日付け → →March 30, 2014

次々に明るみに出る米民主党議員らの犯罪行為

本日のNRAのニュースで知ったのだが、民主党のカリフォルニア州議会上院議員でやたらと厳しい銃砲規制を唱えているリーランド・イー州議員は、FBIの囮捜査にひっかかり、フィリピンのイスラム教テロリストに扮する捜査官からロケット発射装置を購入しようとして逮捕された。中国系アメリカ人のイー議員は、サンフランシスコの中国マフィアの親玉で地元ではシュリンプボーイというあだ名で知られるレイモンド・チャウと親密な関係にあるのだという。実は最近なぜか民主党政治家による不祥事が次から次へと明るみに出ている。保守派政治批評家のミッシェル・モルキンは、オバマ王とエリック・ホールダー司法長官は選挙前に大掃除をしておきたいだけで、選挙直前に共和党政治家の不祥事を明らかにして話題をそらすつもりだろうと予測する。とはいえ、こうもスキャンダルが続くと人々の気をそらすのはそう簡単ではないかもしれない。ま、とにかく一連の不祥事を羅列してみよう:

まずはカカシ地元のカリフォルニア州の議員達からはじめよう。

  • 冒頭で紹介したレーランド・イー議員。イーは十年以上に渡り銃所持者を悪者扱いし、憲法修正第二条が保障する国民による銃所持権の迫害を声高に唱えて来た男。 そいつがFBI捜査官扮するイスラム教テロリストからロケット発射装置及び違法武器を密輸入しようとしたというのだから偽善にもほどがある。この男、何とカリフォルニア州司法長官の座に立候補していた。州司法長官といえば、州のなかで最も高い位置にある検察官のようなものだ。法律を最も重んじなければならない座である。この武器密輸入者がそんな権限のある座につこうとしていたというのだから恐ろしい。
  • カリフォルニア州ロナルド・カルデロン州上院議員。連邦警察により贈賄と汚職など24項目の罪に問われている。同議員の弟も同じく数々の現金横流しや職権乱用の罪に問われている。同議員は10万ドル近い賄賂、航空旅行、グルメ料理、ゴルフなどといった賄賂を受け取り、政治的な利益をほどこしていたらしい。 同議員はさらに娘の電話代3万9千ドルを支払うため、存在しないウェッブサイトのコンサルタント費用として4万ドルをあてがっていた。
  • カリフォルニア州ロデリック・ライト州上院議員。ライト議員はイングルウッド市代表として立候補し当選した。イングルウッド市はロサンゼルス郡でも貧困な低所得者地域で人口は圧倒的に黒人が多い。議員は市の賃貸アパート住まいというふれこみで議員に立候補したが、実は選挙区外の裕福な高級住宅地ボールドウィンヒルズの邸宅住まいであることがわかった。議員は五回の選挙に渡り候補資格やその他の書類で虚偽の提言をしていたとして数々の選挙違反及び偽証の罪に問われている。

カリフォルニアは知事を始め州議会は上院も下院も民主党が圧倒的多数を占めており、共和党は全く権限がない状態。だから民主党議員たちは汚職もやり放題というわけである。

さて、次は民主党市長らによる数々の悪行。

  • 最初はまたまたカリフォルニア州サンディエゴ市。ボブ・フィルナー市長は何件にも渡るセクハラ訴訟で辞任を余儀なくされた。
  • ノースカロライナ州シャーロッテ市、民主党のパトリック・カノン市長は市の契約企業から現金やラスベガス旅行などの賄賂を貰っていたとして贈賄罪で逮捕された。
  • ハリケーンカトリーナでの職務怠慢で悪名高い元ニューオーリーンズ市長のレイ・ナギンは今年一月にやはり贈賄罪で有罪。
  • トニー・マック元トレントン市長は今年二月ダウンタウンの駐車場経営者から現金の賄賂をもらった罪で有罪。
  • クワメ・キルパトリック元デトロイト市長は恐喝贈賄陰謀の罪で有罪。
  • ラリー・ラングフォード元バーミンガム市長も贈賄罪で有罪となった。

カリフォルニアも汚職が多いが他州の民主党議員らも負けていない。

  • ペンシルベニア州リアナ・ワシントン州上院議員宴会好き。過去八年間にわたり公共の時間とお金を使って、スタッフに毎年誕生会を開かせ、その度に自分の選挙金集めを行っていた。彼女は公共時間とお金の横領その他の罪に問われている。彼女の悪行が発覚したのは元部下ら6人以上のスタッフからの内部通告によるもの。彼女に異議を唱えた部下の一人に対し、ワシントン議員は「私は天下のファッ@#$上院議員よ!何でもファッ@#$やりたいことをやっていいのよ!誰にも罪になんか問えないんだから」と汚い言葉で罵ったという。
  • ロードアイランド州下院議会長のゴードン・フォックス議員。 強力な民主党議員で同性結婚の熱烈な支持者として左翼からは愛されている人物。それが先週、FBIの度重なる自宅やオフィスの家宅捜査が行われた後、辞任を発表。 同議員は数々の犯罪疑惑に問われているが、いまのところ詳細は不明。
  • ニューヨーク州ビル・スカーボロー州下院議員。公共のお金を不正に使ってやたらと旅行していたという疑いでFBIから事務所及び自宅の家宅捜査を行われた。議員の怪しげな6万ドルに及ぶ「出張経費申告」についてはニューヨークポストが報道しているが、同議員はゴシップ雑誌にはめられたとせいだと言い訳している。文句をいっている。
  • イリノイ州代表、キース・ファーンハム下院議員、幼児ポルノ規制案を二つも提案しておきながら、自分は幼児ポルノ所持の疑いで州及び連邦警察による家宅捜査の対象となった。同議員は週末、病気を理由に辞任した。

ミッシェル・モルキンは、前回の選挙の時に民主党議長のナンシー・ペロシ下院議員が共和党には「汚職の文化」があり民主党は「沼地を浄化する」と宣言したことを思い出して欲しいという。しかし本当の「汚職の文化」は民主党の方にある。それにしてもいつもは民主党べったりで民主党の悪行など絶対報道しない主流メディアが一斉に民主党スキャンダルを報道しはじめたのは何故か? 彼らが突然にしてジャーナリストたる誇りに目覚めたなどと考えるのは甘い。ペロシ及びホールダー司法長官も、そして無論オバマ王も、11月の選挙までにこれらの膿みを出し切って、選挙の際には有権者にはすべて忘れてもらおうという魂胆なのだろう。

そしてモルキンも言うように、選挙直前になって共和党のスキャンダルを大々的に報道し話題を変えようというわけだ。だが、今回はそうは簡単にいかないはずだ。民主党議員らの汚職や不祥事よりも、もっと大変な問題を民主党は抱えている。それは言わずと知れたオバマケア!

オバマケアが原因で失業したり保険を失ったりしている有権者にとって議員のスキャンダルなど問題にはならないはず。第一選挙直前になると不思議に現れ、選挙が終わると尻切れとんぼで消えてしまう共和党のスキャンダル。民主党による汚い手口はすでに周知の事実。そんな小細工に騙される有権者は、もうそれほどいないのではないかな?

