日付け → →February 29, 2008

オリンピックは弁当持参のアメリカチーム

The English version of this entry can be found here.

中国からの危険な製品や食品の話はこのブログでの何回か取り上げてきたが、次から次へと危険物が入ってきて、今後もそれがおさまる気配は全くない。ここ数カ月の間で起きた事件だけを取り上げてみてもこんなにある。

  • 中国製冷凍餃子に含まれていた殺虫剤で子供を含む何十人も日本人が中毒を起こす。死者が出なかったのも日本の救急医療施設が行き届いていたおかげで、日本の医学が中国並みだったらどれだけの人間が死んでいたか分からない。
  • ほんの数日前、中国のレストランで工業用の塩、亜硫酸塩を使って客が二人死亡、何十人が入院するという事件が起きた。
  • 去年にも食塩が足りなくなって近くの工事現場から亜硫酸塩を借りてきて肉料理に使った料理を食べて男の子が即死した事件があったばかり。
  • そしてアメリカでも中国製の血液製剤グロブリンでアレルギー反応をだした患者が4人死に、何百人という負傷者がでた事件などがある。これも日本の餃子事件と同じで中国は自分らの非を一切認めていない。

中国の大気や水汚染は相当なもので、川など汚染がひどくて乾ききっているというではないか。こんな汚い国で作られる食品など安心して食べられるはずがない。これではアメリカのオリンピックチームが選手の食べるすべての食料品をアメリカから持参することになったというのも納得がいく。

8月に開催される北京オリンピック(五輪)の際、米国代表チームはすべての食材料を中国の外から持ち込むことにした。

米オリンピック委員会(USOC)は、牛肉・豚肉・鶏肉などの肉類2万5000ポンド(11.3トン)をケロッグやタイソンなど米大手食品企業の支援を受けて北京に空輸する計画だと、米ニューヨークタイムズ(NYT)が9日(現地時間)報じた。

米国から送られた肉類は五輪開幕2カ月前に現地に到着する。 その後、徹底した税関検査を経て、600人余の米五輪代表チームが到着する3週間前、USOC側に引き渡される予定だ。

中国政府はこのアメリカの決断に顔を潰されたとかなり憤慨しているという。国際オリンピック委員会の規定ではオリンピック村への食料持参は禁じられている。それというのもオリンピック村と契約を結んでいる食品やレストラン業者の利益を守るということと、外部から違法の筋力増幅薬などが持ちこまれるのを防ぐのが目的だ。アメリカはその規則にひっかからないようにオリンピック村の外にある学校の敷地を借りるらしい。

実際には中国で売られている食品は危険なだけでなく、信じられない量の違法薬剤が平気で含まれているのだという。

USOCの関係者は、2年前から現地調査を行ってきた結果、こうした決定を下した、と明らかにした。 中国産の鶏肉に禁止薬物のステロイドが多量に含まれていることを確認した、ということだ。

NYTはこの関係者の話を引用し、「選手がこの鶏肉を食べた場合、薬物テストで引っかかる可能性もある」と報じた。これだけではない。 他の多くの食品も殺虫剤や不法薬物で汚染され、米国選手が現地の食品を食べた場合、病気にかかる危険もあると、USOCは判断した。

アメリカですらこうなのだから、中国で日本の運動選手やファンたちが暴力を振るわれるような国に、日本が中国へ選手を大量に送り込むのはさぞかし心配なことだろう。この間の毒餃子にしたとこで、事故なのかテロ行為なのかまだはっきりしていない。日本で中国オリンピックをボイコットすべきだという意見がでるのは当然だ。

中国において偶発的に起きる食中毒だけでなく、カカシは中国政府が意図的に外国人チームの食事に毒を盛ったり違法薬剤を投入して薬物テストにひっかけて失格させようという策略があるのではないかと勘ぐりたくなる。これまでの中国の反日感情を考えるとまんざら被害妄想では片付けられないと思う。

これまでも日本のサッカーチームが中国でひどい仕打ちを受けた話はいくつも聞いているが、この間のアジアカップでの日本対中国の試合はひどいものだった。これは坂さんのところで読んだのだが、YouTubeのビデオをみてみると、坂さんの文章を読んで想像していたよりずっとひどい試合だった。

この試合中、中国選手は日本選手を殴る蹴るはもとよりタックルだの首を締めるだのひどいったらない。それを北朝鮮のレフェリーは完全に見て見ぬ振り。イエローカードがたった3回出ただけでレッドカードはゼロ。

 

 

(Here's the YouTube link, if you cannot see the video here.)

よくぞこれで勝ったと声援を送りたい!

さて、アメリカの食料持ち込み宣言に怒った中国は海外からの食料持ち込みを禁止する方針を明らかにしている。関税あたりで差しとめて没収するつもりらしい。

もしそのようなことが起きたら、私は正直いってアメリカチームは選手一同回り右してかえってくるべきだと思う。中国政府が外国人選手たちの安全を保証できない以上、こんなゲームに参加すべきではない。日本も食料持ち込みを拒否されたらオリンピックはボイコットすべきだろう。日本の選手のほうがアメリカの選手よりもずっと危険な状態にさらされているのだから。

関連記事:
政府は中国産製品を公表せよ!
政府政策に頼らず中国製品をボイコットしよう!

February 29, 2008, 現時間 7:49 PM | コメント (1) | トラックバック (0)

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日付け → →February 25, 2008

人権擁護法反対! 米アファーマティブアクション制度のえじきにされる企業

今日は昨日の続きで、米国のアファーマティブアクション制度(AA)が、職場でどのような悪影響を及ぼしているかについてもう少し詳しくお話したいと思う。昨日も書いたが大事な点なのでもう一度繰り返そう。

AAは才能のあるなしに関わらず、ある企業はある一定数の少数民族や女性を雇わなければならない、それだけでなく、昇進の時でも人種や性別を考慮にいれなければならない。仕事のできない少数民族や女性でもやたらに解雇できないといった非常に厳しい規制がある。こうなってくると企業は少数民族や女性を雇う利点を見いだすことができない。かえって少数民族や女性には迷惑な政府介入なのである。

どなたかからのご指摘があったように、AAは連邦政府の方針であって法律ではない。従って企業はAAを自主的に取り入れているだけであって、政府からその適用を強制されているわけではないという意見がある。こういう見方は厳密ないい方をすれば一見正しいようにも見えるが、実は現実を無視した非常に不誠実な議論なのである。

昨日もお話したように、アメリカには企業が雇用昇進解雇などにおいて差別をしているかいないかを監視するEEOCという連邦政府機関がある。ある企業で差別を受けたとする従業員は直接訴訟をおこすのではなく、先ずこのEEOCに相談に行く。EEOCはその訴えが正当であるかどうかを審議し、正当であると感じた場合にはEEOC自体が市民の税金を使って企業相手に訴訟を起こすことができるのである。この点はカナダの人権擁護審議会(HRC)とちょっと似ている。

ただカナダと違って、EEOCはアメリカの法廷に頼るため必ずしも理不尽な結果になるとは限らないのだが、ここで被告が敗訴した場合、もしくは敗訴を恐れて示談になった場合、法廷が企業に課すのは罰金の他にアファーマティブアクションの適用の強制である。裁判で企業が満たさなければならない条件が取り決められれば、これは法律と同じで政府に強制力も施行力もできる。ということは、アファーマティブアクション法という強制的な法律がないとはいうものの、現実的には企業はこの規則を強制されるということになるのだ。

このような例がいくらでもあるので、訴訟例を見ながら考えてみよう。

1997年テキサコ訴訟: 1994年に6人の黒人社員がテキサコ(石油会社)を相手に自分達が得るべき昇格や昇級がないのは人種差別のせいであるとしてテキサコを訴えた件。彼等の弁護士はテキサコには組織的な人種差別があると加えた。黒人市民団体のNAACP とクリントン政権時代のEEOCの支持を受け、1400人以上の黒人社員が訴訟に参加。恐れをなしたテキサコは1997年に示談に同意。1億7千6百万ドルの損害賠償を支払うことになった。この損害賠償の中身には次のようなものであった。

(a) 1億1千5百万は1400から1500人の少数民族社員に支払われる。 (b) 2千万ドルは少数民族社員の昇給にあてがわれる。 (c)3千5百万は新入社員が強制的に受けさせられる「多様性を気づかう訓練」 にあてがう。 (d) テキサコの原告が選び法廷の承認を得た人員で平等公正委員会を設立し、この委員会が差別的なテキサコの企業経営を是正する権力を持たせる。

2000年、コカコーラ訴訟: 4人の黒人社員が給料が低すぎる差別を受けているとしてコカコーラを訴えた訴訟で、コカコーラはこれも示談の条件として黒人社員全員の給料をに直すことに同意した。

損害賠償は約1億9千2百5十万ドル。そのほかに少数民族のクォータ制の適用や、特定の市民団体への寄付や贈り物までが強制された。しかしこの市民団体というのは得体の知れない少数民族の経営する慈善事業とは名ばかりの左翼団体がほとんど。また、一部の少数民族企業が優先にコカコーラから契約が取れるなどという条件までついていた。

私が最初に説明した雇用昇格解雇の規制はこのような訴訟の結果企業に課せられるものである。このようにして適用されるアファーマティブアクションのどこが「自主的」なのだ? 

このような人種差別をしているとして訴えられることを防ぐために防衛の意味でAAを適用する企業もある。しかしAAという方針を適用していれば訴えられる可能性が減るのだからかえってAAは企業の役にたっているのではないかという議論は「盗人猛々しい」としかいいようがない。これはやくざが守ってやるから所場代払えよ、といってる恐喝となんら変わりはないのである。

しかし、逆差別をされたとして訴えを起こして勝っているケースもあるのだから、一概にAAを適用することが企業にとってプラスになるとは限らないのではないかという意見もある。しかしAAを適用しないことで起きる訴訟と、逆差別を問題にしてたまに起きる訴訟とを比べたら、差別の理由に訴えられるほうがよっぽども多いし損害も大きい。企業の経費として考えた場合、AAを取り入れておいたほうがよっぽども安全だ。第一法廷がAA適用を命令した場合には企業には選択の余地はない。

これで「アファーマティブアクションという企業に強制力を持つ法律など存在しない。企業は自主的にAAを適用している」という理屈がどれほど空々しく虚しく不誠実なものであるかお分かり頂けたと思う。

February 25, 2008, 現時間 10:12 PM | コメント (1) | トラックバック (0)

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日付け → →February 24, 2008

人権擁護法反対! アメリカの悪制度アファーマティブアクションに学ぶ

お断り:このエントリーは数時間前に掲載したものを訂正して書き直したものです。特定の人物への個人攻撃のような内容があったのでその部分を削除しました。数時間前の内容と多少違う面があることをご了承ください。

米国で少数民族や女性が大学への入学や就職の際に不当な差別を受けないようにと設けられた制度にアファーマティブアクション(AA)というものがある。これについて私は何度かその悪質な特質について、大学入試や就職の際に特定の少数民族が優遇される人数枠組みを決めたいわゆるクォータ制を例にあげて、ここやここで述べてきた。

私の説明するような形ではアファーマティブアクションは存在しないと主張する人もいる。厳密な意味でアファーマティブアクションという法律が存在しないと言うのは正しい。AAは連邦政府の方針であり、その適用は州単位でそれぞれの地域が自分らに見合ったと思われる規則を設立して行うことになっているからだ。しかしAAを適用するために設立された規制や規則は私がいう通りの結果を生んでいるのであり、そんな法律は存在しないから、カカシのいっていることは真実ではないという言い方はそうした現実を無視した非常に不誠実な意見である。

AAには良い面もあれば悪い面もあると主張する人は、アウトリーチ(勧誘)という制度に重点を置いて話をしている。アウトリーチとは、普通では大学入学などには不利な立場にいると思われる少数民族が一流の大学に入れるように種々の方法で援助をするというのが建前になっている。だが、時間もお金も手間もかかるアウトリーチなどという制度は簡単に適用できるものではない。結果的に簡単に適用出来るクォータ制度が優先し、アウトリーチなど現実の日の目を見ないのが普通だ。つまり建前はどうあれ、現実的にはAAの適用は少数派優遇のクォータ制となったり、アウトリーチという名目で少数派受験生の成績が水増しされたりする形で落ち着いてしまうのである。だから私に言わせればAAに良い面など存在しない。

悪法アファーマティブアクションが生んだ訴訟例:

AAの悪質な制度は1961年の創設当時から問題になっていた。1969年には当時のニクソン大統領が、AAの目的は差別廃止の「目的と予定表」(goals and timetable)であって、少数民族優遇システムであってはならないと説明しなければならないほどだった。しかし、その不公平な適用は1970年代から最近では2001年に至るまであちこちで訴訟の対象となっている。

最初にアファーマティブアクションによる不公正な大学入試制度に関する訴訟を紹介しよう。私は以前にアメリカの大学入試システムをこのように説明した。

大学入試を例にして説明すると、大学入学の際、少数民族だからといって入学を拒否されないように、新入生の人種の枠をつける方針が多くの大学で取り入れられた。 この枠組みはアメリカ社会の人口比率が参考にされており、詳細は学校によって違うがここでは便宜上黒人20%、ラテン系10%、東洋系10%、白人60%としておこう。 ここで問題なのは大学志願者の比率が社会の人口比率とは一致しない点である。 これは文化の違いによるのだが、黒人やラテン系の若者が大学へ進む比率は東洋人や白人のそれよりもずっと低い。 ということは同じ大学へ志願しているにもかかわらず人種によってその倍率が全く違うということになってしまうわけだ。

下記の訴訟例を吟味してみよう。

1979年、カリフォルニア州立大学対バッキー(the University of California v. Bakke): 大学の不公平な入学制度に挑戦した一番有名な訴訟は、1979年にカリフォルニア州立のデイビス医学大学においておきた。当時UCデイビスでは、100人中の16人は少数民族のためにとっておくという人員枠を決めており、入学の基準も少数民族と白人学生とでは全く違う二重基準になっていた。アラン・バッキーという白人学生は自分よりも成績の劣る少数民族の学生が合格したのに自分が入学を拒否されたのは人種差別であり、憲法違反であるとして大学側を訴えた。

合衆国最高裁判所は、人種が大学入試基準の一部として考慮されることは正当だが、融通のきかない人員枠決めは正当ではないと判決をくだした。

1996年、カリフォルニア州、提案209条: 1990年代の後半からカリフォルニアを中心に、アファーマティブアクションによる不公平な大学入学システムを廃止しようという運動が起きた。カリフォルニアの黒人ビジネスマン、ワード・コネリーは1996年に特定の人種や性別を優遇する入学システムを全面的に廃止する法律、提案209条を提案。カリフォルニア州市民の圧倒的多数の同意を得て議案は通過した。しかし、小山エミが「賛成する人などどこにもいない」といっている少数民族優遇システムを支持する運動家らが、この法律は憲法違反だとして州を相手に訴訟を起こし、一旦は地方裁判所(U.S. District Court)で議案の施行一旦停止判決がでたが、後の高等裁判所の審査によって(9th Circuit Court)判決は覆され法律として成立した。しかしその後も少数民族女性優遇システムを支持する人々の間からこの法律への訴訟は後を絶たない。

ところで、この法律が通って以来、バークレーのような一流大学への入学生は減ったが、カリフォルニアの州立大学全体では少数民族の卒業率が増加した。つまりAAによって自分の能力にあわない高度な大学へ行って落ちこぼれていた少数民族の学生たちが、自分の能力にあった大学へ入ったため、卒業率が増えたということだ。いくら一流大学へ入っても、ついていけずに落ちこぼれるくらいなら、二流大学でもちゃんと卒業したほうがいいに決まっている。AAの少数民族優遇制度がいかに少数民族を傷つけてきたかという証拠だ。

1996年、ホップワード対テキサス大学法律学校(Hopwood v. University of Texas Law School):シェリル・ホップウッド並びに三人の白人受験生がテキサス大学のアファーマティブアクションに挑戦して起こした訴訟。ホップウッドたちは自分たちが入学を拒否されたのは学力が劣るにも関わらず一部の少数民族が優先されたからだと主張。 その結果、法廷は(the 5th U.S. Court of Appeals)は大学のアファーマティブアクションによる入学制度を差しとめるように命令し、同時に1978年のバッキー訴訟で、人種が入学審査の際に考慮に入れられるのは正当であるとした判決は不当であったと裁断した。これが原因でテキサス州は1997年から入学審査に人種中立の制度を取り入れることになった。

2003年、グラッツ、ハマチャー/グラッター対ミシガン州立大学 Gratz and Hamacher / Grutter v.The Regents of the University of Michigan

2003年に最高裁判所が下した判決は、ミシガン州立大学のAA制度に対する二つの訴訟がもとになっている。ミシガン州立大学と法律学校の双方で、人種を基準にした大学受け入れ制度は憲法違反であるという訴えが起きたが、地方裁判所は人種が入学基準の一部の要素となることは正当であると判決をくだした。ただし大学のほうで少数民族の受験生に水増し点があてがわれる制度は改正されるべきであるとした。後に最高裁は人種を考慮することは憲法違反であるとすでに判決が出ていることから、この判決は覆された。

不公正な就職制度

AAが適用されるのは大学入学審査の時だけではない。就職や職場での昇格や解雇の時などでも考慮される。私はそのことについてこのように説明した。

AAは才能のあるなしに関わらず、ある企業はある一定数の少数民族や女性を雇わなければならない、それだけでなく、昇進の時でも人種や性別を考慮にいれなければならない。仕事のできない少数民族や女性でもやたらに解雇できないといった非常に厳しい規制がある。こうなってくると企業は少数民族や女性を雇う利点を見いだすことができない。かえって少数民族や女性には迷惑な政府介入なのである。

これに関して企業におけるアファーマティヴアクションはあくまで企業が自主的に行なうもので、それを強制するような法律は存在しないという人がいる。これも厳密には正しい。しかしここでどうして企業が自主的にAAを起用したりするのか考えてみる必要がある。AAの実施は企業にとって合理的でも経済的でもない。ではなぜそんなことを強制もされていないのにやるのか?

