July 14, 2007

ハディーサ事件次々に崩れる検察側の主張

2005年11月、イラクのハディーサ地区で路肩爆弾の攻撃にあった海兵隊員が怒りくるって付近の民家を襲い二十数人の民間人を虐殺したとして、当時警備にあたっていたキロ隊の隊員数名が殺人などの嫌疑をかけられている事件において、審査官は12日、裁判にかけるだけの証拠が存在しないとして被告のひとりであるジャスティン・シャーラット兵長(Lance Cpl. Justin Sharratt)の起訴取り下げを推薦した。これで被告三人のうち二人までが起訴取り下げの推薦を受けたことになる。(もうひとりは裁判にかけられるべきとの推薦がされている。)

先月にも、事件後に適切な捜査を行わなかったとして罪を問われていた四人の将校のうちのひとり、ランディ・ストーン大尉の件も裁判前の審問の結果、審査官から起訴取り下げの推薦がされたばかりで、この事件はどんどんと縫い目からほころびはじめている。これらの被告を軍法会議にかけるかかけないかの最終決断はキャンプペンダルトンの第一海兵隊遠征軍の司令官ジェームス・マティス(Lt. Gen. James Mattis)中将の肩にかかっている。

実はこの事件、最初からかなりおかしなことばかりだった。詳細は去年の6月に私は下記で色々紹介しているの参照されたし。

ハディーサ事件:それぞれの思惑
疑わしきは罰するメディア その2
ハディーサ疑惑: 怪しげな証言続く

その後捜査が進むについて検察側の提出した海兵隊員に対する証拠がかなりいい加減であることがどんどん明らかにされてきたが、今回審査に当たったポール・ウェア中佐の報告書を読んでみると被告らの容疑がどれだけいい加減なものかがはっきりしてくる。

ウェア中佐は報告書のなかで、シャーラット兵長にかけられた容疑は「根拠がなく」何度も(起訴されたことが)「信じられない」と語っている。

中佐はさらに死んだイラク人の幾人かは被告が言うように抵抗戦士だったと示唆している。

先月シャーラット被告の審査の指揮をとったウェア中佐はイラク人目撃者の話は存在する物的証拠と矛盾して一致しないと語る。

物的証拠によれば「(殺された人は)誰もみな遠方から正面を向いて9ミリ口径のピストルで撃たれている。これは近距離から処刑された反応とは一致しない。」とウェアは書いた。

中佐は死んだイラク人の親戚は米軍に解剖のために遺体を掘り起こすことを許可しなかったとし、イラク人はアメリカ軍に殺された市民の家族に時々支払われる2500ドルの慰謝料欲しさに嘘をつく強い動機があったことも付け加えた。

このようなイラク人目撃者を信用することは「私の意見では米海兵隊の任務に対する市民の協力を減らすために、米軍にたいして無実の罪を着せるという危険な前例をつくることになると思う」とし、「もっと危険なのは海兵隊が敵に面した重要な時にためらう可能性があることである。」と書いている。

審査官がここまで言うのでは先ず軍法会議にかけられることはないだろう。また会議にかけるべきと推薦されたもうひとりの被告も、裁判になったとしても無罪になる可能性が強くなってきた。

この話についてパワーラインの掲示板でスノーマン(Snowman)というHNで書いている人は、このキロ隊はファルージャの戦いで大手柄をたてた有名な隊であり、罪のない民間人の避難にも当たったことがある。彼等は民家から攻撃された場合にどのように対応すればいいか十分に心得ているベテラン隊員たちだったと述べている。

私の息子も同じ時期にハディーサに居ました。(息子の)リマ隊は川の向こう側で行動していました。2005年11月のことです。この事件の状況はごく普通の状態でした。抵抗軍は事件を起こしては民間人を盾にしていたのです。子供たちは使用済みの弾を集めてお金をもらっていました。市民は抵抗軍のいう通りのシナリオで演技をしないと威嚇されたり脅迫されたりしていたのです。彼等は民家に隠れ海兵隊員からの攻撃が止むまで家人を盾にしていました。息子は事件のあった車を後で見ましたが新しい銃弾のあとでぼこぼこになっていたといっていました。

テロリストが逃げ込んだ民家の家人はしょっちゅう巻き添えを食って殺された。そういうことがあまりにも多く起きたため、地元市民はついに我慢できなくなり海兵隊の味方をするようになったとスノーマンは言う。そしてテロリストの隠れ家や武器庫の場所を海兵隊につたえテロリスト逮捕に協力するようになった。地元市民の裏切りを悟ったテロリストたちは命からがらハディーサから退散したため、いまやハディーサは2005年に比べてずっと平穏な場所になっており、海兵隊の後を子供たちがくっついて走り回るほどになっているそうだ。

もしこの事件で容疑をかけられたすべての被告が起訴取り消しや無罪になったとしたら、当時海兵隊員の有罪は間違いない、海兵隊上層部は隠蔽行為をしたという確かな証拠がある、とがんばっていた自分も元は海兵隊だった(信じられない!)民主党のジョン・マーサ下院議員はどういう言い訳をするつもりなのだろうか?全く海兵隊の風上にもおけないおっさんである。

私の希望としては全ての被告の起訴が取り消され、最初から犯罪は起きていなかったということがはっきりすることである。そしてそうなった時マーサ下院議員をはじめ事情がわからないうちから米軍兵を殺人犯扱いした全ての人々に土下座をついて謝ってもらいたいものだ!

July 14, 2007, 現時間 4:24 AM

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