日付け → →August 30, 2009

オバマ王が医療保険変革を強行する本当の理由

このブログでも何度か取り上げた歴史家のビクター・デイビス・ハンソン教授が、オバマの最初の7ヶ月を振り返って分析している。2008年後半から始まったアメリカの経済危機。その危機からアメリカを救うといって颯爽と現れた期待の星バラク・フセイン・オバマ王子。ところが王の座についた途端、経済救済どころか、国家負債を前大統領のブッシュとは比べ物にならないほど膨大な金額に増やす政策を次から次へと打ち出している。経済が混迷している時に国がもっとお金を使う政策を立てるというのはどういうことなのか?ハンソン教授はオバマ王のこの異常な行動は、オバマ王がstatist、もしくは国家統制主義者であると考えれは説明がつくと語る。

もちろんオバマ自身はその独裁政権の王として君臨したいわけだ。これはカカシがオバマ王が大統領になってからずっと言ってきたことである。

ハンソン教授は、金融企業や自動車会社の救済にしても、医療保険変革にしても、オバマにとっては、すべてどれだけ政府が個人や企業の生活に干渉できるかということが重要なのであり、実際にこれらの政策が人々の生活を向上させ、アメリカという国家にとって良い結果を生むのかどうかなどということは全く興味がないのだという。

日本の皆様はご存知ないだろうが、アメリカ市民は取り立てて今の医療システムに多大なる不満をもっているわけではない。確かに日本のように国民全員が国家経営の保険加入を強制されているわけではないので、医療保険を持たない人もいる。だが、だからといって保険に入れない人たちが病気でも人々に見放されて野垂れ死にするというわけではない。貧困者の場合は国家運営のメディケイドという保険に入ることが出来るし、高齢者のためには国家運営のメディケアという保険も存在する。

アメリカの場合、医療保険も他の生活必需品と同じで、それぞれの人々が、自分の所得に見合った保険を購入しているだけの話だ。確かに金持ちなら、最新の薬や治療方法をすべて払ってくれる掛け金の馬鹿高い保険に入ることが出来るだろう。低所得でも若く健康な人ならば、掛け金が比較的安い万が一の時だけの保険というプランを購入することもできる。いや、自分はめったに病気などしないから保険などいらない、それより給料を多くもらったほうがいいと判断している人もいる。

オバマ王が許せないのは、そういうアメリカ市民が「個人の選択の自由」によって受けている、まちまちな医療サービスなのである。オバマ王は金持ちでも貧乏人でも平等な医療サービスを受けるべきだと考えている。たとえそれが国民全員が同じように劣悪なサービスを受けることになったとしても、すべての市民が「平等」であることのほうが、より多くの人々が上質の医療サービスを受けられることよりも大事なことなのである。(もちろん、一部の市民は他の市民よりより平等なのはいうまでもない。)

独裁者オバマ王にとって一番大切なのは、国が保険機構を完全に統括することにある。それによって多くの人々の医療レベルが下がろうがどうしようがそんなことは問題ではない。すべての人々が同じならそれでいいのだ。

このような、すべての人々が平等であるべきという万人平等主義はオバマ王の政策の節々でみることができる。ハンソン教授はオバマは彼の支持者がいうような実際主義でも、批判者がいうようなリベラルでもないという。

「むしろ、(オバマ)は国家統制主義者なのだ」とハンソン教授。オバマは自分の周りを取り囲む、金持ち大学を出たばっかりの、市場に関する知識も経験も全く持ち合わせない「一部都会派でエリート意識が高く充分に改革的で裕福で教養あるテクノクラットといった連中」が、我々の生活を我々よりもより良い方向へ誘導できると信じているのだ。 もちろんオバマの言う「より良い」というのは、我々が思うような裕福で幸せで自由な社会という意味ではない。

「より良い」とは、「より公平」もしくは「より平等」という意味だ。我々の所得は違うかもしれないが、結果的に手取り収入はほぼ同じにするということだ。我々は親切で腕のいい最新の技術を持つ医師を知っているかもしれない。そして最高の健康保険を購入する資金をもっているかもしれない。だが、そんなことは関係ないのだ。我々は皆同じように列に並んで政府が配給する保険証を持ってみすぼらしい角のクリニックで自分の番を待つようになるのだから。

こういう結果平等主義は何も今に始まった思想ではない。過去2500年にわたってあらゆる過激な独裁者が試してきたことで、そのやり方は常にお決まりだ。 金持ちを悪者扱いして資産を取り上げ市民に再分配する。低所得者への政治参加を奨励する。公務員の数が激増し政府の力が拡大化され政府役人こそが人々の富を守る防衛者であるかのように振る舞い、だんだんと特権階級になっていく。インフレが急激に高まり国の富は磨り減っていく。

オバマ政権のやり方はすでにこのやり方を見本として勧められている。個人の負債救済だの、不動産や水の所有権利などに連邦政府が口を出し、選挙登録をしやすくし、裕福な人々への過激な増税を行い。クライスラーなどの民間企業を乗っ取り、公務員の採用幅を拡大するやりかたなどは典型的だ。

普通アメリカ社会ではこのような平等主義は根をつけない。それというのもアメリカは個人主義の国で、個人の自由をこよなす愛する社会だからである。だが、だからといって常に自由が尊重されてきたかといえばそうではない。戦争や経済危機といった緊急の事態には、市民は政府による多少の犠牲は払ってきた。第二次世界大戦中などはかなりの犠牲を払ったといっていい。

だが、今はそのような危機であろうか、いや、それよりも、その危機をオバマ王のような独裁者の手にゆだねてアメリカの自由主義をこれから守っていくことが出来るだろうか?カカシは出来ないと断言する。独裁者オバマ王に市民の自由を奪われたなら、アメリカ市民は革命でも起こさない限りその自由を取り戻すことは出来ない。

オバマ王とその取り巻き連中は、危機を利用して自分らの権力を拡大する意図をおおっぴらに隠しもしないで発表している。オバマ政権のローム・エマニュエル参謀長官など、堂々と「良い危機を決して無駄にしてはいけない。緊急時は普段は避けるべき大事なことをやる大切な機会なのだ」と嘯いている。またオバマ王も「富を再分配することはみんなのためになることだ。」とカジュアルに語っている。

ブッシュ前大統領の「愛国法」がテロリストから国を守るという名目で市民の自由を束縛するものだと批判していたリベラル連中は、独裁者オバマ王が毎日のように我々の見ている前で、我々の自由をひとつひとつ奪おうとしているのを指をくわえてみているつもりなのか?