アメリカではAAとは別にEqual Employment Opportunity Law (EEO)という職場での差別を禁じる法律がある。職場で差別を受けたと思う従業員はEEOCという連邦施設に苦情を訴えられるようになっている。企業が差別訴訟を避けるための予防対策としては、AAを自発的に適用することが最善の方法なのだ。つまり、「わが社はAAを取り入れており人種差別はしておりません」と言うように。

しかし州立の大学でさえアウトリーチなどという面倒くさいことが出来ない以上、企業でのAAでそんなことが出来るはずがない。であるから必然的に簡単なクォータ制度が取り入れられてしまうわけだ。1000人の従業員のうち黒人が一人しかいないという企業はたとえ偶然そうだったとしても、黒人の市民団体から人種差別をしていると訴えられかねないし、やたらに黒人を解雇すれば、黒人差別だといってまたまた訴えられる恐れが十分にあるからだ。

これがどのような結果を生むか、これも訴訟例をあげて吟味してみよう。

1986年、ワイガント対ジャクソン教育委員会(Wygant v. Jackson Board of Education): 少数民族の教員を守るために、年功では勝る少数派でない教員が先に解雇されたことで教育委員会が訴えられた訴訟。最高裁判所は教育委員会の少数民族を保護する目的でも少数民族でない教員から解雇するというのは、雇用の際に少数民族を優遇するというのとは違って、個人に与える損害は大きく正当化できないとして勝訴となった。

AA方針は法律ではなく企業が自発的に適用するものだというが、AAを導入していない公営施設は存在しない。つまり、公務員は必然的にAAの元に生きることになる。それでなくても解雇が難かしい公営施設は民間企業よりも神経質にAA方針を貫こうとする。AAは法律ではないから強制されているわけではないという議論がどれほど空しいかが良く分かるはずだ。

さて、AAそのものに行使力はなくても、裁判所によってクォータ制度が強制されるという例がある。

1987年、合衆国対パラダイス(United States v. Paradise):

アラバマ州の公共安全局(the State of Alabama Department of Public Safety )では組織的に黒人差別をする傾向があるとして、何度も訴えられた。その結果裁判所は、局の従業員の25%が黒人になるまで、白人が一人雇われるごとに一人の黒人が雇われるか昇格されなければならないとした。このクォータ制は上訴されたが、この場合は極端な人種差別を是正するためにやむ終えない処置であったとして維持されるべきと判決が下された。

雇用や昇格にクォータ制度を用いなければならないという法律が存在しなくても、このように裁判所が企業に制度を強制することが出来れば、法律と同じ機能を果たすわけだ。

AAにはほかにも悪い点があるのだが、長くなるのでそれはまた別の機会に続けよう。とにかく、人種や男女差別を廃止する目的で作られた制度が、結果的に一部の少数民族や女性優遇のシステムになってしまったという例として、アメリカのアファーマティブアクションからは、今人権擁護法を考えている日本社会にとって良い反面教師となるはずである。

February 24, 2008, 現時間 8:18 PM | コメント (2) | トラックバック (1)

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日付け → →February 23, 2008

人権擁護法など必要ない。差別は自由市場が解決する。

私は何度も差別をなくす法律など存在しないと主張してきた。差別をなくすためには差別主義の法律を取り除くことによって、後は市場に任せ、なるべく政府が介入しないことが一番いいことなのだと私は信じている。私は自由市場が差別をなくすことにつながるという話は下記のように何度もしてきた。

日本とアメリカ、共通する差別問題と落とし穴
なんで左翼は自分を左翼と認めないのか?

以前に私は人種差別にしろ男女差別にしろ政府が差別する(女性は何々の仕事についてはいけないとか、黒人はどこそこの公立学校に入学できないといったような)法律さえ取り除きさえすれば、あとは市場が解決してくれると書いた。これは女性や黒人の賃金が白人男性よりも安ければ人種や性別にこだわりのない雇用主が人件費節約のために優秀な黒人や女性を雇うようになるからで、他の企業が人件費が高すぎて経費がかさんで最初の企業と競争できないとなれば、こちらの企業も黒人や女性を雇うようになる。多くの企業が同じことをはじめれば黒人や女性の需要は高まり自然と給料も上がり、そのうち才能のある黒人や女性は白人男性と同等の給料をもらえるようになるというわけだ。

ただ、市場の解決には時間がかかる。市場が人種や男女の差別をほぼ取り除くまでには10年や20年は平気でかかるだろう。だからそういう状況を見ていると差別廃止の速度を早めるために誰かが手助けする必要があるという考えが生まれるのは十分に理解できる。これについて、例の自他共に認める左翼系リベラル、レズビアンフェミニスト(でも絶対マルクス共産主義者ではないと主張する)小山のエミちゃんはこのように語る

...こういう説明が経済学的に間違いであることは、過去エントリ...で解説している。簡単にまとめると、差別にはここでカカシさんが想定しているような「経済合理性の観点から言って非合理な差別」(経済学用語でいうと「選好による差別 taste-based discrimination」だけでなく、経済合理性にかなった「合理的(ここでは、それが正当であるという意味ではなく、行為主体の利益を最大化するという意味)な差別」(「統計型差別 statistical discrimination」)が存在しており、前者についてはカカシさんの言う通り市場による解決が理論上可能だが、後者についてはそれでは解決できない。

要するにだ、自分が嫌いな人間とはつきあいたくないという嗜好による差別は不経済なので、いずれは自由市場が解決してくれるが、ある種の人間は統計的に見て劣っているという偏見は市場では解決できないという意味。小山エミは女性の労働者を例にあげて次のように説明している。

統計型差別というのは、集団についての統計的情報をもとに個人を判断することだ。たとえば「女性は早期退職する可能性が高い」という情報が事実なら、女性より男性を優先的に採用したり、男性に優先的に将来的な出世に繋がるような経験を積ませたりすることは経営上理にかなっている。...そうした差別については放置しておいて構わないというならそれも一つの見解ーーわたしに言わせれば、公正性に欠ける見解ーーだが、市場に任せておけば解決するという論理は経済学的に言って間違いだ。

自分が賛同できない議論は「間違いだ」と決めつけてしまうのがエミちゃんの悪い癖なのだが、ま、この際そういう下らないことは無視して現実を考えてみよう。

先ずここで考えなければならないのは、エミちゃんのいう「統計的な差別」の元になっている統計が事実であった場合、雇用主が対象の集団を差別する権利は認められるべきだということだ。もしも女性が早期退職するという傾向が事実だった場合、すぐやめる人を訓練するのは不経済だから雇いたくないと考える雇用主の意志は尊重されるべきだとカカシは考える。

もちろん、女性だからといって誰もが早期退職をするわけではない。女性でも長期就職を望んでいるひとはいくらでもいる。それが単に傾向だけで判断されるのは不公正だというエミちゃんのいい分は理解できる。しかしながら、私はこういう統計的な差別もいずれは自由市場が解決すると考える。何故ならば、どの経営者も全く同じ動機で従業員を雇うとは限らないからだ。

新しい零細企業で企業自体がどれだけ長持ちするか分からないようなところなら、短期でもいいから有能な人を安く雇いたいと思うかもしれない。そういう雇用主なら若い女性を雇うことは多いにありうる。または子育てを終わらせて長期にわたってできる仕事をさがしている中高年の女性なら結婚妊娠による退職の恐れがないため雇われる可能性は高くなる。年齢差別でスーパーのパートのおばさんくらいでしか雇ってもらえない中高年の女性は多少給料が安くてもこうした企業での就職を歓迎するだろう。

私のこのような考えは現実を無視した卓上の空論であり全く間違っているという人は、自分こそ現実を見ていないとカカシは言いたい。

最近の旅客機や銀行で働く女性の容姿や年齢層をみてみれば、20年や30年前とはかなり違うことに気付かれた人は多いはずだ。昔は容姿端麗で妙齢の女性だけしか雇わなかった航空会社や銀行だが、最近のスチュワーデス(最近は機内乗務員と呼ぶのかな?)にはかなり昔は美人だったかもしれないといった風の人が結構多い。これは無論ある程度歳のいった従業員が解雇された時に年齢差別を理由に訴訟を起こしたりしたことが直接の原因だったといえばそうかもしれないが、安い航空運賃を競い合って航空会社同士の競争が激しくなるにつれ、若くて美人の女性ばかりを雇う余裕が経営者にはなくなってきたということのほうが現実だ。

カカシが20代の頃はスチュワーデスといえば女性の職業としては花形だった。(カカシは美貌や才能では決して劣らなかった(?)のだが、いかんせん背が低かったため、涙を飲んであきらめた。笑)しかし2008年の現在、若くて美しい女性が出来る仕事はほかにいくらでもある。それに乗客も昔のように金持ちのエリートばかりではなく、カカシのようにA地点からB地点までなるべく苦労せずに無事につければいいと思ってる働き蜂が大半だ。そんな人間にはスチュワーデスが若いとかきれいだとかなんてことはどうでもいいことだ。

銀行の窓口にしてもそうだ。昔は高卒でかわいい女の子たちが雇われたものだが、最近は子育ての終わった中高年の女性がパートで雇われることは結構ある。カカシの高校生の同級生なども大手銀行で窓口をやっているくらいだ。

これは若い女性は短期で退職するという統計的事実から来る女性の雇用問題を長期就職が期待できる中高年の女性が補うという形で市場が解決したいい例である。

また、1980年代のバブルの時期に、日本企業は世界にずいぶん広く事業を進めた。当時日本国内では女性蔑視がひどすぎてまともな仕事につけなかった日本女性たちは海外へ脱出した。日本相手に商売をしたい海外企業は日本語がはなせる教養高い日本女性を競って雇った。おかげで日本女性は外資会社の従業員として日本企業の男性ビジネスマンと同等に交渉する立場にたった。

海外へ進出した日本企業が雇った地元の職員のなかにも日本を出て海外で暮らしている日本人女性が多かった。もともと日本人だから日本企業のやり方には慣れてるが、日本並みの給料を払わず地元の給料で足りるということで、海外在住の日本人女性は日本企業にとっても重宝な存在だった。つまりだ、女性は短期で退職するから雇わないという統計的な理由での差別は、このように別な形で市場が解決してくれたということである。このように海外で日本人女性や外国人女性と同等に働いた経験のある日本人男性たちによって、女性への偏見はかなり減ったのではないだろうか?それが日本国内において女性の地位が向上することに結びついているといえないだろうか?

これは決して短期で起きたことでも完璧な形で起きたことでもない。まだまだ日本において男女は同等とはいい難い。しかしながらこれに政府が介入することによって早期にもっと良い結果が生まれるはずだという考えには、政府の介入が市場よりも良い結果を生むという根本的に誤った考えがあるのである。

なぜ差別問題に政府が介入することが害あって益なしなのか、話が長くなるので続きはまたこの次。


February 23, 2008, 現時間 4:20 AM | コメント (1) | トラックバック (1)

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日付け → →February 22, 2008

米イージス艦迎撃ミサイル、制御不能の人工衛星に直撃!

一週間くらい前にブッシュ大統領が制御不能となった人工衛星が落下する恐れがあるとして,弾道ミサイル迎撃システムを使ってこの人工衛星を撃ち落とす計画だと発表して以来、もしもこれが失敗したらBMDプログラムの将来が心配だとかなんと平和主義の批評家たちがやいのやいの言っていたが、昨晩見事に撃墜に成功。

スパイ衛星をミサイルで撃墜、有毒燃料タンクを破壊か

ワシントン(CNN) 米国防総省は20日、制御不可能となり、地球に落下、衝突する恐れがあった米軍事用スパイ衛星を同日の東部時間午後10時半(日本時間21日午後12時半)ごろ、海上配備型迎撃ミサイルSM3で約247キロ上空で撃墜したと発表した。

ハワイ西方の太平洋上でイージス艦「レイクエリー」からミサイルを同10時26分ごろ発射、衛星が大気圏に突入寸前の軌道で撃墜に成功したとしている。発射は1発だった。ミサイル防衛システムを用いた衛星破壊は初めて。撃墜費用は最大6000万ドル(約65億円)。

米国防総省は地球に向かっていたスペースシャトル「アトランティス」に衛星の破片が激突しないよう、フロリダ州のケネディ宇宙センターにシャトルが着陸した後に迎撃ミサイルを発射した。

破壊した偵察衛星の重量は約2.3トンで、毒性が強く発がん性も指摘されるヒドラジンを搭載。米国防総省は、衛星落下で有毒ガスが人口密集地域に拡散する恐れが出たことから撃墜に踏み切ったと説明していた。

ミサイルがヒドラジンが積まれる燃料タンクを直撃したのかは不明。タンクに命中したのかの精査には24時間掛かるとしているが、国防総省高官はタンクを明らかに破壊したと述べた。

破壊によって生まれた衛星のゴミはほとんどが大気圏突入で燃え尽きると分析、周回する他の衛星などに悪影響はほとんどないとの見方を示した。

このスパイ衛星は2006年末に打ち上げられた直後、交信不能となった。撃墜しない場合、3月初旬に地球に落下する見通しだった。

一方、昨年1月に弾道ミサイルを使った衛星破壊実験を実施した中国の国営・新華社通信は、米国によるミサイル撃墜について「懸念している」と伝えた。米国は昨年、中国の実験を強く非難していた。

ミサイルによる破壊を受け、中国外務省報道官は米国が国際社会に必要な情報を迅速に提供することを求めると指摘。また、米国の今回の行動で宇宙で予想される被害を綿密に警戒しているとも語った。中国は昨年1月の衛星破壊実験で関連情報を国際社会に流さず、批判を受けている。

なんでアメリカが自国の防衛システムをわざわざ中国に説明しなきゃならないのか不思議だ。どうして中国はそんなことを知りたがるのだろうか?

とにかく、失敗したらアメリカの迎撃システムは全く役立たずで将来のBMDプログラムの行方が危ぶまれると言っていた批評家たちは、この大成功をどのように評価するのだろう、興味深いところだ。

とにかくBMD万歳!

以下イージス艦の写真:

護衛艦「こんごう」
高波たてるイージス艦
イージス艦の写真

BMD関連エントリー:

日本にテポドンは撃ち落とせるか?
アメリカにテポドンは撃ち落とせるか?
ミサイル迎撃システム日米合同実験大成功!
で、イージスは何をしてたの?
ミサイル迎撃システムは効果あるのか?
日本発のBMD実験成功!
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February 22, 2008, 現時間 12:45 AM | コメント (0) | トラックバック (0)

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日付け → →February 21, 2008

ついに始まった主流メディアのマケインバッシング

人の名誉を汚すことを主な目的に書かれた記事をヒットピースというが、今日のニューヨークタイムスのマケインに関する記事はその典型だ。

私は先月ニューヨークタイムスがマケインを共和党の候補者として支持した時に、ニューヨークタイムスのマケイン贔屓は長続きしないはずだと書いた。

ニューヨークタイムスは絶対にマケインを批判したりはしない。だがそれもマケインが共和党の大統領候補指名を受けるまでの話だ。一旦指名を受けて民主党候補のライバルとなった日には手のひらを返したように「マケインは狂犬だ」とかなんとかものすごいマケインバッシングをはじめるのは十分に予想できる。

案の定、マケインが共和党候補確実となった途端にNYTは8年も前の浮気疑惑を持ち出してきてあたかもマケインが金髪美女の魅力に惑わされて議会に圧力をかけたような記事を掲載した。以下はCNNの記事より。

米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は20日、米大統領選で共和党候補指名を手中にしているマケイン上院議員(71)が2000年の大統領選に出馬した際、同氏が当時、委員長を務めていた上院商業科学運輸委員会に関係ある電気通信関連企業のロビイストを務めていた女性と親密な関係があり、選挙への悪影響を案じた選対幹部が2人を引き離していたと報じた。

マケイン氏の現在の選対幹部はこの記事の正確さを否定し、中傷と批判。「マケイン氏は国民の信頼を裏切ったことはなく、特殊権益やロビイストにいかなる便宜を図ったことはない」とも強調した。ただ、マケイン氏は清潔なイメージを前面に出しているだけに、今回の記事が今後の選挙戦に響く可能性もある。

タイムズ紙は、2000年当時の陣営幹部を話を引用し、マケイン氏と女性との関係は恋愛関係に発展すると確信し、2人に付き合いが不適当であることを説得したという。女性とマケイン氏は共に、恋愛関係となっていたことを否定した。

女性はまた、マケイン氏からロビー活動などで特別な便宜を図ってもらったことを打ち消したという。

現在のマケイン陣営幹部によると、タイムズ紙がこの問題を取材していることは昨年10月から知っており、関連情報を提供してもいた。ただ、女性ロビイストを雇う企業に利益を与えるためマケイン氏が影響力を行使したことは否定していたという。

CNNの記事ではあたかもマケインと、この女性に恋愛関係があったかのような書き方になっているが、もともとのNYTの記事を読んでみると、マケインとこの女性が実際に恋愛関係にあったとは書かれていない。マケインが2000年の大統領選挙に出馬する際にビッキー・アイズマンという金髪美人のロビーイストがマケインの周りをうろちょろしていたので、外聞が悪いと心配した幹部がこの女性とマケインに付き合いはやめるように忠告したというだけの話だ。

この記事に書かれていることが100%真実だとしてもこの程度の話なのである。ところが、当時マケインの幹部をしていたジョン・ウィーバー氏はマケインにそんな話をした覚えは全くないという。

「ニューヨークタイムスから公式なインタビューを申し込まれましたが、私は断りました。そのかわり書面での質問を要請しました。タイムスは私とアイズマンさんとの会見について他の人から聞いて知っていました。私には誰からきいたとは明かしませんでしたが、それについて質問してきたのです。私はアイズマンさんとの会談についてはマケイン上院議員に報告しませんでした。

商工委員会とそのスタッフと深いつながりがあるという彼女の発言が我々の耳に入ったため、それが誤りであり(選挙運動に)損害を及ぼすことを彼女に知らせ、今後そのような発言は控え、選挙運動には関わらないでくれとお願いしたのです。それ以上のこともそれ以下のことも全くありません。

ロビーイストというのは自分の顧客に都合の良い政策をたててもらうために政治家に陳述する仕事であるから、自分が実際よりも政治家や議会の委員会にコネがあると吹聴したがる人間がいたとしても不思議でもなんでもない。その度が行き過ぎたと考えた選挙運動事務所の幹部がロビーイストを禁めたというのもまた自然な話だ。これのどこがスキャンダルなのだ?

