July 3, 2006

領土は守れなければ意味がない

韓国はやっぱり調査船を出してしまった。(ある浪人の手記より)4月に日本の調査船が出るという話が持ち上がった時、韓国は武力で阻止すると息巻いていた。その時私はそれなら日本は護衛線をつけてでも調査を決行すべきだと考えていた。しかし日本が韓国の挑発にのって武力行為になど軽々しく手をださず、話し合いにもっていったことは日本が大人らしい態度をみせたことになるのだといろいろな人からお説教をうけた。

だが、大人の外交を行い6月に韓国と話しあいをした結果、現状は4月の段階から何の進歩もとげていないばかりか、韓国はまだ決着の付いていないEEZ水域で日本に前もって断りもいれず、自分らの好き勝手な時に調査を行い、日本が邪魔をすれば武力で対応すると息巻いている。

いったい日本の大人の外交は日本になにをもたらしたというのだ? 私には全く納得がいかない。

歴史的にも国際上の取り決めからみても、竹島が日本の領土であることに間違いはないと私は確信する。だが、はっきりいって、もし日本が現実的に竹島およびその近海を日本の領土として守ることができないのであれば、歴史がどうの、国際法がどうのなどといってみても全く意味がない。

事実上竹島を統括しているのは韓国であり、水域を武力で守っているのは韓国なのである。もし日本の態度がただ単に国際社会に訴えるとか、韓国に苦情をいう程度のことで終わるなら、日本に竹島を領土と呼ぶ資格などないといえる。

かなり前のことではあるが、みなさんに思い出していただきたいのは1982年に起きたイギリスとアルゼンチンが戦ったフォークランド島を巡る戦争である。

1982年、民衆の不満をそらすためにガルチェリ政権が問題をクローズアップさせたことで、アルゼンチンではフォークランド諸島問題が過熱ぎみになり、民衆の間では政府がやらないなら義勇軍を組織してフォークランド諸島を奪還しようという動きにまで発展した。政府は形だけの沈静化へのコメントを出すものの、3月には海軍の補給艦がフォークランド諸島の南東約1300kmにある同じくイギリス領となっていたサウスジョージア島に2 度にわたって寄航し、イギリスに無断で民間人を上陸させるなどして武力行使への動きを見せ始めた。イギリスはこれを強制退去させるなどしていたが、ガルチェリが正規軍を動かし始めたとの報せを受けて、4月1日にはアメリカに事態収拾への仲介を要請。しかし翌2日にはアルゼンチンの陸軍4000名がフォークランド諸島に上陸したことで武力紛争化は決定的となった。

これに対し、サッチャーは直ちにアルゼンチンとの国交断絶を通告し、艦隊の派遣を命じた。4月5日には早くも第一陣が出撃した。到着までの間、アメリカの仲介による事態の打開が模索されていたが、サッチャーの「我々は武力解決の道を選択する」との決断で25日にはフォークランド諸島に続いて占領されていたサウスジョージア島に逆上陸、同島におけるアルゼンチン陸軍の軍備が手薄だったこともあり即日奪還した。

その後は幾度と大型艦船を撃沈されるなど、終始苦しい戦いを強いられていたイギリスではあったが、地力に勝る空軍、陸軍力と情報力をもってアルゼンチンの戦力を徐々に削っていき、6月7日にはフォークランド諸島に地上部隊を上陸させた。民間人の死者を伴う激しい地上戦を経て、同諸島最大の都市である東フォークランド島のポートスタンレーを制圧し、14日にはアルゼンチン軍が正式に降伏。戦闘は終結した。

この時、イギリス国内ではフォークランド島などアルゼンチンにくれてやればいい、どうせイギリスにはほとんど何の役にも立たないのだからという意見も多くきかれた。だが、鉄の夫人マーガレット·サッチャー首相は断固として武力行使に踏み切った。

問題は竹島にしろフォークランド島にしろ、それが価値あるものかどうかということではない。日本も英国同様領土は死守する覚悟でなければならない。竹島をやすやすと韓国にわたしてしまうなら、今日は竹島、明日は沖縄、その次は九州ということになりかねない。

