February 21, 2014

尖閣奪取想定の訓練をやる中国が米主催国際海軍合同演習に参加する意味

最近中国が尖閣奪取を想定した大規模な軍事訓練をしているという記事を読んだ。近隣諸国を想定敵国とするということには非常な危惧を覚えるが、責められて来たらどう防御するかではなく、実際に敵国の領土を占領しようという作戦というのは、嫌がらせの域を出ている。

ワシントン時事】米太平洋艦隊の情報戦部門を統括するジェームズ・ファネル大佐は、中国人民解放軍が東シナ海で電撃的に日本の自衛隊を打ち破り、沖縄県・尖閣諸島や琉球諸島南部の島しょ群を奪取する作戦を想定し、訓練を行っているとの見方を示した。米カリフォルニア州で2月13日に開かれたシンポジウムで明らかにした。

 大佐はこの中で、昨年秋に人民解放軍が4万人以上を投入して東シナ海で実施した大規模演習「使命行動」に言及。「人民解放軍は、東シナ海で日本の部隊をせん滅する短期集中戦を遂行できるよう、新たな任務を与えられた。作戦後に予想されるのは尖閣諸島、さらには琉球諸島南部の奪取だ」と警告した。(後略) 

さて、その中国が何故か今年の6月か7月頃に行われるアメリカ海軍主催のリムパック(RIMPACーRim of the Pacific Exercise)という諸外国の海軍を招待した大規模合同演習に参加するという話だ。去年防衛省のパネタ長官が訪中した際に直々に招待したというのだから呆れる。なんでアメリカが中国を同盟国みたいに扱うのだ?

アメリカのこうした歩み寄りに対して、中国が感謝の意を表しているかというと全くそうではない。アメリカの姿勢を弱腰と見下した中国は、東シナ海上空域に防空識別圏なるものを勝手に設定したり、去年の暮れバイデン副大統領が東洋訪問中には中国揚陸艦が米軍巡洋艦に突撃してきたという事件まで起こしている。

 

バイデン副大統領は安部首相との会談をはじめとする日本訪問を終えて中国で習近平国家主席と会談したあと、12月5日に韓国に到着した。ちょうどその日、南シナ海で事件が発生した。

 南シナ海で訓練中の中国海軍空母「遼寧」を、アメリカ海軍ミサイル巡洋艦が公海上で監視していたところ、中国海軍軍艦が停船要求信号を発しながら衝突危険距離まで急接近した。そのためアメリカ海軍巡洋艦は緊急回避行動を取り、衝突を回避した。

 この事件は、バイデン副大統領の中国訪問中は、必要以上に米中間緊張を煽らないために公表されなかった。バイデン氏がアメリカに戻り、日本で日本-ASEAN特別会議が開催されている時期に合わせた形で発表された。今度はアメリカ政府が、中国の脅威を受けている日本そしてASEAN諸国に対中非難声明を発することを期待したようである。

「必要以上に米中間緊張を煽っている」のは中国の行動ではないか?そういう行為は即座に糾弾すべきではないのか?それをしないからアメリカは甘く見られるのだ。

今現在世界各地で起きている紛争、シリアやエジプトにしろ、最近ではベネズエラやウクライナでの紛争にしろ、すべて弱いアメリカが作り出した現象である。世界各国の独裁者たちは自分らが何をやってもオバマのアメリカが仲介する可能性はゼロと判断した。それは先代のブッシュ大統領が必死に闘ってやっと勝ち取った勝利をあっさりと投げ出してしまったイラク・アフガニスタンでの戦争にしろ、化学兵器を自国民に使ったシリアのアサド大統領に、兵器を処分しなきゃ承知しないぞと口だけで何もしなかったことや、核兵器開発を続行しているイランに対し無条件で経済制裁を辞めてしまったことなど、世界はオバマの弱腰外交をはっきり感じ取っているのだ。

こんな大事な時にオバマ王はなにをしているのかといえば、おふらんすのフランコ・ホランデ大統領を招いて豪勢な晩餐会を開いていた。しかもミッシェル夫人は宝石を着飾らせ、豪勢なテーブルセットの前に座らせた二匹の犬の写真をツイッターで公開。景気が悪くオバマケアで保険を失ったり失業したりしている国民が何百万といるのに、こういう無神経な写真を平気で公開できるというミッシェルの神経は、「パンが無ければケーキを食べれば、、、」とかいう誰かさんそのもの。

February 21, 2014, 現時間 10:03 AM

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コメント

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下記投稿者名: oldman

オバマは日本との同盟を打ち切り、中国と仲良くしたいと考えているのかもしれません。経済的メリットが大きいという判断でしょう。しかし、中国は善良な国家ではありません。それが性善説を信じるリベラル(日本もアメリカも)には理解できないのでしょう。

ダボス会議で中国の好戦的な本音が露骨に示されました。
http://www.businessinsider.com/china-japan-conflict-could-lead-to-war-2014-1

http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20140217/frn1402171603006-n1.htm


以下は記事の一部を引用:
「世界戦争も辞さず」に凍りついた会場 ダボス会議で出た中国の“本音”:
米ウェブニュース「ビジネスインサイダー」の共同代表、ヘンリー・ブロジェット氏が1月22日付で掲載した。

 舞台は非公開で開かれたディナー会合。各テーブルでマイクを回し、出席者は関心事について簡潔な質疑ができたという。

 記事によると、この専門家は日中間の対立の背景を安倍晋三首相の靖国神社参拝に結びつけ、「戦争犯罪者を崇拝する行為で、クレイジーだ」と非難。一方、中国が日本を攻撃することで米国と事を構える事態は好ましくないとも述べた。

 ところが驚くべきことに、「多くの中国人は、尖閣諸島への侵攻で軍事的な優位を見せつけ、このシンボル的な島を完全に支配できると信じている」と発言。尖閣諸島は限定的な侵攻で、国境紛争を引き起こすことなく支配が可能との考えを示唆したという。

 さらに、尖閣侵攻は日本、中国ほか他の国々に対し、誰が強者なのかを示すシンボリックな価値があるとし、「日米の軍事的な対処で事態が大きな戦争につながっても、さほどひどいこととは思わない」という旨を述べたという。

 テーブルの出席者は静まりかえり、マイクを握った参加者の1人が「岩だけで価値を持たない島のために世界戦争を起こす可能性を認識しているのか」と質問したところ、この専門家は「理解している」と回答。尖閣諸島はシンボル的な価値があると繰り返した。

上記投稿者名: oldman Author Profile Page 日付 February 21, 2014 7:06 PM

下記投稿者名: mhgt

岩だけの問題じゃないんです。

根本的な領土問題。領土と言うと土地を考えがちですが、半年前のニュースでこれから石油に代わりえるであろうエネルギー源の燃える氷だったかな?が、日本の近くで発見、開発されてる訳です。

これまで言うとお察し出来ると思いますが、石油に代わるエネルギーが海底から見つかるのなら・・領土問題にも関わってくるんです。今の所、この開発研究は日本が進んでいます。

日本は島国ですが、海領域は結構広い国です。

戦争の初めは、全てエネルギー源です。

この開発が進む将来性で、戦争に発展する事もあるでしょう。
その時、日本のおかれる立場で、私は歴史を確認して行きたいと思ってる輩です。

上記投稿者名: mhgt Author Profile Page 日付 February 24, 2014 12:59 PM

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