日付け → →June 17, 2012

気張り過ぎ、きれいだけど中身が薄いスノーホワイト

もう一つの「白雪姫」は「スノーホワイトアンドザハンツマン」(白雪姫と漁師の意、邦題はスノーホワイト)公式サイトはこちら

シネマトゥデイの紹介から、

世界中で愛されているグリム童話「白雪姫」を大胆にアレンジした、白雪姫と女王が死闘を繰り広げるアドベンチャー。戦術とサバイバル術を身に付けた白雪姫ことスノーホワイトには『トワイライト』シリーズのクリステン・スチュワートがふんし、『モンスター』のシャーリーズ・セロン、『マイティ・ソー』のクリス・ヘムズワースが共演。メガホンを取るのはCMディレクター出身のルパート・サンダーズ。オリジナリティーを加えたストーリーはもちろん、白雪姫の斬新なイメージを演出するスタイリッシュな映像やファッションも要チェックだ。

実際にこの説明通りの映画だったらかなり面白いものになったと思うのだが、「スタイリッシュな映像やファッション」という以外にはあんまり観るところがないと言うのが正直な感想。シネマトグラフィーは最高だし、豪快なシーンも多く、確かにみかけは美しい。登場人物の演出も演技も格好よくクールである。だが、あまりにもクールに見せようするのが先走って、人格や人間関係の形成が不十分である。

前記のミラーミラーと同様、主役はどちらかというと白雪姫演じるスチュワートより、王妃のシャリーズ・セロンのほうで、こっちのほうが断然得な役だ。しかし、セロンの美貌は申し分ないが、彼女の演じる役柄自体にはかなり問題がある。

先ず王妃が魔女であるという設定がはっきりしない。子供の頃何かのいきさつで魔女になったらしいという回想シーンが映画のところどころで出て来るが、はっきり言って王妃は最初から魔女だとして、過去のことなど見せない方がややこしくなくてよかったと思う。彼女の過去はあまり映画の主題とは関係ないからだ。

また、王妃の魔女としての力があやふやである。王妃が変装と毒使いの名人であることは童話でも描かれているが、セロン王妃は何百羽のカラスに化けて空を飛んだり、遠距離に居る人間に魔法をかけたり、ガラスの兵士らを操ったり、若い乙女の生気を吸って若さを保ったりと、あまりにも色々で出来過ぎる。また、ナイフで刺されても死なない不死身でもある。

それはそれでいいが、だとしたらいったい白雪姫はどうすれば王妃を倒すことが出来るのか、そのへんの説明が必要だ。明らかに普通のやり方では王妃を殺すことは出来ないのだから。

私が非常にまどろっこしく思ったのは猟師と白雪姫との関係だ。原作では漁師は王妃から姫を殺せと命じられる。そしてその証拠として姫の心臓を持ち帰れと。だが土壇場で姫の可憐な姿を哀れに思った猟師は姫を逃がしてイノシシの心臓を持って帰る。

予告編を見る限りでは、この映画の猟師(クリス・ヘムスワース、Chris Hemsworth)は単に白雪姫を哀れと思うだけでなく、その美しさに打たれて姫に恋をするという印象を持つ。しかし、ヘムスワースの猟師は特に白雪姫の美しさに圧倒された風でもない。王妃のやり方が気に入らずに姫の味方として寝返るまではいいが、命がけで白雪姫を救おうとしたり、ましてや姫に恋心まで持つようになるという動機や過程がはっきり描かれていない。白雪姫は確かに美しいが、それ以外には猟師に恋心を抱かせるような特別な魅力を感じさせないからだ。

スノーホワイトの白雪姫は王妃によって塔の牢獄に何年も幽閉されている。牢獄は汚く、姫はぼろを着て大したものも食べさせてもらえていない印象を受ける。そのお姫様が、王妃の弟フィン(Sam Spruell)の隙を付いて逃亡し、追っ手の手を逃れて下水道に滑り込み、崖っぷちから海に飛び込んで逃げきるなど、プロのスタントマンでも出来そうもないことを十年近くも牢獄で幽閉されていた小娘がやってのけるのは不自然。

これが、王亡き後、王妃に無視されていることをいいことに、姫が森で女の子らしからぬ運動神経を見せて飛び回っている姿などを見せていれば、いざという時に姫が軽業師よろしく王妃の手からすり抜けるというのも納得がいくのだが、そういう下敷きがされていないので姫の運動神経は不自然である。

王妃の手を逃れて森に逃げ込んだ後、白雪姫は姫の刺客からボディガードへと寝返った猟師とともに隣国で亡き王の残党を集めている前国王の重臣バース(Ian McShane)の元へむかう。その途中に女性ばかりの村を訪れたり小人達と出会ったりする。

だが、この旅の部分は無駄が多い割には、必要な話の展開が不足している。

この旅の間で必要なのは、猟師と白雪姫の間になんらかの感情が生まれること、白雪姫が森でのサバイバル術や格闘技などをまなぶこと、そして小人達との友情を育む事、である。

私は予告編を観た時に、白雪姫が猟師に連れられて森に逃げた後、小人たちに救われ小人達から数年に渡って牛若丸さながら戦術を学んだ後、いざと言う時は兵を上げようと待ち構えていた前国王の残党たちと合流して時期を計って王妃に反旗を翻すようになる、という展開を期待していた。

だが、そうしたことは一切おきず、意味も無くやたらに怪物が現れたりキリスト教の象徴の白い鹿が現れたり妖精が飛び回ったりして時間を無駄にし、それがストーリー展開に全く結びついていない。

途中で再会する幼なじみのウィリアム(サム・クラフリン)との関係も今ひとつはっきりしないし、亡き王の残党が何故小娘の白雪姫に従がって不死身の女王と闘う気になれるのか、白雪姫の演説だけでは全く説得力がない。

ここでもし、隣国でバースと合流した白雪姫が戦略師としての才能を見せ、次々に小さな戦闘に勝ち抜き、遂に王妃の国に攻め入るというくらいのことをしてくれれば、何故軍隊が白雪姫に従う気持ちになれるのか納得がいく。

白雪姫の指導力は別に武術でなくてもいい。いや、かえって武術などではなく、なにか魔法のような力で、不死身の王妃も白雪姫のその力でのみ倒す事が可能である、といった設定があると面白い。

だが、これらのことでストーリー展開が面白くなったとしても、この映画には一番重要なものが抜けている。

白雪姫の童話で一番大切なのは、毒リンゴを食べて昏睡状態に陥った姫を王子様の愛情を混めたキッスが救うというもの。それがなければ白雪姫とは言えないのだ。

だが、スノーホワイトではその肝心な王子様の存在がない。

ミスター苺いわく、何百年にも渡って生き残って来た童話にはそれなりの力強さがある。それをドラマチックに書き直そうとすることに自体に無理があるのだと。『そんなことをせずにオリジナルの映画を作ればいいじゃないか、、』

ミスター苺、それをいっちゃあおしまいよ。

June 17, 2012, 現時間 1:28 PM | コメント (0) | トラックバック (0)

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SFの魅力たっぷり、シリーズ最高の出来。メンインブラック3

久しぶりにスカっとする映画を観た。今日の映画はシリーズ第三弾目のメンインブラック3

シリーズの第一話は結構アイディアが斬新で面白いと思ったが、二話目はあまり記憶にない。別に好きでも嫌いでもなかった覚えがある。しかしこの第三話目はこれまでで最高に面白いストーリー展開になっている。特にSFファンには非常に楽しめる魅力ある作品だ。