March 30, 2014, 現時間 9:14 AM | コメント (0) | トラックバック (0)

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日付け → →March 29, 2014

日本とアメリカで空港職員による窃盗相次いで摘発される

以前にもアメリカの空港警備員(TSA職員)が乗客の荷物や現金などを窃盗していたと言う話を書いた事があるが、今回は偶然、日本とアメリカで空港職員やスチュワーデスによる窃盗集団が摘発されたという事件があったので紹介しよう。

先ずは日本の話から。

ベトナム窃盗団:空港への運び役CA、万引き役ら逮捕 毎日新聞 2014年03月26日 12時10分(最終更新 03月26日 13時16分)

 国内で万引きされた衣料品をベトナムに持ち出す目的で空港まで運んだとして、警視庁組織犯罪対策1課は26日、いずれもベトナム国籍で、ベトナム航空客室乗務員(CA)のグエン・ビッチ・ゴック容疑者(25)と、万引きの実行役などとみられる男女5人の計6人を盗品等運搬と窃盗容疑などで逮捕したと発表し、東京都千代田区のベトナム航空日本支社を家宅捜索した。

 グエン容疑者の逮捕容疑は昨年9月、仲間のベトナム人らが川崎市の衣料品販売店で万引きしたジャケットなど21点(約13万円相当)を盗品と知りながら大阪府内のホテルから関西国際空港まで運んだとしている。同課の調べに対し、グエン容疑者は「盗品とは知らなかった」と否認している。

 同課によると、グエン容疑者は昨年6月以降、仲間が盗んだ商品を1点当たり250〜300円の手数料で空港まで運搬し、総額約300万円を得ていた。手荷物としてスーツケースに入れて機内に持ち込んでいたとみられる。

どうでもいいが、ビッチ・ゴックなんて名前は英語にするとかなり下品に聞こえる。英語圏で働くなら名前は変えた方がいい。ま、それは余談だが、浜村淳さんのラジオ番組できいたのだが、盗まれた品物はベトナムで「持ち込み荷物」という商標で明らかに盗品と解るような売られ方をしていたという。盗品の多くはユニクロ商品が人気があったとかで、中にはおむつなんてのも含まれていたというから、やはり日本製の商品は質がいいのかななどと感心してしまった。それにしても日本人から盗んだ事を隠しもせず悪びれずにベトナム国内で売りさばくとは盗人猛々しいというか、恥知らずというか、民度の低さが現れている。

さて、恥知らずなのはベトナムの窃盗集団だけではない。アメリカはロサンゼルス空港でも先日、空港の預けに荷物取り扱い職員ら数人が乗客の預け荷物をあさって貴重品を盗みまくっていたとして逮捕された。集団は盗品をクレーグリストというインターネットオークションで売リ裁いていたという。

捜査官によると職員らは何ヶ月にも渡って乗客の預け荷物から貴重品を盗みまくっていたという。

「ともかく貴重品はすべて、電気機器や宝石など、どれも数分の間に鞄から抜き取られていたのです。」とロサンゼルス空港警察パット・ギャノン長官は語る。「(彼らは)スーツケースを開けて貴重品を片っ端からあさりまくっていたのです。」

今回の逮捕はロサンゼルス警視庁とロサンゼルス空港警察共同で容疑者達の家宅捜査などが行われ、14人から証拠物品が収集された。これにより6人が逮捕されたが、仲間の数はもっと多く、その数は25人にも及ぶとされる。

ロサンゼルスでは昔から空港職員による窃盗が絶えない。ま、空港職員の悪さは何もロサンゼルスに限った事ではないのだが、2013年になって空港内での窃盗は37%も増えたという。

空港側は従業員の身元調査は念入りに行っているというが、以前にもTSA職員には前科者や違法移民が含まれていたケースが結構あるので、どこまで調べているのか全くあてにならない。

当局が注目しているのはメンズィーズアビエーションという派遣会社からの派遣職員たち。彼らが担当しているトムブラドベリー国際ターミナルと4番ターミナルでの窃盗が最近急増しているからだ。メンズィーアビエーションは窃盗は限られた人員によるもので、同社は職員の身元調査は念入りにしており、必要な訓練も受けていると主張。だったらどうしてこの会社の派遣職員担当のターミナルが他のターミナルより極端に多くの盗みが発生するのだ?

だから私は前々から言っているのだ。セキュリティーでいくらTSAが乗客の荷物の中身を念入りにしらべて、封も切っていないホットソースを没収したり、お年寄りや子供までパットダウンしたりしてみても、警備に当たっている職員や荷物扱い職員などが窃盗や盗品の密輸など行っているのでは何の意味もない。空港や航空機内職員たちが簡単にこういう犯罪を犯せるならば、私がテロリストなら乗客に爆弾及び危険物を運ばせたりせず、内部の職員を利用するだろう。

空港の警備は外部だけでなく内部にもっと目を向けるべきだ!

March 29, 2014, 現時間 9:17 AM | コメント (0) | トラックバック (0)

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日付け → →March 22, 2014

バックラッシュ!ゲイを巡る聖パトリック行進スポンサーを辞退したサム・アダムスとギネスのボイコット始まる

先週の月曜日、ボストンとニューヨークで行われた聖パトリックス行進にゲイプライドの旗印を掲げる団体の出場が拒絶されたことを巡り、行進前夜にボストンのサムアダムス、ニューヨークのギネスビールがスポンサーを辞退したことに対して、地元市民の間でこれらのビールをボイコットしようという動きが出ている。

ボイコットを呼びかけているのは(カトリック宗教と人権のリーグ)The Catholic League for Religious and Civil Rightsのビル・ドナヒュー氏。ドナヒュー氏が呼びかけるまでもなく、地元では迅速で激しいバックラッシュがすでに起きているという。

前回この話を取り上げた際、ボストンの大手パブ、コーナーストーンパブがサムアダムスを売らないと宣言した話はしたが、サムアダムスのボイコットを決めたのはこの店だけではないようだ。

もともと聖パトリック祭典はカトリックの行事。カトリック教が同性愛を認めないのは周知の事実。そういう宗教的な祭典で主催者が同性愛を表看板にする団体の参加を許可しないのは当たり前。だが、主催者側は最初からゲイのみならず人工堕胎反対とか同性結婚反対とかいった政治的な旗を掲げることは、それが例えカトリックの教えに従うものでも許可していない。だからゲイ団体だけが差別されたわけではないのである。

それを承知でわざわざゲイプライドの旗のもとに行進に参加したいと言い張るのは伝統ある祭典への冒涜だとドナヒュー氏は語る。氏によるとカトリックリーグのボイコットにはカトリック信者でない人たちからの支持が多く集まっているという。最近のあまりにもひどい同性愛ごり押し活動に「もうたくさんだ!」と思う人たちの怒りが頂点に達しているのではないかと氏はいう。

氏はボイコットはギネスとサムアダムスが謝罪するまで続けると言っているが、ボイコットが成功するしないはドナヒュー氏やカトリックリーグのみが決めることではない。いくら彼らがボイコットを呼びかけたところで、一般市民が彼らの意見に賛成しなければボイコットは成功しない。また、市民の怒りがどのくらい長く続くかもカトリックリーグの思うようにはいかないのである。

ここで両社が考える必要があるのは、自分らの市場がどのようなものかということだ。

サムアダムスはボストンが起源。サムアダムスは他の大手のビール会社よりも小さく地方色の濃い地元ビール社として最初は大人気だった。しかし最近では他にいくらも同質もしくは良質のビールが出て来ており、サムアダムスは時代に乗り遅れているという評判もあるくらいだ。

となると、ボストン市民で長年サムアダムスを習慣で飲んでいた人たちが、今回の事でサムアダムスに腹を立てて他のビールを飲み始めた場合、その多くの人々が他の良いビールの存在に気づいてそちらを飲み始めるようになる可能性が高い。そうなったらボイコットが終わろうとどうしようと永久的にサムアダムスを見捨てる人々が出て来るかもしれない。

ギネスの場合はもっと深刻。若い人たちはどろっとしたギネスよりクラフトビールを好む。ギネスの愛飲者はもっぱら中高年のアイリッシュ系移民かその子孫。こういう人たちは信心深いカトリック教徒が多いので、今回のギネスの姿勢にかなり腹を立てているはず。ということはギネスは自分で自分の首を絞めることになったかもしれないのだ。