NYTは匿名の元マケインスタッフがアイズマンとの関係をやめるように助言したとしているが、ジョン・ウィーバーのような幹部が知らないところでそんな話がされたはずがない。

しかしこの話を焼き直ししているAPにおいては、マケインのシンディー夫人が「夫は浮気などしていない」といって夫をかばっている姿を、ヒラリーもビルの浮気のスキャンダルの時は夫を弁護していたなどと本当のスキャンダルを持ち出して、あたかもマケインへの中傷が事実であるかのような書き方をしている。

それにしても、NYTはこの話を去年の10月頃から知っていたというから、今年の1月24日にマケインへの支持表明をした時はこの話は別に問題ないと思っていたことになる。共和党候補として民主党には勝てそうもないと利用できる時には無視しておいて、いざ手強いライバルになったとなると、これまで無視していたどうでもいい記事を持ち出してきてマケインバッシングというわけだ。

ま、こうなることは保守派市民はすべてお見通しだったので、マケインを支持した時から、かえってNYTの支持なんて有り難迷惑だなと感じていたのである。マケイン議員も今後このような主流メディアによる攻撃は十分覚悟していただきたいものだ。


February 21, 2008, 現時間 10:08 PM | コメント (1) | トラックバック (0)

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日付け → →February 20, 2008

オバマかヒラリーか、どちらが手強い?

カカシはヒラリーおばさんだけは勘弁して欲しいと、もうずっと前から繰り返しているが、かと言ってバラク・オバマが民主党候補に指名された場合、ジョン・マケインで一般選挙に勝てるのだろうかという疑問は残る。とはいえヒラリー・クリントンにはビル・クリントンの選挙運動組織がついている。ビルは昔下院議員になり損なった他はすべての選挙に勝っているという実績があり、どんな汚い手を使ってでも勝つ主義だから敵に回したら油断できない相手だ。

ヒラリーとオバマが接戦でこのままどちらも撤退せずに党大会まで持ち込まれた場合、党大会で選ばれる候補者はそれぞれかなりの傷を負っての勝利ということになる。

ヒラリーが民主党候補になった場合:

今の段階ではヒラリーの代議員数はオバマに劣るため、党大会でヒラリーが勝つためには、今オバマに投票すると口約束している代議員たちの気持ちを翻す必要がある。民主党の規則では市民の投票によってオバマに投票することが決まっている代議員が土壇場でヒラリーに投票してもいいことになっているんだそうだ。すでにヒラリーの選挙事務所はオバマの代議員に取り入ろうと働きかけているという。

このような不公平な規則が今まで問題にならなかったのは、これまでの選挙では党大会にいきつくまでに弱小な候補者はすべて撤退してしまい、候補者が一人しか残っていないということが普通だったから、党大会は単なる儀式的な意味しかなかったからだ。しかし、ヒラリーもオバマも指名候補となるために必要最低限の代議員数を党大会までに集められなかった場合は党大会でどちらかの候補者が圧倒多数票を得られるまで投票に投票を繰り返す必要がある。

もしも、党大会に挑む時点でヒラリーが選挙で正々堂々と獲得されたオバマの代議員を汚い手を使って奪い取ってヒラリーが勝ったとしたら、オバマの支持者たちが黙っているだろうか?アメリカ最初の黒人大統領が生まれると信じていたオバマ支持の黒人たちは腹を立てるあまり、一般選挙では投票拒否をするかもしれない。黒人でなくても、クリントン夫婦の汚さに嫌気がさしていた民主党有権者たちは、ヒラリーに投票するくらいなら、共和党でも比較的リベラルなマケインに投票するかもしれない。

これを利用して共和党が心を一つにしてマケインに投票すれば、無所属からはマケインは人気があるし、それに多少でも民主党の票を集めることが出来ればマケインが勝てる可能性は結構高い。

オバマが指名を受けた場合:

オバマがこのまま勢いにのって民主党候補の指名を受けた場合は、民主党が二つに割れるなどということは無さそうだがそうでもない。ヒラリー・クリントンはラテン系に非常に人気がある。しかしラテン系と黒人系は仲が悪い。自分らが強く押していたヒラリーを破った相手が黒人であるということで、ラテン系はオバマには投票しないかもしれない。

オバマを見放したラテン系がどうするかを考えた場合、興味深いのはジョン・マケインのこれまでの実績である。ジョン・マケインの移民対策は保守派の間では人気がないが、まだまだ永住権を所持しない親戚を多く持っているラテン系移民の間では人気がある。少なくともマケインはメキシコと国境を接するアリゾナ州の上院議員としてラテン系には同情的であるという評判がある。となると、黒人のオバマなんかに入れるくらいなら、共和党でも移民に同情的なマケインに投票しようという民主党ラテン系有権者が結構出てくるかもしれない。現大統領のジョージ・W・ブッシュもラテン系からの票をかなり集めて当選している。マケインならラテン系をもっと多く引き付けられるかもしれない。この場合、黒人よりもラテン系の市民の方が圧倒的に多いということも考慮に入れておく必要がある。

オバマかヒラリーか?

こうして見てみると、ジョン・マケインはヒラリーにでもオバマにでも打ち勝つ力を持っていると思う。ただ、主流メディアは圧倒的に民主党支持なので、オバマにしてもヒラリーにしても民主党への厳しい質問など全くされないだろうが、マケインはやることなすこと全て突っ込まれること間違いなし。ジョン・マケインが勝つためには保守派のラジオトークショーやブロガーなどの支持を得て、民主党候補の落ち度をどんどん指摘してもらう必要がある。共和党が心を一つにしてマケインを応援すれば、マケインが大統領になるのも夢ではない。

結論からいってどちらが民主党の候補になろうと共和党有権者がやるべきことはただ一つ。

共和党諸君!心を一つにしてマケインを応援しよう!

February 20, 2008, 現時間 6:43 PM | コメント (2) | トラックバック (0)

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日付け → →February 18, 2008

イギリス、カンタベリー大主教の発言が呼ぶ波紋、その2

今日は、イギリスの国教教会の最高指導者であるカンタベリー大主教の問題発言についての分析を続けよう。これまでのお話は下記参照。

ことの起こりはこちら
カンタベリー大主教の発言が呼ぶ波紋、その1

個人主義より全体主義

ウィリアムス大主教にとって大事なのは個人ではなく、その個人が所属する団体である。この場合は無論イスラム教団体だ。

ウィリアムス主教はイスラム教団体がシャリアを求める以上、イスラム教徒全員がシャリアの法のもとで生きるべきだと主張する。ウマと呼ばれるイスラム教徒たちはサウジアラビアに住んでいようと、インドネシアだろうとワジリスタンだろうとパキスタンやアフガニスタンであろうと、パリの郊外であろうとオーストラリアのクロヌラ海岸であろうと、そしてもちろんそれがイギリスでも、イスラム教徒であれば誰でもシャリア法のもとに生きるべきだというのである。ウィリアムスはシャリア法のもとに生きることが個人ではなくウマ(イスラム教徒)という団体が受け継いだ権利だというのだ。

しかし、単にイスラム教という漠然とした宗教でつながっているだけの団体に「権利」などというものがあるのだろうか?(アメリカの法廷では「権利」とは常に個人の権利でありグループや団体に認められるべきではないという裁断をくだしている。)

ウィリアムス大主教が、人々がウマに属している、と語る時これは人々がある協会に所属しているというのとは全く違う意味を持つ。一個人が特定のキリスト教の協会のメンバーになる場合、これはその一個人の意志によるものであり、生まれながらにしてその協会に属しているというわけではない。しかしイスラム教徒は自分が好むと好まざるとに関わらずイスラム教徒の子供として生まれた人間はすべてイスラム教に属すると考える。そのような状況に生まれた一個人がイスラム教を拒絶した場合、イスラム教はその個人の意志を認めるどころか背信者として非常に重たい罪に問う。背信者に課する罰は大抵が死刑である。

ウィリアムス大主教もこの点については問題だと認めており、イギリスの法廷は背信者への罰を認めるべきではないと主張している。しかしながらウィリアムス大主教は背信者への社会的制裁は容認している。つまりウィリアムスは、イスラム教徒として生まれた者がイスラム教を拒絶するのは罪であり死すらもイスラムの呪文から個人を解かない、という概念を容認しているのだ。

ウィリアム大主教が「ウマ」(イスラム教徒)という場合には、こうした自らの意志に反してイスラム教社会に無理矢理組み込まれた人々まで含まれてしまうのである。

非現実的な理想主義:

ウィリアムスの念頭には非常に洗練された理想的なイスラム教徒が存在するようで、イギリスが適用するシャリア法は決して個人の人権を迫害するようなものにはならないという幻想を抱いているようだ。だがこれはイギリスですでに起きている現実とはかけ離れた理想だ。ウィリアムスは自分の目で見ている現実のイスラム教徒を無視している。西洋文化の基本ともいえる推論から観察そして結論を出すというシステムを完全に無視してしまっているのだ。下記はウィリアムス主教のお説教の一部。

There needs to be access to recognised authority acting for a religious group: there is already, of course, an Islamic Shari'a Council, much in demand for rulings on marital questions in the UK; and if we were to see more latitude given in law to rights and scruples rooted in religious identity, we should need a much enhanced and quite sophisticated version of such a body, with increased resource and a high degree of community recognition, so that 'vexatious' claims could be summarily dealt with. The secular lawyer needs to know where the potential conflict is real, legally and religiously serious, and where it is grounded in either nuisance or ignorance. There can be no blank cheques given to unexamined scruples.

14 So the second objection to an increased legal recognition of communal religious identities can be met if we are prepared to think about the basic ground rules that might organise the relationship between jurisdictions, making sure that we do not collude with unexamined systems that have oppressive effect or allow shared public liberties to be decisively taken away by a supplementary jurisdiction. Once again, there are no blank cheques.

ーーイスラム教徒には正しいシャリア法を適用できる公式に認められた組織が必要である。すでにシャリア法を解釈するイスラム法評議会(Islamic Shari'a Council)という非公式な組織がイギリス国内での結婚問題の解決に大変必要とされている。このような組織に合法な権限を与え社会が公式な組織として認めれば、評議会はより洗練されたものとなり、下らない嫌がらせのような訴訟は的確に処分されるようになる。宗教的な習慣を十分に理解した世俗主義の弁護士は、宗教上どういう点で問題が起き、どういう訴えが宗教上正しいもので、どういうものが単に無知やきまぐれからくるものなのか判断する知識を習得する必要がある。こうした調査なくして訴えを盲滅法に認めることはない。またこの新しい法が人々の権利や自由を弾圧するようなものにならないよう十分な配慮が必要であるーー

だが現実にシャリア法を適用することで市民の自由が弾圧されないなどという理想が通用したことはない。マルクス主義の理想がスターリン主義の現実に取って代わられたように、平和主義の理想が凶暴な左翼反米革命主義に変貌したように、シャリア法廷がどれほど「洗練された」西洋式概念を取り入れた形でイギリス国民が納得できるような法廷、という理想で始まろうと現実には単にシャリア法を文字どおり行使する横暴な組織と化すことは目に見えている。

ウィリアムスの欠点は彼が信じているはずの宗教を基盤としている西洋文化を全く信用していないということだ。宗教と西洋の法廷は矛盾しない。もしあるイスラム教徒がシャリア法のもとに生きたいと思えば我々は彼のその権利を尊重する。だが、その反対は絶対に許されない。

ウィリアムスがいうような「洗練された」イスラム教なら特に西洋の法律との矛盾はない。今現在のイギリスで、非公式なシャリア法廷がアクメッドの娘のソフィアはファイサルと結婚しなければならないと決めることは完全に合法だ。ただし、ソフィアとファイサルがその決断を受け入れるか拒絶するかは彼等自身の判断に任される。なぜなら西洋文化は個人の決断の権利を保証しているからだ。

イスラム教への自発的な「服従」はすでに西洋社会は実存する法律で認めている。ウィリアムスがいうようなシャリア法を裁定する法廷など取り入れれば、シャリア法が既存の法律を規制する形になってしまうことは免れない。

  1. イギリスにはすでに強制力はないが自発的に従いたい個人が従うことが出来るイスラム教法廷が存在している。
  2. ウィリアムスはこのイスラム法廷に強制力のある公式な権力を与えよと唱えている。
  3. つまりウィリアムスはイスラム教法廷に、彼等が自分勝手に決めた「イスラム教徒」たちに、個人がそのような法律に従いたいと思っているかどうかにかかわらず、無理矢理にイスラム教を行使する権限を与えよというのだ。

このような法律が適用されれば、現実の社会ではイスラム法評議会が貧民窟のイスラム教住民を独裁政権によって牛耳ることは間違いない。たとえイギリスの法律がそのような拡大されたシャリアを認めなかったとしても、一旦公式で行使力のあるシャリア法が存在するという概念んが人々の思想に入れば、シャリア法をとなえる支配層の権限を強大させようという動きに発展することは間違いないのである。そうなれば無教養で民度の低いイスラム移民がイスラム教リーダーたちの唱える単純なシャリアに従って、奴隷を持ったり、重婚したり、家族の名誉のために妻や娘を殺すことなど普通になるだろう。

「軒下貸して母屋取られる」というように、一旦一部でもシャリアが公式に認められれば、その権限を拡大しようとするのは人間として当たり前の欲望だ。ましてやイスラム教には常に他の宗教を迫害して自分らの宗教を強制的に広めるというモハメッドの教えがある。イスラム教徒が多数を占める地域で、イギリスのごく一部だからといって少しでもシャリアが合法として認められれば、イスラム教徒がそれだけで満足するはずがない。そのうちイスラム教徒が住んでいようといまいとイギリス全体でシャリア法を受け入れるべきだという要求が生まれ、それが実現すれば現存するイギリスの法律がシャリアと矛盾する場合にはシャリアを優先させるべきだという主張になり、いずれはイギリスの法律をシャリアのみにすべきだという要求になるのだ。

それを多数派のイギリス国民が拒絶すれば、シャリアが国の法律となるまでテロ行為をしてでも命がけで戦うと誓う過激派が出てくるのは時間の問題だ。そうなったらイギリスは内乱の憂き目にあう。

イギリスがほんの一部だからなどといって、シャリアの一部でも適用すれば、その妥協はイギリス政府が軟弱な証拠であると解釈され、今こそイギリス政府を攻めるチャンスとばかりに、イスラム教徒らはそれを足場にどんどんと無理難題をふっかけてくるだろう。一旦降参したイギリス法廷が次の要求を拒絶するのはもっとむずかしくなるのだ。

February 18, 2008, 現時間 4:19 PM | コメント (1) | トラックバック (0)

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日付け → →February 17, 2008

中身は空っぽ、バラク・オバマの宗教がかった選挙運動

ヒラリー・クリントンをどんどん追い上げ、今や飛ぶ鳥を落とす勢いのバラク・オバマだが、彼の選挙運動は選挙運動というよりも信仰宗教の布教のようで気持ち悪いという意見があちこちで出てきている。

ナショナル・レビューでチャールズ・クラウトハンマー(Charles Krauthammer)が、この不思議なオバマ熱現象について書いている。

...銀の舌を持つ新人上院議員は希望を売り込む方法を発見した。(希望を)得るためには彼に投票さえすればいいのだ。バラク・オバマは何百万も持っているのだから。

このようなセールは別に新しいことではない。宗教団体は「救い」という似たような商品を何千年も売り込んできた。だからオバマの選挙運動が作家のジェームス・ウォルコットが観察したような「熱狂的な救い」や「これといった政策とはかけ離れた理想的な熱意もしくは純粋な陶酔によって導かれている二輪戦車」のような宗教復活のように感じるのだろう。

オバマのたまわく、「我々は未来の希望である」我々には「世界をあるべき姿に作り直すことが」できる。我を信じよ、さすればそなたたちのみならずそなたの国も救われるであろう。あいや、我々は「この国を癒し世界を修理する賛美歌となり、我等が時代を他のすべて時代と違うものとするのだ。」

そして投票者たちは本当にこのオバマのナンセンスを信じ込んでいるようだ。なにしろ予備選で8州連続の勝利を遂げたオバマは次のふたつ、ハワイとウイスコンシンでも楽勝しそうだ。ヒラリーが3月4日のオハイオとテキサスで圧勝しない限り、オバマの希望が花を見そうである。

オバマは全く中身のない演説でずっと支持者たちを魅了しつづけているが、民主党候補には極端に甘い主流メディアですらも、オバマの人気に疑いの目を向けはじめている。

ABCテレビネットワークのジェイク・タッパーは、「オバマの信者たちは...へルタースケルターのようなカルト的な性質がある」と言い、ロサンゼルスタイムスのジョール・スタインはオバマの支持者を「オバマカルト」と呼んでいる。

スーパーチューズデー後の小浜の勝利演説なんかを聞いていると本当にカルト的だ。「我々こそが我々が待っていたものたちである(歓声、拍手喝采)我々こそが我々が探していた変化なのだ!」なんてのはまるで意味はないが、観客の熱狂を煽るのには効果があった。

ニューヨークタイムスのジョー・クレインなどは救世主並の扱いは「なんかちょっと気持ち悪いものがある」とさえ書いている。オバマの選挙運動はどれだけ自分達の選挙運動がすばらしいものであるかといった雰囲気で酔っている。ニューヨークタイムスのポール・クラグマンは「パーソナリティーによるカルトだ」とまで言っている。

しかしオバマの魅力に完全に陶酔しているニュースキャスターもいる。MSNBCのクリス・マシューなどはオバマの演説を聞いて「脚に何かつたってくるようなスリルを感じた」などとコメントしている。はっきり言って中年男性が男性候補者の演説を聞いて股間にスリルを感じるなど気持ち悪いったらない。

オバマには全く実績といったものがない。上院議員をたったの一期つとめただけの新人なのだ。そんな驚くべき新人が何の政策も述べずに漠然とした「変化」だの「希望」だのを唱えるだけで、支持者の心を魅了してしまっているのだから、これがカルトといわずして何だろうか?

オバマは何の経験もないのに、イランのアクマディネジャドと交渉するとか、イラクから即刻撤退するとか、そのような行動がアメリカや世界に及ぼす影響など全く考えもなく約束してまわっている。民主党はオバマの呪文が一般選挙の前に解けてホワイトハウスを共和党にとられてしまうのではないかと心配しているが、常に悲観的なクラウトハンマーは呪文が解けるのは来年の1月、国民はひどい頭痛で悪夢から覚めるだろうと語っている。

カカシはもっと楽観的だ。ジョン・マケインは政治家としての経験も選挙運動の経験もからっぽスーツのバラク・オバマよりも積んでいる。すでに共和党候補指名確実となっているマケインは今後ハッカビーなど無視して、オバマの中身のなさをどんどん攻めるだろう。オバマとヒラリーのどちらが指名されるか分からない民主党の今の状態では、メディアもどちらの味方をすれば良いか分からない状態にある。この状況を最大限に利用してマケインがバラク・オバマのカルト性を十分に暴露してくれることを期待しよう。

February 17, 2008, 現時間 3:08 AM | コメント (1) | トラックバック (0)

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日付け → →February 16, 2008

政府は中国産製品を公表せよ!