あらすじ:話はトミーリー・ジョーンズ扮するエージェントKが40年前に逮捕してずっと月の刑務所で臭いメシを食っていたボリス・ザ・アニマル(Jemaine Clement)が刑務所を脱走するところからはじまる。ボリスはタイムマシンを使って40年前にもどり、逮捕される前にエージェントKを殺そうと企む。アニマルが脱走したと聞いて何時になく動揺するKを見て、ウィル・スミス扮するKのパートナー、エージェントジェイは、口の固いKから事情を引き出そうとするのだがまるでだめ。

その晩Kが真夜中にジェイに電話をしてくる。何か言いたそうなのに口ごもるKに、苛立ったジェイは電話を切ってしまう。ところが翌日出勤したオフィスにはKの存在がまるでない。Kの存在を主張する現所長のエージェントO(エマ・トンプソン)は、Kは40年前に殉職していると語った上で、会った事がないはずのKを覚えているジェイは、もしや時空間にはまっているのではないかと説明する。Kをもとの次元に連れ戻すためにはジェイ自らが時間を溯ってKがボリスに殺される前にKの命を救う必要があるのだ。

これが話の設定で、映画の大半はジェイが溯った1960年代のアメリカが舞台になる。若い頃のKを演じるのはジョッシュ・ブローリン(Josh Brolin)。正直言ってトミーリー・ジョーンズの若い頃よりずっとハンサム。しかしジョーンズのエージェントKの訛りや癖がそっくりそのままのブローリンのKに会ったジェイが、ブローリンがすぐに若い頃のKだと気がつくのは納得がいく。

ただ、若いKは老人のKより表情も豊で笑顔も見せる。特に好きな女性、若いエージェントO(アリス・イブ)の話をする時なんかはハナの下を伸ばしてデレデレである。そんなKを観て「まったく何があったんだよ。」と首をかしげるジェイ。

タイムとラベルをして現れたという人間を過去の人間が信じるためにはそれなりの心構えが必要だが、KはもともとMIBの人間。普通の人間が信じられないような宇宙人の存在を知っているし、1960年代の地球の技術では考えられないような高技術を常に使って仕事をしている。だから厳重機密のはずのMIBのことを熟知しているジェイが未来から来たと言えば、それほど信じ難い話でもない。

この話は1980年代に大人気を得たやはりタイムとラベルを扱ったバックトゥーザフューチャーシリーズを思わせ、非常によく出来たSF映画だ。

冒頭のシーンに現れるトミーリー・ジョーンズはかなり年老いて見え、現場のエージェントをやるにはちょっと無理があるように見えたので、時代を溯って若いエージェントKが現れるという設定はうまいなと感じた。特にブローリンの演技がいいので違和感がない。

是非おすすめである。

June 17, 2012, 現時間 12:40 AM | コメント (0) | トラックバック (0)

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日付け → →June 16, 2012

ふたつの白雪姫、バリウッド対ハリウッド、まずは「白雪姫と鏡の女王」から

最近続けてグリム童話の「白雪姫」を原作とする映画の公開があったので、カカシも早速観て来た。ふたつの映画はターセム・シン監督のミラーミラー(邦題:白雪姫と鏡の女王)とルパート・サンダース監督のスノーホワイトアンドザハンツマン(邦題:スノーホワイト)である。(何故邦題を『白雪姫と猟師』としないのか不思議)

日本ではスノーホワイトの方はふき替え版などもあって、もうすでに公開になっているが、何故かミラーミラーのほうは9月公開になるらしい。

何故同じ時期に同じ題材の映画が続けて制作されたのかは解らないが、同じ題材を使ったにも関わらず捉え方はまるで違う。ただ双方とも白雪姫より意地悪継母の王妃の方が得役になっていて、特にミラーミラーのほうのジュリア・ロバーツの演技はさすがである。

ストーリーはどちらも原作の筋に沿っている。白雪姫の父親の王が二度目の妻を娶った時から何かが起きる。父親は死ぬか姿を消すかして数年後の今は継母である父の後妻が女王として国を仕切っているが、魔女である継母の魔力によって国全体が黒く枯れた状態になっている。

シン監督のミラーミラーは最初からコメディタッチで描かれており、確かにロバーツの王妃は魔法使いではあるのだが、国が貧乏で破産状態なのは特に彼女の魔力のせいではなく、単に彼女の贅沢三昧な無駄使いが原因。しかも特に経済立て直しの政策も立てず、単に足りない分はすでに理不尽な税金で飢えている庶民からさらに税金を取り立てるしか脳がない、まるでオバマ王みたいな王妃である。

ロバーツ王妃は日がな夜がな自分の美しさを磨くことと贅沢三昧な暮らしをすることにしか興味がなく、しょっちゅう鏡の前に立って「鏡よ、鏡よ、この国で誰が一番美しい?」とやっているわけ。王妃が偶然現れた隣国の王子アーミー・ハマーと結婚しようと必死に美容に励むシーンは笑える。猟師役を演じたブロードウェイ役者、ネイソン・レーンとの絡みもおもしろい。

さて、この鏡とのやり取りなのだが、ロバーツ王妃の鏡に写るのは王妃の分身で、ディズニー映画の低く深い男性の声とは大違い。鏡とのやり取りも、割と普通の女性が鏡を観ながら「あらやだ、私、皺が増えたかしら、、あら、これシミかしら、、」とやってるのとおんなじ感じで、それに答える鏡の分身が結構意地悪で面白い。

白雪姫を演じるリリー・コリンズは愛らしく、いかにも白雪姫という感じがする。ミラーミラーは白雪姫が猟師(ネーサン・レーン)によって森に置き去りにされるところまでは原作にかなり忠実だ。しかしリリー姫が森の小人達に会うところから、ストーリーはグリム童話からはなれていく。

童話の方では、白雪姫が小人達の家に住むようになり家事などをして小人達と家族のようになるが、映画の方では小人達から武術を教わる弟子となる。このへんの訓練は昔のカンフー映画を思わせるが、訓練を通じて姫と小人達の交流が深まり、原作同様姫と小人達の間には深い友情が生まれて行く。これはディズニー映画で姫が歌いながら動物たちも一緒に「さあ仕事だよ」といって掃除したりするシーンと同様ほほえましい。

小人達に鍛えられたリリー姫は、最初に森に現れた頃のように単に可憐で世間知らずのお姫様ではない。姫がまだ生きていることを知った王妃からの攻撃にも、ハンサムなプリンスチャーミングを待っているほどか弱くもない。

ところでアーミー・ハマー演じる王子様だが、原作では老女に化けた王妃からもらった毒リンゴを食べた白雪姫を救うことになっているが、アーミー王子は顔はいいけどかなりのドジ。最初に登場する場面でもお付きと一緒に盗賊に襲われ身ぐるみはがれてステテコ姿で木からつるされてしまう。ロバーツ王妃の魔法にかかって犬みたいにそこいら中を嗅ぎ回ったり、リリー姫を救おうと閉ざされた扉に体当たりするのはいいが、扉が重過ぎて全然開かずにふーふーいったりするシーンなど、全然恰好よくない。

一番笑ったのは、最後のシーンでリリー姫がバリウッド映画さながらに全く場違いな歌を歌いだし、完全にバリウッドミュージカル風に回りのひとたちと踊るシーン。な、なんなんだ、これは、と思ったら何の事はない。監督がバリウッド出身のインド人監督だった。

床に転げ落ちて笑うような喜劇ではないが、全体的にほんわかした気分になる映画。日曜日の午後に家族連れで行くにはよいのではないかな。

June 16, 2012, 現時間 10:20 AM | コメント (0) | トラックバック (0)