ハンソン教授も言っているが、アメリカ市民がオバマの治療方法が病気よりもよっぽど身体に悪いと気が付いたときは、すでにアメリカが独裁者オバマ王によって制覇されているかもしれないという。そんなことにならないうちに、オバマ王の独裁を打開せねばならない。

August 30, 2009, 現時間 9:54 AM | コメント (0) | トラックバック (0)

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日付け → →August 22, 2009

ブッシュ政権後、沈黙の反戦運動

先日イラクで95人もの死者を出した自爆テロや、選挙直前に暴力事件が相次いで起きたアフガニスタンなど、ブッシュ前政権時代に始まって、なんとか収集がついてきていたイラク・アフガニスタンの状況はオバマ政権になって急速に悪化してきている。イラクにはいだに13万のアメリカ兵が駐留しており、即撤退の動きはない。アフガニスタンの駐留兵の数はオバマ政権になって以来減るどころか増え、いまや6万人を超した。そして、戦況も悪化の一途をたどり、その戦死者の数も急増。先月のアフガニスタンは、アメリカ軍がアフガンに進出して以来、一番アメリカ兵の戦死者を出した月となった。

にも関わらずオバマ王政権に戦争政策があるのかどうかは全く不明だ。特になにか建設的なことをしているとも思えない。こと対テロリスト政策は、積極的に常に取り組んでいないと、すぐに悪化してしまう性質がある。少し状況が良くなってきたからといって油断して手を緩めると、敵はその隙をすぐについてくる。だが、オバマ王のやり方はブッシュ政権時代の方針を特に気もいれずに惰性でつづけているように思える。

オバマが積極的に戦争に取り組んでいないとは言え、積極的に戦争終結の努力をしているというわけでもない。イラク駐留の米軍は最前線からは引いたとはいえ、まだ完全撤退とまでは行っていないし、アフガニスタンの兵数はオバマ時代に増えているし、アフガンでの戦闘は激化の傾向がある。

ここで不思議なのは、ブッシュ時代にあれだけ大騒ぎしていた反戦運動家たちは、最近何をしているのだろうかということだ。彼らがあれだけ反対していた戦争は終わっていないし、当分終わる気配もない。同じ戦争がまだ継続している以上、彼らの反戦運動も継続されるべきではないのか?

このことについて、バイロン・ヨーク記者がワシントンイグザミナーに面白い記事を書いている。

ブッシュ政権時代に、特に目立って反戦運動をしていたグループのひとつに、デイリーコス(DailyKos)というウエッブサイトを中心に集まったグループがある。デイリーコスのファンや参加者は積極的に反戦候補に献金し選挙運動に協力した。

2006年、デイリーコスはラスベガスで華々しく最初の集会を開き、リビエラホテルで何日にもわたってアンチブッシュ大会を繰り広げ、どのように共和党を打ち負かすか、そして民主党議員にも反戦の圧力をかけるため討論をつづけた。デイリーコスはインターネットから発生したネットルーツといわれる政治運動の草分けと言える。

二週間ほど前(2009年8・13-8・16)、毎年恒例となったイヤリーコスの三回目は、名前もネットルーツネイションと改名され、ペンシルベニア州のピッツバーグで行われた。だが今回は主流メディアからは特に注目を浴びず、カカシもバイロン記者の記事を読むまでそんな大会があったことさえ知らなかったほどだ。しかし、バイロン記者は大会に集まったひとたちの意見は、民主党支持者の意見を反映するものとして注目の価値があるという。

この集会で明らかになったことは、左翼リベラルの間では、今やイラクやアフガニスタン戦争の話は、ほとんどそのレーダーにひっかからなくなったということだ。ブッシュ政権時には、自分らをコサックスと呼び、反戦運動に熱中していた彼らだが、今はほとんどその熱が冷めているようで、オバマ王によるアフガニスタンの激化状況にもほとんど興味が無いようだ。

民主党の世論調査家、スタンリー・グリーンバーグ氏が、参加者対象に医療保険や環境など最優先されるべき政策についてさまざまな質問をした。「改革運動家が最も焦点を当て努力を注ぎ込むべき二つの政策は何か」という質問に対して、なんといっても圧倒的に多かったのは「議会において医療保険改革案を通すこと」だった。次いで二番目に多かったのは、「環境保険を考慮した清潔なエネルギー政策」だった。

で、肝心の「イラクとアフガニスタンにおける軍事活動を終結させる」という質問はというと、なんとリストの下のほうの8番目だった。

参加者の心情をもっとも顕著にしたのは、グリーンスバーグが「あなたが個人的に現在一番時間を対やしている動きは何ですか?」との質問に対し、やはり医療保険改革が一番にあがったことで、その次は「2010年の選挙で改革的な候補者を選ぶこと」だった。ここでいう「改革的(progressive)」とは左翼が「リベラル」の代わりに使うコードワード。参加者のたった1パーセントの回答者が選び、一番最後の項目となったのが、イラク・アフガンでの軍事行使の終結だった。

第一回目のイヤリーコス大会からずっと取材してきたバイロン記者は、ブッシュ時代の参加者は反戦運動に熱を上げており、彼らは戦争を嫌い、その戦争をはじめたブッシュを憎んでいたという。「いや、もしかすると、彼らはジョージ・W・ブッシュが始めた戦争だから嫌っていたのかもしれない。」当時の大会の主題は初めから終わりまで「戦争、戦争、また戦争」だった。

ところが今は全くそうではない。

イラク戦争で息子を失った傷心の母親として反戦家の間で囃し立てられ、ブッシュ大統領のテキサス敷地の前で座り込み運動などをしていたシンディ・シーハンも、左翼リベラルの心変わりをひしひしと感じているうちの一人だ。シーハンは今でも反戦運動をつづけており、この間もオバマ大統領が休暇を取っているマーサズヴァインヤードでの反戦運動計画を発表したが、左翼リベラルからは完全に無視された。民主党がホワイトハウスに居ようとどうしようと反戦運動は続けるべきだというシーハンの信念には感心するが、彼女を支持していた人々の関心は他に移ってしまった。彼女の時代は終わったのである。

