July 6, 2006

で、イージスは何をしてたの?

さて、期待のテポドンがうたれたというのに、日本やアメリカは何故手をこまねいて見ていたのか、折角日本近郊へ呼び戻した日本のイージス艦は何をしていたのか、いくらスカッドやノドンとはいえ、日本に届く可能性は多いにあったのだし、弾頭に武器が積まれていないという保証もないのに、どうして迎撃しなかったんだあ、、、という素朴な質問が生まれる。

しかしよく書かれたSF小説のように、実はこれらの質問に関する答えはきちんと存在すると思われる。日本のイージス艦も含まれるミサイル迎撃システム(BMD)について詳しく説明している記事をみつけたのでそこからちょっと読んでみよう。(Jettaさん紹介)

韓米の情報当局がテポドン2号発射の兆候を把握したのは先週末ごろ。発射台周辺の液体燃料タンクやトラックなど発射の障害となる物がきれいに片付けられた様子をKH-12偵察衛星がとらえていたとのことだ。

 発射に先立ち、発射場沖合の民間の船舶に被害が出ないよう設定する「航海禁止区域」も東海(日本海)上に511日の予定で設定されていた。両国の情報当局は二日前の3日、通信傍受により北朝鮮が実際にミサイルを発射しようとしているとの決定的情報を確保したといわれる。

 5 日午前3時32分、北朝鮮が第1発目のミサイルを発射したとき、これを最初に把握したのはアメリカの早期警報衛星DSP(Defense Support Program)だった。DSPは高度3万6000キロの静止軌道上から北朝鮮を24時間監視、高性能赤外線感知器でミサイル発射の際に出る熱を感知して、発射の有無が直ちに分かる。

これは私の想像なのだが、この時の推進の力とスピードで、多分弾道に武器が積まれているかどうかの確認ができるのではないかと思われる。発射した時点でその角度やスピードからミサイルの経路は用意に計算できるであろうから、ミサイルが日本海に落ちるということもすぐに判断できたのであろう。



ミサイル防衛システム

ミサイル発射直後には、東海上を巡回中だった米国のRS-135Sコブラボール戦略偵察機がミサイルの軌跡を追跡した。東海上に配置されていた米日のイージス艦や、米国のミサイル追跡艦オブザベーション・アイランド号もテポドン2号などを追跡した。韓米情報当局がテポドン2号の発射後40秒での失敗を確認したのは、主にこれら艦艇のレーダーの力に負うところが大きい。

もともとミサイル迎撃システムのなかでイージス艦の役割は直接の迎撃ではなく、ミサイルの監視である。この記事を読む限り、日本のイージス艦は立派にその役割を果たしたといえる。

こうして考えると、日韓米による北朝鮮ミサイル発射監視は教科書どおりにうまくいったと言える。これらの国々が何もしていないどころか、北の同行はすべてお見通しのうえで、迎撃の必要なしとの判断が下されたようである。

ところで、北のテポドン2がなぜ日本海へ落ちたのかだが、本当にこれが北の失敗だったのかどうか不思議に思っていたら、毎日新聞の記事では本当に失敗だったらしいとある。

 北朝鮮は5日午前4時59分に北東部の舞水端里(ムスダンリ)のミサイル施設から、テポドン2号を発射した。同日発射した7発のミサイルの3発目で、約400キロ飛び日本海に落下したとみられているが、発射後、日米両政府が偵察衛星などで状況を確認したところ、テポドン2号の一部と見られる物体がミサイル施設の数キロ以内で確認された。

 小規模爆発など新型ブースターに何らかの燃焼異常があり、ミサイル自体が損壊したと分析している。米政府は、新型ブースターが正常に燃焼を続けたのは約40秒間とみている。

 このテポドン2号をめぐっては、専門家の間には「米国などを刺激しないために故意に短距離で撃った」との見方もあったが、ミサイルの損壊が確認されたことで、日米両政府は発射に失敗したとの見方を固めた。