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日付け → →June 10, 2012

レイ・ブラッドベリーがカカシから漫画本を奪った夜

数日前、科学空想小説SF作家の大御所レイ・ブラッドベリー氏が亡くなった。カカシはブラッドベリーのファンというほどではなかったが、SF好きの妹がファンでうちに結構ブラッドベリー著の本があった。後に漫画家の萩尾望都さんがブラッドベリーの「ウは宇宙のウ」を漫画化した本を私は妹からもらって持っていた。

実はカカシはブラッドベリー氏に数回会った事がある。私の住む市にはSFの古本屋さんがあり、ブラッドベリー氏は晩年ちょくちょくその本屋でサイン会を開いていた。しかし私が氏に最初にで会ったのは、かれこれ10年くらい前、うちの近所にある地方劇場でブラッドベリー著の映画にもなった「華氏451度」が芝居化され舞台上演されたのを観に行った時である。

ミスター苺の友達で、自称ブラッドベリーの一番弟子、その名も先生と同じブラッドから、初日は脚本家のブラッドベリ先生も来るから観に来ないかと言われてミスター苺と観に行ったのである。

ブラッドべリーほどの大御所SF作家が自ら脚本を書き、30年前とはいえ(映画は1966年)映画にもなって人気のあった作品の芝居化なのだから、何もお弟子が切符を売りさばく必要もないだろうと思うが、実は結構地方劇団の経営は苦しく、多分ブラッドも何枚かチケットを売るよう義務付けられていたのだろう。

ブラッドベリーの大ファンの妹のためにサインをもらっておこうと、私は氏の邦訳本と萩尾さんの漫画本を持って行った。当時もう80歳を越していた氏は、見た目もかなりお年寄りと言う感じだった。芝居が始まる前の劇場のロビーで、ブラッドベリー氏はファン達に囲まれ、ファンが持って来た著書にサインしていた。私もサインしてもらおうと話かけると、氏は私の持って来た漫画本を見て「それは何だね」と聞いた。「『ウは宇宙のウ』を漫画化したものですよ。これにサインしていただけますか?」と私が答えると、私の英語の発音が悪かったせいなのか、氏の耳が遠かったせいなのか、氏は私の漫画本を手にとりぱらぱらとめくったあと、「ありがとう」と言って漫画本を懐に仕舞ってしまった。

「え?違うよ、プレゼントじゃないよ」と思ったのだが、ブラッドベリ大先生に「違います、サインして返してください」とも言えずにぐずぐずしていたら、おつきの人が来て氏はさっさとおつきに乗っていた車いすを押されて客席の方に行ってしまった、私の漫画本を持ったまま。

しょうがないので、自称一番弟子に「先生に漫画本を取られた。返してももらって欲しい」と言うと「お芝居の後で聞いてみる」と言われた。

私は「華氏451度」の映画はだいぶ以前にテレビで観た事があったが、その内容はほとんど覚えていなかったで、お芝居は面白かった。地方劇団だったせいか演技は今ひとつだったが。

さて、お芝居が終わってからお弟子が戻って来て「これから先生と役者さんたちと、みんなで食事に行くから、一緒においでよ。お酒が入れば言い出しやすいし」という。まったくこのお弟子は普段はブラッドベリ氏先生とはつーかーだとか自慢してるくせに、本を返してくださいの一言もいえないのか、全くしょうがないなあ。

しかし、ミスター苺も私も翌朝早くから仕事で夜遅くまで食事などしている余裕はなかったので、ブラッドに頼んで本は後で返してもらうことになった。

しかしブラッドは結局先生に漫画本はプレゼントではなかったとは言い出せなかったらしく、本は結局返って来なかった。

数日後ブラッドがうちにただメシを食いに来た時(当時ブラッドは売れない作家でいつもうちに食事をしに来ていた。)ブラッドは、「漫画本はだめだったんだけどさ、替わりに先生がこれ渡してくれて、漫画本のお礼だからって」と言われてもらったのがサイン入りの「たんぽぽのお酒」という自叙伝だった。

実はカカシはまだその本を全然読んでいない。後でその話を妹にしたら、妹は大笑いして、「漫画本はまた送ってあげるよ」と言ってくれた。

氏の遺品を整理している家族の方は、私の漫画本を数ある氏の本のなかから見つけただろうか?

ブラッドベリー氏の凶報を聞いて、思い出した一場面であった。

June 10, 2012, 現時間 8:36 PM | コメント (0) | トラックバック (0)

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ウィキリークなんて問題じゃない、オバマ王自ら国家機密漏洩の疑い強まる

この間、ニューヨークタイムスがイランの原子爆弾施設で起きているサイバーアタックは、アメリカとイスラエルによる共同作戦だったという記事を掲載したことで、国家機密の漏洩がオバマ王を格好よくみせるためにオバマ王自らがホワイトハウスから漏らしたのではないかという疑いが強まっている。下記日本経済新聞より

米政権に機密漏洩疑惑、超党派で批判 大統領「侮辱」 2012/6/9 10:35

 【ワシントン=芦塚智子】米政府のイランに対するサイバー攻撃計画を暴露した米紙の報道などを巡り、政権内部からの機密漏洩の疑いがあるとして超党派の批判が強まっている。オバマ大統領は8日の記者会見で、故意の機密漏洩があったとの批判は「侮辱的だ」と反論。徹底的な調査を表明した。連邦捜査局(FBI)も捜査を始めたもようだ。

 問題となっているのは、1日付のニューヨーク・タイムズ紙のサイバー攻撃計画報道に加え、大統領がテロリストの殺害対象者選定に深く関与しているとの同紙記事や、中央情報局(CIA)が爆弾テロ計画を未然に防いだとのAPの報道など一連の「特ダネ」報道。

歯に衣を着せない性格のジョン・マケイン上院議員(共和)が、『これらの報道の全てが大統領を強く決断力のある指導者に見せる効果があると指摘。11月の大統領選に向けた意図的なリークではないか』といって特別検察官による捜査を呼び掛けている。共和党のマケインが言うのは理解できるが、民主党で上院情報委員長を勤めるダイアン・ファインスタイン女史(民主)もホワイトハウスにはカンカンである。もしも本当にマケインが言うように、オバマが自分の箔を付けるために国家機密を漏らしたとしたら、とんでもないことだ。

オバマ王が国家機密を漏洩したのはこれが最初ではない。オサマ・ビンラデンを海軍特別隊のシールが暗殺した時も、パキスタンにおいてアメリカがどのような作戦をとっていたのか、パキスタン市民の協力者の名前まで連ねて公開してしまった。おかげで親米と見られたパキスタン市民がパキスタン政府から背信者扱いされて大変な目にあっているという。

一連の漏洩に関してオバマ王は、そんなことは有り得ない、ホワイトハウスが意図的に国家機密を漏らしたなどという示唆は侮辱的である、と否定しているが、ニューヨークタイムスの元の記事にホワイトハウスで行われた会議の模様が掲載されており、その場に居合わせたとされる人間により、誰がなにを言ったかまで詳しく書かれているのだ。

たとえば、2010年にイランに流したサイバーワームが間違って逃げ出し、アメリカ産であることが明らかになるという事件が起きた直後、ホワイトハウスの状況室と呼ばれる会議室では、大統領と副大統領、中央諜報部のパネタ局長などが集まって会議が開かれた時のことなど、

