June 4, 2006

ハディーサ事件:それぞれの思惑

ここ数日、去年の11月にイラクのハディーサにて米軍海兵隊員が非戦闘員20余名を虐殺したという疑惑がメディアの間でさかんに取り上げられている。米軍当局はいまだ捜査中だが、私はなにかにつけてアメリカ軍を悪者にしたがるアメリカメディアをはじめ、その尻馬にのって騒ぎ立てる欧州や日本のメディアにはかなり苛立ちを感じている。ことの詳細が全く分からない状態で、すでに主流メディアはアメリカ軍の有罪を決めつけている。疑わしきは罰せずという民主主義の基本はどこへやらである。

これまで報道された記事によれば、去年の11月ハディサをパトロール中の海兵隊の装甲車が路肩改良爆弾(IED)によって爆破され、海兵隊一人が死亡した。海兵隊の当初の報告ではその他の爆弾によって市民が犠牲になったとあった。しかしその後、タイムマガジンのイラク人記者が24人の犠牲者は爆弾によるものではなく、復讐にもえた海兵隊員によって銃殺されたもので、その証拠として銃殺された遺体のビデオテープがあると報道した。これに加えて米軍の捜査経過の詳細を研究したとして民主党の下院で反ブッシュのマーサ議員があちこちのテレビ局で海兵隊員が一般市民を虐殺した証拠があると発表した。下記はABCがおこなったマーサ議員のインタビューの記事を訳したもの。(翻訳:妹之山商店街さん)

マーサ議員:IEDが爆発したんです...毎日外に出る度にIEDが爆発するんです...ですから毎回プレッシャーが高まっていく訳です。この場合はIEDが爆発し、海兵隊員一人が死亡。そこにタクシーがやって来て、中には四、五人が乗っていました。武装していなかったのですが、この人達を射殺しました。その後、民家を襲撃して人々が殺害したんです。女性の一人は、海兵隊の人から話を聞いた所、子供をかばって命を助けてくれと懇願したにも関わらず射殺したということです。更に気になるのはイラクの人達はこのことを知っていたということなんです。家族に補償金を支払ったからです。それに加え、隠蔽工作が行われたんです。間違いありません。最初この人達はIEDで死亡したと言ったんです。翌日調査の為に要員が派遣されました。ところがそれについて何の報告も行われず、三月になってタイム誌がこれを伝える時誰も何が起こったのかを知らなかったのです...

質問:写真や画像証拠があるとのことですが、本当ですか

マーサ議員:その通りです。捜査を担当した人とイラク側の証拠を入手しました。何が起こったかについては、疑いようがないんです。問題は、誰が、何故、隠蔽工作をしたかということなんです。何故明らかになるのに半年も掛かったんでしょうか翌日調査を行い、ニ、三日後にはこの人達が殺害されたことが分かっていたんです。

まだ米軍による調査がすんでもいないのに、何が起きたかは間違いないとか、隠ぺいが行われたとか適当なことを良く言えたものだと思う。問題なのはマーサ議員があらゆるニュース番組にはしご出演してこのような発言をしていた時、マーサ議員はまだ軍当局から捜査結果の報告を受けていなかったということだ。マーサ議員はタイムスの記事を書いたイラク記者の報道をそのまま鵜呑みにして事実確認もせずに米海兵隊を有罪と決めつけ軍当局が隠ぺいしたと言い切っているのである。

ところでこの問題の記事を書き、生存者のビデオインタビューをし、証拠となる遺体のビデオを撮ったというこのアリマシハダニ記者というのがどうもうさん臭い男なのだ。このアリマシハダニ記者は(Ali Omar Abrahem al-Mashhadani)はついこの間までテロリズムの疑いで五か月もアルグレーブ留置所に拘留されており、この1月に釈放されたばかりだった。彼が無実なのに拘留されていたのだとしたら、アメリカ軍に恨みがあるだろうし、有罪だったのならテロリストの仲間としてアメリカ軍を陥れるような記事を書いたとしても不思議ではない。どちらにしても彼のなかに何かしら作為があった可能性は大きい。

しかも人権擁護団体名目で売り出しているハムラビという市民団体の創設者とこの記者は同じ名字でもある。このハムラビこそがハディーサで虐殺があったと最初に訴えはじめた団体なのだ。どうも偶然にしては不思議な話。

またハディーサで犠牲者の遺体を検査したというオベイディ医師だが、(Dr. Walid Al-Obeidi)これまでにも自分が去年の10月に米軍に捕われて拷問を受けたと訴えた過去がある。実際に米軍に拷問を受けたとすれば米軍に恨みがあるだろうし、受けていないのにでたらめをいっていたとしたら、でたらめをいう前科のある医師だということになる。 (資料:Sweetness and Light)

つまり、この話をはじめた記者にしろ、証言者としての医師にしろ、その話を根拠もないのにひろめているマーサ議員にしろ、どうも信用できない解説者ばかりなのである。このような頼りない事実をもとにして、海兵隊員を有罪と決めつけてしまうのはどうも早まり過ぎではないだろうか。

もし本当に海兵隊員がこのような非人道的な行為をしたというのであれば、彼等は軍法会議の末極刑に処せられるべきである。しかし事実関係がはっきりするまでは、有罪無罪の判断をするのはまだ控えるべきである。だが、マーサ議員が隠ぺいがあったといいきってしまった以上、今後の捜査で海兵隊員が無実だったという結果がでても、隠ぺいの疑惑は根深く人々の気持ちに植え付けられてしまったことだろう。マーサ議員はアメリカの対イラク戦争をどうしても失敗させたいようだ。

June 4, 2006, 現時間 7:20 PM

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