数ヶ月前までは、オバマ大統領が左翼リベラルの圧力に負けてイラクやアフガニスタンから早期撤退をしてしまうのではないかと心配する声もあったが、どうやらそんな心配は必要なかったようだ。リベラル活動家が反対していたのは戦争ではなく、ジョージ・W・ブッシュだったのだ。ブッシュ政権が終わった以上、反戦への熱気も失われたというわけである。

リベラルに一貫性が欠けるのは信念がないからだ。彼らには左翼リベラル政策を前進させるものだけが大事なのであり、戦争もそれが左翼リベラル派のものなら支持するし、保守派のものなら反対する。彼らには平和も反戦も左翼リベラル活動の単なる道具に過ぎないのだ。

August 22, 2009, 現時間 12:54 PM | コメント (1) | トラックバック (0)

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日付け → →August 16, 2009

オバマ王、健康保険完全国営化を断念? 支持率急降下が原因か

ラスマソンの世論調査による、オバマ大統領の支持率は確実に下がりつつある。8月16日現在、オバマを強く支持するとオバマに強く反対するの比率は、なんと32:41で、オバマの仕事振りに不満を持っている人の数が支持する人をかなり上回っている。これはオバマ王にとってはこれまでで最低の支持率だろう。

オバマ王の人気が下がっている原因はいろいろあるだろうが、やはりなんといっても健康保険の完全国営制度を懸念する市民が多く出てきたことの現われではないだろうか。少なくともオバマ政権はそれが原因だと判断したらしく、健康保険の国営化を断念するらしい

今日のAPニュースによると、オバマ王は健康保険の完全国営化はあきらめて、保険共同体なるものを含む共和党との妥協案に方針を切り替えるようにしたらしい。このような方針転換はオバマ支持のリベラル派を激怒させることになるが、健康保険改革を最優先と謳ってきたオバマ政権としては、なんとか改革を実現さえて、形だけでも勝利宣言をしたいところだ。

APニュースは民主党も共和党もお互いに歩み寄って妥協案を考案中だと記しているが、オバマ政権の改革は完全国営化が主体になっていたはず。それを断念してしまったら、名前だけの変革などまったく意味がない。

これに関するオバマ政権のスピン(自分に悪い状況をあたかも自分たちに有利であるかのように口からでまかせを言うこと)は、聞いていて愉快このうえない。

ヘルスアンドヒューマンサービス(保険省とでも訳すのかな?)のキャサリーン・セベリウス長官は、民営保険以外の選択としての健康保険は政権の健康保険完全解体修理の「必須な項目ではなかった」と語った。ホワイトハウスは共同体案も考慮しており、政権が妥協してでも勝利宣言をしたい意図をあきらかにした。

なにが必須項目ではなかっただよ!健康保険の国営化こそオバマケアの本髄ではないか。これがなくなったら変革もなにもありゃしないのだ。つまり別な言い方をするならば、健康保険改革法案は、オバマ政権の完敗に終わった、ということだ。

各地で静かに繰り返されたアメリカ市民の本当の草の根運動が花を開いたのである。これは独裁者オバマ王対善良なる市民との戦いであった。そしてその第一本目はアメリカの自由市民の勝利に終わりそうである!

August 16, 2009, 現時間 4:09 PM | コメント (0) | トラックバック (0)

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日付け → →August 15, 2009

オバマケアの「死の審議会」とは何か? サラ・ペイリンが説明

この間、サラ・ペイリンが自分のフェイスブックに、オバマ王と民主党が強く押している健康保険完全国営化の法案について批判する記事を書いたことが、左右双方に存在する反ペイリン派の連中から完全な歪曲を受け攻撃されている話をしたが、今回オバマ王自らがこの歪曲にさらに追い討ちをかけてペイリンの批判を不当に攻撃した。誰かに反論するなら、せめて相手の言っていることをきちんと理解してからにして欲しい。勝手に相手の意見を歪曲し、「なにを馬鹿なことをいってるんだ」とか「うそつき!」とか言って言いがかりをつけるのはいい加減に止めて欲しいものだ。

反ペイリン派の言い分は、ペイリンが表現した「死の審議会」とは、オバマケア法案に含まれている末期医療"end of life care counseling"と呼ばれる末期を迎えた重病患者へのカウンセリングについての批判だと誤解だか曲解だかして、ペイリンの批判は気違いじみていると言うものである。

このカウンセリングがどういうものかは別として、ペイリンが話しているのはこの項目についてではなく、健康保険の配給制度にある。では先ず、問題になっているペイリンのコメントを再掲しよう。先日はrationingを「節約」と訳してしまったのだが、本当は「配給」が正しいので、直しておいた。

民主党は政府の医療システムが医療にかかる経費を下げると約束しています。でも経済学者のトーマス・ソウル氏が指摘しているように、政府による医療は経費を下げません。単にかかった費用の支払いを拒絶するに過ぎないのです。この配給制度によって一番苦しむのは誰でしょうか?それは言うまでもなく病人や老人や身体障害者です。私が知り愛するアメリカは、私の両親やダウンシンドロームを持つ私の赤ちゃんが、オバマの「死の審議会(death panel)」が決める「生産性の度合い」を役人たちの主観によって判断され、医療を受ける価値があるかどうかと審議されるような国になるのを黙ってみているわけにはいきません。このようなシステムは完全なる悪です。

ペイリンはオバマケアに「死の審議会」と呼ばれるものがあって、法案には、その審議会の役人によって、誰が生き延び誰が見殺しにされるのかが決められるという項目がある、などとは言っていない。ペイリンは、オバマケアの誰が治療を受け誰が受けられないかという配給制度は、結果的に死の審議会を招くことにあるのだと言っているのだ。「死の審議会」とは彼女なりの比喩なのであり、実際にそういう審議会が存在していると言う意味ではない。

にもかかわらず、こともあろうに、保守派新聞のワシントンタイムスですらも、ペイリンの批判はオバマ政権の医療アドバイザーであるエマヌエル医師が安楽死を促進しているという批判まで引き起こした、などと、とんちんかんなことを書いている。