うまくいけば、日本列島の上空を乗り越えて、ハワイあたりへいく予定だったようだが、最初のブーストフェイズで失敗したため、日本にも届かなかったというみじめな結果を生んだわけだ。北朝鮮にはまだもう一発テポドンん2号が残っているという話だが、もし構造上の問題なのだとしたら、2発目も失敗する可能性はあるので、北もそう簡単には打てないだろう。だが、燃料注入から一か月という制限期間がある以上打つ気なら急がなければならない。

聞いた話では金正日はすぐに2発目をうちたいということだ。一発なら失敗しても今回だけともいえるのだが、2発目も失敗したらこりゃ駄目だわ〜ということで世界中に北朝鮮の恥をさらすことになるのだが、そのへんのところを金正日はわかっているのだらうか?

July 6, 2006, 現時間 10:40 PM

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» 米イージス艦迎撃ミサイル制御不能の人工衛星に直撃! from In the Strawberry Field
一週間くらい前にブッシュ大統領が制御不能となった人工衛星が落下する恐れがあるとして,弾道ミサイル迎撃システムを使ってこの人工衛星を撃ち落とす計画だと発表して以来、もしもこれが失敗したらBMDプログラムの将来が心配だとかなんと平和主義の批評家たちがやいのやいの言っていたが、昨晩見事に撃墜に成功。 スパイ衛星をミサイルで撃墜、有毒燃料タンクを破壊か ワシントン(CNN) 米国防総省は20日、制御不可能となり、地球に落下、衝突する恐れがあった米軍事用スパイ衛星を同日の東部時間午後10時半(日本時間21日午... [Read More]

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コメント

前のコメント

下記投稿者名: asean

毎度、水を差すようなことばかりで申し訳ないんですが・・(スンマセン)

赤外線監視衛星・・で分かることは、発射時の赤外線反応で飛距離(出力ですね)がどの程度あるか?を想定出来る

弾頭がどういった種類のモノか?迄流石に分かりませんです。

イージス艦の役割は監視も確かにあるんですが、搭載しているSDMでノドン型、スカッド型のミサイルを迎撃する
ってのもあります(MD計画は未だ日本では配備されていませんからね、それと米国の弾道弾迎撃システムは
米国本土の防衛なんで、ちょっと日本海迄は守備範囲にならない・・なので現段階ではイージス艦で代用
(しないよりは・・・ってことですかね)

失敗したか否か?は北朝鮮側と日米とでは見解が異なるでしょうね、多分。

発射時の出力”さえ”分かれば(赤外線監視衛星があることは相手も分かってますから)途中で落ちようが
自壊したか、単に壊れたのかはともかく米国本土へ着弾する能力がある、ってことを米国には示すことが出来る訳で・・

とは言っても、大量破壊兵器のコメントでも書かせて貰ったように、北朝鮮の工業力なんですよ
とにもかくにも・・・はい。

確かに中東なんかに”売りつけ”たりはしてますが、元々スカッドを売りつけた旧ソ連もそうだったように
統治者の前で軍事パレードする為に必要な装備ってこともあるんで・・・失敗したからって売った方も買った方も恥だとは思わないでしょし端っから期待なんかはしてないでしょ。

ただ、どうなんでしょうね?
ちょっと気になるのは日本のマスコミなんかも異常に騒ぎす過ぎな感じを受けますよね・・

MD計画もそうなんですけどね、こうした装備の能力って基本的には軍事機密っすよ。
なので例え現段階では有効ではなくても「打ち落とせるっ
」って言っとかないとならないんだけど・・・
(それにしては、ネガティブな情報ばかりがリークし過ぎるんだけど、笑)
相手を油断させる為にワザとネガティヴ情報を???リベラルメディアを相手にするんだから結構いいかも知れないけど・・

6カ国協議って変だと思いませんか?DialogueですからねNegotiationじゃないんですよ。

多分、NegotiationだとGive&Takeになるからだと思いますけど・・

上記投稿者名: asean Author Profile Page 日付 July 7, 2006 12:19 AM

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