被害者を返して欲しかったらもっと経済援助しろと開き直り、なまじ応戦などしたらもっとノドンを打ち込み、日本人を拉致するぞとおどかしたとしよう。

この段階で日本が北朝鮮のミサイル発射装置を爆破し、軍事基地にミサイル攻撃し、軍首脳部が固まっていると思われる場所に戦車で侵攻して日本の圧倒的軍事力で北朝鮮のインフラを半壊したとして、日本のやり方は行き過ぎだなどと批判するひとはいるだろうか? 北朝鮮の攻撃による日本人の被害など日本の人口のほんの一部なのだから、北朝鮮への応戦はほどほどに自制すべきだなどと諸外国から口を出されて納得する日本人がどれほどいるだろうか? いったいどこの世界に戦闘行為を仕掛けてきた敵が軟弱であったら、こちらもそれにあわせた軟弱な応戦しかしてはいけないなどという取り決めがあるのだ? 

イスラエルが自国への戦闘行為を多少なりとも許せば、イスラエルを憎んでいるパレスチナだえでなく、近隣諸国にもイスラエルは弱いという印象をあたえてしまう。イスラエルが主権国家をまもるためには、どのような些細な攻撃も許してはならないのだ。たとえ拉致されたのが一等兵ひとりだとしても、イスラエルは徹底的に反撃しなければならないのである。そうしないことは敵を奮い立たせ敵の攻撃を激化させ、いずれ国の存続を脅かすこなるからだ。それが主権国家の防衛というものである。

日本が北朝鮮のミサイル攻撃や韓国の竹島のっとりを、指をくわえてみていてはいけないのと同じである。

July 9, 2006, 現時間 3:33 PM | コメント (1) | トラックバック (1)

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July 6, 2006

で、イージスは何をしてたの?

東洋危機 , 防衛

さて、期待のテポドンがうたれたというのに、日本やアメリカは何故手をこまねいて見ていたのか、折角日本近郊へ呼び戻した日本のイージス艦は何をしていたのか、いくらスカッドやノドンとはいえ、日本に届く可能性は多いにあったのだし、弾頭に武器が積まれていないという保証もないのに、どうして迎撃しなかったんだあ、、、という素朴な質問が生まれる。

しかしよく書かれたSF小説のように、実はこれらの質問に関する答えはきちんと存在すると思われる。日本のイージス艦も含まれるミサイル迎撃システム(BMD)について詳しく説明している記事をみつけたのでそこからちょっと読んでみよう。(Jettaさん紹介)

韓米の情報当局がテポドン2号発射の兆候を把握したのは先週末ごろ。発射台周辺の液体燃料タンクやトラックなど発射の障害となる物がきれいに片付けられた様子をKH-12偵察衛星がとらえていたとのことだ。

 発射に先立ち、発射場沖合の民間の船舶に被害が出ないよう設定する「航海禁止区域」も東海(日本海)上に511日の予定で設定されていた。両国の情報当局は二日前の3日、通信傍受により北朝鮮が実際にミサイルを発射しようとしているとの決定的情報を確保したといわれる。

 5 日午前3時32分、北朝鮮が第1発目のミサイルを発射したとき、これを最初に把握したのはアメリカの早期警報衛星DSP(Defense Support Program)だった。DSPは高度3万6000キロの静止軌道上から北朝鮮を24時間監視、高性能赤外線感知器でミサイル発射の際に出る熱を感知して、発射の有無が直ちに分かる。

これは私の想像なのだが、この時の推進の力とスピードで、多分弾道に武器が積まれているかどうかの確認ができるのではないかと思われる。発射した時点でその角度やスピードからミサイルの経路は用意に計算できるであろうから、ミサイルが日本海に落ちるということもすぐに判断できたのであろう。



ミサイル防衛システム

ミサイル発射直後には、東海上を巡回中だった米国のRS-135Sコブラボール戦略偵察機がミサイルの軌跡を追跡した。東海上に配置されていた米日のイージス艦や、米国のミサイル追跡艦オブザベーション・アイランド号もテポドン2号などを追跡した。韓米情報当局がテポドン2号の発射後40秒での失敗を確認したのは、主にこれら艦艇のレーダーの力に負うところが大きい。

