日付け → →April 30, 2007
あんぽんたんが語る安倍首相訪米の意義
1984年からずっと日本在住の日英語通訳、国籍不明のあんぽんたんことビル・サコビッチ(Bill Sakovich)君のブログで今回の安倍首相訪米が持つ意義が議論されているので紹介したい。
先ずビルは今回安倍さんのアメリカ訪問はこれまでとはかなり違うと言う。安倍首相は、これまで日本がとってきた柔な姿勢はもうとらない、戦後はもう終わったのだ、21世紀に向けて強き日本をみよ!とはっきり独立宣言をしたのだと言い切る。
言っておくがこの日本人は自分の主張をやんわりと遠まわしな言い方で表現した。しかしこの日本人はやんわりと遠まわしに「ほっとけ!」と言う達人でもある。
さすが日本に20年以上も在住しているだけあって解ってらっしゃる。先ずはビル君が引用しているのは安倍さんキャンプデイビッドの首脳会談でしたこの発言。 元の日本語発言の資料がないので英語からの逆翻訳になったことをご了承いただきたい。
「大統領にもご説明いたしましたが、我が内閣の使命として私は日本が戦後体制からの脱却を目指します。その目的のひとつとして、日本の周辺の安全環境が大幅に変化していることに対応し、私は訪米前夜、わが国の国防に利益あるよう合法的基盤を改正する目的でブルーリボン委員会設けました。」
これは具体的にはどういう意味を持つのか、あんぼんたんことビル君に説明してもらおう。
平たく言えばだ、「第二次世界大戦は終わったんだよ。俺達が戦後みてえな自虐的な行動をすると思ったら大間違いだぜ。おれたちがよ外国がなんだかんだ言う度に這いつくばっておべんちゃら使ってた時代は終わったんだよ。かつては二カ国間交渉で他国が帝国日本の所業を持ち出す度に後退したけどよ、そういう時代は終わったんだよ。俺たちゃ60年もおとなしくしてきたんだぜ、お前らの何倍も責任ある行動をとってきたんだよ。ほんでもってものすげえ額の血税を国際社会に貢献するため使ってきたんでえ。今後国際社会でまともに扱われねえなんてことは承知しねえ。おう、それからよ、戦後にピョンヤングとかから俺達が攻撃されても正当に防衛できねえように無理やり飲まされた憲法だがよ、改正すっからな、そのつもりで。」とまあこういう意味だ。
すごいなあ(笑)。本当に安倍さんはそんなこと言ったのか? さて、問題になってる慰安婦問題にしてもビル君は安倍さんが強気で反撃したと語っている。安倍さんの言葉はこれだが、
「人間として首相として心から同情し申し訳ない思いだ。21世紀を人権侵害のない世紀にするため努力する」
これについてもビル君の分析は鋭い。
この謝罪は戦争中に「女性たちを強制的に性奴隷にしたこと」にではないことに注目。事実首相は単にニューヨークタイムスが数ヶ月前間違って記述して問題になった、経済的な理由などで朝鮮の女性が強制されたと感じたような状況は悔やまれるべきである、という発言を言い換えただけに過ぎない。
言い換えれば安倍首相はキャンプデイビッドでみんなの前にたって(ニューヨークタイムスも含む)全く同じことをいっただけなのに、今度は賞賛されたってわけだ。
しかも笑っちゃうのは、慰安婦問題日本謝罪決議案の提案者であるマイク本田議員すら、ちゃっかり安倍さんの言い回しに騙されて納得してしまったと言う点だろう。実はカカシもさっき本田議員のホームページでこの声明を読んだばっかりだった。
「安倍首相の発言の理論的な延長として、首相の個人的な感情を通して日本政府が公式に間違いのない表現をしたと受け入れられます」
ビル君は本田議員はちゃっかり安倍首相に手玉にとられたのだと言う。本田議員の政治的な立場などこんな拘束力のない議決案を通してみても何の意味もない。だが、本田議員は韓国系アメリカ人の票は獲得できたし、中国政府の息のかかった市民団体からも多額の政治献金をもらったみたいだから笑いが止まらないといったところだろうか。(私は本田議員が日系人だから日本の味方をすべきだなどという人種主義的なことを言う気はないが、中共がコントロールする市民団体がその意味を無視したと思うならナイーブというものだ。)
ところで、昨日のPBSのインタビューでも出た、安倍氏は保守派の基盤からの支持を失うのを恐れて国粋主義的な発言を続けているのではないかという懸念についても、ビル君はそうではないといい切る。
安倍首相は自民党にとって一番重要な立場として過去15年間今日の日本の政策を形成してきた人物である。彼は他人に恩を着せられているような人ではない。...
これは日本の長い伝統だが与党は特定の任務を遂行するにふさわしい総理を任命することになっている。このやり方は真珠湾攻撃の前からのものだ。しかし当時は政権は短生命であり狭い任務が終わり次第解散していた。首相は国民からの人気によって選ばれたわけではない。
今日でも安倍内閣の役割を考えると昔と同じ方針が貫かれていると私は思う。自民党は特定の任務を果たす意思があり、その目的達成のために安倍氏を選んだのだ。そして彼こそがその目的を党のなかで推し進めていた人に他ならない。それには憲法改正、防衛庁を内閣の防衛省へと昇進させる、(すでに任務完了)そして第二次世界大戦の章を閉じる。彼らはこの任務完了までには数年かかると気がついている。
しかし、ビル君いわく、アメリカの主流メディアは安倍首相の主旨を完全に読み間違えたのだと言う。カカシが思うにアメリカのメディアが安倍氏の真意を理解できなかったというなら、かえってそのほうが日本にもブッシュ政権にも都合がいいと思う。だがすでにアメリカメディアは安倍首相を国粋主義の右翼と決め付けていることでもあり、今後日本が憲法改正だの核武装だの言い出したら、なかなか難しいことになるだろう。
April 30, 2007, 現時間 4:36 PM
| コメント (3)
| トラックバック (0)
エントリーが気に入ったらクリックしてください。
日付け → →April 29, 2007
犯罪者の国籍、人種、宗教は公開すべきか?
この間のバージニア工科大学乱射事件の犯人が韓国系移民だったことから、AAJA(Asian American Journalists Assoication)というアメリカの東洋人ジャーナリストでなりたつ団体が犯人を「東洋人」と報道するのはやめるべきだと声明文をだした。要するに大量殺人鬼が東洋人だとなると東洋人のイメージダウンになるというわけである。
東洋人が何か社会的貢献をした場合にはやたらに「東洋系アメリカ人」と強調するくせにまったくのダブルスタンダードというものだ。だいたいチョーなんとかなんていうヨーロッパ系移民がいるか?名前だけで韓国人なのは一目瞭然ではないか、ばかばかしい。
主流メディアが犯人の国籍、人種、宗教を報道する場合に、その姿勢は全く一貫していない。例えば数カ月前にアメリカでおきたショッピングセンターでの乱射事件では犯人がイスラム教徒であったことがずいぶん長いこと明らかにならなかった。フランスでバス放火をして若い女性を大けがさせた犯人たちもイスラム系移民のギャングたちだったのに、「ヨーロッパ系でない移民の若者」とかいう遠回しな言い方をして地元イスラム教徒の神経を逆撫でしまいという気遣いがされていた。
しかしオーストラリアで白人が暴動を起こせば、「ケルテック系オーストラリア人」(注:celticとは英国のアイルランド、スコットランド、ウェールス系の人種をさす)と明記。ユダヤ教徒がモスクでも落書きした日には「ユダヤ人ユダヤ人」と大騒ぎになる。
私は、だいたいからして、ある犯罪をおかした人物の国籍だの人種だのでその人間の属する社会全体を白い目でみるような人種差別的な考えに問題があるのであり、報道すること自体に問題があるとは思わない。ある日本人がイギリス人女性を殺したら、日本人は皆猟奇的な殺人鬼だなどと思う人がいたらその人の神経がおかしいのだ。
ただ宗教の面においては、イスラム過激派によるテロリスト問題があるので、犯人の行為がテロなのか単なる個人の犯罪なのかを識別する意味でそれなりの判断はされなければならないが。また外国人暴力団による犯罪などがあった場合には犯人がどのような犯罪グループに所属しているのか突き止める必要もある。
私が長々と前置きを書いている理由は、「博士の独り言」さんが批判を受けている長崎市長殺害事件の話をある左翼ブログで読んだことにある。博士はある情報源から犯人が在日韓国人だったという情報を得てそれを発表した。左翼ブログによると博士は、犯人が在日韓国人だったとして、バージニアの件といいこの件といい韓国人は暴力的だというような書き方をしたとある。もし博士がそのような書き方をしたのなら問題はあるが、しかしこの反響はそういうものではないというのが私の印象だ。
博士を攻撃している人々は、犯人が「朝鮮系移民の子孫」だったという報道が気に食わないのである。これは非常に人種差別的な考え方だ。犯人の祖先がどこの国の人間であろうとどうでもいいことではないか。たとえ彼が在日でもほかの在日韓国人に関係はないはずだ。祖先が同じ民族だということと個人の犯罪と何の関係があるのだ?
この間のイギリス女性が殺された船橋は私の故郷であり、あのあたりの英語学校には私も父も通ったことがあるし、知り合いのアメリカ人が何人か英語講師をしていたこともあるので他人事という気がしない。正直こういう事件で故郷の名前が出てくるのは個人的に非常に気分が悪い。しかしだからといって殺人犯が船橋市民だからといって船橋出身のカカシになにかしら否定的な影響があるなどということは全くない。当たり前のことだが他の船橋市民全体についてもこの事件の責任は全くない、当たり前だ!
だから私は左翼系ブログは博士への批判を取り違えていると考える。犯人が実際に在日であったかどうかということなど、ハッキリ言ってどうでもいいことのはずだ。その情報源がなんであろうとそんなこともどうでもいいはずだ。もし彼等が博士のいったことに抗議したいのであれば、「たとえ犯人が在日だったとしても、そのことで在日全体を侮辱するのは人種差別だ」といえば済むことなのだから。
私は犯人の国籍・人種・宗教がある特定の人々の場合には報道してはならないという考えには全く賛成できない。ましてやそれが地元人権団体などの圧力に負けてのことならこれは言論や報道の自由の妨げになる。
大事なことは我々が個人の行いの責任は個人にあると認識することである。偶然我々と血液や出身地を共有した人間が個々になにをしようとグループ全体には何の責任もないし、他の個々とも全く無関係だ。そのことさえ理解できれば、犯罪者がどこ出身の何人であろうと我々が常に警戒心を持つ必要はないのである。
April 29, 2007, 現時間 4:06 PM
| コメント (0)
| トラックバック (0)
エントリーが気に入ったらクリックしてください。
古森義久慰安婦問題の裏にある諸外国の陰謀を説く
昨日アップデートでちょっと紹介した産經新聞ワシントン支部の編集員、古森義久氏のアメリカの公共放送PBSとのインタビューを今日じっくり見て、以前にミスター苺が言っていたのとほぼ同じようなことを古森さんも言っているのを聞いて感動してしまった。ともかくそのインタビューの一部をさっき書き写したので掲載しよう。
まず最初のほうは司会者のファリード・ザカリア(Fareed Zakaria)が安倍首相の慰安婦問題に帝国軍は直接関与していなかったという発言についてどう思うかという質問から始まった。古森氏は軍が契約を結んでいた業者らによる強制はあったかもしれないが、それは軍の公式な政策ではなく軍自体が女性らを強制連行したという事実はないとした。しかし売春宿などの施設を軍が提供していた事実はあるのではないかという質問に、古森氏は確かに軍はインフラを提供した。それはいけないことだったと語った。下記はその続きである。
古森:軍は施設を提供した。そしてそれが悪いことだったと認めた。
FZ:なぜそれらの謝罪は受け入れられなかったように見えるのでしょうか。韓国や中国からは真の謝罪のように受け入れられていないようですが。
古森:日本の周辺には謝罪を快く受け入れられない事情があることを分かって下さい。過去14〜15年、歴代の首相たちが個人的にも正式にも謝罪してきたが(彼等には)不十分でした。中国や韓国は米の決議案にたいして(日本は)謝罪しなければならないと言っている。ハードルは常に高くなっている。
しかも思い起こして下さい。これは戦争という結果でありすでに罰せられている。死刑になっている。我々は賠償金を支払い戦争犯罪人は裁判にかけられ死刑となった。国民全体が戦勝国に屈服させられた。第二次大戦の勝者に屈服するしかなかった。死刑、賠償金、サンフランシスコ講和条約、それはあなたがたもご存じのはずです。
それで私たちにはこれ以上何ができるのでしょうか?これは日本人へのあら探しです。彼等はネチネチと人のあら探しをやってるんです。
私が日本人の慰安婦問題を要約すればこれは二重訴訟であり、二重基準であり、人種偏見なのです。
なぜ我々は大戦中の出来事に対して永久に責任をおい続けなければならないのですか? 2〜3世代前の人たちがやったことに対して何故今の人たちが責任をおわなければならないのですか?我々はこれが悪いことだって認めてるんですよ。我々はそれに対して再三謝罪し、それがまだ十分ではないといわれている。金を払ったら払ったでそれが不十分だと言われている。
今の日本を見て下さい。本当に民主的な国家で民主主義を重んじ人権を重んじている。我々は国際援助やその他の形ですばらしい人道的な国際貢献をしてきている。何故その我々が攻撃されなければならないのか、道徳的に劣るとたしなめられなければならないのですか?
FZ:あなたは人種差別といいますが、それらの攻撃は韓国や中国からのものです。アメリカは公式的にはこの問題について静観してきたんじゃありませんか?
古森:あなたねえ、アメリカの下院で何がおきているのかよく見て下さいよ。
FZ:いや、しかし、ホワイトハウスは日本を責めたりしていませんよ。それは中国と韓国です。...
古森:いまその非難はアメリカからのものです。ニューヨークタイムス、ロサンゼルスタイムス、ボストングローブ、、、彼等は日本を叩き、日本の首脳陣を叩いています。まるで日本人の遺伝子のなかに生来ながらの邪悪なものでもあるかのように。それらの事件が起きた当時の人間は今は誰もいないんですよ。 ...
FZ: ...なぜ安倍首相はこの問題についてこのような発言をしなければならなかったのですか?彼の支持基盤からの支持率低下を懸念して、自分の支持率を引き上げるひつようがあった、右翼的な支持率基盤とか、、
古森:いいえそれは明確に違うといっておかなければなりません。安倍首相はただ単に日本人記者の質問に答えただけなのです。その質問とはアメリカ下院での慰安婦決議案に関してだったわけです。我々の疑問というのは、なぜ今この問題をアメリカが取り上げなければならないかということです。我々はこの問題になんら発言をしてこなかった。ただそれおがアメリカ下院の決議案があったがゆえに安倍首相は発言しなければならなかった。なぜならこの決議案はきわめて不公平であり何かしらの国家としての謝罪まで求めている。そして安倍首相がいったことは自分は謝罪をしてるんだと、だからもうこれ以上謝罪する必要なんかないんだと、、
(中略)
FZ: 日本はどうやってこの問題から抜け出すのですか?日本が常任理事国の席を獲得しようとしたとき、私は日本への支持の少なさにあぜんとしました。支持表明をしたのはアジア中でシンガポール一国でした。日本が何百億もの援助ををこれらすべての国々にしてきたにもかかわらずです。中国だけでも300億ドル(3兆6千万円)も援助してきているにも関わらずですね。日本は大戦中におこった出来事に縛られているようなイメージです。そうした呪縛からどうやって抜け出すんですか?...
古森:過去50年間、日本人の態度というものは政府と同様、ただ我々の民主的な性質や人道的な政策をみせること以外には非難に対して何の反論もしてこなかった。
しかしそれは何の役にも立たなかった。だから今後は日本の首脳陣や日本人がはっきりと発言するのを見ることになるでしょう。例えば軍による慰安婦にかんする軍の決定や政策は一切なかったこと、たとえ彼女たちが強制があったと言っても日本は強制していない、とか。しかし私が思うに人々はもっと堂々と発言する必要があるのだと、対話をし、議論をし、ディベートを戦わす、どんな攻撃にも静観するとか善行だけでは何もなし得ないと思います。
今、日本人の間にはとてつもない失望間と悲しみと反感が鬱積しています。あなた方は新しい日本をみているのかもしれない。なぜならばすでに日米関係に由々しき亀裂が生じはじめているのですから。プライドを持った人たちがそのプライドを傷つけられたと感じるとき、精力的に同盟関係を擁護してきた人々や、アメリカ的な民主主義に忠実な日本人に対しての絶え間なく向けられる非難...
マイク・ホンダ議員は中国人たちから莫大な政治献金を得ています。中国人活動家たちは中国の国家と連帯している。非常に面白いことに朝鮮の多大な協賛もある。だから私はこれが去勢、弱体化された日本を維持していこうとする特定の国による外交的な操作だと理解できるのです。
彼等は日本をまるでなにかしらの遺伝子学的に邪悪でありなにかしら劣悪な民族であるかの如く国と民族を描こうとしている。そう私は強く感じています。
私も古森氏の意見に全面的に賛成だ。これは慰安婦問題というより、慰安婦問題を梃子にして中国や朝鮮の共産主義者と韓国の左翼が一緒になって日本とアメリカとの友好関係に亀裂を生じさせようという陰謀だ。なぜならこれらの共産主義及び社会主義国家にっとて強い絆を持つ日米同盟は目の上のたんこぶだからである。
私は特に日本の反米右翼の人々に訴えたい。共和党の支配するアメリカは軍国強化を望む日本保守派にとって強い味方なのだ。今後対テロ戦争や北朝鮮核兵器開発阻止、中国の台湾問題など世界中の国際紛争のなかでアメリカにとって強い日本は必要不可欠な存在なのである。それをアメリカ左翼や中共や韓国などの策略によって日米関係に亀裂を生むなどまさに敵の策略にはまるも同然である。
アメリカのメディアや民主党がコントロールする議会などの日本叩きにだまされてはいけない。これらの人々はブッシュ政権の敵でもあるのだ。このインタビューの司会者もいっているように、ホワイトハウスは慰安婦問題で日本を責めるようなことは何もいっていない。先日の安倍氏の謝罪に対してもブッシュ大統領は誠意のこもったものだと評価して、その問題は解決済みという態度をとっている。
日本政府もそして日本国民も、今後は遠慮せずに慰安婦問題はもう解決済みであり、戦時中の罪は戦時中の人々がすでに償った、我々現代人には関係ない、これ以上謝罪するつもりはない、と声を大にして反論していくべきだろう。こちらの善意がわかってもらえるなどという受動的な考えは甘い。今後は能動的に積極的に日本の立場をはっきりさせ、米共和党政権ともこれまで以上に強い連帯の絆を結んでいくべきなのだ!
April 29, 2007, 現時間 2:33 PM
| コメント (3)
| トラックバック (0)
エントリーが気に入ったらクリックしてください。
日付け → →April 28, 2007
安倍氏を国粋主義者と警戒するニュースウィーク誌
アップデートあり。後部参照
どういういきさつで私がきっこの部屋へ行き着いたのかよく覚えていないのだが、そこで日経BPネットのこんな記事を見つけてしまった。
米メディアが警戒する安倍首相初訪米の中身、立花隆著
今週の「Newsweek」英語版(4月30日号)を手に取った人は、ちょっとドキッとしたにちがいない。なにしろ表紙は安倍首相の大写しの顔で、そのわきに、“Face-Off”(対決)の大見出しが躍り、「アベは外交問題でも歴史問題でも強硬路線をとるようになった日本の立場を擁護する」というキャプションがついている。
“ナショナリスト”シンゾー・アベ
中をめくると、1ページ丸々使った大きな写真の安倍首相が登場するが、今度は安倍首相の顔は1円玉ほどの大きさしかなく、写真の大部分は、日章旗の赤い丸の部分を大きく引きのばして、安倍首相が体よりも大きな日の丸を背負ったような構図になっている。
防衛大学の卒業式で演説をしている姿を撮ったもので、「ナショナリスト」というタイトルがついている。
その反対側の面には、「日本の重荷(The Burden Of JAPAN)」という大見出しの記事が載り、朝鮮人従軍慰安婦十数人の写真がズラリとならべられた大きなパネル写真が記事の中央にかかげられている。...
しかし、今回の英語版と日本語版のちがいはあまりに大きい。...とにかく、記事全体から受ける印象がまるでちがう。
アメリカ版のシンゾー・アベ首相のイメージは、ちょっとイヤな感じのする、警戒すべき国粋主義者(ナショナリスト)である。...
先にあげた、大きな日の丸の写真と、従軍慰安婦の写真がならんだパネル以外に使われているもう一枚の写真は、昨年相模湾で行われた海上自衛隊の観艦式において、護衛艦の上でキラ星のごとく居ならんだ海上自衛隊の将官たちにかこまれて、大元帥さながらに黒いハットを胸にあてて堂々の自衛隊艦船の観閲式を行っている安倍首相の姿を映した写真である。
以上3点の写真と見出しなどから受ける印象は、一言でいうならミリタリスト・アベ(軍国主義者安倍)のイメージである。
大元帥さながらにポーズとる安倍晋三首相
慰安婦の写真を載せている「日本の重荷」と題した記事のほうでニュースウィークは安倍首相について、日本の戦争犯罪を過小評価する教科書を押す「愛国教育」グループの創設者で自身も歴史修正主義者であり、東京裁判の採決を拒否した過去もある、と国粋主義者としてのイメージを作り上げている。
しかし立花氏が感想を書いているのはニュースウィークが行った安倍首相との独占インタビューのほうである。
まず、立花氏が引用したニュースウィークのこの部分だが、
「アベは心の底では保守派のナショナリストであり、繰り返し日本独自の立場を主張しようとしている。しかし、周辺諸国はまだ日本のそのような主張を受け入れる心の準備ができていない」
「日本の戦争責任を否定する歴史修正主義者は、平和憲法の改正をめざしている。もっと攻撃的な外交政策を可能にし、国際社会での発言権を強めるためだ。こうした動きや、慰安婦問題をめぐる安倍晋三首相の言い逃れは、当然のことながら近隣諸国の神経を逆なでしている」(フィル・ディーンズ テンプル大学教授)
これに対して立花氏は「警戒心をもって日本を見守る近隣諸国」のなかにはアメリカも含まれていると言う。パールハーバーで始まった太平洋戦争の主要敵国が日本だったことをアメリカはいまでも忘れておらず、安倍氏の憲法改正発言などはかなりの警戒心を持たれているというのだ。
ではニュースウィークが警戒している安倍氏の発言とはどのようなものだったのだろうか?