韓国はどうせ日本は口先だけで何も出来ない弱体だと踏んでいるのであろう。これまでの日本の態度をみていれば、わたしとてそのようにとれる。日本は韓国が調査船を出すのであれば、こちらも出すと強気にでて、もし韓国が武力でそれを阻止するというのであれば、こちらにもそれに武力で対応する用意があることを示すべきである。また日本は日本の領海で漁業をおこなう漁船に自衛隊や沿岸警備隊による護衛をつけ、日本の漁船が韓国の警備隊から脅迫されたり拿捕されないよう守るべきである。

いつまでもEEZについて穏便に話あおうなどといっていても、韓国はのらりくらりと話合いをのばし、実質的には竹島やその近海を独占してしまうだけだ。口での脅しや要求は武力で支えられてこそ意味があるのだ。日本が本気で竹島を守る気があるのなら、武力行使も辞さない覚悟で守るべきである。その覚悟がないなら黙って竹島など韓国にくれてやればいいのだ。

日本のこうした弱腰を北朝鮮や中国が注意して見ていないと持ったら大間違いだ。


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July 3, 2006, 現時間 10:00 PM

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コメント

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下記投稿者名: asean

ぅうう、漸くログイン出来ましたぁ。。。

う~~ん、苺さん、ちょっと冷静に(はは)

例えばですね、韓国の調査船を仮に(仮にですよ)海自なりが出て行って拿捕(出来ないっすけどね、
相手は公的な船ですから)したとか、更に一歩進んで撃沈(?)したとか
いわゆる武力行使したとしてですね、それで日本は何が得られるのか?なんじゃないですか?

フォークランドとはかなり事情が違いますよ、日本人が竹島で生活していたのに韓国軍が進駐して来て占領したから
”取り返す”ってな事情ではないですからね・・・

それに韓国の大統領は何か勘違いしてますよ。
幾ら国内向けのパフォーマンスにしろですね、此処迄”しつこく”反日とかより力を結集して・・・なんて発言を繰り返してしまうと、日本国内の”良識派(笑)”でさえ、日本の過去が原因だ・・・っとは弁護が出来なくなる。
(日本人ってシツコク言われるの嫌いですよ)

なので、ある程度の所で沈黙を守って「耐え忍ぶ姿」をどうせパフォーマンスならやれば良かった。

今の状況からすると、あの大統領は自分で自分の首を絞めている格好になっていますよ。
(ガンガン言い続ければ日本は根負けする・・みたいなことを吹き込んじゃった誰かがいるのかも知れませんよ、笑)

つまりですね、苺さんが紹介している記事のような反応が増えれば増える程、韓国との間の歴史問題なんかに興味も関心もなかった
一般的な日本人迄にも嫌韓意識を持たせてしまう可能性が出て来てしまう・・・韓流ブームに浮かれている日本人がですよ。

こうした動きは中南海にしても実は困る、彼らは対政府には徹底的な圧力を掛けて、一般的な国民には大様な態度で接するっという戦略が得意なんですけど、そういうことが出来なくなる可能性が出てくる、しつこければね。

それにですね、もしも武力衝突ってなことになったとしても、上でも書いたように日本側には余りにも得るものは無さ過ぎる、っと思いません?

韓国と日本の立場が逆で、日本が韓国と武力衝突して韓国の先端技術でも資源でもが手に入る?なんてことも無い訳ですよ。

いや、そうじゃない!誇り面子ってモノがあるだろう!っとは言ってもですね、その面子や誇りの為に
国際社会全体の信用を失うことの方が被害は計り知れないっす。

実際、自衛隊にしても、もしも”総力”を上げて武力行使なんかしたら米国との関係さえ怪しくなるだろうし(笑)
(世界の中の日米同盟って最近確認したばかりなのに)

船一隻沈めて、得られるモノが何か?と欧米諸国との信頼関係を天秤に掛けたら、無線で注意を喚起する・・
ってな方法を取ってる方が利口ですよ、絶対に。

ついでに”同盟関係”ってな観点からすると、日本以西で日本が同盟関係を結べる主権国家ってのは実は存在していない。
ASEANにしても何処か不安定な要因を抱えているでしょ?