ちょっと前に起きたダック・ダイナスティーのスポンサーのクラッカーバレル社がLGBTに同情してスポンサーを降りると宣言して番組ファンの激怒を買い公式に謝罪声明を発表せざる負えなくなるという事件でもわかるように、ゲイ活動家の権力が大きくなればなるほど人々の反感も高まるのである。

ボストンやニューヨークはリベラルな市なのでボイコットが成功するかどうかは解らないが、個人的にカカシの愛飲ビールはずっとサムアダムスだったが、サムアダムスが謝罪声明を出すまではボイコットするつもりである。何か代わりにおいしいビールがあったらおすすめ願いたい。

March 22, 2014, 現時間 1:21 PM | コメント (0) | トラックバック (0)

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いかにオバマ王とその家来たちが世間知らずかが明らかになったドラッジ批判

先日ドラッジリポート(オンラインニュース)の経営者であるマット・ドラッジがツイッターで「今さっきオバマケアに加入しないための罰金を支払った。自由税金とでも呼ばせてもらおう」と書いたことがきっかけで、ホワイトハウスや左翼リベラルメディアから「ドラッジは嘘つきだ!」という批難が殺到した。彼らの言い分は、個人の強制保険加入は今年始まったばかりで、2014年の納税申告は2015年の春までする必要はない。その罰金を今年支払うというのは理屈に合わない、というもの。だが実は、この批判にこそオバマ初め左翼リベラル連中がいかにアメリカの中小企業について無知であるかが現れているのだ。

マット・ドラッジはドラッジリポートの個人経営者である。アメリカの個人経営者は三ヶ月ごとに納税をする義務がある。であるから今年の納税申告は来年の春でも、今年にかかる税金は前もって年内に支払う必要があるのである。ドラッジを批判した連中はそのことを全く知らなかったというわけ。

それでホワイトハウスのドラッジ批判をハッフィントンポストが右、もとい左、に習えで大批判。それを焼き直してトーキングポイントが後に続いた。

オバマのホワイトハウスが嘘をつくのは定番だが、それをそのまま鵜呑みにして繰り返すメディアなんてジャーナリズムとは言えない。ただの政権プロパガンダに過ぎない。

以前にラムスフェルド前防衛長官が「未知の未知」ということを言った事がある。自分が知らないことがあるという事実を知らないと、相手が言っていることにも一理あるのかもしれないという考えさえも浮かばないので、裏も取らずに相手を批判して大恥をかいてしまうというわけ。もっとも左翼リベラルに「恥じ」という観念はないので特に意味はないのかもしれないが。

March 22, 2014, 現時間 10:59 AM | コメント (0) | トラックバック (0)

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日付け → →March 16, 2014

フロリダ自衛法で一番守られているのは低所得黒人層

最近黒人運動家のアル・シャープトンなどが黒人層を煽ってフロリダ州の自衛法を撤回させるよう運動している。フロリダ州にはいわゆる個人の正当防衛を合法とするスタンドユアグラウンドという法律がある。あえて訳すなら「持ち場を守る」という感じだが、これが他州の正当防衛法と違うのは、自分が直接殴られるなどの行為を受けていなくても殺されるかもしれない脅威を感じたら逃げずに攻撃者に立ち向かってもいい権利を個人に与えているという点だ。他の州では大抵が逃げられる立場にあったら先ず逃げるべき、という行動を義務づけていない。

黒人青年のトレボーン・マーティンがジョージ・ズィマーマンというラテン系の男性に射殺された事件では、ズィマーマンはすでに暴力を受けていたので、このスタンド法はあてはまらず、一般の正当防衛が認められてズィマーマンは無罪となったのだが、そんなことでひるむ反銃所持派達ではない。あたかもズィマーマンがスタンド法によって無罪になったかのように歪曲し、しかもマーティンが黒人だったからという理由で、スタンド法は人種差別法だと言いがかりをつけて法律を撤回させようと企んでいるのである。

だが、実際にスタンド法によって一番安全を守られているのは犯罪の多い地区に住む低所得黒人層なのである。

アル・シャープトンはタンパベイ地区で行われた調査結果を持ち出して来て、正当防衛で殺された人間が黒人だった場合と白人だった場合を比べた場合、黒人が殺された場合の方が白人が殺された場合よりも73%と59%の割で殺した方が無罪になっているとしている。だからこの法律は黒人差別だといいたいのだろうが、殺されてもしょうがないような黒人が多いというだけの話であって単純に黒人差別とは言い切れない。

だが、それ以上にシャープトンが隠している真実がある。それは、正当防衛を主張して殺した人間のなかには黒人も含まれているということである。しかも統計学者のジョン・ロット博士によると、統計学的に黒人が黒人を殺した場合の方が白人が黒人を殺した場合よりも正当防衛で罪にならない割合が高いというのである。

黒人は黒人によって殺される率が圧倒的に高いのです。しかも黒人の場合スタンド法を理由に正当防衛を主張すれば、有罪になる率は白人よりも低いのです。スタンド法を弁護に使って有罪にならない可能性は黒人の場合は69%なのに比べ白人の場合は62%なのです。

黒人の犯罪者の犠牲になるのは同じ地域に住む他の黒人たちなのだ。スタンド法を撤回して一番迷惑を被るのも善良な黒人市民。もちろんアル・シャープトンのような政治運動家にとってそんな黒人達の迷惑など意味はない。自分らの政治活動さえ有利になればそれでいいのである。

March 16, 2014, 現時間 9:09 PM | コメント (0) | トラックバック (0)

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どうして何時もゲイプライドなの?

明日ボストンで行われる退役軍人団体主催のセントパトリックスデイパレードに同性愛者たちがオープンに参加できないことをめぐって、大手ビール会社のサム・アダムスとハニケンが提供から撤退すると宣言した。ニューヨークの共産主義デブラズィオ市長はすでに欠席を宣言。ボストン市長も迷っているとか、、あ〜あ、またかよ、てな感じである。

左翼メディアの偏向報道だけ読んでいると、このパレードには同性愛者が参加できないかのような印象を受けるが実はそうではない。主催者側はオープンにゲイプライドの旗を掲げての参加は許可しないと言っているだけだ。許可されていないのはゲイプライドだけでなく、例えば銃所持法支持とか、人口妊娠中絶反対、とかいった政治的なスローガンも同じ。どこどこの町の青年団とかなら許可されるが、政治色のあるものは一切禁止されているのである。何もゲイだけが特別の拒否されたわけではないのだ。単に同性愛者たちが元軍人のグループに参加する分には問題ない。

聖パトリックの日は、カトリックの祝日である。カトリックが厳禁している同性愛をオープンに支持するような団体の参加を拒むのは当然だ。もっともセントパトリックスデイを宗教的な祝日として祝う習慣はかなり失せていて、いまでは緑色のビールをガバ飲みする日と成り果てている感もあるので、そんな固いこと言いっこなしと言いたい気持ちはよくわかる。

が、しかしだ、同性愛者たちが何かのパレードに参加すると、性的な描写がフロートの上で行われ、家族連れでパレードを観ている人々に不快感を与えるような行動が必ずといっていいほど起きる。彼らが参加するとパレード自体の意味合いがゲイプライドに乗っ取られてしまうのである。

サムアダムスの宣言にはバックラッシュも起きている。ボストンのレストラン、コーナーストーンパブ&レストランは、パレード中はサムアダムスのビールをレストランで出さない方針を発表した。

レストランの経営者トミー・フラハティーはサムアダムスはパレードのスポンサーを辞めても、パレードの通り道にあるレストランやパブでビールを売ることを辞めるわけではない。パレードを支持しないなら自分らのレストランではサムアダムスをボイコットすることにしたという。

なんでゲイ活動家は何にでも自分らの首を突っ込み、自分らの思い通りにならないとスポンサーを脅して辞めさせたりしようとするのだろう?何故なにもかもがゲイプライドで埋め尽くされなければならないのか?