コメンターのともちゃんが中国制の血液抗凝結薬の不良品で死亡者まで出ているという記事を紹介してくれた。これがロサンゼルスタイムスの記事だが、翻訳はこちらのサイトからお借りした。

アメリカ食品医薬品局(FDA)は中国から輸入された血液の抗凝結薬が、激しいアレルギー反応を示し幾つかの死亡例と何百もの症例報告と直結している可能性があるとし調査を開始した。

バクスターヘルスケア社のヘパリンは、いくつかの有効成分を中国で生産している。ただしFDAやメーカ側もそれが原因として発生したと判断するにはまだ早計だと話している。

FDA によるとヘパリンを投与された何人かの患者は生命に危険が及ぶほどのショック症状を示し、呼吸困難や吐き気、嘔吐、多汗、急激な血圧の低下などといった症状が見られたとのこと。FDA職員は薬との直接な関係は不明としながらも、ヘパリン投与後に四人が死亡したと話した。

中国国家食品医薬品局へ問い合わせても回答は得られなかった。近年中国は輸出で食品材料と同様、調剤成分の分野も活発化し主要な輸出業者となった。中国の貿易統計を引用したドラッグビジネスニュースによれば、ヘパリンとその成分に関する中国の輸出は2007年の前半だけで、前年同期間より13.7%増加し計5780万ドルに達したと報じている。

公表では広州だけでも49の会社がヘパリンとその成分を輸出しているとのこと。バクスター社は月曜日にヘパリンの複数回投与用瓶の製造を停止したと発表した。ヘパリンは注射薬で、ブタの腸から作られる。心臓のバイパス手術やその他の外科手術において危険な血液の凝固を防ぐために用いられる。バクスター社によると、全米で使われるヘパリンの半分は同社が製造しているとの事。

バクスター社のスポークスウーマン、エリン・ガーディナーによると製造元は30年以上ヘパリンを製造しており、バクスターに対しても20年以上供給を続けてきたと話している。また中国でのプラントはこの数年稼動を続けてきていたとの事。

バクスター社は去年米国内の製造元施設と、中国のプラントを検査し双方で良好な成績を出したと言っている。政府職員の話によれば、FDAは中国国内のプラントについては検査をしていないと話した。

もう世界のどの国も中国製品の輸入は全面的に禁止すべきだ。安かろう悪かろうもここまで来たら度が過ぎる。大昔、なにもかもがメイドインジャパンで日本製の質の悪い品物が諸外国に出回った時代があった。しかしこれらの製品の質の悪さは単に一度洗ったら色あせする洋服とか、長もちしない傘とか、すぐにオーバーヒートしてしまう乗用車とか、いってみれば買った方もそれほど期待していない製品ばかりだった。しかし消費者の身体に危害を及ぼすようなものはなかった。どんな発展途上国も経済成長の過程ではこの程度の学習はしていくものだ。台湾にしろ韓国にしろインドにしろ、皆同じ過程を踏んできたのだ。

しかし中国は違う。中国だけはその経済成長のために近道をしようとして、他人の命を全く顧みない非人道的な手段を使っている。このような行為は輸出国家として経済成長をめざす国にとって、非常に致命的な行為である。消費者を殺したり怪我させたりして商売が続けられるわけがないことに、いい加減中国は気が付くべきだが、自国の市民の命さえ大して重んじない中国にそんな常識は通用しないだろう。

中国政府が責任をとって制度を改めようなどという気が毛頭ないのはすでに明らかだ。毒性の偽グリセリンで何百人というパナマ人を10年も前に殺しておいて、全く反省せず再び製造した例をみただけでもその姿勢は明白だ。中国の毒製品の市場流出を防ぐのは中国ではなく諸外国の消費者の肩にかかっている。

日本にしろアメリカにしろ、中国製商品を買うか買わないかを政府の政策に頼っている余裕はない。消費者ひとりひとりが判断せねばならない時がきている。しかしそのためには我々が購入する製品が(特に食品や薬品)もともと何処で製造されたものなのか知る必要がある。

諸外国に中国製品が入るまでの過程ではいくつもの仲買人が入るため、いつの間にか製造元の表示が故意にか偶発的にか消えてしまうということがよくある。この間の偽グリセリンの件にしても、製造元が中国だと突き止めるまでに時間がかかった。

毒餃子事件でも明らかになったように、日本の冷凍食品の多くが中国産だという。そしてこれは学校給食やファミリーレストランなどでも多く使われているという話だ。となれば、いくら我々消費者が家庭での料理で気をつけていても、学校や社員食堂やファミリーレストランで知らないうちに中国製品を口にしているかもしれない。

今回の薬品の例にしたところで、病気をして病院で治療を受けている時、投薬された薬の一部の成分が中国産だったなど、使用した病院側でも知らなかったことだろう。

となれば、我々消費者は議会に働きかけ、国内で売られている製品のもともとの製造元を製品の包装にはっきり表記しなければならないという法律を早急に通すよう要求する必要がある。製品への表示には時間がかかるとしても、政府がすでに持っているはずの、リコールされた中国製品のデータベースの公表ならすぐにできるはずだし、冷凍食品や他の製品の製造元が中国である会社のデータベースも早急に公開すべきだ。

医療品にいたっては原因がはっきりするまで当面は中国製品全面的に使用禁止にする。中国がきちんとした調査をするとは思えないので、輸入国の専門家が直接中国へいって立ち入り検査などしても、その後も常に安全基準を保てるという保証は全くないのであるから、輸入する時点でもっと厳しい審査を行い、少しでも怪しい時は輸入しない方針をしっかりとっておくべきだ。

これ以上中国製品で死亡者や病人を出さないように、我々消費者が政府に働きかけて、この危険な輸入制度を改正させよう!

February 16, 2008, 現時間 8:16 PM | コメント (1) | トラックバック (1)

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「イギリスはシャリア法を適用すべき」イギリス国教カンタベリー大主教の発言が呼ぶ波紋、その1

昨日イギリス国国教会の最高指導者、『カンタベリー大主教が7日、英BBCラジオの番組で、英国内で「シャリア法(イスラム法)」を部分的に適用することは「避けられないと思う」と述べ』た話についてちょっと紹介したが、きょうはお約束どおり、ミスター苺の詳しい分析を参考にしてこちらでも考えてみよう。

人は神を信じなくなると....

人は神を信じなくなると何も信じなくなるのではなく、なんでも信じるようになる。

--とはG.K. Chestertonが 言ったとか言わないとかという話だが言ったとすれば名言だ。

イギリス国教教会の最高指導者であるローワン・ウィリアムス大主教は、険悪化するイギリス在住のイスラム教徒との関係を緩和するためにイスラム回教の法律であるシャリアをイギリス国内で適用すべきであると語ったが、これはおよそ神を信じる者の言うことではない。もしウィリアムスが旧約聖書に描かれている自由(個人が自由に人生を選ぶ権利)を愛する神を信じているならば、それとは全く正反対の概念を唱える宗教をイギリスが取り入れるべきだなどと言えるはずがないからだ。

となると自然に、ローワン・ウィリアムス大主教は本当に神様を信じているのだろうか?という疑問が生まれる。

普遍の正義を拒絶する大主教

ウィリアムス主教の考え方は、マルクス主義ともいえるほど全体主義だ。彼にいわせると世の中には多々の団体が存在するが、その関係は常に競い合う団体同士の力関係にあるというもので、政治上での葛藤は人数が多数を占める「有力な団体」と少数派の「無力な団体」に別れるというものだ。

シャリアをイギリスの法律に取り入れるべきと議論するためには、イスラム教徒が他の改革者と同じように民主的な改革を求めている団体であるかのように扱う必要がある。しかし無論イスラム教団体は民主的な改革など求めていない。彼等は意見があわない人間にファトワを発令し、信者に呼びかけて地下鉄を爆破したりしているのだ。このような理不尽な行為をウィリアム大主教はどう弁護しようというのか?

これはアメリカの黒人活動家のアル・シャープトンやジェシー・ジャクソンなどがよく使う手なのだが、有力な団体(多数派)のみが人種(宗教的)差別を行うことが出来る、という理屈を適用すれば、少数派によるどんな理不尽な行為も正当化することができる。無力な団体である少数派が多数派を差別するのはあたりまえ。これは力のある多数派が少数派を差別するのとは全く別な行為だとするのである。だから少数派が多少荒っぽい行為をしたとしても、(例えば自爆テロとか、、)他に手段がないのだから許されるという理屈になる。

こういう理屈はイスラエルとパレスチナとの紛争でもよく用いられることで、イスラエルが標的を絞った空爆で数人のテロリストを殺すと世間からやいのやいの言われるが、パレスチナのテロリストが自爆テロをやって無関係なユダヤ人を何十人何百人と殺しても、強力な軍隊を持つイスラエルとまともに戦っても勝ち目がないし、歴史的にしいたげられてきた無力な団体だから、パレスチナ人にはテロ以外に方法がないといって弁護される、というように起用される。

であるからウィリアムスはイスラム教徒の多少の横暴は見て見ぬ振りをしてやるべきだというのだ。たとえそれが異教徒を迫害する過激な行為のように見えたとしてもだ。裏を返せばここにカカシにはウィリアム大主教の「所詮イスラム教徒などキリスト教徒と同じ基準で判断するような存在ではない』という差別意識が伺われるのだが、ま、それはそれだ。

下記は大主教のお説教の一部である。難解な文章で直訳は無理なのでまとめるとこういうことになる。

I have argued recently in a discussion of the moral background to legislation about incitement to religious hatred that any crime involving religious offence has to be thought about in terms of its tendency to create or reinforce a position in which a religious person or group could be gravely disadvantaged in regard to access to speaking in public in their own right: offence needs to be connected to issues of power and status, so that a powerful individual or group making derogatory or defamatory statements about a disadvantaged minority might be thought to be increasing that disadvantage. The point I am making here is similar. If the law of the land takes no account of what might be for certain agents a proper rationale for behaviour -- for protest against certain unforeseen professional requirements, for instance, which would compromise religious discipline or belief -- it fails in a significant way to communicate with someone involved in the legal process (or indeed to receive their communication), and so, on at least one kind of legal theory (expounded recently, for example, by R.A. Duff), fails in one of its purposes.

ーーーー宗教上の憎しみが生み出す犯罪については、犯罪を犯した人間が所属する団体がどのくらい無力な立場におかれており、公共で発言する機会がどれほどあるのかを考える必要がある。犯罪は犯罪者の力と立場を考慮に入れて判断されなければならない。法律はその個人の行動がその個人が所属する団体において正しい行為かどうかを見極めてから判断するべきである。それをしないと、その土地の法律が犯罪者個人の所属する団体の宗教や教えに反するものであった場合に、その個人との正しい意思疎通は不可能となる。ーーーー

ユダヤ・キリスト教の基盤となる「普遍の正義」とは画期的な概念だ。それはたとえ犯罪をおかした者が王様であろうと乞食であろうと犯罪は犯罪であり、それは神の法律によって同じように裁かれるという思想である。ウィリアム大主教は「人々は誰も同じように神の法によって裁かれる」という西洋文化の基本となった宗教を投げ捨てて、イスラム教徒だけを特別扱いすべきだと主張しているのである。同じ犯罪をおかしてもイスラム教徒だけは別の法律で特別に裁かれるべきだというのだ。なにしろウィリアムスは英国に在住する他の少数派であるアイルランド人のカトリック法とか、フランス人移民のナポレオン法を適用せよとは呼びかけていないのだから。

西洋文化の土台となる「普遍の正義」というひとつの柱を破壊したウィリアムス大主教は、西洋文化を強く支えてきたもうひとつの柱、「個人主義」もなぎ倒そうとする。

その話は次回に続く。

February 16, 2008, 現時間 11:43 AM | コメント (3) | トラックバック (2)

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日付け → →February 15, 2008

ヒラリー対オバマ、代議員数をめぐって壮絶な戦い

この間もちょっとお話したように、アメリカの大統領選挙は国民の直接投票で決まるのではなく、国民が選んだ候補者の代議員によって最終的な投票がされる。これは予備選挙やコーカスでも全く同じで、投票者によって決められるのは、どの地区の代議員がどの候補者に投票するかということなのである。だから実際にヒラリーに投票した市民のほうが多くても、オバマの方が多くの地域を勝ち取った場合、現在起きているように、オバマのほうが代議員の数が多くなるという不思議な現象がおきるわけだ。

となると、ヒラリーは民主党候補の正式な指名が決まる党大会までに、何とか多くに代議員を獲得する必要がある。しかしヒラリーの選挙運動は急降下を続けており、このままでは大幅にオバマを引き離すなど無理である。しかしヒラリーがここであきらめるはずがない。どんな汚い手を使ってでも党大会までに代議員の数を増やそうとするに違いない。

ではいったいヒラリーはどうするのだろうか。これまでにヒラリーのやり方から考えて、訴訟という手を使う可能性が非常に高い。ウォールストリートジャーナルで、セオドア・B・オルソンが面白いことを書いている。

事実、すでにクリントン上院議員は民主党の規則に反して一月に予備選挙を行い代議員を失格にされたミシガン州とフロリダ州の代議員に党大会への出場権を与えるように要求しているという。候補者たちはこれらの州で選挙運動はしないと同意していた。にも拘らずクリントン議員だけはミシガンの予備選挙投票書から名前を取り下げず予備選挙の勝利の日にフロリダ州訪問という演出をはかった。そしてどちらの州でも挑戦者なく大勝利を遂げたのである。彼女の選挙事務所は党の規則に反して彼女が勝ったこれらの州での代議員の出席を認めよというのである。彼女自身がこれらの州で選挙運動をしないという前約束をやぶっておきながらである。もちろん「すべての票を数えろ」というわけだ。

ゲームの途中でルールを変えて卑怯な真似をするのは民主党の専売特許だが、それが一番得意なのは何と言ってもクリントン夫婦。こうなったらヒラリーの次の手段はフロリダで民主党委員会相手に訴訟を起こし、フロリダの代議員が失格になったのは憲法違反だとか人権迫害だとかなんとかいちゃもんをつけることになるだろう。フロリダといえば、2000年にあの悪名高い大統領選挙の訴訟が起きた州である。この訴訟でヒラリーのいい分が多少なりとも聞き入れられれば、ヒラリーとオバマの代議員数のバランスが崩れる可能性は高い。

そうなった場合想像できるのは、何百という民主党の弁護士が集まってきて票をもう一度数え直せと主張するだろう。フロリダの予備選をやり直せなどという声もあがるだろう。2000年の大統領選の結果ではフロリダ最高裁判所を大批判した同じ人々が、今度は裁判所の判決を重んじるべきだと大騒ぎをし、反対側は突然連邦政府の大事さを唱えはじめるに違いない。そしてこの訴訟は連邦最高裁判所にまで持ち込まれるかもしれないのだ。

そんな風にして、もしもヒラリー・クリントンが勝ったとしたら、オバマの支持者たちが黙っているはずがない。マケイン候補の元に共和党がまとまらないなどという生易しいものとは比べようがないほど民主党はまっぷたつに割れてしまうだろう。

民主党のことを考えたら、ヒラリーはそんなことをせず、正々堂々と戦ってオバマに負けたら負けたで潔くあきらめるべきだ。しかしヒラリー・クリントンは自分のことより他人のことを考えるなんてことは今までしたことがない人だ。これから先もするはずはない。

February 15, 2008, 現時間 12:48 AM | コメント (0) | トラックバック (0)

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日付け → →February 13, 2008

イギリス、カンタベリー大主教のイスラム教一部適用提案に懸念の声

ちょうどミスター苺がこの話をしていたので、ここでも取り上げようと思っていたら、イギリス在住の小林恭子さんのブログでも詳しい説明が載っているので、こちらでも紹介しておこう。

ことの起こりは、この間イギリス国教の大教祖ともいうべきカンタベリー大主教がイギリスでも一部イスラム回教法であるシャリアを取り入れるべきだと語ったことだ。カンタベリー大主教ともあろう人がイギリスの平和を乱しているイスラム教にここまで寛容というのは、寛容を通り越して愚かとしか言い様がない。まずは産經新聞の記事より。

英国国教会大主教「イスラム法部分適用」 「1国2制度になる」論争に 2月9日16時10分配信 産経新聞

英国国教会の最高指導者、カンタベリー大主教が7日、英BBCラジオの番組で、英国内で「シャリア法(イスラム法)」を部分的に適用することは「避けられないと思う」と述べ、大論争を巻き起こしている。

 大主教は、英国内の移民が持つ抑圧感を和らげるためには、すべての移民社会が公的手続きに参加できるようにすることが重要との認識を示し、「シャリア法の一部を適用することを考える余地がある」として離婚手続きを一つの例に挙げた。

 英国には約160万人のイスラム系移民が地域社会を形成しており、離婚や結婚では英国の司法体系とは異なるイスラム独特の手続きを取っている。英国と母国で一人ずつ妻を迎える例もある。

 シャリア法には、公開処刑やムチ打ちの刑、女性差別など人権問題に発展する内容も含まれているため、大主教は、過剰な刑罰や女性差別は認められないと強調した。

 しかし、1国2制度を認めると法の支配を根幹から揺るがしかねない。英首相官邸の報道官は「英国の法律に違反する行為をシャリア法で正当化することは認められない。シャリア法を民事裁判に適用すべきではない」と即座に大主教の考えを退けた。大主教周辺からも「発言は英国を驚かせた」などと批判的な意見が相次いだ。(ロンドン 木村正人記者)

これに関して小林さんは反対意見を述べておられるが、その一番大きな点は法の前ですべての人が平等ではなくなるということだろう。

私はいろいろな理由から、シャリア法を入れる、その考え方を反映させることに反対である。一つには、「法の前で英国民が平等」という原則が崩れる。何世紀もかけて、宗教と法を切り離してきた、世俗主義の流れに逆行する。何故イスラム教だけを特別とするのか?

例えばイギリスでは重婚は違反だがシャリアでは合法だ。人工中絶はイギリスでは合法だが社リアでは違法だ。となると同じイギリスにすんでいるイギリス人でも、イスラム教徒とそうでないひとたちは全く別の法律の元に生きるということになってしまう。これではイギリスに移住してきたイスラム教徒がイギリス社会に溶け込むなど無理である。

英国に居住する、ある女性は、「イスラム教徒の女性」という存在なのか、それとも「英国民の女性」という存在なのか?自分は「英国市民」という意識であっても、「イスラム教徒だから」と、別の決まり・法体系で扱われたら、どう感じるだろう?