質問:首相はもっと強健な軍隊を持ちたいとのことですが、それは軍事を防衛のみに規制する憲法9条を改正するという意味ですか?
安倍:憲法が設立されてからすでに60年がたっています。憲法のなかにはすでに現在に適さない項目がいくつもあります。ご存じのように現在の憲法は日本が占領下にあった時に考案されたものです。大事なのは21世紀においてわが国がどのようにあるべきかという我々の考えが反映した憲法を我々日本人が書くべきだと思います。
質問:ご存じのように首相の「慰安婦」に関する発言はアメリカでは抗議で大騒ぎになりました。首相は本当に帝国軍は朝鮮や中国の女性を強制的に兵士らのセックスのためにあてがったプログラムはなかったとお思いですか?
安倍:戦時中に慰安婦として連行された方々には心から同情の念を評させていただきます。私は一人の人間として同情の念をあらわしたい。また日本の首相としても彼女たちに謝罪する必要があります。 20世紀は人権が世界のあらゆる場所で迫害された世紀でした。そういう意味で日本もこの重荷を一緒に背負わなければならない責任があると思います。我々は自らの歴史を自省してみつめ自らの責任を常に考えなければならないと思います。
立花氏はニュースウィークによる安倍氏の批判的な記事の「社会的影響力は一流の新聞より上だ」とかたっている。だから安倍氏がニュースウィークで国粋主義者とレッテルを張られるような発言を繰り返したことで日本のPRになるどころかその正反対になったと氏は語る。
安倍首相とその閣僚たちがこれまでなにかというと弄してきた右翼ナショナリスト的言辞を今後とも吐きつづけているとどうなるか。安倍首相はじめ歴代の自民党首脳のすべてが言いつづけてきた「日本にとって何より大切な二国間関係」であるはずの日米関係をどんどん悪くする方向にいってしまう恐れが十分にあるのである。
さて、ここでちょっと明確にしておきたいことがある。確かにニュースウィーク誌は安倍首相を国粋主義者で軍事強化を願う軍国主義だという印象を与えるような記事を書いてはいるが、ニュースウィークの声はアメリカ人の意見を代表しているわけではない。
カカシが何度も指摘しているようにアメリカの主流メディアはかなりの左よりであり、ニュースウィークもその例外ではない。彼等が誰かを右翼だと批判する時には「左翼のメディアよりも」という注意書きを念頭に置いておいたほうがいい。
左翼のニュースウィークにしてみたら保守派の安倍首相が気に入らないのは当然である。それ自体は日本にとって悪いことではない。慰安婦問題にしたところで、ニュースウィークが騒ぎ立てるほどアメリカでは評判になっていない。以前にも書いたが私は日本の記事を読むまでアメリカの下院で慰安婦問題がとりあげられていたということさえ知らなかったくらいだ。ニュースジャンキーの私が知らなかったくらいだから、そのくらい慰安婦問題などアメリカでは関心がないのである。
ましてや北朝鮮の核開発で本物の国粋主義軍事独裁政権の脅威が取りざたされている時に強気の日本首相が多少勇ましいことをいったからといって警戒するアメリカ人などいない。
ではなぜニュースウィークはこのような記事を書くのか? それは立花氏がいうのとは反対にアメリカと日本の仲が悪いからではなく、安倍政権がブッシュ政権にとって非常に大切な味方だからなのである。
北朝鮮との交渉問題にしても今後の対テロ戦争にしても、日本はアメリカにとって非常に貴重な同盟国だ。安倍首相のような鷹派はブッシュ大統領にとっても頼もしいはず。そこが左翼のニュースウィークには気に入らないわけだ。ブッシュ政権を擁護すると思われる政権はすべて敵とみなす、それが左翼主流メディアのやり方なのである。
だから立花氏には悪いが、安倍首相はこれまでのレトリック変える必要などない。彼のそのような姿勢がアメリカとの仲を険悪にするなどということはない。慰安婦問題を持ち出されたら今回のように当時は世界各地で人権が迫害された、とか日本は過去の過ちを悔い改め民主主義国家として生まれ変わったが、中国や北朝鮮では未だにひどい人権迫害が行われていることを指摘し、そういうことで過去の日本を責めるなら現在の共産主義国家への責任も問うべきだと反対に逆手にとってしまえばいいのである。
今後も安倍首相はアメリカ左翼のメディアに叩かれ続けるだろう。だが、アメリカだろうが日本だろうが左翼に遠慮する必要などない。今後もがんばって日本を「美しい国」にするよう努力していただきたい。
アップデート:木走正水さんとこで、ブッシュ大統領と安倍首相の対談についての朝日新聞の報道を批判する記事があるのでご参照のこと。
まず、朝日新聞よ、記事のタイトルやリードで、安倍さんが慰安婦問題でブッシュさんにドケザして侘びを入れたみたいな、あざとい印象操作をするんじゃありません、読者が誤解するでしょ。真実を忠実に伝えてください。(注:強調はカカシ)
次に、ブッシュさんよ、なんで従軍慰安婦問題と何も関係ないアメリカ大統領が安倍首相の謝罪を当事者みたいに「受け入れ」ちゃうんですか。
ブッシュ大統領は謝罪を受け入れたのではなくて、安倍氏の誠意を評価すると言っただけなのでは? これも朝日新聞のわい曲報道のなせる技だ。
アップデート2: 産經新聞の編集長小森良久氏がアメリカの公共放送局PBSで慰安婦問題についてインタビューを受けている。Occidentalismでビデオにリンクがつながる。日本語の字幕がついているので英語が駄目なひとでも大丈夫。
アップデート3: さっき近所の本屋さんでニュースウィークを立ち読みしたが、表紙はバージニア乱射事件を現す銃弾の跡の写真で、中も乱射事件の特集がほとんどを占め、安倍首相に関する記事はたった一ページのインタビューだけ。写真もここで載せた一枚だけで、慰安婦問題の記事は全く載っていなかった。これはアメリカ版だからなのかもしれないが、少なくとも安倍首相が国粋主義者だという記事は載ってなかった。乱射事件のせいで安倍氏に関する記事が大幅に削られたのかもしれない。国際版でも表紙は同じようだが、中身は違うのだろうか?
April 28, 2007, 現時間 1:04 PM
| コメント (0)
| トラックバック (0)
エントリーが気に入ったらクリックしてください。
日付け → →April 26, 2007
なんでも反対とにかく反対日和見主義の米民主党
さっき、リーバーマン議員の演説の一部を訳し終わってミスター苺のブログを読んでいたら、私は後半の肝心な部分を読みすごしていたことに気がついた。大事な点なのでリーバーマン議員の演説続編としてご紹介しておこう。
月曜日の演説のなかで多数党リーダー(ハリー・リード)はイラクにおける新しい作戦を説明しました。その第一歩として彼は「アメリカ軍を内乱を警備する任務から解き,イラク軍を武装し訓練しアメリカ軍を守ることに移行し、標的を絞った対テロ作戦にいそすむべし」と語りました。...
(中略)
ここにもうひとつの皮肉があります。過去四年間に渡ってラムスフェルド国防長官の下、アメリカはイラクの基礎的な警備を確立しようとしませんでした。イラクの人々を守るのに必要な軍隊を出動させず軍事の焦点をイラク軍の武装と訓練にあて、我が軍を守り、標的を絞った攻撃をしてきました。言い換えれば我が軍はまさに今、我々の前に提示されたこの議案の提案そのものの作戦を取ってきたのです。
この作戦は失敗しました。そして我々は何故失敗したかを知っています。我々が警備に必要な充分な軍隊を派遣せず、アルカエダやその味方たちがすり抜ける穴を作ってしまったからです。敵は警備の手薄な場所に踏み入り恐ろしい暴力を振るい、経済や政治の発達が不可能な恐怖と不安に満ちた状況を作り上げてしまったのです。
もう何年も議会の多くの皆さんがこれに気がついていました。我々はこれについて議論してきました。我々はもっと多くの軍隊を送れと呼びかけてきました。そしてやっと...ブッシュ大統領も政権の間違いに気づき、考えを変えてイラクの基礎的な警備を守る必要性に気づき、新しく国防長官を選び、イラクに新しい司令官を備えてくれたその今になって、これまで大統領のやり方を批評してきた議員たちは突然考えをかえてこの失敗した作戦はそんなに悪くなかったというのです。
いったいどうなっているのでしょうか?2006年に我々が批評し拒絶した作戦が、どうして2007年の今日突然良い作戦だということなるのですか?
何が起きたかと言えばブッシュ大統領が考えを変え作戦を変えたことだ。民主党は最初からイラクでどうやって勝つかなどという作戦は持ち合わせていなかった。なんでもかんでもブッシュ大統領のやっていることを批判していたにすぎず、それが本当にイラク勝利に結びつくかどうかなど全く関心がなかったのである。だから今ブッシュ大統領が批判に答えて民主党議員らが要求していた通り増派作戦を取り入れると、今度はその正反対の事を言い出しこれまでの作戦をつづけるべきだとがなりたてる。なんでも反対とにかく反対としかいえないから自分の立場が過去と現在とで矛盾していることにすら気がつかない。
ミスター苺いわく、民主党は日和見主義の風見鶏だ。
April 26, 2007, 現時間 9:59 PM
| コメント (0)
| トラックバック (0)
エントリーが気に入ったらクリックしてください。
非国民米民主党議会降伏議決を通す、リーバーマン議員の演説
本日民主党が多数議席を占める上院議院においてイラク撤退降伏案が51:45で通った。共和党の裏切り者はオレゴン州のゴードン・スミスとネブラスカ州のチャック・へーグル。無所属で元民主党のジョー・リーバーマン議員は反対票を投じた。
ジョー・リーバーマンはアル・ゴアのパートナーとして民主党の副大統領候補にまでなったほどの忠実な民主党議員だった。しかしことイラク戦争に関してはアメリカは絶対に勝たねばならないという姿勢をずっと崩していない。そのせいで極左翼大富豪のジョージ・ソロス氏が創設したムーブ・オンという市民団体に責め立てられコネチカット州の上院議員民主党候補の座を奪われた。しかしリーバーマン氏は無所属として立候補し見事上院議員に当選して今に至る。
そのリーバーマン氏が今回の議決案について非常にすばらしい演説を行ったのでその一部を紹介しよう。本文はPower Line参照のこと。
道徳上意味をなさない
月曜日の演説のなかで多数党リーダー(ハリー・リード)はイラクにおける新しい作戦を説明しました。その第一歩として彼は「アメリカの内乱を警備する任務から解きイラク軍を武装し訓練しアメリカ軍を守ることに移行し、標的を絞った対テロ作戦にいそすむべし」と語りました。
しかし皆さん、一歩下がってこの計画がどういうものなのか考えてみてください。アメリカ軍が「内乱を警備」せず、任務を狭く規制するとはどういうことなのでしょうか?まず、これはイラク市民が反乱分子や民兵らに脅かされ殺されても我が軍は彼らを守ることが許されなくなるのです。ペトラエウス将軍が主張するどのようなゲリラと戦う場合でも基礎的な警備保障に焦点を集中させる代わりに、兵士らはこの提案された法律によって宗派間争いが周り中で起きていても、それがどれほどひどいものでも全く手出しをしてはならないということになるのです。
つまり、これは意図的に意識して民族浄化や女子供が宗教が違うというだけで無実の市民が大量虐殺されるのに背を向けよと言うのです。つまり1990年代にユーゴスラビアで我々が介入した自らの政策に、そしていまでも我々の多くの人々がダルフールに介入せよと呼びかけるその政策に、背をむけよというのです。
これは道徳上全く意味をなしません。
またリーバーマン氏はアルカエダの狙いはイラク内乱なのであり、そのためにゴールデンモスクを爆破しシーハ派民兵の暴力を誘発したとし、内乱を止めずにどうやってアルカエダと戦うのだと問いかける。
軍事的に意味をなさない
多数党リーダーは月曜日、この作戦でもアメリカ軍は「標的を絞った対テロ作戦」を行うことができると言いました。イラクの内乱を止めなくても悪者を退治できるというのです。しかしもう一度伺いたい、これは戦地での作戦にどのような意味を持つのでしょうか?正規軍のように基地に集結しないテロリストをどうやって探し出すのですか?
標的を絞った対テロ作戦は必然的に我が軍が何処で何時彼らが攻撃をしかけるのかを知る必要があります。そのためには正確で行動可能な現時間での情報が必要です。こういう情報は一般のイラク人からしか得ることは出来ません。ということはイラク人と日常個人的な密接な交渉を持つことが必要なのです。そうやたて彼らの信頼を得、我々に価値ある情報を提供することで自分達が我々に守ってもらえると納得してもらってこそ個々のイラク人が我々の側についてくれるのです。これがペトラエウス将軍と彼の軍隊が行使している新しい作戦の真髄なのです。
つまり、リーバーマン氏は常日頃から地元をパトロールして地元民との交流を深めずにどうやって市民の信用を獲得し、テロリストの情報を集めることができるのかと問いかけているわけだ。ハリー・リードはイラク内のパトロールとテロリスト退治が全く別物だといいたいようだが、リーバーマン氏は片方なくしてもう片方はあり得ないと言っているのだ。
イラクは負けていない
ここではっきり言わせていただきます。私の意見ではイラクはまだ負けていません。しかしこの議案を施行すれば必ずや負けます。ですから私は中東の安定と治安維持の希望はここ本国にあると信じます。
民主党議員だけがわが国の希望であったなら、イラク戦争はとうの昔に負けている。幸いなことに我々には(イラク人にとっても)ブッシュ大統領という強い味方があったのだ! この議案はブッシュ大統領によって否決される。その後民主党はどうするのか、このまま同じような議案を持ち出してもまた否決されるだけで時間の無駄だ。では否決されないような議案を通すとしたら結局ブッシュ大統領が要求した予算案をそのまま通すより他にない。
ではいったいこの猿芝居はなんなのだ? 単にアルカエダを活気付け我が軍の士気を失わせ国民を苛立たせただけ、そしてその間に犠牲になったイラク人やアメリカ兵の命はどうしてくれるのだ?
しかし、すべてが悪いことばかりでもない。イラクのアルカエダやシーア派民兵はこのいきさつをどううけとっているのだろうか? 民主党が多数議席を取ればブッシュ政権の勢力が収まってイラクからアメリカ軍は撤退すると期待していたのに、民主党が多数議席を握って4ヶ月になるというのにアメリカ軍は撤退どころか増派までしてその攻撃を激化したりしている。民主党が多数議席を握る議会が次から次へと戦争反対、イラク撤退と議案を通しているというのに、ブッシュ大統領は涼しい顔をしている。挙句の果てにこれまで通った議決案には拘束力はないときた。やっと意味ありそうな議決案が通ったと思いきやブッシュの鶴の一声でごわさんと来た。 ということはなんだかんだ言いながらアメリカの議会なんぞ結局ただの張子の虎でなんの施行能力もない連中なんだ、こんな奴らを当てにした俺達は馬鹿だった、、、なんて反省しているかな?
力落とすなよテロリストども、民主党に裏切られたのはお前らが最初じゃない。
April 26, 2007, 現時間 7:14 PM
| コメント (0)
| トラックバック (0)
エントリーが気に入ったらクリックしてください。
嘘だらけリード米上院議員「イラク戦争は負けた」発言
米上院議会の多数党リーダーである民主党のリード上院議員の「イラク戦争は負けた」宣言は引き続き色々な波紋を呼んでいる。
この間もディック・チェイニー副大統領がリード議員を強く批判した話をちょっとしたが、私が読んだAPの記事ではその内容まではあまり触れていなかったので、ここでもう少し詳しくご説明しよう。普通副大統領は議会には出席していても自分から意見を述べるということはしない。議案の投票にも賛成と反対が五分五分の時だけ投票して同点を防ぐくらいだ。その副大統領がリード議員の発言について記者たちの前で抗議するというのはよっぽど腹がたったという証拠だろう。(以下はThe Raw Storyより抜粋)
「昨日の(リード上院議員)の発言は非常に残念です。議員の発言は全面的に情報不足で誤解を招くものです。リード上院議員はイラクに関していくつもの姿勢をとってきました。議員はもしブッシュ大統領が今回の提案中の補充議案を否決するならロス・ファインゴールド議員の案を送ってイラク戦費を全面的に差し止めると脅かしました。しかし去年の11月にリード上院議員はイラクの戦費を差し止めることはあり得ないと約束したばかりなのです。つまり6ヶ月もたたなうちにリード議員は戦費を充分な予算をあてがうという立場から条件付であてがうに変わり、さらに全面的に差し止めると変わったのです。わが国が面する非常に大事な外交政策と国家の軍事に関して、たった5ヶ月の間に三回も立場をかえているのです。
「(リードの言う)イラク増派はイラク調査委員会の推薦に反するというのは誤りです。イラク調査委員会の報告書ではバグダッドの警備のため増派が好ましいと明記されています。」
またチェイニー副大統領は、リード上院議員がイラクでは地元政府との話し合いがされていないとか、大統領は米議会と意味のある会議を開いていないと言っているが、リード自身ホワイトハウスでの会議で大統領とは異議のある話しあいをしたと述べていたと、リード議員の矛盾を指摘している。さらに副大統領は、
「リード議員の昨日の発言で何よりも問題なのはその敗北主義です。事実先週もリード議員は戦争はすでに負けたといいました。そして議員の押している時間制限は敗北を保障するものです。
「これは政治的な計算によるものなのかもしれません。...一部の民主党のリーダーたちはイラクに関する政策に盲目に反対することが政治的に有利なことだと信じているようです。 リード議員自身イラク戦争のおかげで次の選挙では自分の党が議席を増やすと語っています。政治的に有利になるからといって敗北宣言をするなどというのはあまりにもシニカルです。指導者たるもの国の安全を守る政策をそのような自分勝手な政党の都合で決めるべきではありません。」
これに対してリード上院議員は「大統領はよく自分の番犬を送り込む」などと副大統領を番犬扱いしておきながら、説明を求められると「個人的な中傷誹謗は避けたい」などと言い逃れをした。自分がいま中傷誹謗をやったばかりなのも知らん顔。
リード議員の「戦争は負けた」発言は民主党内でも失言だったという解釈がひろまったようで、その後リード自身も繰り返していないが、CNNのインタビューでその話を持ち出されたリード議員は苦し紛れに次のような言い訳をした。この話はこの前もちょっとしたがそのインタビューのトランスクリプトが一部手に入ったので紹介しておこう。
司会者: 「戦争は負けた」という言い方はかなり神経を逆撫でしましたが、その言葉を守り通りしますか?
リード: ペトラエウス将軍も軍事的な勝利の可能性は20%しかないと言っています。彼は現場に今いるひとです。彼が戦争の80%は外交、経済、そして政治を通じて勝つべきだと言っているのです。私はペトラエウス将軍に同意しているのです。...
司会者: しかし、将軍は戦争に負けたとは言ってません。もう一度お聞きしたいのですが、、、
リード: 将軍はペトラエウス将軍は軍事力だけでは戦争に勝てないといっているのです。彼がそう言ったのです。...
司会者: 18か19でイラクで任務についている人たちが、命をかけて、時には命を失っているひとたちが、ワシントンから自分達はすでに負けた戦争のために戦っていると聞かされるのはなんだな思いませんか?
リード: ペトラエウス将軍がそう言ったのです。
司会者: 将軍がどういうふうに言ったのですか?
リード: 将軍は軍事力だけでは勝てないと、そう言ったのです。彼は現場の司令官です。
司会者: しかし議員、それはちょっと違うんじゃ、、.
リード: 彼らは将軍が間違っているとでも?
司会者: しかしそれと戦争に負けたと言うのとでは違うんじゃないですか?
リード: ま、それはその、言葉の使い方であって、ペトラエウス将軍は軍事的には勝てないといってるわけですから、、兵士らは皆彼が何と言ったか知ってるのではないですか? そう思いますよ...
司会者: (大統領は)ペトラエウス将軍はワシントンに来てイラクでの進歩を明確にすると言ってます。いわゆる増派もうまく言っているといってますが、将軍がそう言ったら信じますか?
リード: いえ、信じません。事実はそうではないからです。
あれ? 地元の司令官の言うことだから信じるんじゃなかったのかな? それとも自分に都合のいい部分だけは信じるが、そうでない部分は信じないとでも?