ペイリンが下院のオバマケア法案に「安楽死」の項目が含まれていると書いている、などという馬鹿げた言いがかりは、ミスター苺に言わせると、ペイリンが「自分のアラスカの家からロシアが見える」と言うペイリンの物真似コメディアンのジョークをペイリンが実際に言ったものと勘違いしているのと同じくらい馬鹿げている。

他の新聞でもこの曲解は何度も繰り返されている。共和党のジョン・イサクソン上院議員の軽はずみな誤解発言のおかげででペイリンや反オバマケアの市民に多いに迷惑をこうむっている。

サラ・ペイリンが批判している「医療配給制度」は、ホワイトハウスの保険アドバイザーであるエマニュエル医師(Ezekiel Emanuel、オバマ王のエマニュエル参謀長の兄弟)が強く押していた制度である。エマニュエル医師は、20年前ごろから配給制の必要性を感じていたが、最近になって、医療制度には無駄が多すぎるため、その無駄を排除すれば配給制の必要はないと考えを変えたと語っている。しかし、ペイリンは、エマニュエル医師が何と言おうと、下院のオバマケア法案は必然的にいずれは配給制にならざる終えないと主張しているわけだ。

さて、ここまで自分の書いたことを歪曲して報道されたのでは、ペイリンとしても黙っているわけには行かない。そこでペイリンはまたまた自分のフェイスブックに説明のエントリーを書いた。例によって日本語で通じるように適当に意訳してのでご了承いただきたい。

さくじつ、オバマ大統領は民主党の健康保険提案は医療の配給制につながり、病人やお年寄りや障害者がこのような配給制度の下でもっとも苦しむことになり、また、そのような制度の下には「生産性のない」社会のメンバーは政府の役人によって医療を受ける価値があるかどうかを判断されることになる、という私の供述について 反論しました....

もちろん問題なのはこれだけではありません。私の最初の発言はオバマ大統領の保険アドバイザーであり、参謀長官の兄弟でもあるエマニュエル医師の発言に対するものです。 エマニュエル医師は医療サービスは「社会に参加することが不可能な市民に対しては保証されない」と書いています。医師はその典型的な例として、「痴呆症の患者に医療サービスを提供しないことなどがある」としています。エマニュエル医師はさらに、医療提供の決断は「15歳から40歳までの人を最優先にすべきであり幼少や老年の人々はその後にすべきであることも推薦していました。

ペイリンはオバマケアが医療サービスの配給制につながるということを明確に説明したのに加え、さらにオバマ王が間違って結びつけた末期医療項目についても説明している。

オバマ大統領が引き合いに出している項目はHR 3200の1233項にある “Advance Care Planning Consultation” と題される部分です。恐縮ながら申し上げますが、大統領による、この項目が完全に自主的なもので、単にメディケアの利用者により正しい情報を与えるためのものだという説明は誤解を招くものであります。 問題なのはこの情報が与えられる状況です。この状況下で与えられる情報には強制性があるのです。

1233項はメディケアに加入している老人に5年ごとに末期医療に関するサービスについてカウンセリングするとあり、また、 「個人の病状に極端な変化があった場合、もしくは介護施設に入院した際、または長期施設やホスピスに入った場合」にもカウンセリングが施されるとあります。このカウンセリングの際に、カウンセラーは「緩和介護やホスピスを含む末期医療の継続サービスについて」説明しなければいけないとあります。

これを正しい文脈にあてはめて見直してみましょう。このようなカウンセリングはメディケア加入者の健康が極端に変化した時やホスピスに入院した時に与えられるとありますが、この項目は法案の「増加する医療費を削減するための目的」という部分に記されているのです。このような状況でされるカウンセリングは、医療費の節約のために最低限の末期医療を受けるように協力を迫られているものだと、お年寄りたちが判断したとしても不思議ではありません。チャールズ・レーン氏がワシントンポストで指摘しているように、1233項は温情的な目的を示すはずなのに、何故か経費関係の部分に書かれていて当惑します。もし病気による身体や心の苦しみを緩和するためのものであるなら、いったいどうして医療経費削減の部分に書かれたりしてるんでしょうか?

このような解釈を「嘘」と言ってのけるのがリベラルの常套手段なのだが、その典型的なのが左翼変態フェミニストのエミちゃんだ。彼女がこのことについてマイクさんとやり取りをしていて面白かったのでここでもちょっと引用させてもらう。

マイク・ロス:オバマ政権が押す法案内では全く同じような形で役人が決めた法則に基づいて「尊厳死」の適用を医者ではなく、役人が勧告すると書かれている。法案を読んでませんよね?

エミちゃん:ウソつき! よくもこうウソだらけのデタラメを書けますね。恥知らずが。(略)

ウソその2。議会民主党が推進している法案では「尊厳死を役人が勧告する」とあなたは書いていますが、これはラッシュ・リンボーをはじめとするトンデモ右翼によるまったくの言いがかりです。この主張についてのきちんとした報道は、こちらにあります: PolitiFact.com

実際に法案に何が書かれているかというと、高齢者は五年に一度、末期医療についてカウンセリングを受け、意識不明に陥った時にどのように扱って欲しいかの意思表明をするための補助を受けることができる(そのための費用を公的保険が負担する)、ということです。

末期医療のカウンセラーは医者とは限らない、いやむしろお役人がすると考えたほうが無難だ。また、もし上記のペイリンの言う経費節約の文脈で尊厳死などのオプションが説明された場合、病気の末期を迎えている重病人や老人ホームに入ろうというご老人が、「経費節約のために私に早く死ねといいたいのか?」と怒ったとしても不思議でもなんでもない。つまり、マイクさんの言い方は極端かもしれないが、「役人が尊厳死を勧告する」という解釈もまんざら嘘とはいえないのだ。

またエミちゃんはオバマ王が特定の法案を推進してなどいないと断言しているが、じゃあいったいオバマ王は何のために全国を巡業して市民にオバマケアを説明してまわってるわけ?