「これ(サイバー攻撃作戦)は閉鎖すべきか?」とオバマ氏は訊ねた、と会議室に居た国家機密チームのメンバーは語っている。

記事のあちこちに、大統領がこう言った、ああ言った、という話がその場に居たという人間の口から語られており、これがホワイトハウスのメンバーではないというなら誰だったのだということになる。それに、このふたつの記事が掲載されたのが5月30日と6月1日と10日近く前なのに、オバマやホワイトハウスから『そんな事実はなかった』と否定する声明は出されていない。NYTの記事が真実であるなら、明らかにホワイトハウスからの漏洩であり、その漏洩がオバマ王の命令ではなかったというのなら、ホワイトハウス内部にスパイがいることになる。

エリック・ホールダー司法局長は特別検察官二人を任命し詳細を調査する旨を発表したが、、マケイン議員はホールダー局長のこれまでの仕事ぶりからいって、この件に関してもきちんと捜査できるかどうか当てにならないと痛烈に批判している。

「ホールダー氏は議会では信用度が全くない。迅速克つ猛烈作戦の件でも、アリゾナで国境警備員が殺されるに至った情報をずっと隠蔽している。法廷侮蔑といってもいいくらいだ。

「この情報は政権から出たものに間違いない。他から出ようがない。 「大統領自ら漏らしたのではないにしろ、総司令官として責任がある。」

バラク・フセイン・オバマはアメリカの歴史始まって以来最悪の大統領でとして歴史に残る事間違い無しである。オバマがアメリカを崩壊してしまわないうちに、なんとか大統領の座から追い出さねばならない。

June 10, 2012, 現時間 1:09 PM | コメント (0) | トラックバック (0)

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日付け → →June 9, 2012

保守派ブロガー達を闇に隠れて脅迫し続けた凶悪左翼テロリストの悪行遂に明るみに!

爆弾テロリストとして前科ある自分の過去を必死に隠し、いまや左翼市民団体基金の経営者として、左翼実業家で億万長者のジョージ・ソロスや往年の歌手で左翼リベラル運動家のバーバラ・ストライサンドなどからも資金援助を受け、自分の過去について報道しようとしたジャーナリストや保守派ブロガー達を悪質なやり方で脅迫し続けて来た男の話が、やっと主流メディアで取り上げられるようになった。

この男の名前はブレット・キンバーリンという。この男による数々の脅迫の話は以前にもちょっとしたが、なかでも他人になりすまして「妻を殺した」と警察に電話し、標的の家にスワットチームを送り込むという、いわゆる「スワッティング」が話題になり、先ずはFOXニュースがキンバーレンとの関係には触れずにスワッティングについて取り上げ、次に上院議員達の間で司法局が違法なスワッティングについて取り調べるべきと発表したことについてABCが、そして自局の出演者が実際にスワッティングの被害にあったCNNでは、キンバーリンとの関係性についても被害者のエリック・エリクソンの口から報道された。

水面下で善良な市民を脅迫し続け、被害者は誰からも無視されて孤立したまま苦しめられて来たことを思うと、これは非常に画期的な出来事である。

何故この男の悪行があまり世間に知られなかったのかといえば、キンバーリンに関して記事にした記者やブロガー達が、奴による悪質な脅迫の標的にされてきたからだ。キンバーリンは自分の過去を表沙汰にされることを極端に嫌い、ウィキペディアのエントリーも訴訟をほのめかして一時期取り下げさせることに成功した。ここ数年に渡り、自分の過去について少しでも書いたジャーナリストやブロガー達に、キンバーリンは種々のやり方で嫌がらせや脅迫を繰り返して来た。特に奴が狙うのは、虚偽の罪で訴えられても弁護士代も払えないような貧乏ブロガー達である。別の州で訴えられたら、裁判所に出向くにも旅費も払えないようなブロガーも多く、欠席裁判で自動的に負けてしまい、裁判所の命令で口を閉ざさざるおえなくなったブロガーも何人かいる。

また、キンバーリンに資金援助をしている左翼リベラル達からしてみれば、例え彼の過去について多少は知っていたとしても、自分らの運動のために役に立っている間はその過去について触れる価値はない。これまで主流メディアがキンバーリンの存在を無視してきたのも、奴の犯罪の被害者は、主流メディアが嫌っている保守派ブロガー達がほとんどだったからである。

だが、キンバーリンのように多くの人間を脅迫し続けていると、いずれは脅迫に怯まない人間にぶちあたる。それにキンバーリンのような男は自分の能力にうぬぼれている。だから自分にどれだけの力があるのか誇示するためにやり過ぎる傾向がある。

保守派ブロガーたちへの嫌がらせの訴訟くらいで済ましていれば、連邦政府の上院議員が出て来たり、主流メディアが取り上げたりする価値はなかったかもしれない。だが、スワッティングは事情が違う。架空の事件を警察に届けるのは違法だ。意味もなく救急番号に電話するのも違法である。特に州を超えて架空の事件を警察に通報した場合には連邦警察の管轄となる。これは単なる零細保守派ブロガーへの嫌がらせ程度の問題では済まされないのだ。

キンバーリンの最新の犠牲者となったのはアリ・アクバー氏。彼は全国ブロガークラブの会長。彼もまたキンバーリンとその仲間達に母親の家の写真をネットに掲載されるなどの嫌がらせを受けていたが、数日前にキンバーリンから訴訟を起こすと通告されたという。

しかしここで、言論の自由を守るために闘っている弁護団、The American Center for Law and Justice (ACLJ)がアクバーの弁護をすると名乗り出た。キンバーリンはこれまで主に弁護費もままにならない零細ブロガーを標的にしてきたが、アクバーは保守派ブロガーの間ではヒット数ダントツの人気ブロガーであり、ACLJは、こういうは専門のプロの弁護団である。いままでのような小細工は通用しない。

ところで、アクバーというのはどういう人なのかをグーグルで検索していたら、非常に怪しげなブログに行き着いた。これはあきらかにキンバーリンとその一味が経営するサイトなので、あえてリンクはつけないが、そこにはアクバーが以前に逮捕された時のものとされる警察の調査書のコピーが掲載されている。

キンバーリンと違って、アクバーは自分の過去を隠していない。若い頃に悪い友達とつき合っていて、それとは知らずに盗んだクレジットカードから現金を引き出す相棒を担いでしまったことをアクバーは正直に自分のフェイスブックに書いている。アクバーの逮捕歴は公共の記録なので、キンバーリンが自分のサイトに掲載することじたいは違法ではないが、それをいうなら、キンバーリンの過去についてブログに書き立てるのも違法ではない。にも関わらず、キンバーリンはそうやって自分の過去を暴露したブロガーたちを訴え続けているのだ。

最近キンバーリンが脅迫したセス・アレン、アーロン・ウォーカー、パトリック・フレイ、エリック・エリクソン、ロバート・ステーシー・マケインらは、スワッティングの被害にあったり、家族への脅迫があったり、ウォーカーなどは妻と供に勤めていた法律事務所を首になったり逮捕されたりする嫌がらせを受けながらも、キンバーリンの脅迫に屈しない意志をあきらかにしている。アクバーはこれらのブロガーたちを経済的に援助しようと支援金募金を始めたことでキンバーリンの攻撃対象になったようだ。

キンバーリンとその一味のやっていることは明らかなテロリズムだ。連邦議会も司法局も国土安全保障省も、キンバーリンらの悪行を取り調べるべきである。

ところでここで興味深いことがある。それは、オバマ政権のエリック・ホールダー局長しきいる司法局が保守派の言論弾圧をおこなっているテロリストを取り調べるはずはない。だが、共和党の議員たちが何十人もで声高く左翼過激派テロリストによる脅迫行為について抗議し、主流メディアでも大きな話題になれば、オバマ政権はこの件に関して無行動ではいられなくなる。

そのうち誰かが、キンバーリンの基金団体とオバマ再選選挙運動資金との関係でも言い出したらえらいことである。本心はどうでも、善良市民を装っている左翼リベラルの運動家たちにとって、爆弾テロリストと関係があるなどと言われては困る。

話が大きくなればなるほど、キンバーリンが左翼リベラルから見放され、テロリストとして警察のお世話になる可能性は高まる。少なくとも今までのように簡単に保守派ブロガーの脅迫はできなくなるだろう。

今後の発展が注目される。

June 9, 2012, 現時間 10:34 AM | コメント (0) | トラックバック (0)

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日付け → →June 8, 2012

何故オバマは社会主義だと言われるのか、、、だって事実そうじゃない!