もともとミサイル迎撃システムのなかでイージス艦の役割は直接の迎撃ではなく、ミサイルの監視である。この記事を読む限り、日本のイージス艦は立派にその役割を果たしたといえる。

こうして考えると、日韓米による北朝鮮ミサイル発射監視は教科書どおりにうまくいったと言える。これらの国々が何もしていないどころか、北の同行はすべてお見通しのうえで、迎撃の必要なしとの判断が下されたようである。

ところで、北のテポドン2がなぜ日本海へ落ちたのかだが、本当にこれが北の失敗だったのかどうか不思議に思っていたら、毎日新聞の記事では本当に失敗だったらしいとある。

 北朝鮮は5日午前4時59分に北東部の舞水端里(ムスダンリ)のミサイル施設から、テポドン2号を発射した。同日発射した7発のミサイルの3発目で、約400キロ飛び日本海に落下したとみられているが、発射後、日米両政府が偵察衛星などで状況を確認したところ、テポドン2号の一部と見られる物体がミサイル施設の数キロ以内で確認された。

 小規模爆発など新型ブースターに何らかの燃焼異常があり、ミサイル自体が損壊したと分析している。米政府は、新型ブースターが正常に燃焼を続けたのは約40秒間とみている。

 このテポドン2号をめぐっては、専門家の間には「米国などを刺激しないために故意に短距離で撃った」との見方もあったが、ミサイルの損壊が確認されたことで、日米両政府は発射に失敗したとの見方を固めた。

うまくいけば、日本列島の上空を乗り越えて、ハワイあたりへいく予定だったようだが、最初のブーストフェイズで失敗したため、日本にも届かなかったというみじめな結果を生んだわけだ。北朝鮮にはまだもう一発テポドンん2号が残っているという話だが、もし構造上の問題なのだとしたら、2発目も失敗する可能性はあるので、北もそう簡単には打てないだろう。だが、燃料注入から一か月という制限期間がある以上打つ気なら急がなければならない。

聞いた話では金正日はすぐに2発目をうちたいということだ。一発なら失敗しても今回だけともいえるのだが、2発目も失敗したらこりゃ駄目だわ〜ということで世界中に北朝鮮の恥をさらすことになるのだが、そのへんのところを金正日はわかっているのだらうか?

July 6, 2006, 現時間 10:40 PM | コメント (1) | トラックバック (1)

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July 3, 2006

領土は守れなければ意味がない

東洋危機 , 防衛

韓国はやっぱり調査船を出してしまった。(ある浪人の手記より)4月に日本の調査船が出るという話が持ち上がった時、韓国は武力で阻止すると息巻いていた。その時私はそれなら日本は護衛線をつけてでも調査を決行すべきだと考えていた。しかし日本が韓国の挑発にのって武力行為になど軽々しく手をださず、話し合いにもっていったことは日本が大人らしい態度をみせたことになるのだといろいろな人からお説教をうけた。

だが、大人の外交を行い6月に韓国と話しあいをした結果、現状は4月の段階から何の進歩もとげていないばかりか、韓国はまだ決着の付いていないEEZ水域で日本に前もって断りもいれず、自分らの好き勝手な時に調査を行い、日本が邪魔をすれば武力で対応すると息巻いている。

いったい日本の大人の外交は日本になにをもたらしたというのだ? 私には全く納得がいかない。

歴史的にも国際上の取り決めからみても、竹島が日本の領土であることに間違いはないと私は確信する。だが、はっきりいって、もし日本が現実的に竹島およびその近海を日本の領土として守ることができないのであれば、歴史がどうの、国際法がどうのなどといってみても全く意味がない。

事実上竹島を統括しているのは韓国であり、水域を武力で守っているのは韓国なのである。もし日本の態度がただ単に国際社会に訴えるとか、韓国に苦情をいう程度のことで終わるなら、日本に竹島を領土と呼ぶ資格などないといえる。