キンシンジャーの時代じゃないんだから別段中国と米国との間を仲介する必要も無いんで
無理に東アジア地域で米国の”代理”にならなくても何ら問題はない。

まぁ~放っておくってのも日本の国内世論のこともあるから、精々海保の巡視船を出す程度で止めておくのがいいですよ。

どっちの対応を国際社会は支持するか?だと思いますけど。

上記投稿者名: asean Author Profile Page 日付 July 4, 2006 12:05 AM

下記投稿者名: Sachi

こんちは、ブログ著者のカカシです。

戦闘で日本が得るものはないとアセアンさんはおっしゃるが、私はそうは思いません。特にアセアンさんが気にされている国際社会の支持ですが、私は日本が韓国に武力で対応したほうが国際社会から尊敬されると思います。特に日本は中国や北朝鮮を威嚇する必要があるので、韓国の脅しにみすみす弱腰になっては国際社会からばかにされるだけです。

かえって紛争になったほうが、国際社会からの注目を浴びて、竹島問題に白黒がつけられるかもしれません。

しかしアセアンさんがおっしゃるように、韓国の強気ないい分は本気ではないと私も思います。でも韓国があのような暴言を言えるのも、韓国はどうせ引くのは日本だと踏んでいるからです。つまりですね、これは英語でいうところのゲームオブチキンてやつですよ。(どっちが先に矛先をおさめるかというゲーム)

韓国は日本と戦争なんかしたくありません。いくら韓国の軍備設備が高度なものだといっても、日本の自衛隊だってアメリカから同じものを買ってるんですからね、海上自衛隊が本気になったら韓国だってかなりの損傷を負いますよ。彼等だってそれを知らないわけじゃない。

だから日本が口先だけじゃなく、本気でドンパチやる覚悟はあるぞいう態度をしめし、韓国の調査船の中に湾岸警備隊が乗り込むくらいのことをすればですね、韓国も本気で日本と交渉をはじめると思うのです。

いまのままでは完全にばかにされてますから、EEZだ竹島だといってみても交渉など決裂するだけです。

上記投稿者名: Sachi Author Profile Page 日付 July 4, 2006 12:55 AM

下記投稿者名: asean

う~~ん、なかなか強硬ですね・・・

カカシさんが仰る武力行使(敢えて日本単独の、ってことで)を行って国際社会からの支持が得られる
・・・ようになるにはですね、日本はもっと”普通の国”にならないと駄目だと思いますよ。

つまりですね、米国と英国の関係のように、って言うか、日本が単独行動を採ってもいわゆる欧米先進国は何ら心配をしない関係を築き上げた後ならそれは可能かも知れない、ってことですか、はい。

現状ではイラクでも復興支援での協力関係でしかないですし、他地域のPKOでも同様です。

憲法9条の問題やら、派遣された自衛隊員が発砲した際の責任問題ってな国内問題もあるとは思うんですが
どうでしょうね?それこそ多国籍軍に完全武装で戦闘行動に参加させて貰えるかどうか?

そういう意味では、領土問題なぞで武力衝突なんかはしたくない!ってのが本当だと思いますよ、日本政府は。
本土への攻撃とか威嚇ではないですからね。

もしも、領土問題で武力衝突してしまったりすると豪州、フランスなんかは何を言い出すか(笑・・ロシアもかな?)

つまり、日本が国際社会の中で”普通の国”として本格的に認められて初めて主権国家の権利でもある
武力行使を行ってもそれが正当なモノであれば認められるだろう・・・ってことですよ。

安保理の常任理事国入りを目指すのも一つにはそういう意味もあると思いますよ。
(拒否権の行使なんてどうでもいいんですよ、多分)

上記投稿者名: asean Author Profile Page 日付 July 4, 2006 1:26 AM

下記投稿者名: アラメイン伯

そうですね。フォークランドには少数とはいえ女王陛下の臣民が住んでいた。これはロンドン市民と同じように守らなければならない。
竹島には人は住んでませんが瀬戸内海の無人島と同じように日本国の領土です。

それにしても韓国は何故に国際司法裁判所で解決しようとしないのかな?そんなに自信があるなら提訴してもいいじゃないかって思います。

上記投稿者名: アラメイン伯 Author Profile Page 日付 August 9, 2006 6:30 AM

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