彼らがモスラムのラマダン祭りにゲイプライドの参加を求めるとかするんだったら多少の尊敬はするけどね。

March 16, 2014, 現時間 2:23 PM | コメント (0) | トラックバック (0)

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日付け → →March 15, 2014

民主党オバマケアの犠牲者を嘘つき呼ばわり

オバマケアについてオバマ王は何度も国民に言い続けた、自分が気に入った保険はそのまま変えなくていい、気に入ったお医者さんを諦める必要もないという約束が大嘘だったことは、オバマケアの施行によって何百万という国民が実感していることだが、その自分の体験談をテレビで証言した癌患者の女性が民主党の政治家やリベラル左翼メディアから猛攻撃を受け嘘つき呼ばわりされている

カカシ注:英語だと("If you like the plan you have, you can keep it. If you like the doctor you have, you can keep your doctor, too. ")だが、私のは意訳。

ジュリー・ブーンストラさんは元教職員で白血病患者。オバマケアが始まってから加入していた医療保険を解約されてしまった。オバマケアのエクスチェンジが提供する保険は自己負担が多過ぎてとても払いきれない。全国でジュリーさんのような目に合っている重病患者は何十万、いや何百万といる。

さて、ミシガン州の上院議員の座は今年秋の選挙でかなり注目されている。現職の民主党のカール・レビンが引退するため、共和党が議席を奪い取れる可能性があるからである。特に民主党の候補者であるゲリー・ピータースはそのオバマケア支持の立場がかなりの不人気。それに目をつけた共和党支持の市民団体は、オバマケアのせいで加入していた医療保険を失って不可欠な治療を受けられなくなってしまったジュリーさんの証言を政治コマーシャルに起用し、オバマケアの恐ろしさを訴え、こんな法律を支持するピータースを議員に選ぶな、とやってのけたのである。

黙っていないのは民主党。上院議員のリーダーのハリー・リード議員は議会でオバマケアの犠牲者と名乗る人々はみんな嘘つきだと暴言を吐いた。ピーターズ候補は有権者たちの心配に答えるどころか、コマーシャルを流したテレビ局に対し、虚偽の報道をしたとして広告を取り下げろと脅迫。ジュリーさんのことを右翼だとかコーク兄弟の手先だとか誹謗中傷をして彼女を沈黙させようとしている。

左翼メディアはオバマケアで大儲けをする保険会社ブルークロス社の数字を借りて来て、ジュリーさんはオバマケアのおかげで保険料がずっと安くなることを理解していない、算数も出来ない無知な大バカものだと批難した。

ジュリーさんを批難するオバマ王も民主党議員もそして左翼リベラルメディアも、オバマケアのエクスチェンジには、ジュリーさんに見合った以前の保険と同じようなプランがあると主張する。だからジュリーさんがオバマケアのせいで保険を失ったとか、オバマケアのせいで必要な治療が得られず死ぬかもしれないという証言は大嘘だというもの。

だがそれが事実だとして、何故ジュリーさんは今まで自分が気に入っていた保険を諦めて訳のわからないオバマケアのエクスチェンジで新しい保険を探す必要があるのだ?

オバマケア支持者が完全に無視している点は、オバマが何百回と繰り返した『気に入った保険は変えなくていい、気に入ったお医者さんを諦める必要はない』という約束が完全に破られたという点なのである。

何故重病患者のジュリーさんが治療に最適な医療保険を放り出して、一から自分に合った医療保険を難解で複雑なオバマケアのエクスチェンジを通じて買い替えなくてはならないのだ? 難病を抱えているというだけでも大変な患者さんたちが自分にあった保険を選んで契約を成立させるために、何時間も通じないお役所仕事の医療保険電話案内で待たされたり、常にダウンしているウェッブサイトの網の目をくぐって、何週間いや時には何ヶ月もかけて医療保険を取り替えなければならない理由は何だ? それでなくても病気で苦しんでいるひとたちに、どうしてそんな重荷を課す必要があるのだ?

ところで事実を無視しているのは無論左翼メディアの方。確かにブルークロスのプランでは保険料自体は下がるのだが、保険料でカバーされるサービスが極端に減る。いままでは保険が効いていた処方薬や治療に保険が効かない。また保険で払う割合も大幅に減ったため患者の自己負担が非常に大きい。しかも、これまでの保険のように毎月の出費がだいたい同じだったのに比べ、新しい保険が払う割合が治療法によってまちまちなため、ジュリーさんにはいったい毎月どれだけの経費がかかるのか予算が立てられない状態。

気に入った保険は変えなくてもいいという約束はどうなったわけ?

オバマケア以前のアメリカ市民の多くは自分達が加入している(していた)医療保険に満足していた。それでも多くのアメリカ人がオバマケアを支持したのは、自分らの医療保険には変化がなく、オバマケアは現在保険に入る事の出来ない低所得者や持病あるひとたちを救う制度だと思ったからだ。それが蓋を開けてみたら全く違う制度だったということに気がついて今やパニック状態。

オバマ王は自分の嘘の悪影響が大統領選挙のある2016年前にあまりおおっぴらにならないように例外をあちこちに作り保険会社や雇用主に課せられた締め切り日を議会を通じずに勝手に違憲の延期をしたりしてごまかしている。一般市民への悪影響が出始めると、今度はこっそりと消費者の強制締め切り日を二年間先送りすることにした。選挙直前に失業したり保険を失う国民の数が急激に増えるのを防ぐためである。保険の施行を選挙後にしてしまえば、悪影響のすべての責任を次期大統領になすりつけることができるという計算だ。この陰謀を、どの主流メディアも報道していないのは、オバマ王にはその権限がないことを話題にしたくないからである。

オバマ王も民主党も施行されて困るような法律を何故通したのだ?

その答えは簡単である。オバマ王の最終目的は最初から政府が完全に管理する国民保険の設立である。オバマケアのエクスチェンジはその途中経過に過ぎないのだ。アメリカ国民が政府経営の国民保険を最初から支持するはずはない。だから、オバマケアによって民間医療保険制度を完全に破壊した時点で、政府管理の国民保険を国民に強制するという策略である。

だからオバマケアが機能しないのは失敗ではなく全くの計算通りの成り行きなのである。すべての国民に低価で良質な医療保険を提供することなどというのは大嘘で、オバマ王の最終目的は国民保険の設立なのだ。

そのことを国民が理解して2014年の中間選挙でも2014年の全国選挙でもオバマケア支持の民主党議員たちをこぞって追い出して欲しいものだ。無論それまで民主党や左翼リベラル運動家たちの犠牲者攻撃は激化するだろう。

March 15, 2014, 現時間 2:57 PM | コメント (0) | トラックバック (0)

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日付け → →March 9, 2014

トランスジェンダーの話題二つ、クロスフィット訴訟とトイレ法

本日は偶然だがトランスジェンダーに関する話題二つ。

クロスフィット、スポーツジム訴訟:

まずは、男から女へと「性転換」をしたトランスジェンダーのクロイー・ジョンソン(Chloie Johsson)という人の話。クロスフィットという軍隊風トレーニングを売り物にしているジムのパーソナルトレーナーをしているジョンソン氏は同ジムが主催するクロスフィット競技の女性部門への参加を拒否されジムの経営者を訴えているという話。

ジョンソン氏は2006年に性転換手術を受けてカリフォルニア州では法律的に女性として認められているという。ジョンソンはクロスフィットの決断は自分の人権を迫害するものであり差別であるとしてクロス、、社を訴えているのだが、会社側は無知とか差別とかいうことではなく、単純に高校生レベルでも解る生物学の問題だとしている。

ジョンソンの弁護士は会社側の言い分は「おそろしい」とし、オリンピックですらもトランスの出場を認めているのにクロスの主張はこの事実を完全に無視するものだ、と抗議している。

オリンピック委員会の決断は科学に基づいたものではなく政治圧力に屈服してのもの。彼らが何と言おうと生物学的に男性として生まれた人間は女性にはなれない。見た目がどれだけ女性に見えたとしても、筋力も骨格も持久力も男性の方が明らかに有利である。そういう人間を女子の競技に参加させたら、他の本当の女性たちに対して不公平だ。常識ある時代のオリンピック委員会はそれを見越して生物学的な男性が整形手術だけして女子として参加できないように競技者の性別審査は必須としていた。(いい時代だった!)