ちなみにエミちゃんは自分と解釈の違うマイクさんをうそつき呼ばわりして、自分が嘘をついていると認めなければコメントは削除しますと脅迫。マイクさんがそれに応じなかったのでコメントは削除された。さすがリベラル。やり方が汚い。

August 15, 2009, 現時間 3:52 PM | コメント (1) | トラックバック (0)

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日付け → →August 13, 2009

恐ろしや、役人が癌患者に自殺を促すオレゴン州の健康保険制度

昨日も紹介したアメリカのオレゴン州の公営健康保険の問題点について、ミスター苺がさらに調査をしてくれたのを読んでいたら、カカシが思っていた以上にひどい状態であることがわかった。オバマケアが通れば、アメリカ全体で今オレゴンで起きている恐ろしい状況が何万倍の規模で起こることになる。

では実際にオレゴン州の公営保険システムがどのような状態にあるのか、ミスター苺のエントリーから引用しつつご説明しよう。

まずはオレゴン州は非常にリベラルな州であり、州はほとんど民主党支持であることを念頭において置いていただきたい。オレゴン州が大統領選挙で共和党に傾いたのは1984年のロナルド・レーガンが最後。知事を共和党から出したのはすでに31年前。オレゴン州の上院議員二人のうち一人は共和党員とはいえ、共和党の中でも非常にリベラルな共和党とは名前だけのゴードン・スミス氏。5人いる下院議員のうち4人は民主党で、共和党のグレッグ・ワルデン議員はお世辞にも保守派とはいえない。州議会の方では上院と下院双方で民主党が6割を占めている。

というわけだからオレゴン州が自殺援助を合法化する法律を1994年と1997年に市民投票によって通したというのも理解できるというものだ。それと同時に公営健康保険システム設立案が通ったというのもまったく不思議ではない。

アメリカにはやメディケア/メディケイドと呼ばれるお年寄りや貧困層の人たちが入れる公営の保険があるが、オレゴンの場合はさらに、こうしたプログラムの資格に当てはまらない人にも健康保険を与えるオレゴンヘルスプラン(OHP)というものが存在する。

しかしこのプログラムは当初計画した通りには進まなかった。プログラム発足6年後には経費が二倍になり、2004年から2008年の四年間は新加入者の受け入れを凍結した。2009年に行われた加入者申し込みのくじ引きを行った際には、たった 3000名の窓口に 何万人という申し込み者が殺到した。

オレゴン健康保険計画(OHP)は全国版国営保険を押しているオバマケアの見本のようなものだが、その計画は今や経費削減という非常なるプレッシャーを受け、オレゴン州は極端なやり方で節約に取り組んでいる。

そのひとつに、今後5年間に渡る生存の見込みが5%以下の人の放射線治療の費用は支払わないが自殺援助の費用は払うとい方針がある。

バーバラ・ワグナーの望みはただひとつ、もっと時間が欲しい。

「覚悟が出来てません。まだ死ねません。」スプリングフィールド住まいの女性は語った。「まだやりたいことがあるんです。」

ワグナーさんの主治医は新しい放射線治療のターセバという薬に見込みがあると勧めたが、オレゴン健康保険計画からはワグナーさんの癌治療は認められないとの手紙が来た。

その代わり、同手紙には医師援助による安楽死、俗に言う自殺援助、を含めた看病の費用は支払うと書かれていた。

「いったいあんた方は誰様だと思ってるんだ、と言ってやりましたよ。誰に私が生きられるかも知れない費用は出さないけど、死ぬ費用は出してやるだなんていえるんですか?」

「読者の皆さん、これがまさにオバマケアの未来なのです」とはミスター苺。

癌治療用のターセバという薬は月に4000ドルもかかるが、自殺用の薬は100ドル以下。経済難に悩むOHPが治療より援助自殺を選ぶのは当然といえば当然。オレゴン健康保険計画の方針を決める委員会のソム・サハ会長は、委員会は患者が死んだほうが安上がりになるなどということを審議の考慮に入れたりはしないとしながらも、

「数週間しかない人に何千ドルというお金をつぎ込めば、それだけ他の人たちに割り当てるお金がなくなるわけです。」と語った。

これが公営保険の実態だ。サラ・ペイリンの言う「死の審議会(death panel)」は誇張でもなんでもない。

マイク・ロスさんも左翼変態フェミニストのエミちゃんのコメント欄で指摘しているが、オレゴン州は医学の発展に順応しておらず、いまだに1993年の標準でがん治療を評価し、新しい薬での治療を許可していないという。

これについてはエミちゃんはこう反論している。

その医者の発言はいわゆるレトリックというもので、実際には1993年の標準が今も残っているわけではないですよ。Oregon Health Planの基準は、頻繁に改訂されています。民間の保険会社だって、画期的な新薬に支払いをしなかったりすることがあるのは同じですよ。

ちょっと待ってよね。利益優先で患者さんの健康などまったく省みない悪どい民間保険の制度を改善するために政府による公営保険計画が立てられたんじゃないの?それが経費節約のために助かるかもしれない患者さんの治療費を拒否して、民間の保険だってやってるじゃないか、と開く治るのはおかしな言い分だ。それに、マイク・ロスを「うそつき!」とか「恥知らず!」とか言う割りには、実際にどれだけオレゴン州の健康保険がどのように改訂されているのか提示されていないので、短にエミちゃんが「嘘」をついているだけかもしれない。「頻繁に改訂されてます!」というだけでは何の反論にもなっていない。この程度の反論で他人を嘘つき扱いしないで欲しいね。ま、反論できない相手の言い分を嘘とか言いがかりとか言って過小評価するのはリベラルの常套手段だから驚きはしないが。

とうわけで、政府が健康保険に関わるとこういう悲劇が起きるという非常にいい例がオレゴンにあるわけだ。バラク・H・オバマのおばあちゃんは、もう歳なんだから腰の手術なんか受ける必要ない。ダウンシンドロームを持つサラ・ペイリンの息子はどうせ治る見込みはないんだから長期治療など無駄だ、癌治療を嘆願するバーバラ・ワグナーさんには治療の代わり自ら命を絶ってもらう、お医者さんの援助でね。これがオバマケアから期待される健康保険だ。

変態フェミニストのような左翼連中が、どれだけこうした事実をトンデモ保守派のラッシュ・リンボーの陰謀だとか、保険会社の策謀だの言ってみても、実際に公営保険を取り入れた外国の例や、国内の例がある以上、これ以上国民をだまし続けることはできない。

民主党議員たちが行っている町内会のあちこちで抗議者たちが殺到しているのも、アメリカ市民がオバマ王や民主党の嘘に目覚めたからで、左翼簾中がよくやる大企業や労働組合に扇動された人口芝生運動とは質が違う。それを右翼の陰謀だと言い切るオバマ王並びに民主党やその手下たち、お前らこそ恥を知れ!いつまでもアメリカ国民を馬鹿にするな!