 私はこれまで、欧州の中のイスラム社会・文化とホスト社会の文化との融合に関して考えをめぐらせてきた。ホスト社会がもっと変わるべきとも主張してきた。しかし、どこかで互いに結びつくための共通の価値観を共有することは非常に重要だし、これは譲れないものと思う。価値観の「同化」ではなく、互いに了解の上の、「共有」が肝心だ。

 現在の英国において、シャリア法の一部反映は社会をばらばらにするだけのように思える。

問題なのはウィリアムス大主教は個人を個人として考えず、その個人が所属している団体を単位にものを考えていることだ。ミスター苺にいわせると、大主教はもう神を信じていないに違いないという。彼が代表する宗教では神が決めた普遍の正義というものが存在する。だがイスラム教徒であれば娘が親が決めた相手以外の男性とつきあっているかもしれないという疑惑だけで娘を殺すことはシャリアで許されているが、無実の者を殺すことはアングリカン教では禁じている。これは殺人者がイスラム教徒であろうとキリスト教徒であろうと殺人の罪は罪なのであり、同じように罰を受けるべきという原則があるのだ。もし大主教がイスラム教徒は特別にこの規則から免除されるというのなら、ウィリアムス大主教は自分の神の決めた「普遍の正義」を信じていないということになる。つまり、ウィリアム大主教は神を信じていないのだ。

『人は神を信じなくなると何も信じなくなるのではなく何でも信じるようになる』

長くなるのでミスター苺の分析は明日から何編かに分けて掲載する。今日は一応簡単な紹介まで。

February 13, 2008, 現時間 9:40 PM | コメント (1) | トラックバック (2)

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日付け → →February 11, 2008

米大統領選: 分裂する民主党を利用できないバカな共和党

ブローカーコンベンションを描いたゴア・ビダル原作の"The Best Man"(放題「最後の勝利者」1964)という映画があるが、民主党はこのままだと8月の党大会までに大統領候補指名が決まらず、党大会において代議員による投票で候補者を選ぶという本来の党大会の役割を久しぶりに見せてくれるかもしれない。

共和党の例でも分かるように、普通全国党大会での大統領指名発表は形だけのもので、すでに党大会に挑むまでの間に候補者は決まっているのがしきたりだ。しかし、土曜日に行われた三州での予備選の結果でもわかるように、民主党はヒラリーとオバマが接戦でどちらが候補になるのかさっぱり分からない状態にある。もし今年の8月にコロラド州はデンバーで行われる全国民主党大会までにヒラリーかオバマのどちらかに最低限の代議員の数が集まらない場合には、党大会において代議員が何度も投票してどちらかが過半数を超えるまで投票を繰り返さなければならない。ということは民主党は8月までヒラリー対オバマの壮絶な戦いが繰り広げられるわけだが、その間に肝心のマケイン候補への攻撃ができないことになる。

共和党の場合は、マケインが事実上の候補者であるから、8月までヒラリーとオバマが双方を攻撃しあうのを利用して双方があげ連ねる二人の欠点を繰り返して共和党の大統領候補として選挙運動をすることができる。これは共和党にとっては願ったりかなったりの状況である。

ただマケインにとっての目の上のたんこぶは福音書右翼のハッカビーである。勝てる可能性など全くないくせに自分の政治生命だけを考えてしつこく居座っているハッカビーをなんとか共和党大会までに撤退させないと、党大会までマケインは正式な候補としての活動ができなくなるからだ。マケインは、ここはロムニーと交渉してロムニーが獲得した代議員はすべてマケインに投票してもらうようにすることだろう。そうすればハッカビーは絶対に勝ち目がないので、今後の予備選でハッカビーに投票する愚か者を減らすことができるかもしれない。

苛立つのはマケイン大嫌いな極右翼がハッカビーのファンでもないのに、マケインに恥をかかせようと必死にハッカビー応援に回っていることである。ヒラリーが大統領になるかもしれないという時に保守派がそういうせこいことをやってる場合か、とカカシは問いたい!民主党がヒラリーとオバマに割れているのを利用して共和党は結託して民主党と戦うべき時に、くだらないプライドに負けて勝ち目のないハッカビーなど応援して何になるというのだ!これだから共和党は馬鹿党といわれるのだ!

February 11, 2008, 現時間 8:30 PM | コメント (2) | トラックバック (0)

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日付け → →February 10, 2008

カカシさん、日本語が変よ

きょうは日曜日で特にお話することが思い浮かばないので、ちょっととりとめのない話をしよう。

私のブログの読者の方々からよく聞くのは「カカシさんの日本語は変だ」というご意見である。どういうふうに変なのかという具体的なことを指摘して下さる方が少ないので、どうすればいいのかちょっと困惑する。(コメンターのエマニュエルさんのように政府機関の名称や軍階級の訳が間違っているとか具体的なご指摘は非常に助かる、、でもマニーさん、お手柔らかに!)これは言い訳でもなんでもないが、はっきり言って言葉使いがおかしいのはカカシのみならず、最近はアメリカでも日本でも不思議な言葉使いをする人が増えていると思う。

最近の若いもんは手紙一つ書けん!

実は先日もらった30歳くらいの日本人男性からの手紙の終わりに、「前略、敬具とか難しい言葉つかえなくてすみません。」と書かれていたのをみて驚いてしまった。これは、私が面倒くさい挨拶を飛ばして「前略」ではじめて「敬具」で終わらせた手紙への返事だった。(注:コメンターの方から「前略」ではじめて「敬具」で終わるのはおかしいとご指摘を受けた後、自分の書いた手紙を読み直してみたら「かしこ」で締めくくってあった。相手の返事に「敬具」とあったのでてっきり自分で書いたものと勘違いしていた。)

「前略」という書き出しは、堅苦しい挨拶抜きで書く時の決まり文句だが、それを「難かしい言葉」と言われたのには驚いた。最近の若者は(30歳といえば十分に大人の社会人だが)いったいどういう教育を受けているのだろうと首を傾げてしまったのである。

しかしこういう傾向があるのは何も日本だけではない。この間も私は職場でメールの冒頭に"Dear Sirs,"と書いていたら、私より若い上司に「"Sir"というのは将校クラスの人につける敬称だから下士官に使ってはいけない」と注意された。私の手紙の相手が曹長の位だったので、彼は私が間違えたのだと思ったらしい。しかし間違っているのは上司のほうなのだ。普通アメリカで公式な手紙を書く場合、相手のことをよく知らない時は"sir"を使う規則になっているのだ。軍隊の位とは何の関係もない。私の若い上司はそういう常識を知らないのである。

そういえば最近もらうメールで、"Dear Kakashi,"ではじまって"Sincerely yours,"で終わるものをみたことがない。これは日本語でいえば「拝啓」と「拝具」の部類だが、メールだからなのか普通の手紙だったらそうではないのかよくわからないが、若い頃に秘書としての教育を受けたカカシとしてはこういうふうに何でも非公式になっていく傾向は全く好ましく思えない。

手紙を書くのが苦手な人には不思議な概念かもしれないが、昔ながらの手紙の書き方というのは手紙をかけないひとのためにあるのである。何故ならば、冒頭の季節の挨拶だの手紙の終わりに書く決まり文句などを覚えていれば、内容が希薄でも一応手紙として成り立つからだ。それを知らないと何もかも最初から考えなければならず、手紙を書くことが結構難かしい課題となってしまうのである。

法律家だった父が昔、新しく雇った若いアシスタントについて「最近の若いもんは手紙ひとつまともに書けん」と嘆いていたが、その時の「若いもん」とはカカシの年代のことを指していた。私が書いた手紙についても「カカシの手紙は字が汚い上に誤字脱字が多くて読めたもんじゃない」と言われたものだ。まさかこの年になって私も父と同じように「最近の若いもんは、、」というとは思っていなかった。(笑)

左翼に乗っ取られた教育制度

ミスター苺は職業が物書きなので文章はきちんと書く人だが、彼がいうに最近の若いもんが手紙ひとつ満足にかけないとしたら、それはひとえに左翼に乗っ取られた教育制度のせいだという。

私が高校生の頃はまだまだ詰め込み教育の真っ最中で、ゆとり教育なんて言葉は聞いたこともなかった。

今は冒頭しか覚えていないが「月日は百代の過客にして、行き交かふ年も又旅人なり。」とか「つれづれなるまゝに、日暮らし、硯に向ひて、心に移り行くよしなしごとを、そこはかとなく書きつくれば、怪しうこそ物狂ほしけれ。」なんてのは無理矢理暗記させられた覚えがある。勉強大嫌いで日本での大学受験は完全に失敗したカカシでも一応このくらいは覚えているくらいだから当時の詰め込み方針もまんざら悪くなかったのかもしれない。

数学専攻だったミスター苺は昔、大学生に数学を教えていたことがあるが、その時理数系の学生ですら「証明」の意味が分かってない学生が多く驚いたといっている。「でもダーリン、幾何をやっていれば証明なんて当然でしょう?」とカカシが聞くと「ユークリッド幾何学ならね、でもそんなもの、今時教える中学校なんてないよ。」ミスター苺にいわせると、最近のアメリカの公立学校では数学をきちんと教えられる教師など存在しないという。なにせ他の学部で落ちこぼれた学生が教育学部に集まるので数学が苦手どころか数学恐怖症の人が多いのだそうだ。そんな人間に数学を教わる学生はいい迷惑である。数年前に教育学部の学生で分数の足し算ができない人に算数を教えてあげたことがあった。大学生にもなってなんでこんな算数ができないのだろうと不思議に思ったものだ。(なんでそんなやつが大学に受かったのだ?)

まさか日本の学校もこんなふうになってるんじゃないだろうなあ。

でもやっぱりカカシさんの日本語は変よ!

私が義務教育を受けたのはいまから?十年前なので、変な日本語を書く言い訳は全くないのだが、あるとしたら文章の書き方をきちんと習ったのはアメリカの大学へ行ってからだったということかもしれない。だから私は常に英語を念頭に置いて文章を書くため日本語の表現が不思議なものになってしまうのだ。

いつだったか、私は誰かに「それは真っ黒な嘘」といったことがある。「ちょっと待ってよ、それは真っ赤な嘘でしょう?」と言われて、あ、そうだっけ、と思い出した。英語では悪いことは黒と表現するからてっきり真っ黒だと思い込んでしまったのだ。もっともこういうことはよくあることで、私は日本語のことわざと英語のことわざが混合してしまうことが少なくない。ある時私は「ない袖は振れない」といいたくて、"I can't shake a sleeve I don't have."と言ってアメリカ人に「なんじゃそれ?」という顔をされたことがある。(笑)

そういういい加減な日本語を書いているカカシが「最近の若いもんは、、」なんていう資格は全くないのかもしれない。言葉なんてものは時代と共に変化するもので、いつまでも抵抗していても意味はない。特にネットでのチャットや携帯電話のテキストメッセージなどによる略語が普通の文章にもはいってくるようになれば、さらに我々の話し言葉も書き言葉も変化していくことだろう。

確かにカカシの日本語は変だが、それより分けの分からない日本語がさらに横行するようになるのは時間の問題なのだろう。

February 10, 2008, 現時間 2:38 PM | コメント (9) | トラックバック (0)

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日付け → →February 9, 2008

政府政策に頼らず中国製品をボイコットしよう!

最近中国製冷凍食品の餃子から殺虫剤が発見されたとして日本では大騒ぎになっているが、中国からの危険な製品は世界中で分かっているだけでも何百人という死者を出している。原因不明で病気になっている人たちを数えたらどのくらいの被害が出ているのか想像を絶するものがある。

アメリカ政府も日本政府も中国製品に厳しい基準を課し、輸入規制をおこなってはいるというものの、我々の口に入るものが必ずしも安全であるという保証がないことは、今回の事件で明らかだろう。

では消費者としてはいったいどうすればいいのだろうか?

私は一消費者として、政府の政策など待っている余裕はないと考える。中国は共産主義独裁政権ではあるが、中国という国が世界の自由市場を無視できるほど偉大な存在ではない。彼等は国内の国民に毒製品を無理矢理食べさせる力を持つかもしれないが、諸外国の消費者に無理矢理に危険な商品の購入を強制することなどできないのだ。

2003年にフランスがイラク戦争に反対して、あからさまにアメリカを敵にまわした時、アメリカ市民は自発的にフランス製品をボイコットしはじめた。これはブッシュ政権の政策とは無関係であり誰かが市民に呼びかけたというものでもない。ただフランスの裏切りに腹をたてた一般のアメリカ市民が個人的に行った抗議に過ぎなかった。当時フレンチフライと呼ばれていたフライドポテトが一時的に「フリーダムフライ」と呼ばれるようになったのもその影響だ。

苺畑夫婦に限っていわせてもらえば、イラク戦争に反対した国の製品は極力買わないことにした。先ずフランスワインやチーズの購入をいっさい止めた。ロシアのウォッカからフィンランドのものにかえるなどをして小さな抵抗をはじめた。この消費者によるボイコットはかなり効果があった。

国内で商売をしていたフランス系企業はすぐにこの影響を感じた。フランス名のついていたホテルでの宿泊数が激減したため、あるホテルは自分のところはフランス経営ではなくカナダ経営だと宣伝広告を出さなければならなかったほどだ。このサイトではどの企業がフランス経営かというリストが掲げられている。

しかし一番ボイコットの悪影響を感じたのは何と言ってもフランスワインだろう。ボイコットの影響を調査したスタンフォード大学ビジネス科卒業生のラリー・チェバスとフィリップ・レスリー(Larry Chavis and Phillip Leslie, Stanford Graduate School of Business)によると、2003年から始まったフランスワインのボイコットによってピーク時にはワインの売れ行きが26%も落ちたとし、ボイコット中の6か月で平均13%減が記録されたという。この間におけるフランスワイン企業のアメリカ国内での損失は合計1.12億ドル($112 million)となった。

ボイコットではないが、昔クラーク・ゲーブルが「或る夜の出来事(1934)」でワイシャツを脱いだ時、ランニングシャツを着ていないたくましくセクシーな胸があまりにも印象的で、いっぺんにランニングシャツの売れ行きが落ちたなんて話もあるぐらいで、(18年後に「欲望という名の電車(1952)」でマーロン・ブランドのランニングシャツ姿が人気を呼んで売れ行きが盛りかえしたというオチもある。)消費者の力は馬鹿にできない。

日本政府が重たい腰をあげるのを消費者は黙って見ている必要はない。我々にできることからはじめればいいのだ。確かに中国製品は色々なところに混ざり込んでいるので全てを避けるのは難かしい。しかし先ずは直接口に入る食料製品や子供が使う玩具などから避けていくことはそれほど難かしくないはずだ。アメリカのフランスワインボイコットと違って中国製品ボイコットは文字どおり命がかかっているのである。直接体に害をもたらす製品へのボイコットは単なる政治的な動機よりも深刻なはず。

中国への制裁は政治的な圧力だけでは不十分である。一番彼等が痛いところをつくのが効果的なやり方なのだ。それは何と言っても中国の経済を突くことである。独裁共産政権を罰したければ世界の自由市場の力で制裁してやればいいのだ。それが幼稚な中国を成長させる最適な方策である。

February 9, 2008, 現時間 12:58 PM | コメント (3) | トラックバック (1)

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日付け → →February 8, 2008

ロムニーの撤退。共和党はマケイン支持に一致団結せよ!

今、ワシントンDCにおいてCPACと呼ばれる保守派の会が行われている。本日ロムニーの演説が予定されていたので、もしかして撤退表明はその時にするのではないだろうかと思っていたら案の定だっった。

(CNN) 米大統領選の共和党指名争いで、マケイン上院議員に次ぐ2番手となっていたロムニー前マサチューセッツ州知事(60)が7日、選挙戦からの撤退を表明した。これにより、同党の候補指名はマケイン氏が獲得することがほぼ確実となった。

ロムニー氏はワシントンで開催された保守派の会合で、「自分のことだけを考えるなら、続けていただろう。だが私は、アメリカを愛しているからこそ名乗りを上げたのだ。われわれの党と国家のために、身を引くべきだと考える」と語った。

ロムニー氏はまた、対抗してきたマケイン氏について、「いくつかの問題では私と意見が異なるが、イラクでの成功と、国際テロ組織アルカイダ指導者オサマ・ビンラディン容疑者の捜索のために全力を尽くすこと、アルカイダとテロを撲滅することでは一致している」と述べた。

ミスター苺は、これはロムニーのした演説のなかでも一番良いものだったのではないかという。「こういう演説を常にしていれば、この演説をしないですんだかもしれないのに。」

保守派大会に集まったロムニーの支持者たちはロムニーが、票差はまだ挽回できる最後までがんばろう、という演説を期待していたため、演説の途中までロムニーが撤退宣言をするとは思っておらずびっくりしてブーイングをする人たちもいた。しかしロムニーがこの時期に潔く「党のため、ひいてはアメリカのために」身を引くと宣言したことは本当に共和党にとっても国にとってもそしてロムニー個人の政治家としての将来のためにも懸命な決断だったと思う。

先ず共和党にとっての利点といえば、早期に候補者が決まった方が党のまとまりがつくし、有権者がひとりの候補者に慣れるという点があげられる。このままロムニー対マケインの辛辣な戦いが9月頃まで続いて党大会まで指名が持ち越されたら、結果的にどちらに落ち着いても一般の有権者には共和党はまとまりがないという印象を与える。また、予選中に暴露された候補者の弱点への記憶が有権者の記憶にまだ残っていることもあり、ライバル政党の候補者に悪用される可能性は十分に考えられる。仲間同士の争いを早めに終わらせてマケインが共和党の候補者として党が一体となって何か月も選挙運動をするのは非常に好ましい状況だ。時とともに共和党の保守派もいったい何が一番たいせつなのかを考え直すことができる。

ロムニーが熱弁を振るったイラク戦争の大切さだが、何と言ってもこれが今のアメリカにとって一番大切なことだ。ブッシュ大統領ははからずも戦争時代の大統領となった。戦争は始めた以上は勝たねばならない。たとえそれが誰の政権で始まった戦争であるにしろ、アメリカがはじめた戦争は後継のアメリカ大統領が責任を持たねばならないのである。民主党が政権を握れば、それがオバマにしろヒラリーにしろ、この戦争は敗戦となる。どんな口実を使ってアメリカ軍を撤退させようと任務が終わっていないうちの撤退は退散としか受け取られない。今のアメリカはテロリストに負け犬と見られる余裕はないのだ。そんなことをすれば必ず数年のうちにアメリカ国内で大規模なテロが起きるだろう。民主党がブッシュ大統領による対テロ国内政策をことごとく反対してきたことからも、アメリカの軍隊だけでなく諜報機関にも手かせ足かせがはめられ、国土安全保障など投げキッスをしてさよならである。