かなり前のことではあるが、みなさんに思い出していただきたいのは1982年に起きたイギリスとアルゼンチンが戦ったフォークランド島を巡る戦争である。

1982年、民衆の不満をそらすためにガルチェリ政権が問題をクローズアップさせたことで、アルゼンチンではフォークランド諸島問題が過熱ぎみになり、民衆の間では政府がやらないなら義勇軍を組織してフォークランド諸島を奪還しようという動きにまで発展した。政府は形だけの沈静化へのコメントを出すものの、3月には海軍の補給艦がフォークランド諸島の南東約1300kmにある同じくイギリス領となっていたサウスジョージア島に2 度にわたって寄航し、イギリスに無断で民間人を上陸させるなどして武力行使への動きを見せ始めた。イギリスはこれを強制退去させるなどしていたが、ガルチェリが正規軍を動かし始めたとの報せを受けて、4月1日にはアメリカに事態収拾への仲介を要請。しかし翌2日にはアルゼンチンの陸軍4000名がフォークランド諸島に上陸したことで武力紛争化は決定的となった。

これに対し、サッチャーは直ちにアルゼンチンとの国交断絶を通告し、艦隊の派遣を命じた。4月5日には早くも第一陣が出撃した。到着までの間、アメリカの仲介による事態の打開が模索されていたが、サッチャーの「我々は武力解決の道を選択する」との決断で25日にはフォークランド諸島に続いて占領されていたサウスジョージア島に逆上陸、同島におけるアルゼンチン陸軍の軍備が手薄だったこともあり即日奪還した。

その後は幾度と大型艦船を撃沈されるなど、終始苦しい戦いを強いられていたイギリスではあったが、地力に勝る空軍、陸軍力と情報力をもってアルゼンチンの戦力を徐々に削っていき、6月7日にはフォークランド諸島に地上部隊を上陸させた。民間人の死者を伴う激しい地上戦を経て、同諸島最大の都市である東フォークランド島のポートスタンレーを制圧し、14日にはアルゼンチン軍が正式に降伏。戦闘は終結した。

この時、イギリス国内ではフォークランド島などアルゼンチンにくれてやればいい、どうせイギリスにはほとんど何の役にも立たないのだからという意見も多くきかれた。だが、鉄の夫人マーガレット·サッチャー首相は断固として武力行使に踏み切った。

問題は竹島にしろフォークランド島にしろ、それが価値あるものかどうかということではない。日本も英国同様領土は死守する覚悟でなければならない。竹島をやすやすと韓国にわたしてしまうなら、今日は竹島、明日は沖縄、その次は九州ということになりかねない。

韓国はどうせ日本は口先だけで何も出来ない弱体だと踏んでいるのであろう。これまでの日本の態度をみていれば、わたしとてそのようにとれる。日本は韓国が調査船を出すのであれば、こちらも出すと強気にでて、もし韓国が武力でそれを阻止するというのであれば、こちらにもそれに武力で対応する用意があることを示すべきである。また日本は日本の領海で漁業をおこなう漁船に自衛隊や沿岸警備隊による護衛をつけ、日本の漁船が韓国の警備隊から脅迫されたり拿捕されないよう守るべきである。

いつまでもEEZについて穏便に話あおうなどといっていても、韓国はのらりくらりと話合いをのばし、実質的には竹島やその近海を独占してしまうだけだ。口での脅しや要求は武力で支えられてこそ意味があるのだ。日本が本気で竹島を守る気があるのなら、武力行使も辞さない覚悟で守るべきである。その覚悟がないなら黙って竹島など韓国にくれてやればいいのだ。

日本のこうした弱腰を北朝鮮や中国が注意して見ていないと持ったら大間違いだ。


関連記事:
EEZ問題はどうなってんの?