アメリカ市民よ、病人や老人を見殺しにする死の審議会を断固阻止せよ!

August 13, 2009, 現時間 5:36 PM | コメント (0) | トラックバック (0)

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日付け → →August 12, 2009

オバマケアを批判したサラ・ペイリンを気違い扱い、反対意見は断固弾圧するオバマと民主党

前共和党副大統領候補で、最近までアラスカ州の知事をしていたサラ・ペイリン女史は、左翼やリベラルの間で目の仇にされている将来有望な保守派政治家。リベラルは聡明で美しい保守派女性をみると、一段と意地悪になる傾向があるが、彼女や彼女の家族にされる執拗なまでの悪質な嫌がらせは目に余るものがある。

さて、そのサラ・ペイリン女史が、独裁者オバマ王の発案した健康保険完全国営化案、オバマケア、に対する批判を自分のフェイスブックに発表。その内容について上院議員が原文を読みもせずに彼女の記事を歪曲して批判し、それを受けた主流メディアがペイリン女史を気違い扱いする報道を繰り返している。

ではまず、ペイリン女史はなんと言っているのか、その部分を紹介しよう。例によって私なりに日本語が通じるように書き換えたが、主旨は変えていない。

民主党は政府の医療システムが医療にかかる経費を下げると約束しています。でも経済学者のトーマス・ソウル氏が指摘しているように、政府による医療は経費を下げません。単にかかった費用の支払いを拒絶するに過ぎないのです。この節約によって一番苦しむのは誰でしょうか?それは言うまでもなく病人や老人や身体障害者です。私が知り愛するアメリカは、私の両親やダウンシンドロームを持つ私の赤ちゃんが、オバマの「死の審議会(death panel)」が決める「生産性の度合い」を役人たちの主観によって判断され、医療を受ける価値があるかどうかと審議されるような国になるのを黙ってみているわけにはいきません。このようなシステムは完全なる悪です。

非常にまともな批判なのだが、リベラル連中は、彼女の「死の審議会」という言葉だけを取り上げて、オバマケア法案には「死の審議会」が安楽死を強制するような項目はないと彼女を批判し、原文も読まずにインタビューを受けた、こともあろうに共和党のジョン・イサクソン上院議員はペイリン女史は気違いだとさえ言っている。

政府が市民の医療費を払うことになれば、政府は誰にどれだけのお金を使うかを判断しなければならない。限られた予算で市民に医療を提供するとなれば、誰かがその治療が患者に必要かどうかを判断しなければならない。これについて、カカシのネットブログ仲間のマイク・ロスさんが面白い記事を紹介しているのだが、これに対する例の左翼変態フェミニストの反応が非常に面白い。先ずはマイクの紹介している記事の内容はというと、

アメリカは今、医療の国有化を検討している。オレゴン州ではすでに健康保険の国有化を行った。そして、政府が医者が立ち会う自殺も承認している。 下記のURLでのビデオの女性はオレゴン州からがん治療は許可しないが、自殺補助については援助を行えると言う内容の手紙を。

政府が医療に直接携わるとこのような問題が。リベラルの方々はこの様な判断を行う事をエリートの特権と。エリートの方々には制限が無い事は共産主義の国々で立証されている。オレゴン州 - がん治療は与えない、自殺補助は与える

カカシは知らなかったのだが、オレゴン州では尊厳死を医師が助ける行為が合法化されているのだそうだ。だからこの手紙は単にそういう選択もあるという意味で書かれていたにすぎず、治療など受けずに死んじまえ、という意味ではないのだと変態フェミニストのエミちゃんは説明しているのだが、この説明のなかで、いみじくもエミちゃんはペイリン女史が心配している国営保険の最大の問題点を指摘してくれている。(強調はカカシ)

Oregon Health Planというのは障害者や低所得者を対象とした公的健康保険制度だが、これらの層は同時に医療費が高くかかる層であり、当然のことながら予算が常に足りない状況。

(中略)

Oregon Health Planが民間保険と比べて資金面で問題を抱えているのは、それが基本的に「民間保険から見放された人たち」を対象としたものだからだ。民間保険は利益になりそうな客だけを相手に商売をすることができるが、Oregon Health Planはそうではない。利益になりそうな層だけごっそりと民間企業に取られたあとの、どうやってもお金がかかるばかりの層だけ押し付けられる。限られた予算の中で出来る限り医療を行き渡らせるために、様々な方法で治療法の優先順位付けを行い、ある一定の基準より優先度が低い治療法や医薬については、支払いを拒まざるをえない。その結果、今回の件のようなことも起きる。

オバマケアが通れば、全国各地でこういうことが起きることになる。エミちゃんはオレゴン州の公営保険が慢性の資金不足の状態にある理由は、高い健康保険を払える市民は民営の保険に入っているからだと説明しているが、民営の保険に入れないひとを救うのが公営保険のもともとの目的ではないのか? それがお金がないから医療を拒否するというのではまったく意味がないではないか。

オバマケアが通れば、いままで民営保険に入っていた人たちも強制的に国民保険に入らされ、国民保険が医療費を払ってくれなくても、もっと良い保険に入るという選択権を失う。

オバマ王は、現在自分の持っている保険に満足している人は、国営保険に変える必要はないといっているが、これはまったくの嘘だ。オバマケアは民間保険に強制的に高額のサービスを提供することを強制し、国民の税金で利益を出さない国営保険と競争させようとしている。利益を追求する民営保険が税金で保証されている国営保険と市場を争うことは出来ないから、必然的に保険料は高くなる。団体保険を従業員のために購入している一般企業は民間保険よりも国営保険のほうが安くつくので、一斉に国営保険に切り替えるだろう。