ジョンソンがそんなに自分のフィットネスに自身があるなら男性部門に参加すればいいではないか。現にクロスはジョンソンが生まれた時の性別である男性部門に参加する分には問題がないとしている。これのどこが差別なのか? 

トランスを女子競技に参加させるべしとする運動家は、トランスが一般女性より肉体的に優れているというのは神話だと言い張る。そんな科学的証拠はどこにもない、あるというなら出してみろと言う。だが、常識以外の主張をするのであれば、その主張をする方が自分らの説が正しいことを証明する義務がある。

トランス擁護派は、トランス選手は女性ホルモンの摂取や去勢によって男性ホルモンの分泌が極端に減るため男性としての有利さはなくなると言うが、男性と女性の違いはホルモンの分泌だけではない。男性の上体の筋肉密度や骨格の差など、ありとあらゆるところで男性は肉体的に女性より強いのである。

数年前、ミスター苺の知り合いでフェンシング全国競技会シニア女子の部で連続チャンピオンだった女性が、ある大会でトランスの選手と立ち会い二回戦であっさりと負けてしまったという例がある。このトランス選手は、男子の部で参加していた頃にはベスト20にも入っていなかった普通の選手。それが女子の部に参加したら連続チャンピオンをあっさり破るなんて女性ならあり得ない!いかに男性の瞬発力が女性より優れているかという証拠である。

トランスと生物学的な女子との筋力及び体力の差は簡単に調べることが出来るはず。きちんと医学で双方全く変わりなしという証拠が出されない限り、トランスの女子競技参加は許されるべきではない。

こういう不公平に強いトランス達を女子競技に参加させるのは、本物の女性への差別行為であり人権迫害である。こんなことが横行すれば、女子競技はすべてトランスによって占領されてしまい、女子競技そのものが破壊される。このような非常識は断じて許してはならない。

カリフォルニア州男女共同トイレ法(通称バスルームビルAB1266)

以前にも話したように去年カリフォルニアの小中高学校においてトランスの生徒が自分の性別だと思う方のトイレや更衣室やシャワー室を利用し自分の思う性別に合った運動チームに参加できるという法律が州議会によって通された。何の抗議もなければ今年の始めからこの法律は有効になるはずだったが、生徒のプライバシーを迫害するものだとするプライバシーフォーオールスチューデントという市民団体がこの法律に反対し、11月の選挙で市民投票で法案の撤回を求めるべく抗議を始めた。撤回案が市民提案として取り上げられるためには特定数の署名を集めなければならず、州は必要な署名数504,760に17,276足りないとして抗議を突っぱねているが、プライバシー、、側は州による数え方に問題があると異議申し立てをし再換算を求めている。プライバシー、、、の抗議が公認されるか否認されるかがはっきりするまでは法律は成立せず、その施行は有効とならない。

にもかかわらずカリフォルニア教育委員会はすでにこの法律が成立したかのように振る舞い、ロサンゼルスタイムスやNPRを使って法律はすでに有効であると虚偽の報道をさせ、全国の小中高学校に法律を施行するよう指示している。これはまったく州憲法に違反する行動である。教育委員会はまだ成立していない法律を無理矢理施行することによって、多くの既成事実を作り上げ、すでに施行されているのだからという理由で反対派の抗議を打ち砕こうという策略だろう。選挙でその是非が問われれば州民がこの変態法を支持するわけがないことを教育委員会は百も承知だからである。

プライバシーフォー、、の集めた署名数がきちんと認められ11月の選挙でこの法律が州民によって撤回されることを祈ろう。

March 9, 2014, 現時間 5:58 PM | コメント (0) | トラックバック (0)

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宮崎監督の飛行機への愛が政治を超えた風立ちぬ

日本ではすごい人気だったという宮崎駿監督の「風立ちぬ」が近所の映画館に来ていたので観て来た。私は昔から「隣のトトロ」の大ファンでお風呂場はすべてトトロモチーフにしているくらい。ただ、監督の宮崎氏はかなり左寄りの思考で「もののけ姫」とか「千と千尋の神隠し」などは彼の左翼リベラル特有の環境保全思想が全面的に出過ぎていて、映画全体がお説教ぶっていて嫌だった。また宮崎氏が護憲法9条派であることも有名なので、零戦の設計者である堀越二郎の人生を描くとなると、やたら反戦のプロパガンダを聞かされるのかなと心配だった。しかし映画では堀越二郎は戦争に加担した悪人としてではなく、単に航空科学に熱烈な情熱を注いだエンジニアだということだったので観に行くことにした。

宮崎の映画では、背景描写の細やかな美しさにはいつも心を打たれる。特に監督が育った昔の日本を描写する時、実際その時代を生き、その場を愛した監督の気持ちがひしひしと伝わってくる。この映画も例外ではない。堀越二郎が育った大正時代の田舎町。泥道を行く馬車や川を行く小舟の数々。風ぞよめく広大な草原。確かにここなら、美しい飛行機を作りたい少年が夢を見られるかもしれないと思う。この草原で少年二郎は尊敬するイタリアの設計技師カプローニに白昼夢のなかで出会う。実際に二郎がカプローニにあったことがあったのかは解らないが、カプローニは映画のところどころで二郎の幻想として登場する。

人気映画なのでいまさらあらすじをご説明するまでもないと思うが、特に説明するような筋というものもない。堀越二郎という大正時代から昭和の戦争前夜に活躍した天才的な航空科学技師の少年から青年期を描いたもので、あちこちで二郎がスライドルールを使って(計算機など無い時代)飛行機の設計に没頭している姿が全体的にまったりなペースで描かれる。

愛妻奈緒子とのラブストーリーも二郎の飛行機への愛とだぶる。二郎と奈緒子が紙飛行機を投げ合って遊びながら二人の愛は深まる。結核に病む病弱な奈緒子との明日をもしれない短い愛の暮らし。横たわる奈緒子の手をつなぎながら夜遅くまで設計に励む二郎。

これを普通のアニメを期待していた子供が観ていたらかなり退屈してしまうだろう。この映画が日本で大人気だったというのはちょっと不思議だ。観客層はかなり高年層の人たちだったのだろうか。もし日本の若者がこの映画を本気で好きだったのなら、日本の若者はアメリカの若者達よりかなり集中力があるのだなと感心してしまう。なにせハリウッド得意の手に汗握るアクションの連続とはほど遠い映画だからである。

映画を通じて感じるのは宮崎の古い日本への懐かしい想いと飛行機への愛情である。自分の設計が戦争の道具に使われるという葛藤は二郎にはない。ナチスの台頭を目前にしたドイツへの訪問や国内で特高警察に睨まれたことなども割とさりげなく扱われ、二郎自身には全く政治色はない。戦争に加担した主人公の罪を無視しているという批判もあるらしいが、宮崎が堀越二郎の伝記を反戦プロパガンダに使わないでくれたことに私は感謝している。その誘惑は多いにあったはずだから。

だいたい世界恐慌まっただなかの日本で飛行機設計技師が勤められる分野といえば防衛関係なのは当たり前。旅客機など無い時代だ、お得意さまが軍隊なのは自然の成り行き。第一、日本人技師が自分の設計が日本の国防のために使われることに誇りこそ感じるにしても、違和感を持つ方がおかしい。