APに掲載されたデイビッド・クラリーのコラムを読んでいて大笑いしてしまった。クラーリーは、オバマが社会主義だという普通なら一笑に付されるべき話が、何故かずっと燻(くすぶ)り続けるのが不思議でならないと書いていたからだ。カカシから言わせたら、オバマ王は社会主義(特にファシスト)だから社会主義者だと言われてるだけで、不思議でもなんでもない。

先日、オバマ王が発表した選挙運動のスローガンが、「前進」というまるでヨーロッパの極左左翼や中共のスローガンみたいな言葉だったので、保守派の間では「社会主義」とか「共産主義なみ」とかいった批判で沸き立った。

オバマの新しいスローガンはマルクス社会主義と長年深いつながりがある。ーワシントンタイムス

オバマは政府による国民生活「完全コントロールに向って前進」しようとしている。ーインヴェスターズビジネスデイリー

2008年のキャンペーン中にはじまったオバマは社会主義という批判は未だに根強く残っている。クラーリーは保守派が気に入らないライバル政治家や政策を社会主義扱いするのは何もいまに始まった事ではないと書く。

南北戦争当時、奴隷制度廃止を訴えた新聞が社会主義だといって叩かれたり、大恐慌後のアメリカでソーシャルセキュリティーと呼ばれる国民年金制度を始めたフランクリン・ルーズベルト大統領や、1960年代に始まった低所得者対象の医療保険メディケアなども社会主義だと批判されたと。

南北戦争当時の新聞については何もいえないが、ルーズベルトの政策は完全に社会主義だった。ルーズベルトのソーシャルセキュリティーにしろ1960年代にはじまったメディケアにしろ、働いている人から税金を取り立てて働けない人に払うという富の分配で、完全なる社会主義制度である。社会主義だから社会主義と批判されるのはあたりまえ。これは単に左翼リベラルが気に入らない人間のことを「ホモフォブ!」「レイシスト!」「セクシスト!」と呼んで責めたてる幼稚な行為とは訳が違う。

だがクラーリーは歴史家や政治学者や社会学者といった専門家などから言わせたら、オバマは社会主義とは言い難いという。また、アメリカでは零細な社会主義党のメンバーから言わせたら、オバマはまだまだ社会主義とはいえないという。そりゃ極左翼エリート学者達や過激派社会主義者から言わせたらオバマはまだまだ社会主義には至らないかもしれないが、完全な社会主義を即座に押し通りしたら国民からすぐに見放されてしまう。いくらオバマといえどもそれはできない。しかしオバマがバリバリ左翼じゃないから社会主義者ではないという理屈はおかしい。

クラーリーは、ウォールストリートの資本主義者たちから選挙献金を大枚集めたオバマがなんで社会主義者なんだというが、大企業は常に政府との結びつきを好み、政府によって中小企業などの競争相手をつぶして市場を独り占めしたいと思ってる。政府と企業が癒着するのはファシズムの典型的なモデルであり、オバマは社会主義でないどころか、充分社会主義を地で行っているのだ。

それからオバマは政府による生産コントロールをしていないから社会主義ではないという。民間企業による原油発掘をことごとく規制している行為は生産コントロールとは言わないのか?環境庁や労働省が議会を通さずあらゆる規制法律を作り、工業農業を問わず民間企業の経営方針に煩く口を出して来るのは生産コントロールとは言わないのか?

クラーリーはオバマによる企業救済プログラムや国民皆保険なども社会主義からはほど遠いものだという。企業を救済するといって経営を完全に乗っ取った、つまり国営化する行為が社会主義でなくて何なんだ?国民が欲しくもない製品(国営医療保険)を無理矢理国民に売りつけ、国民が気に入って入っていた民営保険企業を閉め出そうとする行為が社会主義でなくて何なのだと聞きたい!

ところで、昨日オバマ王は記者会見において民間企業の経済状態は良好であるという演説をぶって、庶民の生活を全く把握していないとして、またまた国民の顰蹙を買ってしまった。

民間企業は良好である。経済の弱さを見せているのは州や地方政府のほうだ。 知事や市長たちはこれまで受けて来たような連邦政府からの援助を受けることができず、収入も減ったため融通が効かなくなっている。

共和党が何か役に立つ事をしたいなら、本当に人々が仕事を取り戻せるよういしたい前進したいなら、どのようにして州や地方政府や(公営の)建築産業を助けられるかを考えるべきだ。

ほんの二日前にウィスコンシンで大きくなり過ぎた州公務員の年金を巡って公務員組合が大惨敗したばっかりだというのに、オバマ王は問題はもっと州や地方政府を連邦政府が援助すべきだというのである。連邦政府からの資金援助は連邦政府によるコントロールの強化を意味する。オバマは今のアメリカの経済問題は、インフレで民営企業が困窮していることではなく、政府が小さ過ぎることにあるというのである。こんな空気が読めない大統領ってあり?

June 8, 2012, 現時間 2:22 PM | コメント (0) | トラックバック (0)

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ウィスコンシン弾劾選挙、ウォーカー知事始めクリーフィッシ副知事ら共和党の圧勝!

いやあ、火曜日に行われたウィスコンシンの弾劾選挙といい、カリフォルニア州の予選選挙といい、労働組合の完全敗北だった。

先ずは去年からカカシがずっと追って来たウィスコンシン州の、経済立て直し政策で奮闘しているスコット・ウォーカー知事(共和)に腹を立てた労働組合が理不尽にも始めた弾劾選挙だが、結果はスコット・ウォーカー現知事はじめ、クリーフィッシ副知事、ならびに数人の共和党州議席が勝利。圧倒的な共和党の勝利で幕を閉じた。

だいたい、選挙時の公約をきちんと守ってる知事が弾劾選挙にかけられると言う事自体間違っているのだが、今回の選挙ではウォーカー知事は前回の正選挙の時より高い支持率で当選した。つまりウィスコンシン州民はウォーカーの仕事ぶりを高く評価しているということだ。そんな人気のあるウォーカー政権の仕事を邪魔し、それでなくても苦しい経済状態にある州の資金を、このような無駄な選挙で1200万ドルも無駄使いした民主党の責任は重い。

この選挙での敗者はなんといっても州公務員労働組合である。今後は州公務員はこれまでのような贅沢な年金や医療保険を無料で供給されることはない。組合は組員たちを代表してべらぼうな昇級やボーナスを州に要求することも出来ない。もうすでに州政府は組合費を公務員の給料から自動的に差し引くことが出来なくなっている。