しかしリード議員が何度もペトラエウス将軍が言ったと繰り返している発言とは実際はどのようなものだったのだろうか? Mudvillegazetteが説明する。
歴史を勉強したものなら誰でも気がつくことだが、イラクのような反乱分子の問題は軍事力によって解決することは出来ない。軍事行使は警備の安全保障のために必要だが、これまで述べた理由の通り、充分な方法とはいえない。
「軍事行使は必要だが充分な方法ではない。」と「軍事では勝てない」とでは意味が違うし、ましてや「戦争に負けた」では全然意味が違うではないか! リード議員は自分の失言を撤回せずにどうにか他人のせいにして誤魔化そうという魂胆らしい。
そして肝心のペトラエウス将軍はワシントンで議会の質疑応答に応じる予定だが、下院議会のペロシ議長は降伏議案を通すのに忙しくて将軍の話など聞いてる暇はないと当初、公聴会を設けないと言い張っていたが、あまりの批判に公聴会は開くことになった。しかし彼女自身は忙しいので欠席するそうだ。
まったくしょうがないね。民主党は。
April 26, 2007, 現時間 3:50 PM
| コメント (0)
| トラックバック (0)
エントリーが気に入ったらクリックしてください。
日付け → →April 25, 2007
イラクのアメリカ即撤退を恐れる中東諸国の本音
イラク戦争は中東では人気がないというのが一般的な見方だ。確かに一般庶民は反米的な見解からイラクではアメリカ侵略軍は罪のないイラク人を殺すのをやめて即刻撤退すべきだという感情が高いかもしれない。だが、それらの国々の支配者たちは口でなんと言おうと個人的にアメリカの力をどれだけ忌々しくおもっていようと、彼らほどアメリカ軍のイラク即撤退を恐れている者達もいないというのがイギリスでもかなり左よりの新聞ガーディアンの意見である。何故アラブ諸国の支配者達はアメリカのイラク即撤退を恐れるのか、まずは比較的穏健派といわれるサウジアラビア、エジプト、ヨルダンの理由を三つあげてみよう。
- アラブ諸国はアメリカを利用して自分らの勢力を強める術を学んだ。しかしそのためには親米の姿勢をみせざるおえなかった。ここでアメリカがイラクから撤退するということはアメリカの敗北と解釈され、そのような弱者に媚を売ってきた支配者側は過激化する市民から弱体化したと思われる恐れがある。
- アメリカが撤退すればイラクはシーア派の勢力が強化され、隣国で同じシーア派でスンニ派アラブ諸国の宿敵イランと手を組み他のアラブ諸国の勢力を脅かす可能性が高まる。
- また宗派間で分裂したイラクでは内乱が絶えず起こり、特に国境を共有する近隣諸国にもその悪影響を及ぼす可能性がある。
しかし反米のシリアやイランも実はアメリカ撤退を望んでいないとガーディアンは言う。なぜならアメリカ軍がイラクで手間取っている間はシリアやイランに手を出す余裕はないだろうと考えるからだ。特にイランはその判断の真偽は別としてイラクにいるアメリカ軍はイランから攻撃するには容易な標的であるという考えらしい。とにかくアメリカにはなるべく長くイラクでてこずっていて欲しいというのが彼らの本音だと言うのだ。
またトルコはアメリカがイラクに要る限りイラクのクルド族が独立国を目指すなどということは考えられないと踏んでいる。クルド族の問題にてこずっているトルコとしてはイラクの北部でカーディスタンなどというクルド国家が出来てもらっては非常に困る。
そしてイスラエルはイスラエルでアメリカのイラク撤退はイスラエルに大悲劇を招くと考える。世界最強の国アメリカがイスラムテロリストに大敗することが可能なら、イスラエルなどアラブの敵ではないわ、と励まされるイランやシリアの手下であるヒズボラやパレスチナのテロリストが奮起だって自爆テロを増加させる可能性が高まるからだ。
と、まあこれがガーディアンの意見だが、シリアとイランの思惑はともかくサウジ、エジプト、ヨルダンそしてトルコそしてイスラエルの心配は当たっているだろう。ただシリアとイランはちょっと違うと思う。そして悪い意味でイスラエルはガーディアンが考える以上に危険な状況に置かれると思う。
先ずイランだがイラクからアメリカが撤退した場合、これはアメリカの国内でも国外でもアメリカの敗北と解釈される(そしてその判断は正解だ)。そんな苦い負け戦を体験したばかりのアメリカがどれほどイランの核兵器開発が気に入らないとしてもまたぞろ大規模な戦争に発展するかもしれない武力行使をするなど不可能である。そんなことは民主党が許すはずはないし第一世論がついてこないだろう。同じ理由でアメリカはシリアに対してもこれといった強硬手段は取れないはずだ。
となってくると一番危険な状態になるのはイスラエルである。イランは腑抜けのアメリカの弱さを利用してここぞとばかりに核兵器開発に力をいれるだろうし、シリアのヒズボラを使いレバノン及びパレスチナのテロリストに資金援助するなどしてイスラエルへの攻撃を容赦なく続けることは目に見えている。
ところで話はちょっとずれるが、エジプトはパレスチナのハマスにイスラエルへのロケット弾攻撃をいますぐ停止しなければ今後資金援助はしないと警告したという。しかも、もし怒ったイスラエルがガザに攻め入ってもエジプトは指一本動かす気はないと断言している。表向きはエジプトはイスラエルに反撃の口実を与えるなと言っているが、本音を言えばハマスの執拗な攻撃に嫌気がさしたイスラエルが本気でパレスチナを攻めパレスチナ難民がどっとエジプトに押し寄せてくるのを恐れているのだ。パレスチナ人は中東でも行く先々で問題を起こすと悪評の高い厄介者だからである。
アラブ諸国の支配者は表向きは反米だの反イスラエルだのと息巻いてはいるものの、両国の強さに頼っているという現実がある。
つまり、アメリカ軍のイラク撤退が及ぼす悪影響はイラク国内では留まらない。ハリー・リードを先頭として民主党はこのことの重大さに気がついているのだろうか?それとも中東がどれだけの混乱状態の陥ろうと自分達の議席を増やすことができさえすればそれでいいのだろうか?
April 25, 2007, 現時間 8:37 PM
| コメント (2)
| トラックバック (0)
エントリーが気に入ったらクリックしてください。
中国人暴動の背景にあるイタリアの移民問題
どこに国でも移民を受け入れるということは難しい問題だ。片方では言葉も文化も違う外国人を受け入れれば地元社会との間に摩擦がおこり犯罪などの悪影響が起こる可能性がある。しかしもう一方では日本も含め少子化の進む先進国では老齢化する国民の生活保障のためにも若い労働者を外国から受け入れることが必要不可欠になっている。
特に福祉社会のヨーロッパでは膨大に膨らんだ年功者の生活保障は自国民の労働者だけではとても補えない。この間中国人商人による暴動が起きたイタリアでも最近はかなり移民が増えているようである。
あたりまえのことだが、イタリアにも日本人のブロガーが結構いらっしゃるようで、そのなかのひとつイタリア言の葉さんがこのイタリアの移民についてちょっと背景を書いてくれているので引用したい。
去年の夏パドバ市長は、売春やドラッグの売買をするアフリカからの違法滞在者が集中して住み、移民グループ同士の対立(ナイジェリア系とモロッコ系だったと思う)で発砲沙汰が起きたりと、10年来大きな問題だった「 Via Anelli地区」の解決策として、非常に思い切った決断をしました。
違法滞在者が住むアパート郡とその他の一般市民のアパート郡の間に行き来ができないよう巨大な壁を建設したのです。これがパドバの「壁」として大きな議論を呼び、賛成・反対で非常に活発な議論が交わされました。
移民で成り立っているアメリカでは移民地区を隔離する壁を建設するなどということは絶対に考えられない。こんなことを提案する市長がいたらすぐさま弾劾選挙がおきてしまう。
外国へ移住するということはそう簡単なことではない。言葉も文化もよく理解できない外国人は最初はあまり技術の必要ない肉体労働につくより仕方ない。特にアフリカ系の移民は自国でもあまり教養がないので外国で出来ることは限られているだろう。また先に移民した親戚や知り合いを頼って違法にやってくる犯罪者などの存在も無視できない問題だ。
しかしアメリカでもそうなのだが、東洋からの移民は持ち前の勤勉さから比較的短い期間でホストカントリーで結構成功してしまう。 東洋人移民の多くがもともと教養が高い。それで一代目でもコンビニの店員から店長へ、レストランのウエイトレスから経営者へ、農家の労働者から農園主へと出世し、二代目からはきちんとホストカントリーの大学を出て弁護士や医者、ビジネスマンになってしまうという例が少なくない。
イタリアの場合でも中国人移民はアフリカ系移民とちがって犯罪などを犯すような社会問題をおこしているというよりも、持ち前の勤勉さと商売上手が災いして地元のビジネスとの間で亀裂を起こしているようなのだ。
ミラノの中国人問題にもどりますが、Via Sarpi地区に住む合法的な中国系住民は400世帯、そのほとんどが自営業で一国一城の主だそうです。
問題は家族を呼び寄せたり、親戚を頼ってここ数年ミラノに移り住む中国人の数がイタリア人に脅威を感じさせるほど増えたこと。中でもVia Sarpi 地区はそれまであった商店やピッツェリアが軒並み中国商品を売る店、中華レストランに変わっているそうです。
経済的にもイタリア人に脅威を感じさせる存在になったわけです。おまけに食品と服飾や靴製造というイタリアの産業と共通の土俵で勝負に出たわけですから、どちらにしても軋轢は避けられなかったと思います。
はっきり言ってミラノに移住してきた中国人の数などミラノ地元民が脅威を覚えるような数ではない。市民の約半分が自分か親の世代には移民だったロサンゼルスなどに比べたらどうということのない数なのだ。しかも私に言わせたら中国人はミラノで生活保護を受けているとか犯罪を犯しているとかしてミラノの経済に負担をかけているどころか、ビジネスの経営者として地元の経済に多いに貢献しているわけで、地元からは感謝されこそすれ邪魔者扱いされるべきではないと思う。地元のビジネスは中国人との競争に勝てるように頑張ればいいだけの話だ。
とはいうものの、移民としての中国人も地元市民への遠慮というものが必要だ。なにしろ相手は自分達を受け入れてくれたのだからそれなりに敬意を評する必要がある。 いくら自分達の店だからといって中国語だけの看板を立て、店には地元の言葉を全く話せない従業員だけを雇い、地元消費者など相手にしないという態度をあからさまにしては地元から反感を買うのは当たり前である。
私自身が移民であるから言うのだが、言ってみれば私は客人なのであり、その私を家族の一員として受け入れてくれたホストの好意を無駄にするようなことがあってはならない。恩を仇で返すようなことがあってはならない。出来るだけホストに迷惑がかからないよう早くその家のしきたりを学び、その家のために価値ある家族の一員となるのが客たるものの責任だろう。
それをしないで自分達だけで孤立してしまうと今回のようなことになってしまうのである。
April 25, 2007, 現時間 1:04 PM
| コメント (0)
| トラックバック (0)
エントリーが気に入ったらクリックしてください。
日付け → →April 24, 2007
「イラク戦争は負けた」米民主党首の失言に波紋
さっき私は今滞在中のホテルのジムでちょっと運動をしていたのだが途中で帰ってきてしまった。それというのも私の運動は非常に不愉快な形で邪魔されたからだ。ジムで30分ほどウエイトトレーニングをしていたところで一人の男性が入ってきてテレビをつけた。番組はCNNニュースでイラクで自爆テロがあったというニュースだった。それはいいのだが、CNNは昨日9人のアメリカ兵が自爆テロで殺されたという話からこれまでに何人のアメリカ兵が自爆テロに殺されてきたかという話を延々とし始めたのである。私はそういう話を聞きながら運動したくなかったのだが、男性は自分の使っているマシンが煩かったのか音量を大幅に上げたので嫌でも聞こえてくる。いくら私がMP-3の音量を上げても無駄だった。私は我慢できずに中途半端でジムを出た。
昨日も一日中ホテルはネットアクセス不能だったため仕方なくテレビでCNNニュースを観たときも、CNNバグダッド支部長のマイケル・ウエアというオーストラリア人がアメリカ兵の戦死を喜びを隠し切れない顔で語っていた。前のCNN局長のイーソン・ジョーダンもいやらしいやつだったが、こいつはもっとえげつない。
それにしても、いったい何時から味方の犠牲者の数を数え上げることが戦争のニュースだということになったのだろうか? こんなものがニュースとして成り立つならCNNはわざわざ高いお金を出して支局を設ける必要などないではないか。イラク内政省とアメリカ中央司令部の公式発表だけで充分だ。
第二次世界大戦のニュースが味方側の戦死者の数を数え上げるだけで戦況がどうなっているのか全く説明をしなかったなら、どれだけのアメリカ人が戦争を支持しただろうか?D-デイのノルマンディ上陸も膨大な数の戦死者についてだけ報道し、同盟軍がドイツに上陸したことを報道しなかったならどうなっていただろうか? 私ははっきり言って当時CNNが存在していたらアメリカ人は今頃ドイツ語を話していただろうと思うね、全く。こんなニュースばかりを毎日聴かされていては戦意を奮い立たせるのは困難である。ただでさえ苦しい戦争をしているときに、わざわざ国民の戦意を喪失させるような報道をするアメリカの主流メディアには腹がたってならない。
しかしもっと腹がたつのは現場の戦況とは無関係に自分たちの政治力を強めるためどうしてもイラク戦争に負けたいアメリカ民主党の政治家たちである。彼らはなにかにつけてブッシュ大統領のイラク政策を邪魔してかかっているが、先日の民主党ハリー・リード党首の発言はそのなかでもきわめて無責任なものだった。以下ミスター苺曰く。
本日(4・19)臆病者の上院議会多数派代表の臆病者ハリー・リードはイラク戦争について「この戦争には負けた」と断言した。この発言で奴は「指導者」としての地位失格だ。 奴は指導するどころか脱走しようってんだから。リードはブッシュ大統領との会見の後ホワイトハウスを出る際に記者たちの前で勝ち誇ったように敗北宣言をした。リードは特に対ゲリラ作戦を「増派」とさげすんだ後、昨日の大規模な自爆テロを指して、この作戦は客観的に失敗だと語った。
「私はこの戦争は負けたと信じます。イラクでの昨日の激しい暴力沙汰でもわかるように、増派は何の効果もあげていません。 」とネバダ代表のリード議員...すばらしい理屈だよ。それをいうなら昨日はちょっと寒かったから地球温暖化なんて起きてないっていうのと同じじゃないか。
このリード議員の降伏運動はこの発言にとどまらない。同議員は数日中に民主党が多数派を占める議会において米軍のイラク撤退を10月1日から6ヶ月かけておこなう議決案を通すと宣言した。
無論このような議案は上院でも下院でも通るはずはない。だが大事なのは議案が通るかどうかではなく、アメリカ国内及び国外へアメリカ議会はイラク撤退を考えていると提唱することに意義があるとリード議員は考えているわけだ。(イラク及び中東を混乱に陥れようというならこれはいい考えと言える。)
「問題は、、、」とリード議員、「ジョージ・W・ブッシュはまだアメリカ軍の総司令官です。これは彼の戦争です。」本当の問題はここだ。最初からリード及び民主党はこのイラク戦争を党派間争いとして(利用できる)機会だと思ってきた。
民主党は世界に、そして特にアメリカの敵に対して、統一した姿勢を見せることを拒否してきた。なぜなら彼らの歪んだ考えでは(統一した姿勢を見せる)ことは2008年に民主党が大統領選挙に勝つ可能性を低めると判断したからだ。
このようなリード党首に鬱憤を隠しきれないチェイニー副大統領は、いくら地元で票につながるからといって敗者的な発言は不適切だと厳しく批判。リード議員も負けじと「ブッシュの番犬」のいうことなど気にならないなどといって反論した。
ところで民主党が「単なる増派」といって全く成果を挙げていないと馬鹿にしているこの作戦は成果を挙げていないもなにも、まだ本格的な作戦体制に入っていないのである。アメリカの主流メディアがアメリカ兵の戦死者の数をうれしそうに数えていないで、デイビッド・ペトラエウス将軍の作戦がいったいどういうもので、今どのくらいのところまで進んでいるのか、何時ごろその攻撃は全面体制に入るのか、ということをもっと詳しく庶民に説明してくれれば、リード議員の「イラク戦争は負けた」発言がどれほど無責任で事実に反したものであるかが解るはずなのである。
ウィークリースタンダードのよればここ2~3ヶ月のアメリカ軍の行動はクリア&ホールド作戦(掃蕩制覇)の基盤つくりなのだという。アメリカ軍がすでに実行している基盤つくりとは:
- バグダッドや、付近のアンバーやサラハディンやダイヤラ地区にあるアルカエダやスンニ反乱分子のアジトをたたく。
- バグダッド中に拠点を配置し初段階の掃蕩を行う。
- 地区ごとにコンクリートの防御壁を儲け市民や交通の出入りを厳しく規制し、今後の作戦の準備態勢を整える。
- サドルの遁走ですでに弱まっているシーア民兵の重要なリーダーたちを取り除くことによってサドル組織の力をさらに弱める。
このアメリカ軍の新作戦に対応すべく、敵側も作戦を変更。攻撃の焦点をバグダッド南部へと移行した。ペトラエウス将軍らは南部へ援軍を送りこみまたディヤラ地域にもさらに援軍を送った。戦略とはこのように臨機応変に状況に機敏に対応していくことにあるのだ。アメリカ軍の作戦は古いアジトを捨て去った敵に別の場所で新たな温床を持たせないよう先手先手を打って行くことにある。
この掃蕩制覇作戦が本格的に行われるのは5月の終わりから6月の初旬に予定されている。そして作戦が完成するまでにはさらに数週間がかかるとされている。そして作戦が成功か失敗かを判断できるのはそれからさらに何週間も後のことになるだろう。イラクではまだ増派のための援軍出動すら完成していないのである。
今アメリカに帰国して議会の前で戦況を説明しているペトラエウス将軍は、常日頃から作戦の成果はこの秋ごろにならなければわからないと語っている。
にもかかわらず非国民のリード議員は現場の専門家であるペトラエウス将軍の意見を無視して現実はイラクは負けていると言い張るのである。CNNでのインタビューで司会者の、ペトラエウス将軍はいわゆる「増派」は成果を挙げていると語っているがどう思うかという質問に対してリード議員は「信じませんね。なぜならそれは起きていないからです。現実を見つめさえすればそれが解るはずです。」と答えた。
イラク戦争に勝てる可能性があるという現実が自分の再選に結びつかなければ是が非でもイラク敗北を現実にし、それを口実に2008年の総選挙で民主党の議席を大幅に増やし大統領選挙にも勝とうというのがリード議員並びに民主党の狙いだ。そのためにどれだけ多くのアメリカ兵やイラク人が奮起だったアルカエダの自爆テロの犠牲になろうと一向にお構いなしというわけである。
これが非国民でなくてなんだろう?
April 24, 2007, 現時間 7:17 PM
| コメント (2)
| トラックバック (2)
エントリーが気に入ったらクリックしてください。
日付け → →April 21, 2007
中国人移民がイタリアのミラノで暴動
最近ヨーロッパで暴動があったというニュースを聞くとイスラム系移民による暴動がすぐ頭に浮かぶのだが、今回イタリアのミラノで起きた暴動事件はなんと中華街での中国人移民によるものである。(Hat tip Occidentalism)
ことの起こりは商品を違法に自家用車で運搬していた中国人女性が摘発され罰金を課されたことがきっかけだという。
100人以上の中国人商店街の商人たちが中華人民共和国の旗を翻して人種差別を批判して暴れはじめた。その結果10人の警察官が負傷しほぼ同数の中国人もけがをした。
日が暮れるまで続いた暴動では車は倒されるは警察がバトンを振り回すは罰金を課された女性は逮捕されるはで大変だったようだ。
イタリアでは現在11万4千人の中国人がすんでいるといわれるが、違法移民の数もかなりあるため実際にはその倍以上だとされている。ミラノだけでも中国人の人口は過去10年で1万2千にふくれあがっているという。ローマ、プラト、タスカニーといった大都市でも中国人労働者の数はかなり増えているようだ。
特にローマとミラノでは中国人経営のビジネスが町の一画を完全に仕切っており、中国産繊維類の運搬で付近の道がかなり混雑していたことから普段から地元警察と中国人商人との間でかなりの摩擦が起きていたようだ。
オクシデンタリズムのサイトで数枚暴動の写真が張られているので見る価値あり。
はっきり言って移民として受け入れてくれた国で祖国の旗を翻して暴動するなんてのはどう考えてもいいことだとは思えない。そんなにイタリアのやり方が気に入らないならイタリアで商売なんかするなといわれても文句いえないだろう。
それにしてもたかが1万2千くらいの移民に手こずるとは、ミラノも情けないね。
April 21, 2007, 現時間 7:08 PM
| コメント (0)
| トラックバック (0)
エントリーが気に入ったらクリックしてください。
カナダの教育界を乗っ取るイスラム過激派
以前にもカナダのコンコーディア大学の生徒会がイスラム教生徒に乗っ取られてユダヤ教生徒サークルが迫害を受けた話を、北米キャンパスを乗っ取る聖戦主義のユダヤ弾圧したが、イスラム教生徒が乗っ取ったのはコンコーディア大学だけではない。ここ数年の間にイスラム教生徒たちはカナダ各地で大学生徒会を乗っ取ってきている。今のところ迫害されているのがユダヤ教生徒だけだからと涼しい顔をしているとそのうちカナダの教育界はイスラム教徒にのっとられ、大学生のみならずカナダの社会全体に悪影響を及ぼすことになる。
実は先日、アメリカのミネソタ州にあるミネソタ工科短大において、イスラム教聖徒のお祈りに必要な足洗い場を設置するという決断が下された。アメリカでは公立の学校で合唱部がハレルヤコーラスを歌ったり、キリスト教徒が教室で静かに聖書を読んでいるだけでも、政教分離の政策に反するものだと非難が絶えないというのに、ことイスラム教に関してはどの学校も神経質なほど気を使うという二重基準が存在している。
それに対してイスラム教徒への妥協はもっと理不尽な要求へとつながるだけだという格好の例がお隣の国カナダですでに起きていると、ミネソタスタートリビューンのキャサリン・カースティンがリポートしている。
カナダ生徒会連盟は先月「イスラム教生徒のために必要な企画チーム最終報告書」(Final Report of the Task Force on Needs of Muslim Students)と題してカナダの高度教育施設の全面的変革を提案した。この連盟はカナダ全土の学生の半分にあたる50万人を代表する。報告書はオンタリオに焦点をしぼってはいるものの、その結果が国中および世界中に適用が可能だと連盟のジェス・グリーナー会長は語る。
ではこの報告書がカナダの大学に要求しているものは何かというと:
- カナダのローンを基礎にした資金援助を完全な奨学金制度にかえる。「教育に関する政府からのローンは利子を課すべきではない。」なぜなら「イスラムの教えは利子つきのローンを禁止しているからだ」
- 「女子専門」運動施設の設置を奨励、女性が水泳プールを使っている間は「窓にカーテンもしくは幕を張る」ことを勧めている。
- イスラム教徒専門の祈祷施設を設置するだけでなく、複数に渡る祈りのためにキャンパスのどこからでも簡単に祈りの場所へ行けるように道を作る。新築されるビルには必ず祈祷施設と必要とあれば足荒い場所を建設する。
- 給仕担当の職員はイスラム料理の調理方法を勉強し、シャリア法の儀式にあった方法で調理する。イスラム料理以外の料理を作る場合には衛生手袋を着用の上、使った刃物や料理器具は汚染がないようにきれいに洗う。
報告書はもしも学校側がこれらの規則に従わない場合は「イスラ恐怖症」の罪を負うことになるという。イスラム恐怖症の汚名を着ないためにはイスラム教徒への暴力はもちろんのこと、イスラム教徒を理不尽に疑ってはならない、際立った侮辱でなくてもイスラム教をステレオタイプで扱ったり、シャリア法は男尊女卑だなどという間違ったイメージでイスラム教徒が学ぶ環境を悪化させてもいけないとしている。
また連盟の提案には「(学校)施設がイスラム恐怖症を通告する文化を促進する。反人種差別委員がそのような言論がされた時は即座に通告するべきである。」という。
つまりイスラム教徒が支配する生徒会連盟はカナダの大学にシャリア法をまもるための思想警察を設立せよというのだ。サウジで行われているような、バーカを着ていない女性や男性を同伴せずに外出する女性を情け容赦なく罰する宗教監視員をカナダでも設けろと要求しているのである。
これでは言論の自由も何もない。もしもカナダの学生が「テロリストのほとんどはイスラム教徒だ」とか「イスラム教の教えに問題がある」などといった日にはすぐさまイスラム恐怖症の罪を着せられ退学の危機にさらされかねない。これでは自由社会としてのカナダの存在そのものが危ぶまれる。
しかもイスラム独裁生徒連盟の要求はこのような生易しいものではおさまらない。連盟は学校の授業もコーランとイスラムの教えに乗っ取ったカリキュラムに変更して「イスラム恐怖症」を根絶やしにしなければならないというのである。そしてイスラムに関する教育は西側の思想に乗っ取ったものではなく、イスラム側からの見解でなければならないと強調する。
要するにカナダの大学でシャリア法を教えろというのである!