国民のすべてが国営保険に頼らなければならない状態になったら、もう独裁者オバマ王の思う壺。気に入らない市民の医療費はすべて拒絶すればいいのだ。オレゴンで起きたことは、今後オバマケアによって全国的におきうる縮図である。

国内にこんな悪例があるのだから、共和党の議員たちには、ぜひともがんばって民主党の健康保険案をつぶして欲しいものだ。ペイリン女史の言葉尻をつかんで批判している場合ではない。

August 12, 2009, 現時間 9:28 PM | コメント (0) | トラックバック (0)

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日付け → →August 10, 2009

アメリカ庶民、地球温暖化への猜疑心高まる

8月10日、アメリカはネバダ州でNational Clean Air Summit 2.0(全国きれいなエネルギー総会)が開かれた。前大統領のクリントン氏や前副大統領のアル・ゴア氏や現カリフォルニア知事のシュワちゃんなどを含めた怱々たるメンバー出演の総会だったにも関わらず、市民からの反響はいまひとつだった。

最近の世論調査によると、アメリカ庶民の間で地球温暖化への冷たい態度が強まっていることが明らかになっており、庶民は経済を犠牲にしてまで環境保全をする必要性にかなりの猜疑心をもちはじめたようだ。

ギャロップ社の調査によると、メディアが地球温暖化を誇張していると答えた人々が一年前の35%から41%に増えた。特に無所属の有権者の間でこの傾向は強く、猜疑心を持っている人の数は33%から44%にまで増えている。温暖化を疑う数がもともと多い共和党支持者の間では、59%か66%となっいる。ただ民主党支持者の間では、まだ20%で一年前とほぼ同じ数値だ。

さらに、地球温暖化の影響がすでに見え始めていると答えた人は減っており、温暖化の兆しが見えると答えた人は2008年の61%から53%に減っている。

興味深いのは調査をし始めた25年間で初めて、今回の調査では環境保全がより大切と答えた人よりも、経済対策のほうが大事だと答えたひと人の数が多かったことだ。わずか42%の回答者が経済発展よりも環境保全を優先すべきだと答えたのに対し、51%の回答者が経済増徴を優先するべきだと答えている。この比率は2008年の時の49:42とはまるで逆の状態となった。1985年までさかのぼると環境保全優先と経済発展優先の比率は61:28という差だったのだから、現在のアメリカ市民がいかに環境よりも経済に重点をおいているかがわかる。

この傾向はギャッロプ社の調査だけでなくラスマソン社の調査でもみられる。今年の7月に行われたラスマソン社の調査によると、56%の回答者が高い税金や光熱費を払ってまで温暖化と戦いたくないと答えている。今年1月に行われたピュー調査によれば、アメリカ人が優先する政策のうち温暖化対策は20位と低い位置を示し、一番と二番は経済と失業率だった。

左翼系の環境保全団体は、自分たちの情報が何故か市民に届いていない、もっと市民に環境保全の大切さをアピールする必要があるなどと言っているが、アメリカ主流メディアも、リベラル政治家もここ二十年来温暖化が既成事実であるかのように振る舞い強硬政策をとってきていた。これで市民からの支持が減っているということはメッセージが届いていないと言うより、メッセージそのものに問題があると考えるべきだ。

ケイトーインステトゥートのジェリー・テイラー氏は、経済低迷や失業率の増加といった目前の深刻な問題に迫られると、遠い未来の問題はさほど重要には思えなくなると説明している。また異常気象が見られるときには庶民の温暖化への関心も高まると氏は語る。

だが、コンペティティブエンタープライズの温暖化政策研究部のマイロン・エーベル部長は、不況や天候が原因ではなく、すでにヨーロッパ諸国で行われている温暖化対策にかかる高額な費用に関する情報がアメリカ市民に届いているのが直接の原因だと語る。

ヨーロッパ諸国はすでに1ガロン(約4リットル)につき$3ドルから$4ドルの税金をかけており、イギリスでは一家族あたり年に1200ドルも環境保全のための税金を支払っているという。しかも、このような努力にも関わらず、世界の二酸化炭素杯出土は減るどころか1990年にくらべて10%も増えているというのである。

だが、もっと大切なのは、二酸化炭素量が増えているにも関わらず、地球の気温は1997年から上昇していないという点だ。二酸化炭素排出量が温暖化にまったく関係がないかもしれないという事実が庶民の間で理解されるようになるにつれ、何故そのようなことに経済を犠牲にしてまで取り組む必要があるのかという疑問が生まれるのは当然のことだろう。

どれだけ左翼環境保全団体や政治家や主流メディアが嘘八百の情報操作を行おうとも、我々は地球温暖化が起きていないことを文字どおり肌で感じている。いくら地球は暑くなっているといわれても、毎年毎年記録的な寒さをみてきたここ10年来のアメリカ、二酸化炭素と温暖化との関係もまったく証明されていないのに、わけのわからない政策に血税を無駄にされてたまるか、というのがアメリカ庶民の本音だろう。

あったりまえだ!

August 10, 2009, 現時間 8:40 PM | コメント (0) | トラックバック (0)

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日付け → →August 9, 2009

オバマ王、アメリカ市民を舐めるな!民主党の理不尽な人口芝生批判に断固反撃!

前回も独裁者オバマ王の健康保険完全国営化に反対する市民の草の根運動を過激派右翼団による『人口芝生運動』であると決めつけて主流メディアを使った大本営報道による情報操作に余念がないナチス党米民主党の卑劣なやり方についてお話したが、それに対抗する反対派のデモ行進の記事を見つけたのでご覧頂きたい。

上記のリンクをたどっていただければわかるが、数枚に渡る写真はコロラド州のデンバー市において、下院のナンシー・ペロシ議長が客賓として招かれた集会に集まった抗議者たちの写真である。

民主党は抗議運動は過激派右翼の連中でナチスのスワスティカを掲げているとか、人種差別的な侮蔑後が羅列されていると嘘八百を述べているが、写真の抗議者の看板には差別的な言語は全く使われていない。

しかし、このサイトの真ん中へん当たりを見てみると、オバマ支持者の写真が現れる。アメリカは自由の国だ。反対派と賛成派が平和的に抗議をするのには何ら問題はない。だが、反対派の看板が手書きやワープロを使った粗末なものであるのに比べ、「健康保険は待てない」と書かれたオバマ支持者の看板はきちんと印刷され、色付きの縁取りまでされている高価なものであることが解る。