今後ウ州の公務員労働組合の力は衰退する。これは、常に組合からの資金や労働援助を期待していた民主党議員たちにとっても非常な痛手である。

ところでカリフォルニアでも選挙が行われたが、こちらではサン・ホセとサンディエゴのふたつの州で市に勤める公務員の年金が大幅に削られる法案が通った。

カリフォルニア州もウィスコンシン同様完全な赤字状態。しかし、不幸なことに加州の州民は未だに目が覚めないと見えて、民主党の金遣いの荒い社会主義のジェリー・ブラウン知事を選び、州議会は民主党が圧倒的多数議席を握っていて、お先真っ暗な状態である。

そんななかで、破産寸前にあるあちこちの州で、市の公務員たちの年金改正が行われつつある。20年以上前に決められた市公務員達の年金制度は非常に優遇されたものだったが、定年を迎える大量な中高年者への年金支払いは膨大な金額となり、いまや加州のどの市もお手上げ状態。このままでは、市公務員への給料は働いているひとより引退して働いていない人に払う方が多くなるというとんでもない状態になってしまうのだ。

これではいけないと、やっと重たい腰を上げたのがサン・ホセとサンディエゴ。コスタメサ市でも同じような改正が行われつつあるが、今回の選挙ではまだ法案が出なかったようだ。加州の公務員組合も強い。加州公務員の優遇のされかたは全国でも有名。

ウ州の話が全国的な話題を呼んだ事もあて、あちこちで労働組合の横暴に多くの市民が腹をたてはじめた。皮肉なことにウ州の労働組合が知事に抗議をして大々的なデモを行う一年前までは、一般の民間人は州公務員がこんなに優遇されていたことなど全くしらなかった。ウ州のことが話題になってから、人々は自分らの州の公務員はどうなんだろうと思いはじめたに違いない。そしてその事実を知って仰驚したひとも多かったのでは?

これで州財政が苦しいから州民の税金を上げるなどと言われれば腹が立つのは当たり前だ!

さて、この選挙結果が11月の総選挙にどのような影響を及ぼすのか、おもしろいことになってきた。

June 8, 2012, 現時間 11:09 AM | コメント (0) | トラックバック (0)

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日付け → →June 4, 2012

過激派フェミニストに見る左翼リベラルの道徳規準

前回に紹介した『対女性戦争の裏にあるもの』というナオミ・ウルフのエッセーを読んでいて、左翼リベラルの屁理屈には完全に呆れてしまった。彼女達は普通の言葉をその言葉の意味通りに使わない。わけのわからない屁理屈で辻褄をあわせようとする。いったいどういうふうに考えればそういう結論が出てくるんだというような話かたで、私には彼らの思考回路が全く理解できない。

そんなことをミスター苺に話したら、「それはねえ、君が左翼リベラルの道徳規準を全く理解していないからだよ。彼らには彼らの理屈があるんだ。それは君や僕の考える理屈とは全く異なるものなんだよ。」と言われてしまった。そして彼らの思考回路を理解しないまま、彼らはなんて馬鹿なんだろうなどと油断していると大変なことになるとも。

ナオミ・ウルフのエッセーでも下記の段落は非常に興味深い。私には錯乱した理屈と不適切な比喩に満ちた文章に見えるのだが、これこそ左翼リベラルの考え方が顕著に現れる文章である。左翼リベラル特有の意味もなく複雑な文章は翻訳が難解なので、だいたいの意訳をさせてもらった。英語に自信のある読者は原文をお読みになることをお薦めする。

ブラッドリー・マニングやジュリアン・アサンジを黙らせようとしたのと同じ体制が、医師に中絶に関するアドバイスを禁止するのであり、他人の個人的なメールや電話の会話を盗み読みしたり聴いたりするNSA(全国警備省)の捜査を認可した体制の感覚は、同意した男女のシーツの間に入り込んでコンドームへのアクセスを規制するのと同じ感覚だ。その同じビッグ・ブラザーの衝動が女性が女性の医療提供者との間で決めるべきことを政府の役割だといって割り込んで来る。

つまり女性は常に政府によって性を管理され監視されコントロールされているのだ。これこそがこれまで「ジェンダー」と呼ばれて来たものだ。 以前にも書いたように、人々の性的プライバシーをコントロールする行為は、閉鎖された社会が人々への虐待に使う常套手段のひとつである。

ブラッドリー・マニングやジュリアン・アサンジとは、前者はアメリカの軍事機密を違法に外国人に売った元軍人。後者はその情報を買い取ってウィキリークというけしからんサイトで全世界に漏洩した極悪非道な悪人。彼らの流した情報によってアメリカのみならず自由社会の安全は重大な危険にさらされることとなった。ウルフはその情報漏洩が良いことだと主張するだけでなく、そのような国家機密を守る行為と妊婦への中絶アドバイスの規制とを一緒にするという、非常に不適切な比喩をしている。

特に、ウルフの紹介した法律では、医療関係の人々が患者に中絶に関するアドバイスをしなくてもいい、というもので、してはいけない、というものではない。何故これが医師らの言論の自由を迫害するという理屈になるのか、宗教上の理由から患者に中絶の話をしたくない医師らに強制的にアドバイスをさせることこそ憲法違反ではないか?

また、宗教上の理由から避妊や中絶を禁止しているカトリック教会に対して、これらの医療サービスを保険の対象にして負担せよと雇用主に強制する行為こそ、政府による宗教迫害のコントロールではないのか? その政府による強制行為を止めさせようとする共和党が国民コントロールをしようとしているというのは話が逆さまだ。

ウルフの「コンドームへのアクセスの規制」という言葉使いの不誠実さには反吐が出る。誰もコンドームを買ってはいけないとは言っていない。女性に避妊をするなとも言っていない。ただ税金では払わないよといってるだけだ。そのどこがコントロールなのだ?自分の道徳に反することだからしないといっているカトリック教会に、その教えに反して強制的にサービスを提供しろということのほうがよっぽども政府によるコントロールではないか。

国民の生活に逐一口を出して、細かいことまで統括しようとしているのは誰あろう左翼リベラルのブラク・フセイン・オバマ王政権である。

国民皆保険を国民の意志を無視しておしつけ、それによって人々の宗教の自由を迫害し、誰がどのような医療サービスを受けられるか上からコントロールしようとしているのはウフル愛する左翼リベラル政府のほうである。

子供の肥満が社会問題だと言って人々が摂取する砂糖や塩の量の規制を促しているのはオバマ夫人のミッシェル夫人である。公共施設の自動販売機で砂糖入りソーダの販売を禁止したり、マクドナルドのハッピーミールにつけるフレンチフライの量を規制したりしているのは、皆左翼リベラルの民主党か共和党とは名ばかりのリベラル議員たちである。

性によるコントロールというなら、カリフォルニアの小学校では強制的に子供達が同性愛教育をうけさせられているのはどうなるのだ?

州民投票では必ず否決される同性結婚を裁判や議会を通じて強制的に施行しようとする行為はどうなのだ?