July 3, 2006, 現時間 10:00 PM | コメント (4) | トラックバック (0)

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June 24, 2006

非国民ニューヨークタイムス国防機密を漏えい報道

狂ったメディア , 防衛

今朝職場でニューヨークタイムスのこの記事を読んで、こんなことを暴露してしまってはテロリストを助けることになるではないか、こんな情報どこから手にいれたのだろう、国家機密ではないのだろうか、と思っていたら案の定、またまたニューヨークタイムスによる国家機密漏洩だった。

ブッシュ政権の内部の人間が5年以上も外国任務をしていない(だから秘密工作員としての資格はない)CIA職員の身元を漏えいしたなどという、国家防衛とは無関係などうでもいい話でブッシュ大統領をさんざん叩いていたメディアが、ブッシュ政権に痛手を与えることができると考えると、国家安全の機密すら平気で漏えいしてしまうというこのひどさ。

【ニューヨーク=大塚隆一】23日付の米紙ニューヨーク・タイムズは、米政府が5年前の米同時テロ直後から、テロ組織アル・カーイダの捜査の一環として、国際的な金融取引に関する大量の情報を秘密裏に入手し続けていることがわかった、と報じた。

情報の提供元は世界の主要銀行などが共同で設立した組織SWIFT(本部ブリュッセル)。この組織は約7800の金融機関がやり取りする1日当たり1100万件以上の情報をデータベース化している。東南アジアのテロ組織「ジェマア・イスラミア」(JI)の幹部であるリドゥアン・イサムディン(通称ハンバリ)容疑者の3年前の逮捕にもつながったという。

ニューヨークタイムスのおかげで3年前にも『テロ組織...容疑者の...逮捕にもつながった』という貴重なアメリカの諜報手段が台無しにされてしまった。ニューヨークタイムスはアメリカがテロ攻撃からよけい危険にさらされることになってさぞうれしかろう。戦争をしている敵側に情報提供をしてさぞ誇らしいことであろう。

日本の皆さんには、どうしてアメリカの新聞がわざわざアメリカ国民を裏切るようなことをするのか不思議に思われることだろう。だが、2000年の選挙で彼等の押していた民主党候補の元副大統領ゴア氏がブッシュに紙一重で負けてからというもの、リベラルによるブッシュ憎悪の執念は正気の沙汰ではない。ニューヨークタイムス、ロサンゼルスタイムス、ワシントンポスト、などなど主流アメリカ新聞はすべてリベラルで民主党支持。反ブッシュ政権の姿勢を隠そうともしない。表向きだけでもメディアは公平な報道をすべきであるという姿勢すらみせない。日がな夜がな民主党の政治宣伝に励んでいるのである。

ニューヨークタイムスが国家機密を漏らしたのはこれが最初ではない。この間もNSAという国家安全省が行っていたテロリスト盗聴作戦を漏えいした。

複数の政府職員によると、9・11から数ヵ月後、ブッシュ大統領は秘密裏に、合衆国内における米国人等に対する盗聴権限をNSA(国家安全保障局)に与えた。これは国内の諜報活動で通常必要とされる裁判所の令状なしに、テロリストの活動に関する証拠を捜索することを目的とするものである。

(注:ニューヨークタイムスは「米国人等に対する盗聴」としているが、外国のテロリストから米国内にいる人間にかかってきた電話の盗聴であるという説明をわざと報道せず、あたかもアメリカ政府がアメリカ国民の電話を盗聴しているかのように報道した。)

おかげで国家は今後テロリストが外国から国内にかけてくる電話を簡単に盗聴できなくなってしまったのである。この間カナダで捕まったテロリストも、アメリカ国内の盗聴で捕まったテロリストからの情報がその手がかりとなっていたかもしれない。だが今後そのような逮捕も簡単にはできなくなった。

これらリベラル新聞の編集者は、国家の安全よりもブッシュ政権崩壊が先決なのである。ブッシュ政権に不都合になることであれば、それがアメリカの国そのものを危機に陥れることになっても平気でやるという、アメリカ人としてはあるまじき行為を平気でやってのけるのである。

アメリカには言論の自由があるため、そう簡単にメディアを罰することはできない。どのような情報でもメディアそのものを背信行為で起訴するということはできないらしい。だが、国家機密を新聞社へ漏えいした国家公務員がいるはずだ。彼等の行為は完全に違法である。裁判所は秘密を漏えいした記者から漏えいもとを白状させるべきで、それを拒絶した場合には記者を禁固刑に処するべきである。国家機密を漏えいすることがどれだけ深刻な問題なのか、これら裏切り者の新聞記者たちに知らしめるべきだ。そして機密を漏えいした公務員は長期の懲役刑をあたえるべきである。