どっちが草の根でどっちが人口芝生なのか、これだけでも解るというもの。だが、ちょっと待った。もう少しページをスクロールしてみてほしい。メガホンを持った男はオバマのOrganizing for America(アメリカのために組織せよ)という団体の一員だが、この団体の前衛はObama for America(オバマをアメリカに!)というオバマ選挙運動団体である。もう少しスクロールすると、オバマ支持者達がものすごい騒音を出すメガホンを直接反対派の人々の耳に突きつけている写真を何枚か見る事が出来る。

また、サイトの下のほうに太った黒い服の女が子供の女の子を操り人形のように操っている写真んがあるが、これは共産党スターリニストの団体がセミナーで教えている常套手段。「お前らは〜の操り人形だ」と言って子供を使っての抗議運動である。この場では「お前らは保険会社の操り人形だ」と看板に書かれている。

この一連の写真を見てもらえば解るように、民主党は健康保険完全国営化に反対している人々の草の根運動が、過激派右翼が主催している陰謀であるという印象を人々に植え付け得ようとしているが、実際の陰謀は左翼側の社会主義者たちによって行われているのだ。

独裁者オバマ王よ、アメリカ市民を馬鹿にするな!

August 9, 2009, 現時間 2:21 PM | コメント (0) | トラックバック (0)

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日付け → →August 8, 2009

そこのけそこのけオバマ王が通る。組合暴力団員を送り込んで反対派を暴力で弾圧する独裁者オバマ

読者の皆様、更新が遅れ勝ちなことをお詫び申し上げます。一ヶ月ほどハワイ出張をしておりまして、またこの日曜日から東海岸のほうに二ヶ月研修出張に出かけます。更新が希薄にならないようにがんばりますので諦めないでつきあってください。

オバマ王は社会主義促進のひとつとして、健康保険の完全国営化法案を民主党議会と一緒になって押し進めているが、最近そのやり方がかなり卑劣になってきた。

今アメリカの議会は夏休みなのだが、この時期は下院議員達が地元に帰って有権者の人々に自分らの政策に対する理解と支持を仰ぐのが常である。そこで民主党議員たちは地元で有権者を集めた町内集会を開き、民主党の国民保険について色々と説明会を行っている。

ところが、民主党の説明会であるにも関わらず、各地の町内会で集まった有権者から国民保険について批判的な質問が相次いで議員達に浴びせられている。政策案を吟味してきた有権者からの質問の嵐に耐えきれず、会場から逃げ出す議員達も出て来た。また、会場に入りきれない抗議者達が会場の外側でプラカードなどを持って平和的な抗議運動をする姿もみられるようになった。

このままではいけないと感じた民主党は、町内会での抗議運動は共和党の差し金だとか、共和党に雇われたヤクザ者が町内会を妨害しているという内容のビデオを作成。ネットやラジオなどで流し、国民保険に対する反対意見や平和的に行われている抗議運動が、あたかも過激派右翼の仕業であるかのような情報操作運動を始めた。

ホワイトハウスのジム・メシナ副参謀長官は「なぐられたら、その倍の力で殴り返せ」と民主党議員達を煽り、またオバマ王自身も「もともと問題をつくった者たちの意見など聞く耳もたん、ぐだぐだと邪魔せずに道を開けろ」と演説をぶった。反対意見は黙っていろというわけである。

オバマ政権は単に言葉で反対派を批判するだけでなく、町内会にあつまる反対意見者を牽制するため、労働組合の暴力団員を各町内会に送り込み、抗議者が声を上げると暴力で意見を阻止する強硬手段に出た。すでに何件か民主党に雇われた暴力団員が抗議者を病院おくりにするような暴力をふるって逮捕されるという事件が相次いで起きている

フロリダ州のタンパ市郊外で行われた町内会では、1500人という予測以上の有権者が集まり、会場に入りきれなかった市民と主催者側との間で戸口付近でもみ合いがおき、その様子を取材していたフリーランスのカメラマンがカメラをもぎ取られるといういざこざが起き、巻き込まれた男性の衣服が引き破られるなどした。

ミズーリ州のセントルイス市では、健康保険案反対派と賛成派との間で殴り合いが起き、傷害の疑いで6人が逮捕された。警察から質問を受けた反対派の抗議者の男性は、「私を踏みつけるな(Dont Tread On Me)」という旗(アメリカがイギリスから独立した革命運動の際に使われた自由を象徴する旗で、現在は米海軍や海兵隊などでも使われている)を配っているところを逮捕された6人のうち一人から暴行を受けたと証言した。

主流メディアはこれらの集会で起きている暴力沙汰がいかにも反対派と賛成派とのあいだの小競り合いが元で双方から起きているかのように報道しているが、実際には反対派の抗議者を民主党が送り込んだ労働組合の暴力団員が一方的に暴力をふるって弾圧しているのである。組合員に殴る蹴るの暴行をうける抗議者の姿はこちらでみることができる。暴力をふるっている男の青いTシャツにはSEIUという組合の名前が印刷されている。

アメリカのリベラルや左翼連中は何かとブッシュ前大統領をヒットラーに例えて、ファシストだのなんだのと呼んでいたが、ナチス党さながらのブラウンシャツ隊さながらの暴力団員を町内集会に送り込んでオバマ王の政策に反対する有権者に殴る蹴るの暴行をふるわせるオバマ王のやり方は初期のナチス党のやり方となんらかわらない。

しかし、主流メディアの大本営報道による情報操作がこれだけ執拗に行われているにも関わらず、民主党登録の有権者の間からですが、健康保険完全国営化案への支持は激減している。それだけでなく、最近ではオバマ王の支持率は下がりつつあり、オバマのやり方に強く批判的であると答えた人が強く支持する人に比べて38:33で上回るという結果が出ている。

いつまでも「イエス、アイキャン」だの「希望」だ「変革」だのとおぼろげで実態のないスローガンを繰り返しているだけではアメリカ市民を騙しおうせることは出来ないということだ。

独裁者オバマ王よ、アメリカ市民を馬鹿にするな!

August 8, 2009, 現時間 10:11 PM | コメント (0) | トラックバック (0)

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