では、ここで上記に羅列した質問を左翼リベラルの思考回路を理解出来るというミスター苺に説明してもらおう。

左翼リベラルは個人や地元政府や州政府に政策を任せておくと、多数派による独裁が起きると考えている。中央政府には常に地方政府の横暴から少数派を守る義務がある。中央政府(アメリカでは連邦政府)による国民の権利を守る法律や政策に反対するということは、それ自体が国民の人権を迫害する行為になるという理屈なのである。

無論左翼リベラル中央政権による国民を守る法律というのは、政権がこうあるべきと考えた権利であって、実際に個々の国民が守られるべきと考えている権利とは必ずしも一致しない。いや、一致しないことのほうが多いだろう。

ウルフに言わせれば、保守派が人工中絶問題は連邦政府がとやかくいうことではなく州政府の判断に任せるべきだというと、それは、州政府の横暴を許すということになり、それに関して連邦政府がなにもしないということは、個々の国民の権利を迫害することになるのだ。実際にその州の人間が州の法律に同意しているかどうかなどということは問題ではない。個々の州民が連邦政府に自分らの生活の一部始終に口出しされたくないと考えることは、州政府のコントロールを容認することだと解釈されるのである。

おまけとして、左翼リベラル女優たちの出演している反共和党ビデオを紹介しておこう。エンベッドするにはあまりにも気持ち悪いビデオなので、興味のある人はリンク先へいってご覧あれ。

http://www.youtube.com/watch?v=4iMBUoxLOmA

内容は、「私は共和党支持です」と名乗る女性たちが、それぞれいかに共和党による女性の性に関する規制を支持しているかを語るもの。ショッキングに描こうとしてか、女性達が政府には自分の「膣」に入り込んで欲しい、と「膣」という言葉を乱発するので非常に気色の悪いビデオになっている。

左翼リベラルにとって保守派が他人の避妊や中絶費を税金で払うのはお断りだと主張する行為は、政府が女性の性生活に介入してくることになるのだ。我々保守派が政府には我々の生活に口出ししないでほしいというと、保守派は政府による国民コントロールを支持していると主張する。

それにしても、このビデオを観ていて感じたことは、いかに左翼リベラルが保守派女性を理解していないか、いかに左翼リベラルは保守派や一般有権者を馬鹿にしているかが伺われる。こんな下品で下劣なビデオで、保守派や無所属の女性達が騙されると思ってることにあきれかえるというもの。

ミスター苺曰く、このビデオをより多くの有権者に観てもらいたい。これによっていかに民主党が国民を馬鹿にしているかがはっきりするからと。

June 4, 2012, 現時間 9:40 AM | コメント (1) | トラックバック (0)

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日付け → →June 3, 2012

フェミニストの言う共和党による「対女性戦争」とは何か?

今日は、ナオミ・ウルフという左翼フェミニストが書いた共和党による「対女性戦争の裏にあるもの」というコラムを紹介しながら、如何に彼女達の議論が屁理屈であるかを証明しよう。

ウルフは、最近多々の州で通されている法律を見ていると、あたかも突然女性達が社会秩序を乱すような行いに出ているのではないかと錯覚する、と始める。そうでなければ下記のような法律が次々に提案されることの説明がつかないと。

提案されたり最近通過した法案は、フェミニストがとっくの昔に勝ち取ったと思っていた、女性自身の身体への所有権と基本的な命の選択の権利を攻撃するものである。

ウルフは保守派の対女性戦争標的のナンバー1となっているのがプランドペアレントフッドだという。プランド、、とは、家族計画という意味で産児制限や性教育サービスを供給し、避妊及び妊娠人工中絶手術を主に行っている医療機関で、施設は全国各地に存在している。ウルフは全国各地でプランド、、への政府援助を止めさせようとする動きが出ていることが、プランド、、への攻撃であると主張する。政府つまり血税による人工中絶機関への資金援助を廃止した、もしくはしようとしている州は、メイン、テキサス、アリゾナ、オハイオ、テネヒー、インディアナ、ノースカロライナ、そしてキャンサスといった州である。

ここで注意しなければならないのは、これらの州は決して中絶手術を違法にしたわけでもなく、プランド、、を閉鎖せよと命じたわけでもない。ただ単に税金によるプランドへの援助を止めると決めただけだ。

プランドはもともと低所得者の家庭に正しい家族計画の知識を供給するという目的で設立された。その資金は政府からの援助と民間企業やプライベートの寄付などで成り立っている。法律によって政府からの援助金は産児制限のみで中絶に使われてはならないことになっているが、そんなことが無視されて中絶に使われていることは公然の秘密になっていた。

また去年、全国各地のプランドの施設に、違法移民の未成年少女売春宿を経営するにつけ、性病検査や中絶について相談したいという怪しげな男女が訪れた。明らかにヒモ風の男と売春宿のおカミ風の女に、プランドの職員は丁寧に避妊や中絶について手ほどきしている映像が隠しカメラでばっちり撮られるというスキャンダルがあった。実はこれは市民ジャーナリストの
ジェームス・オーキーフらによる覆面取材だったのだが、低所得の女性を助けるという建前で政府から資金援助をしてもらっておきながら、違法移民の少女たちを性奴隷にしようというヒモ男女に平気でアドバイスを与えた、しかもそれが全国各地のあちこちの施設で起きたということで、いったいプランドは国民の血税を何に使っているのだ、ということになったわけ。

あからさまに性の奴隷を使った売春宿のヒモの相談に、やすやすとアドバイスを与えるようなプランドのほうが、よっぽども女性の敵ではないか。そんな施設への資金援助を廃止することのどこが、女性への戦争ということになるのだ?

標的ナンバー2は、女性の人工中絶の権利そのものだとウルフは言う。ここでカカシの個人的な意見をはっきりさせておくと、私は妊娠人工中絶は全面的に反対である。ただし、妊娠人工中絶を全面的に違法にすべきだとは考えていない。不道徳な行為を常に政府が取り締まるべきという考え方に私は反対だからだ。

ただ、受精した卵子は単なる細胞ではない。いくら女性の体内にあるからといって、母親の一存でその命が奪われていいとはどうしても思えない。体内の宿った命が何時から母親とは別の人間としてみなされるのか、それによって法律は決められなければならないと思う。

2011年から、11の州において92にも渡る人工中絶を規制する法律が通っているとウルフはいう。アリゾナ州ではこの4月妊娠18週以降の中絶を違法とする法律が通り、また中絶手術を受けることもより困難になったという。

18週と言えば、妊娠四ヶ月以上である。すでに赤ん坊の形も出来て脳みそも人間並みのものが出来ているはず。この時期での中絶は殺人と言ってもいいくらいだ。ここまで来たらいくら自分の体内に宿っているからといって、勝手に殺してもいいということにはならないと思う。この法律は私から言わせれば非常に常識的なもので、これが女性への攻撃だといウルフの見解は全く理解できない。母体も人間なら胎児も人間のはず。

他には待機期間を強制する法律がある。ユタ州で通った法律では、妊娠中絶を決心した女性が考え直す時間を72時間与えるというもの。似たような法律がサウスダコタ州でも通っている。

妊娠中絶などという大事な決断を下すにあたって、三日ぐらい考えたっていいだろうが。命が関わっているのだ。いくら自分の体内にあるものだからといって、母体だけの命ではない。胎児の未来を完全に抹殺しようというのだ、もう少し考え直してもいいではないか? ここで中絶以外の方法を色々カウンセリングを受けたり出来ればそれに越した事はない。それが何故女性への攻撃ということになるのだろう?中絶をしてしまってから後悔しても遅い。後で心に残る傷を考えたら、非常に温情的な法律だと思う。

ウルフは州によってはある種のアドバイスを医療機関にて与えることを違法にするという憲法違反な法律が提案されているとして、カンサス州の法律を例にあげているが、これは単に医師や看護士が妊婦に人工中絶に関する情報を提供しなくてもいいというもので、人工中絶に関する情報提供をしてはいけないという法律ではない。アドバイスをする権利を剥奪すれば確かに言論の自由に反するが、言いたくないことを言わない権利を保障することのどこが憲法違反なのだろう?