実を言うと私はこれらの理不尽な要求はカナダにとって良いことだと思う。イスラム教徒は共産主義者と違ってその本意を隠さない。彼等の最終目的がカナダをシャリア法のもとに牛耳ることにあるのはこの要求を読めば一目瞭然である。これまで政治的に正しいやり方で異教徒への寛容をうたい文句にしてきたカナダ教育界はイスラム教徒への好意や妥協や配慮がどういう形でイスラム教徒によって「恩返し」されたかこれでよく分かったはずだ。イスラム過激派は一歩譲れば百歩要求してくる。彼等は我々の行為や配慮を我々の弱さと取るからだ。今回のこの理不尽な要求によって鈍いカナダ社会もやっとイスラム過激派の恐ろしさに目覚め、カナダの文化と社会を守るためにイスラム過激派とは妥協はあり得ない。彼等とは断固戦わねばならないと気が付いてくれれば儲け物である。
そしてアメリカの教育界もカナダでの出来事を他人事のような顔をしてみていてはいけない。アメリカのイスラム教徒学生協会はカナダの生徒会連盟と密接な関係がある以上、カナダの教育界が今後どのような処置をとるにしてもアメリカの教育界に与える影響は大きい。ミネソタの短大で足洗い場を設置するなどイスラム教生徒らによるアメリカ教育界乗っ取りの小手試しだとキャサリーン・カースティンは言う。
だとしたら、アメリカのあちこちで今考慮されているイスラム教生徒への特別計らいは断固取り止めるべきだ。アメリカの教育界はカナダの教育界で起きている事実に目を向けて今後の方針をしっかり考えてほしい。
関連エントリー:
イスラムは惜しみなく奪う
April 21, 2007, 現時間 5:10 AM
| コメント (1)
| トラックバック (2)
エントリーが気に入ったらクリックしてください。
日付け → →April 19, 2007
銃が多いと犯罪が減る! その2
1997年ミシガン州、高校生のルーク・ウッドハムはその朝母親の喉を自宅でかっ切って殺した後、鹿狩り用のライフルをつかみ、トレンチコートのポケットに銃弾を詰め込んで自分の通うパール高校へ向かった。学校につくとウッドハムは誰彼かまわず生徒たちを撃ち殺しはじめた。
銃声が聞こえるとともに、校長マイリック先生はすぐさま自分のトラックへかけ戻った。マイリック校長は車のドアを開けケースから銃をとりだし、別の箱から銃弾を取り出した。「私はいつもこういう時のために銃を箱にしまってトラックに積んでいました。」とマイリック先生は言う。
ウッドハムは警察が来るまで間があると踏み、黙々と撃っては玉をいれ、玉を入れては撃つという行為を続けていた。ウッドハムは警察のサイレンをきくと外の自分の車に向かって走りはじめた。後の調べで分かったことはウッドハムは車で近くの中学校へいってそこでも警察が現れるまで子供たちを撃ち殺すつもりだったのだという。
しかしマイリック校長がその計画を阻止した。先生はウッドハムが逃げようと運転する車の前にたちはだかって車のフロントガラス越しに犯人の頭を狙って銃を構えたのである。あわてたウッドハムはハンドルをきり損なって建物に激突、車からヨタヨタ出てきたウッドハムに校長先生は銃を向けたまま問いつめた。「君は誰だ、なんで私の子供たちを撃っているのだ!」ウッドハムは泣きべそをかいて「先生、覚えてませんか先週ピザを届けた時先生がチップをくれましたよ。」と答えた。「私の学校の子供たちを殺していたこのモンスターも自分の頭に銃を向けられたとたんに自分も子供にもどってしまったんです。」とマイトリック校長は思い出して語った。
銃砲取締法について語る時、銃に親しみのない日本の方々は銃への恐怖心から銃による犯罪は思いついても銃による防犯についてはあまり思い付かないのではないだろうか?市民による銃所持を全面的に反対しているアメリカの主流メディアは無論そういう事件は報道しないので上記のような事件が日本の皆さんのお耳にはいることは先ずないだろう。
しかし実際にはアメリカでは銃を持った一般市民の手によって未然に防がれたり被害が最小限ですんだ刑事事件が結構あるのである。犯罪学者のゲリー・クレック教授は著書の「ポイントブランク」のなかで、銃砲が自己防衛に使われる件数は毎年250万件もあるという。銃が犯罪に使われる数など足下にも及ばない。クレック教授によれば銃のよって失われた命ひとりあたり、25人から75人の命が反対に銃によって救われているという。
クレック教授も先日紹介したロット教授と同じように善良な市民が手にする銃は犯罪を促進するどころか、かえって犯罪を抑制する役目を果たすと結論つけている。
昨日も書いたようにアメリカは連邦制度であるため、州によって銃砲に関する法律はまちまちである。それどころか州のなかでも都市やもっと小さな区域によって銃法は微妙に異なる。小銃携帯が一般的に認められているバージニアやテネシー州などでも、学校構内は銃砲持ち込み禁止になっているところが少なくない。それで必然的に学校は殺人鬼の標的となってしまうのである。
先日の乱射事件があったのと同じバージニア州で2002年2月にアパラチアン法律学校でも同じような事件が起きたが、今回とは対照的な終わり方をしている。
2002年1月16日、ピーター・オディジズワ(43歳)というナイジェリアからの留学生は日頃から成績が悪く退学の危機に陥っていた。その朝キャンパスを訪れたピーターは最初に成績についてデール・ロビン教授に相談を持ちかけた。その直後ピーターは校長室へ行き、スーティン校長を.380経口のセミ自動小銃で射殺し、続けて居合わせたトーマス・ブラックウェル教授に発砲。二人とも至近距離で撃たれて即死した。ピーターはその後廊下で通りかかった生徒のアンジェラ・デニスさんと数人に発砲し、ほかの学生三人にも怪我をおわせた。この行動パターンを見る限り、この男は今回のバージニア工科大学の犯人と同じようにそのまま無差別に手当りしだいに学生や教授らを射殺していくつもりだったと判断される。しかし、この事件が今回と異なるのはこの男の悪行は途中で銃を持った二人の学生によって阻止されたことだ。ピーターは発砲した校舎を出たところで銃を持った生徒二人によって取り押さえられたのだ。
銃声を最初に聞いた時同学校の生徒トレーシー・ブリジス君とミカエル・グロス君はお互いそうとは知らずに自分らの車に置いてあった銃をそれぞれ取りにいった。故郷のノースカロライナではグリフトン警察につとめる警察官だったグロス君は防弾チョッキをつけ9ミリのピストルを取り出した。ブリジス君はシェビータホの運転席のしたに隠しておいた .357 マグナムピストルを引き出した。後でブリジス君はリッチモンドタイムス新聞で撃つ時は殺す覚悟だったと語っている。
ブリジスとグロスはピーター・オディジズワにそれぞれ別の方角から近付き、ブリジスは銃を捨てろと怒鳴った。オディジズワは銃を捨て数人の生徒らによって取り押さえられた。犯人がしっかり押さえられたのを確かめるとグロスは車に手錠をとりに戻り警察が来るまで待っていた。
このように銃を持った一般市民によって大悲劇が途中で食い止められた事件というのは案外あるのである。しかし読者のみなさんは乱射事件のような大量殺人事件は滅多と起こるものではない。そんな時のために一般市民が銃を所持するなどちょっと大げさすぎはしないかとお思いになるかもしれない。しかし読者のみなさん、厳しい銃砲取締法を一番歓迎するのは強盗や強姦魔といった犯罪者なのだとカカシが言ったらどうお思いになるだろうか?
昨日もちょっとお話したように、アメリカでは空き巣は多いが住人が家に居る時に起きる強盗は銃砲所持が全面的に禁じられているイギリスや日本よりもずっと少ない。これはどんな犯罪者でも言うことだが泥棒は警察官よりも銃を持った家主のほうがよっぽども恐いからだ。
1996年1月27日、フロリダ州の自宅でエドウィン・マック・マクドナルドさん(73歳)は真夜中に物音にきずいて目をさました。暗さに目が慣れるとなにやら部屋をうろつく影が見える。マクドナルドさんは一人暮らしで近所の家は何キロも離れている。しかも侵入者はマクドナルドさんの寝床に近付いてきた。ふとマクドナルドさんの脳裏に12年前に二人の強盗に襲われ頭にショットガンをつきつけられて大金を奪われた時の思い出がよぎった。
そして今、侵入者は叫ぶ「金をだせ!」。家主は22口径のタウラスを枕の下から取り出した。先の事件直後に自己防衛のために購入しておいたピストルである。「金はどこだ!」と男は叫ぶ。マクドナルドさんが答えないでいると男はタンスの引き出しを次々に引き出し中身を床に放り投げはじめた。
マクドナルドさんはベッドから跳ね起き男に銃を向け叫んだ。「出ていけ!」
侵入者はいったんためらってから部屋を飛び出した。マクドナルドさんはほっとして明かりをつけ、警察に電話しようと台所へ向かった。ところがマクドナルドさんが寝室を一歩でると侵入者は再びにょきっと現れた。男は出ていってなかったのである。「出ていけ!」と繰り返すマクドナルドさんに男はスタンドを投げ付けた。はずれたスタンドは後ろの壁にあたり電球が砕けた。人を殺したくなかったマクドナルドさんは天井に向かって警報を撃った。
すると男は「なんだ空砲じゃねえか」と笑いながらポケットナイフを取り出し、ナイフをふりかざしはじめた。笑い声に恐くなって後ずさりするマクドナルドさんを男をつけてくる男。男の振ったナイフがマクドナルドさんの腕をかすった。もうこれ以上逃げ場はないと悟ったマクドナルドさんは男の胸に銃を向けて発砲した。
男がよたよたと外へ出ていったのを見届けた後、マクドナルドさんは警察に電話しようと受話器をとると線が切れていた。いそいで自家用車に飛び乗って交番まで突っ走った。
午前1時20分、マクドナルドさんの自宅に現れた警察官はひとりの男がうつむけに軒先で倒れているのを発見した。男は胸に二発の銃弾を浴びていた。脈はなかった。
警察の調べでわかったことはこの男がその頃あまり近隣の家が密接していない一軒家を狙っては強盗を働いていた三人組のひとりで、その日も二人の仲間が見張りをするなかひとりで侵入したらしい。侵入した男が撃たれて家から出てきたのをみて、仲間二人はあわてて逃げてしまったのだ。
こんな話はアメリカには五万とあるが、大抵の場合強盗や泥棒は銃を持った家主を見ただけで逃げてしまうのでローカルニュースの話題にすらならない。
現に1983年にニュージャージーの刑務所で重犯罪者を対象に行った世論調査によると、39%の囚人が少なくとも一回は犠牲者が銃を持っていた理由で犯罪を諦めた経験があるとし、8%は何度もそういうことがあったと答えた。34%は銃によって威嚇された、もしくは犠牲者に発砲されて怪我をしたり取り押さえられたりした経験があると答えた。69%がそういう目にあった仲間を知っていると答えた。
34%の囚人がしょっちゅうもしくは常に犠牲者が銃を持っていることを心配すると答え、56%が銃を持っていると分かっている犠牲者には手を出さないと答えた。57%が警察よりも銃を持っている犠牲者のほうが恐いと答えた。58%が店主が銃を持っている店が強盗にあるのは酸く兄だろうと答え、74%が空き巣を狙う理由として家主から撃たれるのが恐いからだと答えた。
となってくると銃砲所持全面禁止を行った場合いったい誰が一番得をするのだろうか?もともと法律など守るつもりのない犯罪者にとってもうひとつの法律など何の意味もない。だいたい銃犯罪をおかす犯罪者の6人のうち5人は違法に銃を購入しているという。銃法を厳しくして合法な購入が不可能になっても犯罪者は闇でいくらも銃を購入することができる。
厳しい銃法によって銃が持てなくなるのは自己防衛のために銃を一番必要としている善良な市民だけなのである。そして厳しい銃砲取締法を一番歓迎するのは誰あろう凶悪犯罪の犯罪者たちなのである。
April 19, 2007, 現時間 7:58 PM
| コメント (10)
| トラックバック (0)
エントリーが気に入ったらクリックしてください。
日付け → →April 17, 2007
銃が多いと犯罪が減る! ええほんとお〜?
もうみなさんもアメリカのバージニア工科大学で起きた乱射事件については色々お聞きのことだろう。
米バージニア工科大で銃乱射事件、容疑者含む33人死亡
4月16日、米バージニア州ブラックスバーグにあるバージニア工科大学で乱射事件が発生し容疑者の男を含む33人が死亡。
[ブラックスバーグ(米バージニア州)/ワシントン 16日 ロイター] 米バージニア州ブラックスバーグにあるバージニア工科大学で16日、乱射事件が発生し、容疑者の男を含む33人が死亡した。チャールズ・スティーガ学長が明らかにした。米国の学校構内で起きた発砲事件では過去最悪のものになった。
大学構内の警備担当責任者によると、16日朝、構内の一角で最初の銃撃があったが、単一の事件で終わると思い、大学の閉鎖はしなかったという。しかしその後、連続して銃撃が起きた。
負傷者は15人。銃撃を受けるか、建物から飛び降るなどして負傷した。容疑者の男は自殺したという。
こういう事件が起きる度にアメリカは銃があるから犯罪がおおいんだあ〜!銃砲取り締まり法をもっと厳しくしろ〜!アメリカ社会から銃を追放しろ!と事件の詳細も分からないうちからアメリカ内外の銃砲取締法提唱者はすぐにカナキリ声をあげる。
だがアメリカは銃が多いから犯罪が多いのだというのは神話である。実際には一般市民が銃を持っていることによって多くの犯罪が未然に防がれているのである。
例えばアメリカでは強盗などの凶悪犯罪が欧州や日本よりも少ないということをみなさんはご存じだろうか?アメリカの泥棒は家主が銃を持って反撃してくる可能性を警察につかまることよりも恐れる。だから空き巣はあっても住人が居る間の強盗の数はすくなくなるのだ。それに比べてイギリスやオーストラリアでは一般市民の銃砲所持全面禁止を施行してから凶悪犯罪率が激増したという事実もある。
ここで読者の皆さんにアメリカの銃砲取締法がどのようになっているのか説明しておく必要があるだろう。アメリカはご存じのように連邦制度であるため銃法は州によって極端に異なる。アメリカの連邦憲法では個人の市民が銃砲を所持する権利は保証してはいるが、携帯および持ち運びになってくると州によって法律はまちまちである。
例えばカカシの住むカリフォルニアでは銃を購入した時点で登録をすませておけば自宅に置いておく分には問題はない。だが、これを持ち歩くとなると話は別だ。銃砲携帯には許可が必要だが特別な職種についていない一般市民がこの許可証を手にいれることは地方都市保安官の友達ででもない限り不可能に近い。
しかし事件のあったバージニア州では犯罪歴があるとか精神病患者であるとかいう理由でもない限り、市民は申し込みさえすれば自動的に小銃携帯許可証がもらえることになっている。これをアメリカではCCW許可証という。現在アメリカでは51州のうち確か30州以上でこの法律が存在する。
ただ不幸なことに州の法律では銃携帯は合法であるにも関わらず大学の校則ではキャンパスへの銃持ち込みは禁じられているため生徒や教師の誰も銃を持っていなかった。だから犯人がキャンパス中でひとりひとり射殺していくのを見ながら生徒も教師も全く無力だったのである。
事実小銃携帯許可の普及を唱えるフロリダ大学の統計学者、ジョン・ロット教授によると、いわゆる銃砲携帯禁止地区と呼ばれる地区とそうでない地区を比べた場合、前者のほうが断然殺人事件の割合が高いのだという。
偶然だが当のロット教授は二週間前にこの銃砲禁止地区の問題点についてフォックスニュースでエッセーを公開したばかりだった。
ロット教授はワシントン州の大学で嫉妬に狂った元恋人に殺された女学生の事件をとりあげ、時として特にか弱い女性の場合、効果的な自己防衛の方法は銃を持つ以外にはないと書いている。
殺されたレベッカさんは元恋人で凶暴なローエンにずっと付きまとわれていた。ローエンは過去に何度もレベッカさんに殴る蹴る壁に叩き付けるといった乱暴を働いており、レベッカさんはその度に警察に届け、ローエンが彼女に一定区間以内に近付かないようにというリストレイニングオーダーという礼状を二回も発行してもらっていた。
しかしこのような礼状は恋人を殺して自分も死のうと自暴自棄になっている人間には何の効き目もない。レベッカさんは銃砲禁止地区の大学構内でローエンに襲われ抵抗できずに殺されてしまった。通報を聞いて警察が駆け付けたのはその7分後のことであった。
全国でこのような事件は後を絶たない。いくら警察が大急ぎで駆け付けても7分という時間は殺されているほうにしたら永遠に近いほど長い時間だ。へき地や犯罪の多い地域などでは警察がくるまでに20分も30分もかかることはざらにある。そんなところでのんびり警察がくるのをまっていたのでは命がいくらあっても足りない。市民は、特に女性や年よりなどのか弱い人々は、犠牲にならないよう自分で自分の身を守る必要があるのである。皮肉なことにこうした市民を守る意図で作られた銃砲禁止地区の設立は犯罪者の武装解除には何の役にもたたないが、反対に合法で善良な市民を丸腰にしてかえって市民を無抵抗で危険な状態においてしまう結果となる。
教授とその同僚たちがシカゴ大学のビル・ランズ教授と協力して1977年から1999年の間にアメリカの公共の場で起きた複数の犠牲者が出た乱射事件の数を調査してみた。するとシャルイシューCCW法(犯罪歴や神病以患者以外の市民なら申し込み次第許可がおりるという法律)を取り入れた州はどこも皆こぞって取り入れる前と後では60%も事件数が減ったというのである。公共の場での乱射による死傷者の数はなんと平均78%も減っていた。
常識的に考えて、強姦や強盗を企む犯罪者はもともと法律をやぶることなどなんとも思っていない。そういう人間にとって銃砲規制など何の抑止力もない。これらの悪者は女性やお年寄りといった弱者を狙う。だが善良な市民なら誰でも銃を携帯することができるとなれば、たとえすべての市民が銃を持っていなくても犯罪者は犠牲者を選ぶのが難かしくなる。一見弱者に見える女性やお年寄りも銃を構えれば犯罪者と同等の力を持つからである。
アメリカの主流メディアは全体的に銃が嫌いなのでアメリカ全土で毎年どれだけの銃によって人々の命が救われているかという確かな統計はない。だが銃によって失われる人の命を数えるならば、銃によってすくわれた命を数えるのも筋だろう。
日本人には銃というものに親しみがないため、なにやら恐いものだという印象がある。決まり文句とはいえ、銃が人を殺すのではない、人が人を殺すというのは本当だ。銃はそれを持つ人によって恐ろしい敵にも頼もしい味方にもなるのである。
April 17, 2007, 現時間 8:47 PM
| コメント (4)
| トラックバック (0)
エントリーが気に入ったらクリックしてください。
日付け → →April 15, 2007
『法と秩序』か社会福祉か、揺れるフランス大統領選挙
フランスも長年に渡るジャック・シャラク大統領の時代がついに終わり、新しい大統領選挙がいよいよ大詰めである。
サルコジ氏首位で最終盤へ=第1回投票まで1週間−仏大統領選
【パリ14日時事】22日のフランス大統領選第1回投票まであと1週間。ニコラ・サルコジ国民運動連合(UMP)総裁が支持率トップを維持しているが、同総裁の問題発言が報じられるなど、選挙戦の行方にはなお不透明な要素もある。
主要6機関による世論調査の支持率は、サルコジ氏が27−29.5%、社会党のセゴレーヌ・ロワイヤル元環境相22−25%、仏民主連合(UDF)のフランソワ・バイル議長18−20%、国民戦線(FN)のジャンマリ・ルペン党首13−15%。1−4位の座は最終盤にきて固まりつつある。
こうした中、サルコジ氏が哲学誌に掲載された対談で、小児性愛や若者の自殺志向について「先天的なもの」と発言。これは「人の運命が最初から決まっていると言っているようなもの。非常に重大な発言だ」(バイル氏)などと対立候補から批判されたほか、有識者や聖職者からも相次いで厳しい指摘を受けた。
選挙を目前にして保守派とリベラルの間ではフランスの遊園地で起きた警察官殺人事件を巡ってフランスをまっぷたつに割っている深刻な問題が浮き彫りになった。
4月12日、Foire du Trôneという遊園地で、『若者』数人が乗車券を買わずに観覧車に乗ろうとしたところを係員に注意されけんかになった。警備に当たっていた二人の警察官が仲裁にはいったが、そのうちの一人の警察官、レイナルド・カローン巡査(31歳)が観覧車の通路に落ち観覧車に打たれて即死した。カローン巡査は強い衝撃で体がふきとばされ、そのあまりの惨さに思わずパートナーの警察官は失神しそうになったほどだという。
当初この事件はカローン巡査が誤って落ちた事故死であると報道されたが、その場にいた二人の目撃者が名乗り出て、巡査は『若者ら』に突き落とされたのだと証言したことから、殺人事件とみなされた。事件に関わった少年3人が即座に事情聴取で連行され、犯罪の常習犯でパリでも特に柄の悪いことで知られるla Cité des Pyramidesという貧民窟にすむ大柄な『黒人』の少年(15歳)が故意に巡査を突き落としたことを認めた。
フランスのメディアが「移民」「黒人」「若者」といういい方をする時は、犯人がイスラム系の移民であると判断してまず間違いはないのだが、メディアは未だに少年がイスラム教徒であったかどうかは公開していない。
ここで問題なのはフランスのメディアもそして警察も二人の目撃者が殺人を目撃しているにも関わらず、三日以上もこの事件を殺人として扱わず事故として扱おうとしたことである。
まず最初に遊園地の係員が少年らに注意したことを「的屋と若者のけんか」と表現して係員にも罪があるかのようないいかたをしたり、カローン巡査は逃げようとした少年に突き飛ばされて落ちたのであって故意に落とされたのではないとか、少年らの罪をなんとか軽くさせようという努力がされた。
フランスメディアと警察のこの消極的な態度には原因がある。実は先月の終わりにも別の遊園地で無賃乗車を取り締まろうとした警察と若者たちの間で Gare du Nord紛争と呼ばれる暴動あったばかりだったからである。
この暴動では遊園地の乗り物に無賃乗車をしよとした若者数人を逮捕した警察官のやり方を巡って若者たちが暴れ出したのがきっかけだった。小競り合いはすぐに激化し機動隊が出動して催涙ガスがつかわれるなどの大騒動となり13人が逮捕された。その時サルコジ候補は警察のやり方は正しかったとし、「切符の代金を支払わない人間を逮捕することが問題になるのはわが国くらいである」と発言。「警察が最低限の秩序を守ることが許されないなら警察はなんのためにあるのだ?」と問いかけた。
以前から再三書いてきたように、フランスではイスラム系移民の暴挙はここ数年、目に余るものがある。一日に平均10人以上の警察官が移民によって暴行を受けることや、乗用車が一晩で百代以上も焼かれていることはもうここ2〜3年日常茶飯事になっている。しかしそれに対するフランスメディアやフランス政治家の対応は取り締まりではなく迎合一点張りである。以前にパりは燃えているで私はこのように書いた。
私はこの間...フランスで起きているインティーファーダ(過激派イスラム教徒による反政権運動)について、やたらにメディアが遠慮がちであることを書いた。 アメリカのメディアは重体者を出した数台のバス放火事件の犯人を単に「若者」とか「移民を祖先に持つ若者」もしくは「低所得者住宅地の若者」といった言葉で表現し、明らかにイスラム系移民であることを必死に隠そうとしていた。しかしこの傾向は当のおふらんすメディアでも同じことらしい。 ...去年のイスラム教徒による暴動のきっかけとなった二人のちんぴらが感電死した記念日に、なんと市長さんが慰霊碑にお見舞いをするという珍動。 いくらイスラム系移民の多い地区とはいえ、ここまで迎合する必要があるのか、といいたくなる。しかし過激派に対して迎合すること以外にフランス政府には政策がないというのも事実なのだろう。 そしてその迎合の姿勢を必死で守っているのがフランスメディアである。
フランスの左翼議員が下層階級の票欲しさに犯罪者に甘い顔を見せる傾向はひどくなる一方だ。パジャマスメディアに掲載されたこの記事によると、仏民主連合(UDF)のフランソワ・バイル議長などを中心に左翼の候補者たちはこぞって貧民窟で貧乏人たちと一緒に写真をとってみたり、危険な地区の地下鉄に乗ってみたりして、いかに自分達が庶民の味方であるかという態度をアピールするのに余念がないらしい。メディアが心配しているのはそんななかでこの事件が凶悪な殺人事件として扱われれば大事な選挙中にフランスの治安の乱れに市民の注目が行き、貧乏人の味方をとなえる左翼候補らより、法と秩序をうたい文句にしているサルコジ候補が有利になってしまうということなのである。
フランスの治安の乱れに関する記事は下記参照:
フランスを蝕むイスラム系移民二世たち
フランス国内のイスラム問題解決はイラク戦争にある?!