(注:CIA職員の身元漏えい疑惑は民主党とメディアが大騒ぎした割には、結局何の実質もなく、特別検察官の2年にもわたる取り調べの結果、副大統領の補佐官が嘘の供述をしたことで起訴されたほかは、ブッシュ政権内での関与は全くなかったことが証明された。民主党が必死に願っていた選挙管理長のカール·ローブ氏も起訴などされず、この事件は終わった。)

June 24, 2006, 現時間 12:19 AM | コメント (0) | トラックバック (0)

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June 23, 2006

米軍グァム周辺にて合同演習終了

防衛

偶然とはいえ、昨日の海軍と自衛隊の合同実験といい、19日から23日にかけて行われた米軍の海軍陸軍の合同演習といい、このタイミングは絶妙だ。しかもこの合同演習はアメリカは中国からの視察団を招いての大演習。

演習は海軍、空軍、海兵隊などによる統合演習で、「バリアント・シールド(勇敢な盾)」と名付けられている。横須賀基地に配備されている「キティホーク」などの3空母群が参加。参加総人員は約2万2000人に上り、「この10年余りの間で最大規模の演習の一つ」(米軍)という。

中国のオブザーバー参加は米太平洋軍のファロン司令官が5月に招請、中国が応じた。中国の新華社通信によると、中国の代表団は陸海空軍の6人と外交官、記者の10人で構成。軍の3人は少将だった。

一行は16〜20日にグアムを訪れた。演習前の17日には空母に泊まりがけで乗船、開始後には海軍基地で戦闘機の発着の模様などを見学した。演習の核心部分の見学は認められなかったが、代表団メンバーは帰国後、「両軍が交流を拡大し、信頼を醸成することは軍同士の関係だけでなく、米中関係全体にも利益となる」などと語った。

一方、中国の軍拡路線の不透明性を問題視している米側にとって、今回中国の参加を認めたことで、中国の演習見学を求める基礎が出来たことになる。昨年は中国とロシアの初の合同軍事演習の見学を求めたが、受け入れられなかった...

アメリカ軍当局は今回の演習は北朝鮮の問題とは全く無関係であると語っている。ま、あたりまえだわな。こんな大規模演習の段取りが昨日今日で出来るわけはない。 だが、昨日の日米合同実験といい、この空海軍合同演習といい、北朝鮮にかなりの圧力をかけたことは確かだろう。

中国から北朝鮮へ、「お前らやめとけ、ありゃだめだわ。」なんて忠告がいってるかもしれない。実際やったら日本対ブラジル戦みたいなことになるのでは、、って例が悪いか、、。

アメリカ海軍ニュースにクールな写真あり。ぜひ御覧あれ。

June 23, 2006, 現時間 10:27 PM | コメント (0) | トラックバック (0)

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ミサイル迎撃システム日米合同実験大成功!

東洋危機 , 防衛

まずはCNNのニュースから、、

ホノルル(AP) 米国防総省は22日、米海軍がハワイ沖で中距離弾道ミサイルの迎撃実験を実施し、模擬弾頭を撃ち落とすことに成功したと発表した。実験には、海上自衛隊のイージス護衛艦「きりしま」が初めて参加した。

実験では、イージス巡洋艦シャイローが標的となるミサイルを探知し、海上配備型迎撃ミサイル、SM3を発射。きりしまは標的の追尾訓練を行った...

米軍が海上発射型のミサイルによる迎撃実験を実施したのは8回目で、このうち7回が成功している。弾頭がロケットから切り離された後の段階で撃ち落とした実験は、これが2回目。

ちょうど北朝鮮がテポドンを撃つとか撃たないとかいってる矢先だけに、ずいぶんタイミングが良すぎる気はするが、実はそうでもない。こういう実験は今日明日計画をたててやるというわけにはいかない。この記事にも米軍側からの発表ではこの合同実験は何か月も前に計画されていたという。

しかし偶然といえども、北朝鮮にはかなりの圧力をかけることになったのではないだろうか。



SM3発射シーン

SM3ミサイル発射シーン

June 23, 2006, 現時間 12:56 AM | コメント (1) | トラックバック (2)

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