ウルフによると、中絶手術を施す医師を罰する法案が提案されているという。場所によっては中絶手術を行った医師を殺害することが合法になるなどという法案もあったとか。はっきりいって私はそんな提案がまともに出たとは思えない。ウルフはどこの州のどこの議会でそんな話がされたのかという詳細を書いていないので、医師への暴力が認められるなんてことは私は信じない。

この立法の嵐はなんなのだ?命の尊厳の問題なのか?本当にそうだと信じられたらどんなにいいだろう。

ほう?ではなにが目的でこのような法律が立て続けに通ったとウルフは考えるのか。

ウルフはフェミニストの立場から人工中絶に反対だという人たちの考えは理解できるし尊敬するという。散々男に利用されて妊娠したうえに捨てられたり、売春を強制され妊娠が仕事に差し支えると中絶を強制されるような女性を救いたいという人々のことは、方針には賛成できないが気持ちは解るという。

しかしながら全国各地で人工中絶に関する法律を通そうとしている団体の目的はそのようなものではないとウルフは言う。

全国各地で同じような法律を通そうとがんばっているこの団体は、中絶をせず子供を生んで未婚の母となった低所得の女性から喜んでフードスタンプを取り上げるのと同じ団体だ。乳児のいる女性軍人を平気で戦地へ送り込む冷酷なやつらなのだ、、と。

ではウルフはこの『団体』が次々に人工中絶を規制する法律を通そうとする真の目的は何だと思うのか?

その真相にひらめいたというウルフの考えを読んで、私は大笑いしてしまった。なんと彼女はこれらの法律は政府による国民コントロールが目的だ、と言うのである。

確かに政府が人工中絶について誰が誰にどんなアドバイスをしてもいいか悪いか、人工中絶をする際には三日間頭を冷やせとか、なにもわざわざ法律で決める必要はないというウルフの意見には私も賛成だ。何度も言うが、不道徳な行為は必ずしも違法にされるべきではない。

だが、国民コントロールこそを究極の目的としているウルフのような左翼リベラルの連中が、保守的な政府による規制はプライバシーの侵害だとか、言論の自由及び人権迫害だとか文句を言えた義理か?

ウルフのコラムは人工中絶の話からアメリカ帝国による国民コントロールへと話が進む。

次回へつづく。

June 3, 2012, 現時間 10:43 AM | コメント (0) | トラックバック (0)

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日付け → →June 2, 2012

ウィスコンシン州で州公務員の組合参加が激減、あせる組合を見捨てるオバマ選挙事務所

去年、ウィスコンシン州ではスコット・ウォーカー知事がごり押しして通した公務員の手当や組合に関する法律の中に、今後一切州政府が公務員の組合費を給料から差し引く行為はしないというものがあった。去年組合が中心になって大騒ぎになったデモは、州公務員の年金や保険負担が話題になったが、実はもっと重大だったのは、組合の団体交渉権と州による組合費強制取り立てだった。

当時、ウィスコンシン州の教員助手という日系人の女性が、組合が州公務員による年金つみたてや保険料の負担を増やすことは受け入れたのに、ウォーカー知事がその妥協を拒否し団体交渉権の剥奪に固執するのは、ウォーカー知事による組合撲滅の陰謀だと言っていた。私はその点については彼女の判断は正しいと評価していた。ウォーカー知事が公にそんなことを認めるわけはないが、相手をつぶしたければ資金源をつぶすのが一番。これ常識。

で、一年ちょっと経った今、州公務員の組合加入率がどのように影響を受けたかというと、

ウィスコンシンの公務員労働組合は組合委員の半数以上が脱退するという劇的な減少が起きた。これによって、組合が労働者の代表という立場が極端に衰弱することとなる。

教育委員会に続いて全国でも第二位の大きさを誇っていた全国州公務員労働組合のウィスコンシン州の会員数は、なんと去年の3月の6万2千818人から今年(2012)三月までの間に2万8千745人にまで落ち、なんとほぼ1/3に激減してしまった!

ウォーカー知事提案の新法律が通るまで、公務員の会員費は給料から自動的に差し引かれていたので、公務員は好むと好まざるとに関わらず労働組合の会員になっていた。それが去年から、会員になるならないは個人の自由ということになったところ、なんと2/3の州公務員が脱会を希望したである。

なるほどね〜、道理で組み合いがパニック状態に陥った訳だ。これでは何としてもウォーカー知事を止めさせねばならない。知事弾劾選挙は組合の生存をかけた一か八かの勝負なのである。

しかしである、組合はそうでも州民主党の立場はどうなのだろうか?民主党が四年ごとの選挙を待たずに急いで弾劾選挙などする必要がどこにあるのだろうか。

確かに労働組合がウォーカー知事の組合つぶしに怒るのは理解できるが、民主党議会が一緒になって弾劾選挙を騒ぐのは、勝てればいいが、もし負けたら、二年後の正式選挙では何もしなかった場合より政治的に不利な立場に置かれる。それだけでなく、四年ごとに使うはずだった選挙資金を二年目で使ってしまったとなると、本選挙での資金集めはかなり苦しくなるだろう。にも関わらず民主党が弾劾選挙を組合と一緒になって押した理由はなにか。

それは、ウォーカー知事の州経済救済政策の成功にある。州経済を復興させるという公約で当選したウォーカー知事は公約どおり、税金の無駄使いをする多々のプログラムを切りまくった。組合制度の改正もその一つ。そしてそれが功を成して、実際にウィスコンシン州の失業率は減り、経済は復興の兆しを見せ始めている。このままでいくと、本選挙のある二年後には、ウィスコンシン州は不況から完全な立ち直りを見せる可能性が充分になる。そうなってからでは遅い、それまで待っていたら民主党は知事おろか州議会の議員席にも共和党に惨敗してしまう恐れがある。今のうちなら、邪魔な共和党議席を一斉に弾劾選挙で奪い返せる可能性があると踏んだのだろう。

しかし、組合と州民主党のこの思惑は完全に裏目に出そうである。弾劾選挙を数日後にひかえ、ウォーカー知事の支持率は民主党知事候補のベレット市長より7%も高い。ウォーカー知事が知事の座を守ることは先ず間違いないだろうと言われている。

そうなって困るのは、ウィスコンシン州の民主党だけではない。ウィスコンシン州はこれまで完全に民主党寄りだった。ところが最近、同州はトスアップといって、どっちに転んでもおかしくない州になってしまった。だからオバマ大統領は普段ならあまり気を使わなくてもウィスコンシンでお金と時間を使って選挙運動をする必要が出て来た。その際に大事なのが労働組合からの政治献金と組合員によるボランティア選挙運動である。その労働組合が州政策のおかげで弱体化している上に、ウォーカー知事政権の劾選挙のためその限られた貴重な資金を無駄使いしているということで、オバマ政権はウィスコンシン州の民主党にかなり腹を立てている。

オバマ王は、去年、ウィスコンシンの労働組合が反ウォーカー知事のデモ騒ぎをやっていた時は、いち早く自分の支持を表明し、弾劾選挙が決まった時も熱心に声援を送っていたオバマ王。主流メディアもウ州の弾劾選挙は大統領選の序幕とも言えるなどと言っていた。だが、弾劾選挙で共和党が圧勝するかもしれないとなると、この選挙が大統領選挙の前触れになるなんてことを言っていたオバマ政権としては非常に都合が悪い。

スコット・ウォーカー知事、並びにレベッカ・クリーフィッシ副知事、そして弾劾選挙の対象となっているウィスコンシン共和党議員の皆さん、頑張れ!

June 2, 2012, 現時間 2:38 PM | コメント (0) | トラックバック (0)

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