犯罪者に甘い顔をして下層の票を集めようとしているのはバイル候補だけではない。
- José Bové:反グローバリゼーション運動家、フランスの違法移民と仲良し。
- Olivier Besancenot:共産党、労働者と反シオニスト活動家たちに迎合している。
- ジャンマリ・ルペン:(Jean-Marie Le Pen:国民戦線(FN)の党首)レバノン新聞でサルコジ候補はイスラエルと仲良しだからフランスには危険な人物だと主張。
- セゴレーヌ・ロワイヤル:(Ségolène Royal – 社会党)ルペンに負けじとこちらも別のレバノンの新聞にて自分が選ばれたらブッシュ大統領とは握手しないと宣言した。
ほかにも色々いるが皆福祉のやり過ぎで経済が破たんしているフランス社会で、低家賃の住宅を保証するとか、失業者すべてに失った仕事を返すとか非現実的な社会福祉ばかりを約束している。こうした候補者にとって警察官殺人事件への注目は非常に不都合な事態を及ぼす。
フランス左翼の候補は皆ロイヤルを筆頭にバイルも含め過激派中の過激派Schivardiにいたるまで収入を分割し社会を平穏化することを約束している。左翼はGare du Nord暴動の後、選挙運動に無関係な法と秩序問題を持ち出したとして右翼を攻撃。左翼にいわせると市民は賃金の値上げや家賃援助の住宅や就職の安定そして年金について聞きたいとのことだ。残酷な若い警察官の死は優しい政府を目指す候補者には都合が悪い。市民がどう判断するかは投票によって近日中にあきらかになる。第一回目の投票は4月22日の日曜日。どちらに輪が回るのか、賭けてください。Les jeux sont faits。
April 15, 2007, 現時間 2:33 PM
| コメント (0)
| トラックバック (0)
エントリーが気に入ったらクリックしてください。
日付け → →April 13, 2007
ナジャフ行進とグリーンゾーン爆破も別な見方をすれば、、
主流メディアの報道だけを聞いていると、この間のナジャフでは大規模な反米デモ行進が行われたとか、バグダッド市内では相も変わらず殺人事件が続出、警備の厳しいはずのグリーンゾーン内部ですら爆破事件がおきるなど、アメリカの新作戦は成果を見せるどころかイラクの治安は悪くなる一方だという印象を受ける。事実背後関係を全く説明しない主流メディアの報道だけを読んでいればそう感じても無理はない。しかし今のイラクの戦況を注意して見てみると実はそれほど悪い状態ではなく、それどころか結構ペトラエウス将軍の新作戦は実を結びはじめていることがわかる。
ナジャフの行進、数千か数万か
主流メディアはこぞって今回のデモ行進を「大規模な反米デモ行進」などという見出しで飾っているが、規模が大きかったのか小さかったのかということは何か比較になるものがなくては正確な判断は下せない。
イラク連合軍の当初の公式発表ではデモ行進の参加者は5千から7千とのことだった。後になってロイターが航空写真をもとにした軍の測定ではピーク時には1万5千になったと報道していた。主流メディアではその数は「何万」といった漠然とした表現しか使われていないため実際にはどのくらいの数だったのかは公式発表に頼る以外にないが、多く見積もっても参加者数はせいぜい2万人程度だった。この数をもってして果たしてサドルのデモ行進は主流メディアが言うほど成功だったと言えるのだろうか?
幸いなことにこのインターネット時代、ちょっとした検索でサドルが主催した去年のデモ行進と比べてみることができる。下記は2006年8月バグダッドで行われたデモ行進の模様、イラクザモデルから:
世論調査で人気があるということは必ずしも事実とは一致しない。今日のデモ行進を見てもサドルが期待した百万という数に対してバグダッドの二百万を超えるシーア派市民のうち集まったのはたったの10万人。サドルは南部の地域に送迎バスまで送っったというのにだ。しかも忘れてならないのはデモが行われたのはサドルにとっては本拠地。支持者が集まるのには何の努力もいらないはずだ、なにせ自分のうちの裏庭に集まれといわれたも同然なのだから。
イラクザモデルの数は少な目のほうで、別の記事では8月の参加者は20万人だったと報道したところもある。だが期待されていた二百万よりは一桁も少ない数だったとはいえ、それでも今回の2万人に比べたら5倍から10倍の数が集まっていたのだ!
たった8か月後に送迎バスまで派遣して集めたデモ行進参加者が十分の一に減っているという事実はサドルの勢力が大幅に弱体化していることを意味する。
バグダッド市内の死者減少
さて、イラクの治安が良くなっているかどうかを客観的に判断するためには、イラク内で殺される市民の数を作戦前と作戦が始まった後とで比べてく見ることが必要だ。APの記事によればこの数は確実に減っている。
APが合計したイラク警察発表の数によると作戦が始まってから木曜日までの間にバグダッド市内で殺されたイラク市民の数は1586人。
これは新作戦が始まる前の2か月間で暴力的な死を遂げた市民の数2871人に比べ大幅に減ったことになる。二月十四日から四月十二日木曜日の間に首都外部で殺された市民の数は1504人。その前の二か月間の合計は1009人とAPの報告は示している。
バグダッドでの死亡率は45%の減少、外部では50%の増加となる。悪い奴らがバグダッドから追い出されているため外部の殺人率が増えているわけだが、それでも全体の死亡率は20%減という計算になる。
グリーンゾーン爆破の真相
警備がどこよりも厳しいはずのイラク議会ビルで自爆テロがあったというニュースは、イラクの治安悪化を意味するように見える。しかしブラックファイブに投稿したイラク議会ビルに勤める民間人によると、議会ビルは2006年からイラク政府の管轄になっておりグリーンゾーンの中には位置していないのだという。
「頑丈に要塞化されたグリーンゾーンの真ん中」の警備をテロリストがやぶって潜入したとCNNやBBCやNPRなどは報道していますが、実は議会ビルはグリーンゾーンの中にはないのです。私たちはこのビルは2006年にイラク政府に譲渡しており、ビルはグリーンまたは国際区域の北西にあたる外側に位置することになったのです。
この投稿者のいっていることが正しいかどうかは分からないが、議会ビルの警備を担当していたのがアメリカ軍でないことは確かなようで、議会ビルにつとめるイラク人たちはアメリカ軍による厳しい警備を嫌がってもっと緩い警備体制を敷いていたという。今回の犯人もアルカエダと関係のあるスンニ警備員の仕業だったようだが、もう大分前から議会ビルの警備の甘さは指摘されていた。
ということは議会ビルの爆破はおこるべくして起きたことであり、アメリカ軍の新作戦の対象にはなっていなかったことになる。この事件のせいで議会ビルは警備体制の見直しがされることになる。
このテロで注目すべきなのはアルカエダの攻撃対象となった政治家たちはスンニ派だったことである。アルカエダの連中はイラク政府に協力するスンニ派を裏切り者としてどんどん暗殺している。それに対抗し本日もこれまでアルカエダと協力関係にあったイラクイスラム軍がアルカエダと手を切ってアルカエダと戦うと宣言した。アルカエダとスンニ反乱軍の亀裂は深まる一方である。
ピンクから白へ、赤からピンクへ
ここで私が先に紹介したイラク戦争に勝つ方法の第一段階を思い出していただきたい。
1)兵を一地区に集中させること。テロリストは自動車爆弾などを使って少人数で大規模なダメージを起こすことができるが、政府軍は大人数の軍隊を使っても広範囲に散らばっていてはとてもとても市民ひとりひとりを監視することなどできない。そこでガルーラは守る地域を、白、ピンク、赤という地区に分けた。白とは政府の統括下にある地域、ピンクはゲリラと政府が競争している地域、赤は完全にゲリラが制覇している地域。対反乱作戦を成功させる鍵は、ピンクを白に、赤をピンクへと、一区画づつ地道に変えていくことにかかっている。
グリーンゾーンが白だとすればバグダッドの大半はピンクだったが、今そのピンクゾーンはだんだんと白に変わりつつある。赤からピンクへ変わる時点では戦いが激化するため双方の犠牲者は増えるが、バグダッド外部での死亡者が増えているということはレッドゾーンがピンクにかわりつつあることを意味する。
こうして考えていくとイラクの戦況はかなり良い方向へ向かっていると判断することができる。今後主流メディアの記事を読む時は自爆テロや犠牲者の数だけでなく、どの地域でどういう状況でそうした事件が起きているのか、そしてそれがどういう意味を持つのか注意してみてみれば暗雲が立ちこめるように見える空の合間に銀色の裏地が見えるかもしれない。
April 13, 2007, 現時間 9:11 PM
| コメント (0)
| トラックバック (0)
エントリーが気に入ったらクリックしてください。
日付け → →April 11, 2007
イギリスは立ち直れるか?
先日帰還したばかりの15人のイギリス兵人質が、体験談を巨額な金額でゴシップ雑誌に売ることをイギリス国防省が許可したことでイギリス国民から非難ごうごうだという話を小林恭子さんのところで読んだばかりだったのだが、今日になって当局はやはりこれを許可しないと発表した。
当初はきわめて特殊な例なので許可するということだったのだが、由緒正しいビクトリアクロス受賞者くらいしか許されていない特権をたかが人質になっただけの兵士らに許していいのか、イラク戦争でなくなった人々の遺族はどうなる、などの批判が次々に寄せられたようだ。
一旦許可して批判があったからやっぱりやめましたじゃ本当にイギリス軍隊の名誉も地に落ちたというものだ。私は別に彼等が体験談を金で売ること自体が悪いことだとは思わないが、抵抗もせずむざむざ捕まって敵のプロパガンダに簡単に協力し拷問もされていないのに「殺されるかと思った」だの「恐かった」だの平気で公言し、それを恥るでもなく平気で金で売って大々的に宣伝しようという精神が理解できない。私がこんな状態で帰国したら恥かしくて世間様に顔向けできないと思うが。
これが小林さんのいうところの「新しい英国人」と私みたいな古い人間の差だろうか?
8日のサンデータイムズで、アンドリュー・ロバーツ(歴史家、作家)という人が書いていたのが印象に残る。それは、もし15人の体験談を売ることに「いいんじゃないの?すごい体験だったし、お金をもうけてもかまわないだろう」と自然に思える人は、「新しい英国人New Brit」、今回の件で怒る人は「古い英国人Old Brit」と指摘していた。まさにそうなのかもしれない、と思った。
この間私もロバーツ氏とアメリカの保守派DJとのインタビューで、下記のような発言をしていたのを紹介したばかりだ。
HH:いったいジョン・ブルはどうしちゃったんです?僕が読んだどのイギリスの歴史書でもこんな挑発があればダンスホールで歌がはじまり灯火をもった行進が始まったとあります。AR: 残念ながら私にもわが国に何が起きたのか解りません。 私にはショックです、そしてこれだけ多くのひとが、、、私たちは首を傾げているんですが、過去の政府ならこんな明らかな暴挙にたいして必ずしたであろう対応をしたいと答えた人がたったの6%なんですから。
私はこの会話を聞いてアカデミーで主演女優賞を取ったヘレン・ミレンが主演したThe Queen (女王)という映画のなかで、ダイアナ元皇太子妃が交通事故で亡くなった時のイギリス国民の皇室に対する理不尽な不満に対して、エリザベス女王が「私の国に何が起きたのか解らない」といった意味のことを言うシーンがあったのを思い出した。
現在のイギリス社会がダイアナ妃人気の頃からどうもおかしくなっていると考えたのは私だけではなかったらしく、イギリスの政治コラムニスト、メラニー・フィリイプさんもロバーツ氏のいう新しいイギリスをイギリスのダイアナフィケーション(ダイアナ化)と呼んでいる。
故ダイアナ妃は皇太子と結婚してからパパラッチに追い回された挙げ句の果てがパリでの事故死。ダイアナに少しでも関係のあった人々は昔なら口が堅くて有名だった皇室の従業員から昔の恋人から占い師にいたるまで、皇室での出来事をゴシップ雑誌に恥も外聞もなく売りさばいた。いくら金の力は強いとは言えこれらの人々には仕事に対する誇りとか忠誠心といったものは全くないのだろうか?その傾向が一介の民間人だけならまだしもイギリス軍隊にまでひろまっているとはこれは由々しき問題だと私は思う。
アメリカ軍人の間で人気のあるミルブログのブラックファイブでは、コメントを寄せているのは内容からいって若い現役軍人が多いらしく、当初15人が拉致されたという時点で15人が抵抗しなかったことには同情的だ。ただその後捕虜になってからの態度は軍人として頂けないという意見が大半を占めていた。実際にはイラン側に協力したのは13人。15人のうち二人は最後まで協力を拒否したのだそうだ。
我々民間人や退役して何年にもなるお偉い軍人と違って、明日は我が身の若い兵たちはやはり上からの命令で抵抗するなという戦闘規約があったのなら中尉程度の立場でそれに反して抵抗を判断するのは難しいのではないかという同情心が出るようだ。しかしそのかわり、そのような戦闘規約をあのような危険な場所で実行しているイギリス海軍そのものに関しての批判は非常に大きい。
実を言えば私はこの事件はおこるべくしておこったことだと考える。最近世界広しと言えども海軍に投資し規模を拡大しているのはアメリカのほかは日本海上自衛隊くらいなものである。欧州はこの大事な時に防衛費を大幅に削りただでさえ小さい軍隊をさらに規模削減へと進んでいる。かつて皇立海軍をあれだけ誇った英国ですらブルーウォーター海軍は全面的に廃止する予定だという。あの13人の振る舞いは例外というよりも、もう長いこと病んでいるイギリス海軍の症状といってもいいだろう。
今日イギリス人であることを誇りに思うのは難かしい。
私は今のイギリスの状態は1979年にイランのアメリカ大使館をイラン人の過激派学生たちに占拠された時のアメリカと似ているような気がする。私は当時あの事件をリアルタイムでテレビでみていたが、人質をとられた直後のカーター大統領のぶざまな慌てふたふたむきぶり、その後のイランへの屈辱的な嘆願、そして恥さらしな救助大失敗と続き、アメリカではアメリカ人であることへの屈辱感が全体的にただよっていたのをよく覚えている。
実はアメリカに暗雲が広がりはじめたのは長年の苦労の甲斐もなく、ベトナム戦争がああいう形で負けた1975年頃からだ。それまで一度も戦争に負けたことのなかったアメリカにとってベトナム敗戦は非常に大きな痛手だった。
1976年、共和党のニクソンのスキャンダルとフォードの不能な政治のおかげで民主党のカーターが大統領になったが、それと同時にアメリカ経済は低迷状態。当時のインフレは20%、失業率は二桁というひどさ。オイルショックでガソリンは不足するし、日本車の進出でアメリカ自動車業界は瀕死の状態。そんな中で起きた大使館占拠事件は棺に打たれた釘といってもいい。
イランの宗教革命を事前に予知できずこのような事態を引き起こしたカーター大統領の支持率は地に落ちたが、それ以上にこの事件によってアメリカ人の自己意識は最低となった。アメリカ人がアメリカ人であることに誇りを持てなくなっていたのである。
そんな時、アメリカ人の気持ちを高揚させるひとつの出来事が起きた。皆さんは1980年の冬季オリンピックでアメリカのホッキーチームが優勝したことをご存じだろうか? (ディズニーの映画でこの時のことを描いた「ミラクル=奇跡」という映画があるので是非観ていただきたい。)
当時のオリンピックの規則ではプロは参加できないことになっていたので、アメリカチームは学生ばかりの平均年齢20歳未満のアマチュアチーム。それに対抗するのは東共産圏の経験豊な強敵プロチームばかり。なにせ共産圏の選手たちはアマチュアとは名ばかりの年も経験もいったプロばかり。青二才の学生たちばかりをかき集めたアメリカチームなど勝ち目は全くなかった。
ところがこのアマチュアチームが誰の予想にも反して優勝してしまったのだ!最近のオリンピックでアメリカのチームを応援する時アメリカ人がよく声を合わせて「USA, USA」と叫ぶのはこの時優勝の決め手となったソ連チームとの試合の時から始まったのだという。
長年アメリカ人であることに自己嫌悪を持たされていたアメリカ市民はこのチームのおかげで再びアメリカを誇りに持てるようになったのだ。
アセアンさんはよく大使館占拠事件がアメリカ人のトラウマになっているというが、私はかえってあの事件はアメリカが立ち直る踏み台になったと思う。カーター大統領の悲劇的な政権はあの事件で終止符を打った。カーター大統領に対抗して出てきた楽観的なレーガン大統領が圧勝したのもこうした背景があればこそだ。
レーガン大統領が当選した時、日本のマスコミがレーガン氏は三流の映画俳優だがハンサムだし、何よりもアメリカ人にアメリカ人であることを誇りに思わせることができるひとだと分析していたのを私はよく覚えている。
イラン大使館占拠でアメリカ人として最大の屈辱を味あわされたアメリカ人は、もう負け犬でいるのはたくさん、誇り高きアメリカを取り戻そうという気になった。今回の事件で集団的自己嫌悪に陥っているイギリス国民が、この事件を期に目を醒ましてくれることを望む私は楽観的すぎるだろうか?
イギリスよ、いまは軍事縮小の時ではない! グローバルジハーディストたちと戦うため、今こそ軍事を拡大しかつての無敵で偉大なる英国を取り戻すときなのだ!
イギリスよ、立ち直ってくれ!
April 11, 2007, 現時間 8:49 PM
| コメント (2)
| トラックバック (0)
エントリーが気に入ったらクリックしてください。
日付け → →April 9, 2007
サドルの大誤算、ナジャフデモ行進の意味するもの
アップデートあり: ナジャフ行進参加者の数に訂正あり、下記参照。
昨日サドルはマフディ軍にアメリカ軍に抵抗するようバグダッド落日4年目の記念日にナジャフに集まって反米大行進を呼びかけた。それに応えて何千というマフディ軍およびその支持者がナジャフに集まってデモ行進を行っている。
これだけ見ていると、サドルの人気はまだまだ高くイラクにおけるシーア派による反米感情は高まる一方だと考えがちだが、実はそうともいえない。
サドルはアメリカ軍が増派を含む新作戦をはじめた当初マフディ軍にたいしてはおとなしくしていろと命令した。逮捕されても抵抗するなとまで言っていた。サドルの狙いは三つあった。
- アメリカ軍の新作戦は長続きしない。ほとぼりが冷めるまで大人しくしていてアメリカ軍が撤退したらまた活動をはじめればいい。
- マリキ政権はブッシュ大統領からの圧力で形ばかりの民兵取り締まりはするだろうが、真剣な取り締まりなどするわけがない。マフディ兵が逮捕されても後でコネを使って釈放させればいい。
- この際だからマフディ軍内部にいるサドル犯行分子をアメリカ軍に引き渡し、アメリカやイラク政府に協力しているふりをしてライバルを取り除いてしまおう。
産經新聞もサドルのこの作戦について、イラク政府はシーア民兵を温存する形となったなどと報道していた。(イラク掃蕩作戦に悲観的な産経新聞参照のこと)
汎アラブ紙アルハヤートなどによると、サドル師は、マリキ首相の密使として派遣されたジャアファリ元首相(シーア派)との会談で「マフディー軍潜伏」を決断したという。「掃討作戦の対象はシーア派、スンニ派を問わない」との公式な立場を取るマリキ首相も、マフディー軍の「一時的潜伏」により大規模掃討作戦の目標の半分が、実質的に空振りに終わることを、暗黙のうちに認めていることになる。...しかし、米軍の段階的撤退が視野に入ってきた現状で、その後も“シーア派覇権”を維持するために独自の軍事力の温存は宗派全体としての中・長期的な“戦略的利益”にかなう。
では何故サドルは今になってその潜伏作戦を覆し、アメリカ軍にたいして表立った抵抗を呼びかけはじめたのだろうか?