ロムニー個人についていうならば、党の将来やアメリカの安全を自分の政治生命よりも優先させたという奥ゆかしい人格が買われ、次回の大統領選挙ではロムニーのモルモン教など問題にならず候補者として好意的に受け取られるだろう。今回のことで十分に名前は売ったし、マケインと違ってロムニーはまだ若い。民主党が勝ったら4年後に、マケインが勝ったら8年後にまた候補に出馬することが出来る。

ロムニーの感動的な演説の後にマケインが同じ会場で同じ観客を前に演説をした。この会場に集まっている人々はマケイン大嫌いの保守派が主である。去年の集会ではマケインは出席していない。今回の大会でマケインが演説することはずっと前から決まっていたが、保守派の参加者の間ではマケインの演説中にヤジを飛ばしてやると公言していた人たちまでいた。であるからマケインが舞台に立った時の観客の雰囲気は決して好意的なものではなかった。

先ずマケインは去年の大会に欠席したことについて、決して敵意からくるものではなく大統領候補として立候補する準備に追われて忙しかっただけだと弁明した。しかし今回は違うとし、自分が共和党候補として指名されるならば、クリントン議員やオバマ議員に勝つために保守派の支持は必要不可欠であると語った。

皆様の多くが私がここ数年とってきた立場に強く反対しておいでです。それは十分に理解できます。私には皆様と同意出来ないこともありますが、私はその元となる皆様の信念には敬意を評します。そして時として私の行動が保守派の同胞の皆様の常識から外れたとお考えの方々にも、私が多くの意味で保守派としての実績を守ってきたことを認めていただきたいと切に願うものであります。

マケインは自分が保守派であることを誇りに思うと語った。自由とは創造者(神)によって与えられた権利であり政府によって与えられるものではないという基本的な価値観や信念はより保守派の人々と同じだと語り、宗教右翼の観客に自分の価値観が決して彼等と異質なものではないことを強調した。

特に保守派が尊敬してやまない故ロナルド・レーガンの信念を引き合いにだし、自分が若い頃からどれだけレーガンを尊敬していたか、レーガンが1975年に語った『政党はすべての人々の全てであることはできない。政党は基本となる信念を代表し、それは議席が増えることや政治的な便宜で妥協されてはならない。』という信念にどれほど従ってきたかを語った。

マケインはベトナム戦争時代、海軍将校で戦闘機のパイロットだったが、彼は行かなくてもいい戦闘に志願して途中で撃ち落とされ北ベトナムで8年間も捕虜となっていた体験のある人だ。マケインが最初にCPACに参加したのは彼が海外から帰国した直後で、ロナルド・レーガンに招待されてのことだ。彼はその時のレーガンの演説に感銘を受けたという。

私はレーガン革命の一歩兵として政治界に入ったことを誇りに、非常に誇りに思っています。そして私が取ったいくつかの立場がその政治的伝統を忘れたかのように思われたとしたら、私は決して忘れていないと保証します。私は当時そうであったように今も(保守派との)関わりを誇りに思っています。

マケインは自分の政治的実績は全体的に見れば保守派の信念に沿っているとし、小さい政府、国家経済の責任、低い税金、法を貫き通す裁判官など政治的な面と共に、保守派が非常に大切と考えている社会面でも、生きる権利(人工中絶反対の意味)命、権利、自由、幸せへの遂行というアメリカの基礎的価値観を信じて守ってきたことを強調した。

ここで彼は保守派の間から非常な反感を買った移民問題をとりあげた。マケインが移民と言ったとたんに観客席からはヤジやブーイングが飛んだが、マケインは笑顔でそれに対応。違法移民に関する自分の意見が選挙運動には不利であることは知っていたが自分は信念を守りとおしたとした上で、マケインは保守派の人々の反対意見も尊敬すると語った。

マケインは移民問題を解決するために自分の議案は正しいと考えていたが、議案が失敗したことを教訓として、先ず国境を守ることが先決であることに気が付いた。大統領になった暁には国境防御を優先させ、移民受け入れは国境が十分に守られたと国民が納得してから取り組むと公約した。

マケインがここまで言うと、最初にヤジを飛ばした同じ観客たちが一斉に拍手をして声援を送った。この演説の模様を朝日新聞

その保守派が主催するこの日の会議でマケイン氏はロムニー氏に続いて姿を見せ、「私のこれまでの歩みは保守本流」と強調したが、聴衆の中には拍手をしないどころか、演説を通じてそっぽを向き続ける人が少なからずいた。

などと書いているが、これは真っ赤な嘘である。

要するにマケインはひとつふたつの意見の違いではなく、長年に渡る自分の保守派としての実績から自分を判断して欲しいと強調しているわけだが、私にいわせたら彼の長年の実績こそが保守派とはかなりかけ離れたものがあると思う。しかしながら、今はそういうことを言っている時ではない。意見の違いよりも同意できる点に焦点をあてて、マケインがどれほど民主党議員よりマシかということを考えなければならない。

マケインは民主党が政権を握れば候補者が誰であろうとアメリカは後退すると強調した。そうなれば政府が個人の生活に干渉し、国家安全もおざなりにされ、アメリカは再び危険な立場に陥ると。共和党と民主党の違いはささいなものではなく、このように大きなものなのだと。

マケインが擧げた民主党候補と自分の違いは次の通りだ。

  • クリントンもオバマも税金を上げ、連邦政府の規模を拡大する。

  • 私は(税金を)下げるつもりです。先ずはブッシュ減税を永久なものとするところからはじめます。企業税金の率を35から25%にさげ、国内の企業と職を留まらせます。私は最低税金を終わらせます。そして民主党議会の税金引き上げによって経済を行き詰まらせるようなまねはさせません。

  • 民主党は健康保険の問題を政府の役割を拡大することで解決しようとする。

  • 私はこの問題は自由市場によって解決するつもりです。そして個人が大事な選択を自分で出来るような自由を尊重します。

  • 民主党は国民から選挙を通じて支持を得られない政策の変更を、自分達に都合のいい裁判官を選ぶことによって裁判を通じて得ようとする。
  • マケインは自分は法律を守ってきた実績のある裁判官を任命するとし、ブッシュ大統領が最高裁判官として候補にあげているロバーツ裁判官やアリート裁判官を名指しして、人々の権利や資産を守るような裁判官を任命すると語った。ここでマケインがアリート裁判官の名前を出したのはマケインが保守派が尊敬するアリート裁判官を侮辱したというデマがまことしやかに流れたことへの反応だ。マケインは過去に民主党と結託してブッシュ大統領が候補にあげた保守派裁判官の議会承認を拒否している。これに対して少なからず腹を立てているのはカカシだけではない。マケインが本気で保守派裁判官を任命するつもりなのだとしたら、これにはかなりの説得が必要となる。しかし一応ここで公約したからにはそれなりの意味があるというものだろう。

  • クリントンもオバマも戦況を無視して政治的な理由でイラクからアメリカ軍を撤退させる。これは無思慮に人々の命を危険にさらし我々の国土安全を脅威にさらすことになる。

  • 『私はこの戦争に勝つつもりです。』マケインは現場の司令官たちの勇気と自己犠牲と誇りを尊敬するとし、これまでに失った尊い命に心をいためるとし、他のどの候補者よりも自分は戦争の苦しみを理解できるとした上で、イラクで負けたならばもっとひどい損失を味わうことになる、これまでの犠牲を無駄にすることになる、自分は絶対にそのようなことはさせないと約束した。

  • 民主党はイランの核武装がもたらすイスラエルや地域への脅威に真剣な対応をしない。
  • マケインはイランのイスラエルとアメリカを破壊しようという悪徳な野心を絶対に許さないと、はっきりイランに明確に示すつもりだとした。

  • クリントンもオバマもアメリカが過激派テロリストに狙われるのはアメリカに原因があるという外国の批評家の意見に屈する。

  • マケインは適切な政府機関を起用して常に攻撃的に我々が大切であると考える全てのことを憎むテロリストと戦う意志をはっきりさせた。これは「令状のない盗聴反対」などと言って、ことあるごとにアメリカのテロ対策から骨抜きにさせようとする民主党への真っ向からの挑戦だ。

    マケインは自分と保守派層との間で多くの意見の違いがあったことは事実だとしながらも、民主党との違いに比べたら同意できる点の方が多いはずだ、そのことに注目してほしいと訴えかけた。今後も意見が衝突しても同胞の保守派に常に相談し同意を求めるつもりであり、自分が間違っていると感じた場合には素直にその過ちを認めるつもりだ。自分が正しいと信じた場合にはその信念を貫きとおすつもりだ。しかしその場合にも自分が一番優先するのはアメリカとその自由を保証することであると強調した。

    この演説を生で聴いていたミスター苺はすばらしい演説だったと言っている。最後の方では保守派の観客たちが立ち上がって声援を送ったという。パワーラインでビデオを見ることできるので、最後の2〜3分だけでも見ていただければ観客の好意的な反応が伺える。

    マケインがこのような演説を今年の11月まで繰り返せば、これまでマケインは鼻をつまんでも投票できないとか、マケインが共和党候補なら政党登録を民主党にしなおしてヒラリーに入れるなどとだだをこねていた保守派の意見も緩和できるだろう。ここは共和党は一致団結して民主党打倒のために戦わねばならないのだ。

    February 8, 2008, 現時間 12:04 PM | コメント (5) | トラックバック (0)

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    日付け → →February 7, 2008

    小浜市が同名にあやかってオバマ候補を応援

    本当にどうでもいいニュースなのだが、オバマ氏のファンサイトでみつけた記事を添付。

     米大統領選の候補者指名争いの盛り上がりに伴い、民主党有力候補のオバマ氏と発音が同じ福井県小浜市で同氏への注目が高まっている。4日には観光協会員らが「オバマ候補を勝手に応援する会」を発足させた。ホテルに応援ポスターを掲示したほか似顔絵まんじゅうなどの発売も検討中という。

     オバマ氏は5日のスーパーチューズデーを経てもクリントン候補との大接戦が続いている。同会の藤原清治事務局長(55)は「ぜひ大統領になって、小浜に来てほしい」とエールを送る。

     こうした動きは一昨年末に市民から市役所に届いた1通のメールがきっかけだ。「来日したオバマ氏が『小浜市から来た』とジョークを言ったとの話をテレビで見た。(市の宣伝の)お礼をしては」との内容で、発言の真偽は確認できなかったが市は昨年、市長名の手紙と名産品の若狭塗りばしを贈ったという。

    まったくオバマ市の政策も全然しらないくせに発音が同じだというだけでここまで大騒ぎできるというのもおめでたい。

    February 7, 2008, 現時間 1:45 AM | コメント (1) | トラックバック (0)

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    日付け → →February 6, 2008

    灰の水曜日ならぬ灰色の水曜日

    ふとっちょの火曜日と言われるマーディグラ(Mardi Gras)の翌日は灰の水曜日なのだが、今日は共和党保守派にとっては灰色の水曜日となった。がっくり、、、、昨日のスーパーチューズデーの結果は共和党はジョン・マケインの大勝利だった。

    ということは共和党の保守派はいつまでごねていないで、ここはマケイン支持に心をひとつにして民主党と立ちむかわねばならない。

    私はマケインは好きではない。しかしイラク戦争はアメリカにとって非常に大切な戦争であり、この戦争を途中で放り出して世界中のテロリストたちにアメリカはやっぱり腰抜けだとあなどられたりしたらそれこそ大悲劇である。それを防ぐという理由だけでもマケインに大統領になってもらう価値は充分にある。

    苺畑夫婦はロムニー支持で我々はそのように投票したが、カリフォルニアは圧倒的にマケインに傾いた。我々夫婦は予備選が始まるずっと前からミット・ロムニーを支持していたのだが、保守派の間ではフレッド・トンプソン、マイク・ハッカビー、ミット・ロムニーそしてルディ・ジュリアーニの間で票が割れてしまい一人の保守派候補に早期の支持がまとまらなかったことが一時は終わりといわれていたマケインが盛りかえした原因である。

    ここで面白いのは、共和党の保守派の票が割れてしまったというのは分かるとしても、共和党でこれだけリベラルのマケインを支持する人がいたということは、共和党は我々が考えているほど保守的ではなという意味ではないだろうか?

    では火曜日終了後のスコアはというと、上院議員のジョン・マケインが合計707人で指名に必要な1191人の60%を獲得。元マサチューセッツ州知事のミット・ロムニーが294人、元アーカンサス州知事のマイクハッカビーが195人となった。これでマケインの候補指名は間違いないだろう。

    民主党のほうは昨日も書いた通り、ヒラリーとオバマの差はたったの26人。まだ残りの139人の配分が決まっていないからどっちに転ぶか全くわからない。ヒラリーはいまのところ必要な2025人のうち1045人を獲得。二位のオバマは960人と接戦である。

    ヒラリーとオバマの指名が党大会まで決まらないと、ヒラリーはスーパー代議員を動員することが出来る。スーパー代議員は現職の議員たちで彼等は圧倒的にヒラリー支持。こういうやりかたでヒラリーが勝つとオバマ支持の黒人票がヒラリーに激怒して一般選挙で投票をボイコットなんてことになりかねない。

    なにはあともあれ、共和党も民主党もまだまだ大変である。

    February 6, 2008, 現時間 7:09 PM | コメント (5) | トラックバック (0)

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    日付け → →February 5, 2008

    いよいよスーパーチューズデー!

    PST2330: アメリカ西海岸時間午後11時30分現在:

    括弧内は代議員の数。WTA とは勝者が州の選挙代議員を全員獲得するという意味。Democrats = 民主党、Republicans 共和党。カリフォルニアとミズーリはまだ接戦で分からないようだ。リアルクリアポリティクスのまとめでは下記ようにになっている。

    共和党
    マケイン:アリゾナ、コネチカット、デルウェアー、イリノイ、ニュージャージー、ニューヨーク、オクラホマ
    ロムニー:、マサチューセッツ、ノースダコタ、ユタ、モンタナ
    ハッカビー:アラバマ、アーカンサス、ゴージア、テネシー、ウェストバージニア

    民主党
    クリントン:アーケンサス、マサチューセッツ、ニュージャージー、ニューヨーク、オクラホマ、テネシー
    オバマ: アラバマ、コネチカット、デルウェアー、コロラド、ジョージア、アイダホ、ケンタッキー、ミネソタ、ノースダコタ、ユタ。

    代議員の詳細は下記:

    ALABAMA (Democrats: 52; Republicans: 45)

    DEMOCRATS: Barack Obama

    REPUBLICANS: Mike Huckabee

    ALASKA (Caucuses - D: 13; R: 26)

    DEMOCRATS: Barack Obama

    REPUBLICANS: Mitt Romney

    ARIZONA (D: 56; R: 53)

    DEMOCRATS: Hillary Rodham Clinton

    REPUBLICANS: John McCain

    ARKANSAS (Dems: 35; GOP: 31)

    DEMOCRATS: Hillary Rodham Clinton

    REPUBLICANS: Mike Huckabee

    CALIFORNIA (D: 370; R: 170) 

    DEMOCRATS: Hillary Rodham Clinton

    REPUBLICANS: John McCain

    COLORADO (Caucuses - D: 55; R: 43)

    DEMOCRATS: Barack Obama

    REPUBLICANS: Mitt Romney

    CONNECTICUT (Dems: 48; GOP: 27 WTA)

    DEMOCRATS: Barack Obama

    REPUBLICANS: John McCain

    DELAWARE (Dems: 15; GOP: 18 WTA)

    DEMOCRATS: Barack Obama

    REPUBLICANS: John McCain

    GEORGIA (Dems: 87; GOP: 72)

    DEMOCRATS: Barack Obama

    REPUBLICANS: Mike Huckabee

    ILLINOIS (Dems: 153; GOP: 57)

    DEMOCRATS: Barack Obama

    REPUBLICANS: John McCain

    KANSAS (Caucus - D: 32)

    DEMOCRATS: Barack Obama

    MASSACHUSETTS (Dems: 93; GOP: 40)

    DEMOCRATS: Hillary Rodham Clinton

    REPUBLICANS: Mitt Romney

    MINNESOTA (Caucuses - D: 72; R: 38)

    DEMOCRATS: Barack Obama

    REPUBLICANS: Mitt Romney

    MISSOURI (D: 72; R: 58)

    REPUBLICANS: John McCain

    MONTANA (Caucus - R: 25)

    REPUBLICANS: Mitt Romney

    NEW JERSEY (Dems: 107; GOP: 52 WTA)

    DEMOCRATS: Hillary Rodham Clinton

    REPUBLICANS: John McCain

    NEW YORK (Dems: 232; GOP: 101 WTA)

    DEMOCRATS: Hillary Rodham Clinton

    REPUBLICANS: John McCain

    NORTH DAKOTA (Caucuses - D: 13; R: 26)

    DEMOCRATS: Barack Obama

    REPUBLICANS: Mitt Romney

    OKLAHOMA (Dems: 38; GOP:38)

    DEMOCRATS: Hillary Rodham Clinton

    REPUBLICANS: John McCain

    TENNESSEE (Dems: 68; GOP:52)

    DEMOCRATS: Hillary Rodham Clinton

    REPUBLICANS: Mike Huckabee

    UTAH (Dems: 23; GOP: 36)

    DEMOCRATS: Barack Obama

    REPUBLICANS: Mitt Romney

    WEST VIRGINIA (GOP state convention: 18 WTA)

    REPUBLICANS: Mike Huckabee (18)

    PST2303: アメリカ西海岸時間午後11時03分現在:

    オバマ氏13州、クリントン氏8州で勝利、米大統領選

    下記はCNNjpの記事より。これでは民主党は歴史始まって以来かなり久しぶりに、全国党大会で候補が指名されるブローカーコンベンンションになってしまうかも。

    米大統領選で民主、共和両党の指名候補争いの天王山となるスーパーチューズデーの投票は5日実施され、CNNの独自集計によると、民主党ではヒラリー・クリントン上院議員とライバルのオバマ上院議員が接戦を演じている。2人の一騎打ちは長期戦の様相ともなってきた。

    クリントン氏は当初、全米の支持率でオバマ氏を大きく引き離していたが、オバマ氏がここに来て追い上げる勢いを見せ付けている。


    PST1908: アメリカ西海岸時間午後7時13分現在:

    下記はAPより、括弧内は代議員の数。Dems = 民主党、GOP=共和党。共和党でハッカビーが取った州では、マケインの支持者たちがロムニーに勝てないと知ってハッカビーに投票したことが原因。ま、こういうことコーカスではよくあることなので特に汚いやり方ではないが、絶対勝てないハッカビーがいつまでも居るためにロムニーとしては非常に迷惑。ハッカビーはマケインの副大統領になりたいのかも。

    ALABAMA (Dems: 52; GOP: 45)

    DEMOCRATS: Obama

    REPUBLICANS: Huckabee

    ARKANSAS (Dems: 35; GOP: 31)

    DEMOCRATS: Clinton

    REPUBLICANS: Huckabee

    CONNECTICUT (Dems: 48; GOP: 27 WTA)

    REPUBLICANS: McCain

    DELAWARE (Dems: 15; GOP: 18 WTA)

    REPUBLICANS: McCain

    DEMOCRATS: Obama

    GEORGIA (Dems: 87; GOP: 72)

    DEMOCRATS: Obama

    ILLINOIS (Dems: 153; GOP: 57)

    DEMOCRATS: Obama

    REPUBLICANS: McCain

    MASSACHUSETTS (Dems: 93; GOP: 40)

    REPUBLICANS: Romney

    DEMOCRATS: Clinton

    NEW JERSEY (Dems: 107; GOP: 52 WTA)

    REPUBLICANS: McCain

    DEMOCRATS: Clinton

    NEW YORK (Dems: 232; GOP: 101 WTA)

    DEMOCRATS: Clinton

    REPUBLICANS: McCain

    NORTH DAKOTA (D: 13; R: 26)

    DEMOCRATS: Obama

    OKLAHOMA (Dems: 38; GOP:38)

    DEMOCRATS: Clinton

    REPUBLICANS: McCain

    TENNESSEE (Dems: 68; GOP:52)

    DEMOCRATS: Clinton

    UTAH (Dems: 23; GOP: 36)

    DEMOCRATS: Obama

    REPUBLICANS: Romney

    WEST VIRGINIA (GOP state convention: 18 WTA)

    REPUBLICANS: Huckabee (18)

    PST0708: アメリカ西海岸時間午前7時8分現在:

    昨日は仕事が忙しく、帰宅したのが午後7時過ぎ。ドアをあけた途端に電話のベル。受話器の向こうは録音の選挙運動。「有権者の皆さん、〜〜候補に清き一票を!」てな感じの音声が流れたのですぐに切った。自宅で仕事をしているミスター苺は「この調子で今日は一日何十回も電話が掛かってきて仕事にならなかったよ。」と言う。

    日本の街頭スピーカーもうるさいが、アメリカの電話の選挙運動もかなりわずらわしい。テレビやラジオのコマーシャルは仕方ないとしても、電話でわざわざ呼び出しておいて録音宣伝というのは非常に腹が立つ。

    いよいよ本日はスーパーチューズデーで、苺畑夫婦の住むカリフォルニアも選挙である。選挙結果は分かり次第更新するつもり。

    February 5, 2008, 現時間 7:08 AM | コメント (0) | トラックバック (0)

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    日付け → →February 3, 2008

    三沢基地、弾道ミサイル情報処理システム「JTAGS」運用はじまる

    アンポンタンによると米陸軍は日本の三沢基地に配備した弾道ミサイル情報処理システム「JTAGS」の運用をはじめたという。海上のBMDと並行しても陸でも本格的なミサイル防衛体制にはいたようで非常に歓迎すべきことだろう。

    下記はデイリー東北の記事より。

    米陸軍が米軍三沢基地に配備した弾道ミサイル情報処理システム「JTAGS」の部隊編成式が二十二日、同基地将校クラブで開かれ、JTAGSの本格運用が始まった。また、システムの中核に当たる装備を搭載したシェルターの内部が式典招待者や報道陣に初めて公開され、隊員による機器操作の実演も披露された。

     式典には米軍三沢基地関係者のほか、日本側から基地周辺の九市町村で構成する三沢基地周辺連絡協議会の市町村長と議員や外務省幹部、航空自衛隊三沢基地司令らが招かれた。

     米陸軍宇宙およびミサイル防衛コマンド作戦担当副司令官で、JTAGS運用の総責任者のジョン・スワード陸軍准将が、JTAGS開発の目的や任務を説明。「部隊の活動開始とともに、日本とのパートナーシップを強固にしたい。この部隊は米軍がこの地域に平和をもたらす意思を示すものでもある」と述べた。

     また、スワード准将は報道陣との質疑応答で、JTAGSを日本に配備した理由を、太平洋全体を監視できるためと強調。その中で三沢基地を選んだことについては「地理的にいい位置にある。既に基地があり、生活に必要なインフラが整っている。地元住民との友好な関係があるから」と述べた。部隊は既に二十四時間体制で運用できる状態にあることも明らかにした。

    JTAGの詳しい情報はこちら(英語)で読むことが出来るが、簡単に言うと、『JTAGSは早期警戒衛星から弾道ミサイルの発射データを受信・処理・配信する情報処理システムで、処理装置を搭載した車両と3基のアンテナで構成される。』ものである。このシステムはペイトリアットPAC3とは別物で、ミサイルのための探知、進路追跡(tracking)、通知(notification)システムである。



    JTAGS

    弾道ミサイル情報処理システム「JTAGS」

    JTAGSは戦域の司令官が状況を把握するために必要不可欠な情報リンクである。任務上の利点として次のことが含まれる。

    • ミサイル迎撃のため地域防衛ミサイルシステム始動の合図をする。

    • 敵の発射機能を探知し破壊する攻撃作戦開始の合図をする

    • 同盟軍や市民の防衛のため早期警報を発令する。

    JTAGSは三つDSP(Defense Support Program)と呼ばれる人工衛星を使ったミサイル探知システムと宇宙基盤の探知機から直接情報をダウンリンクすることができる。機能として下記が含まれる。

    • 戦域弾道ミサイル(TBM)の赤外線データ。

    • 複数のセンサーからのダウンリンクによる立体(3-D)ステレオ 情報処理。

    • リアルタイム通報。

    • 臨機応変な複数ネットワーク能力

    • 戦域内の音声データ。

    JTAGSの高度の解像度画面には次のものが含まれる。


    • 予測発射地点と時間。

    • 予測衝撃地点と時間。

    • 軌道範囲。

    • 複数軌道追跡能力

    JTAGSは移動可能な車両で、装備したシェルターを牽引するしくみになっている。これは陸軍と海軍の合同システムなので、作業員は陸軍海軍双方から15人での操業で、三つの組に別れてシフトを交換し365日24時間運営となる。

    February 3, 2008, 現時間 3:01 AM | コメント (0) | トラックバック (0)

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    パレスチナの暴走にイスラエルバッシングしか興味のないヨーロッパメディア

    私が愛読しているイギリスのコラムニストのメラニ−・フィリップ女史が、いつもはかなり反イスラエルのロンドン・タイムスが、どういうわけか今回はまともなコラムを載せたとしてロビン・シェパード(Robin Shepherd)の書いたこの記事を紹介している。

    謝罪派の最たる考えはイデオロジーではなくイスラエルによる占領がテロの「根源だ」だというものだった。であるから占領が終わればテロも終わるとされていた。この主張は今や完全に打倒された。イスラエルの撤退以来、パレスチナ民兵軍はガザからイスラエル市民を標的に4000以上のロケット弾を撃ち込んでいる。このような連続攻撃を無視できる国などひとつもないだろう。では解決策はなんだ?再占領かそれともロケットが発射されている地域への絨毯空襲か?多くに国々がすでにそうした策をとったろう。だがイスラエルはそのどちらもしていない。

    ガザ居住者の状況は深刻だ。しかし最終的な責任はハマスや他の民兵軍や暴力文化を維持しているパレスチナ人が背負っている。それさえなければ防御壁も武力行使も貿易規制も経済制裁も必要なくなるのだ。しかるに全く逆さまのイギリスやヨーロッパのコメントときたら道理などそっちのけである。感情的な言葉の猛撃はひいき目にみてもユダヤ政権に対して怠慢な考えかたであり、悪くいえば憎悪に満喫している恥知らずな行為といえる。

    まったくその通りだ。同じことが別の国でおきていたらパレスチナ人などとっくの昔にガザやウエストバンクから追い出されていたに違いない。長い目でみたらイスラエルは世界からどれだけ責め立てられようとそれを実現させるべきだったのかもしれないが。

    下記は2006年の7月、イスラエル、ガザ、レバノンの戦争真っ最中の頃に書いたものだ。

    ここで私はあえてイスラエルがあの土地にイスラエル国を建国するにあたった経過が正当であったとか不当であったとかいう話を避ける。...私は最初に領土を手に入れた過程が侵略であったにしろ、買収であったにしろ、単に空き地で陣取りした結果だったにしろ、最終的に住民を統治し、外敵から国を守ることができる政府こそ主権国家といえるのだと考える。

    イスラエルは1948年の建国当日からその主権を試されてきた。そしてその後の外敵による度重なる攻撃にたいしてことごとく勝利をおさめ、イスラエル国を死守してきた。外敵から国をまもることこそが主権国家たるものの第一条件である以上、世界中においてイスラエルほど何度もその主権国家の権利を証明した国はない。...

    さてここでイスラエルの行為が行き過ぎであるとお考えの皆様にイスラエルを日本、パレスチナを北朝鮮と置き換えて考えてみていただきたい。北朝鮮が日本の学校、レストラン、遊園地などといった民間施設を標的に毎日数発のノドンを打ってきたとしよう。ミサイルが当たって被害があることもあれば、空き地に落ちて無害なこともある。それが一年以上も続いたとする。そして何週間に一度の割で北朝鮮の工作員による自動車爆弾や自爆テロ未遂が東京だの大阪だのの都市でおき、時々警備員や民間人が巻き添えになって一回に数十人の死傷者がでたとしよう。また、浜辺をあるいている女学生が拉致されるなどの事件が続出したとしよう。(あ、これはもう起きてたんだっけ?)

    それに対して日本が北朝鮮に抗議をすれば、北朝鮮は日本は過去に朝鮮民族にたいしてひどいことをしたのだから、この程度のことは当たり前だ。拉致被害者を返して欲しかったらもっと経済援助しろと開き直り、なまじ応戦などしたらもっとノドンを打ち込み、日本人を拉致するぞとおどかしたとしよう。

    この段階で日本が北朝鮮のミサイル発射装置を爆破し、軍事基地にミサイル攻撃し、軍首脳部が固まっていると思われる場所に戦車で侵攻して日本の圧倒的軍事力で北朝鮮のインフラを半壊したとして、日本のやり方は行き過ぎだなどと批判するひとはいるだろうか? 北朝鮮の攻撃による日本人の被害など日本の人口のほんの一部なのだから、北朝鮮への応戦はほどほどに自制すべきだなどと諸外国から口を出されて納得する日本人がどれほどいるだろうか? いったいどこの世界に戦闘行為を仕掛けてきた敵が軟弱であったら、こちらもそれにあわせた軟弱な応戦しかしてはいけないなどという取り決めがあるのだ? 

    北朝鮮と日本の関係はパレスチナとイスラエルとは状況が違い過ぎるから比較にならないなどという逃げ口上は受け付けない。世界ひろしといえど、どんな独立国が隣接する政権からこのような連続攻撃を受けて黙っていられるだろうか?それがイスラエルでも日本でも同じことのはずだ。メキシコのティワナからサンディエゴに毎日のようにロケット弾が飛んできたらアメリカ人が黙っているはずはない。

    ならばどうしてイスラエルだけはいいってことになるのだ?どうしてイスラエルだけはいつまでもパレスチナの無責任な行為の責任をとらなければならないのだ?

    それから対テロ武力行使がかえってテロを生むといういい加減なことをいう人にもう一度考えてもらいたいことがある。パレスチナによる自爆テロの猛攻撃が始まったのはイスラエルがレバノンから撤退した直後だった。第二インティーファーダといわれるこのテロ攻撃を誘発したのはイスラエルの弱腰政策が原因だったと今では誰も認めている。また、イスラエルはガザから撤退したがテロ行為は止んでいない。これまでにもイスラエルが和平交渉に応じる度にテロ攻撃は減るどころか増えているのだ。どうしてこのようなことがおきるのか?

    それはパレスチナ人は平和にも独立にも興味がないからである。彼等はイスラエルと平和共存するくらいならイスラエルと心中したほうがよっぽどもましだと考えている。彼等は妥協とか交渉とかいう語彙は持ち合わせない。彼等に分かるのは敵が強いか弱いかだけだ。そしてイスラエルの柔軟な態度は「弱さ」なのである。イスラエルが妥協すればするほど、もう一押しでイスラエルを倒せると錯覚するのだ。パレスチナ対策は和平交渉だと考えている西側諸国はアメリカも含めて大馬鹿ものなのである。そして度重なるパレスチナの裏切りに未だに懲りずに甘い政策をくりかえしているオルメルト政権はそれに輪をかけて馬鹿者だ。

    イスラエルはパレスチナにいつまでも甘い顔をしているからつけあがられるのだ。この際徹底的にパレスチナを攻撃すればいい。どうせ世界のメディアはイスラエルに批判的なのだからイスラエルにとって都合のいい行動をとればいいのだ。

    もっともいまの腰抜けオルメルト政権ではそれは無理だろう。

    February 3, 2008, 現時間 12:15 AM | コメント (0) | トラックバック (0)

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    日付け → →February 2, 2008

    日本の右翼が反米になる理由

    The English version of this post can be read here.

    先日からコメンターの一宿一飯さんのコメントを読んでいて、なるほど〜と思うことがあった。それは日本の右翼や保守派の間でおきている所謂(いわゆる)『欧米アレルギー』のことである。

    私はここ数年起きている日本人の反米意識が非常に不思議でしょうがなかった。リベラル派が自由資本主義のアメリカを嫌うのはしょうがないとしても、国土安全保証や防衛などという点で非常に強力な味方であるアメリカを未だに太平洋戦争で負けたのを恨んでいる一部の人は別として、普通の日本の右派が嫌うという理由が私には合点がいかなかったのである。

    それがこの間の一連の会話の間で、私が計らずも言った、日本は「アメリカの悪い点ばかりを輸入している」ということがその原因なのではないかと気が付いた。

    日本ではカカシが義務教育を受けた頃のような詰め込み風受験地獄から卒業してゆとり教育なるものが取り入れられたと聞く。以前にも話した通り、去年の9月から12月まで私は日本企業の方々と一緒に仕事をしていて、若い日本人が私より漢字が書けないことに驚かされた。そういえば世界の学力テストでは以前なら常に上位にいた日本が、最近は中国や韓国からかなり引き離されているという話を聞く。私が10代の頃は純血など教育されなくても普通だったのに、今では自由主義な性教育のおかげで10代の性交渉が普通になっているため、純血教育が必要になっているなどという話まで聞いて、いったい日本はどれだけアメリカの悪い面を輸入すれば気が済むのだと腹立たしい思いでいっぱいになる。

    今日本で問題になっている人権擁護法だの男女共同参画だの名前からして英語のDV防止法など、元はといえばアメリカや欧州の法律の輸入であり、日本が独自の文化や歴史に見合ったものとして生み出したものではないのだ。しかもこれらの法律や方針には非常に多くの問題点があり、欧州やカナダではその悲惨な結果を今見直している最中だ。

    もともと日本の鼻持ちならないエリート左翼連中に『欧米ではこんなに進んでるざ〜ます。日本もみならうべきさ〜ます』などと言われ、他国の法律をあたかも日本の文化よりも優れているかのように押し付けられているだけでも気分が悪いのに、これらがあからさまな人権迫害に結びつくとなっては、日本の愛国者のみなさんが欧米アレルギーを起こすのは当然である。

    ヨーロッパのことは分からないが、アメリカだけについて言わせてもらうならば、日本政府や教育界が輸入しているアメリカの方針はアメリカで試され大失敗に終わっているアメリカ左翼が生んだ悪質な方針ばかりだ。しかも日本のメディアは怠慢で独自の取材をしないで、アメリカのニュースといえばアメリカ左翼メディアの報道をそのまま翻訳しただけの受け売り報道ときては、日本人がアメリカを誤解するのも理解出来る。

    そしてまた慰安婦問題などでもアメリカは自分達の落ち度は棚に上げて日本ばかりを責めるという印象を与えてしまったが、それをやったのはアメリカ民主党の連中だ。ブッシュ大統領はその影響で日本との関係がぎくしゃくしないようにとずいぶん苦労させられた。

    日本の皆様は、アメリカ左翼メディアの偏向を鵜呑みにして、女性初の大統領だとか黒人初の大統領などといって民主党の候補者を支持しているが、日本にとって民主党は決して良い味方ではないのである。特にクリントン夫婦は中国と非常に密接な関係にあるし、オバマはものすごいリベラルで北朝鮮の金正日やイランのアクマディネジャードなどと本気で交渉が可能だと思っているほどのお人好しなのである。

    日本人に参政権があるわけではないからアメリカの大統領候補の誰を応援しようと特に影響があるわけではないが、日本の右翼や保守派のみなさんが、アメリカには日本の文化と同調できる保守派が存在していることを広くご存じないことが残念でたまらない。

    そういえば、カカシが日本語ブログをはじめたのも、こうした誤解を解くことにあったのだと思い出した。弱小ながら少しでも読者の皆様にアメリカを分かってもらえることを願うものである。

    February 2, 2008, 現時間 3:13 AM | コメント (8) | トラックバック (0)

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    なんで左翼は自分を左翼と認めないのか?