ただ政治色云々より映画としては今ひとつかなという気はする。二郎が東京で関東大震災に出会うとか戦争を目前にするという背景はあるが、二郎自身の人生はそれほど波瀾万丈ではなく、これといった出来事が起きない。愛妻の奈緒子をはじめ、幻想の世界のカプロー二、三菱の上司黒川や同僚の本庄、妹の佳代やドイツ人のカストルプなど、面白い登場人物に囲まれてはいるが、二郎自身が秘密警察に逮捕されたわけでもないし、偉大なる設計士との感動的な出会いもない。ドイツでの研修旅行もエンジニアの一行として同行したような気分になった。

さて、面白い効果として、何故か関東大震災や飛行機のエンジンやプロペラの音響効果がすべて人の声でされている。また背景描写が非常に現実的であるにも拘らず、登場人物の描写は漫画的な質素さがあり、ところどころぎくしゃくとしていて、これにもちょっと違和感がある。

英語版で観たので英語の声優については、二郎役のジョセフ・ゴードン・レビットの淡々とした口調はエンジニアの二郎にはぴったりだ。黒川を演じたマーティン・ショートが択一。ロード・オブ・ザ・リングスでフロドを演じたイライジャ・ウッドが曽根という役で登場したらしいが、全く印象になかった。二郎は奈保子とフランス語を話したりドイツではドイツ語を話したりしているが、日本語版ではどのようにしたのだろう?またカプロー二のイタリア語訛りはどんなふうに演じたのか興味あるところだ。

「隣のトトロ」や「魔女の宅急便」には及ばないが、説教じみずに飛行機への愛を語ったと言う点でまずまずの出来といったところか。

英語版声優一覧:

Joseph Gordon-Levitt – Jiro Horikoshi[7]
Emily Blunt – Naoko Satomi (spelled "Nahoko" in the end credits)
John Krasinski – Honjo
Martin Short – Kurokawa
Werner Herzog – Castorp
William H. Macy – Satomi
Darren Criss – Katayama
Mae Whitman – Kayo
Mandy Patinkin – Hattori
Jennifer Grey – Mrs. Kurokawa
Stanley Tucci – Giovanni Battista Caproni
Elijah Wood – Sone
Ronan Farrow – Mitsubishi Employee
Zach Callison – Young Jirô

March 9, 2014, 現時間 10:21 AM | コメント (0) | トラックバック (0)

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日付け → →March 8, 2014

最低賃金引き上げは失業率増加につながる

フロリダの高級リゾート地で休暇中のオバマ王は、最低賃金を引き上げれば2800万人の給料が上がると演説をぶった。オバマケアの大失態でも示されるように、オバマが勝手に引き出す数字は全く当てにならないだけでなく、最低賃金引き上げは非常に悪い方針である。

大学で経済学の初級クラスのエコノミクス101を取得しただけでも政府による価格規制がいかに自由経済の掟に反するかは理解出来る。今オバマ王が提案している連邦政府による最低賃金引き上げ($7.25から$10.10)はまさにこの価格規制にあてはまる。

自由市場におけるものの価格というのは、需要と供給によって決まるというのは常識。例えばソーダ1リットル瓶の価格だが、生産者がこのらいの値段なら経費も含めて利益が得られると考えた値段と消費者がこのくらいなら買ってもいいと思う値段が一致して決まる。今なら100円から300円くらいが相場だろう。だがそれを生産者がソーダ1瓶を1000円で売りたいと思ったとしても、消費者がそんな高い金額出すくらいなら麦茶ですましておけと思って買ってくれなかったらその値段は成り立たない。労働者の賃金にしても全く同じ。

ファーストフードの売り子の自給が現在700円から800円くらいで収まっているのは、雇う方も雇われる方もこのくらいならいいと合意しているからだが、自給700円の従業員を5人雇っている小企業の場合を考えてみよう。

単純計算で週40時間で700円かける5人だから一週間で14万円の人件費。これが、自給1100円になった場合22万円に上がる。その差の8万円は自給700円を保った場合の2.9人の人件費。人件費をそのままにして自給を引き上げた場合は3.2人分の賃金にしかならない。

となると雇用主はどうしたらいいのか。商売がうまく行ってるから従業員を2〜3人増やそうと考えていた人は、あ、駄目だコリャ、と諦めるだろうし、なんとかぎりぎりで5人雇っていた雇用主は2〜3人リストラしなければならなくなる。

雇用主が誰もリストラせずに人件費の値上がりを商品値上げで補った場合、せっかく自給が上がって喜んだ従業員たちは、商品の値段も上がるためその購買能力はそれほど上がらない。ファーストフード店やスーパーで売られる商品の値上がりで一番悪影響を被るのは、こういう場所で働いて最低賃金を貰っている低所得者なのである。

政府が人工的に値段だけ上げてみても、それを誰が払うかということを考えないと大変なことになる。政府規定の最低賃金が市場とほぼ一致している場合は問題はないが、そのずれがありすぎると市場はどこかで調整をとらなければならない。現にCBO, Congressional Budget Officeという議会の予算を計算する組織の予測によれば、オバマ提案の賃金引き上げは50万という失職につながるという。

アメリカ経済はオバマ王が大統領になってから非常な低迷を続けている。(全く偶然ではない)今年2月の調査によると、この2月はここ5年間で平均給料が一番低い状態にあるというのだ。自由市場の賃金が低迷状態にある時に最低賃金だけ政府が人工的に引き上げればどういうことになるか一目瞭然である。

もっともオバマ王も民主党もこの賃金引き上げ提案が議会を通るはずがないことは百も承知。共和党の下院が承認するはずがないからだ。オバマ王の狙いはそこにある。感情論が得意なリベラルは共和党がどれだけ冷酷非道な党かということを強調したいのである。

低賃金で苦しむ低所得者たちを相手に、毎日一生懸命働いているあなたがたは昇給されるべきである、とか、共和党はあなたがたの昇給を望んでいない、共和党は金持ちの味方で貧乏人のことなんか興味ない、といったようなことを言い続け、最初から実現できないことを提案しておいて共和党が常識的な反対をすることによって共和党を悪者扱い出来るというわけ。よく出来たお芝居である。

ところで、週ごとの賃金が下がっている理由は就業時間の短縮が大きな原因となっているという。としたら、ここで自給を引き上げれば従業員は就業時間を減らされ、事実上の減給ということもあり得る。いや、そうなると考える方が自然だ。現在最低賃金を貰っている労働者は、オバマの甘い言葉にやすやすと騙されてはいけない。賃金引き上げで結局一番馬鹿をみるのは彼らなのだから。

March 8, 2014, 現時間 9:54 AM | コメント (0) | トラックバック (0)

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日付け → →March 2, 2014

アンネの日記破損犯人はネトウヨそれとも左翼のやらせ?