ここで私が一月の時点でサドルの計算違いでサドルの計画は産經新聞がいうような具合には運ばないだろうと予測していたことを思い出していただきたい。
- 意図的にしろ無理矢理にしろ一旦敵に占拠された領土を取り戻すとなると、もともとの領土を守るようなわけにはいかない。
- 民兵たちは正規軍ではない、ただのギャングである。何か月もサドルのいうことをきいて大人しくしているとは思えない。自分勝手に暴れた民兵たちが大量にアメリカ軍やイラク軍に殺されるのは目に見えている。
- アルカエダの勢力は昔に比べたら大幅に衰えているため、シーア派民兵が抵抗しなければバグダッドの治安は安定しサドルの思惑はどうあれ傍目にはブッシュの新作戦が大成功をしたように見える。そうなればアメリカ軍の新作戦は長続きしないどころかずっと継続する可能性がある。
サドルの狙いに反してマリキ政権はシーア派取り締まりに真剣に取り組んだ。マフディ軍はバグダッド中心部から即座に追い出され南部へと追い込まれている。しかもバグダッドを退散した民兵たちはイラン国境近くのディワニヤ地域でアメリカ軍空軍による激しい攻撃を受けている。
また、マフディ軍無抵抗作戦に亀裂でも述べたように、マフディ軍のなかにもイラク政府に本気で協力しようという勢力と断固協力できないという勢力との間で亀裂が生じてきている。ビル・ロジオのリポートによればイラク政府に協力する勢力はどんどん増えているという。
となってくるとサドルの潜伏作戦ではアメリカの新作戦が時間切れになる前にマフディ軍の勢力が大幅に弱体化し、アメリカ軍が去った後に戻ってくる場所がなくなってしまう危険性が大きくなったのだ。そこでサドルは今必死になって作戦変更。イラク軍にたいしてもマフディと戦わないでくれと嘆願書まで送り出す始末。(無論そこはアラビア、嘆願書でも勇ましい書き方をしてはいるが、切羽詰まった感情は隠しきれない。)
アメリカ軍の概算ではナジャフに集まった群衆の数は5千から7千、サドルが期待していた何万という数にはおよそほど遠い数となった。しかもサドルがデモ行進を率先して対アメリカ抵抗を呼びかけたというのならばともかく、自分は安全なイランに隠れたままで書面だけの呼びかけなどその弱体さを暴露したようなものである。
このデモ行進の規模の小ささとサドルの臆病な態度がイラクの民兵らの士気に響かないはずがない。しかもイラク・アメリカ連合軍はマフディ軍退治の大規模な最終攻撃に備えてちゃくちゃくと準備を進めている。
サドルよ、お前の最後も近い。
アップデート: ロイターの記事によると アメリカ軍の空からの偵察写真によると参加者の数は約15000人とある。地上にいた記者の概算では数万とあるが、地上では正確な数字はつかみにくい。唯一つ正確な測定ができるのは航空写真のみなので、私はアメリカ軍の測定を信用する。
April 9, 2007, 現時間 12:37 PM
| コメント (0)
| トラックバック (0)
エントリーが気に入ったらクリックしてください。
日付け → →April 8, 2007
人質はどう振舞うべきか その2
アメリカ海軍の新聞、ネイビータイムスに今回のイギリス兵と同じような状況で拘束されたアメリカ兵らの話が載っている。同じ海域で任務にあたっているアメリカ海軍としては、今回の事件は全く他人事ではない。個人的には私の同僚のおじさんが今あのあたりの軍艦で勤務中ということもある。
さて先ず気になるのはアメリカ海軍の兵士らがイギリス兵のような状況におかれた時、アメリカ兵はどのように行動することが期待されているのだろうか?ということだ。今回のイギリス海軍の反応から言って英兵らの行動はROE(戦闘規制)に乗っ取ったものであったようなので、ここでアメリカ軍のROEを確かめておこう。
4月5日のCNNのインタビューにおいて、マイク・ミュラン大将海軍総司令官は、解りやすくいえばアメリカ海軍兵はこのような状況を防ぐことを期待すると語った。
「私の期待としては、アメリカの水兵たちはこのような状況において拘束されることは絶対にないということです。」と語った。「個人や隊は自己防衛の権利に添って行動すべきであり、自分達を守るために上からの許可を待つ必要はありません。このような作戦や任務につく場合、そういう考えで出動しています。」水兵らが拘束された場合には、アメリカ兵士として、基礎訓練キャンプで教え込まれた6つ「行動の規律」を守ることが期待されていると大将は付け加えた。 兵士は自分の名前のほかにはほとんど情報を与えず、その他の質問には「非常に限られた範囲で答えること」だと大将は語った。
ホッ! ではアメリカ軍はイギリス軍が明かに時代送れと考えている、「名前、生年月日、出席番号」以外は言うなというモットーを貫き通しているわけだ。よかった〜。
さて、ここで先のイギリス兵15人とほぼ同じ状況で捕われたアメリカ兵たちの話をしよう。まず最初の事件は1969年に北朝鮮にだ捕された偵察線プエブロの乗組員たちが11か月ほど拘留された事件。乗組員たちはその間しょっちゅう殴るけるの乱暴を受けた。彼等も今回のイギリス兵と同じようにプロパガンダの写真撮影をされたが、みんなでピースサインならぬバードサイン(中指を突き付ける侮辱のサイン)をしてにっこり撮影に応じたという。これがタイムマガジンに掲載されジェスチャーの意味が説明されてしまい、兵士らはまたまたひどい拷問にあったという。(ありがとう!タイムマガジン!)
そのうちの一人、ラルフ・マクリントックさんは「行動の規律」を自分なりに状況に当てはめて解釈しながら行動したという。
2001年4月、中国近郊の航空で中国戦闘機に無理矢理着陸をさせられた米海軍偵察飛行機PC3の乗り組み員24人が捕らえられ11日間拘束された事件では、状況が非常に似ているだけに米海軍兵と英海軍兵の行動の違いは対象的である。
そのうちのシェーン・オズボーン元海軍少尉は当初から乗組員全員で力の限り抵抗しようと決心。イギリス兵が解放された時点ではまだまだ抵抗力は残っていたという。
拘束10日目にして、オズボーン少尉は中国の空域を侵したと認める声明文を書けばその日のうちに解放してやると言われたが、「謝罪より自分が白髪頭の年寄りになる方が先だ」と部下たちに告げ部下たちも全員賛成したという。
今回の人質ドラマをみていてオズボーン氏は「私は自分の部下たちをどれほど誇りに思ったかを思い出しました。私たちは名誉を保持したまま(中国を)去りました。」
まったく、爪のあかを煎じて、、、、、
アメリカ軍人たる行動の規律
I
自分は我々の生き方をそしてわが国を守る軍隊にて戦うアメリカ人である。自分はそのためなら命を捧げる用意がある。II
自分は決して自分の意志で降伏しない。もし自分が司令官なら抵抗の余地があるうちは隊員を決して降伏させない。III
もし自分が捕われたなら出来る限りの方法で抵抗を続ける。自分は脱走に力の限り努力し他者の脱走も援護する。自分は敵からの恩赦も特別扱いも受け入れない。IV
もし自分が捕虜になったなら同僚の捕虜とともに信心を守り続ける。自分はどのような情報も敵に与えず同胞を害するような行動には加担しない。自分が上官なら指揮をとる。そうでなければ任命された上の者の合法な命令に忠実に従う。V
捕虜となり尋問された時は自分は名前、位、サービス番号、生年月日を提供する義務がある。それ以上の質問には最大限、力の限り答えるのを避ける。自分は口頭であれ筆記であれわが国を裏切り同盟国を傷付け、その努力を傷つけるような発言はしない。VI
自分は自由の為に戦うアメリカ人であることを決して忘れない。自分が自分の行動に責任を持つこと、そしてわが国を自由にした信念に敬虔であることを決して忘れない。自分は神とアメリカ合衆国を信頼する。
April 8, 2007, 現時間 5:49 PM
| コメント (6)
| トラックバック (0)
エントリーが気に入ったらクリックしてください。
人質はどう振舞うべきか
アメリカやオーストラリアでは同じ文化を受け継ぐものとして、今回のイギリス兵捕虜の無様な姿には少なからずショックを受けている。戦時中捕虜になった軍人や民間人はアメリカには多くいるので、彼等は決して何の経験もないのに口先だけでイギリス兵を批判しているわけではない。そこで今日は人質としてとらわれの身となったアメリカ人の例をいくつかあげて、彼等がどのように人間としての威厳を守りとおしたか考えてみたい。
1975年イランはテヘランにあるアメリカ大使館が当時大学生だった現在の大統領アハマディネジャドを含む過激派学生たちによって襲撃された。当時の襲撃で何人かが殺された後、外交官や職員といった民間人と軍人を含む53人が444日間イラン政府に拘束された。
人質たちは目隠しをされ後ろ手に縛られ独房に入れられた。彼等は「自白状」に署名をしろといわれ拒絶すれば殴られ、食事を拒否され、偽処刑を何度も体験した。ジョン・リンバートさんはペルシャ語の堪能な外交官だった。彼はテヘランから200マイルほどの場所で独房に入れられており、ほかの人質がどうなったのか全く分からなかった。ある時英語を教えていたイラン看守がこれはどういう意味かとリンバートさんに聞いてきたいくつかの言葉をみてみると、、「ぼろ布頭」「ぼけなす」「*母を犯す物*」「おカマ野郎」といった言葉が並んでいたという。リンバートさんは大笑い。どこか近くにアメリカ海兵隊員が自分と同じように耐えているのだと思うと心があたたまる思いだったとリンバートさんは後に語っている。
マイク・ホーランドさんはペルシャ語堪能な警備員だった。彼は素っ裸で歩き回って看守を常に侮辱した。また救援がくると信じたホーランドさんは看守の銃に細工をしたりした。
マイケル・メトリンコさんは、平和隊でボランティア活動をしたこともあるタフな外交官。ペルシャ文化に精通していた知識をつかってメトリンコさんは何かと看守や尋問者に議論を吹っかけ精神的な抵抗をし続けた。イラン人にしか分からないような腹立たしい罵倒をするのでその度に殴られた。一度は自分のイラン人の友達が尋問を受けている最中に尋問者にけんかをふっかけ友達のかわりに殴られたりした。この抵抗精神は最後まで変わらず解放される日に輸送バスの中で兵士の母親の悪口をいってバスから引きすりおろされあやうく解放されないところだった。しかし土壇場でイラン高官が間にはいりメトリンコさんはドイツ行きの飛行機にのることができた。メトリンコさんはイランを愛するが故、過激派独裁者が許せなかったという。
下記はIMAOに寄せられた同じくイランのアメリカ大使館で人質となった海兵隊員の話を要約した。
大使館を警備していた海兵隊は1000:1で圧倒的に劣勢だった。しかし隊員たちは秘密書類や重要な器具を破壊するため12時間部屋に立て籠った。最初に連行された時隊員たちはアメリカのイラン政策を批難する声明文に署名をさせられたが、皆「ミッキーマウス」とか海兵隊英雄の「チェスティー・プラー」「ダン・デイリー」などという名前で署名した。
イラン側はプロパガンダとして隊員たちを何度もフィルムに撮ったが、著者は常にほかの人質の影に隠れて顔を隠していたいため、そのうちアメリカでは彼は行方不明ということになってしまったという。他の隊員は裸になったり顔にケチャップをつけたりして撮影を妨害したという。
解放の前日、著者らは再び尋問され、いわれた通りの宣言をしないなら解放されないとおどかされたが、隊員たちは黙ったままだったり、海兵隊の歌や聖歌を歌ったりして全く協力しなかった。
「解放の日、おれは飛行機に向かって二匹の猿たちに連行された。おれは奴らの手から腕を振払ってアメリカはナンバー1だ!と指を立ててやった。間違った指だけど、、、」
隊員らは殴る蹴るはもちろんのこと偽処刑などの精神的拷問を何度も受けた。「おまけにアムネスティーインターナショナルのバカが時々おれたちがどれだけ人道的に扱われているか世界に知らせるためにやってきた」と著者。しかしそのようなひどい目に遭いながら、隊員たちは一人もくじけず抵抗を続けた。(ただひとり陸軍兵が最初からイラン側に協力し人質たちからは村八分になったという)
「おれたちは抵抗した、なぜならおれたちは一番に海兵隊員だからだ!おれたちはおれたちに勇気を与えてくれたアメリカに名誉と忠誠を誓うからだ。自分らの名を、隊の名を、国の名を汚すくらいなら死んだ方がましだ。
センパーファイ!(Semper Fi)」
まったくこの人たちの爪のあかでも煎じてあの15人に飲ませてやりたいね。
ハッピーイースター!
April 8, 2007, 現時間 11:26 AM
| コメント (4)
| トラックバック (1)
エントリーが気に入ったらクリックしてください。
日付け → →April 7, 2007
いよいよ大詰め? アルカエダイラクが崩壊する時
最近アルカエダによるスンニ種族への攻撃は過激になってきている。すでに塩素ガスを使った攻撃は今年にはいって9件にもなる。
2007.04.07 Web posted at: 16:01 JST - CNN/AP
バグダッド——イラク警察によると、同国中部ラマディ近くで6日、爆薬や塩素ガスを積んだトラックによる自爆攻撃があり、少なくとも27人が死亡した。塩素ガスを用いたテロは今年1月以降に表面化した新たな手口で、これで9件目。ラマディがあるアンバール州ではイスラム教スンニ派部族が、国際テロ組織アルカイダ系の外国人戦闘員の追放で政府系勢力を足並みをそろえる動きが出ており、6日のテロはこれに反発した犯行ともみられる。
現場はラマディ市から西部へ約4.8キロ離れた警察の検問所。トラックが高速で突っ込んできたため警官が発砲したものの爆発した。付近の建物も損壊するなどの被害を受けた。
呼吸困難など訴える住民が入院した。負傷者の詳しい数は不明。ラマディはスンニ派武装勢力の拠点ともなっている。
アルカエダによる元同胞への攻撃は自殺行為としかいいようがない。いくら自爆作戦が得意なアルカエダとはいえこれは完全に非生産的なやり方である。そのあまりのひどさに、スンニ派たちは次々にアルカエダに反旗を翻し、一時は敵として戦っていたアメリカ軍やイラク軍に協力する姿勢すら見せ始めている。
2007.04.07 Web posted at: 17:12 JST - CNN/AP
バグダッド——イラクで昨年10月に結成されたとするイスラム教スンニ派武装組織の結集団体「イラク・イスラム国家」に属する「イラク・イスラム軍」は5日、イスラム系ウェブサイトに声明を載せ、国際テロ組織アルカイダを非難した。
同イスラム国家は、アルカイダ系のイラク・アルカイダ機構の指導者のきも入りで誕生したもので、団体内の対立を物語る動きとして注目される。
イラク中部アンバール州などでは、イスラム教スンニ派部族がアルカイダ系の外国人戦闘員の追放で政府系勢力と足並みをそろえる動きを見せており、これへの報復ともみられる攻撃も生まれている。
「イラク・イスラム軍」は声明で、「アルカイダは、同組織に忠誠を示さないイスラム軍などスンニ派武装勢力の戦闘員を殺害している」と非難。アルカイダはスンニ派の富裕層も標的にしており、「金を払わなければ殺害される」と主張している。
また、アルカイダを批判、もしくは路線の誤りを指摘する人物は殺されていると述べている。
毒ガス攻撃や自爆テロを「良いニュース」というのも変な言い方ではあるが、これは実際我々にとっては良いニュースなのである。なぜならアルカエダはイラク抵抗軍としての表看板を完全にあきらめたことを意味するからだ。
一般的にアルカエダはスンニと協力することでイラクを侵略者アメリカから守る「抵抗軍」だという表向きの正当性を主張してきた。しかし地元イラク人を殺しまくりスンニ派にまで愛想をつかされたのでは、アルカエダなどイラクの平和を乱す単なる外国人武装勢力、つまりテロリスト、に過ぎない。イラク人のアルカエダに対する憎悪は一部のイラク人がアメリカに持っているものなどとは比べ物にならないほど深い。イラク住民のすべてが家族や知り合いの誰かをアルカエダの暴力で失っているのだ。
ということは今後どんなことがあってもイラクがアルカエダの温床となることはあり得ない。アルカエダが地元イラク人の擁護を得ることは完全に不可能となったからだ。また今回の事件でイラク警察の活躍も無視できない。27人のイラク人を殺した毒ガス入り爆弾は関門でイラク警察が発表した際に起爆された。もしイラク警察にとめられずに貫通していたならば何百という被害者がでていたことだろう。
一方南部のシーア民兵は、、、
良いニュースといえば、同盟軍はマフディ軍も順調に噛み砕いている。昨日などは空爆を使っての猛攻撃だった。モクタダ・サドルが戻って来ようとしても彼のマフディ軍は元の面影など全くないものになっているだろう。マフディ軍のないサドルなんて、クリームのはいってないコーヒーと同じよ。政治的に全く意味のない存在となる。
また、昨日イギリス兵4人が戦死したバスラの攻撃でも解るようにマフディ軍はイラク南部へと勢力を集中させている。ところでイギリス兵4人を殺したのはEFP(explosively formed penetrator)と呼ばれる強力な武器でこれまでイラク内ではあまり見られなかった武器だが、最近イラク南部でよくみられるようになった。明らかにイランからの贈り物である。
さてそれでは現在にイラク状況をまとめてみよう。
- イラクのアルカエダは元同胞のスンニ種族らを恐れるあまり、アメリカ軍や他のイラク人への攻撃を中断し、スンニを標的に攻撃を集中させている。
- 一方シーア民兵は首都のバグダッドを追われ南部に追い込まれている。しかし避難した南部でも同盟軍の攻撃でどんどん勢力を失っている。
- そしてイランはイギリス人への贈り物としてイギリス兵がパトロールを中断した海峡を使ってイラクシーア派へEFPなどの武器を供給してイギリス兵を殺している。
こうして見るとイラクの戦況はまずまずといったところだ。しかしイランからのシーア民兵への武器供給は深刻な問題だ。イギリスが人質事件騒ぎで臨検を中断しているというのも心配のひとつ。この機に乗じてイランはどんどんイラクへ武器を運び込むだろう。イギリスが海域を警備できないのであればアメリカがやるしかないが、恥さらしの臆病者15人が無事にかえってきてもその結果が勇敢にイラクで戦う別のイギリス兵を殺すことになるのでは話が逆ではないか? 早くイギリス政府はそれに気付いて海上警備を再会してもらいたい。
April 7, 2007, 現時間 3:59 PM
| コメント (0)
| トラックバック (0)
エントリーが気に入ったらクリックしてください。
日付け → →April 6, 2007
英元海軍兵、帰還人質15人は恥さらしと批判
アップデートあり! エントリーの後部参照。
帰還したイギリス兵たちのいいわけがましい記者会見が続く中、アメリカの軍人らによる15人の臆病者行為の批判は高まっている。
「抵抗は論外だった」とクリス・エア大尉は語り「抵抗していたなら我々の多くはこうして今日ここに立っていないでしょう。」と続けた。これに対してアメリカのジャック・ジェイコブ大佐(退役)はテレビのインタビューで「イギリス軍の先輩たちが第二次世界大戦でこいつらのような態度をとっていたら、このぼけなすは今日ここに立っていなかっただろう。」というような発言をした。さすがアメリカ軍人、歯に衣を着せない。
しかしカウボーイのアメリカ軍人が批判するのは当たり前だが、イギリス本土では彼等に対する批判は全くないのだろうかと私はちょっと疑問に思っていた。
それでこの元イギリス海軍兵でイラクで拉致された経験もあるトビー・ハーンデン記者のこの記事は興味深い。
私はいま女王陛下の皇立海軍の隊員がマクムド・アハマディネジャドを「サー」と呼び彼と彼の同胞の水兵と海兵隊員は「あなたのお許しに感謝します。」とへつらう映像を観た。恥かしいかって?当たり前だ。私は1990年代に15人の人質が勤務するHMSコーンウェル艦で勤務していた。だからこの件についてはちょっとは分かるつもりだ。また私はズィンバブエでしばらく拘束されていたこともあるし、イラクの反乱分子から尋問を受けた体験もある。だから自分の意志に反して拘束されるということについてちょっとした内部の知識もあるつもりだ。
この15人はやたらにカメラに映りたがってると感じるのは私だけだろうか?もちろん捕虜は言われた通りのことをするしかない。自分の命が危機にさらされているときは相手の要求をすべて飲むのは良識というものだろう。
だがこの水兵らや海兵隊員らは最初から処刑されたり傷つけられたりすることはないと解っていたはずだ。もし彼等がそれを知らなかったとしたら、シャトアルアラブ水域で勤務する船舶臨検隊員らへのブリーフィングは非常にお粗末なものだったということになる。
ちょっとおびえたふうにモノトーンで話していたフェイ・ターニー水兵(女性)を除き、のこりの水兵や海兵隊員の落ち着いた態度から言ってイラン側から良く扱われていたことを示している。では彼等がイラン水域を「侵犯」していたとそう積極的に認めてイラン側に協力する必要があったのだろうか?
我々はみな人質ビデオをみたことがある。人質には拉致者に迎合せずに振舞うやり方というものがある。湾岸戦争で撃ち落とされた英国竜巻き号のパイロットを覚えているだろうか? また2003年のアパッチ号のパイロットは?
釈放寸前に水兵と海兵隊員が熱心にアハマネディネジャドと握手をしている姿をみて、私はこれらの兵士らがこういう場合にどう振舞うべきなのか全く知らされていなかったのだと確信する。
私は別に大統領の目をつっつくべきだったと言っているのではない。だが自分らに対してひどいことを行った扇動政治家に熱心に対してこれほどまでに明らかさまに心から感謝している姿をみせるのはやり過ぎだ。拘束から解放されるのは常にうれしいことだ。私はズィンバブエでのことをよく覚えている。しかし彼等はテヘランのカメラに向かって手を振ったりニヤニヤ笑たりする必要があったのか?