    これは読者の皆様もすでにお気付きのことだろうと思うが、保守派や右翼の人たちは自分達の政治思想を隠したりしない。それどころか「私は極右翼です!」などと誇り高く宣言するくらいで、こうした人たちを間違って「あなたは左翼でしょう」などといった日には何時間にも渡ってどういう理由で自分が右翼であり左翼ではないのか延々とお説教を受けること間違いなしである。

    ところが、どういう訳か左翼の人たちは自分達がリベラル/左翼/共産主義であることを認めようとしない。それどころかそれを必死に隠して自分達のことを革新派、自由主義者、進歩主義者などと訳の分からない名前で呼んだりして一般市民を煙に巻くのが得意である。

    こういう人たちに「あなたは左翼ですか」と聞くと、「私は左翼ではない!」と断言するのではなく、「左翼とか右翼というレッテルで他人を判断しようとすることに問題がある」とかなんとか言われて話をはぐらかされてしまうのがオチだ。

    もちろん本当に右でも左でもなく中庸な人は存在する。しかし普通政治的に強い意見を持っているひとは、自分がどちらの傾向に傾いているかを知っている。自分が多種の問題に直面する度に右と左のどちらの方針を支持してきたかを考えれば必然的に自分の傾向があきらかになるのである。だから本当に左翼でも右翼でもない中庸なひとならば、「私は中庸です。」といった後で具体例を出して「私は人工中絶の合法性には賛成ですけど、麻薬の合法化には反対です。」とか、「強い軍隊は支持しますが個人の銃砲所持には反対です」といったように自分の立場をはっきり説明することが出来るはずなのである。

    私の知り合いでファシストに近い右翼から立ち直って今は心を入れ替えて保守派孤立主義になった人がいるが、彼にいわせると表向きは個人主義や自由主義を唱えるファシストや共産主義の人間にはこれまでにいくらも会ってきたという。ソ連の憲法には個人の言論の自由などがいくらでも保証されていたというが、実際に国民がスターリンの悪口などいおうものなら強制労働キャンプ送りになった。北朝鮮や中国にしたところで、朝鮮民主主義人民共和国だの中華人民共和国だのと民主主義も共和制も全くないくせに名前だけは立派なものがついているのがいい例である。

    実は先日から、例の左翼(多分共産主義)のレズビアンフェミニストの小山エミちゃんが(写真をみてから親しみが生まれてしまったカカシなのよね)自分の経済面における姿勢を示すことで、自分は左翼でもなければましてや共産主義者ではないといいたげなエントリーを書いている。もっとも例によって彼女は「私は左翼でも共産主義者でもありません!」とは断言していないので、判断は読者に任せるといったかなりいい加減な態度をとっている。

    フェミニズムに限らず活動家業界というのは、...基本的に「左翼」の方が多いわけだけど、...わたしは...どうしてもその文化に馴染めない部分があった。それを一言で言うなら、「正しい動機」を元に「正しい目的」のために異論を排除したり必要なプロセスを省き、ある不公正を是正するための行動が別の不公正を生み出している可能性に無頓着な活動家たちの傲慢さだ。....

    わたしがそうした違和感を感じたのは、...たまたまわたしが、白人社会におけるアジア人というマイノリティ(少数派)であり、クィア(同性愛者)であり、活動家業界のどこにも「自分と同じ人たち」ばかりが集まる居場所を見つけられなかったことに関係していると思う.....

    わたしのことを「左翼フェミニスト」と決めつけて批判した人は、左翼やフェミニストは口先で正義を語りながら実際にはこんなに腹黒い奴らだみたいなことを言っていたのだけれど、わたしが思うに問題はその逆だ。腹黒いだけの連中なら、利害によってはどちらにでも転ぶわけだから、まだ行動を予想・コントロールしやすい。問題なのは、活動家業界では「正しい動機」「正しい目的」が現実的なコスト計算やトレードオフの分析を押し退けて、ある行為の正当性の根拠とされてしまいがちなことだ

    なにしろ経済学によれば、...社会問題を解決するために政府が何らかの政策を実施することは、基本的に経済の生産性を犠牲にすることになる。そこにどんな「正しい動機」「正しい目的」があろうと関係ない。...それを承知のうえで、それでも看過できない不公正をただすために政府が介入するのであれば、それがどういうトレードオフをもたらすのか冷静に分析・論議したうえで、民主的な決定に委ねるべきだと思う

    ....わたしは(Thomas Sowell『A Conflict of Visions: Ideological Origins of Political Struggles』を)読みながら「進歩主義のことを悪く言いやがって」と反発するのではなく、かれの言う「束縛的価値観」(保守主義)の方に強く共感した。そしてかれだけでなく、世界のさまざまな不正義や不公正の是正を心から願いつつも、左右双方の活動家業界が主張する短絡的な解決策から距離を取り、より現実的なトレードオフを政策として提示する経済学者たちに共感する。

    わたしのことを左翼だとか共産主義者だとか決めつける人がいて、...どういう部分がどのように左翼なのかきちんと説明してもらえた覚えがない。...「左翼」はともかく、「共産主義者」というのはいくらなんでも違いすぎるだろう。

    上記の彼女の文章を読んでいると、彼女は自分達の崇高な動機と目的のためにその方針が市場に及ぼす悪影響など全く無視している活動家を批判しているように見えるし、また自由市場や自由競争を尊重しているかのように感じる。しかしながら、彼女は一度もこの自分の信念が現実社会においてどのようにあてはまるのかという説明をしていない。

    エミちゃんは、自分を左翼だの共産主義だの決めつける人間がその理由をちゃんと説明していないと言い張るので、この際だから説明しよう。

    以前に私は人種差別にしろ男女差別にしろ政府が差別する(女性は何々の仕事についてはいけないとか、黒人はどこそこの公立学校に入学できないといったような)法律さえ取り除きさえすれば、あとは市場が解決してくれると書いた。これは女性や黒人の賃金が白人男性よりも安ければ人種や性別にこだわりのない雇用主が人件費節約のために優秀な黒人や女性を雇うようになるからで、他の企業が人件費が高すぎて経費がかさんで最初の企業と競争できないとなれば、こちらの企業も黒人や女性を雇うようになる。多くの企業が同じことをはじめれば黒人や女性の需要は高まり自然と給料も上がり、そのうち才能のある黒人や女性は白人男性と同等の給料をもらえるようになるというわけだ。

    ところがこの自由市場による差別緩和を阻止する悪法がある。これが先に説明したアファーマティブアクションで(AA)ある。AAは才能のあるなしに関わらず、ある企業はある一定数の少数民族や女性を雇わなければならない、それだけでなく、昇進の時でも人種や性別を考慮にいれなければならない。仕事のできない少数民族や女性でもやたらに解雇できないといった非常に厳しい規制がある。こうなってくると企業は少数民族や女性を雇う利点を見いだすことができない。かえって少数民族や女性には迷惑な政府介入なのである。

    もしエミちゃんが本当の意味で自由市場を尊重しているのであれば、このような悪法には真っ先に反対するはずだが、私のアファーマティブアクションを支持するかしないかという質問に彼女は「アファーマティブアクションにもいいところもあれば悪いところもある」とか「必ずしも女性優遇なシステムとは言えない」とか言って私の質問から逃げてしまった。

    私は最近のフェミニストたちの本当の目的は女性救済ではなく左翼主義の促進であると書いたが、これをエミちゃんは『左翼やフェミニストは口先で正義を語りながら実際にはこんなに腹黒い奴らだみたいなことを言っていたのだけれど、わたしが思うに問題はその逆だ。腹黒いだけの連中なら、利害によってはどちらにでも転ぶわけだから』と言って、利益の追求=腹黒いと解釈している。本当の資本主義者なら利益を追求するのは当たり前。それが腹黒いとはどういう意味だ?しかもこうした活動家たちの動機や目的は現実的トレードオフを考慮にしていないが「正しい」と書いていることも注目されたし。(もっとも鍵括弧をしているから自分では正しいとは信じていないというのであればまた話は別だが。)ここでいうフェミニストたちの「正しい動機や目的」こそが左翼主義の促進なのだ。左翼が左翼主義の促進を望むのは左翼にとっては「正しい」動機であり目的であるから全く矛盾はない。彼女たちが市場でおきる矛盾になど興味がないのは当然である。

    そしてそういう左翼主義のフェミニストグループのNOWのことを「自分は嫌いだ」といいながらも、カカシが左翼思想促進の役に立つ時はイスラム教の女性迫害をさんざん批判していたのにイスラム教が保守派から攻撃されるようになった途端に批判をやめてしまったことを例にあげてその偽善を指摘した時、エミちゃんはNOWがイスラム教を批判する理由はないといってこの女性団体を弁護した。つまり、NOWによる左翼主義促進という「正しい動機と目的」のために保守派の不公正を是正するためにイスラム教の悪行を無視するという不公正を生んだ女性グループのごう慢さを批判するどころか弁護までしているのである。

    しかもエミちゃんはアフガニスタン戦争後も前と同じく一貫したイスラム批判を貫き通しているフィリス・チェスラーをイスラモフォビアのラディカルフェミニストと言って批判してみたり、エクイティーフェミニズムを唱えるクリスティナ・ホフ・ソーマーズの概念をデタラメな解釈だとして「排除」している。(ソマーズ女史にたいしてはジェンダーフェミニズムを批判したというだけでリベラルな女史に「極右翼といっていいほどの保守派論者」などとレッテルを張って過小評価している。)そして別の件でも旧日本軍(右翼)による慰安婦問題の責任を追求しているのに、当時の共産主義といっていいほど左翼よりだったルーズベルト大統領が総指揮官だったアメリカ軍やその配下にあった韓国軍への責任追及には興味がない。

    『「共産主義者」というのはいくらなんでも違いすぎるだろう。』ということにしても、彼女はマルクス主義フェミニズムとはマルクス主義を徹底的に批判したものだと述べて、マルクス主義フェミニズムが共産主義を元にしたものだという事実を読者から隠そうとした。自分がマルクス主義でも共産主義でもないなら、マルクス主義フェミニズムを弁護する理由などないはずだ。

    もう一度強調するが、私は別に小山のエミちゃんに恨みもつらみもないし、彼女個人を攻撃するつもりは全くないのだ。ただ彼女は非常に典型的な左翼(多分共産主義者)レズビアンフェミニストであるため、その例をつかって左翼がどのように一般市民を騙しながら右翼と戦うかというその戦法を披露してみただけだ。エミちゃんと議論をしていた空さんが、エミちゃんはこういう議論になれていないのではないかとコメントをしていたが、私は彼女は確信犯なのだと断言できる。

    ではどうして左翼は自分を左翼と認めないのだろうか?自分の思想に誇りはないのか?他人に自分の本心を知られると何か都合の悪いことでもあるのか?実を言うと、アメリカのフェミニズムが一般にジェンダーとエクイティーの二つに別れると書いたカカシの最初の文章が、「偽装だ」といったエミちゃんの言葉のなかにこの答えはあるのだ。

    つまり、フェミニズムがジェンダーフェミニストによって乗っ取られて以来、エクイティーフェミニストと解される普通のフェミニストたちは自分達をフェミニストと呼ぶのをやめてしまった。この中にカカシが含まれていることはいうまでもない。「あんな左翼と一緒にされたくないわ」というのが大多数のフェミニストの考えだったからだ。ジェンダーフェミニストたちはそのことを十分承知しているから、自分達がジェンダーフェミニストだなどとは絶対に認めないのである。

    大きな意味で左翼にしろ共産主義者にしろ動機は同じだ。これらの思想を一般市民が認めないことを彼等は知っている。彼等が左翼だとか共産主義者だということが暴露されれば普通の人はまじめに意見を聞いてくれないことを彼等は十分承知しているのだ。だからその事実はなんとか隠さなければならない。しかし彼等が自分達のことを「自分は左翼ではありません!」と断言しないのは、そのように断言して自分達の仲間から「裏切り者」と思われると困るからである。例えばエミちゃんにしても、左翼である以上アファーマティブアクションを支持しません!とは断言できない。かといって支持します、といってしまえば自分の正体がばれてしまう。だからそういう質問は間違っているとか、そんな単純な答えのでるものでもないとか、いい面もあれば悪い面もあるとかいって保守派や右翼の直接的な質問には絶対に答えないのである。

    私がエミちゃんは議論に慣れていないどころか確信犯だといったのはこれが理由だ。

    というわけなので、自分の政治的見解をはっきり表明しない人間はリベラル/左翼/共産主義者のどれかだと考えて先ず間違いはない。彼等は自分の思想に誇りのもてないあわれな輩なのだ。

    February 2, 2008, 現時間 2:37 AM | コメント (3) | トラックバック (3)

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    マケインが候補でも政権を民主党に渡してはならない! 共和党よ癇癪をおこしている場合ではない!

    The English version of this post can be read here.

    著者:ミスター苺

    バリバリ保守派女性政治評論家のアン・コルターはマケインが共和党候補に指名されたら自分はヒラリーの選挙運動を応援するとまで語った。これについて苺畑夫婦とはお友達ブログの Patterico(パテリコ)は拍手を送っている。以下パテリコ曰く。

    僕はヒラリーの選挙運動までするとはいわないけど、裁判官のことだけじゃなく、何で気にする必要あるわけ?

    なぜって、これがその理由だ。

    負けるが勝ちではない。

    もしジョン・マケインが指名されて一般選挙で負けたら、2012年に出馬する次の共和党候補はマケインよりも保守派どころかもっとリベラルだろう。1980年の時みたいに「偉大なる保守派の希望の星」が袖口から登場して民主党から政権を奪い取るなんて全く期待できない。

    その間の8年間、オバマ大統領にしろヒラリー大統領にしろ俺たちがアメリカだと思ってることのほとんど政治的だけじゃなく文字どおり破壊されちまって、これがアメリカかよと思うような全然違う国になっちまってることだろう。もし俺たちがマケインと民主党のボンクラどもとの間に何の違いも見い出せないっていうなら、一時の感情に負けて馬鹿を見るのは俺たちのほうだ。

    すべての保守派の希望にかなうような100%保守派理想の候補なんていやしないんだ。だいたいアメリカのほとんどの人が同意する意見とか、それをいうなら共和党保守派内部ですら全員一致の意見なんて存在しないんだから。一部の保守派が希望する政策を取り入れるとなったら残りの30%を力づくで制覇するしかない。

    俺たちが住んでる国は小文字のdではじまる民主主義国家だ。これには憲法共和制が含まれる。だから自分とは違う他人の意見も国の方針に取り入れられなくちゃならないことになってる。レーガンの時代を振り返ってみても、せいぜい60%から65%の保守派政策が通った程度だった。確かに悪の帝国を倒すことや大幅な減税といった重要な65%ではあったけど。

    俺たち苺畑夫婦がとりたててジョン・マケインのファンじゃないってことは読者のみなさんもご存じの通り。カリフォルニアの予選でもおれたち夫婦はマケインに投票する気はさらさらない。しかし、、、

    • マケイン支持者は対テロ戦争において我々の政策を保つために非常に大切なひとたちである。
    • マケインは政府の浪費を大幅に削減し贈賄などの腐敗をなくす努力をすると約束している。
    • マケインはプロライフ(人工妊娠中絶反対派)だ。
    • マケインは2001年の現在では反対票を投じたが(多分共和党予選でジョージ・Wに負けたことを恨んでのことだろうけど)今は低い税金を支持している。
    • マケインは同性同士の結婚には反対だ。
    • マケインは健康保険の民間会社の市場競争を支持し国民保険には反対している。
    • マケインは下らない訴訟の乱用で出る弊害を緩和するため訴訟法の改正を支持している。
    • マケインは国内での原油発掘を支持している。
    • マケインは市民の憲法で保証されている個人の権利である市民の銃砲所持を支持している。
    • 宇宙について、マケインは人間を送り出す月探検を再開し、火星探検にも意欲をもっている。

    これら、保守派にとって重要なすべての政策において、マケインはオバマやヒラリーとは正反対の姿勢をとっているのだ。

    選挙運動予算改正法や移民法、拘束したテロリストをどう扱うかとか、地球温暖化といったような保守派とは意見が異なる政策についてでも、民主党の二人が取ってる極左翼の姿勢とはくらべものにならないほど大人しいものだ。それに比べて民主党の奴らは国境を完全に開けっ放しして、本当かどうかも証明もされてない地球温暖化に国費を浪費してアメリカ経済を破たんさせ、テロリストを拘束することにも反対で、テロを刑事犯罪のように扱い対テロ戦争などやる気は全くない。そして過去のアメリカがそうであったように国内の諜報機関同士がそれぞれ情報交換することが違法だった古き悪しき時代に逆戻りしようというのだ。

    ビルの意志を差し置いてヒラリーが選んだ国家副検察官のジェイミー・ゴアリック(Jamie Gorelick)が作ったゴアリックの壁を覚えているか?(カカシ注:アメリカの諜報部、CIA,
    FBI, 防衛庁などが諜報に関する情報交換を禁止する法律をつくった本人)ヒラリー政権で彼女がどんな大臣に選ばれるのか想像しただけでも身の毛がよだつ。

    最後に、マケインの癇癪持ちが大統領として適切かどうかという問題だが、それをいうならヒラリーの方がよっぽどひどい。ヒラリーのヒステリーはマケインのたまの暴発など足下にも及ばない。オバマときたら経験不足で気まぐれだ。敵に同情して正しい判断ができない可能性は大きい。

    であるからして、アン・コルターのような保守派がマケインが共和党指名を受けたらヒラリーやオバマの選挙運動に協力するなんていうのは、現実を無視した気違い沙汰だとしかいいようがない。保守派ラジオDJのメッドビッドはこの症状を"MDS," McCain Derangement Syndrom、マケイン嫌悪症候群と読んでいるくらいだ。今回は珍しく奴と意見が合った。マケインが指名されたら民主党を支持するとか選挙には行かないなどとだだをこねてる奴らは完全にこの症候群に冒されている。

    ロナルド・レーガンならそんなことはしなかったはずだ。レーガンが1976年にジェラルド・フォードに負けた時、レーガンはフォードのために選挙運動に出かけた。レーガンはフォードに負けた腹いせにジミー・カーターを応援するなんて言わなかったじゃないか。

    保守派の連中にはもっと大人になれといいたい。マケインが共和党の候補に指名されたら、頼むからマケインを応援して投票日にはマケインに投票してくれよ。なぜってマケインは民主党の連中に比べたら一千倍もましなんだからさ。ヒラリーとオバマはハリー・トルーマンやヒューベルト・ハンフリーじゃないんだぜ。マケインが共和党を分裂されるって言い張ってるひとたちに限って、自分の思いどおりにならなきゃ共和党を辞めるなんていって、それこそ党の分裂を促進してるってことに気が付くべきだ。

    俺は以前に移民法で自分らの要求の8割方が通ったにも関わらず10割通らなきゃ納得しないといってた保守派連中に警告した。オールオアナッシングなんて二者択一を迫ったら何にも得られなくなるぞってね。そしてその次に民主党が書く法案はもっと気に入らないものになってるだろうってさ。

    今保守派が共和党候補に背を向けたら、次の選挙ではもっと強力になった現役の民主党を相手にしなきゃなくなる。そして次回も絶対に俺たちは負けるよ。

    そしてその間に1994年の選挙からリベラル主義にゆっくりと抵抗するようになっていた国民のおかげで優位にたってきた保守派の功績もすべて失って元の木阿弥となる。ニュート・ギングリッチのいない今の共和党が政権と議会を取り戻せる希望は全くなるのだ。

    February 1, 2008, 現時間 7:05 PM | コメント (0) | トラックバック (0)

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