もしかして、私自身も日本の左翼メディアに騙されて日本の保守派は反ユダヤだと思い込んでいた口かもしれないのだが、何となくネットサーフをしていたら日本の図書館でアンネの日記を破りまくってる変人がいるという記事を読んで、なんじゃらほい、と思ってしまった。

アンネの日記、破損相次ぐ 都内図書館で200冊超 2014.2.20 21:59 [事件・トラブル]

 東京都内の複数の図書館で「アンネの日記」や、その関連する書籍のページが破られる被害が相次いでいることが20日、分かった。日本図書館協会関係者によると、被害は200冊を超えるとみられる。誰が何の目的で行っているかは、分からないという。

 中野区立中央図書館によると、同書が破られているのが見つかり、警視庁中野署に被害届を提出。同署によると、2月上旬に被害届を受理した。被害に遭った本は、手で一気に破ったような跡があったという。

 東久留米市立図書館では、アンネの日記や、ナチスの強制収容所アウシュビッツに関連する複数の書籍が10ページほど破られているのが見つかった。練馬区や杉並区などの図書館でも同様の被害があったという。

今のところ犯人は確定していないようだが、ネトウヨとか日本ナチスの仕業だとかいう話がある一方、左翼や韓国人のやらせではないかといった憶測も走っているようで、いったいどういうことなのか解らない模様。

ただ私の偏見に満ちた考えから言わせてもらうと、犯人が日本の右翼だと決めつけるのはどうかと思う。何故かと言うと、日本でもアメリカでも右翼とか保守派の人と言うのは自分の考えを恥かしいと思っていない。だからもし彼らがユダヤ教徒が嫌いだと思っていたりイスラエル国家に批判的な考えを持っているとしても、ネットにしろ書物にしろ堂々と批判的な発言をするはずで、図書館の本をねちねち破るような卑怯な行為には出ないと思う。そんなことをしてみても右翼保守思想を推進することには全く役立たないからである。

それよりも、ネトウヨ諸氏が憶測するように、左翼リベラルが右翼保守のステレオタイプを利用して「彼らは歴史を否定する人種差別者だ!」と思わせるために企んだことなのではないか、という説のほうが納得がいく。特に慰安婦問題で大騒ぎしている韓国が最近旭日旗をナチスのスワスティカと同一視しようという動きがあることを考えると、日本の右翼保守は反ユダヤでありナチス思想を持っているという印象づけのためにしたことだというのはそれほど飛躍した考えとは思えない。

とにかくこんな卑怯な真似をする犯人はすぐに捕まえて罰してもらいたい。

March 2, 2014, 現時間 7:40 PM | コメント (3) | トラックバック (0)

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ベン・シャピーロ、UCLA生徒会のイスラエル叩きを阻止した男

最初に言っておく。カカシの読者の方々はすでにご存知だが、私は親イスラエル、親ユダヤ教徒である。私自身はユダヤ教徒ではない。ミスター苺とその家族はユダヤ系だが世俗主義で全く信心深くない。ミスター苺の妹とその婿は完全な左翼リベラルで民主党支持。

さて、二月だか三月だかは世界で「イスラエルによるアパルトヘイト」を非難する月なんだそうだ。実際イスラエルに組織的人種差別などないので、昔南アフリカ政府が行使していた人種差別システムであるアパルトヘイトなんて言葉をイスラエルに当てはめるのは全くお門違いであるばかりでなく、恐ろしく不公正な誹謗中傷と言える。

さて、世界のアンタイセマイト(ユダヤ人嫌いの人種差別者)らは、イスラエル攻撃のひとつとして、イスラエル産の製品をボイコットしようという動きを推進している。これはBDSと言われるもの。その嫌らしいサイトから引用すると、「イスラエルに対するボイコットと資本の引き揚げ、そして制裁措置を求めるキャンペーン」ということらしい。BDSに関する日本語のサイトはこちら。紹介するのも汚らわしいが、敵のすることには注意を払う必要があるので一応掲載しておく。

余談だが、興味深いことにこの間ドイツで行われた調査では、反イスラエルの思想を持つのはドイツの保守右翼ではなく、かえって主流な大学教授とかの左翼リベラル学識派が圧倒的に多いということだ。アメリカでもそれは同じ。アメリカのカトリックやプロテスタントのキリスト教信者はイスラエルの味方なのに、無宗教ユダヤ系の多い左翼リベラルによる反イスラエル/ユダヤ思想はよもや主流的な思想となっている。ヒラリー・クリントンやバラク・オバマのユダや嫌いは悪名高い。

さて、先日、カリフォルニア州立大学ロサンゼルス校、通称UCLAの生徒会が、このおぞましいBDSを推進する決議を行うこととなり、突撃ジャーナリズムで有名なブレイトバートニュースの花形記者ベン・シャピーロ氏は出身校のUCLAに乗り込み、この投票は平和主義だのパレスチナ解放だのとは名ばかりの単なるユダヤ人差別のイスラエル叩きでしかないと抗議した。シャピーロ氏の熱烈な演説が生徒会議員たちの心を揺るがしたのか、決議案は7−5で否決となった。

ベン・シャピーロはまだ20代の若手保守派。ロサンゼルスの放送局で朝番組のホストも勤めており、保守派のなかでも期待の新人。名前でも解る通りユダヤ系だが、頭には常にヤマカを付けている信心深いユダヤ教徒。

氏は先ず自己紹介をした後、BDSのような議決が出身校のUCLAで討論されるとは、今日ほど同窓会ブルーイン(Bruin)のメンバーであることを恥じかしいと思った事はないと演説を始めた。以下は私による意訳。原語の原稿は次ページに貼っておくのでご参照のこと。

これが占拠のことだとか、平和のためだとか、これがユダヤ人に対する醜く恐ろしい差別以外の何ものであるかのように振る舞うのはすべて嘘だ。

ここでイスラエルについて討論し、サウジアラビアについて語らない理由は一つしかない。ここでイスラエルについて討論し、イランについて語らない理由は一つしかない。ここでイスラエルについて討論し、パレスチナについて語らない理由はひとつしかない。

ここでイスラエルについて討論し、中東で毎日のように起きているイスラエルで起きていることなんかとは比べ物に成らない大規模な人権迫害について 語らない理由はひとつしかない。

この場でイスラエルを攻撃しているゲイやレズビアンの方々は、イランで彼らがどんな高いクレーン車から吊るされたかをお忘れのようだ。中東に置ける問題がすべてイスラエルのせいだとするリベラル派の方々は、中東において唯一つ他宗教を許容するのがイスラエルだということをお忘れのようだ。実際にアパルトヘイトを施行している国々は、Judenrein(ナチスドイツが使った『ユダヤ人抜き』という言葉)を行っている国々だ。たとえばパレスチナのように。

であるから、ここであたかもイスラエルのみが低い道徳的地位にあるとするのはユダヤ差別の直接的な賜物である。そしてユダヤ人のみに世界のどの国やグループにもあてがわない特別の道徳規準をあてがうことこそ、歴史上古くから続くユダヤ民族への憎悪に他ならない。

ここでBDSがそれ以外のものである振りをしている方々の中で、どれだけの人がユダヤ国家の存在を支持しているか、他のどのような国家とも違うユダヤ教国家の存在を認める人がどのくらい居るのか票をとってもらいたい。彼らは認めない。彼らはイスラエル国家の存在を認めていない。彼らはその存在を信じていない。彼らは平和など信じていない。これは極めて単純なユダヤ人叩きにすぎないのである。

関係ないかもしれないが、ベン・シャピーロ氏は、最近カカシがグレンデール市の韓国人慰安婦碑の問題でたまたまた知ったKAZUYA CHANNELのカズヤ君と似てるなあと思うとこがある。それは若手で保守で頭がいいというところがという意味。日本の保守は何故か意味なくユダヤ人嫌いな人が多いが、カズヤ君はそうでないことを祈る。

ちょっと考えれば一方的にイスラエルを責めるのがどれほど不公平かは解るはずだ。ブレイトバートニュースによると、少なくとも生徒会議員の一人はシャピーロの演説によって否決票を投じたとのことだった。投票は匿名投票で行われたが、これも最初は匿名でするかどうかで一晩中揉めたらしい。決議が否決された時は支持派の女性がヒステリーを起こしてすごいことになったらしい。そのビデオがユートゥーブで一時的に掲載されたがすぐに削除されてしまった。反ユダヤ派生徒もさすがに恥かしかったのだろう。

My name is Ben Shapiro. I'm an alumnus of this university I'm also a local talk show host on 870 [AM] in the morning, and I got out of bed and left my one-month-old baby there when I saw what was going on here tonight. I've never been more ashamed to be a Bruin. I've never been more ashamed to be an alumnus of this university than to see this divestment petition being considered at this level.

To pretend this is about occupation, to pretend this is about peace, to pretend that this anything other than vile, spiteful Jew hatred is a lie!