私のオーストラリア人の同僚が私の事務所の前を通りすぎてくすっと笑って私に聞いた。「英国人が誇る固い上唇はどうなったんだ?」(stiff upper lip, 逆境に負けない強い精神)
もうひとつの疑問は15人が一発も発砲せずに捕われたという事実だ。英国のあの地域での戦闘規制は相手から発砲されない限り撃ってはいけないということになっている。
水兵と海兵隊員はどの時点で抵抗しなければ拘束されると判断したのだろうか?アメリカ兵がこのような状況で拉致されるということは先ず考えられない。無論イラン兵を殺すことは15人の死を招くか、すくなくとも国際紛争に発展しかねないという議論は理解できる。
場合によっては発砲を自制することは重大である。私が英国軍兵としてイラクに居た時、兵士らがその場の状況を正しく判断して懸命にも引き金を引かなかったことがあった。
しかしアメリカ兵が引き金をやたらに引きたがるカウボーイであるのと同時にイギリス兵は反対の問題を抱えているのではないか?2003年の6月に赤帽(英国憲兵)がイラクのMajir-al-Kabirで一発も発砲せず銃を降ろしてから殺された事件があったように。
私の英海軍での経験からいって、私は15人はこのような状況に対応できる十分な訓練や準備を受けていなかったのだと思う。明らかに将来このことは改正されなければならない。しかしここで問われなければならないことは15人のなかにいた2人の将校は適切な指揮をとったのだろうかということだ。
... イギリス兵が今回教訓として学ぶことは今後このような状態の時イギリス兵はどうふるまうべきなのか訓練をし直す必要があるということだ。
残念ながらハーンデン記者の意見は少数派らしい。今日ヒューヒューイットのラジオ番組を聞いていたら、イギリスのアンドリュー・ロバーツという歴史家とのインタビューでイギリス市民でイギリス兵たちがもっと強行な手段をとるべきだったとアンケートに答えたのはほんの30%程度だという話をしていた。
HH:いったいジョン・ブルはどうしちゃったんです?僕が読んだどのイギリスの歴史書でもこんな挑発があればダンスホールで歌がはじまり灯火をもった行進が始まったとあります。
AR: 残念ながら私にもわが国に何が起きたのか解りません。 私にはショックです、そしてこれだけ多くのひとが、、、私たちは首を傾げているんですが、過去の政府ならこんな明らかな暴挙にたいして必ずしたであろう対応をしたいと答えた人がたったの6%なんですから。
HH: その世論調査を信じますか?きちんと質問したんでしょうか?
AR: いえ、していません。さらに24%の人たちが政府はもっと強行な手段を考えるべきだと答えています。ですから強行手段をとるべきだという6%ともう少し強硬な手段をとるべきだと答えた人をあわせればすくなくとも30%になりますが、これは対テロ戦争を支持しているひとたちとほぼ同じ割合の数になります。
本当に偉大なる英国はどうなってしまったのだろうか? チャーチルやサッチャー首相のイギリスはもう戻ってこないのだろうか? 悲しい限りである。
アップデート: このような事件の再発を防ぐためイギリス海軍は船舶臨検方法の見直しを考えているというが、その間船舶臨検は一時中止すると発表した。先日イラクのバスラ地域でイギリス兵4人を殺害したRFPはイランからイラクへ渡った武器だったのだということをイギリスには忘れて欲しくないもんだ。臨検を怠ってもっと多くの武器がイラクへ渡れば15人程度ではイギリスの犠牲はおさまらない可能性を忘れて欲しくない。
ロンドン(CNN)2007.04.06 ペルシャ湾で船舶荷物の検査に当たっていた英水兵、海兵隊員15人がイラン軍に拘束、約2週間ぶりに5日に解放された問題で、英国防省筋は6日、事件の詳しい経緯の調査を開始、同時に同湾での臨検を中断することを決めた、と述べた。
臨検作業は、イラン核問題に絡む国連安保理の制裁決議やイラク政府の要請で実施されていた。
英海軍首脳は、拘束された水兵らの交戦規定への順守や必要とされる装備品の有無、受け取っていた関連情報の真偽などを調べると述べた。事件でイラン側は、拘束水兵の画像を放映、イラン水域侵犯を認めたなどと主張していたが、これらの発言が「強要の圧力」の結果ではなかったのかも調べるとしている。
April 6, 2007, 現時間 8:51 PM
| コメント (0)
| トラックバック (0)
エントリーが気に入ったらクリックしてください。
恥さらし米下院議長ペロシ女史の中東訪問
アメリカでは政権及び大統領に任命された外交官以外の人間が国の代表として外交するのは違法である。一個人が親善の形で他国を訪れるのはかまわないがアメリカの外交政策について他国の勢力者と直接交渉するのは禁じられている。
だがこの法律は結構しょっちゅうやぶられており、やぶった人間が法的に裁かれるということは先ずない。クリントン政権中に元大統領のカーター氏が独断で北朝鮮と交渉を行って時のクリントン政権に大恥をかかせたことなどはその典型だ。(おかげで北朝鮮の核兵器開発をアメリカは指をくわえて見守る形となってしまった。)
今回の米下院ペロシ議長の中東訪問も国の外交官としての正式に任命を受けたわけでもないのに、ペロシ女史は国務長官のライス女史を差し置いてのこのこでかけていって大恥をさらしている。主流メディアのなかでも比較的民主党寄りのワシントンポストですらも、国会議員が外交をしてはいけない典型などと言ってペロシ女史の軽々しい行為を批判している。
イギリス兵返還のニュースと共にニュース映像を埋め尽くしたのがシリアを訪れた下院議会議長のペロシ女史の醜いスカーフ姿。私は別にペロシ女史がブスだと言っているのではない。イスラム教女性の衣装であるヒジャブと言われるこのスカーフをまとい、化粧なしのすっぴん顔で聖廟を訪れるという行為そのものが醜いと言っているのだ。女史は自分がどれだけアメリカ代表としてシリアにコケにされたのか全く分かってない。女史がアメリカ国内でいつも自慢げに着ている真っ赤なデザイナースーツやどぎついほどの真っ赤な口紅をつけミニスカートにハイヒール姿ででも登場してくれたならまだいい。それがすっぴんにヒジャブ? 冗談じゃない!
ジャーナリストなどの一介の市民と違い、ペロシ議長はアメリカの都合はどうあれアメリカの顔として世界のメディアは報道しているのだ。そのアメリカの顔が独裁国シリアの女性蔑視の屈辱的な慣習に従うということはアメリカは独裁者アサドよりも下位にあると表現したようなものである。シンボル的な力関係が多いに影響を及ぼす中東外交でこのような行動は愚かとしか言い様がない。
ナンシー・ペロシの愚かなシャトルバス外交(ワシントンポスト)
Thursday, April 5, 2007下院のナンシー・ペロシ議長(民主、カリフォルニア州代表)は昨日なぜ国会議員が国務長官の代理外交をやってはいけないのかという典型的な例を披露してくれた。ダマスカスでシリアの独裁者バシャー・アルアサドに会見した後、ペロシ女史はイスラエルのエクド・オルメルト首相からの「イスラエルは和平交渉をする用意がある」というメッセージを伝えたと発表した。さらに女史はアサド大統領も「平和行程を進める意志がある」と付け加えた。この外交的成果を発表した後、ペロシ女史はキッシンジャー式シャトルバス外交はまだ始まったばかりだとほのめかした。「私たちは私たちの良いオフィスを通じてイスラエルとシリアの仲を取り持っていきたいと思います。」と女史。
しかしここにひとつ問題がある。イスラエルの首相はペロシ女史にそのような伝言を頼んでいないのである。「合衆国議会議長に伝えた内容のなかにイスラエルの方針を変えるものは一切含まれていない。」と首相側は慌てて声明を発表した。事実オルメルト氏はペロシ女史に「最近ダマスカスを訪れた何人もの上院下院議員が受けた印象はバシャー・アサドの公式発表とは裏腹にかの国のイスラエルとの和平について方針は変わっていないというものだ。」と語っている。つまりペロシ女史はイスラエルの立場をわい曲しただけでなく、たった一人アサドの言葉がプロパガンダであることを見抜けなかったのだ。
ブッシュ政権はシリアとの正式な外交は差しとめている時であり、下院議長のダマスカス訪問はシリアに錯誤したメッセージを与えるものだと批判している。その批判に対してペロシ女史は大統領の正式許可をもたずに共和党下院議員がダマスカスを訪れたこともあると抗議した。しかしそれらの議員たちは中東問題に首をつっこむようなことはしなかった。「私たちは友情と希望そしてダマスカスへの道は平和への道という信念で来たのです。」とすっかり外交官気分のペロシ議長。これだけから度素人は始末が悪い。
ワシントンポストはペロシ議長の今回の中東訪問といい、議会が大統領の軍総司令官としての大統領の意志と完全に矛盾する政策を無理矢理おしすすめようとする議案の数々についても強い批判をしている。ポストはなんとペロシ女史は大統領に取って代わって影の政権を作ろうとしているとし、そのような行為は愚かであるとさえ指摘している。民主党寄りの新聞にここまで言わせてしまうナンシー・ペロシ下院議長。
戦争中に戦費予算削減を訴えて最近下がっている民主党の株が議長の愚かなシャトルバス外交によってまたぐっと下がってしまった。
April 6, 2007, 現時間 12:23 PM
| コメント (1)
| トラックバック (0)
エントリーが気に入ったらクリックしてください。
イランが米兵でなく英兵を拉致した理由
私や多くのアメリカ人はアメリカ兵なら今回拉致されて昨日解放された15人のイギリス兵のように簡単には人質になったりしなかっただろうと考えていた。無論これは身内のひいき目もあるかもしれないが、どうやらそう判断したのはアメリカ人だけではなかったらしい。実はイランも本当はアメリカ兵を拉致したいと思っていた。いや思っていただけでなく実際に彼等は少なくとも2度ほどアメリカ兵拉致を試みていたのであるがどちらも失敗に終わっていたのである。一度はイラン兵が殺されて終わり、二度目はアメリカ兵が5人殺されるという悲劇となった。
一つ目の事件はあまり大げさには報道されなかったが去年9月イラン・イラクの国境付近で起きた出来事である。
陸軍が公開した情報によると、イラク軍に同伴していたアメリカ陸軍82空挺師団73騎兵連隊第5中隊(the 5th Squadron 73rd Cavalry 82nd Airborne) の兵士らがバグダッドから約76マイルはなれたイランとの国境ぞいで常時パトロールに当たっていたときのことだ。兵士らはイラク側からイランへと撤退していく二人のイラン兵を目撃した。そのすぐ後今度は三人目の兵士に遭遇した。アメリカ兵並びにイラク兵がイラン将校に近付き業務質問をはじめると突然部隊はどこからともなく現れたイラン兵の部隊に高台から囲まれてしまった。
イラン軍のキャプテンはアメリカ・イラク兵らが逃げようとすれば射つと警告した。いらん兵らによる拉致を恐れたアメリカ兵らは即行動を開始し撃ち合いが始まった。イラン兵らは最初ピストルや小銃で応戦したが、そのうちロケット弾を発砲。アメリカ兵らはよりイラク内部に後退した。その間4人のイラク兵と通訳1人国境警備員1人がイラン軍側に取り残された。
しかし結果的にアメリカ兵らに死傷者は出ず、少なくともイラン兵が1人殺されて事件は終わった。
二つ目の事件はこのブログでも取り上げたが、今年1月のこの事件。
イラクの軍施設襲撃事件、米当局がイランの関与を調査
バグダッド(CNNー2007.01.31) イラク中部カルバラで1月20日、米軍とイラク治安部隊の共同施設が武装勢力に襲撃され、米兵5人が死亡した事件で、米国防総省は容疑者がイラン人か、イランで訓練を受けた活動家であるとみて調査を進めている。米当局者が30日、CNNに語った。
犯行グループは米軍風の制服で変装し、米軍で使用されている種類の車に乗り、英語を話すなど、用意周到だった。米軍は当初、死亡した米兵らが武装勢力に抵抗していたと説明していたが、後日犯行グループが検問所を難なく通過したうえ、米兵らを施設から連れ出し殺害したことを認めた。こうした手口は、武装勢力や外国人過激派には見られないという。
私は最初にこのニュースを聞いた時、私にはこの事件は非常に不思議だった。それというのもイラン兵は4人の兵士を拉致する際、施設内で抵抗した米兵1人を射殺しているが、彼等はイラク内の武装勢力や外国人テロリストがよくやるような残虐な拷問や死体冒涜などをした形跡はなく、残りの米兵4人はただ射殺されていたからである。最初から単に殺すのが目的ならその場で5人とも殺してしまえば話は早い。なぜわざわざ4人を外へ連れ出したのだろう?
今考えてみれば、これは米兵拉致作戦未遂事件だったのだと私は思う。米兵らは多分拉致者のイラン兵が手に負えないほど抵抗をしたのだろう。だからイラン兵らはイランまで安全に米兵らを送還することは不可能だと判断したのではないだろうか?だからせっかく拉致した米兵らをみすみす殺すはめになってしまった。
イラク駐留の米兵は口を揃えて、イラクで彼等が戦っている敵はジェニーバ条約など聞いたこともないような野蛮人で、こんなのに捕まったら地獄の苦しみを味あわされて惨殺された上遺体がさらし者になるのは必定。そんな目に合うくらいなら死んだ方がまし、なるべく多くの敵を道ずれに死んでやるという。テロリストに捕われて生きてかえってきた米兵はいないのだから当たり前だ。
しかしイラン側はこの二つの作戦失敗により、アメリカ兵を拉致するのは不可能、もしくは少なくともかなり難儀。なにしろアメリカ人はそう易々とは捕まらないし、捕まえようとするとこちらの被害もかなり考えなければならない、、、と考えたのではないだろうか? アメリカ兵の拉致は不可能となると、抵抗しない戦闘規制が厳しいイギリス海軍を狙おうということになったのではないかな?
今日はアメリカのミルブログ(アメリカの現役及び退役軍人が経営しているブログ)の数カ所でアメリカ国防庁の軍人としての規律が掲載された。
I
自分は我々の生き方をそしてわが国を守る軍隊にて戦うアメリカ人である。自分はそのためなら命を捧げる用意がある。II
自分は決して自分の意志で降伏しない。もし自分が司令官なら抵抗の余地があるうちは隊員を決して降伏させない。III
もし自分が捕われたなら出来る限りの方法で抵抗を続ける。自分は脱走に力の限り努力し他者の脱走も援護する。自分は敵からの恩赦も特別扱いも受け入れない。IV
もし自分が捕虜になったなら同僚の捕虜とともに信心を守り続ける。自分はどのような情報も敵に与えず同胞を害するような行動には加担しない。自分が上官なら指揮をとる。そうでなければ任命された上の者の合法な命令に忠実に従う。V
捕虜となり尋問された時は自分は名前、位、サービス番号、生年月日以外を低雇用する義務がある。それ以上の質問には最大限、力の限り答えるのを避ける。自分は口頭であれ筆記であれわが国を裏切り同盟国を傷付け、その努力を傷つけるような発言はしない。VI
自分は自由の為に戦うアメリカ人であることを決して忘れない。自分が自分の行動に責任を持つこと、そしてわが国を自由にした信念に敬虔であることを決して忘れない。自分は神とアメリカ合衆国を信頼する。
イギリス軍隊にも同じような規律があったはずだ。しかし観光客気分で新品のスーツを着させてもらいお土産までもらってニコニコ顔で帰ってきたイギリス水兵と海兵隊員たちを見る限り、そんな規則が存在するとはかなり疑わしい。
April 6, 2007, 現時間 1:05 AM
| コメント (0)
| トラックバック (0)
エントリーが気に入ったらクリックしてください。
日付け → →April 4, 2007
イラン英兵15人を解放、強行派アフマディネジャド折れる
まずはまあいいニュースから。
2007.04.04 Web posted at: 22:41 JST - CNN
テヘラン(CNN) イランのアフマディネジャド大統領は4日、記者会見を開き、拘束中の英海軍兵士15人に恩赦を与えて釈放すると言明した。 先週始まったイランの新年を記念し、親善の意を表した恩赦という。大統領は記者会見後、英兵の一部と面会した。
イランの国営テレビは、大統領がスーツ姿の英兵らと握手を交わし、談笑している映像を放送。音声では、英兵の1人が英語で大統領に謝意を示す発言や、大統領が英兵らに「どんな旅を強制されていたのか」などと冗談交じりに話しかける発言が聞こえる。
はっきりいってどれほど待遇がよかったにせよ、なんで英国の水兵や海兵隊員がスーツ姿でにこにこしてるのか。解放されてうれしいのは分かるがカカシには胸くそ悪い。これがアメリカ兵でなくて本当に良かった。もっともアメリカ兵ならこんなに積極的にイランのプロパガンダには参加したとは思えないが。
とはいえ人質が無事にかえってきたのは良かった。タイミングから昨日のイラン高官解放と関係があるのだろうかという疑問はあるが、実は強行派のアフマディネジャド派が現実派のラフサンジャニに押されての妥協なのではないかという説がある。
一見イギリスはイランの無謀行為に対して強気の姿勢も見せず国連だのNATOなどに訴えるなど武力行使ではなくあくまで外交尊重の態度をとっていたことで、イランはイギリス軍などいくら湾岸に武装勢力を集中させても無力だと国際社会に証明したかのように見える。イギリス兵がイランのテレビで海域を侵しましたなどと「自白」した姿も印象的だ。
しかし一方で、イランはイギリス政府から公式にイラン海域を侵したと認めさせることはできなかったし、イギリスは謝罪などもってのほかという態度を崩さなかった。脅しは実行に移さなければ脅したほうが弱く見える。イギリスが罪を認め謝罪しなければイギリス兵をスパイの疑いで裁判にかけると息巻いていた強行派のアフマディネジャドがイギリス兵を無傷で返還したとなるとアフマディネジャドはどこかからの圧力に屈服したのか、イギリスから何か報酬を獲得したのかどちらかだろう。
もしアフマディネジャドが国内の政権から、特にラフサンジャニに示唆されたカタミ師から圧力をかけられたとしたら、アフマディネジャドのイラン国内での勢力はかなり弱まっていると考えることができる。この間の選挙でもアフマディネジャド派はずいぶん地方で議席を失っているし、イランの予算案などでもなにかとラフサンジャニに押されている。
また、イギリスがイランと裏で色々交渉をしたのではないかと考えると、イギリスが明かにイランへの報酬だと分かるものを与えなければ諸外国はイランがイギリスに脅迫されたと解釈せざる終えない。となればイギリスは無力どころか案外イランの痛いところをついたのではないか、つまりイランはイギリスに盾をつけるような立場にはないのではないか、という印象を外に与える。
となってくると、アフマディネジャドによるイギリス兵拉致作戦はイランの外交としては大失策だったのかもしれない。実際にイギリスとイラン、どちらが駆け引きに勝ったのか今後のイギリスの出方が注目される。
April 4, 2007, 現時間 11:09 PM
| コメント (0)
| トラックバック (0)
エントリーが気に入ったらクリックしてください。
日付け → →April 3, 2007
女性ブロガーは狙われる! (ほかの女性からだけど、、)
左翼の女性ブロガーが自分のブログや他のブログで自分に向けられた脅迫を恐れて予定されていた講演をキャンセルするという事件が起きた。このことでワシントンポストなどの主流メディアが注目しネット上での脅迫を批判している。脅迫を受けたのはキャシー・シエラという10代の女性ブロガー。
私は決してネット上の脅迫を擁護する気はないが、この事件で大騒ぎしている主流メディアは右翼女性ブロガーが脅迫され続けてきたこの数年間どこにいたのだ? とカカシは聞きたい。アメリカメディアの左翼偏向は今にはじまったことではないから特に驚きはしないが、右翼女性ブロガーのミッシェル・モルキンや、右翼コメンテーターのアン・コルターがさんざんひどいことをいわれていた時はだんまりを決め込んでいたくせに、ちょっと左翼女性が嫌がらせをされると大騒ぎ。
私自身にも明らかに精神異常をきたしている左翼アラシのストーカーがついている。このアラシは私の実名を某掲示板で暴露し、私の写真やミスター苺の写真を貼付けて、ミスター苺の体型についてここでは再掲できないようなわいせつな内容で何か月にも渡っていやがらせを続けている。しかも性的に嫌らしいことばかり書いているこのアラシはなんと女性なのだから呆れてしまう。
しかし女性ブロガーに性的な嫌がらせコメントを残すのは案外女性である場合が多いようだ。特に左翼女性による右翼女性への攻撃はえげつないものが多い。ドクターヘレンという保守派のブロガーが受けたという嫌がらせの内容をよんでいて、カカシは口をあんぐりとあけてしまった。なぜなら彼女が受けた嫌がらせは私が受けているものとそっくりだったからである。
ブログ社会には男女差別が満載されていることに男性はあまり気が付かない。...私も気が付いたことだが、女性蔑視の嫌らしいコメントを私のブログに残す人の多くが男性ではなく女性である。割合からいって政治ブログの読者は75%が男性であることから考えて、男性からのコメントのほうが多いはずだ...多くの男性は女性のサイトを支持している。そうでなければわざわざ女性ブロガーと言葉を交わしたりしないだろう。正直言って、私がもらったひどく悪質なコメントを残すような人は、決まって私の夫の体型についてひどいことをいったりする卑怯者である。
ドクターヘレンは左翼のフェミニストブログから、彼女のご主人が大学教授であることから、ミセス教授などと言われたという。女性を配偶者の職業を使って呼びかけるやり方は女性蔑視ではないのかとドクターヘレンは問いかける。そういえば、ミッシェル・マルキンも彼女のコメンタリーは白人の旦那さんが代わりに書いてやってるのではないかなどとコメントをする人がいた。また、私に対しても私の意見は主人の意見の受け売りだと書いた左翼サイトがあった。
私は最近女性の政治ブログを調査している人から、ネット上で女性だからと差別を受けたことがあるかと質問を受けた。私は「はい。よく他の女性から受けます」と答えた。そして女性からの攻撃は大抵が控えめなものではなく、容姿に関係するものであることが多い。私はある「フェミニスト」ブログで私の書いたことに異論のあったそのブロガーが「彼女のあの髪なんとかならないの?おえ〜」と書いているのを読んで「なんて意地悪なコメントだろう」と感じた。特にこのブロガーは自分のことをフェミニストと誇っているようだったからだ。
もっとも左翼フェミニストは右翼女性は本当の女性ではないと考えている節がある。
リベラルフェミニストによると保守派女性は本当の女性ではない。グローリア・スタイナムがテキサス共和党ケイ・ベイリー・ハッチンソン女性議員について「女装した男」と言ったことを覚えているだろうか? それからNOWのリーダー、パトリシア・アイルランドが民主党支持者に「本物の」女性候補にだけ投票するように呼びかけたことは? またアル・ゴアのファッションコンサルタント、ナオミ・ウルフが外交分析専門家のジーン・カークパトリック女史にたいして「女性の体で感じる体験から全く影響を受けていない」と批判したことは?
そういえばある掲示板でミスター苺が「うちのカミさんがこういうことを言っていた」と何気なく書いたら、「本当の女がそんなことを言うはずがない。」「お前が結婚してるなど嘘だろう。カミさんは架空の女だ」という投稿が女性から続出したという。(笑)
左翼の考える本当の女性とは左翼の考えを持っているひとたちに限られ、右翼の偽女性はどんな嫌がらせをされても右翼の考えなど持っている以上自業自得とでもいうのかな?