There is only one reason we are discussing Israel and not discussing Saudi Arabia. There is only one reason we are discussing Israel and not discussing Iran. There is only one reason we are discussing Israel and not discussing Palestine. There is only one reason we are discussing Israel and not discussing the vast bevy of human rights violations that happen every day in the Middle East, exponentially worse that what happens in Israel.

Any gay or lesbian that is targeting Israel in this room seems to have forgotten how high they hang gays from cranes in Iran. Every person of liberal bent who suggests that Israel is the problem in the Middle East seems to have forgotten that there is only one country in the Middle East that actually has any sort of religious diversity in it. The countries that are apartheid countries are those that are Judenrein[free of Jews] – like, for example, Palestine.

So, for us to sit here and pretend that Israel is somehow on a lower moral plane is a direct manifestation of anti-Semitism. And to hold Jews to a different moral standard than any other country or group on the face of the earth represents nothing but an age-old and historic hatred for the Jewish people. All the folks here who are pretending that the B.D.S is about anything other than that – I would like to see a poll of those folks, and see how many of them actually believe in the existence of a Jewish state, qua-Jewish state, not as a state like any other, but as a Jewish state. They don't. They don't acknowledge that existence. They don't believe in that existence. They don't believe in peace. All this is about, pure and simple, is a desire to target the Jewish people.

March 2, 2014, 現時間 11:06 AM | コメント (0) | トラックバック (0)

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日付け → →March 1, 2014

ロシアのウクライナ侵攻に無関心なオバマ王

ソチオリンピックでお祭り騒ぎをやっている最中に、ウクライナではロシアの傀儡政権に抵抗する市民と政府軍の間での紛争が勃発。政府軍が非武装の抗議デモ隊に発砲したことがきっかけとなり、数日間で抗議者と警察双方で何百人という死傷者を出す大紛争に展開。ヤヌコビッチ大統領は早々に首都のキエフを脱出。ウクライナは西欧よりのキエフとロシアよりのクレムリンと二分化するかに見える。そしてクレムリンにはいよいよロシア軍隊が侵攻!

シンフェロポリ(ウクライナ南部)=遠藤良介】軍事的緊張が高まっているウクライナ南部クリミア自治共和国で1日、ロシア軍がウクライナの対空ミサイル部隊を制圧しようと試みた。ウクライナの通信社が報じた。親ロシア派政権が崩壊したウクライナの政変は1日で1週間が過ぎ、ロシアによる軍事介入の可能性もはらむクリミアの情勢が焦点となってきた。

ウクライナの南東はロシア語を話すロシア系市民が多く居住しており、これらの人々を西側の反政府過激派から守るためという名目でプーチンはロシア軍二千兵をクレムリンに送り込んだ。

こんな非常事に、アメリカ軍総司令官はなにをやっているのかというと、、

ジョー・バイデン副大統領と背広姿でホワイトハウスをジョギング!

二人のジョギング姿はミッシェル夫人が率先している「レッツムーブ」という青少年肥満児対策を応援するものとして夫人のツイッターで紹介された。

ジョージ・W・ブッシュ前大統領の運動好きは有名で、朝のジョギングは通例だったため特にニュースにもならなかった。それを運動といえばゴルフばかりのオバマが71歳の副大統領をけしかけて背広姿でジョギングなんてしゃれにもならない。特にフィットネスでは超人みたいなプーチン大統領率いるロシア軍がクレムリンに侵攻したという大事な日に、なにをふざけたことやってんだ、と言いたくなる。

ホワイトハウス一週ジョギングを終えた後、オバマ王は「合衆国は国際社会と供にウクライナにおける軍事行使にはそれなりの代償があることを確認する。」と信じられないような控えめ発言。

政治評論家のチャールズ・クラウトハンマー氏は「ウクライナ人も含め皆オバマの弱腰発言にはショックを受けている。私としては愕然としている。」

氏によると、オバマの発言は行動にかかるまで二つの段階を踏まなければならないという。
つまり、1)「国際社会と供に」とは、十数カ国と相談してさらに弱めた提言の言葉使いを決定し、2)「代償があることを確認」とは軍事行使に置ける代償があるかもしれないよ〜という提言をするという意味で、軍事行使に対する代償を課すという意味ではないというのだ。

「つまり大統領は(この件に関しては)何にもしないと世界に発表したわけですよ。」

ああ、情けなや、、、

それではいったいウクライナでは何が起きているのか、次ページにまとめたのでご参照のこと。

では先ずは背景から

そもそも、ロシアに隣接するウクライナでは、2010年から続く親ロシア色の強いヤヌコヴィッチ政権に対する野党陣営の不満が高まっており、ウクライナの将来的な欧州連合への加盟を希望する多くの市民も政権に対するフラストレーションを抱えていた。

 そして昨年11月21日、ヤヌコヴィッチ大統領はすでに仮調印を済ませていた欧州連合との貿易協定を見送る決定を下した。これが引き金になった。

これまでのいきさつ

2013年
11月21日:ビクター・ヤヌコビッチ政権がヨーロッパ連合との関係を強化するという約束を破棄し、代わりにモスクワとの関係を深めたいと発表。怒った市民が抗議のため街頭に繰り出す。

11月30日:機動隊が抗議デモ参加者に暴力的に35人を逮捕。警官によって血みどろに殴られた市民の姿が国内に広がると抗議者たちを支持する動きが高まった。

12月1日:30万人の市民が抗議デモに参加。キエフでは2004年のオレンジ革命始まって以来の大規模な集会となった。ついに武装した抗議者たちがキエフ市議会場を占拠するに至った。

12月17日:ロシアのブラディミア・プーチンはモスクワはウクライナの$15 billion あたりの国債を購入し、ウクライナのロシアからの自然ガス購入値段を大幅に減らすると発表。プーチンは特に見返りを期待していないと主張。

2004年
1月22日:抗議者二人が実弾に打たれて死亡。三人目も警察とデモ隊の争い中に死亡。抗議者からの最初の死亡者となる。

1月28日:総理大臣辞任、議会は抗議者を厳しく取り締まる新法を撤去。危機を乗り越えようとした。

1月31日:1/22から行方不明になっていた抵抗軍の活動家デミートロ・ブラトブがみつかる。体中傷だらけで右耳を切り取られていた。ブラトブは親ロシア系グループに誘拐され拷問されたと見られる。反政府派の間ではロシア系非公式グループが反対派を威嚇しようと活躍しているという恐怖が蔓延した。

2月16日:反政府派活動家は拘留されている234人の抗議者の釈放と交換にキエフ市議会場の占拠を終了した。抵抗運動が平和的に解決されたかに見えた。

2月18日:市街地での衝突で26人の抗議者と10人の警察官が死亡。何百人という負傷者が出た。 これは抗議者が警察の列に火炎瓶を投げ、議会の外で放火したことがきっかけだった。抗議者たちは議会において大統領の権限を規制する話合いが進まないことや、ヤヌコビッチ大統領とロシアとの歩み寄りに猜疑心を持ったことへの不満から暴力に出たのだが、これに対抗して機動隊が出動。紛争は激化してしまう。

2月20日:休戦合意長後、抗議者と警察との激しい闘争が起きる。双方で何百人という犠牲者が出る。

2月22日:ヤヌコヴィッチ政権が崩壊し、治安部隊も撤退した。「国会は22日、大統領の解任と15年3月に予定した大統領選を前倒しして5月25日に実施する決議を採択した。ただ、決議の合法性には疑問が残り、大統領選では現政権の支持基盤である東・南部が投票をボイコットする可能性がある。大統領選が実施された場合、ヤヌコビッチ大統領と新たに選出される大統領の二人が並立。国内は東西地域が完全に分裂した形となり、「二重権力」の状態になる。(日本経済新聞)

3月1日:ロシア軍、ウクライナのクレムリンに侵攻

March 1, 2014, 現時間 11:29 AM | コメント (0) | トラックバック (0)

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