April 3, 2007, 現時間 5:54 PM
| コメント (1)
| トラックバック (0)
エントリーが気に入ったらクリックしてください。
タイミングが怪しいイラン2等書記官の解放
今朝、読売新聞のイラクで拉致されたイラン2等書記官、解放され帰国へこの見出しを見てちょっと首をひねった。
【テヘラン=工藤武人】イラン国営テレビは3日、今年2月にイラクのバグダッドで拉致されたイラン大使館の2等書記官が解放され、同日中にイランに帰国すると伝えた。
解放の詳細な経緯は不明だが、イラン学生通信はイランの在バグダッド大使館筋の話として、同書記官は2日に解放されたとしている。
この書記官は2月上旬、イラク軍特殊部隊の制服姿の男たちに拉致された。同部隊はイラク駐留米軍との関係が密接なため、イラン側は、米国が関与していると激しく非難していた。
(2007年4月3日20時47分 読売新聞)
なにしろイランでは例の15人のイギリス兵が人質になっている。イギリスもアメリカもそしてイランも人質交換は公には話題にしていないが、もしこれでイギリス兵がイギリスに帰ってくるということになったなら、これは完全に人質交換の交渉が裏で行われていたということになる。非常にまずい状態だ。
一方イギリスのインディペンデント紙では、イギリス兵が拉致されたのはアメリカのイラク政策失敗が原因だという筋違いの記事が掲載されている。
イラク北部を公式訪問中のイラン警備将校のアメリカ軍による拉致失敗が10週間後にイギリスの水兵海兵隊員15人が拉致される引き金を引いた。今年1月11日の早朝ヘリコプターで潜入したアメリカ兵らはクルド族地区のアービルに長期に渡って存在していたイランレーゾン事務所を襲撃。5人の比較的下位の職員5人をスパイ容疑で逮捕、今も拘束中。
しかし現実にはアメリカはもっと野心的な目的があったことをインディペンデント紙は学んだ。この手入れの目的はクルド地方政権に知らせずにイラン警備組織の重要人物二人を捕まえることにあった。
その後のイランの怒り狂った反応からいって、イランが報復行動に出ることくらいはイギリス政府は予期すべきだったと記事の著者パトリック・コクボーン記者。そしてコクボーン記者はイラクに公式訪問しているイランの諜報部員を拉致するということは、外国を公式訪問しているCIAやMI6の高官が外国で拉致するようなものだとし、イランが怒るのも当たり前だといわんばかりである。
ほお〜、正式な外交関係のあった国の大使館を襲撃し大使および職員53名を拉致して444日も監禁した行為はどうなるんでしょうかね? そういうことへの報復が許されるっていうならアメリカはまだイランに48人のイラン高官を拉致するだけの借りが残っている。
イランが人質をとっては自分らの理不尽な要求を突き付けているのはなにも今にはじまったことではない。1979年のアメリカ大使館襲撃はいい例ではあるが、それですら始まりではない。16世紀から19世紀にかけてバーバリーコーストといわれるモロッコ、アルジェリア、タニーシアそしてリビア海岸の海洋を荒らして欧州の船を拿捕し乗組員を誘拐しては身代金を要求していた海賊らは当時のイスラム教諸国を背後にもつ海賊たちだった。それをいうなら2004年にもイギリス兵二人がイランに拉致された事件があったではないか、あれもアメリカのせいだというのか? コックボーン記者は誘拐はイスラムの常套手段だという歴史的事実さえ知らないらしい。(先に紹介したような学校教育を受けた結果かもしれない。)
インディペンデント紙は、アメリカの作戦を批判する暇があったら、抵抗もせずにみすみす捕われの身になったイギリス兵15人の態度について見直したらどうなのだ? そして拉致された後恥も外聞もなくイランのテレビに出演して地図の前で「確かにイランの海域に侵入しました」などと白状し、汚らわしいバーカなどまとってすましている恥さらしを批判したらどうなのだ! それともイギリス兵は捕らえられたら抵抗せずに何でも敵の言われるままに行動しろという命令でも受けているのか、だとしたらそんな非常識な命令をくだしたイギリス軍高部に対する批判でもしたらどうなのだ!
このイギリス兵の無様なていたらくがどれほどイランのプロパガンダに貢献したか知れない。どれだけかつての偉大なる英国も地に落ちたかを暴露する結果となったことか。どれだけ我々の敵を元気づけることになったことか。これがアメリカ兵だったなら絶対にこのような態度はとらないとニューヨークポスト紙でラルフ・ピータース陸軍中佐(退役)。
アメリカ海兵隊員を洞穴に押し込み歯をなぐり折ったところで、彼から本国と海兵隊への誇りをなぐり折ることはできない。「センパーファイ(Semper fi)」には意味があるのだ。
オージー(オーストラリア兵)も同じようにタフだ。
いったい何が英国海兵隊に起きたのだ? エリート隊のメンバーとして通ってきた隊なのに。労働党政府の政策はイギリス軍をずたずたにした。戦闘機を飛行不能にし、軍艦を引退させ、陸軍隊を解体し、制服を着る兵士らの胸から勇気までももぎとってしまったのか?
女性水兵が泣き崩れて政府に降伏を訴える姿も無様だったが、海兵隊員までがお茶や同情を懇願しだしたとなると、もう見てられない。嘘だと言ってくれ!
...ウィンストン・チャーチルは天国でスコッチを吐き出しているだろうよ。
ピータース氏も指摘しているように、イギリス軍は当初比較的平穏だったバスラの警備を完全に怠り、バスラ警察や地元政府がシーアの民兵に乗っ取られていくのを指をくわえて見ていた。もし当時イギリス軍がアメリカ軍のように厳しい取り締まりやパトロールを行っていればイラク南部でおきたシーア派民兵による暴走を防げたかもしれない。そういう失態を棚にあげて、自分らのぶざまで臆病な態度を顧みず、アメリカだけを責めるイギリスの政治家やメディアたち。アメリカの民主党より質が悪い。
ピータースもミスター苺と同意見でこの任務に当たっていた海軍の司令官らは敵を前にして臆病な行動をとった罪で軍法会議にかけられるべきであると語る。そしてこの「ワンカーども」が所属している王立海兵隊はさっさと任務からほどかれ解散しちまうべきだ!と手厳しい。カカシも全く同意見だ。
April 3, 2007, 現時間 2:24 PM
| コメント (6)
| トラックバック (0)
エントリーが気に入ったらクリックしてください。
ホロコーストも十字軍も教えちゃ駄目! イギリスの諸学校歴史の書き換え
イギリスではイスラム教生徒らの気分を害さないようにと、学校のカリキュラムからホロコーストや十字軍に関する授業を削除する傾向が増えているという。イギリスの教育界も左翼連中に乗っ取られたとみえる。以下はデイリーメール紙から、
政府の調査では諸学校でイスラム教生徒の気分を害さないため、歴史の授業からホロコーストを削除するところが増えていると発表した。調査によると教師のなかにはホロコースト否定論を信じる生徒を傷つけるのを恐れてこのような虐殺を教えたがらない人がいるという。
また11世紀にエルサレムでキリスト教徒とイスラム軍が戦った十字軍について教えることに抵抗する傾向もある。それというのもこれは地元のイスラム聖廟で教えられていることとよく矛盾するからである。
この調査により学校によっては歴史を使って政治的に正しい政策が促進されているという批判が上がっている。
この調査は小学校と中学校の歴史の授業を対象に行われたが、教師らはこれらの話題に反発した「反ユダヤ思想」をもっているイスラム系生徒らから抗議を受けるのを怖がって、なるべくはやくこの問題を取り上げるのをやめようと必死らしい。
歴史教育アドバイザーで元トーリー政権のアドバイザーだったクリス・マクガバン氏は「歴史は政治的なただしさの道具ではありません。子供たちはこうした問題のある主題に関して知識を得る手段をもつべきです。それが口にあったものであろうとなかろうと。」
ナチスドイツではユダヤ人を悪徳な金貸しだとか、女性を冒涜する犯罪者だらけだとかいうイメージ作りから始まり、ユダヤ人迫害への道へと進んだ。イギリスをはじめヨーロッパでは今まさにその歴史が繰り返されようとしている。
もう二度と起こしてはならないという歴史の教訓がユダヤの敵過激派イスラム教徒らによって書き換えられていくのをイギリスの教師らは正面から立ち向かうどころか、生徒から反論されても子供たちに適切な説明をする能力もなければ根性もなくただ避けて通ろうというのである。
すでにイスラム過激派の対象はユダヤ教だけでなく反キリスト教へも進んでいる。そのうちイギリスの生徒らは十字軍の存在すらも知らずに育つことになる。ヨーロッパの暗黒時代に終止符を打ち、ルネッサンスを迎えるにいたって重大な役目を果たす十字軍の歴史。エルサレムがキリスト教の手からイスラム教徒に奪われたのを奪い返した歴史もイギリスは忘れようとしている。
まったく情けない。偉大なる帝国の名が泣くよ。
April 3, 2007, 現時間 12:49 PM
| コメント (0)
| トラックバック (0)
エントリーが気に入ったらクリックしてください。
日付け → →April 1, 2007
フランス政府に学ぶイラク戦争に負ける方法
前回のフランス軍に学ぶイラク戦争に勝つ方法に引き続き歴史家アーサー・ハーマン氏によるHow to Win in Iraq. And how to lose.から、今度はイラクで負ける方法についてお話ししたい。
無論カカシは何もイラクで負けたいと思ってるわけではないが、どういうやり方をすれば勝てる戦争に負けてしまうのか、フランス政府の失態を教訓にしてイラク戦争でも十分にあてはまる部分を研究してみよう。
前回にも書いたようにフランス軍は2年足らずで反乱軍ゲリラのFLNにはほぼ全面的に勝利を納めていた。だが、圧倒的な軍事勝利にも関わらずフランスは戦争そのものには負けてしまった。あれだけの栄光を納めたフランス軍はそのたった2年後にアルジェリアから完全撤退してしまったのである。
いったい何がおきたのか? それはフランス軍がアルジェリア戦地で反乱軍ゲリラ相手に一生懸命になっている間、フランス国内では左翼による政治反乱軍がフランス政権を蝕みはじめていたのである。彼らは今のアメリカの民主党や左翼メディアと同じで、軍事成功そのものをあたかもフランスによるアルジェリア市民弾圧や迫害であるかのようにフランス市民に訴えはじめたのである。
フランス軍はFLN打倒の目的で、諜報のために多少の拷問は許可した。ところがフランス左翼はこれに噛み付いた。フランス市民は特に常日頃から捕虜の目玉をくり抜いたり男性性器を切り取ったりするような残虐な拷問をしているゲリラに対して特にこれといった同情心などもっていたわけではないが、50年後のアブ・グレーブがアメリカの反戦左翼に利用されたように、フランス内部の反政権勢力によってこの問題は反戦運動に多いに活用された。
反戦派のジョン・ポール・サルテル(Jean-Paul Sartre)に率いられ、フランス軍弾劾運動が始まった。左翼たちはフランス軍がフランスの宿敵ナチスとかわらないといって攻撃した。アメリカの左翼がブッシュ政権をナチスとしょっちゅう比べるのと全く同じだ。サルテルの同士シモン・デ・ブビエーなど(Simone de Beauvoir)などはフランス軍の制服は「スワスティカがかつて与えたのと同じ印象を与える」とまで言った。反戦派の先導者はほとんどが共産主義者や左翼だったが、なかにはフランス市民が尊敬する中庸派の人々も含まれていたため、フランスではだんだんと反戦ムードが高まっていった。反戦派が常に繰り返したメッセージは「アルジェリア紛争の元凶はFLNではなくフランス軍の存在だ、フランス軍が撤退してはじめてアルジェリア人は自分たちの運命を決めることができるのだ」というものだった。まさにアメリカ左翼の連中が唱えている「イラク問題はアメリカ軍にあるアメリカが撤退することでイラク人にイラク再建が出来るようになる」というメッセージと瓜二つである。
フランス軍も当時のフランス政権もこの左翼反戦派からの攻撃には面食らった。まるで予期せぬ攻撃だったのである。彼等に対してはどれだけ軍事行使の正当性を訴えてみても無駄だった。拷問を許可したもともとの命令が撤回されても全く効き目がなかった。このフランス内部の政治的混乱を利用してFLNはアルジェリア各地で爆弾を爆破させた。アメリカ国内で民主党支配の議会がイラク撤退期日決定やイラク増兵反対の議決案を通す度にアルカエダのテロリストが奮起してイラクで自爆テロを増加させるのと全く同じ状況である。 これによって1956年現在でフランス市民のほとんどが「アルジェリアを見捨てるなどもってのほか」という考えでまとまっていた団結が完全に崩壊してしまったのである。
フランス国内の分裂は政権崩壊につながり、後継のフランス政権はその存続のため軍事的に惨敗したアルジェリアの独裁政権にみすみすアルジェリア統治の権限を与えてしまった。その結果起きた悲劇は無惨であった。アルジェリアの白人層は大量にアルジェリアから避難、フランス政府に協力したアルジェリア人たちは何万何千という単位でFLNによって虐殺された。フランス軍と並んで戦ったアルジェリア軍人たちは処刑の前に勲章を飲みこまされてから射殺された。
これはアメリカ軍が撤退した後でのベトナムでも繰り返された。そしてアメリカがイラクから撤退すればアメリカ軍に協力したイラク人たちがサドル民兵やアルカエダのテロリストに全く同じ目にあわされることは火を見るよりも明らかである。
イラク戦争の最初の三年間はイラク軍がアメリカ軍が制覇した土地を継続して守ることができなかったという問題があった。アメリカ軍の数が足りていないという批評家の批判にも一理あった。だが、フランス軍の例でもわかるように戦況は作戦変更で短い時間にあっという間に成功を遂げることも可能なのである。だからカカシはイラクは軍事的に十分に勝利の可能な状況にあると主張しているのだ。
しかしアメリカ国内の内政となってくるとカカシは同じような確信を持つことができない。もし民主党がイラク戦費の差し止めに成功したならば、いくらブッシュ大統領ががんばってみても必然的にアメリカ駐留の期間は制限される。今のところ共和党議員たちが一人二人の裏切り者以外はほぼ団結しているため、上院下院の両方で議決案が通っても大統領の否決を倒して議案を成立させることはできない。
また、民主党は戦費完全差し止めを強行するにはまだまだアメリカ世論がついてこないことを承知している。だからアメリカの反戦左翼はアメリカ世論を反戦にもっていくべくそのキャンペーン運動をさかんに行っている。
たとえば、「作戦的撤退」と称する書類で the left-liberal Center for American Progressという左翼団体はイラクにおける暴力の原因となっているのはテロリストでも反乱ゲリラでもなくアメリカの『占領軍』であるという立場を明らかにしている。これによるとイラクは放っておけばシーアもスンニも必然的に妥協し平和共存する選択に迫られるというものだ。
現にノースキャロライナ大学の中東専門家サラ・シールド女史などは今日のジハーディストたちは「占領軍に対抗して戦っている最新の例である」とし我々が撤退する時期が早ければ早いほど、「我々の占領と関連したとして不利になる人々の数がすくなくてすむ」と書いているほどだ。
これはまさしくフランス左翼やアメリカ左翼の負け組がアルジェリア紛争やベトナム戦争で唱えた議論とそっくりそのままだ。これらの声に耳を傾け駐留軍が戦地から撤退することで、結果どのような悲劇を生んだか歴史が顕著に語っている。
もともとアメリカがイラクを攻めた理由はなにか? それはイラクがテロ軍団の温床となってイラクを拠点としてアメリカ本土に攻撃をしかけてくるのを防ぐための先制攻撃であった。フセイン政権打倒も、WMDの処置も、その手段だったのであり、一番大切な目的はイラクをアルカエダのようなテロリストの手に渡さないことにあった。だとすれば、いくらフセイン政権を倒してみても我々を威嚇する危険なWMDが存在しなかったとしても、イラクが内乱状態となってアルカエダが自由気ままにテロを起こせる場所にしてしまったら元も子もない。イラク戦争そのものが完全に無意味だったということなってしまうのだ。
これを考えたなら我々がイラクから絶対に撤退してはならないということは子供でも分かる理屈である。撤退は選択に含まれない。イラクでは軍事的にも政治的にも絶対に勝たなければならない。敗北は断固許されないのである!
April 1, 2007, 現時間 7:03 PM
| コメント (0)
| トラックバック (0)
エントリーが気に入ったらクリックしてください。
アメリカ兵はイラク任務遂行を望んでいる!
イラク駐留のアメリカ兵が今一番聞きたくない言葉は「私はアメリカ軍を支持します」という反戦バカサヨ政治家の偽善的な発言だろう。軍隊を支持するといいながら軍隊に必要な予算を削り、敵のテロリストを元気づけるような議案を次々に提案し議会を通す民主党の議員たち。アメリカ軍人たちは、こんな応援なら要らないよ。ほうっといてくれ!と叫びたいのではないだろうか。
アメリカメディアは現役やイラク帰還兵のなかに存在する反戦兵士たちを探し出してきては、アメリカ軍人ですらイラク戦争には反対している、即撤退を望んでいると騒ぐのに忙しい。ここでも一度紹介したが、イラク即刻撤退を訴える草の根運動といううたい文句で登場したAppeal for Redressという団体は現役および退役軍人らによって発足一か月ですでに1000以上の署名を集めたといってメディアが大騒ぎしたのもいい例だ。(発足2か月の現在はほぼ1600程度。実は草の根とは名ばかりの組織力抜群の左翼団体の看板団体であることはすでにここでもお話した通り)
だが実際には軍人たちの本心はどのようなものなのだろうか? 実は反戦署名運動に対抗してAppeal for Courageという賛戦署名運動が現役軍人らの間で行われている。
発足者はジェイソン・ニコラス中尉。33歳の海軍企画将校で今年の一月からバグダッド勤務をしている。中尉は(署名運動)の目的は議員たちに軍隊がイラクでの任務遂行を達成することに焦点をあて、常時失敗を宣言するのをやめてもらうことだと語る。
「ベトナムで学んだ最大の教訓は、戦地で勝つことはできても本土で負けるということだ」と中尉はスターズアンドストライプ紙(軍隊新聞)へのメールで語った。「我々は今後も難かしい日々は続くとはいえ、イラクに駐留し最後まで仕事をさせてもらえるなら、イラクでは勝てると考えている。」この訴えは...議会に「我々の任務を完全に支持しイラク撤退宣言を停止すること」と訴えるものである。我々はイラク戦争は必要で正当な戦争であり「敵に英気を与え本国アメリカ市民の支持を衰えさせるようなメディアの運動」に積極的に反対して欲しいと訴える。
私のネットスケープではホームページにいかれないので確認できないのだが、ミネアポリス州兵でイラク駐留のデイビッド・スル軍曹によると、始まって一か月足らずですでに1500以上の署名が集まったと言う。そうだとすれば反戦署名運動よりも署名の集まり方は早いことになる。反戦署名運動に集まった1000の署名を特集する暇があるなら、もっと多くの署名が集まった任務遂行を訴える署名運動についても主流メディアは報道すべきではないのか? むろん反戦まるだしのアメリカメディアが戦争支持の報道などするわけないが。
パワーラインでは現役軍人及びその家族から議会が押している即撤退議案についてどう思うかという意見をつのっている。パワーラインに届いたほとんどの手紙は任務遂行まで撤退すべきではないという内容だった。ここでもそのふたつみっつ紹介しよう。
まずは前出のソル軍曹。ソル軍曹はほとんどの軍人は任務途中の即刻撤退を望んでいないと語る。どうしてそんなことが分かるのかというと、、、
私が一緒に毎日働いている男子や女子から聞いている話からです。私はイラクからアメリカ軍が即刻撤退することで中東の状態が長い目でみて良いことだと考える兵にあったことがありません。我々の多くは疲れてますし不満もありますし家族が恋しく早く家に帰りたいと思っています。でも家に帰るのは我々の義務をすべて代わりの部隊に完全な引き継ぎをしてからです。それがアメリカ軍であろうとイラク軍であろうと。持ち場を放棄したくありません。ーミネソタ州兵デイビッド・ソル軍曹
スティーブン・クルーガー軍曹などは議会が次々に通す反戦議案にたいしてカンカンに怒っている。
アメリカ軍が撤退する期日を決める法案を通すなど、いったいどうすれば考え付くんだ!お前らはこれがどれだけおれたちの敵を元気づけるかわかってるのか?お前らのやってることはアメリカ軍男女の命を危険にさらしてるんだってことが分かっているのか?お前ら民主党はアルカエダが援助する反乱分子におれたちやイラク軍にもっと危険な攻撃をさせることになるんだぞ。...
脇でみているだけだったスンニ派市民が我々と一緒になって政府と共にアルカエダを倒そうと立ち上がっている。しかし彼等は我々の援助をひつようとしている。我々の駐留を必要としている。...俺はイラク市民が武器を持って民兵を組織しイラク警察や軍隊と協力するのを見てきた。普通の人々が戦い死ぬのを見てきた。だがそれも我々が彼等の横で一緒に戦っていればこそだ。切り捨て退散の話などしていないからだ。...少なくとも俺はこのひとたちを見捨てるようなことはしない。俺の部隊の海兵隊員たちも同じ気持ちだ。- 海兵隊スティーブ・クルーガー軍曹
匿名の陸軍兵はイラク軍訓練には時間がかかると書く。
国を統括できる軍隊を訓練するのは時間がかかる。イラク軍に我々と同じレベルの技術をたった数年間で学べると期待するほうがおかしい。世界でもアメリカ軍と並んで戦えるのは英国とオーストラリアくらいなものだ。それでも両方とも移動戦闘の時には我々に遅れをとる。我々が彼等を見捨てないと保証できない限り、イラク軍やイラク警察が両足で独り立ちすることなどありえない。彼等も我々が去った後の自分や家族の安全を心配しているのだ。我々が今撤退すればイラク反乱がおき虐殺がはじまり、我々がくる前以上にひどい状態になってしまうだろう。アメリカ軍も司令官も現状に適切な反応をしない間違いを犯した。しかし軍隊レベルの間違いなど議会が今わが国に対してやっていることがおこす打撃と比べたらどれほどのものでもない。
戦地で命がけの戦いをしている人々の声にアメリカ市民も政治家たちも耳を傾けるべきだ。イラクは対テロ戦争の前線だ。前線から撤退すれば戦闘はより本土に近付くのだということをアメリカ市民は忘れるべきではない。
April 1, 2007, 現時間 1:41 PM
| コメント (0)
| トラックバック (0)
エントリーが気に入ったらクリックしてください。
© 2006-2015 by 苺畑カカシ - All Rights Reserved